JP2006159273A - 亜鉛系めっき鋼板の高速ガスシールドアーク溶接方法 - Google Patents

亜鉛系めっき鋼板の高速ガスシールドアーク溶接方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 亜鉛系めっき鋼板の高速ガスシールドアーク溶接において、アークの安定性に優れ、スパッター発生量が少なく、溶接金属部での欠陥発生を抑制し、継手の引張強さ、疲労強度が高い信頼性ある継手を作製することが可能な、実操業に適した安定した技術を提供することを目的とする。
【解決手段】 溶接速度が0.8〜1.7m/分の亜鉛系めっき鋼板の高速ガスシールドアーク溶接方法において、シールドガスとしてアルゴンに10〜25%の炭酸ガスが添加されたガスあるいはアルゴンに2〜6%の酸素ガスが添加されたガスを用い、溶接ワイヤ直径に応じて、1パルス当たりの平均ピーク電流Ip、平均時間幅Tp、平均ベース電流Ibが所定範囲を満足する矩形波パルスが周期的に印可された電流波形に制御し、溶接トーチの先端を溶接線方向に、振動変位:3〜7mm、振動周波数:5〜40Hzで振動させながらアーク溶接を行う。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動車分野などで防錆性能が要求されるボディーやシャシーの組立に広く適用されているガスシールドアーク溶接方法に関し、特に、亜鉛系めっき鋼板を高速で溶接する際に亜鉛めっきの蒸発に起因して溶接部で発生するブローホールやピットの発生抑制やアークの安定性向上、スパッター低減を実現するためのアーク溶接方法に関するものである。
車体の防錆性能向上を目的として、現状、ボディーでは亜鉛系めっき鋼板が使用されているが、最近では、シャシーにも亜鉛系めっき鋼板が使用されるようになり、今後、その用途はさらに高まるものと考えられる。
一方、車体の組立てや部品の取付け等に用いられる溶接法としては、抵抗スポット溶接法が主に用いられているが、シャシー等剛性を必要とする部位では、ガスシールドアーク溶接法が主に使用されている。
ガスシールドアーク溶接法は、例えば、図1の(a)で示したように、2枚の亜鉛系めっき鋼板1同士を重ね合わせ、重ね合せ部(被溶接部)2で溶接トーチ3の先端からシールドガスを流しながら溶材4を供給し、溶材4と重ね合せ部2との間でアーク5を発生させ、図2の(b)で示したように、この熱で亜鉛系めっき鋼板1同士の重ね合せ部2と溶材4を溶融させながら溶接トーチ3を一定速度で移動させ(紙面に垂直な方向に移動)、溶接トーチ移動後に溶融部6を凝固させて、図2の(c)で示したように、溶接金属部7を形成させる溶接法である。シールドガスとしては、炭酸ガスやアルゴンに10〜20%の炭酸ガスが添加されたガス、あるいはアルゴンに2〜7%の酸素ガスが添加されたガスが使用されている。
一方、めっき鋼板としては種々のものが存在するが、その代表的なものは亜鉛系めっき鋼板であり、車体でも主として亜鉛系めっき鋼板が使用されている。亜鉛系めっき鋼板は、純Znめっきが被覆されたものだけではなく、Zn−Fe系合金やZn−Ni系合金等が被覆されたものもあり、後者は合金化亜鉛めっき鋼板と呼ばれている。被覆方法としては、溶融亜鉛めっき浴に浸漬する方法と電気で表面に析出させる方法がある。日本の自動車分野で主に使用されているのは、合金化亜鉛めっき鋼板(GA材)であるが、海外や自動車以外の分野では、電気亜鉛めっき鋼板(EG材)や溶融亜鉛めっき鋼板(GI材)も使用されている。
ところで、アーク溶接部(溶接継手)での品質指標としては、静的引張強さと疲労強度が重要である。高く安定した静的引張強さと疲労強度を得るためには、(1)溶接金属部(ビード部)で十分なのど厚(溶接ビード部の最大厚み)を得ること、(2)溶接金属部で十分な溶込みを得ること、(3)溶接金属部で欠陥を発生させないこと、(4)ビード端部でアンダーカット等の欠陥を発生させないこと、等が重要である。しかし、亜鉛系めっき鋼板をアーク溶接した場合には、亜鉛系めっき層が蒸発することによって、溶接金属部で多数の大きな気泡欠陥(ブローホール)が発生し、静的引張強さや疲労強度が低下する原因となる。亜鉛系めっき層の蒸発に起因して発生するブローホール欠陥は、大気中窒素などに起因して発生するブローホール欠陥とは比較にならないほど大きくかつ多数であるため、静的引張強さや疲労強度の低下は顕著になる。溶接金属部における欠陥の発生は、純Znが被覆されためっき鋼板だけで起こるのではなく、Zn−Fe系やZn−Ni系めっきが被覆された合金化亜鉛めっき鋼板のアーク溶接部でも同様に起こる。後者では、純Znめっきの場合に比べ、めっき層の融点が幾分上昇しているが、溶接金属部で欠陥が発生する問題は同じように生じる。
アーク溶接部で欠陥(ブローホール)が発生するメカニズムは、以下のようであると考えられる。自動車分野では、シールドガスとしてCOやAr+CO、Ar+Oを用いたMAG溶接が主に使われており、その実施形態は図1で示した通りである。すなわち、図1の(a)で示したように、2枚の亜鉛系めっき鋼板1同士を重ね合わせ、重ね合せ部(被溶接部)2で溶接トーチ3の先端から突き出した溶材4と重ね合せ部2との間でアーク5を発生させ、図1の(b)で示したように、重ね合せ部で溶融金属部6を形成させ、その後冷却によって溶融金属部6を凝固させて、図1の(c)で示したように、溶接金属部(ビード部)7を形成させる。図1で示した継手形状は重ね隅肉継手と呼ばれ、自動車分野では典型的なアーク溶接継手の形態である。
溶接金属部では、鋼の融点である1500℃以上まで温度が上昇するため、その周辺である熱影響部でも温度はかなり上昇する。一方、亜鉛の沸点は906℃であるため、熱影響部で亜鉛の沸点以上に温度が上昇した部位では、急激な亜鉛の蒸発が起こる。図1で示した継手形状においても、熱影響部では温度の上昇に伴い亜鉛が急激に蒸発するが、図1の(b)で示したように、このような継手形態では、特に鋼板間8の亜鉛系めっき層から蒸発した亜鉛蒸気が溶融金属部6の中に侵入した後、溶融金属が凝固するまでの間に亜鉛蒸気9が溶融金属内から逃げることなく閉じ込められた場合には、亜鉛蒸気9が溶接金属部の中に多く残留し欠陥が発生しやすくなる。その結果、図1の(c)で示したように、溶接金属部7内で大きな欠陥10が多数形成される。この欠陥はブローホールと呼ばれている。また、亜鉛蒸気9が、溶融金属が凝固するまでの間に完全に逃げ切れず、ブローホールの一部が溶接金属部7の表面に顔を出した場合には、開口した欠陥となり、これはピットと呼ばれている。自動車分野でボディーやシャシーの組立の際に適用されるアーク溶接では、生産性向上の点から、溶接速度が0.8〜1.5m/分程度と非常に高速の条件で溶接するため、溶融金属の凝固速度が非常に速く、その結果、溶融金属中に亜鉛蒸気が閉じ込められやすくなって、ブローホールやピットの発生量は増加する。
このように、亜鉛系めっき鋼板をアーク溶接した場合には、亜鉛蒸気の蒸発に起因して溶接金属部内やその表面で多数の大きな欠陥が形成されるため、この部分で亀裂が発生しやすくなり、静的引張強さや疲労強度の低下が認められるのである。特に、亜鉛系めっき鋼板で発生する欠陥は、裸鋼板の時に発生するような大気中の窒素や汚れ等の巻き込みに起因する欠陥よりはるかに大きく、また、数も多いため、継手の静的引張強さ低下や疲労強度低下に及ぼす影響は大きい。ピットのように表面に存在する欠陥は、亀裂の始点となる可能性が高いため、ブローホールよりさらに問題となる。
そこで、亜鉛系めっき鋼板のアーク溶接においては、従来、溶接金属部内での欠陥発生を抑制する方法が検討されている。
亜鉛系めっき鋼板をアーク溶接する際に、溶接金属部における欠陥発生を抑制する方法としてまず知られているのは、溶接施工前に被溶接部の亜鉛系めっき層を除去する方法である。亜鉛系めっき層を除去する具体的な方法としては、研削等で機械的に除去する方法、酸洗等で化学的に除去する方法、加熱源を用いて熱的に除去する方法等が上げられる。しかし、これらの方法は、前処理等を必要とするため、作業工程の増加や作業効率の低下を招き、溶接施工コストの上昇にもつながるという問題を抱えている。
溶接金属部での欠陥発生抑制法として次に上げられるのは、欠陥発生が最小となるような最適溶接条件下でアーク溶接を実施する方法である(例えば非特許文献1〜5、参照)。具体的には、アーク電圧・溶接電流の低下、溶接速度の低下等である。また、パルス電流と溶滴移行のタイミングを合わせることによりブローホールの発生を防止する方法も知られている(例えば特許文献1、参照)。しかし、これらの方法では、完全に欠陥発生を抑えることは困難であり、また、実施工上、条件が崩れるような外乱因子が作用する場合には、効果が認められない等の問題があった。
また、図1の重ね隅肉継手において、亜鉛系めっき鋼板の間で0.2mm以上の隙間を設け、亜鉛蒸気を逃がす方法も知られている(例えば非特許文献1〜5、参照)。具体的な手法として、プレス成形時に重ね隅肉継手のフランジ部に突起を形成し、重ね部にルート間隔を設けて、亜鉛蒸気を逃がす方法が提案されている(例えば特許文献2、参照)。しかし、実施工上、鋼板間で均一に隙間を設けることは困難である。また、ルート間隔の存在が継手の疲労強度低下をもたらすという問題もある。これ以外にも、溶融金属部に亜鉛蒸気が侵入しないような溶接姿勢を取る方法や、狙い位置を下端部側にもってくる方法、トーチ角を後退角とする方法等、溶接施工上からも各種方法が提案されているが、実施工上、全ての溶接において、このような手法を講じることは困難に等しい。
さらに、炭酸ガスと酸素ガスを含むシールドガスを用い、亜鉛めっきを酸化させることによって、欠陥の発生を抑制する方法が知られている(例えば非特許文献1〜5、特許文献3〜4、参照)。しかし、この方法では、溶融金属周囲の雰囲気における酸素ガスの濃度を増加させることによって欠陥発生が抑制されるものの、溶融金属への酸素ガスの作用によって、鋼板の溶け落ちが発生しやすくなるという問題があった。また、特殊なガスを用いるため、コスト的にも問題である。
また、別の方法として、面粗さが低い亜鉛系めっき鋼板を用いて、アーク溶接時に鋼板間から亜鉛蒸気を逃がして欠陥発生を抑制する方法も知られている(例えば非特許文献3、参照)。しかし、製鉄設備の制約上、このような面粗さが低い亜鉛系めっき鋼板を製造することは困難であり、コストアップの原因ともなる。さらに、片面でのめっき付着量が20g/m以下のめっき鋼板を使う方法やFe濃度が低い亜鉛系めっき鋼板を使う方法も知られているが、被溶接部材の耐食性や成形性の観点で問題があった。
さらに、別の方法として、欠陥発生抑制に対して効果がある薬品を事前に鋼板間に塗布し、アーク溶接を行う方法が知られている(例えば非特許文献6、特許文献5〜7、参照)。しかし、この方法では、アーク溶接を行う部分に、事前に大量の薬品を塗布するという前工程が必要となり、その分、作業工程が増えて、経済的負荷も増加するので、作業性や経済性の点で好ましい方法ではない。
また、欠陥発生抑制に対して効果がある特殊な成分組成の溶材を用いる方法が知られている(例えば非特許文献7〜8、特許文献8〜10、参照)。しかし、この方法では、Nb、V等が添加された特殊な溶材が必要となるため、溶材コストが増加し、また、欠陥発生抑制効果が少ないという問題があった。
また、高速で回転するトーチを用いて、亜鉛めっきを事前に蒸発させ、また、溶融池での亜鉛蒸気を逃げやすくさせて、溶接部の欠陥の発生を抑制する方法が知られている(例えば非特許文献9、参照)。しかし、この方法では、高速でトーチを回転させるため、アークが不安定となり、また、ビードが蛇行するという問題があった。
さらに、通常のパルスに低周波のパルスを重畳させることが可能な電源を用い、溶融池を振動させて溶融金属中から亜鉛蒸気を追い出し、欠陥の発生を抑制する方法が知られている(例えば非特許文献10、特許文献11、参照)。しかし、この方法においても、実施工上、条件が崩れるような外乱因子が影響する場合には、効果が認められない等の問題があった。
これ以外にも、電極ワイヤを振動させることによってブローホールを低減させる方法(例えば特許文献12、参照)や、電極に対して先行するフィラーメタルに相対的な振動を与えつつ、フィラーメタルを溶融池に挿入する方法(例えば特許文献13、参照)、複数のワイヤを用い、アルゴンまたはアルゴン+炭酸ガスに酸素が添加されたシールドガスに用いて、先行ワイヤのみにアークを発生させて溶融池を形成させ、後行ワイヤを振動させながら挿入する方法が知られている(例えば特許文献14、参照)。
電極ワイヤを振動させることによってブローホールを低減させる方法(例えば特許文献12、参照)は、裸鋼板のアーク溶接ではある程度有効であるが、亜鉛系めっき鋼板を高速でアーク溶接する場合には、アークが非常に不安定になり、溶滴移行も乱れて、多量のスパッターが発生したり、ビード形状が劣化したり、欠陥が発生するという問題が生じる。また、先行フィラーメタルを振動させながら溶融池に挿入させる方法(例えば特許文献13、参照)や後行ワイヤを振動させながら溶融池に挿入する方法(例えば特許文献14、参照)では、フィラーメタルや複数のワイヤが必要となるため、装置が複雑化かつ大型化してトーチの動く範囲が制限されたり、また、フィラーメタルや複数のワイヤの制御が難しいため、実施工上存在する外乱因子が作用する場合には効果が認められない等の問題があった。
「溶接技術」1993年2月号 72〜80頁 「TOYOTA Technical Review」 Vol.45 No.1 May (1995) p.116〜p.125 「溶接学会論文集」第16巻(1998年)第4号 453〜461頁 「溶接学会論文集」第15巻(1997年)第3号 476〜483頁 「溶接学会論文集」第15巻(1997年)第3号 484〜493頁 「溶接技術」1989年2月号 94〜98頁 「新日鉄技報」第355号(1995年) 58〜59 「溶接学会全国大会講演概要」第58集(1996年) 52〜53 「溶接学会・第136回溶接法研究委員会資料」No.SW-2151-92 (1992) 「溶接学会論文集」第16巻(1998年)第1号 45〜50 特開平1−202394号公報 特開昭62−179869号公報 特開平2−37975号公報 特開平6−649号公報 特開昭63−56395号公報 特開昭63−108994号公報 特開昭63−108995号公報 特開平1−309796号公報 特開平2−59195号公報 特開平8−66792号公報 特開平6−285643号公報 特開昭54−147151号公報 特開昭61−165276号公報 特開平6−39554号公報
前述のように、亜鉛系めっき鋼板をアーク溶接した場合には、溶接金属部で大きな欠陥(ブローホールやピット)が多数発生するため、この部分で亀裂が発生しやすくなり、静的引張強さや疲労強度の低下が認められる。特に、亜鉛系めっき鋼板で発生する欠陥は、大気中の窒素や汚れ等の巻き込みによって発生する欠陥よりかなり大きく、数も多いため、継手の静的引張強さ低下や疲労強度低下に及ぼす影響は大きい。したがって、自動車分野において、高い耐食性が要求される部位に亜鉛系めっき鋼板が適用しにくいため、亜鉛系めっき鋼板を用いることによる耐食性の向上や錆代削減による軽量化、およびそれに伴う低燃費化、CO2排出量削減のメリットを十分に享受することができなかった。
本発明では、これらの従来技術における問題点を解決するために、亜鉛系めっき鋼板の高速ガスシールドアーク溶接において、アークの安定性確保、低スパッター化、溶け落ち発生抑制等、良好な溶接作業性を確保しつつ溶接金属部でブローホールおよびピットなどの欠陥発生を抑制することが可能な信頼性あるアーク溶接方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、亜鉛系めっき鋼板の高速ガスシールドアーク溶接における溶接金属部のブローホールおよびピットなどの欠陥発生が、めっきから発生した亜鉛蒸気が溶融池から逃げ出すまでの時間に依存することに着目し、溶接金属部における亜鉛蒸気起因の欠陥の発生を抑制するために、亜鉛蒸気の溶融池からの逃避時間を延長する手段を鋭意検討した。
その結果、亜鉛系めっき鋼板のアーク溶接において、溶接トーチの先端を溶接線方向に、適切な振動変位と振動周波数で振動させながらアーク溶接することにより、溶融池の凝固時間を増加させ、亜鉛蒸気の溶融池からの逃避時間を延長することが可能となり、溶接金属部で発生する亜鉛蒸気起因の欠陥を低減するために有効であることを見出した。
また、亜鉛系めっき鋼板の高速ガスシールドアーク溶接では、亜鉛蒸発によって、裸鋼板の場合とは比べものにならないほどアークが不安定になり、アーク切れやスパッターが多発し、特に、自動車分野で実施されているような0.8m/分以上、さらに1.0m/分以上の高速溶接では、この傾向は顕著である。この高速ガスシールドアーク溶接において、溶接トーチに振動を加えると、アークがさらに不安定になり、多量のスパッターが発生するようになる。
そこで、本発明者らは、高速ガスシールドアーク溶接で溶接トーチの振動を加えても、アークが不安定にならず、スパッターの発生を抑制することが可能な方法について検討した。その結果、高速度ビデオ撮影を用いた高速溶接時のアーク溶接現象の観察から、アークの安定性とスパッターの発生が主に溶滴移行状態に依存していることを発見した。そこで、亜鉛系めっき鋼板の高速ガスシールドアーク溶接で、溶滴移行をスムースに行い、アーク安定化、スパッター低減のための方法について検討した結果、所定の成分組成のシールドガスを用い、溶接ワイヤの線径に応じて、所定の形状の矩形波パルスが周期的に印可された電流波形に制御し、さらに、溶接トーチ先端を溶接線方向に振動を加える方法によって溶接部での亜鉛蒸気に起因した欠陥の発生が抑制され、かつアークも安定し、スパッターが発生しない溶接が可能であることを見出した。
本発明は、上記問題点を解決すべく、発明者らが鋭意研究を重ねた結果得られた結果に基づくものであり、その要旨とするところは、以下の通りである。

(1) 溶接速度が0.8〜1.7m/分の亜鉛系めっき鋼板の高速ガスシールドアーク溶接方法において、シールドガスとしてアルゴンに10〜25%の炭酸ガスが添加されたガスあるいはアルゴンに2〜6%の酸素ガスが添加されたガスを用い、1パルス当たりの平均ピーク電流Ip、平均時間幅Tp、平均ベース電流Ibが下記条件を満足する矩形波パルスが周期的に印可された電流波形に制御し、溶接トーチの先端を溶接線方向に、振動変位:3〜7mm、振動周波数:5〜40Hzで振動させながらアーク溶接することを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の高速ガスシールドアーク溶接方法。
(I)D=0.7mm以上1.0mm未満の場合
Ip=350〜450A、Tp=0.2〜1.0ms、Ib=15〜55A
(II)D=1.0mm以上1.2mm未満の場合
Ip=350〜450A、Tp=0.4〜1.4ms、Ib=15〜55A
(III)D=1.2mm以上1.4mm未満の場合
Ip=400〜500A、Tp=0.8〜2.0ms、Ib=20〜90A
(IV)D=1.4mm以上1.6mm未満の場合
Ip=450〜550A、Tp=1.6〜2.4ms、Ib=30〜90A
ただし、Dは溶接ワイヤの直径(mm)、Ipは1パルス当たりの平均ピーク電流(A)、Tpは1パルス当たりの平均時間幅(ms)、Ibはパルス間の平均ベース電流を示す。
本発明によれば、自動車分野等における車体の組立や自動車用部品の取付け、特に防錆性能が要求されるシャシー部品の組立で用いられる亜鉛系めっき鋼板の高速ガスシールドアーク溶接において、良好な溶接作業性を確保しつつ溶接金属部で亜鉛蒸気に起因するブローホールやピットなどの欠陥発生を抑制し、溶接継手の引張強さや疲労強度を向上させることができる。したがって、本発明の適用により、自動車分野等で亜鉛系めっき鋼板適用による耐食性向上や軽量化による低燃料費、CO2排出量削減のメリット等を十分に享受でき、社会的な貢献は多大である。
以下、本発明について詳細に説明する。
図2に本発明の実施形態の一例を示す。図2で示した継手形状は、図1と同様に、重ね隅肉継手と呼ばれ、自動車分野では典型的なアーク溶接継手の形態である。
本発明の亜鉛系めっき鋼板のアーク溶接方法では、2枚の亜鉛系めっき鋼板1同士を重ね合わせ、溶接トーチ3の先端から突き出した溶材4と亜鉛系めっき鋼板1との間でアーク5を発生させ、重ね合せ部で溶接金属部(ビード部)7を形成される。この際、溶接トーチ3を、図2で示したように、溶接方向11と平行な方向(図中、12の向き)に、振動変位:3〜7mm、振動周波数:5〜40Hzで振動させながらアーク溶接することを特徴とする。このように、溶接トーチ3の先端を溶接方向11と平行な方向(図中、12の方向)に振動させることによって、周期的に溶融池の溶接方向長さが増加し、また、高速ガスシールドアーク溶接における溶融金属部が凝固するまでの時間が長くなるため、溶融金属内に侵入した亜鉛蒸気が逃げ出すための時間を十分に確保でき、その結果、溶融金属が凝固する前に亜鉛蒸気が逃げやすくなって、溶接金属部(ビード部)7の中に残留する亜鉛蒸気が少なくなり、亜鉛蒸気に起因する溶接欠陥の発生が抑制されるものと考えられる。
従来、亜鉛蒸気に起因する溶接欠陥を低減するために溶接トーチを振動させる方法では、溶接トーチの振動によって溶融池を攪拌し、溶融池内に侵入した亜鉛蒸気を追い出すことを意図して、欠陥発生抑制がなされていた。しかし、本発明者らの2000コマ/秒の高速度ビデオを用いて溶融池を観察した結果では、溶接トーチの振動時には溶滴移行による溶融池の跳ね返り現象は観察されるものの、従来から知られるTIG溶接で観察されるような溶融池の周期的な振動や攪拌現象は観察されなかった。一方、本発明者らの試験結果によれば、上記のように、溶接トーチを溶接線方向に振動させると、周期的な溶融池の拡大と縮小が観察された。したがって、本発明者らは、溶接トーチを溶接線方向に振動させた場合に、溶接部で亜鉛蒸気に起因する欠陥発生が抑制される理由は、周期的に溶融池の溶接方向長さが増加し、溶融金属部が凝固するまでの時間が長くなり、その結果、溶融金属内に侵入した亜鉛蒸気が逃げ出すまでの時間を十分確保でき、溶融金属内に閉じ込められる亜鉛蒸気の量が減少したためではないかと考えられる。
本発明では、まず、溶接トーチを、溶接線方向(溶接方向と平行な方向、ビードの長手方向)に振動させることが重要である。溶接トーチを溶接線方向に振動させることによって、溶融池の長さが増加し、また、溶融金属部が凝固する時間が長くなるため、溶融金属内に侵入した亜鉛蒸気が逃げやすくなるからである。溶接トーチを溶接線方向と垂直な方向に振動させると、例えば、狙い位置がずれたり、ビードが蛇行したり、アークが不安定になる等の問題が生じ、溶接施工性を損なう。この現象は、亜鉛系めっき鋼板の高速アーク溶接では特に顕著である。一方、溶接トーチを高速で回転させる方法(例えば、非特許文献9、参照)も考えられるが、この場合には、トーチがビードに対して垂直方向にも動くため、上記で述べたように、アークが不安定になり、ビードが蛇行するという問題が生じる。したがって、本発明では、溶融金属内に侵入した亜鉛蒸気を効率よく逃がすためには、溶接トーチを溶接線方向に振動させることとした。
以下に、本発明において、溶接トーチの先端を溶接線方向に、変振動させる場合の振動変位と振動振動数の限定理由について説明する。
(溶接トーチ先端の振動変位:3〜7mm)
まず、本発明のアーク溶接法において、溶接トーチ先端を振動させる時の変位を3〜7mmに限定した理由について説明する。溶接トーチ先端の振動変位を変化させて、溶接金属部(ビード部)におけるブローホールの発生率を調査した結果、振動変位が3〜7mmの範囲において、ブローホール発生率が20%以下に低下し、それ以外の範囲では、ブローホール発生率が上昇することがわかった。なお、ここでブローホール発生率とは、図3で示したように、ビードの全長Aに対する、ビードに平行な方向の、ブローホール長さaの総和の割合であり、下記(1)式で示される。
ブローホール発生率(%)=Σa / A ×100 ・・・・・(1)
ただし、Aは溶接ビードの全長(mm)、Σaは溶接ビード方向のブローホール長さの総和(mm)を示す。
溶接トーチ先端の振動変位が3mm未満では、溶融池の大きさに対して振動変位が小さすぎるため、溶融金属部の長さが十分に増加せず、溶融金属が凝固するまでの時間が十分に確保できないため溶融部のブローホール発生率が十分に減少することができなくなる。
また、溶接トーチ先端の振動変位が7mmを越える場合には、溶融地池の大きさが増加しすぎて、その周囲の熱影響部の範囲が大きくなり、熱影響部での亜鉛蒸気の発生量が増加する結果、溶融地池に侵入する亜鉛蒸気量も増加し、溶融部のブローホール発生率が十分に減少することができなくなる。
このような理由から、本発明において、溶接トーチの先端を溶接線方向に振動させる際に振動変位を3〜7mmとする。
(溶接トーチ先端の振動周波数:5〜40Hz)
次に、本発明のアーク溶接法において、溶接トーチ先端を振動させる時の振動周波数を5〜40Hzに限定した理由について説明する。溶接トーチ先端の振動周波数を変化させて、溶接金属部(ビード部)におけるブローホールの発生率を調査した結果、溶接トーチ先端の振動周波数が5〜40Hzの範囲において、ブローホール発生率が20%以下に低下し、それ以外の範囲では、ブローホール発生率が上昇することがわかった。
溶接トーチ先端の振動周波数が5Hz未満では、溶接トーチ先端の振動周波数が低すぎて溶融池周辺で熱影響部へ入熱が十分に及ばず、その結果、溶融金属部の長さが十分に増加せず、また、溶融金属が凝固するまでの時間が十分に確保できないため溶融部のブローホール発生率が十分に減少することができなくなる。
また、溶接トーチ先端の振動周波数が40Hzを越える場合には、振動周波数が高すぎてアークが不安定になり、溶融地池の形成状況も不安定となって、溶融金属部の長さが十分に増加しなかったり、溶融金属が凝固するまでの時間が十分に確保できなかったり、あるいは、過大入熱によって亜鉛蒸発の発生量が多くなりすぎる結果、溶融部のブローホール発生率が十分に減少することができなくなる。
このような理由から、本発明において、溶接トーチの先端を溶接線方向に振動させる際に振動周波数を5〜40Hzとする。
溶接トーチの先端を溶接線方向に振動させるための具体的手段は、特に限定されるものではないが、機械的な振動装置を用いた方法、例えば、モータの回転運動を滑子クランク機構により直線運動に変換する方法、モータの回転運動をクランクと揺動梃により揺動運動に変換する方法を用いても良いし、ロボット等を用いてウィービングさせても良い。なお、振動させる装置として、振動変位が1mm単位で調整可能な装置であることが望ましい。
本発明では、上記実施形態において、後述する理由で、溶接速度を0.8〜1.7m/分に限定した。また、シールドガスとしては、アルゴンに10〜25%の炭酸ガスが添加されたガスあるいはアルゴンに2〜6%の酸素ガスが添加されたガスに限定した。また、溶接電流としては、1パルス当たりの平均ピーク電流Ip、平均時間幅Tp、平均ベース電流Ibが下記条件を満足する矩形波パルスが周期的に印可された電流波形に限定した。以下、それぞれの限定理由について説明する。
(溶接速度)
本発明において、溶接速度は、溶接部での欠陥発生状況やアークの安定性、スパッターの発生状況に大きな影響を与える。
溶接速度が0.8m/分より低い場合には、溶接部での欠陥発生やアークの不安定化、スパッター発生等の問題が少なくなるが、自動車分野における車体の組立や自動車用部品の組立に用いられるアーク溶接の効率低下によって生産性が低下するため、好ましくない。
また、溶接速度が1.7m/分より早い場合には、溶融金属の凝固速度が速くなって溶接部での欠陥発生抑制効果が認められなくなり、また、溶滴移行がスムースに行われなくなり、さらにアークが不安定になってスパッター発生量が多くなる。
このような理由から、本発明において、ガスシールドアーク溶接時の溶接速度を0.8〜1.7m/分とする。
(シールドガス組成)
本発明のアーク溶接では、以下の理由で、シールドガスとして、アルゴンに10〜25%の炭酸ガスが添加されたガスあるいはアルゴンに2〜6%の酸素ガスが添加されたガスを用いる必要性がある。
これらの組成のシールドガスを用いると、特に、本発明の後述するような溶接電流に周期的なパルスが印可されたパルス溶接において、1パルスごとに最適な大きさの溶滴が形成され、この溶滴が溶融池に対してスムースに移行するようになる。その結果、高速ガスシールドアーク溶接方法において、溶接ワイヤと被溶接物の短絡による異常な電流上昇がなくなり、アークが安定して、溶融池の形状も安定するため、溶融池拡大がスムースに行われる。また、高速ガスシールドアーク溶接方法において、異常な短絡が無くなるため、スパッターの発生も極端に減少する。
シールドガスとして、アルゴン+炭酸ガスの混合ガスを用いる場合では、炭酸ガスの添加量が10%より少ないと炭酸ガス添加によるアーク安定性向上の効果が得られないためアルゴンガスに添加する炭酸ガスの添加量の下限値を10%に限定した。一方、アルゴンガスに添加する炭酸ガスの添加量が25%を越えると、アーク溶接時に溶滴が大きくなりすぎてスパッタの発生が多くなるいため、アルゴンガスに添加する炭酸ガスの添加量の上限値を25%に限定した。
また、シールドガスとして、アルゴン+酸素ガスの混合ガスを用いる場合では、酸素ガスの添加量が2%より少ないと酸素ガス添加によるアーク安定性向上の効果が得られないためアルゴンガスに添加する酸素ガスの添加量の下限値を2%に限定した。一方、アルゴンガスに添加する酸素ガスの添加量が6%を越えると、アーク溶接時に溶け落ちが起こりやすくなって溶接後の補修等が必用となり、溶接作業性を落とし、また、コストの上昇を招く等の問題が生じるため、アルゴンガスに添加する酸素ガスの添加量の上限値を6%に限定した。
シールドガスに酸素を添加すると、酸素ガスによって亜鉛が酸化され、また、溶融池の粘性が低下するため、亜鉛蒸気が逃げやすくなってブローホールやピットが減少することが知られている(例えば、非特許文献1〜5、特許文献3〜4、14、参照)。
アルゴン+酸素ガスの混合ガスを用いる場合では、高速ガスシールドアーク溶接方法において、アークの安定性向上、スパッターの低減効果だけでなく、ブローホール、ピットの減少効果も期待される。この酸素による効果を得るために、本発明において、アルゴン+炭酸ガスの混合ガスに、さらに、必要に応じて、2〜6%の酸素ガスを添加しても良い。
なお、一般に、アーク溶接用のシールドガスとしては炭酸ガスも使われているが、高速ガスシールドアーク溶接方法において、シールドガスとして炭酸ガスのみを用いた場合には、非常に大きな溶滴が形成され、一定電流で溶接する場合でも多量のスパッターが発生し、本発明で適用する後述のパルス溶接では、溶滴移行が不安定になって実質アーク溶接が出来ないため、シールドガスとしては好ましくない。
(パルス波形の平均ピーク電流Ip、平均時間幅Tp、パルス間の平均ベース電流Ib)
高速ガスシールドアーク溶接方法において、パルス波形は、特にシールドガス組成や溶接ワイヤの直径と関連して、溶滴の大きさ、溶滴の移行状態に大きな影響を及ぼし、その結果、アークの安定性、スパッターの発生状況、溶融池の形状に大きな影響を与える重要な因子である。本発明の高速ガスシールドアーク溶接方法では、以下の理由で、溶接ワイヤ直径Dに応じて、図4で示した1パルス当たりの平均ピーク電流Ip13、平均時間幅Tp14、および平均ベース電流Ib15が以下の所定条件を満足する矩形波パルスが周期的に印可された電流波形に制御して溶接する必要がある。
(I)D=0.7mm以上1.0mm未満の場合
Ip=350〜450A、Tp=0.2〜1.0ms、Ib=15〜55A
(II)D=1.0mm以上1.2mm未満の場合
Ip=350〜450A、Tp=0.4〜1.4ms、Ib=15〜55A
(III)D=1.2mm以上1.4mm未満の場合
Ip=400〜500A、Tp=0.8〜2.0ms、Ib=20〜90A
(IV)D=1.4mm以上1.6mm未満の場合
Ip=450〜550A、Tp=1.6〜2.4ms、Ib=30〜90A
ただし、Dは溶接ワイヤの直径(mm)、Ipは1パルス当たりの平均ピーク電流(A)、Tpは1パルス当たりの平均時間幅(ms)、Ibはパルス間の平均ベース電流を示す。
各溶接ワイヤ直径Dに応じて規定した1パルス当たりの平均ピーク電流Ipが上記下限より低い場合には、高速ガスシールドアーク溶接において十分な大きさの溶滴が形成されず、また、ピンチ力による溶滴切り離しとその後の溶滴移行がスムースに行われなくなる。また、1パルス当たりの平均ピーク電流Ipが上記上限より高い場合には、溶滴が大きくなりすぎ、また、アーク力が強くなりすぎてビードが蛇行するようになる。
各溶接ワイヤ直径Dに応じて規定した1パルス当たりの平均時間Tpが上記下限より低い場合には、十分な大きさの溶滴が形成されなくなり、また、1パルス当たりの平均時間Tpが上記上限より高い場合には、溶滴が大きくなりすぎる。
各溶接ワイヤ直径Dに応じて規定した各パルス間の平均ベース電流Ibが上記下限より低い場合には、アークが維持されなくなってアーク切れが起こり、また、各パルス間の平均ベース電流Ibが上記上限より高い場合には、ベース電流中に小さな溶滴が形成されてスパッター発生の原因となる。
このような理由から、本発明において、ガスシールドアーク溶接時の電流波形を、溶接ワイヤ直径Dに応じて、1パルス当たりの平均ピーク電流Ip13、平均時間幅Tp14が上記の所定条件を満足するように制御し、また、パルス間の平均ベース電流Ib15が上記の所定条件を満足するように制御する。
図4で示した溶接電流波形において、パルス波形の面積は熱エネルギーに相当し、ガスシールドアーク溶接時の溶滴の大きさに影響を及ぼす。より最適な溶滴の大きさを得るためには、上記溶接ワイヤ直径Dの他に、さらに、溶滴が形成に影響を与える溶溶接ワイヤの成分やシールドガス組成に応じて1パルス当たりの平均ピーク電流Ipと平均時間幅Tpのバランスを取るように調整すること望ましい。
高速ガスシールドアーク溶接における溶滴の形成および移行状態は、特に、上記溶接電流波形の1パルス当たりの平均ピーク電流Ip、平均時間幅Tp、パルス間の平均ベース電流Ibに大きな影響を受けるが、図4で示した溶接電流波形の平均アップスロープ時間Tup16、平均ダウンスロープ時間Tdw17も、スパッターの発生に影響を与える。
本発明の目的とする効果を得るためには、溶接電流波形の平均アップスロープ時間Tup、平均ダウンスロープ時間Tdw特に限定する必要はないが、良好な大きさの溶滴の形成、よりスムースな移行を行い、スパッター発生を安定して抑制するため、平均アップスロープ時間Tup、平均ダウンスロープ時間Tdwはできるだけ短い方が望ましい。しかし、あまり短いと、電流の急激な立ち上がりによって騒音が発生するため、平均アップスロープ時間Tup、平均ダウンスロープ時間Tdwは、0.3〜1.0msとなるように制御するのが好ましい。
本発明では、パルス電流印可の周波数については特に規定しないが、溶接電流を変化させる際、ベース電流Ib15の区間の時間調整でパルスの周波数を決めるような電源(ベース電流区間を調整しパルスの数を変化させて溶接電流を変化させるような電源)を用いることが好ましい。なぜなら、パルスの形状を変化させて溶接電流を変化させる電源では、溶接電流の増加に伴いパルス波形の平均ピーク電流Ipや平均時間幅Tpが変化して溶滴の大きさが変化し、溶滴移行状態に影響を及ぼすからである。なお、上記で述べた周波数とは、図4の18で示した、ひとつのパルスの立ち上がりから次のパルスの立ち上がりまでの時間を周期fとした場合に
周波数=1/f
で定義される値である。
本発明のアーク溶接においては、鋼板の種類について特に限定する必要がなく、固溶型、析出型(例えば、Ti析出型、Nb析出型)、2相組織型(例えば、フェライト中にマルテンサイトを含む組織、フェライト中にベイナイトを含む組織)、加工誘起変態型(フェライト中に残留オーステナイトを含む組織)、微細結晶型(フェライト主体組織)等、いずれの型の鋼板であっても良い。鋼板の強度や板厚についても、特に限定する必要はなく、本発明のアーク溶接方法の適用により、鋼板の特性を損なうことなく、優れた引張強さ、疲労強度を有する継手を実現することができる。
鋼板の表層に施されるめっき層の種類も、Zn系のものなら特に限定するものではない。例えば、Zn、Zn−Fe、Zn−Ni、Zn−Al、Sn−Zn等いずれのもので良い。これらのめっき層の目付量は特に限定しないが、両面で100/100g/m2以下のものが望ましい。
また、本発明の方法は、同種同厚鋼板組合せに限定されるものではなく、規定を満たしているのであれば、同種異厚、異種同厚、異種異厚組合せであっても良い。
また、アーク溶接に使う溶材についても特に限定されるものではなく、本発明のアーク溶接法を適用することにより、めっき鋼板の特性を損なうことなく、優れた引張強さと疲労強度を有する継手を実現することができる。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例の条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例1)
供試材として、表1に示した、引張強さが270、440、590MPa級の合金化亜鉛めっき鋼板(JAC270C:冷延軟鋼板、JAH270C:熱延軟鋼板、JAH440C:440MPa級の固溶強化型熱延鋼板、JAC590R:590MPa級Nb析出強化型冷延鋼板)を用いた。それぞれの板厚、めっきの目付量、機械的特性、成分は表1に示した通りである。これらの鋼板から80×300mmの短冊型試験片を切り出し、図2で示したように、同種の2枚の鋼板を20mmラップさせ、この重ね合せ部をアーク溶接した。アーク溶接用の溶接ワイヤとしては、表2で示したように、市販の軟鋼板用溶材(YGW15相当)、590MPa級鋼板用溶材(YGW23相当)を用いた。溶接ワイヤの直径、溶着金属の機械的特性、成分は表2に示した通りである。なお、溶接ワイヤとしては、Nb、V等の特殊元素が添加されていない一般品を使用した。アーク溶接条件は、表3に示した通りである。
Figure 2006159273
Figure 2006159273
Figure 2006159273
アーク溶接の際、目視と高速度ビデオでアークの安定性を観察した。また、溶接中に発生したスパッターを収集し、スパッター発生量を目視で観察した。アーク溶接後に試験片溶接部のX線透過写真を撮影し、この写真を用いて、図3で示したようにブローホールのビード方向の長さを測定し、下記(1)式からブローホール発生率を計算した。また、ビード表面のピット数を数えた。
ブローホール発生率(%)=Σa / A ×100 ・・・・・(1)
ただし、Aは溶接ビードの全長(mm)、Σaは溶接ビード方向のブローホール長さの総和(mm)を示す。
さらに、ビードの外観観察を行い、溶け落ちが発生しているかどうかを調査した。表3にその結果を併せて示した。
表3で示したように、溶材種類:JISYGW15、直径:1.2mmの溶接ワイヤを用い、めっきの目付量:45g/m2、鋼種:JAH270C、板厚:2.0mmの合金化亜鉛めっき鋼板を本発明で規定した条件下でアーク溶接したNo.1〜No.16の発明例では、ブローホール発生率が著しく低い値(18%以下)を示し、ピット数も低い値を示し、溶接部欠陥がない良好な結果が得られた。また、溶接時のアークの安定性も良好であり、スパッター発生量も少なく、かつ溶け落ちも起こらなかった。
一方、No.1〜No.16の発明例と同じ溶接ワイヤおよび合金化亜鉛めっき鋼板を用いたが、溶接トーチを全く振動させないNo.31、No.32の比較例、溶接トーチの振動条件が本発明の範囲外であるNo.33〜No.40の比較例では、ブローホール発生率が著しく高くなり、ピット数も高い結果であった。
また、No.1〜No.16の発明例と同じ溶接ワイヤおよび合金化亜鉛めっき鋼板を用い、本発明で規定した条件下で溶接トーチを振動させたが、パルス溶接を行わないNo.41〜No.43の比較例やシールドガス組成が本発明の範囲外のNo.44〜No.47の比較例、溶接速度が本発明の範囲外のNo.48〜No.49の比較例、パルス条件が本発明の範囲外のNo.50〜No.55の比較例では、アークが不安定になったり、スパッター発生量が増加したり、溶け落ちが起きたり、あるいは、ブローホール発生率やピット数が増加するという問題が生じた。
No.1〜No.16の発明例に比べてめっきの目付量、鋼種の異なる合金化亜鉛めっき鋼板、溶材の種類が異なる溶接ワイヤを用い、本発明に規定された条件範囲内でアーク溶接を実施したNo.17〜No.24の発明例についても、ブローホール発生率とピット数が低い値を示し、アークの安定性も良好で、スパッター発生量も少なく、かつ溶け落ちも起こっていなかった。
また、No.1〜No.16の発明例に比べて、直径:0.8mm、1.0mm、1.4mmの溶接ワイヤを用い、本発明で規定した条件下でアーク溶接したNo.25〜No.30の発明例についても、同様に、ブローホール発生率が著しく低い値(20%以下)を示し、ピット数も低い良好な品質の溶接継手が得られた。また、アークの安定性も良好であり、スパッター発生量も少なく、かつ溶け落ちも起こらなかった。
一方、No.1〜No.16の発明例に比べて、異なる板厚(0.8mm)の合金化亜鉛めっき鋼板、異なるワイヤ直径(0.8mm)の溶接ワイヤを用い、溶接トーチを全く振動させないNo.56〜No.57の比較例や溶接トーチの振動条件が本発明の範囲外であるNo.58〜No.61の比較離、本発明で規定した条件下で溶接トーチを振動させたが、パルス溶接を行わない場合(No.62)、シールドガス組成が本発明の範囲外のNo.63〜No.64の比較例、溶接速度が本発明の範囲外のNo.65の比較例、パルス条件が本発明の範囲外のNo.66〜No.71の比較例では、アークが不安定になったり、スパッター発生量が増加したり、溶け落ちが起きたり、あるいは、ブローホール発生率やピット数が増加するという問題が生じた。
上記において、板厚の異なる亜鉛系めっき鋼板を用いても、母材として、それ以外の鋼種を用いても、また、めっき種、目付量、溶材の種類や線径を変えて実験を実施しても、結果は同様であった。
本発明は、例えば、自動車分野におけるボディー部品、足廻り部品、衝突安全対策用補強部品だけでなく、高い耐食性、引張強さ、疲労強度が要求され、かつ、軽量化が必要とされる部品に対して活用される可能性がある。
亜鉛系めっき鋼板のアーク溶接を説明するための断面図である。 本発明の亜鉛系めっき鋼板のアーク溶接を説明するための断面図である。 溶接金属部(ビード部)のブローホール発生率を説明するための断面図である。 溶接電流波形を説明するための図である。
符号の説明
1…亜鉛系めっき鋼板
2…重ね合せ部(被溶接部)
3…溶接トーチ
4…溶接ワイヤ
5…アーク
6…溶融金属部
7…溶接金属部(ビード部)
8…鋼板間
9…亜鉛蒸気
10…欠陥(ブローホール、ピット)
11…トーチ進行方向
12…振動方向
13…パルスの平均ピーク電流Ip
14…パルスの平均時間幅Tp
15…平均ベース電流Ib
16…平均アップスロープ時間Tup
17…平均ダウンスロープ時間Tdw
18…パルスの周期f

Claims (1)

  1. 溶接速度が0.8〜1.7m/分の亜鉛系めっき鋼板の高速ガスシールドアーク溶接方法において、シールドガスとしてアルゴンに10〜25%の炭酸ガスが添加されたガスあるいはアルゴンに2〜6%の酸素ガスが添加されたガスを用い、1パルス当たりの平均ピーク電流Ip、平均時間幅Tp、平均ベース電流Ibが下記条件を満足する矩形波パルスが周期的に印可された電流波形に制御し、溶接トーチの先端を溶接線方向に、振動変位:3〜7mm、振動周波数:5〜40Hzで振動させながらアーク溶接することを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の高速ガスシールドアーク溶接方法。
    (I)D=0.7mm以上1.0mm未満の場合
    Ip=350〜450A、Tp=0.2〜1.0ms、Ib=15〜55A
    (II)D=1.0mm以上1.2mm未満の場合
    Ip=350〜450A、Tp=0.4〜1.4ms、Ib=15〜55A
    (III)D=1.2mm以上1.4mm未満の場合
    Ip=400〜500A、Tp=0.8〜2.0ms、Ib=20〜90A
    (IV)D=1.4mm以上1.6mm未満の場合
    Ip=450〜550A、Tp=1.6〜2.4ms、Ib=30〜90A
    ただし、Dは溶接ワイヤの直径(mm)、Ipは1パルス当たりの平均ピーク電流(A)、Tpは1パルス当たりの平均時間幅(ms)、Ibはパルス間の平均ベース電流を示す。
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