JP4785609B2 - ダイ方式塗布装置及び塗布方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プラスチックフィルム、紙、金属箔等の連続走行する長尺帯状ウェブに塗布液を塗布するダイ方式塗布装置及び塗布方法に関し、特に、ダイに対して形成された複数の供給口に供給する塗布液の圧力又は流量を供給口毎に調整するとともにダイ本体に対する側板の高さを調整して塗布を行うダイ方式塗布装置及び塗布方法に関するものである。
従来より、ダイを用いて長尺帯状ウェブに対して塗布液を塗布する塗布工程においては、塗布液の表面張力の作用により、塗布膜の幅方向両端部に厚膜部(以下耳高と呼ぶ)が発生する場合がある。このような耳高は、ダイに形成された長尺状のスリットから押し出された塗布液の幅方向両端部が、表面張力により中央に比べて塗布液の溜まりが大きくなり、ウェブに対してより多くの量が塗布されてしまうことにより発生していた。
そして、発生した耳高は乾燥工程において、乾燥の負荷を増大させる為、耳高部で乾燥が不十分となる可能性があり、未乾燥部分が塗工後の工程においてウェブやガイドロールを汚染する。また、耳高が発生したウェブを巻き取ると、耳高部の積層により、巻取りシワが発生する。これらは工程上、外観上の問題となり歩留り悪化へ繋がっていた。
そこで、このような耳高の発生を防止する方法として、例えば特許文献1には、スリット出口に向かってスリット幅を増大するように傾斜させたスリットをダイに形成することにより、均一な厚みの塗布膜を形成する塗布方法について提案されている。
また、例えば特許文献2には、ダイ内部のスリットにシムを介装させることによりスロットの両端部において塗布液の供給を相対的に抑制し、耳高の発生を防止しした塗布方法について記載されている。
特開2002−254006号公報(第3−4頁、図1、図2) 特開2004−305955号公報(第5−6頁、図5〜図7)
しかしながら、前記特許文献1に記載された塗布方法では耳高抑制の効果は確認されるものの、塗布幅の変動が大きく、近年求められる高精度塗工における塗布膜厚み精度の許容範囲を満たす事ができない。
また、前記特許文献2に記載された塗布方法では、近年の高精度化の中で塗布装置の組み付け再現性、機械精度の面からも、塗膜厚み精度の許容範囲を満たす事ができない。
従って、前記従来の塗布方法では完全に耳高の発生を防止することができず、依然としてガイドロールの汚染や巻取りシワが発生することとなっていた。
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、ウェブの均一な両端塗膜厚みを高い再現性により得ることが可能であり、且つ安定した表面性の良い塗膜をウェブ上に形成できるダイ方式塗布装置及び塗布方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため本願の請求項1に係るダイ方式塗布装置は、連続走行するウェブに対して塗布液を吐出するダイと、前記塗布液を前記ダイへ送出するポンプと、前記ダイに対して塗布幅方向に複数箇所に設けられるとともに前記ポンプから送出された塗布液をダイ内部に供給する供給口と、前記ポンプから送出された塗布液を前記供給口へと搬送する搬送手段と、前記搬送手段に設けられ前記塗布液を前記供給口の数に応じた経路に分岐する分岐手段と、前記複数箇所の供給口に対して供給される塗布液の圧力又は流量を供給口毎に所定圧力又は所定流量に調整する調整手段と、を有し、前記ダイは、ダイ本体と、前記ダイ本体に形成されるとともに前記ウェブに対向するリップ面と、前記リップ面に先端部が形成され所定の塗布幅で塗布液を吐出する吐出スリットと、前記ダイ本体とは別体に成形されるとともにダイ本体の両端部に対して前記リップ面より所定高さだけウェブに対向するエッジ面が低く配置される一対の側板と、を備え、前記搬送経路における前記分岐手段から前記複数箇所の供給口までの距離がそれぞれ等長であることを特徴とする。
また、請求項2に係るダイ方式塗布装置は、請求項1に記載のダイ方式塗布装置において、前記リップ面に対して前記エッジ面を200μmから300μm低く配置することを特徴とする。
また、請求項3に係るダイ方式塗布装置は、請求項1又は請求項2に記載のダイ方式塗布装置において、前記供給口は前記塗布幅の中心位置と、中心位置から所定距離ずつ左右方向に離れた両位置に設けられていることを特徴とする。
また、請求項4に係るダイ方式塗布装置は、請求項3に記載のダイ方式塗布装置において、前記塗布幅の中心位置に設けられた供給口に対して供給される第1流量に対して、中心位置から所定距離ずつ左右方向に離れた両位置に設けられた供給口に対して供給される第2流量の割合を100%以上且つ100.2%以下とすることを特徴とする
また、請求項5に係る塗布方法は、ウェブに対向するリップ面に先端部が形成され所定の塗布幅で塗布液を吐出する吐出スリットを有するダイを用い、連続走行するウェブに対して吐出スリットから吐出した塗布液を塗布する塗布方法において、前記ダイは前記リップ面を備えるダイ本体と、前記ダイ本体とは別体に成形されるとともにダイ本体の両端部に配置され前記ウェブに対向するエッジ面を有する一対の側板とからなり、ポンプから送出された塗布液をダイ内部に供給する供給口を前記ダイに対して塗布幅方向に複数箇所に設け、前記ポンプから送出された塗布液を前記供給口へと搬送する搬送経路において、前記塗布液を前記供給口の数に応じた経路に分岐する分岐点から各供給口までの距離がそれぞれ等長であり、前記エッジ面を前記リップ面より所定高さ低く配置し、前記供給口に対して供給される塗布液の圧力又は流量を供給口毎に所定圧力又は所定流量に調整することにより塗布を行うことを特徴とする。
また、請求項6に係る塗布方法は、請求項5に記載の塗布方法において、前記リップ面に対して前記エッジ面を200μmから300μm低く配置することを特徴とする。
また、請求項7に係る塗布方法は、請求項5又は請求項6に記載の塗布方法において、前記供給口は前記塗布幅の中心位置と、中心位置から所定距離ずつ左右方向に離れた両位置に設けられていることを特徴とする。
更に、請求項8に係る塗布方法は、請求項7に記載の塗布方法において、前記塗布幅の中心位置に設けられた供給口に対して供給される第1流量に対して、中心位置から所定距離ずつ左右方向に離れた両位置に設けられた供給口に対して供給される第2流量の割合を100%以上且つ100.2%以下とすることを特徴とする。
前記構成を有する請求項1に係るダイ方式塗布装置では、ダイ内部に供給する供給口をダイに対して塗布幅方向に複数箇所に設け、複数箇所の供給口に対して供給される塗布液の圧力又は流量を供給口毎に所定圧力又は所定流量に調整するとともに、リップ面に対する側板エッジ面の高さを所定高さだけ低く配置することにより、ウェブに塗布された塗布膜の塗布幅方向の厚みを高精度で調整することができ、その結果、塗布膜の厚みを均一化することができる。また、側板エッジ面の高さ調整に基づいて吐出スリットから押し出された塗布液を幅方向に均一にすることができる。その結果、ダイを用いてウェブへの塗布液の塗布を行う際に塗布膜の厚みを均一化しつつ、耳高の発生を防止し、ウェブの均一な両端塗膜厚みを高い再現性により得ることが可能であり、安定した表面性の良い塗膜をウェブ上に形成できる。
また、ポンプから送出された塗布液を供給口へと搬送する搬送手段を、供給口の数に応じた経路に分岐し、且つ分岐点から供給口までの距離を等長とするので、各供給口における塗布液の流量と圧力を高精度で調整することが可能となる。
また、請求項2に係るダイ方式塗布装置では、リップ面に対する側板エッジ面の高さを200μmから300μm低く配置するので、吐出スリットから押し出された塗布液を常に幅方向により均一にすることができる。
また、請求項3に係るダイ方式塗布装置では、複数の供給口は塗布幅の中心位置と、中心位置から所定距離ずつ左右方向に離れた両位置に設けられているので、ダイに対する塗布液の供給構造を複雑な構成にすることなく、且つ、塗布幅方向の厚みを高精度で調整することができる。
また、請求項4に係るダイ方式塗布装置では、塗布幅の中心位置に設けられた供給口に対して供給される第1流量に対して、中心位置から所定距離ずつ左右方向に離れた両位置に設けられた供給口に対して供給される第2流量の割合を100%以上且つ100.2%以下とするので、ウェブ上に形成された塗布膜の厚みを均一化することができる。また、従来の機械構造的な可変機構や制御システムを必要とせず、機械精度的に固定安定化させることができる。更に、導入かつ運用コストの削減、品質安定化による生産性向上、オペレータの管理作業が軽減された。
また、請求項5に係る塗布方法では、ダイ内部に供給する供給口をダイに対して塗布幅方向に複数箇所に設け、複数箇所の供給口に対して供給される塗布液の圧力又は流量を供給口毎に所定圧力又は所定流量に調整するとともに、リップ面に対する側板エッジ面の高さを調整して塗布を行うので、ウェブに塗布された塗布膜の塗布幅方向の厚みを高精度で調整することができ、その結果、塗布膜の厚みを均一化することができる。また、側板エッジ面の高さ調整に基づいて吐出スリットから押し出された塗布液を幅方向に均一にすることができる。その結果、ダイを用いてウェブへの塗布液の塗布を行う際に塗布膜の厚みを均一化しつつ、耳高の発生を防止し、ウェブの均一な両端塗膜厚みを高い再現性により得ることが可能であり、安定した表面性の良い塗膜をウェブ上に形成できる。
また、ポンプから送出された塗布液を供給口へと搬送する搬送経路を、供給口の数に応じた経路に分岐し、且つ分岐点から供給口までの距離を等長とするので、各供給口における塗布液の流量と圧力を高精度で調整することが可能となる。
また、請求項6に係る塗布方法では、リップ面に対する側板エッジ面の高さを200μmから300μm低く配置して塗布を行うので、吐出スリットから押し出された塗布液を常に幅方向に均一にすることができる。その結果、ダイを用いてウェブへの塗布液の塗布を行う際に耳高の発生を防止し、ウェブの均一な両端塗膜厚みを高い再現性により得ることが可能であり、安定した表面性の良い塗膜をウェブ上に形成できる。
また、請求項7に係る塗布方法では、塗布幅の中心位置と、中心位置から所定距離ずつ左右方向に離れた両位置に供給口を設けるので、ダイに対する塗布液の供給構造を複雑な構成にすることなく、且つ、塗布幅方向の厚みを高精度で調整することができる。
更に、請求項8に係る塗布方法では、塗布幅の中心位置に設けられた供給口に対して供給される第1流量に対して、中心位置から所定距離ずつ左右方向に離れた両位置に設けられた供給口に対して供給される第2流量の割合を100%以上且つ100.2%以下とするので、ウェブ上に形成された塗布膜の厚みを均一化することができる。また、従来の機械構造的な可変機構や制御システムを必要とせず、機械精度的に固定安定化させることができる。更に、導入かつ運用コストの削減、品質安定化による生産性向上、オペレータの管理作業が軽減された。
以下、本発明に係るダイ方式塗布装置及び塗布方法について具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、図1を用いて本実施形態に係るダイ方式塗布装置1について説明する。図1は本実施形態に係るダイ方式塗布装置1の概略構成を示す斜視図、図2は本実施形態に係るダイ方式塗布装置1をダイの長さ方向で切断した断面図である。
図1に示すように本実施形態に係るダイ方式塗布装置1は、ダイ2と、供給タンク3と、搬送ライン4と、定量ポンプ5と、搬送ローラ6、7と、厚み計測装置8とから基本的に構成される。
ダイ2は、連続走行するフィルム、紙、ガラス等のウェブ10の表面に対して塗布液11を塗布することにより所定厚さの塗布膜12を形成するスロットダイである。ここで、本実施形態に係るダイ方式塗布装置1はスロットダイを用いてウェブに塗布液を塗布するスロットダイコーティングを用いる。スロットダイコーティングは、ダイ内部にキャビティと呼ばれる液溜まりを有し、その液溜まりから通じる塗布幅方向に延びた狭い間隙(スリット)より塗布液が吐出されることでウェブに塗布を行う塗布方法である。
以下に、図3を用いて本実施形態に係るダイ2の構成について詳細に説明する。図3は本実施形態に係るダイ2を示した斜視図である。本実施形態に係るダイ2は、ダイ本体15とダイ本体15の両側部に配置される側板16、17とから基本的に構成されている。
更に、ダイ本体15はブロック18、19を互いに重ね合わせることにより形成されており、ブロック18、19との間の間隙によってスリット20を形成する。また、側板16、17はダイ2の塗布幅Wを規制するとともにブロック18、19の組み合わせを保持する。
更に、ダイ本体15にはウェブ10に対向してリップ面21が形成され、側板16、17にはウェブ10に対向してエッジ面28、29が形成されている。そして、リップ面21に対するエッジ面28、29の高さを調整することにより、後述のようにスリット20から吐出された塗布液11がダイ2に接触する接触角θを所定角度に設定することが可能となる。また、エッジ面28、29に対する塗布液11の濡れ性を調整することにより、同じくスリット20から吐出された塗布液11がダイ2に接触する接触角θを所定角度に設定することが可能となる。
更に、ダイ本体15と側板16、17の間にはそれぞれシムを挟み込む場合もある。シムは塗布液の漏れ防止の為に用いられ、材料は弾性体である事が望ましい。例えば、シムの材料としては高分子フィルム、粘着テープ、金属などが挙げられる。そして、後述のようにシムに対する塗布液11の濡れ性を調整することにより、スリット20から吐出された塗布液11がダイ2に接触する接触角θを所定角度に設定することが可能となる。
また、スリット20はリップ面21の略中央に対して吐出口22を形成する。そして、吐出口22は塗布幅Wで塗布液11を吐出し、吐出した塗布液11がウェブ10に対して所定厚さで塗布される。
また、図2に示すようにブロック18、19の内部には幅方向に沿ってキャビティ(液溜まり)24が形成され、キャビティ24はブロック18に設けられた3箇所の塗布液供給口25〜27とスリット20に連通される。そして、塗布液供給口25〜27は定量ポンプ5等によって構成される塗布液供給系へと接続されており、キャビティ24には塗布液供給口25〜27を介して、計量された塗布液が定量ポンプ5により供給される。更に、キャビティ24に供給された塗布液はスリット20へ送液されて単位時間一定量で幅方向に均一な圧力でスリット20の吐出口22から塗布幅Wにより吐出される。尚、塗布液供給口26はダイ2の塗布幅Wの中心位置に設けられており、塗布液供給口25は塗布液供給口26から所定距離(例えば、塗布幅Wが1500mmである場合には500mm)だけ側板16よりに形成されている。また、塗布液供給口27は塗布液供給口26から同じ所定距離(例えば、塗布幅Wが1500mmである場合には500mm)だけ側板17よりに形成されている。尚、両端部にある塗布液供給口25及び塗布液供給口27はダイ2の側面(即ち、側板16、17)に設けても良い。
一方、供給タンク3は塗布液11を貯留するタンクであり、貯留された塗布液11は定量ポンプ5によって、単位時間当りの供給量を一定にしてダイ2へと供給される。
また、搬送ライン4は供給タンク3とダイ2とを接続する配管であり、供給タンク3から供給された塗布液11は搬送ライン4を通って塗布液供給口25〜27へと到る。ここで、特に本実施形態に係るダイ方式塗布装置1では、搬送ライン4は分岐点41によって3方に分岐している。そして、分岐されたラインの一つである第1分岐ライン4Aは塗布液供給口25に接続されており、第2分岐ライン4Bは塗布液供給口26に接続されており、第3分岐ライン4Cは塗布液供給口27に接続されている。尚、第1分岐ライン4A〜第3分岐ライン4Cの長さは全て等しくなっている。
更に、搬送ライン4には第1分岐ライン4A〜第3分岐ライン4Cでの塗布液11の流量を調整する自動調整弁42、43と、第1分岐ライン4A〜第3分岐ライン4Cに流れる塗布液11の圧力を検出する圧力検出器44〜46と、第1分岐ライン4A〜第3分岐ライン4Cに流れる塗布液11の流量を検出する流量検出器47〜49とが設けられている。
また、定量ポンプ5は供給タンク3に貯留された塗布液11を単位時間当り一定の所定量で搬送ライン4へと供給する供給手段である。
また、搬送ローラ6、7はウェブ10を予め設定された所定速度で所定方向へと搬送する搬送手段である。ここで、図2に示すように搬送ローラ6はダイ2に対向して配置されており、リップ面21との間で所定間隔の間隙を形成する。
また、厚み計測装置8は、赤外線、放射線、光干渉計等を用いてウェブ10に塗布された塗布膜12の厚みをウェブ10の幅方向で検出するセンサである。
更に、ダイ方式塗布装置1には厚み計測装置8、自動調整弁42、43、圧力検出器44〜46及び流量検出器47〜49を制御する制御装置51が設けられている。そして、制御装置51は予め設定されたプログラムに従って、自動調整弁42、43の開度を調整する。それによって、各塗布液供給口25〜27の入口圧力または流量を調整することが可能となる。
また、制御装置51は厚み計測装置8によって検出された塗布膜12の厚さや、圧力検出器44〜46及び流量検出器47〜49で検出された塗布液11の圧力や流量を別途設けられたモニタ(図示せず)等に表示する。
次に、上記のように構成されたダイ方式塗布装置1におけるウェブ10への塗布液11の塗布工程について説明する。先ず、レベル管理された供給タンク3に接続された定量ポンプ5により、目標厚み設定に対する流量で計量された塗布液11が、自動調整弁42、43、圧力検出器44〜46、流量検出器47〜49を介して、各塗布液供給口25〜27へ送液される。そして、塗布液供給口25〜27からダイ2内部へと供給された塗布液11はキャビティ24、スリット20を通過しながら、吐出口22から対象基材へ塗布される。
次に、図4を参照して上記塗布工程によってウェブ10に形成される塗布膜12における局所的な両端部の塗布膜厚みの形状について説明する。図4はウェブ10上に形成された塗布膜12を幅方向に切断した断面図である。ここで、ダイ2を用いてウェブ10に対して塗布液11を塗布する塗布工程においては、塗布液11の表面張力の作用により、塗布幅Wの幅方向両端部に厚膜部(以下、耳高52と呼ぶ)が発生する。
ここで、幅方向に均一の厚さの塗布膜を形成する為には、塗布膜12の中央付近の塗布厚さdと耳高52部分での塗布厚さhとの関係を示す耳高率E(=h/d×100)の値が100%以下であることが望ましい。ここで、耳高率Eの値はスリット20から吐出された塗布液11がダイ2に接触する接触角θに依存することが分かっており、塗布液の粘度、表面張力、塗工速度、スリット幅、塗布液供給量、ダイの内圧、塗布液とダイの濡れ性、シムの材質と厚み等が適切であれば、耳高率Eを100%以下とすることができる。一方、これらが適正で無い場合には図4に示すように耳高52が塗布膜の両端に発生する。
一方、ダイ2を用いてウェブ10に対して塗布液11を塗布する塗布工程においては、第1分岐ライン4A〜第3分岐ライン4Cが各々等長に配管接続されていても、塗布液供給口25〜27の直前では僅かな入口圧力または流量差が発生することとなる。従って、塗布条件を変更する毎に、塗布膜12は均一に、あるいは中央部は高く両端は低く、あるいは中央部が低く両端が高くなって、塗布厚dが変動してしまい、安定した塗布膜12を得ることができない。
この時の厚みトレンドは、この圧力と流量状態で反映される。逆にとらえれば、この圧力や流量を高精度に操作することで、任意の厚みトレンドにすることができる。この際、自動調整弁42、43と、そして塗布直後の厚みを検出する厚み計測装置8とを用いて、それらを電気回路的に構成することで可能となる。
以下に、ダイ方式塗布装置1における厚み制御動作を説明する。ダイ方式塗布装置1の制御パターンとしては、厚みトレンドをモニタ等で目視観察しながら任意に圧力または流量設定し、圧力検出器44〜46及び流量検出器47〜49からの電気信号を自動調整弁42、43へフィードバックすることで目標厚みトレンドを得る方法がある。更に、それら塗布条件毎のパターンをプログラム化することで、任意設定した厚みトレンドとなるように厚み計測装置8、圧力検出器44〜46及び流量検出器47〜49からの電気信号を同時処理しながら自動調整弁42、43へフィードバックする完全自動制御で目標厚みトレンドを得る方法がある。
次に、ダイ2の構成と接触角θ及び耳高率Eとの関係について、以下の条件により作製した本発明に係る実施例1〜5及び比較例1〜6のウェブ10に形成された塗布膜12の評価結果を比較して説明する。
尚、実施例1〜5及び比較例1〜6では、ウェブ10に50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム、塗布液11に粘度980mPa・s(25℃)、表面張力30mN/m、固形分濃度30%の塗布液を用いた。
また、接触角測定方法は以下の通りとした。試料表面と液との接触角は、接触角測定器(協和界面科学製、自動接触角計CA−V)を用いて測定した。具体的には、マイクロシリンジから試料表面に1mlの液滴を滴下した後、30秒後に測定した値を受容層表面の接触角とした。
(実施例1〜3、比較例1、2)
実施例1〜3、比較例1、2は、ダイ2において、特に図5に示すようにダイ本体15のリップ面21に対して側板16、17のエッジ面28、29の高さを所定高さだけ低く配置することにより、吐出口22から吐出された塗布液11を側板16、17方向へと流し、ウェブ幅方向両端部の塗布量を抑制した例である。
先ず、図5を参照して実施例1〜3、比較例1、2で用いるダイ2の構成について説明する。図5はダイ方式塗布装置1の特にダイ2付近を示した正面図である。
実施例1〜3、比較例1、2で用いるダイ2は、図5に示すようにリップ面21よりエッジ面28、29が低くなるように配置する。その段差yの条件としては、図6に示すように実施例1が300μm、実施例2が200μm、実施例3が100μm、比較例1が20μm、比較例2が段差の無い面一形状となるようにそれぞれダイ2を構成する。尚、ダイ本体15と側板16、17の間にシムを挟み込む場合には側板16、17とシムのエッジ面を面一形状とする。
<塗布条件>
塗布条件は実施例1〜3、比較例1、2で共通とし、塗工幅250mm、塗工速度5m/mim、塗布ギャップ0.15mm、スリットギャップ0.3mm、乾燥後の塗布厚さが25μmになる様に塗布液を供給する。その結果、ウェブ10に形成された塗布膜12は図6の表、及び図7のグラフに示す結果となった。
<評価>
図6及び図7に示すように、比較例2の段差yを形成しないダイ2を用いた塗布では耳高率Eが111%であったのに対し、段差yを100μmとした実施例3では100%まで低減され、耳高形状が確認されない程度に抑制されていた。そして、段差yを10μm以上とすることによって、耳高形状を許容範囲までに抑えることが確認できた。
ここで、段差yを大きくすればするほど耳高率Eを小さくできるが、段差yについては、300μm以上となると、耳高は明らかに抑制されるものの幅方向の厚みが均一な表面性の良い塗布膜12がウェブ10上に形成する事ができない。よって、耳高52の発生を防止しつつ良好な塗布膜12をウェブ10上に形成する為には、10μmから300μmまでの段差が望ましい。更に、50μmから200μmの段差とすると、特に良好な塗布膜12を得ることができる。更に、この段差条件では、スリット20から吐出される塗布液11はダイ本体15のリップ面21近傍で側板16、17のエッジ面28、29へ流れ、ダイ2と塗布液エッジ部の接触角は40度以下となる。従って、接触角θを40度以下とすることで、ウェブ幅方向両端部の塗布量が抑制され、幅方向の厚みが均一な表面性の良い塗布膜がウェブ上に形成されることが確認できた。
また、図7のグラフからは塗布幅Wを決定する両端エッジ部の接触角θを制御することで耳高の抑制や増大といった精密な両端厚み制御が可能である事が判る。
(実施例4、比較例3〜5)
実施例4、比較例3〜5は、ダイ2において、特に図8に示すように側板16、17のエッジ面28、29の濡れ性を向上させることにより、吐出口22から吐出された塗布液11を側板16、17方向へと流し、ウェブ幅方向両端部の塗布量を抑制した例である。
先ず、図8を参照して実施例4、比較例3〜5で用いるダイ2の構成について説明する。図8はダイ方式塗布装置1の特にダイ2付近を示した正面図である。
実施例4、比較例3〜5で用いるダイ2は、図8に示すようにリップ面21とエッジ面28、29との段差を無くし、面一形状となるように配置する。そして、側板16、17のエッジ面28、29に表面処理を施し、塗布液との濡れ性を調整する。表面処理の種類としては、例えばメッキ、溶射、樹脂コーティング、酸化皮膜、光表面処理、表面粗度、などが挙げられる。ここで、図9に示すように実施例4では側板16、17のエッジ面28、29に溶射による親水化処理を施したダイ2となっている。また、比較例3では、側板16、17のエッジ面28、29に表面処理を施さずにダイ本体15のリップ面21と同じ表面材質にしたダイ2となっている。また、比較例4では側板16、17のエッジ面28、29をダイ本体15とは異なる金属材料を用いたダイとなっている。また、比較例5では側板16、17のエッジ面28、29をPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の表面材質としたダイ2となっている。尚、ダイ本体15と側板16、17の間にシムを挟み込む場合には側板16、17とシムのエッジ面を面一形状とする。
<塗布条件>
塗布条件は実施例4、比較例3〜5で共通とし、塗工幅250mm、塗工速度5m/mim、塗布ギャップ0.15mm、スリットギャップ0.3mm、乾燥後の塗布厚さが25μmになる様に塗布液を供給する。その結果、ウェブ10に形成された塗布膜12は図9の表、及び図10のグラフに示す結果となった。
<評価>
図9及び図10に示すように、比較例3、4、5のダイ2を用いた塗布では耳高率Eが102〜111%であったものが、実施例4では、98%まで低減され、耳高形状が確認されない程度に抑制されていた。また、実施例4の条件では、塗布液に対するエッジ面28、29の接触角θとダイ本体15のリップ面21に対する接触角の接触角差φは−10度以下となる。従って、塗布液に対するエッジ面28、29の接触角θをダイ本体15のリップ面21に対する接触角に比べ10度以上低い差をつけることで、ウェブ幅方向両端部の塗布量が抑制され、幅方向の厚みが均一な表面性の良い塗布膜がウェブ上に形成されることが確認できた。
また、図10のグラフからは、塗布幅Wを決定する両端エッジ部の接触角θを制御することで耳高の抑制や増大といった精密な両端厚み制御が可能である事が判る。
(実施例5、比較例6)
実施例5、比較例6は、ダイ2において、特に図11に示すようにダイ本体15と側板16、17との間にシム60を挟み込み、シム60のエッジ面61の濡れ性を向上させることにより、吐出口22から吐出された塗布液11を側板16、17方向へと流し、ウェブ幅方向両端部の塗布量を抑制した例である。
尚、図11ではダイ本体15のリップ面21と側板16、17のエッジ面28、29との段差を設けているが、段差は必ずしも設ける必要はない。
先ず、図11を参照して実施例5、比較例6で用いるダイ2の構成について説明する。図11はダイ方式塗布装置1の特にダイ2付近を示した正面図である。
実施例5、比較例6で用いるダイ2は、図11に示すようにリップ面21とエッジ面28、29との所定高さ(例えば、100μm)の段差を形成して配置する。そして、ダイ本体15と側板16、17との間に濡れ性の異なる材質のシム60を挟み込み、塗布液との濡れ性を調整する。ここでシム材質の条件としては、図12に示すように実施例5では金属製のシムを用い、比較例6ではPTFE製のシムを用いたダイ2となっている。また、シム60の厚みは0.5mm以下とする。
<塗布条件>
塗布条件は実施例5、比較例6で共通とし、塗工幅250mm、塗工速度5m/mim、塗布ギャップ0.15mm、スリットギャップ0.3mm、乾燥後の塗布厚さが25μmになる様に塗布液を供する。その結果、ウェブ10に形成された塗布膜12は図12の表に示す結果となった。
<評価>
図12に示すように、比較例6のダイ2を用いた塗布では耳高率Eが110%であったのに対し、実施例5では、98%まで低減され、耳高形状は確認されない程度に抑制されていた。また、実施例5の条件では、スリット20から吐出される塗布液11はダイ本体15のリップ面21近傍でシム60を介して側板16、17のエッジ面28、29へ流れ、ダイ2と塗布液エッジ部の接触角θは40度以下となる。従って、接触角θを40度以下とすることで、ウェブ幅方向両端部の塗布量が抑制され、幅方向の厚みが均一な表面性の良い塗布膜がウェブ上に形成されることが確認できた。
尚、耳高操作はコーターギャップの設定でも行われる。例えば、ギャップを狭めると幅方向へ流れ塗布液流れが促進されることで接触角を操作でき、結果的に耳高を操作する事ができる。この際にはコーターギャップに発生する塗布液圧力の管理も実施している。
次に、自動調整弁42、43によって調整した各塗布液供給口25〜27の供給口流量と、ダイ2のリップ面21に対する側板16、17の高さと、形成された塗布膜12のウェブ幅方向の厚み形状との関係を、ウェブ10に形成された塗布膜12の評価結果を比較して説明する。
<塗布条件>
塗布条件としては塗布幅Wが1500mmのダイ2を用いて、塗布液供給口25〜27の配置をダイ2の片方端から250mm、750mm、1250mmの位置とした。
また、塗布液11は密度0.9、固形分30%、見掛け粘度2000mPa/20℃、表面張力28mN/mのアクリル系粘着剤を用いた。
また、ライン速が20〜150m/min、ダイ内部圧を100kPaとし、ダイ本体15のリップ面21より側板16、17のエッジ面28、29が100μmだけ低くなるように側板16、17を配置した(図5参照)。
更に、自動調整弁42、43、圧力検出器44〜46、厚み計測装置8は塗布液の物性、例えば密度、固形分濃度、粘度、溶媒種と、塗布適用範囲とを熟考し、分解能が高く、かつ電気信号で出力することができる市販のものを選択した。これらを自作した電気回路と接続することで制御した。本実施例における圧力検出器44〜46は、バルコム社製ダイヤフラム型圧力検出器VNFを用いて計測を行った。
また、厚み計測装置8は塗布液だけではなく、塗布対象となる基材にも影響するので事前に検討しておく必要がある。一般的には赤外線、放射線、光干渉計等が用いられ、目標の厚み精度の検討が可能であればいずれでも良い。本実施例における厚み計測装置8は、チノー社製赤外線吸収式の非接触厚み計測装置IR−Mを用いた。塗布厚みは有機成分の厚みと赤外線吸収スペクトルとの検量線から塗布厚みを換算することで計測を行った。
ここで、図13は上記塗布条件で、且つ中央の塗布液供給口26の供給口流量(第1流量)に対する左の塗布液供給口25と右の塗布液供給口27の供給口流量(第2流量)の割合(以下、流量比率という)を99.9%にした場合と、100%にした場合の計2パターンで塗布を行った結果、ウェブ10に形成された塗布膜12の厚み形状を示した図である。
<評価>
図13に示すように、流量比率を変化させることにより塗布膜12の厚み形状が変化することが確認できた。
即ち、流量比率を99.9%として塗布を行った場合には、塗布膜12の中央付近が幅方向の両端より約1μm厚くなり、凸形状となった。更に、幅方向両端部に形成された耳高52(図13では図示せず)の耳高率は100%となった。
一方、流量比率を100%として塗布を行った場合には、塗布膜12の中央付近が幅方向の両端より約0.5μm厚くなり、凸形状となった。更に、耳高52の耳高率は105%となった。
従って、流量比率を100%にして塗布を行った場合は、流量比率を99.9%として塗布を行った場合より、幅方向の中央付近と両端とで厚みの差が少ない均一な塗工厚を得ることができた。これより、流量比率を100%以上とすることで、ウェブ10上に均一な厚みを有する塗布膜12を得ることができることが分かる。
但し、流量比率を100%にして塗布を行った場合は、流量比率を99.9%として塗布を行った場合より、耳高率が5%大きくなっている。そこで、ダイ2のリップ面21に対するエッジ面28、29の高さを調整することによって、耳高52を抑制することを試みた。例えば、図14ではダイ内部圧を300kPa、流量比率を100.2%とし、リップ面21に対するエッジ面28、29の高さを100μm低くした場合と、同じ条件で200μm低くした場合に得られる塗布膜12の厚み形状を比較した。
図14に示すように、段差が100μmである場合でも200μmである場合でも、塗布膜12の幅方向の両端が中央付近より約0.3μm厚くなり、略同一の凹形状となった。一方で、幅方向両端部に形成された耳高52(図13では図示せず)の耳高率は、段差を100μmとした場合には102%となり、段差を200μmとした場合には99%となった。従って、段差を200μm以上とすることで、流量比率を100%以上とした場合であっても、ウェブ幅方向両端部の塗布量が抑制され、幅方向の厚みが均一な表面性の良い塗布膜がウェブ上に形成されることが確認できた。
即ち、図13及び図14からは、中央の塗布液供給口26に対する左右の塗布液供給口25、27の流量比率を100%以上とし、且つリップ面21に対する側板16、17のエッジ面28、29の段差を200μm以上とすることによって、ウェブ10に形成された塗布膜12を均一な厚みとすることが可能となるとともに、耳高の発生も抑制することが可能となることが分かる。
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るダイ方式塗布装置1及び塗布方法では、搬送ローラ6、7によって連続走行されるウェブ10表面に対して塗布液11を所定の塗布幅Wで吐出させるダイ2において、ダイ2の内部に塗布液11を供給する塗布液供給口25〜27をダイ2に対して塗布幅方向に計3箇所に設け、各塗布液供給口25〜27に対して供給される塗布液の圧力又は流量を供給口毎に所定圧力又は所定流量に調整するとともに、ダイ本体15のリップ面21に対して側板16、17のエッジ面28、29の高さを低く配置するので、ウェブ10に塗布された塗布膜12の塗布幅方向の厚みを高精度で調整することができ、その結果、塗布膜12の厚みを均一化することができる。また、吐出口22から吐出された塗布液11を側板16、17方向へと流し、スリット20から押し出された塗布液11を幅方向に均一にすることができる。その結果、ダイ2を用いてウェブ10への塗布液の塗布を行う際に塗布膜の厚みを均一化しつつ、耳高の発生を防止し、ウェブ10の均一な両端塗膜厚みを高い再現性により得ることが可能であり、安定した表面性の良い塗膜をウェブ上に形成できる。
また、塗布液供給口25〜27は塗布幅の中心位置と、中心位置から所定距離ずつ左右方向に離れた両位置の計3箇所に設けられているので、ダイに対する塗布液の供給構造を複雑な構成にすることなく、且つ、塗布液の圧力又は流量に基づいて塗布幅方向の厚みを高精度で設定することができる。
更に、定量ポンプ5から送出された塗布液供給口25〜27を供給口へと搬送する搬送ライン4を、供給口の数に応じた経路に分岐し、且つ分岐点41から塗布液供給口25〜27までの距離を等長とするので、塗布液供給口25〜27における塗布液11の流量と圧力を高精度で調整することが可能となる。
また、中央の塗布液供給口26の供給口流量に対する左の塗布液供給口25と右の塗布液供給口27の供給口流量の流量比率を100%以上とすることで、ウェブ10上に均一な厚みを有する塗布膜12を得ることができる。
更に、リップ面21に対する側板16、17のエッジ面28、29の高さを200μm以上低く配置することによって、ダイ2を用いてウェブ10への塗布液の塗布を行う際に耳高の発生を防止し、安定した表面性の良い塗布膜12をウェブ10上に形成できる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態ではダイ2の構成についてキャビティ24に塗布液11を供給する供給口をダイ2の側面に対して計3箇所に設けることとしているが、その供給口の数は4つ以上としても良い。
本実施形態に係るダイ方式塗布装置の概略構成を示す斜視図である。 本実施形態に係るダイ方式塗布装置をダイの長さ方向で切断した断面図である。 本実施形態に係るダイを示した斜視図である。 ウェブ上に形成された塗布膜を幅方向に切断した断面図である。 実施例1〜3、比較例1、2で用いるダイを示した正面図である。 実施例1〜3、比較例1、2の評価結果を示した表である。 実施例1〜3、比較例1、2の評価結果を示したグラフである。 実施例4、比較例3〜5で用いるダイを示した正面図である。 実施例4、比較例3〜5の評価結果を示した表である。 実施例4、比較例3〜5の評価結果を示したグラフである。 実施例5、比較例6で用いるダイを示した正面図である。 実施例5、比較例6の評価結果を示した表である。 流量比率を99.9%及び100%として塗布を行った結果、ウェブに形成された塗布膜の厚み形状を示した図である。 側板の段差を100μm及び200μmとして塗布を行った結果、ウェブに形成された塗布膜の厚み形状を示した図である。
1 ダイ方式塗布装置
2 ダイ
10 ウェブ
11 塗布液
12 塗布膜
6、7 搬送ローラ
15 ダイ本体
16、17 側板
20 スリット
21 リップ面
22 吐出口
28、29 エッジ面

Claims (8)

  1. 連続走行するウェブに対して塗布液を吐出するダイと、
    前記塗布液を前記ダイへ送出するポンプと、
    前記ダイに対して塗布幅方向に複数箇所に設けられるとともに前記ポンプから送出された塗布液をダイ内部に供給する供給口と、
    前記ポンプから送出された塗布液を前記供給口へと搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段に設けられ前記塗布液を前記供給口の数に応じた経路に分岐する分岐手段と、
    前記複数箇所の供給口に対して供給される塗布液の圧力又は流量を供給口毎に所定圧力又は所定流量に調整する調整手段と、を有し、
    前記ダイは、
    ダイ本体と、
    前記ダイ本体に形成されるとともに前記ウェブに対向するリップ面と、
    前記リップ面に先端部が形成され所定の塗布幅で塗布液を吐出する吐出スリットと、
    前記ダイ本体とは別体に成形されるとともにダイ本体の両端部に対して前記リップ面より所定高さだけウェブに対向するエッジ面が低く配置される一対の側板と、
    を備え、
    前記搬送経路における前記分岐手段から前記複数箇所の供給口までの距離がそれぞれ等長であることを特徴とするダイ方式塗布装置
  2. 前記リップ面に対して前記エッジ面を200μmから300μm低く配置することを特徴とする請求項1に記載のダイ方式塗布装置
  3. 前記供給口は前記塗布幅の中心位置と、中心位置から所定距離ずつ左右方向に離れた両位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のダイ方式塗布装置。
  4. 前記塗布幅の中心位置に設けられた供給口に対して供給される第1流量に対して、中心位置から所定距離ずつ左右方向に離れた両位置に設けられた供給口に対して供給される第2流量の割合を100%以上且つ100.2%以下とすることを特徴とする請求項3に記載のダイ方式塗布装置。
  5. ウェブに対向するリップ面に先端部が形成され所定の塗布幅で塗布液を吐出する吐出スリットを有するダイを用い、連続走行するウェブに対して吐出スリットから吐出した塗布液を塗布する塗布方法において、
    前記ダイは前記リップ面を備えるダイ本体と、前記ダイ本体とは別体に成形されるとともにダイ本体の両端部に配置され前記ウェブに対向するエッジ面を有する一対の側板とからなり、
    ポンプから送出された塗布液をダイ内部に供給する供給口を前記ダイに対して塗布幅方向に複数箇所に設け、
    前記ポンプから送出された塗布液を前記供給口へと搬送する搬送経路において、前記塗布液を前記供給口の数に応じた経路に分岐する分岐点から各供給口までの距離がそれぞれ等長であり、
    記エッジ面を前記リップ面より所定高さ低く配置し、前記供給口に対して供給される塗布液の圧力又は流量を供給口毎に所定圧力又は所定流量に調整することにより塗布を行うことを特徴とする塗布方法。
  6. 前記リップ面に対して前記エッジ面を200μmから300μm低く配置することを特徴とする請求項5に記載の塗布方法。
  7. 前記供給口は前記塗布幅の中心位置と、中心位置から所定距離ずつ左右方向に離れた両位置に設けられていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の塗布方法。
  8. 前記塗布幅の中心位置に設けられた供給口に対して供給される第1流量に対して、中心位置から所定距離ずつ左右方向に離れた両位置に設けられた供給口に対して供給される第2流量の割合を100%以上且つ100.2%以下とすることを特徴とする請求項7に記載の塗布方法。
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