JP2007292144A - 多極磁石エンコーダ付き密封装置該密封装置を備えた転がり軸受及び車輪支持用軸受ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】多極磁石エンコーダを軸受外方から遮蔽して保護するとともに、精度の高い検出領域とシール領域を軸受端部領域で径方向に広範囲に確保できる構造であって、一回の圧入操作で簡単かつ安価に組み込むことができるユニット化された多極磁石エンコーダ付き密封装置を提供する。
【解決手段】内輪2と外輪3との間の端部領域Fに備えられ、内輪2に取り付けられる多極磁石エンコーダ1を備えた第一のシール部材13と、外輪3に取り付けられ、第一円筒部14との間で接触のシール領域22…を形成する第二のシール部材17と、前記多極磁石エンコーダ1を軸受外方から遮蔽するとともに、内輪2との間で接触のシール領域26を形成するシールリップ7を備えたカバー部材4とで構成され、環状のカバー部材4は、第二のシール部材17と一体にかしめ固定されることで、第一のシール部材13、第二のシール部材17及びカバー部材4とがユニット化される。
【選択図】図1
【解決手段】内輪2と外輪3との間の端部領域Fに備えられ、内輪2に取り付けられる多極磁石エンコーダ1を備えた第一のシール部材13と、外輪3に取り付けられ、第一円筒部14との間で接触のシール領域22…を形成する第二のシール部材17と、前記多極磁石エンコーダ1を軸受外方から遮蔽するとともに、内輪2との間で接触のシール領域26を形成するシールリップ7を備えたカバー部材4とで構成され、環状のカバー部材4は、第二のシール部材17と一体にかしめ固定されることで、第一のシール部材13、第二のシール部材17及びカバー部材4とがユニット化される。
【選択図】図1
Description
本発明は、各種車両の車輪を支持する転がり軸受に備えられ、車体側に備えた磁気センサにより車輪の回転速を検出するための多極磁石エンコーダを有した密封装置、その密封装置を備えた転がり軸受及び車輪支持用軸受ユニットに関する。なお、本明細書において車輪とは、自動車の車輪にかかわらず鉄道車両の車輪などの全てを総称するものとする。
例えば自動車には、車輪の回転速(車輪速)を検出する回転検出装置が備えられており、回転側(車輪軸受側)に配した多極磁石エンコーダと、該多極磁石エンコーダに対向させるように車体側に配した磁気センサとからなるものが知られている。このような回転検出装置は、例えば、トラクションコントロールシステム(Traction Control System、略称TCS)や、カーナビゲーションシステム(Satellite navigation system)や、アンチロックブレーキシステム(Anti-lock brake system、略称ABS)などに利用されている。
従来、多極磁石エンコーダとして、図8に示すような円環状に形成されたゴム製の多極磁石エンコーダ(例えばフェライト粉に結合材としてゴム材を混合したものに着磁し、周方向にS極とN極が交互に備えられる)1が知られており、転がり軸受に組み込まれている密封装置を構成する断面視逆L字形状のシール部材(例えばスリンガ)における軸受外方に向いた側周面に、その磁極を軸受外方に向けた状態で一体に備えていた。すなわち、多極磁石エンコーダ1は軸受外方にて露呈状に備えていたものがある。
従来、多極磁石エンコーダとして、図8に示すような円環状に形成されたゴム製の多極磁石エンコーダ(例えばフェライト粉に結合材としてゴム材を混合したものに着磁し、周方向にS極とN極が交互に備えられる)1が知られており、転がり軸受に組み込まれている密封装置を構成する断面視逆L字形状のシール部材(例えばスリンガ)における軸受外方に向いた側周面に、その磁極を軸受外方に向けた状態で一体に備えていた。すなわち、多極磁石エンコーダ1は軸受外方にて露呈状に備えていたものがある。
このようにゴム製の多極磁石エンコーダ1が軸受外方にて露呈状に配されていると、土砂などの塵埃、さらには路面状況によっては鉄屑(磁性体の塵埃)などが多極磁石エンコーダ1の表面(軸受外方に向いている外面1a)に付着し易い。このように異物が付着することで多極磁石エンコーダの表面の摩耗を進行させてしまうという不都合が生じていた。多極磁石エンコーダ1の表面が摩耗すると、磁束密度の低下や、磁束信号の精度低下を招くこととなる。
また、磁性体の塵埃が表面に付着してしまうと、信号精度が低下してしまうという問題もあった。
そこで昨今、多極磁石エンコーダ付きの密封装置を組み込んだ転がり軸受で、塵埃の付着を防止し得る先行技術の一例として、例えば特許文献1に開示の技術が提供されている。
また、磁性体の塵埃が表面に付着してしまうと、信号精度が低下してしまうという問題もあった。
そこで昨今、多極磁石エンコーダ付きの密封装置を組み込んだ転がり軸受で、塵埃の付着を防止し得る先行技術の一例として、例えば特許文献1に開示の技術が提供されている。
特許文献1は、例えば図5に示すように、多極磁石エンコーダ1を、回転する内輪2の外径から径方向に一体に立ち上げて軸受内方に配置させるとともに、その多極磁石エンコーダ1の外方に、所定の隙間(エアギャップ)を介して内外輪2,3間の端部領域Fを軸受外方から遮蔽するように固定の外輪3に一体に取り付けたシール部材100を備え、そのシール部材100の外方から磁気センサSによってセンシングする技術である。
この先行技術の場合、多極磁石エンコーダ1とシール部材100とが、径方向(矢印Yで示す方向)で並設して備えられている。
この先行技術の場合、多極磁石エンコーダ1とシール部材100とが、径方向(矢印Yで示す方向)で並設して備えられている。
この多極磁石エンコーダ1からの磁束は均一ではなく、中心部領域A1が高めであることから、その高めの領域A1に磁気センサSを位置させてセンシングするのが精度上好ましいものである。このため精度を高めるためには検出領域を前記高めの領域A1とする必要があった。
しかし、特許文献1に開示の技術によると、図5及び図6に示すように、多極磁石エンコーダ1とシール部材100のシールリップ領域が径方向に並んで配置されているものであるため、それぞれ径方向の制限を受けてしまい、狭い空間領域で多極磁石エンコーダ1を配設しなければならず、必然的に径方向幅の狭い多極磁石エンコーダ1しか配設し得ないのが現状である。
よって、精度の高い検出領域(中心部領域A1)はさらに狭い領域となり、検出精度の信頼性が劣ってしまう虞もある。
さらに、シール部材100の領域も径方向の制限を受けてしまい、狭い領域でシール性能を満たさなければならないという問題も抱えている。
すなわち、エンコーダ出力とシール性能のバランスを取ることが困難であった。
しかし、特許文献1に開示の技術によると、図5及び図6に示すように、多極磁石エンコーダ1とシール部材100のシールリップ領域が径方向に並んで配置されているものであるため、それぞれ径方向の制限を受けてしまい、狭い空間領域で多極磁石エンコーダ1を配設しなければならず、必然的に径方向幅の狭い多極磁石エンコーダ1しか配設し得ないのが現状である。
よって、精度の高い検出領域(中心部領域A1)はさらに狭い領域となり、検出精度の信頼性が劣ってしまう虞もある。
さらに、シール部材100の領域も径方向の制限を受けてしまい、狭い領域でシール性能を満たさなければならないという問題も抱えている。
すなわち、エンコーダ出力とシール性能のバランスを取ることが困難であった。
そこで上述の問題点は、この多極磁石エンコーダ1とシール部材100とが、軸受の軸方向に並設されて備えられることで解消され得るという点に鑑み、特許文献2に開示の多極磁石エンコーダ付き密封装置が提供されている。
特許文献2に開示の多極磁石エンコーダ付き密封装置は、例えば図7に示すように、第一のシール部材13と第二のシール部材17とカバー部材4とで構成されており、多極磁石エンコーダ1とシール21とが、軸受の軸方向(矢印Xで示す方向)で並設されて備えられている。具体的には次の通りである。
第一のシール部材13は、内輪外径2aに取り付けられる第一円筒部14と、外輪3の方向に向けて前記第一円筒部14から延設された第一円板部15とを有する、いわゆるスリンガで、該第一円板部15における軸方向で外方に向いた外面15cに多極磁石エンコーダ1を備えている。
第二のシール部材17は、外輪内径3aに取り付けられ、前記第一のシール部材13の第一円筒部14との間で接触のシール領域22,23を形成している。
カバー部材4は、外輪外径3cに固定される円筒部44と、内輪2の方向に向けて円筒部44から延設され、前記多極磁石エンコーダ1を軸受外方から遮蔽する遮蔽部45と、該遮蔽部45の内径に環状に固定され、内輪2との間で接触のシール領域26を形成する環状のシールリップ46を備えた環状のカバー部材とで構成されている。
第一のシール部材13は、内輪外径2aに取り付けられる第一円筒部14と、外輪3の方向に向けて前記第一円筒部14から延設された第一円板部15とを有する、いわゆるスリンガで、該第一円板部15における軸方向で外方に向いた外面15cに多極磁石エンコーダ1を備えている。
第二のシール部材17は、外輪内径3aに取り付けられ、前記第一のシール部材13の第一円筒部14との間で接触のシール領域22,23を形成している。
カバー部材4は、外輪外径3cに固定される円筒部44と、内輪2の方向に向けて円筒部44から延設され、前記多極磁石エンコーダ1を軸受外方から遮蔽する遮蔽部45と、該遮蔽部45の内径に環状に固定され、内輪2との間で接触のシール領域26を形成する環状のシールリップ46を備えた環状のカバー部材とで構成されている。
しかし、第一のシール部材13と第二のシール部材17は、内輪2と外輪3の間の端部領域Fに嵌合させて組み込み、そしてカバー部材4は、その円筒部44を外輪外径3cに嵌合させるとともに、そのシールリップ46を内輪2の端面2cに摺接させる構成であったため、各シール部材13,17とカバー部材4とを別々に圧入する必要があった。その結果、圧入機の増設や生産ラインの延長などの対応が強いられることとなる虞れがある。
特開平10−160744号公報
特開2002−267680号公報
本発明は、このような課題を解決するためになされており、その目的は、多極磁石エンコーダを軸受外方から遮蔽して保護するとともに、精度の高い検出領域とシール領域を軸受端部領域で径方向に広範囲に確保できる構造であって、一回の圧入操作で簡単かつ安価に組み込むことができるユニット化された多極磁石エンコーダ付き密封装置及びその密封装置を備えた転がり軸受、車輪支持用軸受ユニットを提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明の第1の発明は、同心円に配された回転部材と固定部材との間の端部領域に備えられ、回転部材に取り付けられる第一円筒部と、固定部材方向に向けて前記第一円筒部から延設された環状の第一円板部とを有し、該第一円板部における軸方向で外方に向いた外面に、多極磁石エンコーダを備えた第一のシール部材と、固定部材に取り付けられ、前記第一のシール部材の第一円筒部との間で接触若しくは非接触のシール部を形成する第二のシール部材と、前記多極磁石エンコーダを軸受外方から遮蔽するとともに、回転部材との間で接触のシール領域を形成する環状のシールリップを備えた環状のカバー部材とで構成されている密封装置であって、環状のカバー部材は、第二のシール部材と一体に固定されてユニット化されていることを特徴とするとしたことである。
第2の発明は、第1の発明において、第一のシール部材は、断面視略T字形状に形成され、第一円板部とともに、該第一円板部と径方向で反対方向に延設され、組み込み時に軸方向内面が内輪端面と当接可能な環状の位置決め用円板部を備え、カバー部材のシールリップが、前記位置決め用円板部の軸方向外面に摺接して接触のシール領域を形成することを特徴とする多極磁石エンコーダ付き密封装置としたことである。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、第二のシール部材が、円筒状に形成された第二円筒部と、回転部材方向に向けて第二円筒部から延設された環状の第二円板部を備え、カバー部材は、第二のシール部材の第二円筒部の外径に嵌合可能な円筒部と、回転部材方向に向けて該円筒部から延設され、多極磁石エンコーダを軸受外方から遮蔽する環状の遮蔽部と、該遮蔽部の端部に環状のシールリップを備え、前記カバー部材の円筒部の端部をかしめて第二のシール部材に固定したことを特徴とする多極磁石エンコーダ付き密封装置としたことである。
第4の発明は、回転部材が内輪、固定部材が外輪で、該内輪と外輪との間の端部領域に密封装置を組み込み、該密封装置の外方近傍に備えられる磁気センサにより車輪速を検出する転がり軸受において、前記密封装置として、第1乃至第3のいずれかの発明の多極磁石エンコーダ付き密封装置を用いたことを特徴とする転がり軸受としたことである。
第5の発明は、一列若しくは複数列の軌道面を有したハブと、該ハブのインボード側外周に嵌め込まれ、前記軌道面と隣接する一列若しくは複数列の軌道面を有した内輪とで構成されるか、又はハブの外周に嵌め込まれ、複数列の軌道面を有した内輪とで構成される回転部材と、前記回転部材の複数列の軌道面と対向する複数列の軌道面を有した固定部材と、前記回転部材の軌道面と固定部材の軌道面との間に組み込まれる複数個の転動体と、前記回転部材と固定部材との間の端部領域に組み込んで軸受の内部空間を密閉する密封装置と、該密封装置の外方近傍に備えられる磁気センサにより車輪速を検出する車輪支持用軸受ユニットにおいて、前記密封装置として、第1乃至第3のいずれかの発明の多極磁石エンコーダ付き密封装置を用いたことを特徴とする車輪支持用軸受ユニットとしたことである。
第6の発明は、第5の発明の車輪支持用軸受ユニットが、少なくとも回転部材に制動部材及びホイールが固定されるフランジを備えているか、固定部材に車体側に固定されるフランジが備えられていることを特徴とする車輪支持用軸受ユニットとしたことである。
本発明によれば、多極磁石エンコーダを軸受外方から遮蔽して保護するとともに、精度の高い検出領域とシール領域を軸受端部領域で径方向に広範囲に確保できる構造であって、一回の圧入操作で簡単かつ安価に組み込むことができるユニット化された多極磁石エンコーダ付き密封装置及びその密封装置を備えた転がり軸受、車輪支持用軸受ユニットを提供できた。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、本実施形態は、本発明の一実施形態にすぎずなんらこれに限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内で設計変更可能である。本実施例では、車輪の一例として自動車の車輪をもって説明するが、単なる一例であって鉄道車両の車輪などその他の車輪であってもよい。
「実施例1」
「実施例1」
図1は、本発明の転がり軸受の一例として自動車の車輪支持用転がり軸受を示す。
本実施例の転がり軸受は、同心円に配して相対回転可能とした回転部材としての内輪2と固定部材としての外輪3と、内輪2の外径2aに備えた軌道面2bと、外輪3の内径3aに備えた軌道面3bとの間で図示しない保持器を介して組み込まれた複数個の転動体と、内輪2と外輪3の端部領域Fに組み込まれて内外輪2,3間の環状の軸受内空間を密封する密封装置Mとで構成されている。なお、本実施例では、転動体を図示省略するが、玉、ころのいずれを採用することも本発明の範囲内である。
また、図中破線は、多極磁石エンコーダ1に向けて固定側(車体側)に配置され、多極磁石エンコーダ1の磁気信号をセンシングする磁気センサSを示す。
密封装置Mは、インボード側(車体側)とアウトボード側(ホイール側)に備えられ、インボード側の密封装置として本発明の多極磁石エンコーダ付き密封装置12が採用されている。アウトボード側の密封装置は特に図示省略するが、軸受内に封入した潤滑剤(例えば、グリース、油)が軸受外部に漏洩したり、異物(例えば、水、塵埃)が軸受内部に侵入したりすることを防止可能な周知の密封装置、例えば接触シール、非接触シール(シールドを含む)が本発明の範囲内で適宜選択される。また、芯金やシールリップの有無なども設計変更可能である。
このように、本実施例の転がり軸受は、インボード側に組み込まれる多極磁石エンコーダ付き密封装置12に特徴的な構成を有し、それ以外の軸受構成にあっては周知形態であるため、以下、本発明の特有構成である多極磁石エンコーダ付き密封装置12について具体的に説明し、それ以外の軸受構成についての説明は上述の程度に留める。
また、特に図示はしないが、背面組合せ軸受の外輪を一体化した複列アンギュラ玉軸受又は複列円すいころ軸受(第一世代)に本発明を適用することも可能である。
また、本実施例では、内輪回転の形態であるが、外輪回転の場合であっても適用可能である。
本実施例の転がり軸受は、同心円に配して相対回転可能とした回転部材としての内輪2と固定部材としての外輪3と、内輪2の外径2aに備えた軌道面2bと、外輪3の内径3aに備えた軌道面3bとの間で図示しない保持器を介して組み込まれた複数個の転動体と、内輪2と外輪3の端部領域Fに組み込まれて内外輪2,3間の環状の軸受内空間を密封する密封装置Mとで構成されている。なお、本実施例では、転動体を図示省略するが、玉、ころのいずれを採用することも本発明の範囲内である。
また、図中破線は、多極磁石エンコーダ1に向けて固定側(車体側)に配置され、多極磁石エンコーダ1の磁気信号をセンシングする磁気センサSを示す。
密封装置Mは、インボード側(車体側)とアウトボード側(ホイール側)に備えられ、インボード側の密封装置として本発明の多極磁石エンコーダ付き密封装置12が採用されている。アウトボード側の密封装置は特に図示省略するが、軸受内に封入した潤滑剤(例えば、グリース、油)が軸受外部に漏洩したり、異物(例えば、水、塵埃)が軸受内部に侵入したりすることを防止可能な周知の密封装置、例えば接触シール、非接触シール(シールドを含む)が本発明の範囲内で適宜選択される。また、芯金やシールリップの有無なども設計変更可能である。
このように、本実施例の転がり軸受は、インボード側に組み込まれる多極磁石エンコーダ付き密封装置12に特徴的な構成を有し、それ以外の軸受構成にあっては周知形態であるため、以下、本発明の特有構成である多極磁石エンコーダ付き密封装置12について具体的に説明し、それ以外の軸受構成についての説明は上述の程度に留める。
また、特に図示はしないが、背面組合せ軸受の外輪を一体化した複列アンギュラ玉軸受又は複列円すいころ軸受(第一世代)に本発明を適用することも可能である。
また、本実施例では、内輪回転の形態であるが、外輪回転の場合であっても適用可能である。
多極磁石エンコーダ付き密封装置12は、図1に示すように、内輪2に固定される第一のシール部材13と、第一のシール部材13との間で接触のシール領域を形成する第二のシール部材17と、第二のシール部材17を一体に固定し、該第二のシール部材17とともに外輪3に固定されるカバー部材4で構成されており、この第一のシール部材13と第二のシール部材17とカバー部材4を組み合わせて断面視略矩形状にユニット化される、いわゆるパックシールとして提供されるものである。
第一のシール部材13は、回転部材である内輪2に固定されて内輪2とともに回転するスリンガで、内輪2の外径端部領域に嵌合固定される内径に形成された第一円筒部14と、該第一円筒部14から外輪3の方向に向けて径方向に延設される環状の第一円板部15と、第一円筒部14から、前記第一円板部15と径方向で反対方向に延設された位置決め用円板部10を備えた断面視略T字形状に形成されている。
すなわち、本実施例では、第一円筒部14が、内輪2の外径端部領域で軸受内方に向けて所定長さ延設された位置で折り畳まれた状態に曲げ加工されてなり、その円筒部外径14aを構成する側から、外輪3の方向に向けて径方向に第一円板部15が環状一体に延設されるとともに、円筒部内径14bを構成する側から、内輪端面2cの方向に向けて径方向に位置決め用円板部10が環状一体に延設される。
本実施例では、この第一円板部15と位置決め用円板部10が、径方向で同一平面に形成されている。
すなわち、本実施例では、第一円筒部14が、内輪2の外径端部領域で軸受内方に向けて所定長さ延設された位置で折り畳まれた状態に曲げ加工されてなり、その円筒部外径14aを構成する側から、外輪3の方向に向けて径方向に第一円板部15が環状一体に延設されるとともに、円筒部内径14bを構成する側から、内輪端面2cの方向に向けて径方向に位置決め用円板部10が環状一体に延設される。
本実施例では、この第一円板部15と位置決め用円板部10が、径方向で同一平面に形成されている。
この第一のシール部材13は、例えばオーステナイト系ステンレス鋼(SUS303等)などの非磁性材料からなり、第一円筒部14は内輪外径2aに嵌合可能な内径に形成され、第一円板部15は、組み込み時において外輪内径3aに固定される第二のシール部材17との間に、所定の径方向隙間(ラビリンス隙間)L1が形成される円板形状に形成され、位置決め用円板部10は、組み込み時において、その軸方向内面10aが内輪端面2cに当接可能な円板形状に形成されている。この位置決め用円板部10は、図示例によれば、第一円板部15よりも断面形状で短く形成されているが、実施の一例にすぎず、長短は特に限定解釈されるものではなく、後述するカバー部材4のシールリップが摺動可能な面を提供し得る形状であればよい。なお、軸方向内面10aにあっては内輪端面10cとの密着性のため、外面10bにあってはシールリップ7のシール良好性のため、ともに凹凸のない平坦面に形成されることが好ましい。
そして、この第一のシール部材13の第一円板部15の軸方向外面15cに対して、該第一円板部15の外面15c領域と同一領域の円板形状に多極磁石エンコーダ1が加硫成形されている。多極磁石エンコーダ1の径方向端部1bは、第一円板部15の径方向端部15bと同一平面とし、第一円板部15と同様に第二のシール部材17との間に所定の径方向隙間(ラビリンス隙間)L2が形成される。
多極磁石エンコーダ1は、軸受の端部領域Fにて、内面1c側が第一円板部外面15cに固着されるとともにその磁極(外面1a側)を軸受外方に向けた状態で備えられている。
本実施例では、多極磁石エンコーダ1を第一円板部15に加硫成形により一体に固着するものとしているため、第一円板部15の外面15cに加硫成形した後に着磁させることとなる。多極磁石エンコーダ1は、図8に示す従来構造と同様である。
なお、多極磁石エンコーダ1は、別途成形・着磁した後に、第一円板部15の外面15cに接着剤などを介して固着させることも可能である。
また、本実施例では、この多極磁石エンコーダ1が、ゴム製の多極磁石エンコーダである実施の一例をもって説明するが、樹脂製であってもよく、その他周知の多極磁石エンコーダが仕様に応じて適宜選択可能である。
多極磁石エンコーダ1は、軸受の端部領域Fにて、内面1c側が第一円板部外面15cに固着されるとともにその磁極(外面1a側)を軸受外方に向けた状態で備えられている。
本実施例では、多極磁石エンコーダ1を第一円板部15に加硫成形により一体に固着するものとしているため、第一円板部15の外面15cに加硫成形した後に着磁させることとなる。多極磁石エンコーダ1は、図8に示す従来構造と同様である。
なお、多極磁石エンコーダ1は、別途成形・着磁した後に、第一円板部15の外面15cに接着剤などを介して固着させることも可能である。
また、本実施例では、この多極磁石エンコーダ1が、ゴム製の多極磁石エンコーダである実施の一例をもって説明するが、樹脂製であってもよく、その他周知の多極磁石エンコーダが仕様に応じて適宜選択可能である。
カバー部材4は、外輪3の内径3aに嵌合可能な外径5aをもって円筒状に形成された円筒部5と、該円筒部5から内輪2の方向に向けて径方向に延設された環状一体の円板状の遮蔽部6と、該遮蔽部6の内径全域から延設された環状一体のシールリップ7とで構成されている。
円筒部5は、端部領域Fで、第一のシール部材13とともに軸受内に組み込まれた時に、第一のシール部材13の第一円板部外面15cに備えた多極磁石エンコーダ1よりも軸受の外方向に突出するように長尺円筒状に形成される。
遮蔽部6は、軸受の端部領域Fを周方向全域にわたって覆い隠す程度の環状面部を有する円板状に形成されている。
なお、遮蔽部6と多極磁石エンコーダ1とは、可能な限り近接させ、軸受外方に配設した磁気センサSまでの距離を可能な限り短くして磁気信号精度の信頼性を得られるものとするのが好ましい。
なお、遮蔽部6と多極磁石エンコーダ1とは、可能な限り近接させ、軸受外方に配設した磁気センサSまでの距離を可能な限り短くして磁気信号精度の信頼性を得られるものとするのが好ましい。
シールリップ7は、遮蔽部6の内径全域にゴム材料をもって加硫成形され、リップ基端側7aからリップ先端7bに向けて、カバー部材内方に傾斜状に形成されている。
このシールリップ7が、前記第一のシール部材13の位置決め用円板部10の軸方向外面10bに摺接して接触のシール領域26を形成する
なお、本実施例では、単一のリップの場合を図示するが、複数リップであってもよく、そのリップの本数や形状などは本発明の範囲内で設計変更可能である。また本実施例では、ゴム材からなるもので説明したが軟質樹脂材からなるものであってもよい。
このシールリップ7が、前記第一のシール部材13の位置決め用円板部10の軸方向外面10bに摺接して接触のシール領域26を形成する
なお、本実施例では、単一のリップの場合を図示するが、複数リップであってもよく、そのリップの本数や形状などは本発明の範囲内で設計変更可能である。また本実施例では、ゴム材からなるもので説明したが軟質樹脂材からなるものであってもよい。
第二のシール部材17は、カバー部材4の円筒部5内径に嵌合固定され、カバー部材4とともに外輪3の内径端部領域に固定状態で配される第二円筒部18と、該第二円筒部18から径方向に延設される第二円板部19とで断面視逆L字形状に形成されている芯金20と、該芯金20の第二円板部19の内径端部19aから、該第二円板部19の軸方向外面全域及び第二円筒部18の内径全域を被覆して第二円筒部18の端部から外径側に周りこんだ状態に加硫成形されたゴム被覆部(弾性部材)25と、該ゴム被覆部25の所定箇所、例えば本実施例では、内径端部19aと第二円板部19の軸方向外面に、該ゴム被覆部25の加硫成形時にそれぞれ一体に加硫成形される円環状の複数個のゴム製シールリップ21とで構成されている。
そして、この第二のシール部材17は、前記カバー部材4の内径に嵌合されるとともに、カバー部材4の端部5a周方向全域をかしめ固定することによって、カバー部材4と一体化される。
そして、この第二のシール部材17は、前記カバー部材4の内径に嵌合されるとともに、カバー部材4の端部5a周方向全域をかしめ固定することによって、カバー部材4と一体化される。
シールリップ21は、本実施例によれば、ダストシールとして機能する第一リップ21aとオイルシールとして機能する第二リップ21bを、内径端部19aから円環状にそれぞれ突設し、そして、ダストシールとして機能する第三リップ21cを、第二円板部19の軸方向外面19bから外輪3の方向に向けて傾斜状に突設している。
第一リップ21a,第二リップ21bは、第一のシール部材13の第一円筒部14の外径に接触し、そして第三リップ21cは、第一のシール部材13の第一円板部15の軸方向内面15aに接触し、それぞれ接触のシール領域22,23,24を形成している。
第一リップ21a,第二リップ21bは、第一のシール部材13の第一円筒部14の外径に接触し、そして第三リップ21cは、第一のシール部材13の第一円板部15の軸方向内面15aに接触し、それぞれ接触のシール領域22,23,24を形成している。
なお、シールリップ21の本数は一本又は複数本いずれでもよく本数は制限されない。シールリップ21の形状や配設位置などは特に図示例に限定解釈されるものではなく、周知の形態・配設位置などが適宜本発明の範囲内で選択される。また本実施例では、シールリップ21がゴム材からなるもので説明したが軟質樹脂材からなるものであってもよい。
本実施例では、それぞれのリップ21a,21bが第一円筒部14の外径に接触してシール領域22,23を形成しているが、第一円筒部14の軸方向長さを短く(又は第二円筒部18の軸方向長さを長く)して、一方又は双方のリップ21a,21bを内輪外径2aに接触させる形態を採用することも可能である。第二のシール部材17は、芯金20の全部をゴム又は軟質樹脂材で被覆するものであってもよい。
さらに、第三リップ21cを備えない形態であってもよく本発明の範囲内である。また、第三リップ21cを複数リップとしてもよく、例えば図示はしないが、一方のリップが第一円板部の内面との間で接触のシール領域を形成し、他方のリップが第二円筒部の内径との間で接触若しくは非接触のシール領域を形成する構成が挙げられる。
本実施例では、それぞれのリップ21a,21bが第一円筒部14の外径に接触してシール領域22,23を形成しているが、第一円筒部14の軸方向長さを短く(又は第二円筒部18の軸方向長さを長く)して、一方又は双方のリップ21a,21bを内輪外径2aに接触させる形態を採用することも可能である。第二のシール部材17は、芯金20の全部をゴム又は軟質樹脂材で被覆するものであってもよい。
さらに、第三リップ21cを備えない形態であってもよく本発明の範囲内である。また、第三リップ21cを複数リップとしてもよく、例えば図示はしないが、一方のリップが第一円板部の内面との間で接触のシール領域を形成し、他方のリップが第二円筒部の内径との間で接触若しくは非接触のシール領域を形成する構成が挙げられる。
ここで、本実施例の多極磁石エンコーダ付き密封装置12のユニット化について簡単に説明する。
まず、多極磁石エンコーダ1を第一円板部外面15cに備えた状態の第一のシール部材13の第一円筒部14端部(折り曲げ領域部分14c)方向から、第一リップ21a,第二リップ21bを前記第一円筒部外径14aに摺接させて嵌合させる。これにより、第一のシール部材13と第二のシール部材14が、多極磁石エンコーダ1とシール部材(シールリップ21)とを、軸受の軸方向(矢印Xで示す方向)に並設して備えた状態でユニット化される。第三リップ21cは、第一円板部内面15aに摺接する。
次に、多極磁石エンコーダ1方向から、カバー部材4をスライド移動させ、第二のシール部材17の第二円筒部18の外径をカバー部材4の円筒部5の内径に嵌合させる。
そして、カバー部材4の端部5aを第二のシール部材17の第二円板部19方向にかしめ固定する。このとき、第二シールの部材17の第二円筒部18の端部18aはカバー部材4の内径に当接する。
これにより、カバー部材4と第二のシール部材17が一体化されて、第一のシール部材13、第二のシール部材17及びカバー部材4がユニット化された、いわゆるパックシールとして提供される。
そして、カバー部材4の端部5aを第二のシール部材17の第二円板部19方向にかしめ固定する。このとき、第二シールの部材17の第二円筒部18の端部18aはカバー部材4の内径に当接する。
これにより、カバー部材4と第二のシール部材17が一体化されて、第一のシール部材13、第二のシール部材17及びカバー部材4がユニット化された、いわゆるパックシールとして提供される。
このようにユニット化された多極磁石エンコーダ付き密封装置12は、次のように軸受けの端部領域Fに組み込まれる。
すなわち、ユニット化された第一のシール部材13の第一円筒部内径14bを内輪外径2aに、そしてカバー部材4の円筒部外径5aを外輪内径3aにそれぞれスライドさせて嵌合させる。
このように多極磁石エンコーダ付き密封装置12がユニット化されているため、一回の圧入操作で複数のシール部材13,17とともにカバー部材4が軸受の端部領域Fに同時に嵌合固定可能であり、作業容易である。
すなわち、ユニット化された第一のシール部材13の第一円筒部内径14bを内輪外径2aに、そしてカバー部材4の円筒部外径5aを外輪内径3aにそれぞれスライドさせて嵌合させる。
このように多極磁石エンコーダ付き密封装置12がユニット化されているため、一回の圧入操作で複数のシール部材13,17とともにカバー部材4が軸受の端部領域Fに同時に嵌合固定可能であり、作業容易である。
このような構成を採用しているため、多極磁石エンコーダ1は、カバー部材4によって遮蔽され、その磁極が軸受外方に露出しないように保護されているため、磁極面への塵埃などの付着が防止される。
また、第一のシール部材13(第一円板部15の径方向端部15a、多極磁石エンコーダ1の径方向端部1bで構成される端面全領域)と第二のシール部材17(第二円筒部18の内径)との間には径方向で狭く、かつ軸方向で長いラビリンス隙間L1〜L2(非接触のシール領域35)が形成されている。また、本実施例によれば、上述したラビリンス隙間L1〜L2からなる1つの非接触のシール領域35と、4つの接触シールリップ21a,21b,21c,7による4つの接触のシール領域22,23,24,26により軸受内方が密封されている。
さらに本実施例によれば、多極磁石エンコーダ1とシール部材(シールリップ21)とが、軸受の軸方向(矢印Xで示す方向)に並設して備えることができる。従って、多極磁石エンコーダ1の径方向幅を、軸受端部領域F内にて最大限確保できるため、径方向幅の広い多極磁石エンコーダ1が配設可能となる。よって、従来の中心部領域A1を示す図10(b)と比較して見れば、本実施例の場合、図2に示すように精度の高い検出領域(中心部領域A2)が広い領域となるため、検出精度の信頼性が得られる。
また、シールリップ21(リップ21a〜21c)によるシール領域も、軸受端部領域F内で径方向の制限を受けないため、シール性能を十分かつ容易に満たすことができる。
また、シールリップ21(リップ21a〜21c)によるシール領域も、軸受端部領域F内で径方向の制限を受けないため、シール性能を十分かつ容易に満たすことができる。
また、本実施例によれば、第一のシール部材13には、組み込み時に内輪端面2cに当接する位置決め用円板部10を備えているため、第一のシール部材13を軸受内方に向けて内輪外径2aをスライドさせて嵌合させる際、前記位置決め用円板部10の内面10aが内輪端面10cに当接して嵌合位置の位置決めが確実かつ容易である。
なお、第一のシール部材13は、内輪2の外径端部領域に固定される第一円筒部14と、該第一円筒部14から径方向に延設される第一円板部15とで断面視逆L字形状に形成されている、いわゆる一般的なスリンガであってもよい。すなわち、位置決め用円板部10を備えない形態であってもよく本発明の範囲内である。
この時、カバー部材4のシールリップ7は、内輪端面2cに摺接して接触のシール領域26を構成する。
「実施例2」
この時、カバー部材4のシールリップ7は、内輪端面2cに摺接して接触のシール領域26を構成する。
「実施例2」
図3は、本発明の多極磁石エンコーダ付き密封装置を組み込んでなる本発明車輪支持用軸受ユニットの一例である。また、図中破線は、多極磁石エンコーダ1に向けて固定側(車体側)に配置され、多極磁石エンコーダ1の磁気信号をセンシングする磁気センサSを示す。
本発明の車輪支持用軸受ユニットは、例えば自動車や鉄道車両などの各種車両に用いることができるが、ここでは一例として自動車の駆動輪に組込まれる車輪支持用軸受ユニットを想定して説明する。なお、従動輪に組込まれる車輪支持用軸受ユニットも対象である。
本発明の車輪支持用軸受ユニットは、例えば自動車や鉄道車両などの各種車両に用いることができるが、ここでは一例として自動車の駆動輪に組込まれる車輪支持用軸受ユニットを想定して説明する。なお、従動輪に組込まれる車輪支持用軸受ユニットも対象である。
本実施例の車輪支持用軸受ユニットは、図3に示すように、一列の軌道面31aを有したハブ31と、該ハブ31のインボード側外周に嵌め込まれ、前記軌道面31aと隣接する一列の軌道面2bを有した内輪(別体内輪)2とで構成される内方部材32と、前記内方部材32の複数列の軌道面2b,32aと対向する複数列の軌道面33a,33aを有した外方部材33と、前記内方部材32の軌道面2b,32aと外方部材33の軌道面33a,33aとの間に組み込まれる複数個の転動体(玉)11とで構成され、その内方部材32と外方部材33のインボード側の端部領域Fに本発明の多極磁石エンコーダ付き密封装置12が組み込まれる。
また、図示した本実施例の車輪支持用軸受ユニットは、内方部材32と外方部材33にそれぞれフランジ32b,33bが備えられているいわゆる第三世代(HUBIIIともいう。)として区別される形式である。
具体的には、例えば前記実施例1に開示の多極磁石エンコーダ付き密封装置12が組み込まれる。
また、図示した本実施例の車輪支持用軸受ユニットは、内方部材32と外方部材33にそれぞれフランジ32b,33bが備えられているいわゆる第三世代(HUBIIIともいう。)として区別される形式である。
具体的には、例えば前記実施例1に開示の多極磁石エンコーダ付き密封装置12が組み込まれる。
なお、アウトボード側の密封装置27(M)にあっては、軸受内に封入した潤滑剤(例えば、グリース、油)が軸受外部に漏洩したり、異物(例えば、水、塵埃)が軸受内部に侵入したりすることを防止可能な周知の密封装置、例えば接触シール、非接触シール(シールドを含む)が本発明の範囲内で適宜選択される。また、芯金やシールリップの有無なども設計変更可能である。
また、車輪支持用軸受ユニットは、図示した本実施例形態に限定されるものではなく、本発明範囲内の全てのユニットが適用対象である。
なお、多極磁石エンコーダ付き密封装置12の構造及び作用効果にあっては、実施例1で説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
なお、本実施例では、外方部材33を静止輪、内方部材32を回転輪とした実施の一例について説明するが、外方部材33を回転輪、内方部材32を静止輪とする形態であってもよく本発明の範囲内である。
「変形例1」
また、車輪支持用軸受ユニットは、図示した本実施例形態に限定されるものではなく、本発明範囲内の全てのユニットが適用対象である。
なお、多極磁石エンコーダ付き密封装置12の構造及び作用効果にあっては、実施例1で説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
なお、本実施例では、外方部材33を静止輪、内方部材32を回転輪とした実施の一例について説明するが、外方部材33を回転輪、内方部材32を静止輪とする形態であってもよく本発明の範囲内である。
「変形例1」
図4は、本発明車輪支持用軸受ユニットの他の実施例として、背面組合せ軸受の外輪34(軌道面34aを備える)のアウトボード側外周にフランジ34bを備えた複列円すいころ軸受(第二世代)を一例として挙げる。すなわち、本実施例におけるインボード側に組み込まれる密封装置にも、上述した実施例1に開示の多極磁石エンコーダ付き密封装置12が適用可能である。なお、複列アンギュラ玉軸受の場合も同様である。
1 多極磁石エンコーダ
2 回転部材(内輪)
3 固定部材(外輪)
4 カバー部材
5 円筒部
6 遮蔽部
7 シールリップ
12 多極磁石エンコーダ付き密封装置
13 第一のシール部材(スリンガ)
14 第一円筒部
15 第一円板部
17 第二のシール部材
18 第二円筒部
19 第二円板部
21a,21b,21c シールリップ
22,23,24,26 接触のシール領域
F 端部領域
L1,L2 ラビリンス隙間(非接触のシール領域)
S 磁気センサ
2 回転部材(内輪)
3 固定部材(外輪)
4 カバー部材
5 円筒部
6 遮蔽部
7 シールリップ
12 多極磁石エンコーダ付き密封装置
13 第一のシール部材(スリンガ)
14 第一円筒部
15 第一円板部
17 第二のシール部材
18 第二円筒部
19 第二円板部
21a,21b,21c シールリップ
22,23,24,26 接触のシール領域
F 端部領域
L1,L2 ラビリンス隙間(非接触のシール領域)
S 磁気センサ
Claims (6)
- 同心円に配された回転部材と固定部材との間の端部領域に備えられ、
回転部材に取り付けられる第一円筒部と、固定部材方向に向けて前記第一円筒部から延設された環状の第一円板部とを有し、該第一円板部における軸方向で外方に向いた外面に、多極磁石エンコーダを備えた第一のシール部材と、
固定部材に取り付けられ、前記第一のシール部材の第一円筒部との間で接触若しくは非接触のシール部を形成する第二のシール部材と、
前記多極磁石エンコーダを軸受外方から遮蔽するとともに、回転部材との間で接触のシール領域を形成する環状のシールリップを備えた環状のカバー部材とで構成されている密封装置であって、
環状のカバー部材は、第二のシール部材と一体に固定されてユニット化されていることを特徴とする多極磁石エンコーダ付き密封装置。 - 第一のシール部材は、断面視略T字形状に形成され、第一円板部とともに、該第一円板部と径方向で反対方向に延設され、組み込み時に軸方向内面が内輪端面と当接可能な環状の位置決め用円板部を備え、
カバー部材のシールリップが、前記位置決め用円板部の軸方向外面に摺接して接触のシール領域を形成することを特徴とする請求項1に記載の多極磁石エンコーダ付き密封装置。 - 第二のシール部材が、円筒状に形成された第二円筒部と、回転部材方向に向けて第二円筒部から延設された環状の第二円板部を備え、
カバー部材は、第二のシール部材の第二円筒部の外径に嵌合可能な円筒部と、回転部材方向に向けて該円筒部から延設され、多極磁石エンコーダを軸受外方から遮蔽する環状の遮蔽部と、該遮蔽部の端部に環状のシールリップを備え、
前記カバー部材の円筒部の端部をかしめて第二のシール部材に固定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の多極磁石エンコーダ付き密封装置。 - 回転部材が内輪、固定部材が外輪で、該内輪と外輪との間の端部領域に密封装置を組み込み、該密封装置の外方近傍に備えられる磁気センサにより車輪速を検出する転がり軸受において、
前記密封装置として、請求項1乃至3のいずれかに記載の多極磁石エンコーダ付き密封装置を用いたことを特徴とする転がり軸受。 - 一列若しくは複数列の軌道面を有したハブと、該ハブのインボード側外周に嵌め込まれ、前記軌道面と隣接する一列若しくは複数列の軌道面を有した内輪とで構成されるか、又はハブの外周に嵌め込まれ、複数列の軌道面を有した内輪とで構成される回転部材と、
前記回転部材の複数列の軌道面と対向する複数列の軌道面を有した固定部材と、
前記回転部材の軌道面と固定部材の軌道面との間に組み込まれる複数個の転動体と、
前記回転部材と固定部材との間の端部領域に組み込んで軸受の内部空間を密閉する密封装置と、
該密封装置の外方近傍に備えられる磁気センサにより車輪速を検出する車輪支持用軸受ユニットにおいて、
前記密封装置として、請求項1乃至3のいずれかに記載の多極磁石エンコーダ付き密封装置を用いたことを特徴とする車輪支持用軸受ユニット。 - 少なくとも回転部材に、制動部材及びホイールが固定されるフランジを備えているか、
固定部材に、車体側に固定されるフランジが備えられていることを特徴とする請求項5に記載の車輪支持用軸受ユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006118487A JP2007292144A (ja) | 2006-04-21 | 2006-04-21 | 多極磁石エンコーダ付き密封装置該密封装置を備えた転がり軸受及び車輪支持用軸受ユニット |
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Family Applications (1)
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JP2006118487A Pending JP2007292144A (ja) | 2006-04-21 | 2006-04-21 | 多極磁石エンコーダ付き密封装置該密封装置を備えた転がり軸受及び車輪支持用軸受ユニット |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110848268A (zh) * | 2018-08-20 | 2020-02-28 | 斯凯孚公司 | 密封装置 |
-
2006
- 2006-04-21 JP JP2006118487A patent/JP2007292144A/ja active Pending
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CN110848268A (zh) * | 2018-08-20 | 2020-02-28 | 斯凯孚公司 | 密封装置 |
CN110848268B (zh) * | 2018-08-20 | 2023-09-15 | 斯凯孚公司 | 密封装置 |
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