JP2007296502A - ダイ方式塗布装置及び塗布方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ダイ2の内部に塗布液11を供給する塗布液供給口25〜27をダイ2に対して塗布幅方向に計3箇所に設け、各塗布液供給口25〜27に対して供給される塗布液の圧力又は流量を供給口毎に所定圧力又は所定流量に調整して塗工を行うように構成する。
【選択図】図1
Description
一方、近年このようなスロットダイコーティングを行うダイ型塗布装置に対する被塗布物の高精度化が要求されるようになっており、特に高精度で均一な幅方向膜厚精度が求められている。
先ず、図1を用いて本実施形態に係るダイ方式塗布装置1について説明する。図1は本実施形態に係るダイ方式塗布装置1の概略構成を示す斜視図、図2は本実施形態に係るダイ方式塗布装置1をダイの長さ方向で切断した断面図である。
更に、ダイ本体15はブロック18、19を互いに重ね合わせることにより形成されており、ブロック18、19との間の間隙によってスリット20を形成する。また、側板16、17はダイ2の塗布幅Wを規制するとともにブロック18、19の組み合わせを保持する。
更に、搬送ライン4には第1分岐ライン4A〜第3分岐ライン4Cでの塗布液11の流量を調整する自動調整弁42、43と、第1分岐ライン4A〜第3分岐ライン4Cに流れる塗布液11の圧力を検出する圧力検出器44〜46と、第1分岐ライン4A〜第3分岐ライン4Cに流れる塗布液11の流量を検出する流量検出器47〜49とが設けられている。
ここで、ダイ2を用いてウェブ10に対して塗布液11を塗布する塗布工程においては、第1分岐ライン4A〜第3分岐ライン4Cが各々等長に配管接続されていても、塗布液供給口25〜27の直前では僅かな入口圧力または流量差が発生することとなる。従って、塗布条件を変更する毎に、塗布膜12は均一に、あるいは中央部は高く両端は低く、あるいは中央部が低く両端が高くなって、塗布厚dが変動してしまい、安定した塗布膜12を得ることができない。
この時の厚みトレンドは、この圧力と流量状態で反映される。逆にとらえれば、この圧力や流量を高精度に操作することで、任意の厚みトレンドにすることができる。この際、自動調整弁42、43と、そして塗布直後の厚みを検出する厚み計測装置8とを用いて、それらを電気回路的に構成することで可能となる。
塗布条件としては塗布幅Wが1500mmのダイ2を用いて、塗布液供給口25〜27の配置をダイ2の片方端から250mm、750mm、1250mmの位置とした。
また、塗布液11は密度0.9、固形分30%、見掛け粘度2000mPa/20℃、表面張力28mN/mのアクリル系粘着剤を用いた。
また、ライン速が20〜150m/min、乾燥後厚さが20μmとなるように行った。
更に、自動調整弁42、43、圧力検出器44〜46、厚み計測装置8は塗布液の物性、例えば密度、固形分濃度、粘度、溶媒種と、塗布適用範囲とを熟考し、分解能が高く、かつ電気信号で出力することができる市販のものを選択した。これらを自作した電気回路と接続することで制御した。本実施例における圧力検出器44〜46は、バルコム社製ダイヤフラム型圧力検出器VNFを用いて計測を行った。
また、厚み計測装置8は塗布液だけではなく、塗布対象となる基材にも影響するので事前に検討しておく必要がある。一般的には赤外線、放射線、光干渉計等が用いられ、目標の厚み精度の検討が可能であればいずれでも良い。本実施例における厚み計測装置8は、チノー社製赤外線吸収式の非接触厚み計測装置IR−Mを用いた。塗布厚みは有機成分の厚みと赤外線吸収スペクトルとの検量線から塗布厚みを換算することで計測を行った。
図6に示すように、本発明による制御により厚みトレンドを均一化、あるいは任意の凹凸に制御することが確認された。
即ち、厚み制御を行わずに、左の塗布液供給口25の供給口圧力を100kPa、中央の塗布液供給口26の供給口圧力を70kPa、右の塗布液供給口27の供給口圧力を100kPaとして塗布を行った場合には、塗布膜12の幅方向の両端が中央付近より約3μm厚くなり、凹形状となった。
また、厚み制御を行わずに、左の塗布液供給口25の供給口圧力を80kPa、中央の塗布液供給口26の供給口圧力を90kPa、右の塗布液供給口27の供給口圧力を80kPaとして塗布を行った場合には、塗布膜12の幅方向の中央付近が両端より約2μm厚くなり、凸形状となった。
一方、厚み制御を行った結果、左の塗布液供給口25の供給口圧力を100kPa、中央の塗布液供給口26の供給口圧力を80kPa、右の塗布液供給口27の供給口圧力を100kPaとして塗布を行った場合には、幅方向の中央付近と両端とで厚みの差がほとんど無く均一な塗工厚を得ることができた。
塗布条件としては同じく塗布幅Wが1500mmのダイ2を用いて、塗布液供給口25〜27の配置をダイ2の片方端から250mm、750mm、1250mmの位置とした。
また、塗布液11は密度0.9、固形分30%、見掛け粘度2000mPa/20℃、表面張力28mN/mのアクリル系粘着剤を用いた。
また、ライン速が20〜150m/min、乾燥後厚さが20μmとなるように行った。
また、図8はダイ内部圧を30kPaとして上記塗布条件で厚み制御を行った場合と、行わなかった場合の計2パターンで塗布を行った場合のウェブ10に形成された塗布膜12の厚み形状を示した図である。
また、図9はダイ内部圧を100kPaとして上記塗布条件で厚み制御を行った場合と、行わなかった場合の計2パターンで塗布を行った場合のウェブ10に形成された塗布膜12の厚み形状を示した図である。
また、図10はダイ内部圧を300kPaとして上記塗布条件で厚み制御を行った場合と、行わなかった場合の計2パターンで塗布を行った場合のウェブ10に形成された塗布膜12の厚み形状を示した図である。
また、図11はダイ内部圧を500kPaとして上記塗布条件で厚み制御を行った場合と、行わなかった場合の計2パターンで塗布を行った場合のウェブ10に形成された塗布膜12の厚み形状を示した図である。
図7乃至図11に示すように、ダイ内部圧を変化させることによって厚みトレンドを均一化、あるいは任意の凹凸に制御することが確認された。そして、ダイ内部圧を10〜500kPaとした場合には厚み制御を行うことによって、より均一な厚み形状を得ることができる。特に、ダイ内部圧が30〜300kPaである場合には、塗布膜12の幅方向の中央付近と両端との厚み差異が少なくなり、更に、ダイ内部圧が100kPaで最も均一な塗布膜12の面を得ることができた。
また、塗布液供給口25〜27は塗布幅の中心位置と、中心位置から所定距離ずつ左右方向に離れた両位置の計3箇所に設けられているので、ダイに対する塗布液の供給構造を複雑な構成にすることなく、且つ、塗布液の圧力又は流量に基づいて塗布幅方向の厚みを高精度で設定することができる。
更に、定量ポンプ5から送出された塗布液供給口25〜27を供給口へと搬送する搬送ライン4を、供給口の数に応じた経路に分岐し、且つ分岐点41から塗布液供給口25〜27までの距離を等長とするので、塗布液供給口25〜27における塗布液11の流量と圧力を高精度で調整することが可能となる。
例えば、本実施形態ではダイ2の構成についてキャビティ24に塗布液11を供給する供給口をダイ2の側面に対して計3箇所に設けることとしているが、その供給口の数は4つ以上としても良い。
2 ダイ
4 搬送ライン
4A 第1分岐ライン
4B 第2分岐ライン
4C 第3分岐ライン
10 ウェブ
11 塗布液
12 塗布膜
25〜27 塗布液供給口
41 分岐点
42、43 自動調整弁
51 制御装置
Claims (6)
- 連続走行するウェブに対して所定の塗布幅で塗布液を吐出するダイと、
前記塗布液を前記ダイへ送出するポンプと、
前記ダイに対して塗布幅方向に複数箇所に設けられるとともに前記ポンプから送出された塗布液をダイ内部に供給する供給口と、
前記複数箇所の供給口に対して供給される塗布液の圧力又は流量を供給口毎に所定圧力又は所定流量に調整する調整手段と、を有することを特徴とするダイ方式塗布装置。 - 前記供給口は前記塗布幅の中心位置と、中心位置から所定距離ずつ左右方向に離れた両位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のダイ方式塗布装置。
- 前記ポンプから送出された塗布液を前記供給口へと搬送する搬送手段と、
前記搬送手段に設けられ前記塗布液を前記供給口の数に応じた経路に分岐する分岐手段と、を有し、
前記分岐手段から前記供給口までの距離が等長であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のダイ方式塗布装置。 - 所定の塗布幅で塗布液を吐出するダイを用い、連続走行するウェブに対して吐出した塗布液を塗布する塗布方法において、
ポンプから送出された塗布液をダイ内部に供給する供給口を前記ダイに対して塗布幅方向に複数箇所に設け、前記供給口に対して供給される塗布液の圧力又は流量を供給口毎に所定圧力又は所定流量に調整することを特徴とする塗布方法。 - 前記供給口は前記塗布幅の中心位置と、中心位置から所定距離ずつ左右方向に離れた両位置に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の塗布方法。
- 前記ポンプから送出された塗布液を前記供給口へと搬送する搬送経路において前記塗布液を前記供給口の数に応じた経路に分岐する分岐点から前記供給口までの距離が等長であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の塗布方法。
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