JP2006035293A - 溶接部の耐食性および耐亜鉛脆化割れ性に優れた亜鉛めっき鋼板の溶接方法 - Google Patents

溶接部の耐食性および耐亜鉛脆化割れ性に優れた亜鉛めっき鋼板の溶接方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 亜鉛系合金めっき鋼板をステンレス系溶接ワイヤを用いてアーク溶接する際に、溶接部、特にステンレス系成分の溶接金属の液体金属脆化割れを抑制し、従来に比べ耐食性および耐液体金属脆化割れ性に優れた溶接部が得られる亜鉛系合金めっき鋼板のアーク溶接方法を提供する。
【解決手段】 合金成分として、ワイヤ全質量に対する質量%で、C:0.01〜0.05%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.5〜3%、Ni:7〜12%、Cr:24〜30%を含有し、さらに、Mo:1%以下、N:0.1%以下に制限したステンレス系溶接ワイヤを用いて前記亜鉛系合金めっき鋼板の接合部にフェライト相が面積率で25%以上含有し、かつ引張り強さ(TSW)が母材引張り強さ(TSB)に対する比(TSW/TSB)で1.8以下である溶接金属を形成する溶接部の耐食性および耐液体金属脆化割れ性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板のアーク溶接方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、主に、建材、自動車部材として使用される亜鉛系合金めっき鋼板の溶接方法に関し、特に、耐食性および耐液体金属脆化割れ性に優れた溶接部を得るためのステンレス系溶接材料を用いた亜鉛系合金めっき鋼板のアーク溶接方法に関する。
亜鉛系合金めっき鋼板は、建築や自動車など構造部材の耐食性向上の観点から幅広く用いられている。従来、溶接構造物の耐食性向上に関しては、非めっき材を溶接加工後に、亜鉛系合金浴に浸漬し亜鉛系合金を鋼材および溶接部表面に付着させ、溶接構造物全体の耐食性を確保する方法が用いられていた。しかしながら、この方法は、溶接工程後にめっき付着工程を必要とするため生産性が劣るとともに、めっき浴等の付加的な設備が必要となるためコスト高になる。このような背景からも、事前にめっきの施された亜鉛めっき鋼板を溶接構造物に使用するようになってきた。
亜鉛系合金めっき鋼板を溶接構造物として使用する場合、溶接時に溶融または加熱された溶接金属および溶接熱影響部(以下では、HAZと呼ぶ)は亜鉛系合金めっき鋼板の表面に施されためっき層が消失または損傷するため耐食性が劣化する。このため、従来、溶接部の耐食性を確保するために溶接部にジンクリッチペイント等の塗料を塗装することが一般的に行なわれている。しかしながらこの方法も、溶接の後工程での塗装作業が必要となるため生産性に難がある。また、このような塗料による防食は永年の使用環境において剥離したり、狭隘な個所への塗装が困難であるなどの問題のため、耐食性が十分であるとは言い難い。
一方、耐食性が要求されるステンレス鋼材の溶接に用いられる接合材料としてステンレス系溶接材料が知られている。
また、従来からステンレス鋼材同士またはステンレス鋼材と普通鋼材をステンレス系溶接材料、特にオーステナイトステンレスの溶接材料を用いて溶接する際に溶接部に高温割れが発生しやすいことが知られている。一般に溶接部の高温割れは、溶接後の溶融金属の凝固時にPやS等が低融点化合物を形成し、溶接金属の最終凝固位置に偏析することが割れ発生の原因と考えられ、特にステンレス系成分の溶接金属では高温割れ感受性が高くなる。
従来、このステンレス系成分の溶接金属の高温割れを防止する方法として、ステンレス鋼と普通鋼の異種鋼材を溶接する場合には、Niが約12%、Crが約24%含有する309系ステンレス溶接材料を用いて接合部の溶接金属をフェライト相が10%程度含有する組織とする方法が知られている。また、高Cr系ステンレス鋼材をオーステナイト・フェライト系2相ステンレス鋼溶接材料(329系ステンレス溶接材料)を用いてフェライト相が30%以上含有する溶接金属の溶接後の遅れ割れを防止するためにフェライト含有量に応じて溶接材料中の水素含有量を制限する方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、亜鉛系合金めっき鋼板を溶接する場合には、溶接部の溶接金属および母材熱影響部と、その表面に残存した溶融亜鉛系合金めっきとが接触することで液体金属脆化割れが発生しやすくなるという新たな問題が生じる。一般に亜鉛系合金めっき鋼板を溶接する際に生じる液体金属脆化割れは、亜鉛系合金めっき中の低融点成分と溶接部の熱応力状態に影響を受け、板厚の増加(3mm以上程度)や拘束力が高い継手条件で溶接する場合に溶接部(溶接金属および母材熱影響部)が冷却過程での熱収縮で引張応力が働いた状態で表面に残存した溶融亜鉛系合金が溶接金属や母材熱影響部の結晶粒界に浸入し、脆化させることが原因であると考えられている。
したがって、亜鉛系合金めっき鋼板の溶接部の耐食性を向上するためにステンレス系溶接材料を用いる場合には、ステンレス系成分の溶接金属に特有な高温割れに加えて、溶融亜鉛系合金めっきに起因する液体金属脆化割れを防止することが新たな課題となる。しかし、上述の通り、溶融金属の凝固時に発生する高温割れと、凝固後の溶接金属や母材熱影響部の冷却、熱収縮時の溶融亜鉛系合金めっきに起因する液体金属脆化割れとは発生メカニズムが異なるため、亜鉛系合金めっき鋼板の溶接に上記309系ステンレス溶接材料や329系ステンレス溶接材料を適用してステンレス系成分の溶接金属中のフェライト組織を制御するだけでは液体金属脆化割れを防止するには至らなかった。
特開2001−9589号公報
前述の従来技術の現状を踏まえ、本発明は、亜鉛系合金めっき鋼板をステンレス系溶接ワイヤを用いてアーク溶接する際に、溶接部、特にステンレス系成分の溶接金属の液体金属脆化割れを抑制し、従来に比べ耐食性および耐液体金属脆化割れ性に優れた溶接部が得られる亜鉛系合金めっき鋼板のアーク溶接方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ステンレス系溶接ワイヤを用いて亜鉛系合金めっき鋼板をアーク溶接する際の液体脆化割れの発生は、溶接金属中のフェライト相の含有量と溶接金属の引張強さの母材に対する相対比に依存し、これらの条件を規定することにより液体脆化割れを抑制できることを知見した。本発明は、この知見を基になされたものであり、その要旨とするところは以下の通りである。
(1)亜鉛系合金めっき鋼板のアーク溶接方法において、合金成分として、ワイヤ全質量に対する質量%で、C:0.01〜0.05%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.5〜3%、Ni:7〜12%、Cr:24〜30%を含有し、さらに、Mo:1%以下、N:0.1%以下に制限したステンレス系溶接ワイヤを用いて前記亜鉛系合金めっき鋼板の接合部にフェライト相が面積率で25%以上含有し、かつ引張り強さTSWが下記(1)式を満足する溶接金属を形成することを特徴とする溶接部の耐食性および耐液体金属脆化割れ性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板のアーク溶接方法。
TSW/TSB≦1.8 ・・・ (1)
但し、TSBは亜鉛系合金めっき鋼板の母材引張り強さ(MPa)、TSWは溶接金属の引張り強さ(MPa)を示す。
(2)亜鉛系合金めっき鋼板のアーク溶接方法において、合金成分として、ワイヤ全質量に対する質量%で、C:0.01〜0.05%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.5〜3%、Ni:7〜12%、Cr:24〜30%を含有し、さらに、Mo:1%以下、N:0.1%以下に制限し、さらに、スラグ成分として、ワイヤ全質量に対する質量%で、スラグ成分含有量の合計が5%以下で、かつスラグ成分含有量の合計に対してTiO2を60%以上含有したステンレス系溶接ワイヤを用いて前記亜鉛系合金めっき鋼板の接合部にフェライト相が面積率で25%以上含有し、かつ引張り強さTSWが下記(1)式を満足する溶接金属を形成することを特徴とする溶接部の耐食性および耐液体金属脆化割れ性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板のアーク溶接方法。
TSW/TSB≦1.8 ・・・ (1)
但し、TSBは亜鉛系合金めっき鋼板の母材引張り強さ(MPa)、TSWは溶接金属の引張り強さ(MPa)を示す。
(3)前記スラグ成分が、さらにSiO2およびZrO2の1種または2種を0.2%以上含有し、かつ前記スラグ成分含有量の合計が5%以下であることを特徴とする上記(2)記載の溶接部の耐食性および耐液体金属脆化割れ性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板のアーク溶接方法。
(4)前記スラグ成分が、さらにBi:0.01〜0.1%含有することを特徴とする上記(2)または(3)記載の溶接部の耐食性および耐液体金属脆化割れ性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板のアーク溶接方法。
(5)前記スラグ成分が、さらにNa2O、K2OおよびCaOの1種または2種以上を0.1%以上含有し、かつ前記スラグ成分含有量の合計が5%以下であることを特徴とする上記(2)〜(4)の何れかに記載の溶接部の耐食性および耐液体金属脆化割れ性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板のアーク溶接方法。
本発明によれば、亜鉛系合金めっき鋼板をステンレス系溶接ワイヤを用いてアーク溶接する際の溶接金属の液体金属脆化割れを抑制することができ、耐食性に優れ、かつ割れ欠陥のない溶接金属を有する溶接継手を提供することができる。したがって、本発明の亜鉛系合金めっき鋼板の溶接継手を建築や自動車分野などの溶接構造部材に適用することにより、耐久性や安全性を従来に比べ向上できるため、本発明の産業上にもたらす貢献は多大なものである。
以下に本発明の詳細について説明する。
亜鉛系合金めっき鋼板をステンレス系溶接ワイヤを用いてアーク溶接する場合には、溶接金属がステンレス系成分組成となるため脆化割れ感受性が高まることが予想されるため、溶融亜鉛系合金めっきに起因する溶接金属の液体金属脆化割れの発生もより顕著となることは明らかである。したがって、従来、ステンレス系溶接ワイヤを用いて亜鉛系合金めっき鋼板をアーク溶接することは試みられなかった。なお、亜鉛系合金めっき鋼板とは、亜鉛めっき鋼板の他、亜鉛めっき中に耐食性向上のためにAl、Mg、Siなどを添加したZn−Al系合金めっき、Zn−Al−Mg系合金めっき、Zn−Al−Mg−Si系合金めっきが表面に施されためっき鋼板の総称を意味する。
そこで、本発明者らは、亜鉛系合金めっき鋼板成分組成を変えたステンレス系溶接ワイヤを用いて図1に示す試験体を作製し、ステンレス系溶接金属の液体金属脆化割れの発生形態を詳細に調査検討した。
図1に示す試験体は、水平に配置した亜鉛系合金めっき鋼板1の4辺を取り囲むように非めっき鋼板2を垂直に配置し、亜鉛系合金めっき鋼板1の4方各端部と非めっき鋼板2面との突合せ部を上側からステンレス系溶接ワイヤを用いてアーク溶接により隅肉溶接3を行うことで作製した。液体金属脆化割れの発生は、亜鉛系合金めっき鋼板の板厚および継手形状に起因する溶接時の拘束力の影響を受けるため、図1に示すように溶接時に極めて厳しい拘束条件にて溶接試験を行い、溶接金属の液体金属脆化割れを評価した。供試材は、SS400を母材鋼板とし、その表面に付着量70g/m2で亜鉛系合金めっきが施された板厚6mmの亜鉛系合金めっき鋼板を用い、溶接条件は、溶接電流:200A、アーク電圧:24V、溶接速度:40cm/minとし、シールドガスにアルゴン+2%酸素混合ガス(ソリッドワイヤの場合)、および炭酸ガス(フラックス入りワイヤの場合)を用いた。なお、溶接部に形成された溶接金属の成分組成に対する母材成分の希釈率は15%程度であった。溶接金属の液体金属脆化割れの観察は、試験体から溶接部を含む試験片を採取し、溶接金属のカラーチェック(浸透探傷法)にて行った。また、液体金属脆化割れの評価は、溶接線100mmの観察範囲において、溶接線に対し垂直な方向に発生した割れ発生個数、および、溶接線に対し平行な方向に発生した割れ長さで評価した。なお、以下に説明する溶接試験は、特に説明がない限り、図1の試験体を基に以上説明した試験要領と同様に実施したものとする。
先ず、ステンレス系溶接ワイヤの合金成分を変化させて溶接金属の組織及び特性と液体金属脆化割れ発生との関係について検討した。
溶接金属の組織及び特性を変化させるために、ステンレス系溶接ワイヤとして、C1:Ni:11%、Cr:20%を含有する一般的なオーステナイトステンレス鋼用溶接ワイヤ、C2:Ni:12%、Cr:24%を含有するステンレス・普通鋼の異材継手用溶接ワイヤ、C3:Ni:9%、Cr:24%、Mo:3%、N:0.2%を含有するオーステナイト・フェライト二相ステンレス用溶接ワイヤの3種類の溶接ワイヤを用いて溶接した。C1、C2、C3の各溶接ワイヤで溶接して得られる溶接金属中のフェライト含有量は、面積率でそれぞれ3%、20%、28%であり、溶接金属の引張強さは、母材鋼板の引張強さに対する相対比で1.4、1.7、2.0であった。その他の試験条件および液体金属脆化割れ評価法は上記図1の試験体作製及び評価と同じである。
図4に各ステンレス系溶接ワイヤ(C1〜C3)を用いて亜鉛系合金めっき鋼板を溶接した場合の溶接金属の液体金属脆化割れ発生状況の模式図を示す。
図4(A)〜(C)に示されるように、ステンレス系成分の溶接金属における液体金属脆化割れは、溶接線に対して垂直な方向に発生する割れ(以下、「縦割れ」という。)と、溶接線に対して水平な方向に発生する割れ(以下、「横割れ」という。)に大別される。溶接金属中のフェライト含有率が3%(溶接ワイヤC1)と最も低い条件で多数の縦割れ5が発生し(図4(A)、参照)、溶接金属中のフェライト含有率が20%(溶接ワイヤC2)、28%(溶接ワイヤC3)、と高くなると縦割れ5の発生は減少する(図4(B)、(C)、参照)。一方、溶接金属の引張強さが母材鋼板の引張強さに対する相対比で2.0(溶接ワイヤC3)と高い条件では、溶接止端部辺りに微小な横割れ6が発生し(図4(C)、参照)、溶接金属の引張強さが母材鋼板の引張強さに対する相対比で1.4(溶接ワイヤC1)、1.7(溶接ワイヤC2)と低い条件では、横割れ6の発生はなくなる。なお、溶接ワイヤC3のフェライト・オーステナイト二相ステンレス用溶接ワイヤを用いた場合に溶接金属の引張強さが増加した理由は、溶接ワイヤに含有されたMo,Nが耐食性を向上させる一方で、溶接金属の強度も向上させるためである。
図5は、溶接金属中のフェライト含有量(面積%)と、溶接線に対して垂直な方向に生じる液体金属脆化割れ(縦割れ)発生状況との関係を示す。
なお、溶接ワイヤは、Niが8〜14%、Crが18〜30%の範囲で変化させた種々のステンレス系溶接ワイヤをそれぞれ使用し、溶接金属中のフェライト量は、溶接金属の断面組織を光学顕微鏡撮影し、観察した断面におけるフェライト組織の面積率を求めた。液体金属脆化割れの縦割れは、溶接線に対して垂直な方向に発生した割れ(縦割れ)をカラーチェク(浸透探傷法)により検出し、溶接線に沿って割れ発生個数をカウントし、その割れ発生個数を溶接線の単位長さ(100mm)当たりの個数に換算して表した。
縦割れ5は、溶融金属が凝固後、溶接金属の冷却過程で熱収縮により溶接線方向に引張り応力7が発生し、溶接止端部近傍に残留する溶融亜鉛系合金めっきが溶接金属の結晶粒界に浸入する結果、溶接線に対して垂直な方向に液体金属脆化割れが発生するものと考えられる。溶接金属中のフェライト含有量の増加とともに縦割れ5が低減する理由は、フェライトの増加により溶接金属の組織が微細化され、溶融亜鉛系合金めっきの結晶粒界への浸入が抑制されるためと考えられる。
図5に示すように、溶接金属中のフェライト含有量(面積%)の増加により液体金属脆化割れの縦割れは低減し、フェライト含有量が25%以上の条件で、液体金属脆化割れのうち、溶接線に垂直方向に発生する縦割れの発生を防止できる。
したがって、本発明では、溶接部で発生する液体金属脆化割れのうちで、溶接線に垂直方向に発生する縦割れの発生を防止するための条件として溶接金属中のフェライト含有量を面積率で25%以上とした。
図6は、溶接金属の引張強さと、溶接線に対して水平な方向に生じる液体金属脆化割れ(横割れ)発生状況との関係を示す。
液体金属脆化割れの横割れは、溶接線に対して水平な方向に発生した割れ(横割れ)をカラーチェク(浸透探傷法)により検出し、合計の割れ長さを測定し、その割れ長さを溶接線の単位長さ(100mm)当たりの割れ長さに換算して表した。また、溶接金属の引張度さは、母材の引張り強さ(TSB)に対する溶接金属の引張り強さ(TSW)の比(TSW/TSB)で表した。
溶接止端部付近で発生する横割れ6は、溶接金属の冷却過程で熱収縮により溶接線に対して垂直な方向に引張り応力8が発生し、溶接止端部近傍に残留する溶融亜鉛系合金めっきが溶接金属との境界付近の母材熱影響部の結晶粒界に浸入する結果、溶接線に対して水平な方向に液体金属脆化割れが発生するものと考えられる。溶接金属の引張強さが母材鋼板の引張強さに対する相対比で、高い場合に横割れ6が発生しやすい理由は、溶接金属の引張強さが母材鋼板に比べて相対的に高くなると、溶接線に対して垂直な方向に熱収縮する際に溶接止端部の母材熱影響部での引張り応力8が高くなり、溶融亜鉛系合金めっきが母材熱影響部の結晶粒界へ浸入するのを助長するためと考えられる。
図6に示すように、母材の引張り強さ(TSB)に対する溶接金属の引張度さ(TSW)の比(TSW/TSB)が1.8以下の条件で、液体金属脆化割れのうち、溶接線に対して水平な方向に発生する横割れの発生を防止できる。
したがって、本発明では、溶接部で発生する液体金属脆化割れのうちで、溶接線に水平な方向に発生する横割れの発生を防止するための条件として溶接金属の引張り強さTSWが下記(1)式を満足するようにした。
TSW/TSB≦1.8 ・・・ (1)
但し、TSBは亜鉛系合金めっき鋼板の母材引張り強さ(MPa)、TSWは溶接金属の引張り強さ(MPa)を示す。
以下に、本発明のステンレス系溶接ワイヤ中に含有する主要な合金成分について説明する。なお、以下の説明において、「%」は特に説明がない限り、ワイヤ全量に対する「質量%」を意味するものとする。
本発明で使用するステンレス系溶接ワイヤは、上記溶接金属のフェライト含有量(面積率で25%以上)および引張り強さTSW(母材引張り強さTSBとの相対比TSW/TSBが1.8以下)を満足させるために、ステンレス系成分組成における主要成分を以下のように限定することが好ましい。
なお、ステンレス系溶接ワイヤは、本発明の目的を達成する限りにおいてソリッドワイヤおよびフラックス入りワイヤのいずれも適用することができるが、何れの場合も、各合金成分の含有量をワイヤ全質量に対して以下のように規定することが好ましい。
C:Cはオーステナイト相を安定化させる元素であり、その作用効果を得るために溶接ワイヤ中に0.01%以上含有する。しかし、0.05%を超える過度な添加は溶接金属強度を増加させ、亜鉛めっき鋼板の溶接止端部における液体金属脆化割れを発生させる恐れがあるため、溶接ワイヤ中のCの含有量は0.05%以下とした。
Si:Siは、溶接金属の脱酸元素として使用され、その作用効果を得るために溶接ワイヤ中に0.1%以上含有する。しかし、0.5%を超える過度な添加は溶接金属中に金属間化合物を生成し、溶接金属の靭性を低下させる恐れがあるため、Siの含有量の下限は0.5%とした。
Mn:Mnは溶接金属の脱酸作用と共に、高温割れに悪影響を及ぼす不可避的不純物成分であるSと結合してSを無害化する効果があり、この作用効果をえるため溶接ワイヤ中に0.5%以上含有する。しかし、その含有量が3%を超えると溶接金属の耐食性を低下させるため、Mnの含有量の上限を3%とした。
Ni:Niは溶接金属のオーステナイト相を安定化し、溶接金属のオーステナイト相とフェライト相のバランスを調整する重要な元素である。この作用効果を得るためには、溶接ワイヤ中のNi含有量を7%以上とする。一方、溶接ワイヤ中のNi含有量が12%を超える場合は、溶接金属の靭性低下を招く恐れがあるため、Ni含有量の上限を12%とした。
Cr:Crは溶接金属の主要なフェライト生成元素として作用し、溶接金属の液体金属脆化割れ防止に有効な元素であり、この効果を十分に得るために溶接ワイヤ中のCr含有量を24%以上とする。一方、溶接ワイヤ中のCr含有量が30%を超える場合には溶接金属中に金属間化合物を生成し、靭性を低下させるため、Cr含有量の上限を30%とした。
Mo:Moは溶接金属の耐食性を向上させる元素である。しかし、本発明では、Moの添加は溶接金属の強度増加により、溶接止端部の液体金属脆化割れの原因となり、溶接ワイヤ中のMo含有量が1%を超えると、液体金属脆化割れの発生が問題となるため、Mo含有量の上限を1%とする。また、溶接金属の液体金属脆化割れを防止するためには、溶接ワイヤ中のMo含有量を極力低減するのが好ましい。
N(窒素):Nは溶接金属のオーステナイトを安定化し、耐食性の向上に有効な元素である。しかし、本発明では、N含有量の増加は溶接金属強度増加による液体金属脆化割れの原因となり、溶接ワイヤ中のN含有量が1%を超えると、液体金属脆化割れの発生が問題となるため、Nの含有量の上限を0.1%とした。また、溶接金属の液体金属脆化割れを防止するためには、溶接ワイヤ中のN含有量を極力低減するのが好ましい。
本発明において、ステンレス系溶接ワイヤは、ソリッドワイヤおよびフラックス入りワイヤのいずれも適用することができる。ソリッドワイヤはステンレス線材そのものからなるのに対し、フラックス入りワイヤはステンレス外皮の内部にスラグ成分を内包する。このため、フラックス入りワイヤは合金元素によりソリッドワイヤと同様に溶接金属の組織及び特性を制御するとともに、スラグ成分によりソリッドワイヤに比べてスパッタの発生を低減し溶接作業性を改善し、かつ良好な溶接ビード形状および外観を確保することが可能となる。
このように、フラックス入りワイヤは、ソリッドワイヤに比べて、溶接作業性(スパッタの発生低減)および溶接ビード形状などの点で優れているが、本発明において、ステンレス系溶接ワイヤとして、フラックス入りワイヤを使用する場合には、溶接金属の液体金属脆化割れを低減し、溶接欠陥を防止するために溶接ワイヤのスラグ成分を以下のように規定する必要がある。
以下に、本発明においてステンレス系溶接ワイヤとしてフラックス入りワイヤを使用する場合のスラグ成分について説明する。
本発明者らは、合金成分として309系ステンレス溶接材料をベースとし、スラグ成分として、TiO2−SiO2−ZrO2の3元系成分(ルーチール系スラグ成分)をベースとし、各スラグ成分の含有量の溶接金属の液体金属脆化割れ発生への影響を検討した。
図2は、スラグ成分中のTiO2含有量が22%、74%である2種類の309系ステンレスフラックス入り溶接ワイヤを用いて亜鉛系合金めっき鋼板を溶接した場合の溶接金属周辺を示す模式図である。
スラグ成分中のTiO2含有量が22%と少ない場合(図2(a)、参照)は、残存する溶融亜鉛系合金めっき4は溶接止端部(溶接金属3と母材熱影響部との境界部)から一部溶接金属3の表面を覆う範囲まで広く残存する。これに対し、スラグ成分中のTiO2含有量が74%と多い場合(図2(b)、参照)は、残存する溶融亜鉛系合金めっき4は、溶接金属3には存在しなくなり、溶接止端部(溶接金属3と母材熱影響部との境界部)周辺の母材熱影響部のみに存在する。
上述したように溶接金属の液体金属脆化割れは、残存する溶融亜鉛系合金めっき4が引張り応力が作用した状態の溶接金属や母材熱影響部と接触して生じるため、図2(a)に示されるように溶融亜鉛系合金めっきが溶接金属部表面に存在することは好ましくない。したがって、本発明において、ステンレス系溶接ワイヤとして、フラックス入り溶接ワイヤを用いる場合には、スラグ成分中のTiO2含有量を所定量以上確保することにより、溶接金属の液体金属脆化割れの発生を抑制させる必要がある。
スラグ成分中のTiO2含有量と溶融亜鉛系合金めっきが溶接金属表面への浸入する現象のメカニズムは不明であるが、TiO2含有量が溶融スラグの粘性や、凝固温度を変化させることが影響していると考えられる。なお、ステンレス系溶接ワイヤとして、ソリッドワイヤを用いた場合は、図2(a)に示されるような溶融亜鉛系合金めっきが溶接金属表面へ付着する現象は見られない。
図7は、ステンレス系溶接ワイヤとしてフラックス入りワイヤを用いた場合のスラグ成分中のTiO2含有量と、溶接線に対して垂直な方向に生じる液体金属脆化割れ(縦割れ)発生状況との関係を示す。
なお、ステンレス系溶接ワイヤ中の主要合金成分はNi:9%、Cr:26%とし、スラグ成分中のTiO2含有量を変化させた。図7から、スラグ成分中のTiO2含有量が60%以上の条件で、溶融亜鉛系合金めっきが溶接金属の表面への残存は減少し、その結果、溶融亜鉛系合金めっきに起因する溶接金属の液体金属脆化割れ発生が抑制された。
したがって、本発明において、ステンレス系溶接ワイヤとしてフラックス入りワイヤを用い、溶接時の溶滴移行を安定させ溶接時のスパッタの発生を抑制するためにTiO2を添加する場合は、溶融亜鉛系合金めっきの溶接金属表面での残存を抑制し、溶接金属の溶接線に対して垂直な方向に生じる液体金属脆化割れ(縦割れ)発生を抑制するためにTiO2含有量をスラグ成分の含有量の合計に対して60%以上含有させる。なお、TiO2の過度な添加は溶接金属から亜鉛蒸気の排出を妨げブローホールやピットの原因となるため好ましくないが、この問題は後述するスラグ成分の総量の制限により解消する。
また、ステンレス系溶接ワイヤとしてフラックス入りワイヤを用いる場合には、上記TiO2含有量の規定に加えて、以下の理由からスラグ成分の総量を制限する必要がある。
本発明らは、ステンレス系溶接ワイヤとしてフラックス入りワイヤを用いて亜鉛系合金めっき鋼板をアーク溶接する場合に、スラグ成分の総量が多い条件では、溶接金属中にブローホールやピット状の溶接欠陥が発生することを確認した。
図3は、ステンレス系溶接ワイヤとしてフラックス入りワイヤを用いた場合のスラグ成分の総量と、溶接金属のピット欠陥(孔状欠陥)の発生状況との関係を示す。
なお、溶接金属のピット欠陥は、溶接金属表面の外観検査によって判定し、溶接線長さ100mm当たりのピット欠陥の個数をカウントして評価した。
フラックス入りワイヤ中のスラグ成分の総量が増加すると、溶接時に凝固スラグが溶接金属から低融点の亜鉛蒸気の排出を妨げ、溶接金属中に亜鉛蒸気の気孔欠陥が残存し、ピット欠陥やブローホール欠陥の発生原因となる。
図3に示すように、フラックス入りワイヤ中スラグ成分の総量を低減し、凝固するスラグ厚みを低減することによって、溶融金属からの亜鉛蒸気の排出を容易にし、スラグ成分の総量が5%以下の条件でピット欠陥およびブローホール欠陥の発生はなくなる。
したがって、本発明において、ステンレス系溶接ワイヤとしてフラックス入りワイヤを用い、溶接時の溶滴移行を安定させ溶接時のスパッタの発生を抑制するためにスラグ成分を添加する場合は、溶接金属のピット欠陥およびブローホール欠陥の発生を抑制するために溶接ワイヤ中のスラグ成分含有量の合計を5%以下に制限する。
本発明において、ステンレス系溶接ワイヤとしてフラックス入りワイヤを用いる場合のスラグ成分を以上のように規定するが、上記以外のスラグ成分として、本発明の目的を達成するために支障がない範囲で、さらに、その他の目的において、以下のスラグ成分を溶接ワイヤ中に含有させることができる。
SiO2、ZrO2:SiO2、ZrO2は溶接時にスラグの流動性を高め、凝固スラグが溶接金属を良好に包囲させる作用を有し、良好な溶接ビード形状および外観を確保するために溶接ワイヤ中にSiO2およびZrO2の1種または2種を0.2%以上添加することができる。しかし、過度な添加はブローホールやピットの原因となるため、スラグ成分の総量が5%以下になるようにSiO2含有量の上限を制限する。
Bi:Biは溶接後のスラグ剥離性向上の作用効果があり、この効果を得るために0.01%以上添加することが可能である。しかし、過度な添加は溶接金属の高温割れを招くため0.1%を上限とする。
Na2O、K2O、CaO:Na2O、K2O、CaOは、主に溶接時のアーク安定性を高める作用効果があり、この効果を得るためにNa2O、K2OおよびCaOの1種または2種以上を0.1%以上添加することが可能である。しかし、過度な添加はブローホールやピットの原因となるため、スラグ成分の総量が5%以下になるようにそれぞれの含有量の上限を制限する。
本発明の効果について以下の実施例に基づいて具体的に説明する。
使用した亜鉛系合金めっき鋼板は、板厚6mmのSS400鋼を母材とし、表1に示す成分組成およびめっき付着量でZnめっき(A)およびZn−Al−Mg−Si合金めっき(B)を表面に施したものを用いた。この亜鉛系合金めっき鋼板を用いて図1に示す溶接試験体を上述した同じ要領で作製し、溶接部、特に溶接金属の耐食性および液体金属脆化割れの評価、溶接時の溶接作業性の評価を行った。ステンレス系溶接材料は、表2に示す合金成分および/またはスラグ成分を含有するソリッドワイヤ(1、2、13)およびフラックス入りワイヤ(3〜12)を使用した。表2において1〜6は本発明で規定する合金成分およびスラグ成分の含有量範囲を満足する溶接ワイヤであり、7〜14の溶接ワイヤは本発明で規定する合金成分およびスラグ成分の含有量範囲から外れる溶接ワイヤである。なお、14はステンレス系溶接材料ではない普通鋼用溶接ワイヤである。
表3に溶接試験体の溶接金属の耐食性試験結果を示す。耐食性の評価はJASOに規定される複合サイクル腐食試験にて行った。複合サイクル腐食試験は、塩水噴霧(5%NaCl)を35℃で2時間、乾燥(湿度30%)を60℃で4時間、湿潤(湿度95%)を50℃で2時間を1サイクルとし、20サイクル繰り返した状態での赤錆発生状況を評価した。
表3に示すように本発明で規定する範囲内にあるステンレス溶接材料を用いたNo.1〜3は溶接金属に錆びが発生しなかったが、本発明で規定する範囲外の普通鋼用溶接材料を用いたNo.5および6では溶接金属に赤錆が発生した。
表4に溶接試験体における溶接金属の組織、強度、液体金属脆化割れ評価、溶接作業性評価の結果を示す。
Figure 2006035293
Figure 2006035293
Figure 2006035293
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図1に示す溶接試験体を作製する際の溶接条件は、溶接電流200〜240A、アーク電圧23〜26V、溶接速度40〜50cm/minとし、シールドガスはCO2ガス、CO2−Ar混合ガス、Ar−O2混合ガスを用いた。
溶接金属の液体金属脆化割れの観察は、試験体から溶接部を含む試験片を採取し、溶接金属のカラーチェック(浸透探傷法)にて行った。また、溶接金属の液体金属脆化割れの評価は、溶接線に沿って観察された割れ発生個数が溶接長さ100mm当たり1個以下、かつ、溶接線と平行な割れ長さが溶接長さ100mm当たり2mm以下の場合を良好(○)と評価した。
No.6および7は本発明の規定範囲を満足するソリッドワイヤを用いた場合であり、溶接時のスパッタが多少発生したものの、溶接部に液体金属脆化割れは発生しなかった。No.8〜No.13は、本発明の規定範囲を満足するフラックス入りワイヤを用いた場合であり、合金成分およびスラグ成分共に本発明の規定範囲を満足するため、溶接部に液体金属脆化割れは発生せず、溶接時にスパッタなども発生せず溶接作業性も良好であった。
一方、No.14〜20は本発明の規定範囲から外れた比較例を示す。
No.14はフラックス入りワイヤにおけるスラグ成分の総量が本発明の規定範囲から高く外れるため、溶接金属に亜鉛蒸気に起因するピット欠陥が発生した。
No.15はフラックス入りワイヤにおけるスラグ成分中のTiO2含有量が本発明の規定範囲から低く外れるため、溶接金属表面に多量の溶融亜鉛めっきが残存した結果、溶接金属の液体金属脆化割れ(縦割れ)が発生した。
No.16はフラックス入りワイヤにおける合金成分のCrの添加量が発明の規定範囲より低く、溶接金属のフェライト量が発明の規定範囲より低く外れるために、溶接金属に溶接線と垂直方向の液体金属脆化割れ(縦割れ)が発生した。
No.17はフラックス入りワイヤにおける合金成分のCrの添加量が発明の規定範囲より低く、Niの添加量が発明の規定範囲より高く、溶接金属のフェライト量が発明の規定範囲より低く外れるために、溶接金属に溶接線と垂直方向の液体金属脆化割れ(縦割れ)が発生した。
No.18は、フラックス入りワイヤにおける合金成分のMo、Nの添加量が発明の規定範囲より高く、溶接金属の強度が発明の規定範囲より高く外れるために、溶接止端部の母材熱影響部に溶接線と水平方向に液体金属脆化割れ(横割れ)が発生した。
No.19は、フラックス入りワイヤにおける合金成分のCr添加量が発明の規定範囲より高く、溶接金属の強度が発明の規定範囲より高く外れるために、溶接止端部の母材熱影響部に溶接線と水平方向に液体金属脆化割れ(横割れ)が発生した。
No.20は、普通鋼用のソリッドワイヤの比較例であるが、ステンレス系溶接材料ではないため、溶接金属のフェライト量が発明の規定範囲より低く外れるために、溶接金属に溶接線と垂直方向の液体金属脆化割れ(縦割れ)が発生した。
溶接部における液体金属脆化割れ評価のための溶接試験体を示す図である。 スラグ成分中のTiO2含有量が異なるフラックス入りワイヤを用いて亜鉛系合金めっき鋼板を溶接した場合の溶接金属周辺を示す模式図である。なお、(a)はスラグ成分中のTiO2含有量が22%のフラックス入りワイヤを用いた場合、(b)はスラグ成分中のTiO2含有量が74%のフラックス入りワイヤを用いた場合を示す。 ステンレス系溶接ワイヤとしてフラックス入りワイヤを用いた場合のスラグ成分の総量と、溶接金属のピット欠陥の発生状況との関係を示す図である。 各ステンレス系溶接ワイヤ(C1〜C3)を用いて亜鉛系合金めっき鋼板を溶接した場合の溶接金属の液体金属脆化割れ発生状況の模式図を示す。(a)は、C1:308系ステンレス溶接ワイヤ(溶接金属のフェライト含有率:3%)、(b)は、C2:309系ステンレス溶接ワイヤ(溶接金属のフェライト含有率:20%)、(c)は、C3:329系ステンレス溶接ワイヤ(溶接金属のフェライト含有率:28%)を用いた場合をそれぞれ示す。 溶接金属中のフェライト含有量(面積%)と、溶接線に対して垂直な方向に生じる液体金属脆化割れ(縦割れ)発生状況との関係を示す図である。 溶接金属の引張強さと、溶接線に対して水平な方向に生じる液体金属脆化割れ(横割れ)発生状況との関係を示す図である。 ステンレス系溶接ワイヤとしてフラックス入りワイヤを用いた場合のスラグ成分中のTiO2含有量と、溶接線に対して垂直な方向に生じる液体金属脆化割れ(縦割れ)発生状況との関係を示す図である。
符号の説明
1:亜鉛系合金めっき鋼板
2:非めっき鋼板
3:ステンレス系溶接ワイヤによる隅肉溶接部(溶接金属)
4:残存する溶融亜鉛系合金めっき
5:液体金属脆化割れ(縦割れ)
6:液体金属脆化割れ(横割れ)
7:溶接線方向に対して水平な方向の引張り応力
8:溶接線に対して垂直な方向の引張り応力

Claims (5)

  1. 亜鉛系合金めっき鋼板のアーク溶接方法において、合金成分として、ワイヤ全質量に対する質量%で、C:0.01〜0.05%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.5〜3%、Ni:7〜12%、Cr:24〜30%を含有し、さらに、Mo:1%以下、N:0.1%以下に制限したステンレス系溶接ワイヤを用いて前記亜鉛系合金めっき鋼板の接合部にフェライト相が面積率で25%以上含有し、かつ引張り強さTSWが下記(1)式を満足する溶接金属を形成することを特徴とする溶接部の耐食性および耐液体金属脆化割れ性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板のアーク溶接方法。
    TSW/TSB≦1.8 ・・・ (1)
    但し、TSBは亜鉛系合金めっき鋼板の母材引張り強さ(MPa)、TSWは溶接金属の引張り強さ(MPa)を示す。
  2. 亜鉛系合金めっき鋼板のアーク溶接方法において、合金成分として、ワイヤ全質量に対する質量%で、C:0.01〜0.05%、Si:0.1〜0.5%、Mn:0.5〜3%、Ni:7〜12%、Cr:24〜30%を含有し、さらに、Mo:1%以下、N:0.1%以下に制限し、さらに、スラグ成分として、ワイヤ全質量に対する質量%で、スラグ成分含有量の合計が5%以下で、かつスラグ成分含有量の合計に対してTiO2を60%以上含有したステンレス系溶接ワイヤを用いて前記亜鉛系合金めっき鋼板の接合部にフェライト相が面積率で25%以上含有し、かつ引張り強さTSWが下記(1)式を満足する溶接金属を形成することを特徴とする溶接部の耐食性および耐液体金属脆化割れ性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板のアーク溶接方法。
    TSW/TSB≦1.8 ・・・ (1)
    但し、TSBは亜鉛系合金めっき鋼板の母材引張り強さ(MPa)、TSWは溶接金属の引張り強さ(MPa)を示す。
  3. 前記スラグ成分が、さらにSiO2およびZrO2の1種または2種を0.2%以上含有し、かつ前記スラグ成分含有量の合計が5%以下であることを特徴とする請求項2記載の溶接部の耐食性および耐液体金属脆化割れ性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板のアーク溶接方法。
  4. 前記スラグ成分が、さらにBi:0.01〜0.1%含有することを特徴とする請求項2または3記載の溶接部の耐食性および耐液体金属脆化割れ性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板のアーク溶接方法。
  5. 前記スラグ成分が、さらにNa2O、K2OおよびCaOの1種または2種以上を0.1%以上含有し、かつ前記スラグ成分含有量の合計が5%以下であることを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の溶接部の耐食性および耐液体金属脆化割れ性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板のアーク溶接方法。
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