JP2016078012A - 塗布器 - Google Patents
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Abstract
【課題】少量多品種に対応して、線幅とピッチが多様なストライプ膜を、低コストかつ高精度で製造できるように、ストライプ膜の品種ごとに、異なる形状の交換部材を低コストで製作でき、かつ容易に交換できる構成の塗布器を提供する。
【解決手段】第1リップと、第2リップと、それに挟まれる交換スペーサからなる塗布器であって、交換スペーサは、厚さ方向に順に重なる第1スペーサ、吐出スペーサ、及び第2スペーサより構成され、吐出スペーサには、幅WAで長さLAの切欠きが設けられており、かつ切欠きの開いた側には、幅WAより長い幅WBの吐出口先端面が設けられている塗布器。
【選択図】図1
【解決手段】第1リップと、第2リップと、それに挟まれる交換スペーサからなる塗布器であって、交換スペーサは、厚さ方向に順に重なる第1スペーサ、吐出スペーサ、及び第2スペーサより構成され、吐出スペーサには、幅WAで長さLAの切欠きが設けられており、かつ切欠きの開いた側には、幅WAより長い幅WBの吐出口先端面が設けられている塗布器。
【選択図】図1
Description
本発明は、ガラス、フィルム、不織布、金属、紙等の基材に、ストライプ状に塗布液を塗布してストライプ膜を形成する塗布器に関する。
ガラス、フィルム、不織布、金属、紙等の基材(被塗布部材)に、塗膜を所望の線幅とピッチでストライプ状に多数形成するストライプ膜形成方法が注目されている。そして、このストライプ膜を簡便かつ精度よく形成する手段として、ストライプ塗布器が知られている(例えば、特許文献1、図2参照)。
このストライプ塗布器は、内部に塗布液が供給される供給流路と、塗布器の長手方向である塗布幅方向に延在するマニホールドと、塗布幅方向にストライプ膜のピッチである一定間隔Pで設けられた複数の吐出流路と、を備えている。そして、供給流路に投入された塗布液は、マニホールドに流入して塗布幅方向に拡幅された後、各吐出流路に均等に分配されて、吐出流路の出口である吐出口から、吐出流路の本数だけストライプ状に吐出される。吐出口のある吐出口先端面は、吐出口ごとに塗布器本体より突き出る突出部の先端にあり、その塗布幅方向の長さは吐出口のそれより少し大きな幅Lwとなる。また、隣り合う突出部間には、谷となる凹部があり、この凹部が各吐出口ごとにある吐出口先端面を形状的に分離する。そして、吐出口先端面を被塗布部材と一定すきまを設けて対向させ、各吐出口からストライプ状に塗布液を吐出させながら、被塗布部材をストライプ塗布器に対して相対移動させると、吐出口から吐出された塗布液は吐出口先端面の幅Lwまで広がるため、線幅が幅Lw、ピッチが間隔Pのストライプ膜が被塗布部材上に形成される。特許文献1に示されるストライプ塗布器は、精度よく確実に線幅が幅Lw、ピッチが間隔Pのストライプ膜が形成できる。しかしながら、ストライプ膜の品種ごとに線幅やピッチが異なる場合、品種数だけ吐出口先端面の幅Lw、吐出流路の間隔P(ピッチ)が異なる塗布器を用意せねばならず、その製作コストや、各塗布器を保管するスペースに要するコストは、品種数に比例して増大する。
一方、薄板であるスペーサに、上記の吐出流路に相当する一定幅wで長さL(塗布液吐出方向の長さ)の切欠きをピッチPで複数設け、このスペーサを2つのリップと呼ばれるブロックで挟み込む構成のストライプ塗布器も知られている(例えば、特許文献2、図6参照)。このストライプ塗布器なら、ストライプ膜品種ごとに切欠きの幅wやピッチPが異なるスペーサを用意すれば、単にこのスペーサを交換することで、ストライプ膜品種変更に容易に対応できる。しかも、切欠きのあるスペーサの製作コストは、塗布器本体の製作コストよりもはるかに小さく、さらにスペーサは薄板で重ねることができるので、保管スペースやそれに要するコストも極くわずかですむ。しかしながらこのストライプ塗布器では、吐出口先端面は各吐出口の単位で分離されておらず、すべての吐出口を含む連続面となっている。そのため、使用する塗布液や塗布条件によっては、各吐出口から吐出された塗布液が、被塗布部材に付着するより前に、連続な吐出口先端面上を塗布幅方向に拡がって、隣りあう吐出口から吐出される塗布液と合流してしまう。その結果、すべての吐出口から吐出される塗布液が塗布幅方向全長にわたってつながった面状の膜ができ、ストライプ膜は形成できない。
これに対して特許文献2では、塗布幅方向に長い1つの吐出口であっても、ストライプ膜の線幅とピッチに対応して吐出口先端面だけを分離すれば、塗布液や塗布条件にかかわらず所望のストライプ膜が形成できるとし、その具体策を提案している。すなわち、塗布器本体の先端面(塗布幅方向に長い1つの吐出口を含む面)に、所定の幅とピッチの凹みを複数設けることで、分離した短い幅(塗布幅方向長さ)の吐出口先端面を複数形成している。しかしこの構成のストライプ塗布器は、塗布器本体を加工して複数の凹みを設けるため、特許文献1のストライプ塗布器と同様に、ストライプ膜の品種ごとに塗布器を用意せねばならない。そのため製作コストや、各塗布器を保管するスペースに要するコストは、品種数に比例して増大し、莫大なものとなる。
以上、少量多品種に対応して、線幅とピッチが多様なストライプ膜を、低コストかつ高精度で製造しようとしても、有用な手段はないというのが現状である。
本発明は、上述のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、少量多品種に対応して、線幅とピッチが多様なストライプ膜を、低コストかつ高精度で製造できるように、ストライプ膜の品種ごとに、異なる形状の交換部材を低コストで製作でき、かつ容易に交換できる構成の塗布器を提供することにある。
本発明の目的は、以下に述べる手段によって達成される。
本発明の塗布器は、第1リップと、第2リップと、それに挟まれる交換スペーサからなり、前記第1リップと第2リップの少なくとも一方に、塗布液が供給される供給流路と、前記供給流路に供給された塗布液を塗布幅方向に拡幅するマニホールドと、が設けられており、前記交換スペーサは、厚さ方向に順に重なる第1スペーサ、吐出スペーサ、及び第2スペーサより構成され、厚さ方向で前記第1スペーサと第2スペーサの間に位置する前記吐出スペーサには、塗布液を吐出するための吐出流路となる塗布幅方向に幅WAで塗布液吐出方向に長さLAの切欠きが設けられており、かつ前記吐出流路の出口である吐出口が形成される前記切欠きの開いた側には、塗布幅方向に幅WAより長い幅WBの吐出口先端面が、前記切欠きに対応する位置に、前記第1スペーサ、吐出スペーサ、及び第2スペーサに設けられていることを特徴とする。
本発明の塗布器は、第1リップと、第2リップと、それに挟まれる交換スペーサからなり、前記第1リップと第2リップの少なくとも一方に、塗布液が供給される供給流路と、前記供給流路に供給された塗布液を塗布幅方向に拡幅するマニホールドと、が設けられており、前記交換スペーサは、厚さ方向に順に重なる第1スペーサ、吐出スペーサ、及び第2スペーサより構成され、厚さ方向で前記第1スペーサと第2スペーサの間に位置する前記吐出スペーサには、塗布液を吐出するための吐出流路となる塗布幅方向に幅WAで塗布液吐出方向に長さLAの切欠きが設けられており、かつ前記吐出流路の出口である吐出口が形成される前記切欠きの開いた側には、塗布幅方向に幅WAより長い幅WBの吐出口先端面が、前記切欠きに対応する位置に、前記第1スペーサ、吐出スペーサ、及び第2スペーサに設けられていることを特徴とする。
本発明の塗布器においては、前記吐出口、切欠き、吐出口先端面が塗布幅方向に複数個設けられていることが好ましい。
本発明の塗布器によれば、塗布器の本体である第1リップと第2リップの間に、所望のストライプ膜の線幅とピッチを実現する吐出流路と分離された吐出口先端面を備える交換スペーサを挟みこむようにしたので、交換スペーサを品種ごとに交換することで、線幅とピッチが多様なストライプ膜を、容易に高精度で形成することができる。
また、第1スペーサ、吐出スペーサ、第2スペーサの薄板3枚を重ねることで構成される交換スペーサは、材料費が安価な薄板を短時間で加工するだけで済むため、塗布器本体よりもはるかに低コストで製作できる。さらに薄板であるので重ねて保管することも可能であることから省スペース性にも優れ、保管スペースに要するコストも極くわずかにすることができる。
すなわち、本発明の塗布器によれば、ストライプ膜の品種ごとに、異なる形状の交換部材を低コストで製作でき、かつ容易に交換できるので、少量多品種に対応して線幅とピッチが多様なストライプ膜を、低コストかつ高精度で形成することができる。
以下、本発明の実施形態の一例を図面に基づいて説明する。
本発明に係る塗布器1を、各構成部材に分解して概略斜視図で示したのが図1である。図1を参照すると、塗布器1は、塗布器1の長手方向である塗布幅方向(Y方向)に延在する第1リップ2と、第2リップ3と、それらに挟まれる交換スペーサ4と、リップ締結用の複数の組立ボルト5と、で構成されている。第1リップ2と第2リップ3は、それぞれの内面24と内面34が対向する状態で配置され、その間に、交換スペーサ4を挟み込んで、複数の組立ボルト5で締結固定することで、塗布器1として一体化されている。
本発明に係る塗布器1を、各構成部材に分解して概略斜視図で示したのが図1である。図1を参照すると、塗布器1は、塗布器1の長手方向である塗布幅方向(Y方向)に延在する第1リップ2と、第2リップ3と、それらに挟まれる交換スペーサ4と、リップ締結用の複数の組立ボルト5と、で構成されている。第1リップ2と第2リップ3は、それぞれの内面24と内面34が対向する状態で配置され、その間に、交換スペーサ4を挟み込んで、複数の組立ボルト5で締結固定することで、塗布器1として一体化されている。
また第1リップ2の内面24には、供給される塗布液を塗布幅方向に拡幅するためのマニホールド6が、塗布幅方向に延在して形成されている。そして、マニホールド6の塗布幅方向の中央には、塗布液が外部から供給される供給流路7が第1リップ2の外部と連通するように設けられている。ここで、供給流路7は、それに供給される塗布液をマニホールド6の塗布幅方向に一様に拡幅するために、マニホールド6の塗布幅方向の中央部に設けることが好ましいが、中央部以外に設けてもよい。
次に、塗布器1を構成する交換スペーサ4は、厚さ方向であるX方向で、いずれも薄板である第1スペーサ8と第2スペーサ10の間に、吐出スペーサ9が重ねられて構成されている。第1スペーサ8、第2スペーサ10、吐出スペーサ9は、厚さが小さいため加工時間が短く、厚さの大きな第1リップや第2リップと比較して材料費も安価であるため、製作コストを大幅に安価にすることが可能となる。また、第1スペーサ8の外周部または外形となる外形輪郭82と第2スペーサ10の外周部または外形となる外形輪郭102は、重ね方向であるX方向に同一であることが好ましい。これにより、第1スペーサ8と第2スペーサ10は、X方向に重ねた状態で外形輪郭82と外形輪郭102を同時加工によって形成することができる。同時加工すれば、スペーサを一枚単位で製作するよりも加工時間を大幅に短縮できるため、製作コストを更に安価にすることが可能となる。なお、第1リップ2、第1スペーサ8、吐出スペーサ9、第2スペーサ10、第2リップ3には、同じ位置で貫通している組立ボルト5の挿入用穴13が複数個設けられている。この挿入用穴13も同時加工によって形成して、製作コストを低くすることができる。
つづいて、厚さ方向で第1スペーサ8と第2スペーサ10の間に位置する吐出スペーサ9には、塗布幅方向に幅WAで、塗布液吐出方向(Z方向)に長さLAの切欠き11が、塗布幅方向に所望のピッチPで複数本設けられている。
この複数の切欠き11は、第1スペーサ8の内面84と第2スペーサ10の内面104に重ねられて覆われることで、塗布液の流路である複数の吐出流路14となる。複数の切欠き11は、塗布液吐出方向であるZ方向の最下端にある吐出スペーサ9の先端部96で開口して、吐出流路14の出口である吐出口15を形成する。切欠き11による吐出流路14と吐出口15は、第1スペーサ8の開口部12を介して、第1リップ2のマニホールド6と供給流路7に流体的に連通している。これにより、供給流路7から供給される塗布液は、マニホールド6で塗布幅方向に拡幅されてから、開口部12を通じて複数の吐出流路14に一様に分配され、それぞれの吐出口15から吐出される。ここで本実施形態では、開口部12の形状は、同じYZ平面内のマニホールド6と略同一であるが、マニホールド6と吐出流路14(切欠き11)とを連通するのであればどのような形状でも構わない。そのように、マニホールド6、開口部12と複数の吐出流路14、すなわち切欠き11が流体的に連通するには、切欠き11のピッチPと設置個数からすべての切欠き11を塗布幅方向に含むように、マニホールド6と開口部12の塗布幅方向の長さを定める。このような流体的連通があって、切欠き11は塗布液を吐出するための吐出流路14となる。
さらに、吐出口15を含む面(XY平面)内には、塗布幅方向長さが幅WBの吐出口先端面17が、複数の吐出口15ごとに設けられている。吐出口先端面17は、いずれも塗布液吐出方向であるZ方向の最下端にある吐出スペーサ9の先端部96、第1スペーサ8の先端部86、第2スペーサ10の先端部106が、合わさって略同一面を形成することで構成されている。したがって、吐出口先端面17は、吐出流路14である切欠き11に対応する位置に、第1スペーサ8、吐出スペーサ9、第2スペーサ10の各先端部により形成されているといえる。このことは、言い方をかえると、吐出口15が形成される切欠き11の開いた側には、吐出口先端面17が、切欠き11に対応する位置に、第1スペーサ8、吐出スペーサ9、第2スペーサ10に設けられているということになる。
また、吐出スペーサ9の外周部である外形輪郭92は、切欠き11の部分で、第1スペーサ8の外形輪郭82と第2スペーサ10の外形輪郭102とは異なっている。ただし、第1スペーサ8、吐出スペーサ9、第2スペーサ10の順に厚さ方向に重ねて、第2スペーサ10側からX方向に見ると、第2スペーサ10の外形輪郭102から、吐出スペーサ9の外形輪郭92ではみ出ている部分はない、このように重ねた場合の第1スペーサ8、吐出スペーサ9、第2スペーサ10の外形輪郭形状は同一であることが好ましい。それは、第1スペーサ8、吐出スペーサ9、第2スペーサ10を、厚さ方向に順に重ねて、外形輪郭形状が同一となるようにしていると、吐出スペーサ9についても、第1スペーサ8と第2スペーサ10と同時加工することができるからである。つまり、第1スペーサ8、吐出スペーサ9、第2スペーサ10をX方向に順に重ねた状態で、外形輪郭102に沿って同時加工して同じ外形輪郭を形成してから、吐出スペーサ9の切欠き11を加工するという手順がとれる。このように同時加工した第1スペーサ8、吐出スペーサ9、および第2スペーサ10より構成される交換スペーサ4は、加工時間が大幅に短縮されるため、製作コストも更に安価にすることが可能となる。
次に図2を参照する。図2は、図1の塗布器1をX方向に第2リップ3側から見た概略正面図である。図2で、実線以外が透視したものを示し、1点鎖線は第1リップ2の供給流路7、2点鎖線は第1リップ2のマニホールド6と第1スペーサ8の開口部12、破線は吐出スペーサ9の切欠き11と同時に吐出流路14を示している。
吐出口先端面17は、上述の通り3個の部材の略同一面内にある先端部より構成されているが、図2では重なってY方向に伸びる直線で表される。吐出口先端面17の塗布幅方向長さである幅WBは、ピッチPで配置された隣り合う吐出流路14間に設けられた凹部18で規定される。凹部18は、塗布液吐出方向(Z方向)長さが高さDで吐出口先端面17と同一面上での塗布幅方向長さが幅WCになっているので、幅WB=P−WCとなる。なお、吐出口15は、塗布幅方向には吐出口先端面17の中央部にあるのが好ましい。これによって、吐出口15と吐出口先端面17は、塗布幅方向には左右対称に配置されることになる。また、塗布液が吐出口15から吐出されると、塗布液は吐出口先端面17に沿って拡がる。ただし、吐出口先端面17と凹部18の境界であるエッジ19の作用によって、塗布液は塗布幅方向には吐出口先端面17の幅WBまでしか拡がらない。この結果、ストライプ膜の線幅は、この吐出口先端面17の幅WBとなる。なお、吐出口先端面17と凹部18とで吐出先端部16を構成する。吐出スペーサ9、第1スペーサ8、第2スペーサ10は同時加工で同一形状の吐出先端部16を形成することが好ましい。
交換スペーサ4の吐出口先端面17は、第1リップ2と第2リップ3のZ方向(塗布液吐出方向)の最下端にある第1リップ先端20と第2リップ先端21よりも、Z方向に下側に突出している。ここで、第1リップ先端20から吐出口先端面17までの長さである突出量H1と、第2リップ先端21から吐出口先端面17までの長さである突出量H2は、凹部18の高さD以上の大きさであることが好ましい。これにより、塗布液の種類によって、吐出口15から吐出された塗布液がエッジ19で止められずに、それよりZ方向の上側にせり上がっても、第1リップ先端20と第2リップ先端21の位置までせり上がることはない。したがって、凹部18までせりあがった塗布液が第1リップ先端20と第2リップ先端21を伝わって塗布幅方向に繋がり、ストライプ膜が形成できなくなることは未然に防止できる。
凹部18の高さDについては、エッジ19を形成することが出来れば如何なる値でも良いが、5mm ≧ D ≧ 0.1mmであることが好ましい。この範囲より値が小さいと塗布液の種類によってはエッジ19の塗布液の拡がりを防止する作用効果が失われ、凹部18に塗布液が満たされてしまい、ストライプ膜が形成出来ない。逆に上記の範囲より高さDが大きいと、突出量H1と突出量H2も5mmより大きくなる。これによって第1リップ2と第2リップ3で挟まれない交換スペーサ4の面積が大きくなりすぎると、交換スペーサ4を構成する第1スペーサ8、第2スペーサ10、吐出スペーサ9の一部で厚さ方向(X方向)に隙間が発生してしまい、そこから塗布液が漏れる不都合が生じる。
また、吐出スペーサ9の切欠き11の幅WA、長さLA、ピッチPは、吐出スペーサ9を持ち上げる時に、切欠き11の周辺部分が塑性変形しなければ、如何なる値でも構わない。また、吐出口先端面17を形成するためには、吐出口先端面17の幅WBは、塗布幅方向に切欠き11の幅WAよりも必ず長くする。また、凹部18の形状は、台形の他、半円形、矩形、三角形、四角形以上の多角形、またはこれらを組み合わせた形など如何なる形でも構わない。
次に図3を参照して、本発明の塗布器1の吐出口15周辺の形状について説明する。図3は、塗布器1の吐出口15周辺の拡大側面断面図である。図3で、吐出流路14の出口である吐出口15と同じXY面内には、吐出口先端面17を構成する第1スペーサ8の先端部86と第2スペーサ10の先端部106がある。先端部86、先端部106ともに一直線状になっており、先端部86のX方向長さは第1スペーサ先端長L1、先端部106のX方向長さは第2スペーサ先端長L2となっている。ここで、第1スペーサ先端長L1、第2スペーサ先端長L2は、それぞれ第1スペーサ8、第2スペーサ10の厚さに等しくなっている。第1スペーサ先端長L1と第2スペーサ先端長L2は、如何なる値でも良いが、それぞれ0.05mmから2mmの範囲の値が好ましい。この範囲にあると、吐出口先端面17と被塗布部材との間に塗布液の液溜まりとして形成されるビードが安定化し、均一厚さのストライプ膜を高速で形成することが可能となる。また、第1スペーサ8、第2スペーサ10、吐出スペーサ9のX方向の長さとなる厚さは、それぞれ如何なる値でも良いが、好ましくは0.1mmから10mm、更に好ましくは0.5mmから2mmの範囲の値にする。この範囲よりも小さいと、第1スペーサ8、第2スペーサ10、吐出スペーサ9の剛性が不足し、塗布器1の組立や分解時に変形するリスクが高くなる。上記の範囲より大きいと、交換スペーサ4として構成した時に重くなり、交換が容易でなくなるという不都合と、第1スペーサ8、第2スペーサ10、吐出スペーサ9を重ねての外形輪郭の同時加工に時間がかかり高コストになるなどの不都合が生じる。
使用する塗布液の特性によっては、第1スペーサ先端長L1と第2スペーサ先端長L2を、それぞれ第1スペーサ8と第2スペーサ10の厚さよりも小さくしないと、第1スペーサ8と第2スペーサ10の剛性を維持しつつ、均一厚さのストライプ膜を高速で形成できない場合がある。その場合の実施態様について、図4を用いて説明する。図4は本発明に係る別の塗布器100の吐出口15周辺の拡大側面断面図である。
まず図4(a)を参照すると、先端部86の左側と先端部106の右側に同じ大きさの斜面A40が設けられている。この斜面A40を設けることによって、第1スペーサ先端長L1と第2スペーサ先端長L2を、それぞれ第1スペーサ8と第2スペーサ10の厚さよりも小さくすることができる。
次に図4(b)を参照すると、先端部86の左側と先端部106の右側に同じ大きさの逆L型の角面41が設けられている。この角面41を設けることによっても、第1スペーサ先端長L1と第2スペーサ先端長L2を、それぞれ第1スペーサ8と第2スペーサ10の厚さよりも小さくすることができる。図4(a)、(b)に示す実施態様では、第1スペーサ8と第2スペーサ10の厚さが同じならば、第1スペーサ先端長L1と第2スペーサ先端長L2は等しくなる。これに対して、図4(c)に示す実施態様では、先端部86の左側と先端部106の右側に、それぞれ異なる大きさの斜面B42と斜面A40を設けて、必ず第2スペーサ先端長L2が第1スペーサ先端長L1よりも小さくなるようにしている。この場合、塗布器に対する被塗布部材の相対移動方向を矢印で示すX1として、移動方向の上流側を第1リップ2側、下流側を第2リップ3側にすると、第2スペーサ先端長L2が第1スペーサ先端長L1よりも小さくなる効果によって、より高速で安定して均一厚さのストライプ膜を形成することができて好ましい。
なお、第1スペーサ先端長L1と第2スペーサ先端長L2を、それぞれ第1スペーサ8と第2スペーサ10の厚さよりも小さくするのであれば、斜面A40、角面41以外に、円筒面、曲面等、いかなる形態、形状を適用してもよい。また、第1スペーサ先端長L1を第2スペーサ先端長L2よりも小さくなるように、構成してもよい。
再び図1を参照する。マニホールド6と供給流路7については、第1リップ2と第2リップ3の少なくとも一方に設けられていれば、いずれに設けられていても構わない。例えば、図1で第1リップ2に供給流路7を設けずにマニホールド6のみを設け、第2リップ3に供給流路7を設ける場合、交換スペーサ4の吐出スペーサ9と第2スペーサ10には、第2リップ3に設けた供給流路7と第1スペーサ8の開口部12と第1リップ2のマニホールド6とを連通する通液口を設けるようにする。また、第2リップ3に第1リップ1のマニホールド6と供給流路7をそのまま移し替えるとともに、第2スペーサ10に第1スペーサ8の開口部12をそのまま移し替え、第1リップ2からマニホールド6と供給流路7を、第1スペーサから開口部12をなくすようにしてもよい。
リップを締結するための手段については、図1に示すような組立ボルト5やネジなどを用いることが好ましいが、強固に固定できるのであれば如何なる手段を用いてもよい。また、第1リップ2、第2リップ3、交換スペーサ4の材料には、金属材料、セラミックスなど如何なるものでも適用できるが、比較的安価で耐薬品性と加工性に優れた金属材料であるステンレス鋼が好適に用いられる。
以上により、本発明に係る塗布器1の吐出流路14と吐出口15および吐出先端部16は、容易に交換可能な交換スペーサ4のみで形成されることとなり、第1リップ2と第2リップ3の形状は全く関係しない。そのため、ストライプ線幅/ピッチが異なるストライプ膜品種に変更する場合は、交換スペーサ4を交換するだけで容易に対応することができる。また、交換スペーサ4を構成する第1スペーサ8と吐出スペーサ9と第2スペーサ10は、材料費が安価な薄板を短時間で加工できるため、交換スペーサ4の製作コストも相当安価にすることができる。
本実施形態で示した塗布器1は、複数のストライプ膜を形成するために、吐出口15と、それに対応する切欠き11および吐出口先端面17が塗布幅方向に複数設けられているが、本発明は、吐出口15が1個、すなわち吐出スペーサ9の切欠き11や吐出口先端面17が1個である塗布器にも適用することも可能である。その場合、塗布膜数は1となるが、切欠き11の幅WAや、吐出口先端面17の幅WBが異なる交換スペーサ4にするだけで、容易に塗布膜の塗布幅が異なる品種に変更対応することが可能となる。
1:塗布器
2:第1リップ
3:第2リップ
4:交換スペーサ
5:組立ボルト
6:マニホールド
7:供給流路
8:第1スペーサ
9:吐出スペーサ
10:第2スペーサ
11:切欠き
12:開口部
13:挿入用穴
14:吐出流路
15:吐出口
16:吐出先端部
17:吐出口先端面
18:凹部
19:エッジ
20:第1リップ先端
21:第2リップ先端
24:第1リップ2の内面
34:第2リップ3の内面
40:斜面A
41:角面
42:斜面B
82:第1スペーサ8の外形輪郭
84:第1スペーサ8の内面
86:第1スペーサ8の先端部
92:吐出スペーサ9の外形輪郭
96:吐出スペーサ9の先端部
100:塗布器
102:第2スペーサ10の外形輪郭
104:第2スペーサ10の内面
106:第2スペーサ10の先端部
H1:突出量
H2:突出量
LA:切欠き11の長さ
L1:第1スペーサ先端長
L2:第2スペーサ先端長
D :凹部18の高さ
WA:切欠き11の幅
WB:吐出口先端面17の幅
WC:凹部18の幅
P :切欠き11のピッチ
2:第1リップ
3:第2リップ
4:交換スペーサ
5:組立ボルト
6:マニホールド
7:供給流路
8:第1スペーサ
9:吐出スペーサ
10:第2スペーサ
11:切欠き
12:開口部
13:挿入用穴
14:吐出流路
15:吐出口
16:吐出先端部
17:吐出口先端面
18:凹部
19:エッジ
20:第1リップ先端
21:第2リップ先端
24:第1リップ2の内面
34:第2リップ3の内面
40:斜面A
41:角面
42:斜面B
82:第1スペーサ8の外形輪郭
84:第1スペーサ8の内面
86:第1スペーサ8の先端部
92:吐出スペーサ9の外形輪郭
96:吐出スペーサ9の先端部
100:塗布器
102:第2スペーサ10の外形輪郭
104:第2スペーサ10の内面
106:第2スペーサ10の先端部
H1:突出量
H2:突出量
LA:切欠き11の長さ
L1:第1スペーサ先端長
L2:第2スペーサ先端長
D :凹部18の高さ
WA:切欠き11の幅
WB:吐出口先端面17の幅
WC:凹部18の幅
P :切欠き11のピッチ
Claims (2)
- 第1リップと、第2リップと、それに挟まれる交換スペーサからなり、前記第1リップと第2リップの少なくとも一方に、塗布液が供給される供給流路と、前記供給流路に供給された塗布液を塗布幅方向に拡幅するマニホールドと、が設けられた塗布器であって、
前記交換スペーサは、厚さ方向に順に重なる第1スペーサ、吐出スペーサ、及び第2スペーサより構成され、厚さ方向で前記第1スペーサと第2スペーサの間に位置する前記吐出スペーサには、塗布液を吐出するための吐出流路となる塗布幅方向に幅WAで塗布液吐出方向に長さLAの切欠きが設けられており、かつ前記吐出流路の出口である吐出口が形成される前記切欠きの開いた側には、塗布幅方向に幅WAより長い幅WBの吐出口先端面が、前記切欠きに対応する位置に、前記第1スペーサ、吐出スペーサ、及び第2スペーサに設けられていることを特徴とする塗布器。 - 前記吐出口、切欠き、吐出口先端面が塗布幅方向に複数個設けられていることを特徴とする、請求項1の塗布器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014215019A JP2016078012A (ja) | 2014-10-22 | 2014-10-22 | 塗布器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014215019A JP2016078012A (ja) | 2014-10-22 | 2014-10-22 | 塗布器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016078012A true JP2016078012A (ja) | 2016-05-16 |
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ID=55955545
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2014215019A Pending JP2016078012A (ja) | 2014-10-22 | 2014-10-22 | 塗布器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016078012A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018025960A1 (ja) * | 2016-08-04 | 2018-02-08 | 積水化学工業株式会社 | ダイコーター、色素増感太陽電池の製造装置、及び電池の製造方法 |
JP2019063772A (ja) * | 2017-10-04 | 2019-04-25 | トヨタ自動車株式会社 | 塗工装置 |
-
2014
- 2014-10-22 JP JP2014215019A patent/JP2016078012A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109414720A (zh) * | 2016-08-04 | 2019-03-01 | 积水化学工业株式会社 | 模头涂布机、染料敏化太阳能电池的制造装置、及电池的制造方法 |
JP2019063772A (ja) * | 2017-10-04 | 2019-04-25 | トヨタ自動車株式会社 | 塗工装置 |
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