JP2020160442A - エレクトロクロミック装置及びその製造方法、調光レンズユニット、並びに、エレクトロクロミック素子 - Google Patents

エレクトロクロミック装置及びその製造方法、調光レンズユニット、並びに、エレクトロクロミック素子 Download PDF

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泰裕 高橋
Yasuhiro Takahashi
泰裕 高橋
圭一郎 油谷
Keiichiro Yutani
圭一郎 油谷
八代 徹
Toru Yashiro
徹 八代
福田 智男
Tomoo Fukuda
智男 福田
竹内 弘司
Koji Takeuchi
弘司 竹内
長谷川 徹
Toru Hasegawa
徹 長谷川
筒井 隆司
Takashi Tsutsui
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Abstract

【課題】電極取出部を面状に延在させつつ外部に露出させることが可能なエレクトロクロミック装置並びにその製造方法、及び調光レンズユニットを提供する。【解決手段】エレクトロクロミック層5aを含んだ中間部5と、中間部の両側に隣接させて配置された一対の電極部7、8と、一対の電極部の両側に配置された一対の支持体9、10と、一対の電極部に対して1つずつ電気的に接続された一対の電極取出部3、4と、を有し、電極取出部は、支持体の切れ込み部S1、S2を介して面状に露出されている。【選択図】図2

Description

本発明は、エレクトロクロミック装置及びその製造方法、調光レンズユニット、並びに、エレクトロクロミック素子に関する。
例えば、特許文献1,2には、エレクトロクロミック素子と光学レンズとを組み合わせたエレクトロクロミック技術が開示されている。エレクトロクロミック素子は、電圧を印加することで、可逆的に酸化還元反応が起こり、可逆的に色が変化する現象(エレクトロクロミズム)を利用した物質である。
ここで、上記したようなエレクトロクロミック技術のヘルスケア用途への応用例として、調光メガネがある。調光メガネには、レンズの表面又はその中に、エレクトロクロミック素子が設けられている。この場合、エレクトロクロミック素子に付与する電気信号によって、調光メガネの透過率を自由に制御することが可能となる。
ところで、エレクトロクロミック技術では、電源や駆動回路に対するエレクトロクロミック素子の電気的接続についての安定化が求められている。
本発明の目的は、電源や駆動回路に対する電気的接続の安定化を図れるエレクトロクロミック装置及びその製造方法、調光レンズユニット、並びに、エレクトロクロミック素子を提供することにある。
この目的を達成するために、本発明は、エレクトロクロミック層を含んだ中間部と、前記中間部の両側に隣接させて配置された一対の電極部と、前記一対の電極部の両側に配置された一対の支持体と、一対の前記電極部に対して1つずつ電気的に接続された一対の電極取出部と、を有し、前記電極取出部は、前記支持体の切れ込み部を介して面状に露出されている。
本発明によれば、電源や駆動回路に対する電気的接続の安定化を図れるエレクトロクロミック装置及びその製造方法、調光レンズユニット、並びに、エレクトロクロミック素子を実現することができる。
本発明の一実施形態に係る調光レンズユニットの平面図。 図1のF2−F2線に沿う断面図。 一実施形態に係るエレクトロクロミック素子の分解斜視図。 一実施形態に係るエレクトロクロミック装置(調光レンズユニット)の製造方法を示す図であり、(a)は準備工程図、(b)は熱成形工程図、(c)は貼り合わせ工程図、(d)は加工工程図、(e)は完成図。 一実施形態に係る他の構成の調光レンズユニットの平面図。 本発明の第1変形例に係るエレクトロクロミック素子の断面図。 本発明の第2変形例に係るエレクトロクロミック素子の断面図。 本発明の第3変形例に係るエレクトロクロミック素子の断面図。 図8のエレクトロクロミック素子の支持体除去後の断面図。
「一実施形態」
図1は、一実施形態に係る調光レンズユニット1(エレクトロクロミック装置)の構成図である。図1に示すように、調光レンズユニット1は、調光レンズ本体2と、一対の電極取出部(第1電極取出部3、第2電極取出部4)と、を有している。調光レンズ本体2は、電極取出部3,4の相互間に設けられ、光の透過率を変化させることが可能に構成されている。
図1の例において、調光レンズ本体2は、その上部両端が外方に突出した輪郭を有し、これら突出部分に電極取出部3,4が1つずつ面状に延在されている。なお、一対の突出部分としては、例えば、メガネフレームのテンプル(つる)に連結される部分と、ブリッジに連結される部分が想定される。
図2は、エレクトロクロミック装置としての調光レンズユニット1(調光レンズ本体2)の主要構成となるエレクトロクロミック素子11の断面図である。エレクトロクロミック素子11は、電圧を印加することで、可逆的に酸化還元反応が起こり、可逆的に色が変化する現象(エレクトロクロミズム)を利用した物質である。エレクトロクロミック素子11(調光レンズ本体2)は、中間部5と、接着層6と、一対の電極部(第1電極部7、第2電極部8)と、一対の支持体(第1支持体9、第2支持体10)と、を有している。
電極部7,8は、後述する中間部5の両側に隣接させて配置されている。支持体9,10は、外面9a,10a及び内面9b,10bを有し、電極部7,8の両側に隣接させて配置されている。この場合、支持体9,10の内面9b,10bが、電極部7,8に隣接している。また、上記した電極取出部3,4には、電極部7,8の一部が面状に外部に露出されている。電極取出部3,4は、電極部7,8に対して1つずつ電気的に接続されている。
更に、一方の電極取出部(例えば、第1電極取出部3)は、第1貫通構造S1(後述する切れ込み部(スリット))を介して外部に露出されている。他方の電極取出部(例えば、第2電極取出部4)は、第2貫通構造S2(後述する切れ込み部(スリット))を介して外部に露出されている。図2の例において、双方の電極取出部3,4は、共に、一方の支持体(即ち、第2支持体10)を介して外部に露出されている。
第1貫通構造S1は、第2支持体10の外面10aから内面10bを貫通させて延在されている。第1貫通構造S1は、他方の電極部(例えば、第2電極部8)を回避しつつ、一方の電極部(例えば、第1電極部7)に達している。この場合、第1貫通構造S1によって、第2支持体10の一部が除去されている。これにより、第1電極部7の一部が外部に露出されて面状に延在されている。かくして、第1電極取出部3は、第1電極部7に対して電気的に接続されている。
第2貫通構造S2は、第2支持体10の外面10aから内面10bを貫通させて延在されている。第2貫通構造S2は、一方の電極部(例えば、第1電極部7)を回避しつつ、他方の電極部(例えば、第2電極部8)に達している。この場合、第2貫通構造S2によって、第2支持体10の一部が除去されている。これにより、第2電極部8の一部が外部に露出されて面状に延在されている。かくして、第2電極取出部4は、第2電極部8に対して電気的に接続されている。
ここで、電極取出部3,4を介して電極部7,8の相互間に電圧を印加する。そうすると、エレクトロクロミック素子11において可逆的に酸化還元反応が起こる。このとき、調光レンズ本体2の色(換言すると、光の透過率)が、可逆的に変化する。これにより、例えば、ユーザの感覚や使用目的、或いは、調光レンズユニット1の使用環境に応じて、調光レンズ本体2を色彩発色させることが可能となる。
上記した中間部5は、例えば、エレクトロクロミック層5aと、電解質層5bと、劣化防止層5cと、を含んで構成されている。
「中間部5のエレクトロクロミック層5a」
エレクトロクロミック層5aは、エレクトロクロミック材料を含み、更に必要に応じてその他の成分を含んでいる。エレクトロクロミック材料としては、無機エレクトロクロミック化合物及び有機エレクトロクロミック化合物のいずれも適用可能である。また、エレクトロクロミック材料として、上記したエレクトロクロミズムを示すことで知られる導電性高分子を用いてもよい。
無機エレクトロクロミック化合物としては、例えば、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化イリジウム、酸化チタンなどが挙げられる。一方、有機エレクトロクロミック化合物としては、例えば、ビオロゲン、希土類フタロシアニン、スチリルなどが挙げられる。また、導電性高分子としては、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、又はそれらの誘導体などが挙げられる。
エレクトロクロミック層5aとしては、導電性又は半導体性微粒子に有機エレクトロクロミック化合物を担持した構造を用いることが好ましい。具体的には、電極表面に粒径5nm〜50nm程度の微粒子を焼結し、微粒子の表面にホスホン酸やカルボキシル基、シラノール基等の極性基を有する有機エレクトロクロミック化合物を吸着した構造である。
このような構造は、微粒子の大きな表面効果を利用して、効率よく有機エレクトロクロミック化合物に電子が注入されるため、従来のエレクトロクロミック表示素子と比較して高速応答が可能となる。更に、微粒子を用いることで表示層として透明な膜を形成することができるため、エレクトロクロミック色素の高い発色濃度を得ることができる。なお、複数種類の有機エレクトロクロミック化合物を導電性又は半導体性微粒子に担持することもできる。
上記したエレクトロクロミック材料としては、具体的には、ポリマー系、色素系のエレクトロクロミック化合物として、アゾベンゼン系、アントラキノン系、ジアリールエテン系、ジヒドロプレン系、ジピリジン系、スチリル系、スチリルスピロピラン系、スピロオキサジン系、スピロチオピラン系、チオインジゴ系、テトラチアフルバレン系、テレフタル酸系、トリフェニルメタン系、トリフェニルアミン系、ナフトピラン系、ビオロゲン系、ピラゾリン系、フェナジン系、フェニレンジアミン系、フェノキサジン系、フェノチアジン系、フタロシアニン系、フルオラン系、フルギド系、ベンゾピラン系、メタロセン系等の低分子系有機エレクトロクロミック化合物、ポリアニリン、ポリチオフェンなどの導電性高分子化合物などが挙げられる。
これらのエレクトロクロミック材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。更に、これらの中でも、発消色電位が低く良好な色値を示す点から、ビオロゲン系化合物又はジピリジン系化合物が好ましい。なお、ビオロゲン系化合物としては、例えば、特許第3955641号公報、特開2007−171781号公報に記載の化合物などが挙げられる。一方、ジピリジン系化合物としては、例えば、特開2007−171781号公報、特開2008−116718号公報に記載の化合物などが挙げられる。
これらの中でも、良好な発色の色値を示す点から、下記の一般式(1)で表されるジピリジン系化合物が好ましい。
Figure 2020160442
ただし、上記した一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ独立に置換基を有してもよい炭素数1〜8のアルキル基、又はアリール基を表す。R1及びR2の少なくとも一方は、COOH、PO(OH)、及びSi(OC2k+1(ただし、kは、1から20)から選ばれる置換基を有する。
上記した一般式(1)において、Xは、1価のアニオンを表し、例えば、カチオン部と安定に対を成すものであれば特に限定されるものではないが、Brイオン(Br−)、Clイオン(Cl−)、ClOイオン(ClO−)、PFイオン(PF−)、BFイオン(BF−)などが挙げられる。なお、n、m、及びlは、0、1又は2を表す。また、A、B、及びCは、それぞれ独立に置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、又は複素環基を表す。
また、金属錯体系、金属酸化物系のエレクトロクロミック化合物としては、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化インジウム、酸化イリジウム、酸化ニッケル、プルシアンブルー等の無機系エレクトロクロミック化合物を用いることができる。また、上記したエレクトロクロミック化合物を担持する導電性又は半導体性微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、金属酸化物が好ましい。
上記した金属酸化物の材料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ホウ素、酸化マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、酸化カルシウム、フェライト、酸化ハフニウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バリウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、アルミノケイ酸、リン酸カルシウム、アルミノシリケートなどを主成分とする金属酸化物が用いられる。
これらの金属酸化物の材料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。更に、これらの中でも、電気伝導性等の電気的特性や光学的性質等の物理的特性を鑑みるに、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化インジウム、酸化タングステンから選ばれる1種又はそれらの混合物が用いられたとき、発消色の応答速度に優れた色表示が可能である。とりわけ、酸化チタンが用いられたとき、より発消色の応答速度に優れた色表示が可能である。
また、導電性又は半導体性微粒子の形状は、特に制限されるものではないが、エレクトロクロミック化合物を効率よく担持するために、単位体積当たりの表面積(以下、比表面積という)が大きい形状が用いられる。例えば、微粒子が、ナノ粒子の集合体であるときは、大きな比表面積を有するため、より効率的にエレクトロクロミック化合物が担持され、発消色の表示コントラスト比が優れる。
上記したエレクトロクロミック層5aの厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.2μm〜5.0μmが好ましい。この場合、厚みが、0.2μm未満であると、発色濃度が得にくくなることがあり、5.0μmを超えると、製造コストが増大すると共に、着色によって視認性が低下しやすいことがある。また、エレクトロクロミック層5a及び導電性又は半導体性微粒子層は、真空製膜により形成することも可能であるが、生産性の点で粒子分散ペーストとして塗布形成することが好ましい。
「中間部5の電解質層5b」
電解質層5bは、固体電解質層であることが好ましいが、これに限られず、半固体状や液体状であってもよい。固体電解質層である場合、例えば、光又は熱硬化樹脂中に電解質を保持した膜として形成される。
電解質層5bには、当該電解質層5bの層厚を制御する無機微粒子が混合されていることが好ましい。電解質層5bの厚みとしては、薄くなり過ぎるとリークの可能性が高くなり、厚くなり過ぎると反応速度が遅くなる。このため、電解質層5bの厚みは、5μm〜200μmが好ましく、20μm〜150μmが更に好ましい。
電解質層5bは、無機微粒子と硬化型樹脂、電解質を混合した溶液としてエレクトロクロミック層5a上にコートした後、光又は熱で硬化した膜とすることが好ましいが、その他の手法でもよい。例えば、予め多孔質の無機微粒子層を形成した後、無機微粒子層に浸透するように、硬化型樹脂、電解質を混合した溶液としてコートした後、光又は熱で硬化した膜とすることもできる。更に、エレクトロクロミック層5aが、導電性又は半導体性ナノ粒子にエレクトロクロミック化合物が担持された層である場合、エレクトロクロミック層5aに浸透するように、硬化型樹脂、電解質を混合した溶液としてコートした後、光又は熱で硬化した膜とすることもできる。
上記した電解質としては、イオン液体等の液体電解質、又は固体電解質を溶媒に溶解した溶液が用いられる。電解質の材料としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩や酸類、アルカリ類の支持塩を用いることができる。具体的には、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF、LiCFSO、LiCFCOO、KCl、NaClO、NaCl、NaBF、NaSCN、KBF、Mg(ClO、Mg(BFなどが挙げられる。
上記した溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、スルホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、ポリエチレングリコール、アルコール類やそれらの混合溶媒などを用いることができる。
上記した硬化樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の光硬化型樹脂、熱硬化型樹脂などの一般的な材料を挙げることができるが、電解質との相溶性が高い材料が好ましい。このような構造としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのエチレングリコールの誘導体が好ましい。また、硬化樹脂としては、光硬化可能な樹脂を用いることが好ましい。熱重合や、溶剤を蒸発させることにより薄膜化する方法に比べて、低温かつ短時間で素子を製造できるためである。
特に好ましい組み合わせは、オキシエチレン鎖やオキシプロピレン鎖を含有するマトリックスポリマーとイオン液体との固溶体で構成されている電解質層である。この構成を用いることにより、硬度と高いイオン伝導度を両立しやすい。
上記した無機微粒子としては、多孔質層を形成して電解質と硬化樹脂を保持することができる材料であれば、特に限定されるものではないが、エレクトロクロミック反応の安定性、視認性の点から、絶縁性、透明性、耐久性が高い材料が好ましい。具体的な材料としては、シリコン、アルミニウム、チタン、亜鉛、錫等の酸化物又は硫化物、或いは、それらの混合物を挙げることができる。
上記した無機微粒子の大きさ(平均粒径)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10nm〜10μmが好ましく、10nm〜100nmがより好ましい。
「中間部5の劣化防止層5c」
劣化防止層5cの役割としては、エレクトロクロミック層5aと逆反応をし、電荷のバランスをとって、第2電極部8が不可逆的な酸化還元反応により腐食や劣化することを抑制する。結果として、上記した調光レンズユニット1(エレクトロクロミック装置)の繰り返し安定性が向上する。なお、逆反応とは、劣化防止層5cが酸化還元する場合に加え、キャパシタとして作用することも含む。
劣化防止層5cの材料は、不可逆的な酸化還元反応による電極部7,8の腐食を防止する役割を担う材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択される。劣化防止層5cの材料としては、例えば、酸化アンチモン錫、酸化ニッケル、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、又はそれらを複数含む導電性又は半導体性金属酸化物を用いることができる。更に、劣化防止層5cの着色が問題にならない場合は、上記したエレクトロクロミック材料と同じものを用いることができる。
これらの中でも、透明性が要求されるレンズのような光学素子として、調光レンズユニット1(エレクトロクロミック装置)を製造する場合、劣化防止層5cとして、透明性の高い材料を用いることが好ましい。このような材料としては、n型半導体性酸化物微粒子(n型半導体性金属酸化物)を用いることが好ましい。n型半導体性金属酸化物としては、100nm以下の一次粒子径粒子からなる、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、又はそれらを複数含む化合物粒子、あるいは混合物を用いることができる。
更に、中間部5に劣化防止層5cを含む場合、上記したエレクトロクロミック層5aが酸化反応により色彩変化する材料であることが好ましい。その結果、エレクトロクロミック層5aが酸化反応すると同時に、n型半導体性金属酸化物が還元(電子注入)され易く、駆動電圧が低減できるからである。
このような形態において、特に好ましいエレクトロクロミック材料としては、有機高分子材料である。塗布形成プロセス等により容易に製膜できるとともに、分子構造により色の調整や制御が可能となる。これらの有機高分子材料の具体例としては、「Chemistry of Materials review 2011.23,397−415 Navigating the Color Palette of Solution−Processable Electrochromic Polymers(Reynolds)」(非特許文献1)、「Macromolecules 1996.29 7629−7630(Reynolds)」(非特許文献2)、「Polymer journal, Vol.41, No.7,Electrochromic Organic Matallic Hybrid Polymers」(非特許文献3)などに報告されている。
これらの有機高分子材料としては、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)に系材料、ビス(ターピリジン)類と鉄イオンの錯形成ポリマーなどが挙げられる。
一方、劣化防止層5cとして、透明性の高いp型半導体性層の材料としては、ニトロキシルラジカル(NOラジカル)を有する有機材料などであり、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(TEMPO)の誘導体、又は誘導体のポリマー材料などが挙げられる。
劣化防止層5cの形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などが挙げられる。また、劣化防止層5cの材料が塗布形成できるものであれば、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法などの各種印刷法などが挙げられる。なお、劣化防止層5cとしては、特に制限はなく、上記した電解質層5bに劣化防止層用材料を混合して、電解質層5b自体に劣化防止機能を付与することもできる。
「接着層6」
接着層6は、エレクトロクロミック層5aの側面部を物理的及び化学的に保護するように形成されている。接着層6は、例えば、紫外線硬化性や熱硬化性の絶縁性樹脂等を、側面及び/又は上面を覆うように塗布し、その後硬化させることにより形成できる。又は、紫外線硬化性や熱硬化性の絶縁性樹脂等をシート状に形成したものをあらかじめパターニングしておき、これを貼り付け、その後硬化させることにより形成できる。或いは、感圧型接着剤をシート状に形成したものをあらかじめパターニングしておき、これを貼り付けることにより形成できる。
接着層6は、バリア性を有していることが好ましいが、硬化樹脂と無機材料とを積層した接着層とすることが更に好ましい。上記した無機材料との積層構造にすることで、酸素や水に対するバリア性が向上する。更に、接着層6とは別に樹脂バリア層を形成することもバリア性向上の点で有利となる。
無機材料としては、絶縁性、透明性、耐久性が高い材料が好ましく、具体的な材料としては、シリコン、アルミニウム、チタン、亜鉛、錫などの酸化物又は硫化物、窒化物、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。これらの膜はスパッタ法や蒸着法などの真空製膜プロセスで容易に形成することができる。
接着層6の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、上記したエレクトロクロミック層5a、電解質層5b及び劣化防止層5cと厚みを揃えることが好ましい。なお、接着層6は、メガネ辺縁部に配置する補助電極層を覆うように形成されることが好ましく、また、後述するコンタクト層7b,8bと、中間部5(エレクトロクロミック層5a、電解質層5b、劣化防止層5c)とを隔てるように形成することが好ましい。
「一対の電極部7,8(第1電極部7、第2電極部8)」
第1電極部7は、第1電極層7a上に第1コンタクト層7bを積層させて構成されている。第1電極層7aは、第1支持体9の内面9bに隣接し、第1コンタクト層7bは、第2支持体10の内面10bに隣接している。一方、第2電極部8は、第2電極層8a上に第2コンタクト層8bを積層させて構成されている。第2電極層8aは、第2支持体10の内面10bに隣接し、第2コンタクト層8bは、第1支持体9の内面9bに隣接している。この場合、双方のコンタクト層7b,8bは、上記した中間部5(エレクトロクロミック層5a、電解質層5b、劣化防止層5c)を回避した位置に配置されている。
第1電極層7a及び第2電極層8aの材料としては、透明かつ導電性を有する材料であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、スズをドープした酸化インジウム(以下、「ITO」と称する)、フッ素をドープした酸化スズ(以下、「FTO」と称する)、アンチモンをドープした酸化スズ(以下、「ATO」と称する)などが挙げられる。これらの中でも、真空成膜により形成されたインジウム酸化物(以下、「In酸化物」と称する)、スズ酸化物(以下、「Sn酸化物」と称する)、及び亜鉛酸化物(以下、「Zn酸化物」と称する)のいずれか1つを含む無機材料が好ましい。
In酸化物、Sn酸化物、及びZn酸化物は、スパッタ法により、容易に成膜が可能な材料であると共に、良好な透明性と電気伝導度が得られる材料である。これらの中でも、InSnO、GaZnO、SnO、In、ZnO、InZnOが特に好ましい。更に、電極層7a,8aは、結晶性が低いほど好ましい。結晶性が高いと熱成型により電極層が分断されやすいためである。この点から、アモルファス膜で高い導電性を示すIZO、AZOが好ましい。
これらの電極層7a,8a材料を用いる場合は、熱成型後における積層体の曲面での支持体の最大長軸長さが、熱成型前における積層体の平面での支持体の最大長軸長さに対して120%以下になるように熱成型することが好ましく、103%以下になるように熱成型することがより好ましい。
また、透明性を有する銀、金、銅、アルミニウムなどを含有する導電性金属薄膜、カーボンナノチューブ、グラフェンなどのカーボン膜、さらに、導電性金属、導電性カーボン、導電性酸化物等のネットワーク電極、又はこれらの複合層も有用である。ネットワーク電極とは、カーボンナノチューブや他の高導電性の非透過性材料等を微細なネットワーク状に形成して透過率を持たせた電極である。ネットワーク電極は、熱成型時に分断されにくく、好ましい。
更に、ネットワーク電極と導電性酸化物の積層構成、又は、導電性金属薄膜と導電性酸化物の積層構成とすることが、より好ましい。積層構成にすることにより、エレクトロクロミック層をムラなく発消色させることができる。なお、導電性酸化物層は、ナノ粒子インクとして塗布形成することもできる。導電性金属薄膜と導電性酸化物の積層構成とは、具体的には、ITO/Ag/ITOなどの薄膜積層構成にて、導電性と透明性を両立させた電極である。
電極層7a,8aの各々の厚みは、エレクトロクロミック層5aの酸化還元反応に必要な電気抵抗値が得られるように調整される。電極層7a,8aの材料としてITO真空製膜を用いた場合、これら電極層7a,8aの各々の厚みは、20nm〜500nmが好ましく、50nm〜300nmがより好ましい。
ナノ粒子インクとして塗布形成する場合、上記した導電性酸化物層の厚みは、0.2μm〜5μmが好ましい。また、上記したネットワーク電極の場合の厚みは、0.2μm〜5μmが好ましい。
更に、調光ミラーとして利用する場合、電極層7a,8aのいずれかが反射機能を有する構造であってもよい。その場合には、電極層7a,8aの材料として金属材料を含むことができる。金属材料としては、例えば、Pt、Ag、Au、Cr、ロジウム、Al又はこれらの合金、あるいはこれらの積層構成などが挙げられる。
電極層7a,8aの各々の作製方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などが挙げられる。また、電極層7a,8aの各々の材料が、塗布形成できるものであれば、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、ノズルコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェットプリント法等の各種印刷法などが挙げられる。
第1コンタクト層7b及び第2コンタクト層8bの材料としては、導電性材料であれば特に制限されることはないが、特に、導電性微粒子を樹脂と混合した導電性ペーストを用いるのが好ましい。例えば、銀微粒子や銅微粒子、ニッケル微粒子、或いは、カーボン粒子などと、エポキシ系樹脂やポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂やシリコーン系樹脂などとの混合物が挙げられる。
コンタクト層7b,8bの厚みとしては、上記したエレクトロクロミック層5a及び電解質層5bと同等以上の厚みを持たせるのが好ましく、5μm〜200μmが好適で、30〜100μmが更に好適である。図2では一例として、コンタクト層7b,8bの厚みは、上記した中間部5(エレクトロクロミック層5a、電解質層5b、劣化防止層5c)と同等以上に設定されている。
「一対の支持体(第1支持体9、第2支持体10)」
第1支持体9及び第2支持体10は、上記した中間部5(エレクトロクロミック層5a、電解質層5b、劣化防止層5c)と、第1電極部7(第1電極層7a、第1コンタクト層7b)、第2電極部8(第2電極層8a、第2コンタクト層8b)を支持する機能を有する。
支持体9,10としては、これら中間部5及び電極部7,8を支持できれば、周知の熱成型可能な樹脂材料をそのまま用いることができる。更に、支持体9,10としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂基板を用いてもよい。
なお、調光レンズユニット1(エレクトロクロミック装置)が、第2電極部8側から視認する反射型表示装置である場合は、支持体9,10のどちらかの透明性は不要である。また、支持体9,10の表面に、水蒸気バリア性、ガスバリア性、及び視認性を高めるために透明絶縁層、反射防止層等がコーティングされていてもよい。更に、支持体9,10の厚みは、熱成型を容易に行える点から、0.2mm〜1.0mmであることが好ましい。
図3〜図4は、調光レンズユニット1(エレクトロクロミック装置)の製造方法を示す模式図である。図3には、熱成型前までのエレクトロクロミック素子11の製造方法が示されている。図4には、熱成型加工から玉型加工までの製造方法が示されている。なお、図3〜図4に示された製造方法は、あくまで一例であり、これにより本発明の技術範囲が限定されるものではない。
図3に示すように、エレクトロクロミック素子11の製造方法では、予め、一方の支持体(例えば、第2支持体10)に、上記した第1貫通構造S1及び第2貫通構造S2を設ける。これら貫通構造S1,S2は、第2支持体10の外面10aから内面10bを貫通させて延在された切れ込み部(スリットとも言う)である。スリット状の第1貫通構造S1は、第1電極部7に達している。一方、スリット状の第2貫通構造S2は、第2電極部8に達している。
当該製造方法において、例えば、第1支持体9の内面9bに第1電極部7積層する。第2支持体10の内面10bに第2電極部8を積層する。次に、双方の電極部7,8の相互間に中間部5(エレクトロクロミック層5a、電解質層5b、劣化防止層5c)を介在させて硬化させた後、その外周縁を接着層6で封止する。接着層6には、予め、3つの開口部(第1開口部L1、第2開口部L2、第3開口部L3)が成形されている。
第1開口部L1は、第1電極部7の第1コンタクト層7bに対向させて配置され、当該第1コンタクト層7bと略同一輪郭を有している。第2開口部L2は、第2電極部8の第2コンタクト層8bに対向させて配置され、当該第2コンタクト層8bと略同一輪郭を有している。第3開口部L3は、中間部5に対向させて配置され、当該中間部5と略同一輪郭を有している。
この後、中間部5及び電極部7,8を挟んで双方の支持体9,10を貼り合わせる。これにより、エレクトロクロミック層5aが封入されたエレクトロクロミック素子11が製造される。続いて、当該エレクトロクロミック素子11を用いた熱成型加工及び玉型加工が行われる(図4参照)。
熱成型加工及び玉型加工において、例えば、上記したエレクトロクロミック素子11を用意する(図4(a))。エレクトロクロミック素子11に熱成型加工を施した後、この熱成型されたエレクトロクロミック素子11と光学レンズ12とを、シートインサートインジェクションにより貼り合せる(図4(b))。かくして、エレクトロクロミック素子11と光学レンズ12とから成るエレクトロクロミック装置1が製造される(図4(c))。
この後、エレクトロクロミック装置1に対する加工処理が行われる。加工処理では、予め設定された輪郭にエレクトロクロミック装置1を加工するための加工線13が設定される(図4(d))。この場合、加工線13と、上記した貫通構造S1,S2とが交差するように設定する。そして、加工線13に沿って玉型加工が行われることで、調光レンズユニット1が製造される。
この状態において、加工線13と貫通構造S1,S2とで囲まれた部分P1,P2の第2支持体10を除去する。これにより、電極部7,8の一部が第2支持体10の外面10aに沿って面状に延在された一対の電極取出部3,4が構成される(図4(e))。電極取出部3,4は、第2支持体10を介して外部に露出され、かつ、電極部7,8に対して1つずつ電気的に接続されている。
図4(e)には一例として、第1電極取出部3が拡大されている。上記した加工線13に沿った玉型加工により、調光レンズユニット1(調光レンズ本体2)の上部両端1tには、外方に突出した輪郭が残留する。電極取出部3,4は、この残留した部分の外面に沿って面状に延在されている。
「光学レンズ12」
光学レンズ12の材料としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アリルジグリコールカーボネート樹脂、ジアリルカーボネート樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ウレタン系樹脂、チオウレタン系樹脂、エピスルフィド系樹脂、メタクリレート系樹脂、シクロオレフィン系樹脂材料などの透明材料が好適に用いられるが、これらに限定されるものではない。
これらの透明樹脂を、一方の外側表面に接するようにして、溶融後再硬化させる、光又は熱を加えることにより硬化させる、光学透明粘着剤などで張り合わせる等により、光学レンズ12を接着形成することができる。ただし、光学レンズ12を接着形成する方法に関しては、これらの方法に限定されるものではない。例えば、インモールド射出成形、フィルム(シート)インサート射出成形、フィルム(シート)インサートキャスト成形、透明光学(光学透明)粘着/接着フィルムなどを用いて貼り合わせる等の工法が選択できる。
硬化後の曲率半径を硬化収縮などよる変形を考慮しつつ設定することで、光学レンズ12の入射面の曲率及び/又は出射面の曲率を調整することにより、エレクトロクロミック装置に任意の度数を付与することが可能である。また、光学レンズ12を形成後、切削加工にて所望の曲面形状を形成することで、ユーザー固有の条件に合わせたレンズ加工(度数加工など)が可能になる。即ち、製品形状ごとに金型や部材を準備することが不要となり、高精度な製品を多品種少量生産することが容易になる。
「一実施形態の作用効果」
本実施形態によれば、エレクトロクロミック素子11と光学レンズ12とから成るエレクトロクロミック装置1(調光レンズユニット)において、電源や駆動回路に電気的に接続させる部位(即ち、電極取出部3,4)を、面状に延在させつつ外部に露出させる。これにより、電源や駆動回路に対するエレクトロクロミック装置1(エレクトロクロミック素子11、調光レンズユニット1)の電気的接続についての安定化を図ることができる。
換言すると、電極取出部3,4を面状に延在させることで、当該電極取出部3,4に対する接触面積を増加させることができると共に、接触圧力の均一化を図ることができる。この結果、電気的な接触不良の発生を抑制することができる。かくして、長期に亘って安定的に使用し続けることが可能なエレクトロクロミック反応に優れた高い信頼性のエレクトロクロミック装置1(エレクトロクロミック素子11、調光レンズユニット1)を実現することができる。
「一実施形態の他の構成」
図5は、電極取出部3,4の他の配置構成図である。電極取出部3,4の配置は、上記した調光レンズ本体2(図1参照)の上部両端の突出部分に限定されることはなく、当該電極取出部3,4を面状に延在させることが可能な部分であればよい。
図5では一例として、電極取出部3,4は、調光レンズ本体となるべき部分の上部側に並んで配置されている。このため、貫通構造S1,S2は、直線状に延びる加工線13を囲むような輪郭を有して設定されている。この状態において、加工線13と貫通構造S1,S2とで囲まれた部分P1,P2の第2支持体10を除去する。これにより、電極部7,8の一部が第2支持体10の外面10aに沿って面状に延在された一対の電極取出部3,4が構成される。
「第1変形例」
図6は、第1変形例に係るエレクトロクロミック装置1(図1参照)の主要構成となるエレクトロクロミック素子11の断面図である。本変形例において、一対の電極取出部3,4は、共に、他方の支持体(即ち、第1支持体9)を介して外部に露出されている。なお、本変形例において、下記以外の他の構成、並びに、作用効果については、上記した一実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
第1貫通構造S1は、第1支持体9の外面9aから内面9bを貫通させて延在されている。第1貫通構造S1は、他方の電極部(例えば、第2電極部8)を回避しつつ、一方の電極部(例えば、第1電極部7)に達している。この場合、第1貫通構造S1によって、第1支持体9の一部が除去されている。これにより、第1電極部7の一部が外部に露出されて面状に延在されている。かくして、第1電極取出部3は、第1電極部7に対して電気的に接続されている。
第2貫通構造S2は、第1支持体9の外面9aから内面9bを貫通させて延在されている。第2貫通構造S2は、一方の電極部(例えば、第1電極部7)を回避しつつ、他方の電極部(例えば、第2電極部8)に達している。この場合、第2貫通構造S2によって、第1支持体9の一部が除去されている。これにより、第2電極部8の一部が外部に露出されて面状に延在されている。かくして、第2電極取出部4は、第2電極部8に対して電気的に接続されている。
「第2変形例」
図7は、第2変形例に係るエレクトロクロミック装置1(図1参照)の主要構成となるエレクトロクロミック素子11の断面図である。本変形例において、一対の電極取出部3,4は、双方の支持体(即ち、第1支持体9、第2支持体10)を介して外部に露出されている。
図7では一例として、第1貫通構造S1は、他方の支持体(即ち、第1支持体9)の外面9aから内面9bを貫通させて延在されている。第2貫通構造S2は、一方の支持体(即ち、第2支持体10)の外面10aから内面10bを貫通させて延在されている。なお、本変形例において、下記以外の他の構成、並びに、作用効果については、上記した一実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
第1貫通構造S1は、他方の電極部(例えば、第2電極部8)を回避しつつ、一方の電極部(例えば、第1電極部7)に達している。この場合、第1貫通構造S1によって、第1支持体9の一部が除去されている。これにより、第1電極部7の一部が外部に露出されて面状に延在されている。かくして、第1電極取出部3は、第1電極部7に対して電気的に接続されている。
第2貫通構造S2は、一方の電極部(例えば、第1電極部7)を回避しつつ、他方の電極部(例えば、第2電極部8)に達している。この場合、第2貫通構造S2によって、第2支持体10の一部が除去されている。これにより、第2電極部8の一部が外部に露出されて面状に延在されている。かくして、第2電極取出部4は、第2電極部8に対して電気的に接続されている。
「第3変形例」 図8は、第3変形例に係るエレクトロクロミック装置1(図1参照)の主要構成となるエレクトロクロミック素子11の断面図である。本変形例は、貫通構造S1,S2が構成される前(即ち、切れ込み部から第2支持体10を除去する前)の状態である。この場合、面状電極8cが、第2コンタクト層8bに接触させて追加されている。面状電極8cは、第1電極層7aと同時に製膜して形成するが、当該第1電極層7aとは繋がっていない。
第2電極層8aは、第2支持体10に製膜されており、当該支持体10の除去に際し、その除去される支持体10の部分と共に除去される可能性が高い。これを回避するための構成として、切れ込み部S2は、接着層6よりも外側に設けてあり、支持体10の除去後にも確実に第2コンタクト層8bを残留させ、これにより、第1支持体9上の面状電極8cを介して電気的に第2電極層8aとコンタクトさせる。
図9は、図8のエレクトロクロミック素子11の支持体除去後の断面図である。図9に示すように、第2電極層8aが、支持体10の除去部分と共に除去されても、確実に第2コンタクト層8bを残留させることができる。これにより、第1支持体9上の面状電極8cを介して電気的に第2電極層8aとコンタクトされ、その結果、電極取出部3,4から面状に電極部7,8を露出させることができる。
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本実施例では、図1〜図4に示す調光レンズユニット1(エレクトロクロミック装置)を製造する場合を想定する。
「第1電極部7の第1電極層7a、エレクトロクロミック層5aの成形」
まず、第1支持体9として、最大長軸長さ75.5mm×最大短軸長さ54mm、厚み0.3mmの楕円ポリカーボネート基板を準備した。そして、第1支持体9上に、ITO膜をスパッタ法により厚み約100nmに製膜して、第1電極層7aを形成した。
次に、ITO膜の表面に、酸化チタンナノ粒子分散液(商品名:SP210、昭和タイタニウム株式会社製、平均粒子径:20nm)をスピンコート法により塗布し、120℃で15分間アニール処理を行うことによって、厚み約1.0μmの酸化チタン粒子膜からなるナノ構造半導体材料を形成した。
続いて、下記の構造式(A)で表されるエレクトロクロミック化合物を1.5質量%含む2,2,3,3−テトラフロロプロパノール溶液をスピンコート法により塗布した後、120℃で10分間アニール処理を行うことにより、上記した酸化チタン粒子膜に担持(吸着)させて、エレクトロクロミック層5aを形成した。
Figure 2020160442
続いて、エレクトロクロミック層5a上に、平均一次粒径20nmのSiO2微粒子分散液(シリカ固形分濃度24.8質量%、ポリビニルアルコール1.2質量%、及び水74質量%)をスピンコートし、厚み2μmの絶縁性無機微粒子層を形成した。
「第2電極部8の第2電極層8aの形成」
第2支持体10として、第1支持体9と同一形状で同一厚みのポリカーボネート基板を準備した。第2支持体10には、予め、スリット状の貫通構造S1,S2(図3参照)を設ける。そして、第2支持体10上に、ITO膜をスパッタ法により厚み約100nmに製膜して、第2電極層8aを形成した。
「接着層6の形成」
次に、光学透明粘着シート(商品名:LA−50、日東電工社製)を、図3に示す形状に加工した後、第1電極層7a及びエレクトロクロミック層5aを形成した第1支持体9上に、ラミネート装置を用いて貼りつけた。
「電極部7,8のコンタクト層7b,8bの形成」
次に、導電性ペースト(ドータイトXA−910,藤倉化成社製)を、第1電極層7a及びエレクトロクロミック層5a並びに接着層6を形成した第1支持体9上の図3に示す位置に、ディスペンス装置を用いて塗布した。
「電解質層5b、劣化防止層5cの形成、及び、支持体9,10の貼り合せ」
続いて、第1支持体9上の絶縁性無機微粒子層表面に、ポリエチレングリコールジアクリレート(PEG400DA 日本化薬社製)と、光重合開始剤(IRG184、BASF社製)と、電解質(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩)とを、質量比(100:5:40)で混合した溶液をディスペンス装置を用いて塗布し、第2支持体10と真空貼り合せ装置を用いて貼り合わせ、紫外線(UV)硬化させて電解質層5bを形成した。加えて、形成した電解質層5b上に劣化防止層5cを形成する。
以上により、図2〜図3に示す熱成型前のエレクトロクロミック素子11を製造した。
「3D熱成型」
作製したエレクトロクロミック素子11を、曲率半径約130mmの凸金型と凹金型に146℃で加熱しながら挟み込むことで、3D球面形状を有する実施例1のエレクトロクロミック素子11を成形した(図4(b)参照)。
熱成型後におけるエレクトロクロミック素子11の曲面での支持体の最大長軸長さは76mmであり、熱成型後におけるエレクトロクロミック素子11の曲面での支持体の最大長軸長さは、熱成型前におけるエレクトロクロミック素子11の平面での支持体の最大長軸長さに対して、(76mm/75.5mm)×100=100.7%であった。
「光学レンズ12の接着形成」
熱成型後のエレクトロクロミック素子11に接着する光学レンズ12の材料として、ポリカーボネート樹脂のユーピロンCLS3400(三菱エンジニアリングプラスチックス社製)を用い、エレクトロクロミック素子11をモールド内にインサートし、射出成形によりレンズ形状に一体成形した(図4(c)参照)。かくして、エレクトロクロミック素子11と光学レンズ12とから成るエレクトロクロミック装置1が、シートインサートインジェクション成形された。
「光学レンズ12、エレクトロクロミック装置1の加工、及び、コンタクト部の露出」
その後、エレクトロクロミック装置1に接着して形成された光学レンズ12の表面を、切削加工により加工することで、曲率を持たせることができた。更に、エレクトロクロミック装置1(エレクトロクロミック素子11、光学レンズ12)に切削加工を施し、メガネフレームに収まる大きさに玉型加工する。
このとき、エレクトロクロミック装置1は、加工線13(図4(d)参照)に沿って、予め設定された輪郭に形成される。そして、加工線13と第1貫通構造S1(スリット)とで囲まれた部分P1,P2の第2支持体10を除去する。これにより、電極部7,8の一部が第2支持体10の外面10aに沿って面状に延在された一対の電極取出部3,4が構成された。
「発消色駆動」
製造された調光レンズユニット1(エレクトロクロミック装置)の発消色を確認した。具体的には、玉型加工で第2支持体10の外面10aに面状に露出させた電極取出部3,4を介して、第1電極部7(第1電極層7a)と第2電極部8(第2電極層8a)との間に電圧を印加する。このとき、第1電極層7aがマイナス極となるように、−3.5Vの電圧を3秒間印加する。そうすると、調光レンズユニット1(エレクトロクロミック装置)が、上記構造式(A)のエレクトロクロミック化合物に由来するマゼンタ色に安定的に発色することが確認できた。
「貫通構造S1,S2の形態」 上記した実施形態において、貫通構造S1,S2は、支持体9,10の外面9a,10aから内面9b,10bを貫通させて延在された切れ込み部(スリット)を想定したが、これに限定されることは無く、貫通させずに延在させた切れ込み部(非貫通の有底深溝)としてもよい。非貫通の切れ込み部でも、当該切れ込み部を境に支持体9,10を一部除去することができ、これにより、電極部7,8の一部が面状に露出した電極取出部3,4を構成することができる。
1…エレクトロクロミック装置(調光レンズユニット)、2…調光レンズ本体、3…第1電極取出部、4…第2電極取出部、5…中間部、5a…エレクトロクロミック層、5b…電解質層、5c…劣化防止層、6…接着層、7…第1電極部、7a…第1電極層、7b…第1コンタクト層、8…第2電極部、8a…第2電極層、8b…第2コンタクト層、9…第1支持体、10…第2支持体、11…エレクトロクロミック素子、S1…第1貫通構造、S2…第2貫通構造。
特開2018−132635号公報 WO 2017/104466 A1

Claims (6)

  1. エレクトロクロミック層を含んだ中間部と、
    前記中間部の両側に隣接させて配置された一対の電極部と、
    前記一対の電極部の両側に配置された一対の支持体と、
    一対の前記電極部に対して1つずつ電気的に接続された一対の電極取出部と、を有し、
    前記電極取出部は、前記支持体の切れ込み部を介して面状に露出されているエレクトロクロミック装置。
  2. 前記電極取出部は、予め設定された輪郭に前記エレクトロクロミック装置を加工するための加工線と、前記切れ込み部とが交差した状態において、前記加工線と前記切れ込み部とで囲まれた部分の前記支持体を除去することで、前記電極部の一部を前記支持体の外面に沿って面状に延在させて構成されている請求項1に記載のエレクトロクロミック装置。
  3. 請求項1又は2に記載の前記エレクトロクロミック装置を製造する方法であって、
    一方の前記支持体に一方の前記電極部を設ける工程と、
    他方の前記支持体に他方の前記電極部を設ける工程と、
    双方の前記電極部の間に介在させて前記中間部を設ける工程と、
    前記中間部を挟んで双方の前記支持体を貼り合わせる工程と、
    双方の或いはいずれかの前記支持体を介して外部に露出され、かつ、一対の前記電極部に対して1つずつ電気的に接続された前記一対の電極取出部を設ける工程と、を有し、
    前記電極取出部は、前記支持体の切れ込み部を介して面状に露出されているエレクトロクロミック装置の製造方法。
  4. 前記電極取出部は、予め設定された輪郭に前記エレクトロクロミック装置を加工するための加工線と、前記切れ込み部とが交差した状態において、前記加工線と前記切れ込み部とで囲まれた部分の前記支持体を除去することで、前記電極部の一部を前記支持体の外面に沿って面状に延在させて構成されている請求項3に記載のエレクトロクロミック装置の製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載の前記エレクトロクロミック装置を眼鏡レンズ状に加工した調光レンズユニットであって、
    一対の前記電極取出部の相互間には、光の透過率を変化させることが可能な調光レンズ本体が設けられ、
    前記調光レンズ本体は、前記中間部と、一対の前記電極部と、一対の前記支持体と、を有し、一対の前記電極取出部を介して一対の前記電極部の相互間に電圧を印加することで、可逆的に酸化還元反応が起こり、可逆的に色が変化する調光レンズユニット。
  6. エレクトロクロミック層を含んだ中間部と、
    前記中間部の両側に隣接させて配置された一対の電極部と、
    前記一対の電極部の両側に配置された一対の支持体と、
    一対の前記電極部に対して1つずつ電気的に接続された一対の電極取出部と、を有し、
    前記支持体には前記電極取出部に向け、前記支持体を貫通又は非貫通の切れ込み部が形成されているエレクトロクロミック素子。
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