JP2015182019A - 塗布工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造により、スリットの長手方向(塗布幅方向)の全長に亘って塗布液の膜厚を均一にすることができ、塗布精度を向上できる塗布工具を提供すること。
【解決手段】隣接配置された複数のヘッド部材2の間に、塗布液が供給されるマニホールド4と、前記マニホールド4に連通するスリット3と、が形成され、前記ヘッド部材2の先端部11に開口する前記スリット3を通して、被塗布物に塗布液を塗布する塗布工具1であって、前記複数のヘッド部材2の延在方向Lの両端部には、前記マニホールド4及び前記スリット3の両端部に臨むサイドプレート20がそれぞれ配設され、前記サイドプレート20には、前記マニホールド4に連通する窪み部22が形成されており、前記窪み部22を含む前記マニホールド4の延在方向Lの長さが、前記スリット3の延在方向Lの長さよりも長く設定される。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えばパネル状部材やシート状部材などの被塗布物の表面に、塗布液を塗布する際に使用される塗布工具に関するものである。
従来、例えば液晶ディスプレイのガラス基板等のパネル状部材や、可撓性を有するシート状部材などの被塗布物の表面に塗布液を塗布する目的で、スロットダイ(塗布工具)が使用されている。
この種の塗布工具としては、例えば下記特許文献1に示されるような、隣接配置された一対のヘッド部材の間に、塗布液が供給されるマニホールドと、マニホールドに連通するスリットと、が形成され、ヘッド部材の先端部に開口するスリットを通して、被塗布物に塗布液を塗布するものが知られている。
上記マニホールドは、長尺の矩形板状をなすヘッド部材の延在方向に沿って、ヘッド部材の内面に形成される。マニホールドの断面形状は、例えば円形や半円形、台形(矩形)等である。マニホールドには、マニホールドに塗布液を供給する供給口が開口している。この供給口は、例えばマニホールドの延在方向の中央部や端部に配置される。
また、塗布液は、マニホールドに供給されて一時的に保持され、マニホールドからスリットへと流通し、該スリットを通って塗布工具の先端部(刃先エッジ)から被塗布物に塗布される。このように、マニホールドからスリットを通して塗布液が吐出されることにより、被塗布物に対して塗布液が均一に塗布されるようにしている。
特開2005−021821号公報
ところで、この種の塗布工具においては、被塗布物の表面に塗布された塗布液の膜厚をより均一にすることが求められており、具体的には、塗布液の膜厚の誤差を、例えば0.1μm以内にまで抑えることが要求されている。
しかしながら、従来の塗布工具では、スリットの長手方向(塗布液の塗布幅方向)の全長に亘って、塗布液の膜厚を高精度に均一にすることは困難であった。特に、スリットの長手方向の両端部の膜厚は、中央部の膜厚に比べて、大きくばらついてしまうという問題がある。
このため、被塗布物に塗布された塗布液のうち、膜厚にばらつきがある両端部分を破棄する等の措置が採られており、塗布液及び被塗布物が無駄に浪費されるという問題が生じていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、簡単な構造により、スリットの長手方向(塗布幅方向)の全長に亘って塗布液の膜厚を均一にすることができ、塗布精度を向上できる塗布工具を提供することを目的としている。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち本発明は、隣接配置された複数のヘッド部材の間に、塗布液が供給されるマニホールドと、前記マニホールドに連通するスリットと、が形成され、前記ヘッド部材の先端部に開口する前記スリットを通して、被塗布物に塗布液を塗布する塗布工具であって、前記複数のヘッド部材の延在方向の両端部には、前記マニホールド及び前記スリットの両端部に臨むサイドプレートがそれぞれ配設され、前記サイドプレートには、前記マニホールドに連通する窪み部が形成されており、前記窪み部を含む前記マニホールドの延在方向の長さが、前記スリットの延在方向の長さよりも長く設定されることを特徴とする。
本発明の塗布工具では、ヘッド部材の延在方向の両端部にサイドプレートが配設されており、これらサイドプレートは、隣接するヘッド部材間に形成されて前記延在方向に沿って延びるマニホールド及びスリットの両端部に臨んでいるとともに、これらマニホールド及びスリットの両端部を塞いでいる。そして、マニホールドの両端部は、サイドプレートの窪み部を含んで形成されている。
これにより、マニホールドの両端部で塗布液の乱流が起きても、この乱流はサイドプレートの窪み部内で生じることになり、該窪み部よりも延在方向の内側に位置するスリットの両端部では、塗布液が乱流による影響を受けにくい。
すなわち、サイドプレートの窪み部によって、マニホールドの延在方向に沿う全長が延長されているので、該マニホールドの両端部よりも延在方向の内側に位置するスリットを流れる塗布液においては、窪み部で発生した乱流の影響が生じにくくされている。これによりスリットには、塗布液が層流の状態で流入しやすくなるとともに、該スリットの開口へ向けて塗布液が円滑に流れやすくなる。
従って、スリットから吐出される塗布液は、被塗布物に対して塗布幅方向に均一な膜厚で塗布される。つまり、スリットの長手方向の両端部まで(塗布幅全域にわたって)、所期する塗布量を十分に確保することができる。
具体的に従来では、サイドプレートにおいて延在方向の内側(中央側)を向きマニホールド及びスリットに臨む該サイドプレートの内面が、単純な平面に形成されており、この内面によって塞がれるマニホールド及びスリットが、延在方向において同一の長さに設定されていた。このため塗布液は、マニホールドの延在方向の両端部において、乱流のままスリット内に流入するので、スリットから吐出された塗布液が、被塗布物に対して塗布幅方向に不均一な膜厚で塗布されていた。
一方、本発明によれば、塗布幅方向の両端部まで塗布液の膜厚が均一とされた、高品位な塗布精度を確保できるのである。
以上より、本発明の塗布工具によれば、簡単な構造により、スリットの長手方向(塗布幅方向)の全長に亘って塗布液の膜厚を均一にすることができ、塗布精度を向上できる。
さらに、本発明の塗布工具においては、例えば塗布液の流れを調整するための部材を別途(新たに)設けることなく、従来と同じ構成部材を用いて、塗布精度を十分に確保することが可能である。よって設備費用を削減でき、かつ長期間に亘って高い塗布精度を安定して維持できる。
また、被塗布物に塗布した塗布液の一部(塗布幅方向の両端)を破棄するようなことが抑制されて、塗布した塗布液の全てを利用することが可能になる。またこれにより、被塗布物を無駄に破棄する部分も少なく抑えることが可能になる。従って、生産性(製品歩留まり)が向上する。
また、本発明の塗布工具において、前記サイドプレートの少なくとも塗布液に接触する部分には、親水化処理が施されていることとしてもよい。
この場合、サイドプレートにおいて、塗布液が接触する部分(接液部分)に、親水化処理が施されているので、マニホールドからサイドプレートに沿ってスリットの両端部を流れる塗布液に対して、整流作用が得られる。従って、上述した本発明の効果がより顕著なものとなる。
尚、本明細書でいう「親水化処理」とは、例えば、プラズマ処理、コーティング処理、ショットブラスト処理などによって、サイドプレートの接液部分の濡れ性を高めることが可能な処理を指しており、具体的には、接液部分に滴下した水滴の接触角が25°以下となる処理を指し、より好ましくは上記接触角が15°以下である。
また、本発明の塗布工具において、前記サイドプレートには、前記スリットに連通する溝部が形成されているとともに、該溝部は、前記窪み部から前記ヘッド部材の先端部に向けて延びており、前記溝部の深さが、前記窪み部から前記ヘッド部材の先端部に向かうに従い漸次浅くなっていることとしてもよい。
この場合、サイドプレートの溝部によって塗布液がスリットの両端部に、より円滑に案内されやすくなり、上述した本発明の効果がさらに顕著なものとなる。
本発明の塗布工具によれば、簡単な構造により、スリットの長手方向(塗布幅方向)の全長に亘って塗布液の膜厚を均一にすることができ、塗布精度を向上できる。
本発明の一実施形態に係る塗布工具を示す斜視図である。 図1の塗布工具を示す(a)側面図、(b)正面図である。 図2の塗布工具における(a)A−A断面図、(b)B−B断面図である。 本発明の塗布工具の変形例を示す縦断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る塗布工具1について、図面を参照して説明する。
本実施形態の塗布工具1は、例えば液晶ディスプレイのガラス基板等のパネル状部材や、可撓性を有するシート状部材などの被塗布物の表面に、塗布液を所定の膜(層)厚となるように塗布するスロットダイである。
図1〜図3に示されるように、本実施形態の塗布工具1は、隣接配置された複数のヘッド部材2の間に、塗布液が供給されるマニホールド4と、マニホールド4に連通するスリット3と、が形成されており、ヘッド部材2の先端部11に開口するスリット3を通して、被塗布物に塗布液を塗布するようになっている。
本実施形態の塗布工具1は、一対のヘッド部材2と、一対のサイドプレート20と、を備えている。一対のサイドプレート20は、一対のヘッド部材2の延在方向Lの両端に配設される。
ここで、ヘッド部材2は、長尺の矩形板状またはブロック状をなしており、一対のヘッド部材2同士が、その厚さ方向Tに隣接するように対向配置されている。具体的に、これらヘッド部材2は、互いの内面同士を接近させて対向配置(隣接配置)されている。
本明細書においては、ヘッド部材2の延在する方向を延在方向Lという。また、ヘッド部材2の厚さに沿う方向を厚さ方向Tという。また、これら延在方向L及び厚さ方向Tに垂直な方向を高さ方向Hという。また、高さ方向Hのうち、塗布工具1から塗布液が吐出される向き(図1における上方)を先端側といい、その反対側(図1における下方)を基端側という。
この塗布工具1は、不図示の製造ラインの一部を構成する塗布装置に装着される。
塗布工具1は、ヘッド部材2の先端(刃先エッジ)を被塗布物に対向させるとともに、ヘッド部材2の先端部11に開口するスリット3の長手方向(延在方向Lと同一方向)を被塗布物の幅方向(塗布幅方向)に一致させるように配置される。
塗布工具1のマニホールド4には、塗布液タンクから供給ポンプによって塗布液が供給される。この塗布液は、マニホールド4からスリット3を流通して、ヘッド部材2の先端部11(スリット3開口)から吐出される。
そして、被塗布物を塗布工具1の厚さ方向Tに沿って移動させることにより、被塗布物の表面に対して塗布液が所定の膜厚(層厚)で塗布される。
ヘッド部材2は、ステンレス鋼等の金属材料からなり、図3(a)に示されるように、延在方向Lから見て台形状をなしている。ヘッド部材2において、塗布工具1の厚さ方向Tの外側を向く外面7、及び厚さ方向Tの内側(中央側)を向く内面8は、それぞれ厚さ方向Tに垂直な平面状に形成される。
ヘッド部材2同士の間には、スリット3と、マニホールド4と、が形成されている。
スリット3は、塗布工具1の先端部11に開口するとともに、基端側に向けて延びる隙間状の空間である。スリット3は、塗布工具1の内部に形成されたマニホールド4に連通している。
マニホールド4は、塗布液が供給される空間であって、一対のヘッド部材2の内面8間において延在方向Lに沿って延びている。
一対のヘッド部材2の内面8同士は、対向して密着している。内面8同士の間のうち、密着させられていない部分には、スリット3が形成されている。
具体的に、各ヘッド部材2の内面8は、マニホールド4より基端側に位置する部位(基端部)が基端部以外の部位よりも一段突出される。各ヘッド部材2の内面8の基端部同士を密着させることにより、ヘッド部材2同士の間におけるマニホールド4より先端側に位置する部位に、隙間状の空間からなるスリット3が形成される。
スリット3は、塗布液の流通空間(隙間)である。スリット3は、一対のヘッド部材2の内面8同士の間に形成され、マニホールド4から先端部11に向けて連通しているとともに、塗布工具1の先端部11に開口している。スリット3は、各ヘッド部材2の延在方向Lの全長に亘って形成されている。
塗布工具1において、スリット3の長手方向(延在方向L)に沿う長さは、被塗布物において塗布液が塗布される幅(塗布幅)に対応して設定される。スリット3の長さを変更することで、被塗布物の塗布幅を変更可能である。
ヘッド部材2において基端側を向く基端面9は、高さ方向Hに垂直な平面に形成されている。ヘッド部材2において先端側を向く先端面10は、延在方向Lから見て、塗布工具1における厚さ方向Tの内側(中央側)へ向かうに従い漸次先端側(先端部11)に向かって傾斜している。
塗布工具1の先端部11(一対のヘッド部材2の先端部)には、超硬合金等の硬質材料からなるエッジ部材6がそれぞれ配設されている。エッジ部材6同士は、互いの間にスリット3となる隙間をあけて対向配置される。
エッジ部材6は、延在方向Lに延びる矩形板状をなしており、ヘッド部材2の先端面10から先端側に突出している。エッジ部材6の先端部(刃先エッジ)同士の間に、スリット3の開口部が形成されている。
尚、エッジ部材6は、設けられていなくてもよい。この場合、ヘッド部材2において先端面10と内面8とが交差して形成される稜線部分が、刃先エッジとなる。
マニホールド4は、各ヘッド部材2の内面8において延在方向Lに延びる丸溝状に形成されている。マニホールド4は、各ヘッド部材2の延在方向Lの全長に亘って形成されている。マニホールド4は、ヘッド部材2同士を密着させることにより、延在方向Lに延びる円柱穴状に形成される。
ヘッド部材2には、外面7又は基端面9に開口してマニホールド4に連通する液供給路14が形成されている。図示の例では、液供給路14が外面7に開口しているとともに、マニホールド4における延在方向Lの中央部に連通している。また本実施形態では、液供給路14は、一対のヘッド部材2のうち、一方のヘッド部材2A内に形成されており、他方のヘッド部材2B内には形成されていない。液供給路14は、不図示の供給ポンプに接続される。
尚、液供給路14は、塗布工具1の外部に設置された供給ポンプとマニホールド4とを連通可能にヘッド部材2に形成されていればよく、その形状や数、配置等については、本実施形態で説明したものに限定されない。具体的に、例えば液供給路14は、マニホールド4の延在方向Lに互いに間隔をあけて、該マニホールド4内に複数開口していてもよい。
特に図示していないが、一対のヘッド部材2の内面8において、マニホールド4よりも基端側に位置する部位には、延在方向Lに間隔をあけて互いに対向配置された、ねじ穴及びねじ挿通孔が複数開口している。これらのねじ穴及びねじ挿通孔は、厚さ方向Tに沿って穿設されており、いずれか一方のヘッド部材2の外面7からねじ挿通孔に挿通されたボルト等のねじ部材が、他方のヘッド部材2の内面8に開口したねじ穴に螺着されることにより、これら一対のヘッド部材2同士が一体化して固定されている。
そして、一対のヘッド部材2の延在方向Lの両端には、一対のサイドプレート20がそれぞれ密着して配置されている。各サイドプレート20は、スリット3とマニホールド4に臨むように、ヘッド部材2の両端部に配設されているとともに、これらスリット3及びマニホールド4の両端部を塞いでいる。
サイドプレート20は、ステンレス鋼等の金属材料からなり、延在方向Lから見て略五角形状をなす平板状に形成されている。サイドプレート20は、延在方向Lから見て、一対のヘッド部材2同士を密着させた側面形状に一致するように形成されている。
各サイドプレート20の内面21には、円柱穴状の窪み部22がそれぞれ形成されている。窪み部22は、各サイドプレート20を一対のヘッド部材2の両端に密着したときに、マニホールド4に一致するように形成されている。つまり、各窪み部22は、マニホールド4と一体となって、塗布液が供給される空間を形成しており、具体的には、ヘッド部材2及びサイドプレート20が組み立てられた状態で、各窪み部22は、マニホールド4の両端部に位置している。
また各サイドプレート20は、一対のヘッド部材2の両端に密着したときに、スリット3の延在方向Lの両端を覆うようになっている。つまり、各サイドプレート20の内面21は、スリット3の延在方向Lの両端を塞いでいる。
従って、窪み部22を含むマニホールド4の延在方向Lの長さは、スリット3の延在方向Lの長さよりも長くなる。言い換えれば、塗布液が供給される空間(マニホールド4)の延在方向Lの長さは、塗布液を吐出する空間(スリット3)の延在方向Lの長さよりも長く形成されている。
また、各サイドプレート20の内面21には、該内面21に接触する塗布液に乱流が発生しにくいように、表面処理が施されている。具体的には、各サイドプレート20の内面21のうち、少なくとも塗布液に接触する部分には、親水化処理が施されている。尚、本実施形態では、サイドプレート20の内面21全体に親水化処理が施されているが、これに限定されるものではない。すなわち、親水化処理は、サイドプレート20の内面21のうち、少なくとも塗布液に接触する部分(接液部分)に施されていればよく、具体的には、サイドプレート20の窪み部22から該サイドプレート20の先端部に向かう部位(マニホールド4及びスリット3に臨む部位)に施されていればよい。
ここで、本明細書でいう「親水化処理」とは、例えば、プラズマ処理、コーティング処理、ショットブラスト処理などであり、サイドプレート20の内面21のうち、少なくとも接液部分に対して、塗布液の濡れ性を高める目的で施される処理である。具体的には、この親水化処理によって、サイドプレート20の内面21に塗布液を滴下したときに、塗布液の水滴の接触角が、例えば25°以下となる状態にする。尚、より好ましくは、上記接触角が15°以下となる状態にする。
この結果、サイドプレート20の内面21に塗布液が良好になじむとともに、この塗布液が、乱流を生じさせずに層流のままスリット3から吐出されることになる。
以上説明した本実施形態の塗布工具1では、ヘッド部材2の延在方向Lの両端部にサイドプレート20が配設されており、これらサイドプレート20は、隣接するヘッド部材2間に形成されて延在方向Lに沿って延びるマニホールド4及びスリット3の両端部に臨んでいるとともに、これらマニホールド4及びスリット3の両端部を塞いでいる。そして、マニホールド4の両端部は、サイドプレート20の窪み部22を含んで形成されている。
これにより、マニホールド4の両端部で塗布液の乱流が起きても、この乱流はサイドプレート20の窪み部22内で生じることになり、該窪み部22よりも延在方向Lの内側に位置するスリット3の両端部では、塗布液が乱流による影響を受けにくい。
すなわち、サイドプレート20の窪み部22によって、マニホールド4の延在方向Lに沿う全長が延長されているので、該マニホールド4の両端部よりも延在方向Lの内側に位置するスリット3を流れる塗布液においては、窪み部22で発生した乱流の影響が生じにくくされている。これによりスリット3には、塗布液が層流の状態で流入しやすくなるとともに、該スリット3の開口へ向けて塗布液が円滑に流れやすくなる。
従って、スリット3から吐出される塗布液は、被塗布物に対して塗布幅方向に均一な膜厚で塗布される。つまり、スリット3の長手方向(延在方向L)の両端部まで(塗布幅全域にわたって)、所期する塗布量を十分に確保することができる。
具体的に従来では、サイドプレートにおいて延在方向の内側(中央側)を向きマニホールド及びスリットに臨む該サイドプレートの内面が、単純な平面に形成されており、この内面によって塞がれるマニホールド及びスリットが、延在方向において同一の長さに設定されていた。このため塗布液は、マニホールドの延在方向の両端部において、乱流のままスリット内に流入するので、スリットから吐出された塗布液が、被塗布物に対して塗布幅方向に不均一な膜厚で塗布されていた。
一方、本実施形態によれば、塗布幅方向の両端部まで塗布液の膜厚が均一とされた、高品位な塗布精度を確保できるのである。
以上より、本実施形態の塗布工具1によれば、簡単な構造により、スリット3の長手方向(塗布幅方向)の全長に亘って塗布液の膜厚を均一にすることができ、塗布精度を向上できる。
さらに、本実施形態の塗布工具1においては、例えば塗布液の流れを調整するための部材を別途(新たに)設けることなく、従来と同じ構成部材を用いて、塗布精度を十分に確保することが可能である。よって設備費用を削減でき、かつ長期間に亘って高い塗布精度を安定して維持できる。
また、被塗布物に塗布した塗布液の一部(塗布幅方向の両端)を破棄するようなことが抑制されて、塗布した塗布液の全てを利用することが可能になる。またこれにより、被塗布物を無駄に破棄する部分も少なく抑えることが可能になる。従って、生産性(製品歩留まり)が向上する。
また、サイドプレート20の内面21において、少なくとも塗布液が接触する部分(接液部分)に、親水化処理が施されているので、マニホールド4からサイドプレート20に沿ってスリット3の両端部を流れる塗布液に対して、整流作用が得られる。従って、上述した本実施形態の効果がより顕著なものとなる。
ここで、図4に示される塗布工具1は、本実施形態で説明したサイドプレート20の変形例を表している。
この変形例では、サイドプレート20の内面21のうち、スリット3に臨む部分に溝部23が形成されており、該溝部23は、スリット3に連通しているとともに、窪み部22からヘッド部材2の先端部11に向けて高さ方向Hに沿って延びている。尚、本実施形態では、溝部23の高さ方向Hに沿う長さ、及び厚さ方向Tに沿う幅(特に図示していない)が、スリット3の前記長さ、及び前記幅にそれぞれ一致している。ただし、溝部23の形状については、これに限定されるものではない。
溝部23の深さ(延在方向Lに沿う溝深さ)は、窪み部22からヘッド部材2の先端部11に向かうに従い漸次浅く(小さく)なっている。つまり溝部23は、窪み部22から塗布工具1の先端部11に向かって、その深さが徐々に浅くなるように形成されている。
具体的に、溝部23の基端の溝深さは、窪み部22の底面の深さに一致しており、溝部23の先端の溝深さは、サイドプレート20の内面21のうち溝部23以外の部位に一致している(つまり溝部23先端の溝深さは0)。すなわち、溝部23の溝深さは、窪み部22に連通する基端において最も深くされ、サイドプレート20の先端部に向かうに従って浅くなり、サイドプレート20の先端部で0となる(溝部23が消滅する)。従って、溝部23が形成されている場合においても、該溝部23を含めたスリット3の延在方向Lの長さは、先端部11においては(つまり塗布幅としては)、図3(b)に例示されたものと同じである。
尚、溝部23に対しても、上述した親水化処理を施すことがより好ましい。
溝部23は、窪み部22に流入した塗布液を、スリット3に向けて円滑に案内するように流す。すなわち、マニホールド4の窪み部22に流入した塗布液は、該窪み部22内において一旦乱流となるが、この塗布液が溝部23に流れ込み、サイドプレート20の先端部に向けて流れていくうちに、塗布液に発生した乱流が徐々に解消されて、層流になる。このため、塗布液がスリット3から吐出するときには、塗布液に発生した乱流は、概ね解消されて層流の状態となる。
従って、スリット3から吐出される塗布液は、被塗布物に対して均一な膜厚で塗布されることになり、スリット3の両端部において、所期する塗布量を確保できる。
よって、スリット3の長手方向(塗布幅方向)の全域に亘って塗布精度が高められる。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、塗布工具1が一対のヘッド部材2を備えるとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、塗布工具1は、3つ以上のヘッド部材2を備えるとともに、これらが厚さ方向Tに並べられて配設されていて、隣り合うヘッド部材2同士の間に、スリット3及びマニホールド4がそれぞれ形成されていてもよい。
この場合、一度の塗布工程において、被塗布物に対して各スリット3から複数種類の塗布液を吐出可能であり、被塗布物の表面に塗布液が複数の膜(層)をなすように塗布される。
また、前述の実施形態で用いた図面では、ヘッド部材2同士の間に画成されるスリット3が、塗布工具1の上方に向けて開口しているが、これに限定されるものではない。すなわち、被塗布物に対する塗布工具1の設置姿勢は、例えばスリット3が下方に向けて開口していてもよい。
また、前述の実施形態では、塗布液を一時的に保持可能なマニホールド4が、一対のヘッド部材2の両方に形成されており、具体的には、各ヘッド部材2の内面8に形成された一対の丸溝状部分同士が対向配置されることで、マニホールド4全体として円柱穴状に形成されているが、これに限定されるものではない。
すなわち、一対のヘッド部材2のうち、一方のヘッド部材2Aの内面8及び他方のヘッド部材2Bの内面8のいずれかのみに、マニホールド4が半円柱状に形成されていてもよい。或いは、マニホールド4は、その延在方向Lに垂直な断面形状が、上述した円形、半円形の他、台形(矩形)やそれ以外の多角形状等とされていてもよい。
また、窪み部22や溝部23の深さや幅、表面処理等については、塗布液の粘度や流速等に応じて、適宜変更してよい。これにより、マニホールド4の窪み部22内の塗布液に発生した乱流の影響を、スリット3内の塗布液においてより確実に排除することができる。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及び尚書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
1 塗布工具
2 ヘッド部材
3 スリット
4 マニホールド
11 先端部
20 サイドプレート
22 窪み部
23 溝部
L 延在方向

Claims (3)

  1. 隣接配置された複数のヘッド部材の間に、塗布液が供給されるマニホールドと、前記マニホールドに連通するスリットと、が形成され、
    前記ヘッド部材の先端部に開口する前記スリットを通して、被塗布物に塗布液を塗布する塗布工具であって、
    前記複数のヘッド部材の延在方向の両端部には、前記マニホールド及び前記スリットの両端部に臨むサイドプレートがそれぞれ配設され、
    前記サイドプレートには、前記マニホールドに連通する窪み部が形成されており、
    前記窪み部を含む前記マニホールドの延在方向の長さが、前記スリットの延在方向の長さよりも長く設定されることを特徴とする塗布工具。
  2. 請求項1に記載の塗布工具であって、
    前記サイドプレートの少なくとも塗布液に接触する部分には、親水化処理が施されていることを特徴とする塗布工具。
  3. 請求項1又は2に記載の塗布工具であって、
    前記サイドプレートには、前記スリットに連通する溝部が形成されているとともに、該溝部は、前記窪み部から前記ヘッド部材の先端部に向けて延びており、
    前記溝部の深さが、前記窪み部から前記ヘッド部材の先端部に向かうに従い漸次浅くなっていることを特徴とする塗布工具。
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