JPH06190845A - シートの製造方法及び製造装置 - Google Patents

シートの製造方法及び製造装置

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JPH06190845A
JPH06190845A JP34757292A JP34757292A JPH06190845A JP H06190845 A JPH06190845 A JP H06190845A JP 34757292 A JP34757292 A JP 34757292A JP 34757292 A JP34757292 A JP 34757292A JP H06190845 A JPH06190845 A JP H06190845A
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JP
Japan
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slurry
sheet
powder
dispersion medium
slit
Prior art date
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JP34757292A
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English (en)
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Masami Kamiya
雅己 神谷
Yoshinori Sato
義則 佐藤
Shinichi Kamoshita
真一 鴨志田
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粉末を有機溶剤に分散したスラリーのように
流れ性の悪い抄ラリーを均一に塗布してシート化するこ
と。 【構成】 粉体を分散媒に分散泥漿化したスラリーを、
スリット状の吐出口1を有するチャンバー3内に、0.
1MPa以下の圧力で圧送してスリット状の吐出口1か
らキャリアフィルム10上に塗布する。塗布幅が広いと
きは、スラリーがチャンバー3内にほぼ直線状に流れる
ように供給口2を複数にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉体を分散媒に分散泥
漿化したスラリーをキャリアフィルム上に塗布してシー
トにするシートの製造方法及び製造装置に関するもので
ある。本発明は、特に有機高分子粉体からシートを製造
するのに有用である。
【0002】
【従来の技術】粉体材料からシートを製造する方法とし
ては、次のような方法が知られている。
【0003】(1)粉体材料をそのままの状態で一定厚
みにならし、加熱して粉体粒子を溶融又は軟化させて融
着してシートにする。
【0004】(2)粉体材料をキャビティに充填し、加
熱加圧してブロック状にし、所望の厚みのシート状に削
り出す。
【0005】(3)粉体材料を分散媒に分散し、キャリ
アフィルム上に一定厚みに塗布した後、加熱して分散媒
を除去するとともに粉体同士を融着させてシートにす
る。
【0006】特に第3の方法は大量生産に適しており、
特殊な場合は別として、この方法が広く用いられてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記第3の方法におい
ては、水を分散媒として用い、親水性がない粉体、すな
わち、水とのぬれ性が悪い粉体を分散させるとき、界面
活性剤を加えて粉体の分散性を改善している。ところ
が、粉体がセラミックスのように高い温度で焼結するも
のについては、分散媒に何が添加されていようとも気に
する必要はない。セラミックスの焼結温度ガ1000℃
前後であるため、ほとんどの添加物が分解してしまうた
めである。しかし、粉体として少なくとも1種類プラス
チックス粉体を含むものであるときは、シート化する温
度が、当然ながらプラスチックスの分解点より低く、プ
ラスチックス粉体が酸化劣化しない温度、具体的には2
00℃以下、にする必要がある。このため、分散媒に界
面活性剤などを添加すると、完全に分解せずに残留す
る。よって残留物がシートの特性を悪化させる場合に
は、界面活性剤のような添加物は使用ができない。
【0008】そこで、粉体として少なくとも1種類プラ
スチックス粉体を含むときは、分散媒として、有機溶剤
を使用することになる。また場合によっては、シート化
後に残留しても、問題を起こさない添加物を、有機溶剤
に添加したものを分散媒として使用することもある。と
ころが、有機溶剤又は有機溶剤を主成分とする液体を分
散媒とし、粉体を分散したスラリーは、一般に粘度が低
いにもかかわらず流れにくい。
【0009】スラリーをキャリアフィルム上に塗布する
方法としてはナイフコータを用いる場合が多い。スラリ
ーを、ナイフコータを用いて塗布する場合、ナイフコー
タ先端のすきま(ナイフコータ先端とキャリアフィルム
との間隔)にかかる、スラリーを押し出そうとする圧力
は、幅方向のどの位置でも均一で、また経時的にも一定
でなければならない。ナイフコータ方式の場合、この圧
力はコータ手前側の材料(スラリー)のたまり量で決ま
る。従ってたまり量を均一に制御する、いわゆる液面制
御機構が必要になる。ところが、スラリーが流れにくい
ため、供給口が一つであると、供給口の附近ばかりにス
ラリーがたまり、液面が均一に保てなくなる。そして、
供給口の直下のナイフコータ先端の材料を押し出そうと
する圧力が高くなり、その部分だけ流量が増え、シート
のその部分の厚みが厚くなってしまう。この対策として
供給口を数多くするという方法が考えられるが、実際に
は非常に高精度なスラリーの定量供給(各供給口がらの
流量を完全に同じにする)が必要となる。
【0010】さらに有機溶剤は一般に揮発性が高く、ナ
イフコータ手前の材料のたまり部にあるスラリーの上面
から溶剤が揮発し、粘度が上昇したり、塊になったりし
て、スラリー中の固型分量が変動してシート厚みが一定
せず、塊により流れがつまってしまう。
【0011】そこで、粉体を分散媒に分散泥漿化したス
ラリーを、スリット状の吐出口を有するチャンバー内
に、圧送してスリット状の吐出口からキャリアフィルム
上に塗布する方法を試みたところ、分散媒の揮発による
粘度変動や塊の発生はなくなったが、スラリーがスリッ
トの幅全体に広がらなかった。そこでスラリーの供給圧
力を高くしたが、スラリー中の固形分が分離して詰り、
流れなくなってしまうようになった。そして分散媒であ
る有機溶剤のみが装置各部の隙間から吹き出すようにな
った。
【0012】また、シートの幅が狭い場合にはスラリー
を一つの供給口2からチャンバー3に供給してもよい
が、シートの幅が広くなると端までスラリーが広がらな
くなる。チャンバーの形をいわゆるコートハンガー形に
しても変わらなかった。通常の流体であれば、供給圧力
を高くすれば、流体はチャンバー全体に行き渡るのであ
るが、粉体を分散媒に分散したスラリーは、前記したよ
うに、圧力を高くすると粉体と分散媒が分離してしま
う。
【0013】本発明は、このような流れ性の悪いスラリ
ーからシートを安定して製造する方法及び製造装置を提
供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、スラリー
を供給する圧力について種々検討した結果、0.1MP
a以下の圧力で圧送すれば、分散媒と粉体とが分離せず
スリットから流れでることを見出した。
【0015】本発明は、粉体を分散媒に分散泥漿化した
スラリーを、スリット状の吐出口1を有するチャンバー
3内に、0.1MPa以下の圧力で圧送してスリット状
の吐出口1からキャリアフィルム10上に塗布し、分散
媒を除去することを特徴とする、シートの製造方法であ
る。圧力が0.1MPaを超えると、分散している粉体
の種類にかかわらず、分散媒と粉体とが分離する傾向に
ある。圧力の下限は、特に制限がなく、スラリーがスリ
ット1から流出できればよい。
【0016】スラリーをキャリヤフィルム10に塗布し
たあと、乾燥装置で加熱し、有機溶剤を揮発させ、粉体
粒子を融着させる。この時融着の程度をコントロールし
て多孔質体のシートにすることもできる。粉体が複数の
種類を含むときは、融着させる粉体にあわせて加熱乾燥
条件を調整する。
【0017】必要により、シート化後に悪影響を及ぼさ
ない物質を、分散媒に添加してもよい。例えば完成した
シートを他の材料とエポキシ樹脂で接着する場合、有機
溶剤にエポキシ樹脂ワニスを少量添加しておく。こうす
ると接着性がよくなる。
【0018】本発明の製造装置の概略を図1に示す。図
1の(a)は塗工部の断面図、図1の(b)は塗工部の
斜視図であり、スリット状の吐出口1及びスラリーの供
給口2を有するチャンバー3と、前記チャンバー3内に
スラリーを圧送する装置4とからなり、シート5の幅方
向に前記供給口2を複数設けたものである。供給口2か
らチャンバー3内に送られたスラリーは圧力マニホール
ド6を経てスリット状の吐出口1から吐出しキャリアフ
イルム10に塗布されるようになっている。
【0019】スラリーの供給口2の最大間隔は、スラリ
ーの成分によって異なるので、実験によって適宜定める
必要がある。実施例で後述するが、ポリエチレンの粉体
の場合には、おおむね塗布幅600mmについて4ヶ所
となるような間隔で設けるとよい。
【0020】スラリーの供給口2の数は、4以上で2の
整数倍とするのが好ましい。各受入れ口の流量や圧力を
一定にするには、配管の2分岐を複数回繰り返すのが最
も簡単でかつ良好に行えるためである。
【0021】
【作用】粉体を分散媒に分散泥漿化したスラリーは、粉
体類似の挙動を示し、その流れは横方向へ拡がりにく
い。流れを横方向へ拡げるためのために供給圧力を高く
しても、分散媒と粉体とが分離し、スラリー内の粉体同
士接触して団塊化し、流れを閉塞する。供給口の数を増
やしあるので、スラリーがほぼ直線に流れる。また、ス
ラリーの供給圧力が低いので、分散媒と粉体とが分離し
ない。さらに、材料の供給路が密閉系であるので、揮発
性の高い有機溶剤を分散媒の主成分としているスラリー
においても、粘度の変動やつまりの発生のない塗布が可
能となる。
【0022】
【実施例】平均粒径200μmのポリエチレン粉体(三
井石油化学工業株式会社製の商品名ハイゼックスミリオ
ンを使用した)160部(重量部、以下同じ)及び平均
粒径5μmの合成シリカ粉体(株式会社竜森の商品名ア
ドマファインを使用した)20部をアセトン1部に加
え、十分に撹拌して分散させた。次に、図1に示す塗工
装置を用い、チャンバー3に前記スラリーを圧力80k
Paで供給し、幅600mmのスリット1からキャリア
フィルム5の上に塗布した。その後、1室めが100
℃、2室めが160℃、3室めが180℃の乾燥機内に
送った。なお、キャリヤフイルムとしてはポリエチレン
テレフタレートフィルムを用いた。
【0023】得られたシートの厚み測定結果の立体図を
図2に、流れ方向の変化を図3に示す。
【0024】比較例 実施例と同じスラリーを、大気に開放されたホッパーに
供給し、ナイフコータを用いて、キャリヤーフイルムの
上に塗布幅600mmで塗布した。ホッパーへは、塗布
面からのスラリーの液面の最大高さが30mmとなるよ
うにスラリーを供給するようにしたが、4ヶ所ある供給
口の附近ばかりにスラリーがたまって盛り上がり、高さ
30mmのところで均一に液面制御することが困難であ
った。そのためナイフコータの隙間からのスラリーの流
量が、幅方向でばらつき、シートの幅方向の厚み精度が
非常に悪くなった。そこで、へらを使い、手作業でスラ
リーの液面をならすようにしたが、今度は流れ方向のシ
ート厚みの変動が非常に大きくなった。また溶剤揮発に
よって粉体の団塊ができて流れなくなった。
【0025】得られたシートの厚み測定結果の立体図を
図4に、流れ方向の変化を図5に示す。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、粘度が低く流れ性の悪
いスラリーでも、問題なく、塗布が可能でシート化がで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施例を示し、(a)は塗布装置要部
の断面図、(b)は塗布装置要部の斜視図である。
【図2】本発明実施例において製造されたシートの厚み
の測定結果の立体図である。
【図3】本発明実施例において製造されたシートの、流
れ方向の厚みの測定結果を表すグラフである。
【図4】本発明比較例において製造されたシートの厚み
の測定結果の立体図である。
【図5】本発明比較例において製造されたシートの、流
れ方向の厚みの測定結果を表すグラフである。
【符号の説明】
1 スリット状の吐出口 2 スラリーの供給口 3 チャンバー 4 スラリーを圧送する装置 5 シート 10 キャリアフィルム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉体を分散媒に分散泥漿化したスラリー
    を、スリット状の吐出口を有するチャンバー内に、0.
    1MPa以下の圧力で圧送してスリット状の吐出口から
    キャリアフィルム上に塗布し、分散媒を除去することを
    特徴とするシートの製造方法。
  2. 【請求項2】 スリット状の吐出口及びスラリーの供給
    口を有するチャンバーと、前記チャンバー内にスラリー
    を圧送する装置とからなり、シートの幅方向に複数の前
    記供給口を設けてなるシートの製造装置。
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