JP4980294B2 - 亜鉛めっき鋼板用被覆アーク溶接棒 - Google Patents

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本発明は、亜鉛めっき鋼板用被覆アーク溶接に係わり、溶接割れが発生せず、タッチアップ等の後処理を行わなくても耐食性が良好で、かつ溶接作業性が良好なステンレス鋼被覆アーク溶接棒に関するものである。
なお、本発明が対象とする被溶接材の亜鉛めっき鋼板は、亜鉛めっき鋼板と亜鉛系合金めっき鋼板とを含むものとする。
亜鉛めっき鋼板は、建築や自動車などの分野において構造部材の耐食性向上の観点から幅広く用いられている。従来、構造物の耐食性向上については、非めっき材を溶接し、その後、亜鉛系合金浴に浸漬し、鋼材および溶接部表面に付着させ、構造物全体の耐食性を確保する方法が用いられていた。しかし、この方法では、溶接した後にめっき工程が必要であるため、生産性が劣るとともに、めっき浴等の設備が必要となり、製造コストを増加させる原因になっていた。これを回避するため、予めめっきが施された亜鉛めっき鋼板を溶接することにより構造物を製造する方法が適用されるようになってきた。また、最近、構造部材の耐食性をより向上させるために、従来の亜鉛めっき鋼板に比べて、更に耐食性を高めたZn−Al−Mg−Si系合金めっきなどの亜鉛系合金めっきを鋼板表面に施した鋼板を溶接して溶接構造物を製造するようになった(例えば、特許文献1参照)。
しかし、亜鉛めっき鋼板を溶接して構造物を製造する場合には、めっき鋼板及び溶接材料が溶融凝固して形成された溶接部では、めっき層が蒸発離散するため、溶接部の耐食性が劣化するという問題があった。
このため、従来、亜鉛めっき鋼板を溶接して溶接構造物を製造する場合は、溶接部の耐食性を確保するために、JIS Z 3211、JIS D 4301等の炭素鋼被覆アーク溶接棒などを適用した溶接部に、タッチアップと呼ばれる刷毛塗りやスプレーによる補修塗装が行われていた。しかし、この場合も、溶接後に塗装の作業が必要となるため構造物の生産性の低下をもたらすという問題があった。また、溶接部表面に塗装した防食塗料は永年の使用環境において剥離してしまうなど、耐食性は十分なものとはいえなかった。
また、亜鉛めっき鋼板を溶接して溶接構造物を製造する場合の特有な問題として、溶接金属及び溶接熱影響部で溶融めっきに起因する液体金属ぜい化割れ(以降、亜鉛ぜい化割れと称する。)が発生し易いことが従来から知られている。亜鉛ぜい化割れは、鋼板表面に施された亜鉛めっき中の低融点成分が、溶接時に熱応力および組織脆化の影響を受けた溶接部に作用して発生する。この溶接部の亜鉛ぜい化割れは、特に、溶接金属の熱収縮による引張応力が働いた状態で、その表面に溶融状態で残存した亜鉛系合金めっき成分が結晶粒界に浸入し、ぜい化させることが主原因であると考えられている。
一方、従来から耐食性が要求されるステンレス鋼構造物の溶接には、ステンレス鋼の共金系溶接材料が用いられ、ステンレス鋼同士またはステンレス鋼と炭素鋼の接合部に形成されたステンレス鋼成分の溶接部は、良好な耐食性を有することが知られている。
しかし、発明者らの確認試験結果によれば、亜鉛めっき鋼板を溶接する際に耐食性が良好な溶接金属を得るために、例えば、JIS Z 3221に準拠したD309系ステンレス溶接材料などのステンレス鋼溶接材料を用いると、溶接金属に亜鉛ぜい化割れが多数発生し、適用が困難であることが確認された。
この問題を解決する方法として、本発明者らは、C、Si、Mn、Ni、Cr量の制御により溶接金属のフェライト組織の面積率と引張強度を適正化し、さらには、スラグ剤中のTiO量等を適正に制御することで、溶接金属の亜鉛ぜい化割れを防止するフラックス入りワイヤを提案した(例えば、特許文献2参照。)。しかし、この方法を用いて亜鉛系合金めっき鋼板を溶接する場合にも、溶接金属の亜鉛ぜい化割れが生じることがしばしばあり、安定してその発生を防止することはできないという問題があった。また、現場溶接や、狭隘な箇所での溶接には、被覆アーク溶接が必要であり、耐割れ性が優れると共に、溶接作業性が良好な被覆アーク溶接棒が要望されていた。
特開2000−064061号公報 特開2006−035293号公報
本発明は、亜鉛めっき鋼板用被覆アーク溶接棒に係わり、溶接金属部に亜鉛ぜい化割れが発生せず、タッチアップ等の後処理を行わなくても耐食性が良好で、かつ溶接作業性が良好な、ステンレス鋼被覆アーク溶接棒を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために合金成分について種々検討を行った。その結果、ワイヤ中のC、Si、Mn、Ni、Cr量の適正化を図ると共に、スラグ剤成分が及ぼす亜鉛ぜい化割れへの影響調査を行い、これらを適正化することで、亜鉛ぜい化割れを防止できることを見出した。亜鉛めっき鋼板の溶接について、Cr量と割れ個数の関係を図1に示す(溶接条件等は、後述の実施例溶接継手性能調査と同じ。)。Cr量が高いほど、割れの発生を抑制し、Cr量が26%以上になると割れが発生しにくいことが明らかとなった。これは、Cr量が高いと、フェライト相が安定して晶出するものの、26%未満であると、凝固途中でオーステナイト相の晶出が生じるため、そのオーステナイト粒界に亜鉛の侵入が生じやすく、亜鉛ぜい化割れが発生するためである。
本発明者らは、更に、完全に亜鉛ぜい化割れを防止するため、種々検討を行った結果、スラグ剤成分のCaCO及びCaFの量を多くすることで、亜鉛ぜい化割れを防止できることを明らかにした。(TiO+SiO)/(CaCO+CaF)と割れ個数の関係を図2に示す。(TiO+SiO)/(CaCO+CaF)が低いほど、CaCO及びCaFが高いほど、割れの発生が抑制されることが分かる。これは、CaCO及びCaFを多く添加することで、溶接アーク中にCO及びFガスを多量に発生させ、割れに有害な亜鉛の放出を積極的に行い、溶接金属中への浸入を防止できるためである。
一方、溶接作業性に関し、Crを多量に含有することと、CaCO及びCaFを多量に含有することで、アークの安定性が非常に悪くなり、溶接がやりにくいという問題が生じた。そこで、本発明者らは、更に検討を加え、TiO及びSiOを多く添加することでアーク状態が安定できる知見を得た。これは、アーク中の亜鉛蒸気と、スラグ剤中の溶融されたTiO及びSiOとが結合し、Ti−Zn系及びSi−Zn系酸化物の発生を促すことで、亜鉛蒸気によるアーク安定性不良を抑制し、良好なアーク状態が得られるとの知見を得た。
さらに、亜鉛ぜい化割れ防止と、アーク安定性の確保には、(TiO+SiO)/(CaCO+CaF)の比を所定の範囲内とすることで、両立できることを見出した。
本発明は以上の知見によりなされたもので、その要旨とするところは次の通りである。
オーステナイト系ステンレス鋼を心線とし、心線と被覆剤の両方の質量%で下記(式1)に示す心線質量%換算で、
C :0.01〜0.08%、
Si:0.1〜1.5%、
Mn:1.0〜5.0%、
Ni:8.0〜12.0%、
Cr:26.0〜30.0%
を含み、残部はFe、金属酸化物、金属炭酸塩、金属弗化物および不可避的不純物であり、かつ、前記被覆剤が、被覆剤全質量に対して質量%で、
TiO:20〜45%、
SiO:1〜10%、
CaCO:10〜25%、
CaF:2〜12%
を含有し、かつ被覆剤の比率を、
(TiO+SiO)/(CaCO+CaF)=1.0〜3.0
とする被覆剤が、前記オーステナイト系ステンレス鋼心線に被覆されていることを特徴とする、亜鉛めっき鋼板用被覆アーク溶接棒。
心線質量%換算=心線中の含有量%+被覆剤中の配合比%×被覆率%/100
・・・・(式1)
本発明の亜鉛めっき鋼板用被覆アーク溶接棒によれば、溶接割れが発生せず、タッチアップ等の後処理を行わなくても耐食性が良好で、かつ溶接作業性が良好であるなど、高品質の溶接部が得られる。
以下に本発明の亜鉛めっき鋼板用被覆アーク溶接棒の各成分組成の添加理由および限定理由を述べる。
先ず、本発明では、被覆アーク溶接棒の心線、及び被覆剤中に金属または合金として含有するC、Si、Mn、Ni、Crの各成分を、心線と被覆剤の両方の心線質量%換算で、以下のように限定する。
Cは、溶接時に溶滴を細粒化させ、スパッタを低減する目的で0.01質量%(以下、%という。)以上を添加する。特に、亜鉛めっき鋼板の溶接では、スパッタが多発しやすいため、C量の調整は非常に重要となる。一方、0.08%を超えて添加するとCr炭化物が析出し、耐食性が劣化する。従って、Cは0.01〜0.08%にする必要がある。また、好ましい範囲は0.03〜0.06%である。
Siは、スラグ剥離性を良好とする目的で0.1%以上添加する。一方、1.5%を超えて添加すると、スパッタが多発する。従ってSiは、0.1〜1.5%にする必要がある。また、好ましい範囲は0.4〜1.0%である。
Mnは、脱酸を目的とし、耐ブローホール性を向上させる目的で1.0%以上添加する。一方、5.0%を超えて添加すると、スラグ剥離性が悪くなる。従って、Mnは、1.0〜5.0%にする必要がある。また、好ましい範囲は1.5〜3.0%である。
Niは、耐食性向上の観点から8.0%以上必要である。一方、12.0%を超えて添加すると、オーステナイト相の晶出を促進し、亜鉛ぜい化割れが発生する。従って、Niは8.0〜12.0%にする必要がある。また、好ましい範囲は9.0〜10.0%である。
Crは、溶接金属の耐食性を向上するために寄与する元素である。また、Crはフェライト形成元素であり、溶接金属を凝固完了時にフェライト単相とし、溶接金属の亜鉛ぜいか化割れを抑制するために寄与する。本発明では、Cr含有量は溶接金属の耐食性を十分に得るために26.0%以上とする。通常、ステンレス鋼の溶接金属はCr量13.0%程度で良好な耐食性が得られるが、本発明は、Crを含有しない亜鉛めっき鋼板に適用し、母材希釈を約50%受けても、溶接金属のCr量が約13%確保できることを考慮しており、そのため26.0%以上のCr量が必要となる。一方、30.0%を超えて添加すると、スラグ剤成分の調整では、改善できないほどアーク状態が不安定となる。従って、Crは26.0〜30.0%にする必要がある。また、好ましい範囲は25.0〜28.0%である。
次に、本発明では、被覆アーク溶接棒に被覆するフラックス中に、スラグ形成剤として含有するTiO、SiO、CaCO、CaFを被覆剤全質量に対して質量%で、以下のように限定する。
TiOは、被包性の良好なスラグを得るため20%以上必要である。一方、45%を越えて添加すると、スパッタが多くなる。従って、TiOは、20〜45%にする必要がある。また、好ましい範囲は25〜35%である。
SiOは、スラグ剥離性を良好とするため1%以上添加する。一方、10%を超えて添加するとビード形状が凸状となり悪くなる。従って、SiOは、1〜10%にする必要がある。また、好ましい範囲は4〜7%である。
CaCOは、溶滴を細粒化し、スパッタを低減する目的で10%以上添加する。一方、25%を超えて添加すると、スラグの剥離性が劣化する。従って、CaCOは10〜25%にする必要がある。また、好ましい範囲は17〜23%である。
CaFは、ビード形状を良好とする目的で2%以上添加する。一方、12%を超えて添加するとスラグの被包性が悪くなる。従って、CaFは、2〜12%にする必要がある。また、好ましい範囲は4〜8%である。
(TiO+SiO)/(CaCO+CaF)は低いほど、更に詳しくは、ガス発生剤としてのCaCO及びCaFを多く添加するほど、CO及びFガスをアーク中に安定して供給し、亜鉛蒸気の放出を促し、溶接金属中への浸入を防止して、亜鉛ぜい化割れを抑制できる。そのため、(TiO+SiO)/(CaCO+CaF)は3.0以下とする必要がある。
一方、溶接作業性のアークの安定性から、(TiO+SiO)/(CaCO+CaF)を高くすること、すなわちTiO及びSiOを多く添加するほど、アーク中の亜鉛蒸気と、スラグ剤中の溶融されたTiO及びSiOとが結合し、Ti−Zn系及びSi−Zn系酸化物の発生を促進し、亜鉛蒸気によるアーク安定性不良を抑制して、良好なアーク状態が得られる。そのため、(TiO+SiO)/(CaCO+CaF)を1.0以上とする必要がある。
これら、耐亜鉛ぜい化割れ性の確保と、アークの安定性の両立を図るため、(TiO+SiO)/(CaCO+CaF)は、1.0〜3.0とする必要がある。
上記TiO、SiO、CaCO、CaF以外のその他スラグ形成剤として、被覆アーク溶接棒製造工程の固着剤として添加される珪酸カリおよび珪酸ソーダや、主としてスラグ粘性の調整やスラグ剥離性確保のために用いられるAlF、NaF、KZrF、LiF等の金属弗化物、Al、FeO、Fe等の金属酸化物、MgCO等の金属炭酸塩などを適宜添加することができる。そして、一般に、金属酸化物は40〜70%、金属炭酸塩は10〜40%、金属弗化物は3〜20%の範囲で通常用いられている。
なお、本発明の心線質量%換算は下記(式1)で計算される。但し、同式中の被覆剤中の配合比とは被覆剤全質量に対する割合を意味し、さらに被覆率とは溶接棒全質量に対して被覆剤の占める割合を意味する。被覆率としては、25〜40%、好ましくは30〜35%とするのが通常である。
心線質量%換算=心線中の含有量%+被覆剤中の配合比%×被覆率%/100
・・・・・(式1)
本発明の亜鉛めっき鋼板用被覆アーク溶接棒の製造方法について言及すると、心線と配合・混合した被覆剤を準備してから被覆剤に固着剤(珪酸カリおよび珪酸ソーダの水溶液)を添加しながら湿式混合を行い、心線周囲に被覆剤を塗装し、さらに塗装後150〜450℃で約1〜3時間の乾燥・焼成を行うことにより製造することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
表1に示す化学成分(残部はFe及び不可避不純物)のオーステナイト系ステンレス鋼心線を用いて、表2及び表3に示す組成のステンレス鋼被覆アーク溶接棒を試作した。溶接棒のサイズ径は3.2mmとした。また、経済性の観点から心線は汎用で入手しやすい308系ステンレス鋼線材などを使用し、請求項の心線質量%換算の成分とするには、被覆剤から金属成分を調整することが好ましい。
Figure 0004980294
Figure 0004980294
Figure 0004980294
溶接継手性能調査は、JIS G 3302の溶融亜鉛めっき鋼板、JIS G 3317に準拠した溶融亜鉛−5%アルミニウム合金めっき鋼板、JIS G 3321に準拠した溶融55%アルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板、及び新日本製鐵製スーパーダイマ鋼板(Zn−11%Al−3%Mg−0.2%Siめっき)を用いた。溶接要領は、板厚3mmの鋼板に対し、ギャップ0〜3mm、開先なし、裏当てとして銅板を使用し、突合せ溶接を行った。その後、JIS Z 3106に従い、放射線透過試験を実施し、溶接継手部の割れ発生状況の確認を行った。加えて、溶接金属の亜鉛ぜい化割れの有無確認として、染色浸透探傷試験を行った。耐食性は、JIS Z 2371の塩水噴霧試験(SST)に準拠し、試験時間を1000時間とした。放射線透過試験及び染色浸透探傷試験の評価は、ブローホール及び割れ発生なしを良好とした。耐食性は、目視による外観検査を行い、溶接部の赤さび発生状況の観察を行い、さび発生なしを良好とした。溶接作業性は、溶接継手作成時の官能評価により判定を行った。なお、溶接継手試験および溶接作業性調査は、交流電源を用いて、溶接電流80〜120A、下向溶接にて実施した。それらの結果を、表2及び表3にまとめて示す。
表2の溶接棒No.1〜10が本発明例、表3の溶接棒No.11〜20は比較例である。
本発明である溶接棒No.1〜10は、C、Si、Mn、Ni、Cr、TiO、SiO、CaCO、CaF及び(TiO+SiO)/(CaCO+CaF)が適正であるので、割れが発生せず、耐食性が良好で、溶接作業性も良好であり極めて満足な結果であった。
比較例中溶接棒No.11は、Cが低いので、スパッタが多かった。また、TiOが低かったので、スラグの被包性が悪かった。
溶接棒No.12は、Cが高いので、耐食性が悪かった。また、TiOが高かったので、スパッタが多かった。
溶接棒No.13は、Siが低いので、スラグの剥離性が悪かった。また、CaFが低かったので、ビード形状が悪かった。
溶接棒No.14は、Siが高いので、スパッタが多かった。また、CaFが高かったので、スラグの被包性が悪かった。
溶接棒No.15は、Mnが低いので、ブローホールが発生し、放射線透過試験性能が悪かった。また、(TiO+SiO)/(CaCO+CaF)が低いので、アークの安定性が悪かった。
溶接棒No.16は、Mnが高いので、スラグの剥離性が悪かった。また、(TiO+SiO)/(CaCO+CaF)が高いので、割れが発生した。
溶接棒No.17は、Niが低いので、耐食性が悪かった。また、CaCOが低いので、スパッタが多かった。
溶接棒No.18は、Niが高いので、割れが発生した。また、CaCOが高いので、スラグの剥離性が悪かった。
溶接棒No.19は、Crが低いので、割れが発生し、耐食性も悪かった。また、SiOが低いので、スラグの剥離性が悪かった。
溶接棒No.20は、Crが高いアーク状態が不安定であった。また、SiOが高いので、ビード形状が悪かった。
Cr量と割れ個数の関係を示す図である。 (TiO+SiO)/(CaCO+CaF)と割れ個数の関係を示す図である。

Claims (1)

  1. オーステナイト系ステンレス鋼を心線とし、心線と被覆剤の両方の質量%で下記(式1)に示す心線質量%換算で、
    C :0.01〜0.08%、
    Si:0.1〜1.5%、
    Mn:1.0〜5.0%、
    Ni:8.0〜12.0%、
    Cr:26.0〜30.0%
    を含み、残部はFe、金属酸化物、金属炭酸塩、金属弗化物および不可避的不純物であり、かつ、前記被覆剤が、被覆剤全質量に対して質量%で、
    TiO:20〜45%、
    SiO:1〜10%、
    CaCO:10〜25%、
    CaF:2〜12%
    を含有し、かつ被覆剤の比率を、
    (TiO+SiO)/(CaCO+CaF)=1.0〜3.0
    とする被覆剤が、前記オーステナイト系ステンレス鋼心線に被覆されていることを特徴とする、亜鉛めっき鋼板用被覆アーク溶接棒。
    心線質量%換算=心線中の含有量%+被覆剤中の配合比%×被覆率%/100
    ・・・・(式1)
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