JP2007294696A - 電気化学セルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規な電気化学セルの製造方法を提供する。
【解決手段】電気化学セルの製造方法はつぎの工程を有している。すなわち、工程Aでは、対極フィルムの上に枠状の封止部を圧着して形成する。工程Bでは、封止部の内側にゾル状ゲル前駆体、またはゲル溶液を形成する。工程Cでは、封止部の内側にゲル電解質膜を形成する。工程Dでは、作用極フィルムを用意する。工程Eでは、作用極フィルムを、対極フィルムに対向させて、封止部に付ける。工程Fでは、作用極フィルム、封止部、および対極フィルムを切断することより、単一の電気化学セルを作製する。ここで、作用極フィルムと対極フィルムは、柔軟性を有している。本発明により作製される電気化学セルは、電子ペーパー、電気二重層キャパシタ、色素増感太陽電池、リチウムイオン電池、または調光ガラスなどに適用できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気化学セルの製造方法に関する。
近年、電子ペーパー、電気二重層キャパシタ、色素増感太陽電池、リチウムイオン電池、または調光ガラスなどの電気化学セルが注目されている。電気化学セルにおいては、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF-HFP)ゲル電解質膜を電極フィルムの間に挟むことによりセルを作製する方法がある。
図13は、従来の電気化学セルの例として、色素増感太陽電池の構成を示したものである。作用極フィルム5としては、例えばガラス上に酸化チタン電極を形成したものが用いられる。対極フィルム1としては、例えばガラス上に白金電極を形成したものが用いられる。作用極フィルム5と対極フィルム1の間には、例えばPVdF-HFPゲルからなるゲル電解質膜4を挟みこんでいる。このゲル電解質膜4の周囲には封止部2が配置されている。
PVdF-HFPゲルは固形分50%においてもイオン伝導度が大きく損なわれないという優れた性質を持っている。PVdF-HFPゲルを用いて実験室レベルでは、硬い作用極フィルムおよび硬い対極フィルムを用いた電気化学セルが報告されている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照。)。
特開2003−16833 小山昇 監修「ポリマーバッテリーの最新技術」シーエムシー
しかしながら、上述した従来の電気化学セルは、ゲルと作用極フィルム上に形成された電極との密着性、ならびに、ゲルと対極フィルム上に形成された電極との密着性を確保することができないという問題点がある。ほとんどのゲルにはタックがなく、ゲルと電極との密着性が確保できないからである。
また、上述した従来の電気化学セルは、ゲルと作用極フィルム上に設けられた電極との間に、ならびに、ゲルと対極フィルム上に設けられた電極との間に、気泡が発生するのを防止することが困難であるという問題点がある。
これら2つの問題点は、例えば、電子ペーパーのようなディスプレイ用途を想定した場合、非常に深刻であり、ぜひとも解決すべき課題である。
一方、上述した従来の電気化学セルは、硬い作用極フィルムと硬い対極フィルムを用いている。したがって、ロールツーロール(Roll to Roll)方式による生産に不向きであり、大量生産ができないという問題点がある。
これを解決するためには、柔軟性のある作用極フィルム、および柔軟性のある対極フィルムを用いて、ロールツーロール方式で生産する方法が考えられる。
しかしながら、ロールツーロール方式で生産するには、つぎのような問題点がある。ゲルを決められた形状に作製し、ロール上の決められた位置におくことができない。ゲルの電気化学セルをロールツーロール方式で生産する場合は、粘着シートで一般的に行われているような方式をそのまま適用できない。ゲルは機械的強度がないために、セル作製においてゲルは打ち抜き・加工することができない。ゲルを切断すると崩れてしまい、加工することができないからである。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、新規な電気化学セルの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の電気化学セルの製造方法は、対極フィルムの上に枠状の封止部を形成する工程と、封止部の内側にゲル電解質膜を形成する工程と、作用極フィルムを、対極フィルムに対向させて、封止部に付ける工程を有することを特徴とする。
本発明の電気化学セルの製造方法は、対極フィルムの上に枠状の第1の封止部を形成する工程と、第1の封止部の内側にゲル電解質膜を形成する工程と、作用極フィルムの上に第1の封止部に対応する第2の封止部を形成する工程と、作用極フィルムと対極フィルムを対向させて、第1の封止部と第2の封止部を付ける工程を有することを特徴とする。
本発明の電気化学セルの製造方法は、対極フィルムの上にゲル電解質膜を形成する工程と、作用極フィルムの上に枠状の封止部を形成する工程と、対極フィルムを、作用フィルムに対向させて、封止部に付ける工程を有することを特徴とする。
本発明の電気化学セルの製造方法は、対極フィルムの上にゲル電解質膜を形成する工程と、作用極フィルムの上に枠状の封止部を形成する工程と、封止部の内側にゲル電解質膜を形成する工程と、対極フィルムを、作用フィルムに対向させて、封止部に付ける工程を有することを特徴とする。
本発明の電気化学セルの製造方法は、対極フィルムの上に枠状の第1の封止部を形成する工程と、第1の封止部の内側にゲル電解質膜を形成する工程と、作用極フィルムの上に、第1の封止部に対応する第2の封止部を形成する工程と、第2の封止部の内側にゲル電解質膜を形成する工程と、作用極フィルムと対極フィルムを対向させて、第1の封止部と第2の封止部を付ける工程を有することを特徴とする。
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
本発明は、対極フィルムの上に枠状の封止部を形成する工程と、封止部の内側にゲル電解質膜を形成する工程と、作用極フィルムを、対極フィルムに対向させて、封止部に付ける工程を有するので、新規な電気化学セルの製造方法を提供することができる。
本発明は、対極フィルムの上に枠状の第1の封止部を形成する工程と、第1の封止部の内側にゲル電解質膜を形成する工程と、作用極フィルムの上に第1の封止部に対応する第2の封止部を形成する工程と、作用極フィルムと対極フィルムを対向させて、第1の封止部と第2の封止部を付ける工程を有するので、新規な電気化学セルの製造方法を提供することができる。
本発明は、対極フィルムの上にゲル電解質膜を形成する工程と、作用極フィルムの上に枠状の封止部を形成する工程と、対極フィルムを、作用フィルムに対向させて、封止部に付ける工程を有するので、新規な電気化学セルの製造方法を提供することができる。
本発明は、対極フィルムの上にゲル電解質膜を形成する工程と、作用極フィルムの上に枠状の封止部を形成する工程と、封止部の内側にゲル電解質膜を形成する工程と、対極フィルムを、作用フィルムに対向させて、封止部に付ける工程を有するので、新規な電気化学セルの製造方法を提供することができる。
本発明は、対極フィルムの上に枠状の第1の封止部を形成する工程と、第1の封止部の内側にゲル電解質膜を形成する工程と、作用極フィルムの上に、第1の封止部に対応する第2の封止部を形成する工程と、第2の封止部の内側にゲル電解質膜を形成する工程と、作用極フィルムと対極フィルムを対向させて、第1の封止部と第2の封止部を付ける工程を有するので、新規な電気化学セルの製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
まず、電気化学セルの製造方法にかかる第1の発明を実施するための最良の形態について説明する。
電気化学セルの製造方法について説明する。図1および2は、電気化学セルの製造工程の一例として、電子ペーパーのセルの製造工程を示すものである。図1および2のA〜Fのそれぞれにおいて、上に記載されているのが断面図であり、下に記載されているのが平面図(Dは底面図)である。
設定電解質膜厚および設定封止部膜厚を定義する。設定電解質膜厚とは、工程F(後述する。)における、ゲル電解質膜4の厚さをいう。設定封止部膜厚とは、工程Fにおける、封止部2の厚さをいう。
工程Aについて説明する。工程Aでは、図1Aに示すように、対極フィルム1の上に枠状の封止部2を圧着して形成する。
対極フィルム1について説明する。
対極フィルム1としては、電極付き透明フィルム(ゼオノア、日本ゼオン社製)を用いた。この対極フィルム1は、表示極として機能するものである。
対極フィルム1の厚さは、100μmである。対極フィルム1の厚さはこの厚さに限定されない。このほか、厚さとしては、50〜5000μmの範囲内にあることが好ましい。厚さが50μm以上であると、機械的強度を持たせることができるという利点がある。厚さが5000μm以下であると、折り曲げが必要なアプリケーションに対応する折り曲げやすさを確保できるという利点がある。
対極フィルム1のベースフィルムの材質はノルボルネン樹脂である。対極フィルム1のベースフィルムの材質は、これに限定されるものではないことはもちろんである。
対極フィルム1の電極は、銀メッキの電極からなっている。電極は、この銀メッキの電極に限定されない。このほか、銀化合物、白金、金などを材質とする電極を用いることができる。
封止部2について説明する。
封止部2としては、ポリエチレン−ポリプロピレン−ポリエチレンの3層からなる3層フィルム(NHFM、愛知プラスチィック社製)を用いた。
封止部2は枠状の形状を有している。封止部2はつぎのように作製する。
カバーフィルムの上に上述の3層フィルムを形成する。この3層フィルムに枠形状の切込みを入れ、不要な部分を剥ぎ取る。3層フィルムの面のうち、カバーフィルムと反対側の面を、対極フィルム1に熱圧着する。カバーフィルムを剥がす。対極フィルム1の上に枠形状の封止部2が形成される。
なお、封止部2の作製方法は上述の方法に限定されず、他の方法も採用できることはもちろんである。
封止部2の厚さは、工程Fまでの過程を経て設定封止部膜厚になるように、決定する。
封止部2の枠の幅は、5〜50mmの範囲内にあることが好ましい。枠の幅が5mm以上であると、十分な封止ができるという利点がある。枠の幅が50mm以下であると、工程F(後述する。)における、対極フィルム1および作用極フィルム5の切断に支障が生じないという利点がある。
封止部2の枠の内側部分の大きさは、工程B(後述する。)におけるゾル状ゲル前駆体3(ゲル溶液7)の大きさと、このゾル状ゲル前駆体3(ゲル溶液7)の周りに形成する隙間の幅により、決定される。
封止部2の材質は、上述のポリエチレン−ポリプロピレン−ポリエチレンの3層からなる3層フィルムに限定されるものではなく、ゾル状ゲル前駆体(ゲル溶液)に侵食されないプラスチックフィルムを用いることができる。たとえば、アイモノマー樹脂、変性プロピレンなどを用いることができる。ここで、アイモノマー樹脂は、エチレン−メタクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで架橋した樹脂である。
対極フィルム1と封止部2の熱圧着について説明する。
熱圧着の圧力は1000N/cmであった。熱圧着の圧力はこの値に限定されない。対極フィルム1と封止部2に種々の厚さおよび材質を適用した場合に、熱圧着の圧力は500〜15000N/cmの範囲にあることが好ましい。
熱圧着の温度は80℃であった。熱圧着の温度はこの値に限定されない。対極フィルム1と封止部2に種々の厚さおよび材質を適用した場合に、熱圧着の温度は50〜100℃の範囲にあることが好ましい。
熱圧着の剥離強度は5N/2cmであった。熱圧着の剥離強度はこの値に限定されない。対極フィルム1と封止部2に種々の厚さおよび材質を適用した場合に、熱圧着の剥離強度は0.2〜10N/2cmの範囲にあることが好ましい。
熱圧着の圧力、温度、および剥離強度が上述の範囲内にあると、後の工程で熱圧着部が剥離するのを防止できるという利点がある。
なお、剥離強度の測定には、引張試験機(テンシロン、オリエンテック社製)を用いて行った。
工程Bについて説明する。工程Bでは、図1Bに示すように、封止部2の内側にゾル状ゲル前駆体3、またはゲル溶液7を形成する。ゾル状ゲル前駆体3の場合は、ゾル状ゲル前駆体3を加熱して封止部2の内側にスクリーン印刷する。ゲル溶液7の場合は、ゲル溶液7を加熱して封止部2の内側にスクリーン印刷する。
ゾル状ゲル前駆体3の場合の工程Bについて説明する。
ゾル状ゲル前駆体3について説明する。
ゲル電解質膜に求められる条件はつぎのとおりである。すなわち、イオン伝導度が1×10−5S/cm以上であること、高温で液状となり、常温でゲル化する可逆ゲルであること、電解液を保持し、ゲル電解質膜に多少の外圧がかかっても電解液を流出させないことである。
ゾル状ゲル前駆体は、以下の成分を加熱・混合することにより製造した。
ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体 20 部
(PVdF−HFP)(Kynar2801、アトフイナジャパン社製)
電解液(γ-BL) 120 部
酸化チタン 20 部
ここで、電解液(γ-BL)の組成は以下のとおりである。
ヨウ化銀 250 mmol/L
ヨウ化ナトリウム 350 mmol/L
トリエタノールアミン 10 g/L
クマリン 5 g/L
2-メルカプトベンズイミダゾール 5 g/L
ゲル化剤PVdF−HFPの組成は、5〜50質量%の範囲内にあることが好ましい。組成が5質量%以上であると、ゲル化を容易にすることができるという利点がある。組成が50質量%以下であると、イオン伝導度を高く維持できるという利点がある。
ゲル化剤は、上述のPVdF−HFPに限定されない。このほか、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリアクリロニトリルなどを用いることができる。
ゾル状ゲル前駆体の製造において、ゲル化剤と電解液のほかに配合するものは、酸化チタンに限定されない。このほか、酸化アルミニウム、酸化亜鉛などを配合することができる。
スクリーン印刷機について説明する。スクリーン印刷機(LS−150、ニューロング精密工業社製)は、ゾル状ゲル前駆体を加熱できるようにする。スクリーン印刷では、予め、ゾル状ゲル前駆体を十分加熱し、さらにホットステージによりメタルマスク版を加熱する。ホットステージにヒータおよびセンサを取り付け温度コントロールできるようにする。このことによりメタルマスク版の上でゾル状ゲル前駆体がゲル化するのを防ぐことができる。
スクリーン印刷機におけるゾル状ゲル前駆体の加熱温度、およびメタルマスク版の加熱温度は、対極フィルム上に形成された直後のゾル状ゲル前駆体の粘度が、設定ゾル状ゲル前駆体粘度になるように決定する。設定ゾル状ゲル前駆体粘度は、後に定義する。
スクリーン印刷により、対極フィルム1の電極とゾル状ゲル前駆体3の密着性が確保できる。ゾル状前駆体が溶融状態にあるので、対極フィルム1に形成された電極の凹凸形状に対応して、ゾル状前駆体が流れ込むことができるからである。
なお、対極フィルム1の上にゾル状ゲル前駆体3を形成する方法は、上述のスクリーン印刷法に限定されないことはもちろんである。
ゾル状ゲル前駆体3の厚さは、工程Fまでの過程を経て設定電解質膜厚になるように、決定する。
ゾル状ゲル前駆体3の大きさは、図1Bの平面図において、縦の長さが25mm、横の長さが40mmである。ゾル状ゲル前駆体3の大きさはこの値に限定されない。ゾル状ゲル前駆体3の縦・横の長さは、5〜500mmの範囲内にあることが好ましい。縦・横の長さが5mm以上であると、封止部2の中にゾル状ゲル前駆体3をスクリーン印刷しやすくなるという利点がある。縦・横の長さが500mm以下であると、ゾル状ゲル前駆体3の厚さを均等に保つことができるという利点がある。
ゾル状ゲル前駆体3と封止部2の間には、0.5〜5mmの幅の隙間を設けることが好ましい。隙間の幅が0.5mm以上であると、電解液と封止部2の接触を防止できるという利点がある。隙間の幅が5mm以下であると、ゾル状ゲル前駆体3が電極フィルムに十分はさまれて密着性が保たれるという利点がある。
図1Bにおいて、ゾル状ゲル前駆体3の長手方向は左右方向になっている。ゾル状ゲル前駆体3の長手方向はこの方向に限定されない。このほか、縦方向、斜め方向などが採用できることはもちろんである。
設定ゾル状ゲル前駆体粘度を定義する。設定ゾル状ゲル前駆体粘度は、スクリーン印刷機などにより対極フィルムの上にゾル状ゲル前駆体が形成されたときに、形成された直後のゾル状ゲル前駆体の粘度である。設定ゾル状ゲル前駆体粘度は、20mPas以上であることが好ましい。設定ゾル状ゲル前駆体粘度が20mPas以上であると、ゾル状ゲル前駆体の形が崩れないという利点がある。
ゲル溶液7の場合の工程Bについて説明する。
ゲル溶液について説明する。
ゲル溶液は、以下のゲル電解質膜成分と溶媒を加熱・混合することにより製造する。
ゲル電解質膜成分
ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体 20 部
(PVdF−HFP)(Kynar2801、アトフイナジャパン社製)
電解液(γ−BL) 120 部
酸化チタン 20 部
ここで、電解液は、ゾル状ゲル前駆体の場合と同様である。
溶媒
ジメチルカーボネート(DMC) 60 部
ゲル電解質膜成分中のゲル化剤PVdF−HFP組成の好ましい範囲は、ゾル状ゲル前駆体の場合と同様である。
ゲル電解質膜成分に対する溶媒の比率は、対極フィルム上に形成された直後のゲル溶液の粘度が、設定ゲル溶液粘度になるように決定する。設定ゲル溶液粘度は、後に定義する。
ゲル化剤、その他の成分については、ゾル状ゲル前駆体の場合と同様である。
溶媒はジメチルカーボネートに限定されない。このほか、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、アセトンなどを用いることができる。溶媒は、電解液以外の有機溶媒であり、比較的沸点が低く後に加熱により揮発させて最終製品には混入しないものが好ましい。
スクリーン印刷機について説明する。スクリーン印刷機(LS−150、ニューロング精密工業株式会社製)は、ゲル溶液を加熱できるようにする。スクリーン印刷では、予め、ゲル溶液を十分加熱しさらにホットステージによりメタルマスク版を加熱する。ホットステージにヒータおよびセンサを取り付け温度コントロールできるようにする。このことによりメタルマスク版の上でゲル溶液がゲル化するのを防ぐことができる。
スクリーン印刷機におけるゲル溶液の加熱温度、およびメタルマスク版の加熱温度は、対極フィルム上に形成された直後のゲル溶液の粘度が、設定ゲル溶液粘度になるように決定する。設定ゲル溶液粘度は、後に定義する。
対極フィルム1の上にゲル溶液7を形成する他の方法は、ゾル状ゲル前駆体の場合と同様である。ゲル溶液7の厚さは、工程Fまでの過程を経て設定電解質膜厚になるように、溶媒の蒸発を考慮して決定する。ゲル溶液7の大きさ、ゲル溶液7と封止部2の隙間の幅、およびゲル溶液7の方向は、ゾル状ゲル前駆体の場合と同様である。
設定ゲル溶液粘度を定義する。設定ゲル溶液粘度は、スクリーン印刷機などにより対極フィルムの上にゲル溶液が形成されたときに、形成された直後のゲル溶液の粘度である。設定ゲル溶液粘度は、20mPas以上であることが好ましい。設定ゲル溶液粘度が20mPas以上であると、ゲル溶液の形が崩れないという利点がある。
工程Cについて説明する。工程Cでは、図1Cに示すように、封止部2の内側にゲル電解質膜4を形成する。ゾル状ゲル前駆体の場合は、ゾル状ゲル前駆体を冷却してゲル電解質4を形成する。ゲル溶液の場合は、ゲル溶液を加熱してゲル電解質膜4を形成する。
ゾル状ゲル前駆体の場合の冷却について説明する。
冷却方法としては、ゾル状ゲル前駆体に冷風を吹き付ける方法などを採用することができる。なお、工程Cを省略することができる場合がある。たとえば、工程Cを省略した場合に、工程Cの前の工程Bと、工程Cの後の工程E(後述する)との工程間の距離が十分長い場合には、ゾル状ゲル前駆体を自然に冷却させることができる。
ゲル溶液の場合の加熱について説明する。加熱方法は、熱風を吹き付ける方法、赤外線をあてる方法などを採用することができる。
工程Dについて説明する。工程Dでは、図1Dに示すように、作用極フィルム5を用意する。
作用極フィルム7について説明する。
作用極フィルム7は、対極フィルム1に対向して位置している。作用極フィルム7としては、ITOフィルム(OTEC、王子トービー社製)を用いた。この作用極フィルム7は、表示極として機能するものである。
作用極フィルム7の厚さは、100μmである。作用極フィルム7の厚さはこの厚さに限定されない。このほか、厚さとしては、50〜5000μmの範囲内にあることが好ましい。厚さが50μm以上であると、機械的強度を持たせることができるという利点がある。厚さが5000μm以下であると、折り曲げが必要なアプリケーションに対応する折り曲げやすさを確保できるという利点がある。
作用極フィルム7のベースフィルムの材質はポリエチレンテレフタレート(PET)である。作用極フィルム7のベースフィルムの材質は、これに限定されるものではない。このほか、ポリブチレンフタレート、ポリイミド、ポリカーボネートなどを用いることができる。
作用極フィルム7の電極は、ITOの電極からなっている。電極は、このITOの電極に限定されない。このほか、透明電極膜IZO、ATOなどを用いることができる。
工程Eについて説明する。工程Eでは、図1Eに示すように、作用極フィルム5を、対極フィルム1に対向させて、封止部2に付ける。作用極フィルム5と封止部2、および対極フィルム1と封止部2は、ローラにより熱圧着される。ゲル電解質膜4は、作用極フィルムと対極フィルムの間に挟まれる。封止部2は、ゲル電解質膜4の周囲を封止する。
熱圧着装置は上側にローラ6を設置してある。このように上側にローラ6が設置してあるので、ゲル電解質膜4と作用極フィルム5との間に気泡ができるのを防止できる。ラミネートによりエアーを押し出しながら貼り合わせることにより気泡発生を防止することができる。
熱圧着装置の下側は、ローラでもよく、平面をなす部材であってもよい。
熱圧着の圧力は5000N/cmであった。熱圧着の圧力はこの値に限定されない。作用極フィルム5、封止部2、および対極フィルム1に種々の厚さおよび材質を適用した場合、熱圧着の圧力は1000〜15000N/cmの範囲にあることが好ましい。
熱圧着の温度は140℃であった。熱圧着の温度はこの値に限定されない。作用極フィルム5、封止部2、および対極フィルム1に種々の厚さおよび材質を適用した場合、熱圧着の温度は120〜180℃の範囲にあることが好ましい。
熱圧着装置は上側のローラ6のみが加熱されている。熱圧着により、ゲル電解質膜4の上側から溶融する。熱圧着により、作用極フィルム5の電極とゲル電解質膜4の密着性が確保できる。作用極フィルム5が柔軟性を有するので、外から圧力をかけることにより、作用極フィルム5の電極をゲル電解質膜に押し当てることができる。
熱圧着により、封止部2は全部溶融する。熱圧着により、作用極フィルム5と封止部2の密封性、ならびに、対極フィルム1と封止部2の密封性が確保できる。熱圧着により、封止部2が溶融するので、電極の凹凸部に流入しやすくなるからである。
封止部2を介しての、作用極フィルム5と対極フィルム1の剥離強度は13N/2cmであった。熱圧着の剥離強度はこの値に限定されない。作用極フィルム5、封止部2、および対極フィルム1に種々の厚さおよび材質を適用した場合に、熱圧着の剥離強度は13N/2cm以上の範囲にあることが好ましい。
熱圧着の圧力、温度、および剥離強度が上述の範囲内にあると、封止部2の形が崩れることなく十分に接着できるという利点がある。
工程Fについて説明する。工程Fでは、図1Fに示すように、作用極フィルム5、封止部2、および対極フィルム1を切断することより、単一の電気化学セルを作製する。
図1Fの左側にように、作用極フィルム5と封止部2に対して、対極フィルム1を長くして切断することにより、対極フィルム1の電極を露出させる。また、図1Fの右側にように、対極フィルム1と封止部2に対して、作用極フィルム5を長くして切断することにより、作用極フィルム5の電極を露出させる。
このように、電極を露出させる理由は、後の工程において、異方性導電膜(ACF)により、対極フィルム1の電極とフレキシブル基板、ならびに、作用極フィルム5の電極とフレキシブル基板を圧着して電気的に接続させるためである。
設定電解質膜厚は、100μmである。設定電解質膜厚は、この値に限定されない。設定電解質膜厚は30〜500μmの範囲にあることが好ましい。設定電解質膜厚が30μm以上であると、電子ペーパーのような表示素子としての機能を果たすという利点がある。設定電解質膜厚が500μm以下であると、電解質膜の電気化学的特性である内部抵抗が大きくなるのを防止できるという利点がある。
設定封止部膜厚は、設定電解質膜厚と同じにした。その理由は、溶剤が含有されていないゲル電解質膜の厚み変化は小さいからである。
工程A〜Fとは別の工程で、フレキシブル基板にICチップを実装する、ドライバIC用COF(chip on flexible substrate)の接続を行う。
工程Fの後の工程で、異方性導電膜(ACF Anisotropic Conductor Film)の接続を行う。異方性導電膜には導電性粒子が入っているので、ボンダーで加熱プレスすることにより、フレキシブル基板の回路とフィルムの電極を電気的に接続することができる。
以上、工程A〜Fおよびその後の工程について説明した。これらの工程では、ロールツーロール方式で、電気化学セルを作製している。本発明の電気化学セルの作製は、このロールツーロール方式に限定されない。このほか、いわゆるバッチ方式により単一の電気化学セルを作製することもできる。
工程A〜Fの方法により、ロールツーロール方式で電気化学セルの製造ができるようになった。ロールツーロール方式でゲルの電気化学セルを製造することにより、安価に、速く大量に製造することができる。また、使用するゲルは、物理ゲルのために過酸化物などの開始剤を必要とせず、安全に製造できる。
工程A〜Fおよびその後の工程により作製された電子ペーパーについて、評価を行った。評価項目は、(1)作用極フィルムとゲル電解質膜、ならびに対極フィルムとゲル電解質膜の密着性、(2)作用極フィルムとゲル電解質膜の界面、ならびに対極フィルムとゲル電解質膜の界面における気泡の発生、(3)電子ペーパーのデバイスとしての性能である。
電子ペーパーの評価方法について説明する。
作用極フィルムとゲル電解質膜、ならびに対極フィルムとゲル電解質膜の密着性の評価は、つぎのように行った。デバイスを60℃で7日間放置した後に、剥がれにより白くなっていないかを目視により検査し剥離を判断した。
作用極フィルムとゲル電解質膜の界面、ならびに対極フィルムとゲル電解質膜の界面における気泡の発生の評価はつぎのように行った。ドットマトリックスセルにおいて、全面表示させて、黒が全面に表示するかを光学顕微鏡で検査した。
電子ペーパーのデバイスとしての性能、具体的にはゲル電解質膜のイオン伝道度(S/cm)の評価はつぎのように行った。イオン伝導度(S/cm)は交流インピーダンス法により測定した(Solatron1260)。イオン伝導度はつぎの式より算出される。
σ=l/(S×R)
ここで、l:セルの長さ、S:電極面積
評価結果について説明する。
作用極フィルムとゲル電解質膜、ならびに対極フィルムとゲル電解質膜の密着性については、目視により検査した結果白い部分は認められなかった。
作用極フィルムとゲル電解質膜の界面、ならびに対極フィルムとゲル電解質膜の界面における気泡の発生については、光学顕微鏡で検査した結果全面に黒いドットが確認できた。
PVdF−HFP系ゲルのゲル電解質膜のイオン伝導度σ(S/cm)は、σ=8.3×10−5(S/cm)であった。
PVdF−HFP系ゲルのゲル電解質膜を用いた電気化学セルは、従来の電気化学セルに比較して、ゲル電解質膜の密着性がよく、気泡の発生を防止できる。また、ゲル電解質は、高いイオン伝導度を有し、従来の電気化学セルと同等もしくはそれ以上の性能が得られる。電気化学セルが柔軟性を有するので、全く新しいカードのようなアプリケーションに利用することができる。また、ゲル電解質膜は化学的安定性を有している。
以上のことから、本発明を実施するための最良の形態によれば、対極フィルムの上に枠状の封止部を形成する工程と、封止部の内側にゲル電解質膜を形成する工程と、作用極フィルムを、対極フィルムに対向させて、封止部に付ける工程を有するので、新規な電気化学セルの製造方法を提供することができる。
なお、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
つぎに、電気化学セルの製造方法にかかる第2の発明を実施するための最良の形態について説明する。
電気化学セルの製造方法について説明する。図3および4は、電気化学セルの製造工程の他の例として、電子ペーパーのセルの製造工程を示すものである。図3および4のA〜Fのそれぞれにおいて、上に記載されているのが断面図であり、下に記載されているのが平面図(Dは底面図)である。
電気化学セルの製造方法において、以下に記載した事項以外は、第1の発明を実施するための最良の形態と同様である。
工程Aについて説明する。工程Aでは、図3Aに示すように、対極フィルム1の上に枠状の第1の封止部2を形成する。
第1の封止部2について説明する。
第1の封止部2としては、ポリエチレン−ポリプロピレン−ポリエチレンの3層からなる3層フィルム(NHFM、愛知プラスチィック社製)を用いた。
封止部2の厚さについては、工程Dのところで説明する。
工程Bについて説明する。工程Bでは、図3Bに示すように、第1の封止部2の内側にゾル状ゲル前駆体3(ゲル溶液7)を形成する。
工程Dについて説明する。工程Dでは、図4Dに示すように、作用極フィルム5に第1の封止部2に対応する第2の封止部2を形成する。
第2の封止部2について説明する。第2の封止部2は、以下に記載した事項を除き、第1の発明を実施するための最良の形態に記載された工程Aの封止部2と同様である。
第2の封止部2としては、工程Aと同じポリエチレン−ポリプロピレン−ポリエチレンの3層からなる3層フィルムを用いた。
第1の封止部2と第2の封止部2の厚さについて説明する。第1の封止部2と第2の封止部2の合計の厚さは、工程Fまでの過程を経て設定封止部膜厚になるように、決定する。
工程Dにおける第2の封止部2の厚さは、設定封止部膜厚の1/2を構成する。設定封止部膜厚に占める第2の封止部2の割合は、この1/2に限定されない。設定封止部膜厚に占める第2の封止部2の割合は、2/3以下の範囲にあることが好ましい。割合が2/3以下であると、張力が張った状態でセル化できるという利点がある。割合が1/5以下であると、さらにカシメや折り返しにより封止できるという利点がある。
作用極フィルム5と封止部2の熱圧着について説明する。作用極フィルム5と封止部2の熱圧着は、第1の発明を実施するための最良の形態に記載された工程Aの対極フィルム1と封止部2の熱圧着と同様である。
工程Eについて説明する。工程Eでは、図4Eに示すように、作用極フィルム5と対極フィルム1を対向させて、第1の封止部2と第2の封止部2を付ける。
封止部2を介しての、作用極フィルム5と対極フィルム1の剥離強度は14N/2cmであった。このように、剥離強度が、第1の発明を実施するための最良の形態の場合よりも大きな値を示している。この理由は、熱圧着によりゲル電解質膜の上層が溶融し封止部の方向へ流動するが、第2の封止部の存在により流動が阻止され、第1の封止部と第2の封止部がより確実に熱圧着されるためと考えられる。
本発明の電気化学セルの作製は、ロールツーロール方式に限定されず、いわゆるバッチ方式により単一の電気化学セルを作製することができることは、第1の発明を実施するための最良の形態と同様である。
工程A〜Fおよびその後の工程により作製された電子ペーパーについて、評価を行った。電子ペーパーの評価項目および評価方法は、第1の発明を実施するための最良の形態に記載された評価項目および評価方法と同様である。
評価結果について説明する。
作用極フィルムとゲル電解質膜、ならびに対極フィルムとゲル電解質膜の密着性については、目視により検査した結果白い部分は認められなかった。
作用極フィルムとゲル電解質膜の界面、ならびに対極フィルムとゲル電解質膜の界面における気泡の発生については、光学顕微鏡で検査した結果全面に黒いドットが確認できた。
PVdF−HFP系ゲルのゲル電解質膜のイオン伝導度σ(S/cm)は、σ=8.2×10−5(S/cm)であった。
PVdF−HFP系ゲルのゲル電解質膜を用いた電気化学セルは、従来の電気化学セルに比較して、ゲル電解質膜の密着性がよく、気泡の発生を防止できる。また、ゲル電解質は、高いイオン伝導度を有し、従来の電気化学セルと同等もしくはそれ以上の性能が得られる。電気化学セルが柔軟性を有するので、全く新しいカードのようなアプリケーションに利用することができる。また、ゲル電解質膜は化学的安定性を有している。
以上のことから、本発明を実施するための最良の形態によれば、対極フィルムの上に枠状の第1の封止部を形成する工程と、第1の封止部の内側にゲル電解質膜を形成する工程と、作用極フィルムの上に第1の封止部に対応する第2の封止部を形成する工程と、作用極フィルムと対極フィルムを対向させて、第1の封止部と第2の封止部を付ける工程を有するので、新規な電気化学セルの製造方法を提供することができる。
なお、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
つぎに、電気化学セルの製造方法にかかる第3の発明を実施するための最良の形態について説明する。
電気化学セルの製造方法について説明する。図5および6は、電気化学セルの製造工程の他の例として、電子ペーパーのセルの製造工程を示すものである。図5および6のA〜Fのそれぞれにおいて、上に記載されているのが断面図であり、下に記載されているのが平面図(Dは底面図)である。
電気化学セルの製造方法において、以下に記載した事項以外は、第1の発明を実施するための最良の形態と同様である。
工程Aについて説明する。工程Aでは、図5Aに示すように、対極フィルム1を用意する。
工程Bについて説明する。工程Bでは、図5Bに示すように、対極フィルム1の上にゾル状ゲル前駆体3(ゲル溶液7)を形成する。
工程Dについて説明する。工程Dでは、図6Dに示すように、作用極フィルム5に枠状の封止部2を形成する。
封止部2は、第1の発明を実施するための最良の形態に記載された工程Aの封止部2と同様である。
作用極フィルム5と封止部2の熱圧着は、第1の発明を実施するための最良の形態に記載された工程Aの対極フィルム1と封止部2の熱圧着と同様である。
工程Eについて説明する。工程Eでは、図6Eに示すように、対極フィルム1を、作用フィルム5に対向させて、封止部2に付ける。
封止部2を介しての、作用極フィルム5と対極フィルム1の剥離強度は15N/2cmであった。このように、剥離強度が、第2の発明を実施するための最良の形態の場合よりも大きな値を示している。この理由は、熱圧着によりゲル電解質膜の上層が溶融し封止部の方向へ流動するが、封止部の存在により流動が完全に阻止され、封止部と対極フィルムがより確実に熱圧着されるためと考えられる。
本発明の電気化学セルの作製は、ロールツーロール方式に限定されず、いわゆるバッチ方式により単一の電気化学セルを作製することができることは、第1の発明を実施するための最良の形態と同様である。
工程A〜Fおよびその後の工程により作製された電子ペーパーについて、評価を行った。電子ペーパーの評価項目および評価方法は、第1の発明を実施するための最良の形態に記載された評価項目および評価方法と同様である。
評価結果について説明する。
作用極フィルムとゲル電解質膜、ならびに対極フィルムとゲル電解質膜の密着性については、目視により検査した結果白い部分は認められなかった。
作用極フィルムとゲル電解質膜の界面、ならびに対極フィルムとゲル電解質膜の界面における気泡の発生については、光学顕微鏡で検査した結果全面に黒いドットが確認できた。
PVdF−HFP系ゲルのゲル電解質膜のイオン伝導度σ(S/cm)は、σ=8.4×10−5(S/cm)であった。
PVdF−HFP系ゲルのゲル電解質膜を用いた電気化学セルは、従来の電気化学セルに比較して、ゲル電解質膜の密着性がよく、気泡の発生を防止できる。また、ゲル電解質は、高いイオン伝導度を有し、従来の電気化学セルと同等もしくはそれ以上の性能が得られる。電気化学セルが柔軟性を有するので、全く新しいカードのようなアプリケーションに利用することができる。また、ゲル電解質膜は化学的安定性を有している。
以上のことから、発明を実施するための最良の形態によれば、対極フィルムの上にゲル電解質膜を形成する工程と、作用極フィルムの上に枠状の封止部を形成する工程と、対極フィルムを、作用フィルムに対向させて、封止部に付ける工程を有するので、新規な電気化学セルの製造方法を提供することができる。
なお、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
つぎに、電気化学セルの製造方法にかかる第4の発明を実施するための最良の形態について説明する。
電気化学セルの製造方法について説明する。図7および8は、電気化学セルの製造工程の他の例として、電子ペーパーのセルの製造工程を示すものである。図7および8のA〜Fのそれぞれにおいて、上に記載されているのが断面図であり、下に記載されているのが平面図(Dは底面図)である。
電気化学セルの製造方法において、以下に記載した事項以外は、第1の発明を実施するための最良の形態と同様である。
工程Aについて説明する。工程Aでは、図7Aに示すように、対極フィルム1を用意する。
工程Bについて説明する。工程Bでは、図7Bに示すように、対極フィルム1の上にゾル状ゲル前駆体3(ゲル溶液7)を形成する。
ゾル状ゲル前駆体3(ゲル溶液7)の厚さについては、工程Dのところで説明する。
工程Dについて説明する。工程Dでは、図8Dに示すように、作用極フィルム5に枠状の封止部2を形成し、封止部2の内側にゲル電解質膜4を形成する。
封止部2は、第1の発明を実施するための最良の形態に記載された工程Aの封止部2と同様である。
作用極フィルム5と封止部2の熱圧着は、第1の発明を実施するための最良の形態に記載された工程Aの対極フィルム1と封止部2の熱圧着と同様である。
ゲル電解質膜4の形成について説明する。ゲル電解質膜4の形成は、以下に記載した事項を除き、第1の発明を実施するための最良の形態に記載された工程Bおよび工程Cと同様である。
工程Bおよび工程Dに基づくゲル電解質膜4の厚さについて説明する。工程Bおよび工程Dに基づくゲル電解質膜4の合計の厚さは、工程Fまでの過程を経て設定電解質膜厚になるように、決定する。
工程Dにおけるゲル電解質膜4の厚さは、設定電解質膜厚の1/10を構成する。設定電解質膜厚に占める電解質膜4の割合は、この値に限定されない。設定電解質膜厚に占める電解質膜4の割合は、1/10以上かつ2/10未満の範囲にあることが好ましい。割合が1/10以上かつ2/10未満の範囲にあると、電解質膜4の厚さが設定電解質膜厚に比較して薄いので、工程Eにおいて、ゲル電解質膜同士の熱圧着が短時間に行えるという利点がある。
工程Eについて説明する。工程Eでは、図8Eに示すように、対極フィルム1を、作用フィルム5に対向させて、封止部2に付ける。
封止部2を介しての、作用極フィルム5と対極フィルム1の剥離強度は15N/2cmであった。このように、剥離強度が、第2の発明を実施するための最良の形態の場合よりも大きな値を示している。この理由は、熱圧着によりゲル電解質膜の上層が溶融し封止部の方向へ流動するが、封止部の存在により流動が完全に阻止され、封止部と対極フィルムがより確実に熱圧着されるためと考えられる。
本発明の電気化学セルの作製は、ロールツーロール方式に限定されず、いわゆるバッチ方式により単一の電気化学セルを作製することができることは、第1の発明を実施するための最良の形態と同様である。
工程A〜Fおよびその後の工程により作製された電子ペーパーについて、評価を行った。電子ペーパーの評価項目および評価方法は、第1の発明を実施するための最良の形態に記載された評価項目および評価方法と同様である。
評価結果について説明する。
作用極フィルムとゲル電解質膜、ならびに対極フィルムとゲル電解質膜の密着性については、目視により検査した結果白い部分は認められなかった。
作用極フィルムとゲル電解質膜の界面、ならびに対極フィルムとゲル電解質膜の界面における気泡の発生については、光学顕微鏡で検査した結果全面に黒いドットが確認できた。
PVdF−HFP系ゲルのゲル電解質膜のイオン伝導度σ(S/cm)は、σ=8.9×10−5(S/cm)であった。イオン伝導度σ(S/cm)が、第1〜3の発明を実施するための最良の形態の場合よりも大きな値を示している。工程Dにおいて、作用極フィルム5にゲル電解質膜4を形成するので、作用極フィルム5の電極とゲル電解質膜4の密着性が大きくなるためと考えられる。
PVdF−HFP系ゲルのゲル電解質膜を用いた電気化学セルは、従来の電気化学セルに比較して、ゲル電解質膜の密着性がよく、気泡の発生を防止できる。また、ゲル電解質は、高いイオン伝導度を有し、従来の電気化学セルと同等もしくはそれ以上の性能が得られる。電気化学セルが柔軟性を有するので、全く新しいカードのようなアプリケーションに利用することができる。また、ゲル電解質膜は化学的安定性を有している。
以上のことから、発明を実施するための最良の形態によれば、対極フィルムの上にゲル電解質膜を形成する工程と、作用極フィルムの上に枠状の封止部を形成する工程と、封止部の内側にゲル電解質膜を形成する工程と、対極フィルムを、作用フィルムに対向させて、封止部に付ける工程を有するので、新規な電気化学セルの製造方法を提供することができる。
なお、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
つぎに、電気化学セルの製造方法にかかる第5の発明を実施するための最良の形態について説明する。
電気化学セルの製造方法について説明する。図9および10は、電気化学セルの製造工程の他の例として、電子ペーパーのセルの製造工程を示すものである。図9および10のA〜Fのそれぞれにおいて、上に記載されているのが断面図であり、下に記載されているのが平面図(Dは底面図)である。
電気化学セルの製造方法において、以下に記載した事項以外は、第1の発明を実施するための最良の形態と同様である。
工程Aについて説明する。工程Aでは、図9Aに示すように、対極フィルム1の上に枠状の第1の封止部2を形成する。
封止部2について説明する。
封止部2としては、ポリエチレン−ポリプロピレン−ポリエチレンの3層からなる3層フィルム(NHFM、愛知プラスチィック社製)を用いた。
封止部2の厚さについては、工程Dのところで説明する。
工程Bについて説明する。工程Bでは、図9Bに示すように、第1の封止部2の内側にゾル状ゲル前駆体3(ゲル溶液7)を形成する。
ゾル状ゲル前駆体3(ゲル溶液7)の厚さについては、工程Dのところで説明する。
工程Dについて説明する。工程Dでは、図10Dに示すように、作用極フィルム5に、第1の封止部2に対応する第2の封止部2を形成し、第2の封止部2の内側にゲル電解質膜4を形成する。
第2の封止部2について説明する。第2の封止部2は、以下に記載した事項を除き、第1の発明を実施するための最良の形態に記載された工程Aの封止部2と同様である。
封止部2としては、工程Aと同じポリエチレン−ポリプロピレン−ポリエチレンの3層からなる3層フィルムを用いた。
第1の封止部2と第2の封止部2の厚さについて説明する。第1の封止部2と第2の封止部2の合計の厚さは、工程Fまでの過程を経て設定封止部膜厚になるように、決定する。
工程Dにおける第2の封止部2の厚さは、設定封止部膜厚の1/2を構成する。設定封止部膜厚に占める第2の封止部2の割合は、この1/2に限定されない。設定封止部膜厚に占める第2の封止部2の割合は、2/3以下の範囲にあることが好ましい。割合が2/3以下であると、張力が張った状態でセル化できるという利点がある。割合が1/5以下であると、さらにカシメや折り返しにより封止できるという利点がある。
作用極フィルム5と封止部2の熱圧着について説明する。作用極フィルム5と封止部2の熱圧着は、第1の発明を実施するための最良の形態に記載された工程Aの対極フィルム1と封止部2の熱圧着と同様である。
ゲル電解質膜4の形成について説明する。ゲル電解質膜4の形成は、以下に記載した事項を除き、第1の発明を実施するための最良の形態に記載された工程Bおよび工程Cと同様である。
工程Bおよび工程Dに基づくゲル電解質膜4の厚さについて説明する。工程Bおよび工程Dに基づくゲル電解質膜4の合計の厚さは、工程Fまでの過程を経て設定電解質膜厚になるように、決定する。
工程Dにおけるゲル電解質膜4の厚さは、設定電解質膜厚の1/2を構成する。設定電解質膜厚に占める電解質膜4の割合は、この値に限定されない。設定電解質膜厚に占める電解質膜4の割合は、2/3以下の範囲にあることが好ましい。割合が2/3以下であると、張力が張った状態でセル化できるという利点がある。割合が1/5以下であると、さらにカシメや折り返しにより封止できるという利点がある。
工程Eについて説明する。工程Eでは、図10Eに示すように、作用極フィルム5と対極フィルム1を対向させて、第1の封止部2と第2の封止部2を付ける。
封止部2を介しての、作用極フィルム5と対極フィルム1の剥離強度は14N/2cmであった。このように、剥離強度が、第1の発明を実施するための最良の形態の場合よりも大きな値を示している。この理由は、熱圧着によりゲル電解質膜の上層が溶融し封止部の方向へ流動するが、第2の封止部の存在により流動が阻止され、第1の封止部と第2の封止部がより確実に熱圧着されるためと考えられる。
本発明の電気化学セルの作製は、ロールツーロール方式に限定されず、いわゆるバッチ方式により単一の電気化学セルを作製することができることは、第1の発明を実施するための最良の形態と同様である。
工程A〜Fおよびその後の工程により作製された電子ペーパーについて、評価を行った。電子ペーパーの評価項目および評価方法は、第1の発明を実施するための最良の形態に記載された評価項目および評価方法と同様である。
評価結果について説明する。
作用極フィルムとゲル電解質膜、ならびに対極フィルムとゲル電解質膜の密着性については、目視により検査した結果白い部分は認められなかった。
作用極フィルムとゲル電解質膜の界面、ならびに対極フィルムとゲル電解質膜の界面における気泡の発生については、光学顕微鏡で検査した結果全面に黒いドットが確認できた。
PVdF−HFP系ゲルのゲル電解質膜のイオン伝導度σ(S/cm)は、σ=8.8×10−5(S/cm)であった。イオン伝導度σ(S/cm)が、第1〜3の発明を実施するための最良の形態の場合よりも大きな値を示している。工程Dにおいて、作用極フィルム5にゲル電解質膜4を形成するので、作用極フィルム5の電極とゲル電解質膜4の密着性が大きくなるためと考えられる。
PVdF−HFP系ゲルのゲル電解質膜を用いた電気化学セルは、従来の電気化学セルに比較して、ゲル電解質膜の密着性がよく、気泡の発生を防止できる。また、ゲル電解質は、高いイオン伝導度を有し、従来の電気化学セルと同等もしくはそれ以上の性能が得られる。電気化学セルが柔軟性を有するので、全く新しいカードのようなアプリケーションに利用することができる。また、ゲル電解質膜は化学的安定性を有している。
以上のことから、発明を実施するための最良の形態によれば、対極フィルムの上に枠状の第1の封止部を形成する工程と、第1の封止部の内側にゲル電解質膜を形成する工程と、作用極フィルムの上に、第1の封止部に対応する第2の封止部を形成する工程と、第2の封止部の内側にゲル電解質膜を形成する工程と、作用極フィルムと対極フィルムを対向させて、第1の封止部と第2の封止部を付ける工程を有するので、新規な電気化学セルの製造方法を提供することができる。
なお、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
つぎに、電気化学セルの製造方法にかかる第6の発明を実施するための最良の形態について説明する。
電気化学セルの製造方法について説明する。図11および12は、電気化学セルの製造工程の他の例として、電子ペーパーのセルの製造工程を示すものである。図11および12のA〜Fのそれぞれにおいて、上に記載されているのが断面図であり、下に記載されているのが平面図(Dは底面図)である。
電気化学セルの製造方法において、以下に記載した事項以外は、第1の発明を実施するための最良の形態と同様である。
工程Aについて説明する。工程Aでは、図11Aに示すように、対極フィルム1を用意する。
工程Bについて説明する。工程Bでは、図11Bに示すように、対極フィルム1の上にゾル状ゲル前駆体3(ゲル溶液7)を形成する。
ゾル状ゲル前駆体3(ゲル溶液7)の厚さについては、工程Dのところで説明する。
工程Dについて説明する。工程Dでは、図12Dに示すように、作用極フィルム5に枠状の封止部2を形成し、封止部2の内側にゲル電解質膜4を形成する。
封止部2は、第1の発明を実施するための最良の形態に記載された工程Aの封止部2と同様である。
作用極フィルム5と封止部2の熱圧着は、第1の発明を実施するための最良の形態に記載された工程Aの対極フィルム1と封止部2の熱圧着と同様である。
ゲル電解質膜4の形成について説明する。ゲル電解質膜4の形成は、以下に記載した事項を除き、第1の発明を実施するための最良の形態に記載された工程Bおよび工程Cと同様である。
工程Bおよび工程Dに基づくゲル電解質膜4の厚さについて説明する。工程Bおよび工程Dに基づくゲル電解質膜4の合計の厚さは、工程Fまでの過程を経て設定電解質膜厚になるように、決定する。
工程Dにおけるゲル電解質膜4の厚さは、設定電解質膜厚の1/2を構成する。設定電解質膜厚に占める電解質膜4の割合は、この値に限定されない。設定電解質膜厚に占める電解質膜4の割合は、2/3以下の範囲にあることが好ましい。割合が2/3以下であると、張力が張った状態でセル化できるという利点がある。割合が1/5以下であると、さらにカシメや折り返しにより封止できるという利点がある。
工程Eについて説明する。工程Eでは、図12Eに示すように、対極フィルム1を、作用フィルム5に対向させて、封止部2に付ける。
封止部2を介しての、作用極フィルム5と対極フィルム1の剥離強度は15N/2cmであった。このように、剥離強度が、第5の発明を実施するための最良の形態の場合よりも大きな値を示している。この理由は、熱圧着によりゲル電解質膜の上層が溶融し封止部の方向へ流動するが、封止部の存在により流動が完全に阻止され、封止部と対極フィルムがより確実に熱圧着されるためと考えられる。
本発明の電気化学セルの作製は、ロールツーロール方式に限定されず、いわゆるバッチ方式により単一の電気化学セルを作製することができることは、第1の発明を実施するための最良の形態と同様である。
工程A〜Fおよびその後の工程により作製された電子ペーパーについて、評価を行った。電子ペーパーの評価項目および評価方法は、第1の発明を実施するための最良の形態に記載された評価項目および評価方法と同様である。
評価結果について説明する。
作用極フィルムとゲル電解質膜、ならびに対極フィルムとゲル電解質膜の密着性については、目視により検査した結果白い部分は認められなかった。
作用極フィルムとゲル電解質膜の界面、ならびに対極フィルムとゲル電解質膜の界面における気泡の発生については、光学顕微鏡で検査した結果全面に黒いドットが確認できた。
PVdF−HFP系ゲルのゲル電解質膜のイオン伝導度σ(S/cm)は、σ=8.9×10−5(S/cm)であった。イオン伝導度σ(S/cm)が、第1〜3の発明を実施するための最良の形態の場合よりも大きな値を示している。工程Dにおいて、作用極フィルム5にゲル電解質膜4を形成するので、作用極フィルム5の電極とゲル電解質膜4の密着性が大きくなるためと考えられる。
PVdF−HFP系ゲルのゲル電解質膜を用いた電気化学セルは、従来の電気化学セルに比較して、ゲル電解質膜の密着性がよく、気泡の発生を防止できる。また、ゲル電解質は、高いイオン伝導度を有し、従来の電気化学セルと同等もしくはそれ以上の性能が得られる。電気化学セルが柔軟性を有するので、全く新しいカードのようなアプリケーションに利用することができる。また、ゲル電解質膜は化学的安定性を有している。
以上のことから、発明を実施するための最良の形態によれば、対極フィルムの上にゲル電解質膜を形成する工程と、作用極フィルムの上に枠状の封止部を形成する工程と、封止部の内側にゲル電解質膜を形成する工程と、対極フィルムを、作用フィルムに対向させて、封止部に付ける工程を有するので、新規な電気化学セルの製造方法を提供することができる。
なお、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
つぎに、電気化学セルの製造方法にかかる比較例について説明する。
[比較例1]
PVdF−HFPゲルからなるゲル電解質膜と、リジッド電極板を用いた電子ペーパーを作製した。リジッド電極板にロの字型の封止フィルムを貼り付け、その中に加熱溶融させたゾル状ゲル前駆体をディスペンサにより滴下させ、さらにもう1つリジッド電極板で密閉した。
作製された電子ペーパーについて、評価を行った。評価項目および評価方法は、第1の発明を実施するための最良の形態と同様である。
評価結果について説明する。
作用極フィルムとゲル電解質膜、ならびに対極フィルムとゲル電解質膜の密着性については、目視により検査した結果、全面のうち一部に白い部分が認められた。
作用極フィルムとゲル電解質膜の界面、ならびに対極フィルムとゲル電解質膜の界面における気泡の発生については、光学顕微鏡で検査した結果、全面のうち黒いドットが50%のみ確認できた。
PVdF−HFP系ゲルのゲル電解質膜のイオン伝導度σ(S/cm)は、1.0×10−6(S/cm)であった。
[比較例2]
PVdF−HFP系ゲルからなるゲル電解質膜の作製を、次の方法により試みた。PVdF−HFP系ゲル−プレインフィルムの打ち抜き・加工を試みた。この方法は、一般的な粘着シートの製造法である。しかし、ゲルにおいては液分を多く含んでおり、機械的強度がないので、後で打ち抜き・加工できない。よって電子ペーパーを作製することができなかった。
[比較例3]
アクリルゲルからなるゲル電解質膜と、リジッド電極を用いた電子ペーパーを作製した。あらかじめ適当なギャップをもつ空セルを作製する。つぎに電解液、酸化チタン、アクリルモノマー、および開始剤を十分撹拌したものを真空注入により空セルに充填する。つぎに注入口をふさぐ。つぎに、加熱して開始剤を反応させてアクリルのゲル化を行った。
作製された電子ペーパーについて、イオン伝導度の評価を行った。評価方法は、第1の発明を実施するための最良の形態と同様である。アクリルゲルのゲル電解質膜のイオン伝導度σ(S/cm)は、9×10−6(S/cm)であった。
本発明により作製される電気化学セルの適用は、電子ペーパーに限定されない。このほか、電気二重層キャパシタ、色素増感太陽電池、リチウムイオン電池、または調光ガラス(以下、「電気二重層キャパシタなど適用例」という。)に適用することができる。
電気二重層キャパシタなど適用例の製造方法について説明する。電気二重層キャパシタなど適用例の製造方法は、原則として、上述の電子ペーパーのセルの製造方法と同様である。以下においては、電気二重層キャパシタなど適用例の製造方法のうち、上述の電子ペーパーのセルの製造方法と異なる点について説明する。
電気二重層キャパシタなど適用例の対極フィルム1の電極について、それぞれ説明する。電気二重層キャパシタの対極フィルム1の電極は、炭素電極などを用いることができる。色素増感太陽電池の対極フィルム1の電極は、白金電極、炭素電極などを用いることができる。リチウムイオン電池の対極フィルム1の電極は、炭素電極などを用いることができる。調光ガラスの対極フィルム1の電極は、炭素電極、金属酸化物電極などを用いることができる。
電気二重層キャパシタなど適用例のゾル状ゲル前駆体の電解液について、それぞれ説明する。電気二重層キャパシタのゾル状ゲル前駆体の電解液は、プロピレンカーボネートなどの非水溶媒に、4級アンモニウム塩、4級スルホニウム塩などを電解質としたものを用いることができる。色素増感太陽電池のゾル状ゲル前駆体の電解液は、非水溶媒にヨウ素とヨウ化塩を主な電解質としたものなどを用いることができる。リチウムイオン電池のゾル状ゲル前駆体の電解液は、プロピレンカーボネートなどの非水溶媒に、リチウム塩(LiPF)などを電解質としたものを用いることができる。調光ガラスのゾル状ゲル前駆体の電解液は、プロピレンカーボネートなどの非水溶媒に、ビオローゲンなどのエレクトロクロミック材料を電解質としたものなどを用いることができる。
電気二重層キャパシタなど適用例の作用極フィルム7の電極について、それぞれ説明する。電気二重層キャパシタの作用極フィルム7の電極は、炭素電極などを用いることができる。色素増感太陽電池の作用極フィルム7の電極は、酸化チタン膜に色素が胆持した電極などを用いることができる。リチウムイオン電池の作用極フィルム7の電極は、LiCoO、LiNiO、LiMnなどを用いることができる。調光ガラスの作用極フィルム7の電極は、透明導電膜(ITO)などを用いることができる。
本発明により作製される電気化学セルの適用は、電子ペーパー、電気二重層キャパシタ、色素増感太陽電池、リチウムイオン電池、または調光ガラスに限定されない。このほか、本発明により作製される電気化学セルは、その他の電池、電気化学センサなどに適用できる。
電気化学セルの製造工程の一例を示す図である(その1)。 電気化学セルの製造工程の一例を示す図である(その2)。 電気化学セルの製造工程の他の例を示す図である(その1)。 電気化学セルの製造工程の他の例を示す図である(その2)。 電気化学セルの製造工程の他の例を示す図である(その1)。 電気化学セルの製造工程の他の例を示す図である(その2)。 電気化学セルの製造工程の他の例を示す図である(その1)。 電気化学セルの製造工程の他の例を示す図である(その2)。 電気化学セルの製造工程の他の例を示す図である(その1)。 電気化学セルの製造工程の他の例を示す図である(その2)。 電気化学セルの製造工程の他の例を示す図である(その1)。 電気化学セルの製造工程の他の例を示す図である(その2)。 従来の電気化学セルの構成を示す斜視図である。
符号の説明
1‥‥対極フィルム、2‥‥封止部、3‥‥ゾル状ゲル前駆体、4‥‥ゲル電解質膜、5‥‥作用極フィルム、6‥‥ローラ、7‥‥ゲル溶液

Claims (5)

  1. 対極フィルムの上に枠状の封止部を形成する工程と、
    上記封止部の内側にゲル電解質膜を形成する工程と、
    作用極フィルムを、上記対極フィルムに対向させて、上記封止部に付ける工程を有する
    ことを特徴とする電気化学セルの製造方法。
  2. 対極フィルムの上に枠状の第1の封止部を形成する工程と、
    上記第1の封止部の内側にゲル電解質膜を形成する工程と、
    作用極フィルムの上に上記第1の封止部に対応する第2の封止部を形成する工程と、
    上記作用極フィルムと上記対極フィルムを対向させて、上記第1の封止部と上記第2の封止部を付ける工程を有する
    ことを特徴とする電気化学セルの製造方法。
  3. 対極フィルムの上にゲル電解質膜を形成する工程と、
    作用極フィルムの上に枠状の封止部を形成する工程と、
    上記対極フィルムを、上記作用フィルムに対向させて、上記封止部に付ける工程を有する
    ことを特徴とする電気化学セルの製造方法。
  4. 対極フィルムの上にゲル電解質膜を形成する工程と、
    作用極フィルムの上に枠状の封止部を形成する工程と、
    上記封止部の内側にゲル電解質膜を形成する工程と、
    上記対極フィルムを、上記作用フィルムに対向させて、上記封止部に付ける工程を有する
    ことを特徴とする電気化学セルの製造方法。
  5. 対極フィルムの上に枠状の第1の封止部を形成する工程と、
    上記第1の封止部の内側にゲル電解質膜を形成する工程と、
    作用極フィルムの上に、上記第1の封止部に対応する第2の封止部を形成する工程と、
    上記第2の封止部の内側にゲル電解質膜を形成する工程と、
    上記作用極フィルムと上記対極フィルムを対向させて、上記第1の封止部と上記第2の封止部を付ける工程を有する
    ことを特徴とする電気化学セルの製造方法。
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