JP2007292628A - フランジ締結監視装置 - Google Patents

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【課題】本発明の目的はガスケット本体の弾力性を低下させることなく安定したシール性能が得られるフランジ締結監視装置を提供することにある。
【解決手段】環状のガスケット本体5bは金属製波型薄板を渦巻状に密接巻回して形成されている。ガスケット本体5bの外周には、内周側に凹溝5dが形成されている外輪5aが密接配置されている。また、ガスケット本体5bの内周には内輪5cが密接配置されている。一対のフランジ1A、1Bはガスケット本体5bを介在させて複数本の締結ボルト4により締結される。フレキシブルシート型圧力センサー6は外輪の凹溝5aに周方向に沿って等間隔で複数個配置され、フランジ締結力によるガスケット本体5bの側圧力を測定する。締付状態判定装置10は圧力センサーで測定された側圧値によりフランジ締結力を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は発電プラント等の高圧流体が流れる配管を連結する一対のフランジの締結状態を監視するフランジ締結監視装置に関する。
一般に、発電プラント等の配管は一対のフランジ間にパッキンを介在させて連結している。特に、高圧流体(高圧蒸気)が流れる配管系統ではパッキンとして内外輪を装着したガスケットを使用している。一対のフランジは複数本の締結ボルトにより締結される。
ガスケット本体はステンレスなどの金属製波型薄板を渦巻状に密接巻回して環状に形成されている。波型薄板の間には黒鉛などの耐熱材を配置している。ガスケット本体の外周に密接配置される外輪は内周側に波型薄板の凸部を受入れる凹溝(V字溝)が形成されている。ガスケット本体の厚みは内輪、外輪よりも若干大きく形成される。
ところで、内部流体の漏出を防止するためには適正なガスケット締付面圧を必要とする。従来、ガスケット締付面圧を測定するには、2枚の電極をガスケット本体に埋め込み電極間の静電容量の変化により測定することが提案されている。このことは、例えば、下記に特許文献1に記載されている。また、従来技術としては、ガスケット本体にシート型圧力センサーを埋設したものもある。
特開平9−329281号公報
従来技術はガスケット本体に電極や圧力センサーなどを埋設して締付面圧を測定している。ガスケット本体に電極や圧力センサーなどのセンサーを埋設し、その上、センサーのリード線の引き廻しが必要になる。このため、ガスケット本体の弾力性が低下するためにシール性の悪化を招き、シール性能の安定性が得られないという問題点を有する。
本発明の目的はガスケット本体の弾力性を低下させることなく安定したシール性能が得られるフランジ締結監視装置を提供することにある。
本発明の特徴とするところはガスケット外輪の内周側に形成された凹溝にシート型圧力センサーを配置してガスケット締付面圧によるガスケット本体の側圧力を測定し、シート型圧力センサー測定された側圧値によりガスケット締付面圧を判定するようにしたことにある。
本発明はガスケット外輪の内周側に形成した凹溝に配置したシート型圧力センサーによって測定したガスケット本体の側圧力によりガスケット締付面圧を測定している。したがって、ガスケット本体にセンサーを埋設することなくガスケット締付面圧を測定できるので、ガスケット本体の弾力性を低下させることなく安定したシール性能を得てフランジ締付力を監視することができる。
環状のガスケット本体は金属製波型薄板を渦巻状に密接巻回して形成されている。ガスケット本体の外周には、内周側に凹溝が形成されている外輪が密接配置されている。また、ガスケット本体の内周には内輪が密接配置されている。一対のフランジはガスケット本体を介在させて複数本の締結ボルトにより締結される。フレキシブルシート型圧力センサーは外輪の凹溝に周方向に沿って等間隔で複数個配置され、フランジ締結力によるガスケット本体の側圧力を測定する。締付状態判定装置は圧力センサーで測定された側圧値によりフランジ締結力を判定する。
図1〜図6に本発明の第1の実施例を示す。図1は全体構成図、図2は一般に使用されているガスケットの一例を示す斜視図、図3は図2のA―A断面図、図4は第1の実施例におけるガスケットの平面図、図5は第1の実施例における要部構成図、図6は圧力センサーの一例構成図である。
図1は一対のフランジ1A、1Bの締結状態を示し、フランジ1A、1Bの間にガスケット(パッキン)5が介在して配置されている。フランジ1A、1Bには配管2A、2Bが連結されている。フランジ1A、1Bは貫通孔1aが穿設されており、貫通孔1aに締結ボルト4を挿通してナット3A、3Bで締結する。フランジ1A、1Bは周方向に沿って複数個の貫通孔1aが穿設されており、各貫通孔1a毎に締結ボルト4を挿通してナット3A、3Bを螺合することにより締結される。フランジ1A、1Bは複数本の締結ボルト4により締結される。
ガスケット5は図2、図3に示すように、金属製波型薄板を渦巻状に密接巻回して環状のガスケット本体5bを形成している。なお、波型薄板の間には黒鉛などの耐熱材を配置しているが図示を省略している。ガスケット本体5bは外周に外輪5aが密接配置され、また、内周に内輪5cが密接配置されている。外輪5aは内周側にガスケット本体5bの波型薄板の凸部を受入れるV字状の凹溝5dが形成されている。
ガスケット本体5b、外輪5a、内輪5cはステンレスなどで構成される。ガスケット本体5bの厚みは4.8mm程度で、内輪5c、外輪5bは3mm程度である。ガスケット本体5bの厚みはフランジ1A、1Bを締結ボルト4で締結すると3.8mm程度に圧縮される。
フレキシブルシート型圧力センサー6は図6に示すように構成されている。圧力センサー部6aに2本のフラットリード線6bが接続され、フレキシブルケーブル6dを介して2個の電極端子6cに接続される構成となっている。圧力センサー部6a、フラットリード線6b、フレキシブルケーブル6dは耐熱材が使用され、さらに、これらを高温高圧に強い絶縁被覆シート6eで覆い保護している。
外輪5bは図5に示すように凹溝5dと外周側の幅方向を貫通する貫通孔5eが穿設されている。フレキシブルシート型圧力センサー6は、圧力センサー部6aを外輪5aの凹溝5dに貼付し、電極端子6cを貫通孔5eから外輪5aの外周側に引出して配置される。シート型圧力センサー6の圧力センサー部6aは貫通孔5eの近傍に貼付される。
シート型圧力センサー6は図4に示すように外輪5aの凹溝に周方向に沿って等間隔で複数個配置される。図4は8個のシート型圧力センサー6を設けた例を示している。シート型圧力センサー6はガスケット本体5bに加わる図1に矢印で示すフランジ締結力(面圧力)によるガスケット本体5bの側圧力(横膨出圧力)を測定する。
各シート型圧力センサー6で測定された側圧値(側圧力)は電極端子6cからパソコン10に加えられる。パソコン10は側圧値によりフランジ締結力を判定する締付状態判定装置を構成する。
この構成において、一対のフランジ1A、1Bは貫通孔1a毎に締結ボルト4を挿通してナット3A、3Bを螺合することにより締結される。フランジ1A、1Bを締結することによって、ガスケット本体5bには図1に図示上下方向矢印で示す面圧力P1が加わる。ガスケット本体5bは4.8mm程度の厚みが3.8mm程度に圧縮される。
ガスケット本体5bが圧縮されると、図1に図示横方向矢印で示すガスケット本体5bの側圧力P2がシート型圧力センサー6の圧力センサー部6aに加えられる。圧力センサー部6aは側圧力P2により電気抵抗が変化する。圧力センサー部6aの電気抵抗変化は電極端子6cからパソコン10に伝送される。
パソコン10には予めガスケット本体5bの面圧力P1と圧縮力(側圧力)P2の相関性のデータが登録されている。面圧力P1と圧縮力(側圧力)P2との関係は図7に示すような特性になる。したがって、ガスケット本体5bの側圧力P2により面圧力P1を測定することができる。ガスケット本体5bの面圧力P1と側圧力P2の相関性はガスケット本体5bの材質構成により変化する。
このようにしてガスケットの締付面圧を測定するのであるが、ガスケット外輪の内周側に形成した凹溝に配置したシート型圧力センサーによって測定したガスケット本体の側圧力によりガスケット締付面圧を測定している。したがって、ガスケット本体にセンサーを埋設することなくガスケット締付面圧を測定できるので、ガスケット本体の弾力性を低下させることなく安定したシール性能を得てフランジ締付力を監視することができる。
図8に本発明における第2の実施例の要部を示す。図8はフレキシブルシート型圧力センサー6の圧力センサー部6aを外輪5aの凹溝5dに貼付すると共に、フレキシブルケーブル6dを外輪5aの外面に貼付して電極端子6cを外輪5aの外周側に引出すようにしたものである。
実施例2は外輪5aに貫通孔を穿設するという加工を施すことを不要にできるという実用上の効果を奏し得る。
図9〜図12に本発明の第3の実施例を示す。実施例3はフレキシブルシート型圧力センサー6の電極端子6cをフレキシブルケーブル化したものである。入出力電極集合型フレキシブルケーブル6fを外輪5aの外周部に貼り付け、入出力電極端子6gを一箇所に集約した構成にしている。
実施例3は入出力電極端子6gが単一になるので測定をしながらフランジ締結作業が同時に行え作業効率が上がるという効果を奏し得る。
図10は図9の外輪5aの外周部に貼り付けた入出力電極集合型フレキシブルケーブル6fと電極端子6cの接合部を示す。図11は外輪5aの外周部に貼り付けた入出力電極集合型フレキシブルケーブル6fの配置図を示す。図10(a)、図11(a)は実施例1の貫通孔方式で、図10(b)、図11(b)は実施例2の外輪外面貼付方式である。
図12は貫通孔方式における外輪5aの外周部に貼り付けた入出力電極集合型フレキシブルケーブル6fの立体的な配置図を示す。
図13〜図16に本発明の第4の実施例を示す。実施例4は電極端子6cにICチップ
7を接続し、シート型圧力センサー6の圧力データを送信するようにしたものである。
図14はフレキシブルシート型圧力センサー6の電極端子6cにICチップ7を接続した構成を示す。図13に示すように、外輪5aの外周部に配置されたICチップ7から発信された圧力データをICチップリーダー8により読み取りパソコン10に送信するようにしている。
図15は外輪5aの外周部に配置されたICチップ7の状態図を示す。図16はICチップ7とシート型圧力センサー6の立体的な配置図を示す。
図17に本発明の第5の実施例を示す。実施例5は外輪5aの外周部に配置されたフレキシブルケーブル6fにガスケット本体5bの側圧力に応じて色調が変化するLED6hを設けたものである。
実施例5はフランジ部全体の締結状態を感覚的に確認することができる。
図18に本発明の第6の実施例を示す。実施例6は図13〜図16に示す実施例4のICチップ6のアンテナ部にガスケット本体5bの側圧力に応じて色調が変化するLED7aを設けたものである。
実施例6はパソコンに圧力データを信号線を引き廻すことなく送信でき、フランジ部全体の締結状態を感覚的に確認することができる。
図19に本発明の第7の実施例を示す。実施例7はICチップ7によりシート型圧力センサー6の圧力データを送信してフランジ締付力を遠隔監視するものである。
以上のようにしてガスケットの締付面圧を測定するのであるが、ガスケット外輪の内周側に形成した凹溝に配置したシート型圧力センサーによって測定したガスケット本体の側圧力によりガスケット締付面圧を測定している。したがって、ガスケット本体にセンサーを埋設することなくガスケット締付面圧を測定できるので、ガスケット本体の弾力性を低下させることなく安定したシール性能を得てフランジ締付力を監視することができる。
なお、上述の実施例はガスケットに内輪を設けているが、ガスケットに内輪を装着しないでフランジに円状突起を形成しガスケット本体を嵌着するようにしてもよいことは勿論のことである。
本発明の第1の実施例を示す全体構成図である。 一般に使用されているガスケットの一例を示す斜視図である。 図2のA−A断面図である。 第1の実施例におけるガスケットの平面図である。 第1の実施例における要部構成図である。 圧力センサーの一例構成図である。 本発明を説明するための圧力特性図である。 本発明の第2の実施例を示す要部構成図である。 本発明の第3の実施例におけるガスケットの平面図である。 第3の実施例における要部構成図である。 第3の実施例における要部構成図である。 第3の実施例における要部構成図である。 本発明の第4の実施例を示す要部構成図である。 第4の実施例における要部構成図である。 第4の実施例における要部構成図である。 第4の実施例における要部構成図である。 本発明の第5の実施例を示す要部構成図である。 本発明の第6の実施例を示す要部構成図である。 本発明の第7の実施例を示す構成図である。
符号の説明
1A、1B…フランジ、2A、2B…配管、3…ナット、4…締結ボルト、5…ガスケット、5a…ガスケット外輪、5b…ガスケット本体、5c…ガスケット内輪、5d…外輪凹部、5e…貫通孔、6…フレキシブルシート型圧力センサー、6a…圧力センサー部、6b…フラットリード線、6c…電極端子、6d…フレキシブルケーブル、6e…絶縁被覆シート、6f…入出力電極集合型フレキシブルケーブル、6g…入出力集合端子、7…ICチップ、8…ICチップリーダー、10…パソコン。

Claims (3)

  1. 内周側に凹溝が形成されている外輪を有するガスケット本体を一対のフランジ間に介在させ、前記一対のフランジを複数本の締結ボルトにより締結するものにおいて、前記外輪の凹溝に配置され、前記ガスケット本体の側圧力を測定するシート型圧力センサーと、前記圧力センサーで測定された側圧値によりフランジ締結状態を判定する締付状態判定装置とを具備することを特徴とするフランジ締結監視装置。
  2. 波型薄板を渦巻状に密接巻回して形成した環状のガスケット本体と、前記ガスケット本体の外周に密接配置され、内周側に凹溝が形成されている外輪と、前記ガスケット本体の内周に密接配置されている内輪と、前記ガスケット本体を介在させて複数本の締結ボルトにより締結される一対のフランジと、前記外輪の凹溝に周方向に沿って等間隔で複数個配置され、フランジ締結力による前記ガスケット本体の側圧力を測定するシート型圧力センサーと、前記圧力センサーで測定された側圧値によりフランジ締結力を判定する締付状態判定装置とを具備することを特徴とするフランジ締結監視装置。
  3. 締結ボルトにより締結される一対のフランジ間に介在されるガスケットであって、前記ガスケットは、金属製波型薄板を渦巻状に密接巻回して形成した環状のガスケット本体と、前記ガスケット本体の外周に密接配置され、内周側に凹溝が形成されている外輪と、前記ガスケット本体の内周に密接配置されている内輪と、前記外輪の凹溝に配置され、フランジ締結力による前記ガスケット本体の側圧力を測定するフレキシブルシート型圧力センサーとを有することを特徴とするガスケット。
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