JP2007291184A - ナノ複合樹脂組成物及びその製造方法並びに成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い可視光線透過率、低曇価、低含量であっても高い剛性、表面硬度を示し、溶融混練後にも性能が失われない、安価な複合樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】透明熱可塑性樹脂中に平均長さ10〜150nm、長さ/太さの比5〜75の無機ナノファイバーが均一な状態で分散しており、1mm厚での可視光領域の光線透過率が89%以上、曇価が3%以下のナノ複合樹脂組成物。無機材料の形状がファイバー状である事により、180〜260℃の温度範囲および1〜1000/sec.の剪断速度範囲で溶融賦形しても、無機材料の凝集が抑制される事で透明性が高く維持される。
【選択図】 図2

Description

本発明は無機ナノファイバーと透明な熱可塑性樹脂とからなり、透明性、および表面硬度に優れたナノ複合樹脂組成物及びその製造方法、成形体に関する。
有機透明材料は、軽量化の要求からガラスの代替材料として、電子・電気機器分野、光学機器分野におけるレンズ材や、建材分野のカーポート屋根材などに使用されている。しかしながら、有機透明材料は剛性、硬度、耐熱性が低いものが多く、このような点を克服する試みのひとつとして、無機物との複合化がこれまで多く検討されている。
例えば熱可塑性樹脂等に補強材としてガラス繊維を添加して剛性を向上させることが広く知られているが、ガラス繊維の繊維径は約10μmもあり、長さも約200μmもあるため可視光線が透過せず透明性の優れた樹脂組成物を得る事は出来ない。
特許文献1では、粒径が20nm以下のシリカ微粒子をあらかじめ溶媒に分散した後、溶媒に溶解した非結晶の有機高分子とを混合し、次いで凝固剤溶媒で沈降させることでシリカ微粒子と有機高分子との透明樹脂組成物を開示している、さらに特許文献2では、表面改質したシリカ微粒子とアクリル系高分子材料、ポリカーボネート系高分子材料、スチレン系高分子材料との樹脂組成物を開示しているが、剛性、硬度を向上させるためにはシリカ微粒子の添加量を多くする必要があるため、成形加工性、コスト面で優れた材料とは言えるものではなかった。
特開平11−343349号公報 特開2003−201114号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、その解決しようとする課題は、無機ナノファイバーを含有する透明で安価な樹脂組成物、その製造方法及び成形体を提供する事である。
本発明者らは上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、透明熱可塑性樹脂に無機ナノファイバーを均一に分散させる事で極めて透明性に優れ、更には溶融賦形及び/又は成形加工を行っても凝集の進行を低減させる事が可能であり、透明性が維持され、ひいては低含量においても非常に高い力学物性、表面硬度を発現する、また無機ナノファイバーと高分子間に強固な相互作用を導入する事で更に物性が向上する事を見出し、該知見に基づき更に研究を重ねた結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は;
(1) 透明熱可塑性樹脂100質量部に対して、平均長さ10〜150nm、長さ/太さの比5〜75の無機ナノファイバー0.01〜50質量部が均一に分散してなり、可視光領域の光線透過率が89%以上、曇価が3.0%以下であるナノ複合樹脂組成物;
(2) 温度180〜260℃かつ剪断速度1〜10000/sec.の条件で溶融賦形して、可視光領域の光線透過率が89%以上、曇価が3.0%以下である(1)に記載のナノ複合樹脂組成物;
(3) 透明熱可塑性樹脂が、メタクリル酸メチル単位またはスチレン単位を80質量%以上有するものである(1)または(2)に記載のナノ複合樹脂組成物;
(4) 無機ナノファイバーが、アルミナである(1)〜(3)のいずれか1項に記載のナノ複合樹脂組成物;
(5) 無機ナノファイバーを有機溶媒及び/又は単量体に分散させて分散液とした後、該分散液を単量体又は単量体の有機溶媒溶液に混合して該単量体を重合させる、(1)〜(4)のいずれか1項に記載のナノ複合体樹脂組成物の製造方法;
(6) 無機ナノファイバーを分散させる単量体に、さらに、シラン系、リン酸系およびスルホン酸系から選ばれるカップリング剤を、単量体に対し0.01〜9質量%含有する、(5)に記載の製造方法;
(7) カップリング剤が、重合性不飽和結合またはメルカプト基を有するものである(6)に記載の製造方法;
(8) 単量体を重合した後に、有機溶媒または未反応の単量体を除去する、(5)〜(7)のいずれか1項に記載の製造方法;
(9) 透明熱可塑性樹脂を溶解させた有機溶媒溶液に、無機ナノファイバーを有機溶媒及び/又は単量体に分散させた分散液を混合し、透明熱可塑性樹脂濃度を9質量%以下として、有機溶媒及び/又は単量体を除去する、(1)〜(4)のいずれか1項に記載のナノ複合樹脂組成物の製造方法;
(10) 上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のナノ複合樹脂組成物からなる成形品;
に関する。
本発明のナノ複合樹脂組成物は、極めて高い可視光線透過率、低曇価、更には、低含量であっても極めて高い、剛性、硬度を示すため、安価に成形品を提供することが可能である。また、本発明のナノ複合樹脂組成物は、溶融賦形させた後でも含有する無機ナノファイバーの凝集が起きないため、高い可視光線透過率、低曇価が維持され、あらゆる成型加工に供することができる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる事の可能な透明熱可塑性樹脂としては、(メタ)アクリル系樹脂、メチル(メタ)アクリレートとスチレンの共重合樹脂(MS樹脂)、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリルとスチレンの共重合樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリルとブタジエンとスチレンの共重合樹脂(ABS樹脂)、ポリカーボネート(PC)、ポリ4−メチルペンテン(PMP)、環状オレフィン重合体(COP)、オレフィンと環状オレフィンとの共重合体(COC)、ポリオレフィン(PO)、ポリエステル(PES)およびポリアミド(PA)等である。これらは透明性が失われない限り、互いに混合して使用することも可能である。本発明における透明熱可塑性樹脂とは、無機ナノファイバーを含有しない状態で、後述の実施例に記載する方法で測定した全光線透過率が89%以上、好ましくは90%以上、また曇価が3%以下、好ましくは2%以下である熱可塑性樹脂をいう。
上記の透明熱可塑性樹脂は、本発明の特徴をより効果的に発揮できることから、メタクリル酸メチル単位またはスチレン単位を80質量%以上有する樹脂であるのが好ましい。そのような樹脂としては、メタクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、MS樹脂などを挙げることができる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、公知の重合可能なアクリル系単量体を重合してなる樹脂が使用される。かかる単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸と炭素数1〜12の直鎖または分岐を有する脂肪族アルコールとのエステルがある。また、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数5〜7の環状アルコールとのエステルがある。また、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と芳香族アルコールとのエステル類が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、または2種類以上を混合して用いてもよい。
さらに、上記のアクリル系モノマーを重合する際に、必要に応じて上記のアクリル系モノマーと共重合可能なモノマーを、本発明の効果を損なわない範囲内で共重合させることもできる。このようなアクリル系モノマーと共重合可能なモノマーとしては、例えば、スチレン、α‐メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテンなどのオレフィン類;クロトン酸、フタル酸、マレイン酸、イタコン酸などの不飽和酸類の塩または炭素数1〜18のモノアルキルエステル類もしくはジアルキルエステル類;アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその酸塩などのアクリルアミド類;メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその酸塩などのメタクリルアミド類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどのN−ビニルアミド類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル類;炭素数1〜18のアルキル鎖を有するアルキルビニルエ−テル、ヒドロキシアルキルビニルエ−テル、アルコキシアルキルビニルエ−テルなどのビニルエ−テル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;トリメトキシビニルシランなどのビニルシラン類;酢酸アリル、塩化アリル、アリルアルコ−ル、ジメチルアリルアルコ−ルなどのアリル化合物などを挙げることができる。また、これら共重合性モノマーの使用量は、全モノマー量に対して通常0.001〜50質量%であるのが好ましい。
ポリスチレン系樹脂とは、スチレン単位を主体とする樹脂であり、ポリスチレンのみならず、スチレン単位を50質量%以上含み、かつガラス転移温度が30℃以上であるポリスチレン系共重合体を含むものである。ポリスチレン系共重合体におけるスチレンと共重合するコモノマーの例としては、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン;ブタジエン、イソプレン等のジエン類;塩化ビニル等のハロゲン化ビニル類;ビニルエーテル類、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、(メタ)アクリロニトリル類、マレイミド類が挙げられる。これらのコモノマーは1種または2種以上用いても良い。
透明熱可塑性樹脂の製造に用いるモノマーの重合開始剤としては、第三ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の有機ハイドロパーオキサイド類からなる酸化剤と、含糖ピロリン酸鉄処方、スルホキシレート処方、含糖ピロリン酸鉄処方/スルホキシレート処方の混合処方等の還元剤との組み合わせによるレドックス系の開始剤;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物等、公知の開始剤を挙げることができるが、好ましくは有機過酸化物の開始剤である。これらのラジカル重合開始剤の使用量は、通常、ラジカル重合性モノマー100質量部に対し、通常、0.01〜5質量部程度である。また、重合は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス気流下またはバブリング下実施することが好ましい。
モノマーの重合の方法としては、塊状重合法や溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの公知の方法が挙げられる。その中でも、無溶媒あるいはアルコ−ルやケトン類などの溶液中で重合する塊状重合や溶液重合法が通常採用される。溶液重合時に溶媒を用いる場合は、アルコ−ル類としてはメチルアルコ−ル、エチルアルコ−ル、プロピルアルコ−ルなどが、ケトン類としてはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが、その他の溶媒としてはジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレンなどが用いられるがこれらに限定されるものではない。また、これらの溶媒の2種またはそれ以上を混合して用いることもできる。
透明熱可塑性樹脂として上記の他に適用する事が可能な、ポリカーボネート系樹脂とは、ビスフェノールAなどのジヒドロキシ化合物またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物をホスゲンまたは炭酸のジエステルと反応させることによって得られる、分岐していてもよい重合体又は共重合体である。
環状オレフィン重合体(COP)または環状オレフィン化合物とオレフィンの共重合体(COC)に使用される環状オレフィンモノマーとしては、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、メチルテトラシクロドデセンなどの環状オレフインを例示できる。また、オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン等を例示できる。
ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン610等の脂肪族ポリアミド、および該ポリアミドを形成する成分単位を主体とする芳香族を含めた共重合ポリアミドを例示できる。
ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、あるいはエチレン、プロピレン、ブテンなどの二種以上のポリオレフィン共重合体およびそれらの混合体が例示できる。
ポリエステルとしては、以下に例示するジオール成分、例えばエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールを主体とするジオール成分単位、更にネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等、及びジカルボン酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸およびナフタレンジカルボン酸を主体とするジカルボン酸成分単位、その他にアジピン酸、セバシン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等の縮重合体を例示することができる。前記成分を原料とするポリエステルとして、具体的にはPET、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートおよび該ポリエステルの成分単位を主体とした共重合ポリエステルを例示することができる。またジオールおよびジカルボン酸成分単位の一部にパラオキシ安息香酸などのオキシ酸成分単位を含むポリエステルも使用できる。
本発明に用いる透明熱可塑性樹脂の分子量は特に制限されないが、目的とする用途に応じて適宜選択し用いる事がかのうである。通常数平均分子量(Mn)が1,000〜1,000,000の範囲内であることが好ましく、10,000〜500,000であることが好ましく、20,000〜200,000が特に好ましい。数平均分子量が上記の範囲未満の場合には、成形品の強度、特に低温での衝撃強度が著しく小さくなる。一方数平均分子量が上記の範囲より大きい場合には、樹脂の溶融粘度が高くなるため流動性が悪くなり、成形の際に欠肉などの不良品が多発し、成形が困難となる傾向にある。該数平均分子量(Mn)とは、各々の樹脂が溶解可能な溶媒に溶解した後、ゲルパーミションクロマトグラフィー(GPC)により、基準物質としてポリスチレンを使用して換算した値である。
本発明に用いる無機ナノファイバーは、平均長さが10〜150nm、好ましくは10〜50nm、長さ/太さの比が5〜75のものである。この長さより大きな無機ナノファイバーを用いても、本発明で目的とする良好な透明性や高い剛性、表面硬度を同時に発現することが出来ない。長さ/太さの比がこの範囲よりも小さいと、形状が粒子状となり、複合樹脂組成物として溶融賦形に供した場合に無機物が凝集して透明性が低下する。無機ナノファイバーの断面形状は特に制限されないが、長径と短径が存する場合、長径と短径との比は例えば1〜10であることができる。また、使用することの出来る無機ナノファイバーとしては特に制限されないが、アルミナ、ダイアナノロッド、ポリフラーレンが好ましく、透明性、各種力学物性、生産性の観点からアルミナがより好ましい。本発明に用いる無機ナノファイバーの配合量としては、透明熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.1〜50質量部であり、0.5〜20質量部がより好ましい。添加量が0.1質量部未満の場合、剛性、硬度が十分に向上せず、添加量が20質量部より多い場合、流動性が低下し溶融賦形が困難となる傾向を示し、更には高コストになる為好ましくない。
本発明のナノ複合樹脂組成物を製造するには;
○無機ナノファイバーを有機溶媒及び/又は単量体に分散させて分散液とした後、該分散液を単量体又は単量体の有機溶媒溶液に混合して、該単量体を重合させる方法(in-situ法);
○透明熱可塑性樹脂を溶解させた有機溶媒溶液に、無機ナノファイバーを有機溶媒及び/又は単量体に分散させた分散液を混合し、透明熱可塑性樹脂濃度を9質量%以下として、有機溶媒及び/又は単量体を除去する方法;または
これらの方法を併せた方法;
などによることができる。透明熱可塑性樹脂を形成させるための単量体には、少量の多官能性単量体や既に重合した透明熱可塑性樹脂が溶解していてもよい。
一般に、無機材料を透明熱可塑性樹脂に粉体形状のままで直接分散させると分散不良や凝集が発生して透明性、力学物性の点で満足するものは得られない場合が多い。そこで、本発明のナノ複合樹脂組成物を製造するに際し、無機ナノファイバーを単量体、有機溶媒またはそれらを溶媒として透明熱可塑性樹脂や他の成分を溶解させた溶液に混合、分散させるには、無機ナノファイバーを、一旦、有機溶媒または単量体に分散させた分散液とした後、混合、分散させる。
無機ナノファイバーの有機溶媒又は単量体の分散液の作成方法としては、一般的に無機材料と親和性のある溶媒等で表面をぬらし、無機材料間の凝集力より強い機械的エネルギーを与えて粒子を引き離し、更に分散を安定化させればよい。
材質により異なるが、無機ナノファイバーが例えばアルミナからなる場合、アルミナゾルとした際にpHが3.5付近で粘度が最も低下する事が知られている。ぬれ性を向上させる解膠剤としては塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などの無機酸あるいは有機酸として酢酸などのカルボン酸等が有効であり、解膠時には上記の付近のpHになるように酸を添加することも可能である。更に、アルミナゾルの場合、pH2.0〜6.5の間で分散させる事が有効である事も既に知られている。また、無機ナノファイバーを分散させる溶媒としては親和性の高いアルコール系溶媒、エステル系溶媒が好ましいが、以下に記載する分散安定化剤を共存させる事で所望の溶媒に分散させる事が可能である。
解膠の際の温度は40〜150℃が好ましく、60〜100℃がより好ましい。解膠温度が60℃未満の場合には、解膠に長時間を要したり、解膠が不十分になるおそれがあるので好ましくない。解膠温度が100℃を超える場合は溶媒の蒸気圧が高くなり作業が困難になるおそれがあるため好ましくない。解膠時間は、使用する薬品により異なるが、通常1〜72時間程度が適当である。尚、解膠は均質なゾルを得る為には攪拌下で行う事が好ましい。
解膠、即ち表面ぬれ性向上を実施する工程は、以下に記す安定化剤を適宜加えながら実施しても良いし、一旦取り出してケーク状物質を得るなど、それ自身単独で実施しても良いし、機械的エネルギーを加えながらぬれ性を向上する工程と完全に分散させる工程を連続的に実施しても良い。
適切な安定化剤としては、各種表面処理剤、有機化剤、分散剤等を挙げる事ができる。各種表面処理剤、分散剤としては、既に知られているように長鎖脂肪酸族基又は脂肪族−芳香族基などの親油性部分と、陰イオン性又は陽イオン性基、両性基、エチレンオキシド基のような非イオン性基などの親水性部分を有する界面活性剤が挙げられる。それらには、カルボキシル、スルホ、ホスホ、硫酸エステル又はリン酸エステル基などの酸基を含有するアニオン性界面活性剤;アミノ酸、アミノアルキル硫酸、アミノアルキル硫酸塩又はアミノアルキルリン酸塩、アルキルベタイン、及びアミン−N−オキシドなどの両性界面活性剤;並びにアルキルアミン塩、脂肪族、芳香族又は複素環式四級アンモニウム塩、脂肪族又は複素環式環−含有ホスホニウム又はスルホニウム塩などのカチオン性界面活性剤が含まれる。また、各種表面処理剤、有機化剤としては、シリコン系改質剤、チタネート系改質剤、アルミニウムアルコキシド系改質剤等が挙げられる。より具体的には、無機ナノファイバーにより表面電位が異なるがそれに合わせて、例えばアルミナの表面は正電荷を帯びている為、アニオン系界面活性剤、ホスホニウム又はスルホニウム型アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤、ハイドロステアリン系高分子分散剤、ε−カプロラクトン型高分子分散剤並びに水素結合性のシリコン系改質剤が好適であり、ぬれ性にも優れ解膠剤として使用することも可能である。
アニオン系界面活性剤としては、花王株式会社から市販されている脂肪酸塩型界面活性剤;NSソープ、KSソープ、KS−ソープL−18、OSソープ、アルケニルコハク酸塩型界面活性剤;ラムテルASK、ラムテルDSK、高級アルコール硫酸エステル塩型;エマールO、エマール10ニードル、エマール10パウダー、エマール2Fニードル、エマール2F−G、エマール2F−30、アルキルベンゼンスルホン酸型;ネオペックスG−65、ネオペックスG−25、ネオペックスG−15、アルキルスルホン酸塩;ラムテルPS、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩;ペレックスSS−L、ペレックスSS−H、ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合体型;デモールN、デモールNL、デモールT、デモールT−45、特殊カルボン酸高分子界面活性剤型;ポイズ500シリーズ、デモールEP、反応性界面活性剤型;ラムテルPD−104、ラムテルS−180、ラムテルS−180A、旭電化工業株式会社より市販されている、硫酸塩型;アデカホープMS−30C、アデカホープMS−90P、アデカホープYES−25、スルホン酸塩型;アデカホープHAN−40、アデカホープSAN−40PD、硫酸化油;アデカホープTR−45、リン酸エステル型;アデカコールTS−230E、アデカコールCS−141E、アデカコールCS−1361E、アデカコールCS−279、アデカコールPS−440E、アデカコールPS−509E、アデカコールPS−807、アデカコールPS−984、スルホスクシネート型;アデカコールEC−4500、アデカコールEC−8600、ポリペプチド型;アデカノールAP−1240E等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、花王株式会社より市販されている、アルキルアミン塩型;アセタミン24、アセタミン86、四級アンモニウム塩型;コータミン24P、コータミン86Pコンク、コータミン60W、コータミン86W、コータミンD86P、アルキルエーテル四級アンモニウム塩型、塩化ベンザルコニウム型;サニゾールB−50、旭電化工業株式会社より市販されているアルキルカチオン型;アデカミン4MAC−30、4DAC−80、4DAC−85、MT−50、アミド型、エステルカチオン型;アデカミンSF−101,SF−201,SF−106、アミノオキサイド型;アデカミンLDM、PMS−100、等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、花王株式会社より市販されている、アルキルベタイン型;アンヒトール20BS、アンヒトール24B、アンヒトール86B、アルキルアミンオキサイド型;アンヒトール20N、旭電化工業株式会社より市販されている、アデカアンホートPB−30L,AB−35L、等が挙げられる。
また、界面活性剤として、ビックケミー・ジャパン株式会社より市販されている、Disperbykシリーズ;Disperbyk101〜112、116、130,140,142,145,161〜164、166、167、170,171,174,180,182,183,184,185、2000,2001,2020,2050,2070,2096,2150、またBYKシリーズ;BYK−P104,P104S、P105、9076,9077,220S、300,302,306,307,310,315,320,322,323,325,330,331,333,337,340,344,370,375,377,350,352,354,355,358N,361N,392,Anti−Terraシリーズ;U、U100、204,205、等を挙げる事もできる。
シリコン系改質剤としては、n−ブチルトリクロロシラン、n−デシルトリクロロシラン、ジメトキシメチルクロロシラン、n−ドデシルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、n−へプチルトリクロロシラン、n−へキサデシルトリクロロシラン、n−へキシルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、n−オクタデシルトリクロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、n−ブチルメチルジクロロシラン、n−デシルメチルジクロロシラン、ジーn−ブチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、ジ−n−へキシルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジ−n−オクチルジクロロシラン、ドコシルメチルジクロロシラン、ドデシルメチルジクロロシラン、エチルメチルジクロロシラン、n−へプチルメチルジクロロシラン、n−へキシルメチルジクロロシラン、メチルペンチルジクロロシラン、n一オクタデシルメトキシジクロロシラン、n−オクタデシルメチルジクロロシラン、プロピルメチルジクロロシラン、n−デシルジメチルクロロシラン、エチルジメチルクロロシラン、n−オクタデシルジメチルクロロシラン、n−オクチルジメチルクロロシラン、n−プロピルジメチルクロロシラン、トリメチルクロロシラン、トリ−n−プロピルクロロシラン、ジメチルジメトキシクロロシラン、アリルフェニルジクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、ベンジルトリクロロシラン、ビス[2−(クロロジメチルシリル)エチル]ベンゼン、1,3−ビス(クロロジメチルシリルプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(クロロメチルジメチルシロキベンゼン、ブロモフェニルトリクロロシラン、t−ブチルジフェニルクロロシラン、P−(t−ブチル)フェネチルジメチルクロロシラン、P−(t−ブチル)フェネチルトリクロロシラン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、クロロメチルジメチルフェニルシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)ジメチルクロロシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)メチルジクロロシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリクロロシラン、(p−クロロメチル)フェニルトリクロロシラン、(p−クロロメチルフェニルトリ−n−プロポキシシラン、クロロフェニルメチルジクロロシラン、クロロフェニルトリクロロシラン、P−クロロフェニルトリメチルシラン、クロロプロピルジフェニルメチルシラン、3−クロロプロピルフェニルジクロロシラン、2−(4−クロロスルフオニルフェニル)エチルトリクロロシラン、3−シアノプロピルフェニルジクロロシラン、ジペンジロキシジクロロシラン、1,3−ジクロロ−1,3−ジフェニルー1,3−ジメチルジシロキサン、ジクロロフェニルトリクロロシラン、1,3−ジクロロテトラフェニルジシロキサン、ジメシチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ジフェニルメチルクロロシラン、ジ(p−トリル)ジクロロシラン、3−(p−メトキシフェニル)プロピルメチルジクロロシラン、3−(p−メトキシフェニル)プロピルトリクロロシラン、P−(メチルフェネチル)メチルジクロロシラン、2−メチル−2−フェニルエチルジクロロシラン、フェネチルジイソプロピルクロロシラン、フェネチルジメチルクロロシラン、フェネチルメチルジクロロシラン、フェネチルトリクロロシラン、フエノキシトリクロロシラン、m−フエノキシフェニルジメチルクロロシラン、3−フエノキシプロピルジメチルクロロシラン、3−フエノキシプロピルトリクロロシラン、フェニルビス(ジメチルアミノ)クロロシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルジメチルクロロシランなどの、クロル基を有するシリコン系改質剤、n−ブチルトリメトキシシラン、n−へキシルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−へキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、n−オクタデシルジメチルメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、3−(m−アミノフエノキシ)プロピルトリメトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン、ベンゾイルオキシプロピルトリメトキシシラベンジロキシトリメチルシラン、1、4−ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン、ブロモフェニルトリメトキシシラン、t−ブチルジフェニルメトキシシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリメトキシシラン、(p−クロロメチル)フェニルトリメトキシシラン、2−(4−クロロスルフオニルフェニル)エチルトリメトキシシラン、ジメシチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェネチルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシランなどの、メトキシ基を有するシリコン系改質剤、n−デシルトリエトキシシラン、n−ドデシルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−へキシルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ドデシルメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、ビス−(N−メチルペンヅアミド)エトキシメチルシラン、t−ブチルジフェニルエトキシシラン、クロロフェニルトリエトキシシラン、3−(2,4−ジニトロフェニルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、ジフエニルジエトキシシラン、ジフエニルメチルエトキシシラン、ジフエニルホスフイノエチルジメチルエトキシシラン、2−(ジフェニルホスフイノ)エチルトリエトキシシラン、フェニルジエトキシシラン、フエニルジメチルエトキシシランなどのエトキシ基を有するシリコン系改質剤、また、2−アミノエチルアミノメチルベンジロキシジメチルシラン、3−アミノフエノキシジメチルビニルシラン、4−アミノフエノキシジメチルビニルシラン、ビス(p−アミノフエノキシ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルシラン、1,3−ジフェニルー1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、フェネチルジメチル(ジメチルアミノ)シランなどのアミノ基を有するシリコン系改質剤を例示することができる。
チタネート系改質剤としては、味の素ファインテクノ社から市販されているプレンアクトKR−TTS、KR−46B、KR−55、KR−41B、KR−38S、KR−138S、KR−238S、338X、KR−12、KR−44、KR−9SA、KR−34S、KR−ET、日本曹達社から市販されているチタコートS−151、S−152、S−152P、S−181、S−581、S−582、P−151P、R−161、R−291、C−151、C−231、PR−581、W−585、W−184、W−586、W−292等が挙げられる。
アルミニウムアルコキシド系改質剤としては、味の素ファインテクノ社から市販されているブレンアクトAl−Mが挙げられる。
本発明に使用可能な安定化剤はこれらに限定されるものではなく、また、これらの化合物の2種またはそれ以上を混合、適宜追加して使用することも可能である。
これら、安定化剤は無機ナノファイバーに対し0.01〜200質量%である事が好ましく、0.1〜100質量%がより好ましい。30質量%より少ないと十分な分散性を確保できないおそれがあり、100質量%より多いと高コストとなるばかりかそれ自体の熱安定性不足により樹脂中に分散した後着色が著しくなる場合があるため好ましくない。
無機ナノファイバーを均一に分散させる溶媒としてはメチルアルコ−ル、エチルアルコ−ル、プロピルアルコ−ルなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、その他の溶媒としてはジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレンなどを使用することが可能である。また、無機ナノファイバーを均一に分散させる溶媒として単量体、多官能性単量体並びにそれらを混合して用いる事も可能である。単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数1〜12の直鎖または分岐を有する脂肪族アルコールとのエステル、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数5〜7の環状アルコールとのエステル、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と芳香族アルコールとのエステル類、スチレン、α‐メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテンなどのオレフィン類;クロトン酸、フタル酸、マレイン酸、イタコン酸などの不飽和酸類の塩または炭素数1〜18のモノアルキルエステル類もしくはジアルキルエステル類;アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその酸塩などのアクリルアミド類;メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその酸塩などのメタクリルアミド類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどのN−ビニルアミド類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル類;炭素数1〜18のアルキル鎖を有するアルキルビニルエ−テル、ヒドロキシアルキルビニルエ−テル、アルコキシアルキルビニルエ−テルなどのビニルエ−テル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;トリメトキシビニルシランなどのビニルシラン類;酢酸アリル、塩化アリル、アリルアルコ−ル、ジメチルアリルアルコ−ルなどのアリル化合物類;その他のビニル化合物としては酢酸ビニル等を挙げる事ができる。また、シクロオレフィン重合体の単量体であるノルボルネン、テトラシクロドデセン、メチルテトラシクロドデセンなどの環状オレフイン類;ポリカーボネート(PC)、ポリエステル(PEs)、ポリアミド(PA)の単量体であるエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼンビスフェノールA等のジオール類;テレフタル酸、イソフタル酸およびナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等のジカルボン酸類;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、メタキシリレンジアミン等のジアミン類を挙げる事ができる。多官能性単量体としては、主な例としては、1モルの多価アルコールと、2モル以上の(メタ)アクリル酸またはそれらの誘導体とから得られるエステル化物;多価アルコールと多価カルボン酸またはそれの無水物と(メタ)アクリル酸またはそれらの誘導体とから得られる、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する線状のエステル化物等を挙げることができる。1モルの多価アルコールと、2モル以上の(メタ)アクリル酸とから得られるエステル化物;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。多価アルコールと多価カルボン酸またはそれの無水物と(メタ)アクリル酸とから得られる1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する線状のエステル化物、多価アルコールと多価カルボン酸またはそれの無水物と(メタ)アクリル酸の好ましい組合わせ;マロン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、コハク酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸等を挙げることができる。尚、必要に応じて、上記の様な化合物を2種類以上使用することもできる。また、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、あるいはこれらジイソシアネート化合物のうち芳香族のイソシアネート類を水添して得られるジイソシアネート化合物(たとえば水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフエニルメタンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物)、トリフエニルメタントリイソシアネート、ジメチレントリフエニルトリイソシアネート等の様な2価、あるいは3価のポリイソシアネート化合物あるいはジイソシアネート化合物を多量化させて得られるポリイソシアネート化合物等と、活性水素を有するアクリルモノマー、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド、1,2,3−プロパントリオール−1,3−ジ(メタ)アクリレート、3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等を常法により反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート、あるいはトリス(2ーヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート等のポリ[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレート、更には公知のエポキシポリアクリレート等を挙げることが出来る。これらは限定されるものではなく、また、これらの化合物の2種またはそれ以上を混合して使用することも可能である。
上述したように無機ナノファイバーを均一に分散させるには、凝集エネルギーより大きなエネルギーを与えることのできる分散機が用いられる。但し、その形式については特に制限される事は無く、サンドミル、アトライター、ボールミル、ロールミル、ホモジナイザー、超音波分散機等が用いられる。具体的に例示すれば、球形状のセラミック製ボールを入れた円筒状の容器内に攪拌棒で攪拌しながら解砕、分散させる装置、超高圧衝撃型乳化分散装置、チョッパーで解砕、分散させる装置が挙げられる。これらを、単独または組み合わせで用いる事も可能である。
上記分散は、特に制限された温度で行う必要はなく、溶媒が揮発しない又は凝固しない範囲で行えばよい。
無機ナノファイバーと有機溶媒及び/又は単量体及び/又は多官能性単量体の混合割合は均一な分散液となる範囲であれば良い。一般に、無機ナノファイバー100質量部に対して溶媒及び/又は単量体及び/又は多官能性単量体は200〜10000質量部の範囲で使用される。
また、本発明の目的である、溶融賦形を行っても透明な樹脂複合体を作製するためには、使用する安定化剤と樹脂相溶性を考慮する必要があり、安定化剤の樹脂相溶性基と樹脂との溶解度パラメータの差が小さい事が好ましく、安定化剤の選択として樹脂との親和性並びに分散液作成時の分散安定性を付与する為に有機溶媒、単量体、多官能性単量体への相溶性をそれぞれ付与しても構わない。
本発明において、無機ナノファイバーと透明熱可塑性樹脂との間の相互作用を強める為には、一般的な上記手法を組み合わせ分散液を作成した上で、無機ナノファイバーを分散させる単量体等に、さらに、シラン系、リン酸系およびスルホン酸系から選ばれるカップリング剤を、単量体に対し0.01〜10質量%含有させることができる。これらのカップリング剤には、分子内に重合性不飽和結合、メルカプト基、RAFT基などの連鎖移動性基、重合開始剤断片などの官能基を有していてもよい。カップリング剤を用いて得られる樹脂組成物は、溶融賦形又は成形加工可能であり非常に高い表面硬度を有する。また、単量体比で0.01質量%より少ないと性能向上効果が少なく、10質量%より多いと溶融賦形困難となり好ましくない。但し、重合に際しキャスト法を用いれば成形加工可能であるが、10質量%より多いと非常に高い物性を発現するがコスト面から工業的に好ましくない。
シラン系カップリング剤としては、(メタ)アクリロキシ基を有するものとして、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタアクリロキシプロピルトリメトエトキシシラン、3−メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン;ビニル基を有するものとして、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン;スチリル基を有するものとしてp−スチリルトリメトキシシラン;アミノ基を有するものとして、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン;ウレア基を有するものとして、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン;イソシアナート基を有するものとして、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン;等を挙げることが可能であり、これらに制限されるものではなく単独又は2種類以上を組み合わせて使用する事も可能である。
メルカプト基を有するシランカップリング剤としては、信越化学株式会社より市販されている、KBM−802、KBM−803等を挙げる事が可能である。
リン酸系カップリング剤としては、(メタ)アクリロキシ基を有するものとして、アシッドホスホキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホキシプロピルメタクリレート、アシッドホスホキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート、メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートモノエタノールアミンハーフ塩、アシッドホスホキシポリオキシプロピレングリコールモノメタクリレート;アミノ基を有するものとして、アミノメチルホスホニックアシッド、アミノエチルホスホニックアシッド、アミノプロピルホスホニックアシッド;カルボン酸基を有するものとして、ホスホノ酢酸、2−カルボキシエチルホスホニックアシッド;等を挙げる事が可能であり、これらに制限されるものではなく単独又は2種類以上を組み合わせて使用する事も可能である。
スルホン酸系カップリング剤としては、アミノ基を有するものとしてアミノメタンスルホン酸、タウリン、3−アミノ−1−プロパンスルホン酸;末端にヒドロキシル基を有するものとしては、BES、TES、TAPS;カルボキシル基を有するものとしては、スルホスクシン酸;その他として、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸;等を挙げる事が可能である。
本発明に使用可能なカップリング剤を上記に制限されるものではなく単独又は2種類以上を組み合わせて使用する事も可能である。
本発明のナノ複合樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐侯安定剤、可塑剤、着色剤、離型剤、滑剤、香料、フィラー、界面活性剤等などの従来公知の添加剤などを含有しても良い。上記の樹脂組成物中におけるこれらの成分の含有率は20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明のナノ複合樹脂組成物は、後述の実施例に記載する方法で測定した全光線透過率が89%以上、好ましくは90%以上、また曇価が3%以下、好ましくは2%以下である。
本発明のナノ複合樹脂組成物は、溶融混練工程を経ても無機ナノファイバーの凝集による透明性の低下が発生し難いものであり、180〜260℃の温度範囲および1〜10000/sec.の剪断速度範囲で溶融賦形して、可視光領域の光全線透過率が89%以上、好ましくは90%以上、曇価が3%以下、好ましくは2.5%以下の透明性を維持するものであるのが好ましい。
本発明のナノ複合樹脂組成物は、高分子材料における公知の成形方法、たとえば、射出成形、ブロー成形、押出成形、インフレーション成形等によってフィルム、シート、容器等の種々の形態の成形品にして使用することができ、また、シートに加工後に真空成形、圧空成形、真空圧空成形等の深絞り成形を行う方法等によって、種々の形態の成形物に加工する事が可能である。また、本発明のナノ複合樹脂組成物は、その極めて高い可視光線透過率、高い力学物性が有効利用される用途であれば特に限定されないが、各種物品の表層材、たとえば、フィルム、シート、箱及び容器等、に好適である。なお、フィルム、シートに成形する場合、それらの厚みは10〜100,000μm程度とするのが一般的であり、50〜10,000μm程度とするのが好ましい。
上記の成形品には、表面研磨処理、帯電防止処理、その他の後処理を必要に応じて行うことが可能である。また、表面硬度をさらに上げる為、有機系または無機系のハードコート剤による塗膜をスプレー法やディッピング法などにより塗布形成させることも可能である。更には、無機質材料を表面蒸着させてマルチコーティングすることにより、表面光沢反射率を低下させるなどの付加的処理を施すことも可能である。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は以下に示す実施例によって何ら制限されるものではない。なお、以下に示す実施例および比較例における各測定は以下の方法で測定した。
<溶融混練>
溶融混練は東洋精機社製ラボプラストミルを使用し、設定温度230℃、スクリュー回転数150rpmで5分間行った。
<プレスシート作製>
混練した試料を、東洋精機社製プレス機を使用し、60×150×1mmの型内に10gの試料を置き、設定温度230℃で3分間溶融後、プレス圧力100kgfでシートを作製した。
<可視光線透過率および曇価測定>
光線透過率および曇価(ヘーズ)は、ヘーズメータ(村上色彩技術研究所社製、HR−100)を使用して、厚さ1mmの試料を用いて全光線透過率と曇価を評価した。
<弾性率および強度測定>
弾性率および強度は、ASTM D790に準じて曲げ試験(島津製作所社製、オートグラフAG−2000B)を行ない、曲げ弾性率を測定をした。
<複合体中の無機分含有率測定>
複合体中の無機分含有率は、5gの試料をるつぼ中500℃で3時間強熱した時の残分より算出した。
<無機粒子の分散状態の評価>
ナノ複合樹脂組成物での無機ナノファイバーの平均長さ、長さ(L)/太さ(D)の平均比[アスペクト比(L/D)]および分散状態は、透過型電子顕微鏡(日立製作所製、H−7100FA)を使用し、加速電圧100kVにて撮影した写真を基に測定または評価した。
<耐傷つき性評価−鉛筆硬度>
鉛筆硬度はJIS K5600−5−4に準じて測定を行った。
<総合評価>
透明性(光線透過率および曇価)、曲げ弾性率、表面硬度(鉛筆硬度)を総合して評価した結果を、「◎」、「○」、「△」、「×」の4段階で評価した。
以下の実施例1、2および対応する比較例に、無機材料種、形状による物性相関を記載する。
<実施例1>
冷却管、温度計、滴下漏斗および撹拌機を備えた1Lセパラブルフラスコを窒素雰囲気下、ポリメチルメタクリレート(クラレ社製、パラペットEH、40g)、メチルエチルケトン(400g)を仕込み50℃に昇温させ2時間加熱攪拌を行い、ポリメチルメタクリレートを完全に溶解させた。そのポリマー溶液を30℃に冷却した後、アルミナテトラヒドロフラン分散液(CBR−53、ザ・インクテック社製、アルミナ含量:6質量%、平均長さ:100nm、長さ/太さの比:7)(3.3g)とメチルエチルケトン(260g)の混合液を30分以上かけて滴下混合した後、30℃にて、1時間撹拌した。得られたポリマー溶液をヘキサン中20Lに投入し析出物を濾別・回収し、減圧下溶媒を留去し39gのナノ複合樹脂組成物(1)を得た。ナノ複合体樹脂組成物(1)の分子量を東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC(展開溶媒:テトラヒドロフラン、標準ポリスチレン換算)]にて測定した結果、数平均分子量56,000、重量平均分子量120,000であった。ナノ複合樹脂組成物(1)を用い、熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇価、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。さらにナノ複合樹脂組成物を溶融混練した後、熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇価、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。結果を表1に示す。
<実施例2>
冷却管、温度計、滴下漏斗および撹拌機を備えた1Lセパラブルフラスコを窒素雰囲気下、ポリメチルメタクリレート(クラレ社製、パラペットEH、40g)、メチルエチルケトン(400g)を仕込み50℃に昇温させ2時間加熱攪拌を行い、ポリメチルメタクリレートを完全に溶解させた。そのポリマー溶液を30℃に冷却した後、アルミナトルエン分散液(CBS−43、ザ・インクテック社製、アルミナ含量:6質量%、平均長さ:15 nm、長さ/太さの比:7)(3.3g)とメチルエチルケトン(260g)の混合液を30分以上かけて滴下混合した後、30℃にて、1時間撹拌した。得られたポリマー溶液をヘキサン中20Lに投入し析出物を濾別・回収し、減圧下溶媒を留去し39gのナノ複合樹脂組成物(2)を得た。ナノ複合体樹脂組成物(2)の分子量を東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC(展開溶媒:テトラヒドロフラン、標準ポリスチレン換算)]にて測定した結果、数平均分子量56,000、重量平均分子量120,000であった。ナノ複合樹脂組成物(2)を用い、熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇価、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。さらにナノ複合樹脂組成物を溶融混練した後、熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇価、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。結果を表1に示す。
<比較例1>
冷却管、温度計、滴下漏斗および撹拌機を備えた1Lセパラブルフラスコを窒素雰囲気下、ポリメチルメタクリレート(クラレ社製、パラペットEH、40g)、メチルエチルケトン(400g)を仕込み50℃に昇温させ2時間加熱攪拌を行い、ポリメチルメタクリレートを完全に溶解させた。そのポリマー溶液を30℃に冷却した後、アルミナトルエン分散液(G240、シーアイ化成社製、粒子状アルミナ含量:15質量%、平均粒径:33nm)(1.3g)とメチルエチルケトン(260g)の混合液を30分以上かけて滴下混合した後、30℃にて、1時間撹拌した。得られたポリマー溶液をヘキサン中20Lに投入し析出物を濾別・回収し、減圧下溶媒を留去し39gのナノ複合樹脂組成物(3)を得た。ナノ複合体樹脂組成物(3)の分子量を東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC(展開溶媒:テトラヒドロフラン、標準ポリスチレン換算)]にて測定した結果、数平均分子量56,000、重量平均分子量120,000であった。ナノ複合樹脂組成物(3)を用い、熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇価、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。さらにナノ複合樹脂組成物を溶融混練した後、熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇価、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。結果を表1に示す。
<比較例2>
冷却管、温度計、滴下漏斗および撹拌機を備えた1Lセパラブルフラスコを窒素雰囲気下、ポリメチルメタクリレート(クラレ社製、パラペットEH、40g)、メチルエチルケトン(400g)を仕込み50℃に昇温させ2時間加熱攪拌を行い、ポリメチルメタクリレートを完全に溶解させた。そのポリマー溶液を30℃に冷却した後、コロイダルシリカイソプロピルアルコール分散液(IPA−ST−S、日産化学社製、シリカ粒子含量:25質量%、平均粒径:10nm)(12.5g)とメチルエチルケトン(260g)の混合液を30分以上かけて滴下混合した後、30℃にて、1時間撹拌した。得られたポリマー溶液をヘキサン中20Lに投入し析出物を濾別・回収し、減圧下溶媒を留去し41gのナノ複合樹脂組成物(4)を得た。ナノ複合体樹脂組成物(4)の分子量を東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC(展開溶媒:テトラヒドロフラン、標準ポリスチレン換算)]にて測定した結果、数平均分子量56,000、重量平均分子量120,000であった。ナノ複合樹脂組成物(4)を用い、熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇価、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。さらにナノ複合樹脂組成物を溶融混練した後、熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇価、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。結果を表1に示す。
<比較例3>
冷却管、温度計、滴下漏斗および撹拌機を備えた1Lセパラブルフラスコを窒素雰囲気下、ポリメチルメタクリレート(クラレ社製、パラペットEH、40g)、メチルエチルケトン(400g)を仕込み50℃に昇温させ2時間加熱攪拌を行い、ポリメチルメタクリレートを完全に溶解させた。そのポリマー溶液を30℃に冷却した後、アルミナウィスカ粉体(アルゴナイド社製、Nanoceram、長さ:2〜4nm、長さ/太さの比:20〜75、0.2g)とテトラヒドロフラン(260g)の混合液を混合した後、30℃にて、1時間撹拌した。得られたポリマー溶液をヘキサン中20Lに投入し析出物を濾別・回収し、減圧下溶媒を留去し39gのナノ複合樹脂組成物(5)を得た。ナノ複合体樹脂組成物(5)の分子量を東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC(展開溶媒:テトラヒドロフラン、標準ポリスチレン換算)]にて測定した結果、数平均分子量56,000、重量平均分子量120,000であった。ナノ複合樹脂組成物(5)を用い、熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇価、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。さらにナノ複合樹脂組成物を溶融混練した後、熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇価、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。結果を表1に示す。
<比較例4>
用いたポリメチルメタクリレート単体での測定、評価結果を示す。
上記表1中の実施例1および2の結果から、透明熱可塑性樹脂に無機ファイバーを複合した本発明のナノ複合体樹脂組成物は、ファイバー(ウィスカ)でない粒子状のアルミナを用いた比較例1に比べ、透明性、力学物性、表面硬度が非常に優れ更には溶融賦形安定性も高く工業的に非常に有用である。
上記表1中の実施例1および2の結果から、透明熱可塑性樹脂に無機ファイバーを複合した本発明のナノ複合体樹脂組成物は、透明性、表面硬度、溶融賦形安定性が高く工業的に非常に有用である。一方、他の無機材料で同等の力学物性を発現しようとした比較例2の場合、無機含量を増加させる必要があり高コストとなり工業的に使用し難い。
上記表1中の実施例1および2の結果から、透明熱可塑性樹脂に無機ファイバーを分散液によりナノオーダーで複合する事で、分散液を用いない比較例3に比べて透明性、力学物性、表面硬度が非常に優れ更には溶融賦形安定性も高いナノ複合体樹脂組成物が得られ工業的に非常に有用である。
次の実施例3以下に次に製造方法に関する実施例、比較例を記載する。
<実施例3>
冷却管、温度計および撹拌機を備えた300mlセパラブルフラスコを窒素雰囲気下、メチルメタクリレート(50g)、メチルアクリレート(3.3g)、アルミナメチルメタクリレート分散液(K−6C−1、ザ・インクテック社製、アルミナ含量6質量%、平均長さ:15nm、長さ/太さの比:7)(2.3g)、ノルマルドデシルメルカプタン(0.66g)を添加し90℃に昇温した後、パーヘキサC(純度70%、0.24g)を加え、加熱攪拌下90分重合を行った。90分で重合率が52%であることを確認し、パラメトキシフェノール(0.2g)を投入し攪拌下室温に冷却した。ここで得た、シラップを1Lのヘキサンに投入し析出物を濾別・回収し、減圧下溶媒を留去し、27gのナノ複合体樹脂組成物(6)を得た。ナノ複合体樹脂組成物(6)の分子量を東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC(展開溶媒:テトラヒドロフラン、標準ポリスチレン換算)]にて測定した結果、数平均分子量59,000、重量平均分子量126,000であった。ナノ複合樹脂組成物(6)を用い、熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇価、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。結果を表2に示す。
<実施例4>
冷却管、温度計および撹拌機を備えた300mlセパラブルフラスコを窒素雰囲気下、メチルメタクリレート(50g)、メチルアクリレート(3.3g)、アルミナメチルメタクリレート分散液(K−6C−1、ザ・インクテック社製、アルミナ含量6質量%、平均長さ:15nm、長さ/太さの比:7)(2.3g)、ノルマルドデシルメルカプタン(0.66g)を添加し90℃に昇温した後、パーヘキサC(純度70%、0.24g)を加え、加熱攪拌下90分重合を行った。90分で重合率が51%であることを確認し、パラメトキシフェノール(0.2g)を投入し攪拌下室温に冷却した。ここで得た、シラップを断熱フラッシュ取出しにてポリマー濃度93%の高濃度シラップ27gを得た。更に、ここで得られた高濃度シラップを230℃の加熱下、剪断装置内部で揮発分を完全に留去し、25gのナノ複合体樹脂組成物(7)を得た。ナノ複合体樹脂組成物(7)の分子量を東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC(展開溶媒:テトラヒドロフラン、標準ポリスチレン換算)]にて測定した結果、数平均分子量55,000、重量平均分子量118,000であった。ナノ複合樹脂組成物(7)を用い、熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇価、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。結果を表2に示す。
<実施例5>
メチルメタクリレート(21.6g)、メチルアクリレート(1.55g)、アルミナメチルメタクリレート分散液(K−6C−1、ザ・インクテック社製、アルミナ含量6質量%、平均長さ:15nm、長さ/太さの比:7)(1g)、2,2‘−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(17mg)、パーロイルL(5.6mg)を加え混合液を作成した。この混合液を脱泡した後、1500×1500×1.05mmの互いに向き合わせた2枚のガラス板の間にU字型に配した塩化ビニールチューブを挟み込んで組み立てた型の端から注ぎ込み、60℃の水浴で2時間、次いで90℃の空気浴に3時間保持して厚さ1mmのナノ複合体樹脂組成物(8)キャスト板を得た。結果を表2に示す。
<実施例6>
冷却管、温度計、滴下漏斗および撹拌機を備えた300mlセパラブルフラスコを窒素雰囲気下、ポリメチルメタクリレート(クラレ社製、パラペットEH、30g)、メチルメタクリレート(240g)を仕込み50℃に昇温させ2時間加熱攪拌を行い、ポリメチルメタクリレートを完全に溶解させた。また、アルミナメチルメタクリレート分散液(K−6C−1、ザ・インクテック社製、アルミナ含量6質量%、平均長さ:15nm、長さ/太さの比:7)(2.48g)をメチルメタクリレート(360g)に希釈し、高分子溶液とアルミナ溶液を90℃にて90分かけて混合した。混合溶液を室温に冷却した後、ヘキサン中20Lに投入し析出物を濾別・回収し、減圧下溶媒を留去し28gのナノ複合樹脂組成物(9)を得た。ナノ複合樹脂組成物(9)を用い、熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇価、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。結果を表2に示す。
<比較例5>
冷却管、温度計、滴下漏斗および撹拌機を備えた1Lセパラブルフラスコを窒素雰囲気下、ポリメチルメタクリレート(クラレ社製、パラペットEH、30g)、メチルメタクリレート(120g)を仕込み50℃に昇温させ2時間加熱攪拌を行い、ポリメチルメタクリレートを完全に溶解させた。また、アルミナメチルメタクリレート分散液(K−6C−1、ザ・インクテック社製、アルミナ含量6質量%、平均長さ:15nm、長さ/太さの比:7)(2.48g)をメチルメタクリレート(180g)に希釈し、高分子溶液とアルミナ溶液を90℃にて90分かけて混合した。混合溶液を室温に冷却した後、ヘキサン中20Lに投入し析出物を濾別・回収し、減圧下溶媒を留去し28gのナノ複合樹脂組成物(10)を得た。ナノ複合樹脂組成物(10)を用い、熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇価、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。結果を表2に示す。
上記表2中、実施例6及び比較例5の結果から、同じ分散液を使用しても混合後の高分子濃度が高い比較例5の場合(10質量%以上)、無機材料の分散性が悪化し、透明性、力学物性、表面硬度の向上効果は発現しない。即ち、溶液混合法において透明性、力学物性、表面硬度の非常に優れている無機材料を均一に分散したナノ複合体樹脂組成物を得る為には、高分子濃度が非常に低い範囲で実施する必要があり、製造プロセスが非常に煩雑であり高コストになる傾向にある。
上記表中実施例3、4、6及び比較例5の結果から、同じ分散液を使用しても、無機材料を均一に分散した後に重合工程を得る製造方法を適用する事で、本発明のナノ複合体樹脂組成物の透明性、力学物性、表面硬度は非常に優れており、通常では達成し得ない高い高分子濃度溶液中でも分散性が保持される事が分かった。本知見より連続バルク重合プロセス等の適用も可能である事が分かり、該プロセスを適用する事で低コスト化をはかることが可能である。更に、本製造手法により得る事のできるナノ複合体樹脂組成物は溶融賦形安定性も高く工業的に非常に有用である。
上記表中実施例5及び比較例5の結果から同じ分散液を使用しても、無機材料を均一に分散した後に重合工程を経る製造方法を適用する事で透明性、力学物性、表面硬度の非常に優れている本発明のナノ複合体樹脂組成物を製造する事が可能である。本知見より、セルキャスト(注型)法、連続キャスト法の適用も可能である事が分かり、該プロセスを適用する事で低コスト化をはかることが可能であり工業的に非常に有用である。
次の実施例7以下に、無機材料と熱可塑性高分子材料からなるナノ複合体樹脂組成物の性能を更に向上させる事が可能となったカップリング剤種、量に関する例を記載する。
<実施例7>
冷却管、温度計、撹拌機を備えた300mlセパラブルフラスコを窒素雰囲気下、メチルメタクリレート(30g)、メチルアクリレート(2.0g)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403、信越化学社製)(0.3g)、アルミナメチルメタクリレート分散液(K−6C−1、ザ・インクテック社製、アルミナ含量6質量%、平均長さ:15nm、長さ/太さの比:7)(1.4g)、ノルマルドデシルメルカプタン(0.4g)を加えた後、1モル%塩化水素水溶液を0.1ml加え30分間攪拌した。90℃に昇温しパーヘキサC(純度70%、0.14g)を加え、加熱攪拌下90分重合を行った。90分で重合率が52%であることを確認し、パラメトキシフェノール(0.1g)を投入し攪拌下室温に冷却した。ここで得た、シラップを1Lのヘキサンに投入し析出物を濾別・回収し、減圧下溶媒を留去し、16gのナノ複合体樹脂組成物(11)を得た。ナノ複合体樹脂組成物(11)の分子量を東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC(展開溶媒:テトラヒドロフラン、標準ポリスチレン換算)]にて測定した結果、数平均分子量55,000、重量平均分子量113,000であった。ナノ複合樹脂組成物(11)を用い、熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇価、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。結果を表3に示す。
<実施例8>
冷却管、温度計および撹拌機を備えた300mlセパラブルフラスコを窒素雰囲気下、メチルメタクリレート(30g)、メチルアクリレート(2.0g)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM−803、信越化学社製)(0.3g)、ノルマルドデシルメルカプタン(0.1g)、アルミナメチルメタクリレート分散液(K−6C−1、ザ・インクテック社製、アルミナ含量6質量%、平均長さ:15nm、長さ/太さの比:7)(1.4g)を加えた後、1モル%塩化水素水溶液を0.1ml加え30分間攪拌した後、90℃に昇温しパーヘキサC(純度70%、0.14g)を加え、加熱攪拌下90分重合を行った。90分で重合率が52%であることを確認し、パラメトキシフェノール(0.1g)を投入し攪拌下室温に冷却した。ここで得た、シラップを1Lのヘキサンに投入し析出物を濾別・回収し、減圧下溶媒を留去し、16gのナノ複合体樹脂組成物(12)を得た。ナノ複合体樹脂組成物(12)の分子量を東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC(展開溶媒:テトラヒドロフラン、標準ポリスチレン換算)]にて測定した結果、数平均分子量52,000、重量平均分子量110,000であった。ナノ複合樹脂組成物(12)を用い、熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇価、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。結果を表3に示す。
<実施例9>
冷却管、温度計、滴下漏斗および撹拌機を備えた300mlセパラブルフラスコを窒素雰囲気下、メチルメタクリレート(30g)、メチルアクリレート(2.0g)、アシッドホスホキシエチルメタクリレート(0.7g)、アルミナメチルメタクリレート分散液(K−6C−1、ザ・インクテック社製、アルミナ含量6質量%、平均長さ:15nm、長さ/太さの比:7)(1.4g)、ノルマルドデシルメルカプタン(0.4g)を添加し90℃に昇温した後、パーヘキサC(純度70%、0.14g)を加え、加熱攪拌下90分重合を行った。90分で重合率が46%であることを確認し、パラメトキシフェノール(0.1g)を投入し攪拌下室温に冷却した。ここで得た、シラップを1Lのヘキサンに投入し析出物を濾別・回収し、減圧下溶媒を留去し、14gのナノ複合体樹脂組成物(13)を得た。ナノ複合体樹脂組成物(13)の分子量を東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC(展開溶媒:テトラヒドロフラン、標準ポリスチレン換算)]にて測定した結果、数平均分子量59,000、重量平均分子量131,000であった。ナノ複合樹脂組成物(13)を用い、熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇価、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。結果を表3に示す。
<実施例10>
冷却管、温度計、滴下漏斗および撹拌機を備えた1Lセパラブルフラスコを窒素雰囲気下、メチルメタクリレート(30g)、メチルアクリレート(2.0g)、アシッドホスホキシエチルメタクリレート(0.1g)、アルミナメチルメタクリレート分散液(K−6C−1、ザ・インクテック社製、アルミナ含量6質量%、平均長さ:15nm、長さ/太さの比:7)(1.4g)、ノルマルドデシルメルカプタン(0.4g)を添加し90℃に昇温した後、パーヘキサC(純度70%、0.14g)を加え、加熱攪拌下90分重合を行った。90分で重合率が51%であることを確認し、パラメトキシフェノール(0.1g)を投入し攪拌下室温に冷却した。ここで得た、シラップを1Lのヘキサンに投入し析出物を濾別・回収し、減圧下溶媒を留去し、15gのナノ複合体樹脂組成物(14)を得た。ナノ複合体樹脂組成物(14)の分子量を東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC(展開溶媒:テトラヒドロフラン、標準ポリスチレン換算)]にて測定した結果、数平均分子量57,000、重量平均分子量125,000であった。ナノ複合樹脂組成物(14)を用い、熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇価、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。結果を表3に示す。
<実施例11>
冷却管、温度計、滴下漏斗および撹拌機を備えた1Lセパラブルフラスコを窒素雰囲気下、メチルメタクリレート(30g)、メチルアクリレート(2.0g)、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(0.1g)、アルミナメチルメタクリレート分散液(K−6C−1、ザ・インクテック社製、アルミナ含量6質量%、平均長さ:15nm、長さ/太さの比:7)(1.4g)、ノルマルドデシルメルカプタン(0.4g)を添加し90℃に昇温した後、パーヘキサC(純度70%、0.14g)を加え、加熱攪拌下90分重合を行った。90分で重合率が49%であることを確認し、パラメトキシフェノール(0.1g)を投入し攪拌下室温に冷却した。ここで得た、シラップを1Lのヘキサンに投入し析出物を濾別・回収し、減圧下溶媒を留去し、14gのナノ複合体樹脂組成物(15)を得た。ナノ複合体樹脂組成物(15)の分子量を東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC(展開溶媒:テトラヒドロフラン、標準ポリスチレン換算)]にて測定した結果、数平均分子量54,000、重量平均分子量118,000であった。ナノ複合樹脂組成物(15)を用い、熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇価、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。結果を表3に示す。
<比較例6>
冷却管、温度計、滴下漏斗および撹拌機を備えた1Lセパラブルフラスコを窒素雰囲気下、メチルメタクリレート(30g)、メチルアクリレート(2.0g)、ヒドロキシメチルメタクリレート(2.0g)、アルミナメチルメタクリレート分散液(K−6C−1、ザ・インクテック社製、アルミナ含量6質量%、平均長さ:15nm、長さ/太さの比:7)(1.4g)、ノルマルドデシルメルカプタン(0.4g)を添加し90℃に昇温した後、パーヘキサC(純度70%、0.14g)を加え、加熱攪拌下90分重合を行った。90分で重合率が52%であることを確認し、パラメトキシフェノール(0.1g)を投入し攪拌下室温に冷却した。ここで得た、シラップを1Lのヘキサンに投入し析出物を濾別・回収し、減圧下溶媒を留去し、16gのナノ複合体樹脂組成物(16)を得た。ナノ複合体樹脂組成物(16)の分子量を東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC(展開溶媒:テトラヒドロフラン、標準ポリスチレン換算)]にて測定した結果、数平均分子量59,000、重量平均分子量128,000であった。ナノ複合樹脂組成物(16)を用い、熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇価、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。結果を表3に示す。
<比較例7>
冷却管、温度計および撹拌機を備えた300mlセパラブルフラスコを窒素雰囲気下、メチルメタクリレート(30g)、メチルアクリレート(2.0g)、アシッドホスホキシエチルメタクリレート(3.0g)、アルミナメチルメタクリレート分散液(K−6C−1、ザ・インクテック社製、アルミナ含量6質量%、平均長さ:15nm、長さ/太さの比:7)(1.4g)、ノルマルドデシルメルカプタン(0.4g)を添加し90℃に昇温した後、パーヘキサC(純度70%、0.14g)を加え、加熱攪拌下90分重合を行った。重合開始と同時に系内は白濁し、90分で重合率が14%であることを確認し、パラメトキシフェノール(0.1g)を投入し攪拌下室温に冷却した。ここで得た、シラップを1Lのヘキサンに投入し析出物を濾別・回収し、減圧下溶媒を留去し、3.5gのナノ複合体樹脂組成物(17)を得た。ここで得た樹脂組成物は実施例7,8,9〜11と比較して無機ファイバー含有率が高かった為、一連の評価は実施しなかった。
上記表3中、実施例7、8及び実施例3の結果から、同じ分散液を使用しても、分子内に重合性不飽和結合又はメルカプト基を有するシランカップリング剤を添加し加水分解を行った後に重合させて得られたナノ複合体樹脂組成物はこれまでにない高い表面硬度を発現する事がわかり、この高い表面傷付き性を活かして機器前面板やレンズ材料に好適であり工業的に非常に有用である。
上記表3中、実施例9、10及び実施例3の結果から、同じ分散液を使用しても、分子内に重合性不飽和結合及びリン酸骨格を有する化合物を添加した後に重合させて得られたナノ複合体樹脂組成物は、これまでにない高い表面硬度を発現する事がわかり、この高い表面傷付き性を活かして機器前面板やレンズ材料に好適であり工業的に非常に有用である。
上記表3中、実施例11及び実施例3の結果から、同じ分散液を使用しても、分子内に重合性不飽和結合及びスルホン酸骨格を有する化合物を添加した後に重合させて得られたナノ複合体樹脂組成物はこれまでにない高い表面硬度を発現する事がわかり、この高い表面傷付き性を活かして機器前面板やレンズ材料に好適であり工業的に非常に有用である。
上記表3中、実施例9、10及び比較例7の結果から、カップリング剤の添加量は樹脂単量体比で9質量%を超えるとゲル化することがあり、重合体の溶解性が著しく低下し重合停止に至るため生産性、成形加工性に劣る。
上記表3中、実施例7,8、9〜11及び比較例6の結果から、無機材料と高分子材料間で通常の水素結合による相互作用導入による表面硬度上昇効果は見られず、本発明に規定のカップリング剤を適量添加する事で高い性能が発現する事が分かる。本発明の表面処理剤を加える事で、これまでに無い高い表面硬度が発現し、無機材料、表面処理剤共に非常に低い添加量で物性が発現するため低コスト化をはかることが可能であり、添加量を制御する事で本製造手法により得る事のできるナノ複合体樹脂組成物は溶融賦形安定性も高く工業的に非常に有用である。
次に、スチレン系樹脂への添加効果に関する実施例、比較例を記載する。
<実施例12>
圧力計、温度計、および撹拌機を備えた100ml耐圧オートクレーブを窒素雰囲気下、メチルメタクリレート(18g)、スチレン(22g)、アルミナトルエン分散液(CBS−43、ザ・インクテック社製、アルミナ含量:6質量%、平均長さ:15nm、長さ/太さの比:7)(1.7g)、ノルマルドデシルメルカプタン(0.4g)、パーオクタO(0.08g)を加え90℃に昇温させ4時間加熱攪拌を行った。重合率が48%である事を確認し、パラメトキシフェノール(0.1g)を投入し攪拌下室温に冷却した。ここで得た、シラップを1Lのヘキサンに投入し析出物を濾別・回収し、減圧下溶媒を留去し、16gのナノ複合体樹脂組成物(18)を得た。ナノ複合樹脂組成物(18)を用い、熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇価、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。結果を表4に示す。
<実施例13>
冷却管、温度計、滴下漏斗および撹拌機を備えた1Lセパラブルフラスコを窒素雰囲気下、メチルメタクリレート(16.3g)、スチレン(22g)、アルミナメチルメタクリレート分散液(K−6C−1、ザ・インクテック社製、アルミナ含量:6質量%、平均長さ:15nm、長さ/太さの比:7)(1.7g)、ノルマルドデシルメルカプタン(0.4g)、パーオクタO(0.08g)を加え90℃に昇温させ4時間加熱攪拌を行った。重合率が49%である事を確認し、パラメトキシフェノール(0.1g)を投入し攪拌下室温に冷却した。ここで得た、シラップを1Lのヘキサンに投入し析出物を濾別・回収し、減圧下溶媒を留去し、16gのナノ複合体樹脂組成物(19)を得た。ナノ複合樹脂組成物(19)を用い、熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇価、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。結果を表4に示す。
<実施例14>
冷却管、温度計、滴下漏斗および撹拌機を備えた1Lセパラブルフラスコを窒素雰囲気下、メチルメタクリレート(8g)、スチレン(32g)、アルミナトルエン分散液(CBS−43、ザ・インクテック社製、アルミナ含量:6質量%、平均長さ:15nm、長さ/太さの比:7)(1.7g)、ノルマルドデシルメルカプタン(0.04g)、パーヘキサC(0.08g)を加え100℃に昇温させ4時間加熱攪拌を行った。重合率が47%である事を確認し、パラメトキシフェノール(0.1g)を投入し攪拌下室温に冷却した。ここで得た、シラップを1Lのヘキサンに投入し析出物を濾別・回収し、減圧下溶媒を留去し、16gのナノ複合体樹脂組成物(20)を得た。ナノ複合樹脂組成物(20)を用い、熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇価、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。結果を表4に示す。
<実施例15>
冷却管、温度計、滴下漏斗および撹拌機を備えた1Lセパラブルフラスコを窒素雰囲気下、ポリメチルメタクリレート/スチレン共重合体(電気化学工業社製、TX−800、20g)、メチルエチルケトン(200g)を仕込み50℃に昇温させ2時間加熱攪拌を行い完全に溶解させた。そのポリマー溶液を60℃にて、アルミナトルエン分散液(CBS−43、ザ・インクテック社製、アルミナ含量:6質量%、平均長さ:15nm、長さ/太さの比:7)(1.7g)とメチルエチルケトン(200g)の混合液を30分以上かけて滴下混合した。得られたポリマー溶液をヘキサン中20Lに投入し析出物を濾別・回収し、減圧下溶媒を留去し16gのナノ複合樹脂組成物(20)を得た。ナノ複合樹脂組成物(20)を用い、熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇価、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。結果を表4に示す。
<比較例8>
実施例15のスチレン系樹脂を用いて熱プレス成型にて作製した厚さ1mmのシートについて全光線透過率、曇度、曲げ弾性率、鉛筆硬度を測定した。結果を表4に示す。
上記表4中、実施例12〜15及び比較例8の結果から、本発明をスチレン系樹脂に適用して得られるナノ複合樹脂組成物も、高い透明性、力学物性、表面硬度が非常に優れ工業的に非常に有用である。
上記表4中、実施例12、13の結果から、アルミナウィスカを極性溶媒(メチルメタクリレート)に分散させた分散液を使用しても、非極性溶媒(トルエン)に分散させた分散液を使用しても、無機ナノファイバーを均一に分散した後に重合工程を経る本発明に規定の製造方法を適用する事で、本発明のナノ複合体樹脂組成物の透明性、力学物性、表面硬度は非常に優れており、通常では達成し得ない高い高分子濃度溶液中でも分散性が保持される事が分かった。本知見より連続バルク重合の適用も可能である事が分かり、該プロセスを適用する事で低コスト化をはかることが可能であり工業的に非常に有用である。
実施例1、2および比較例1、2の溶融混練前後での透過型電子顕微鏡写真を図1〜8に示す。
以上の説明により明らかなように、本発明によれば、透明熱可塑性樹脂に無機ナノファイバーをナノオーダーで複合化することで透明性、力学物性、表面硬度並びに溶融賦形安定性に優れたナノ複合体樹脂組成物を得ることができる。また、カップリング剤を上手く選択する事で表面硬度が飛躍的に向上する事を見出し、このようなナノ複合体樹脂組成物を比較的簡単な工程で製造することが可能である。
本発明により得られるナノ複合体樹脂組成物は、その極めて高い可視光線透過率、高い力学物性、表面硬度が有効利用される用途であれば特に限定されないが、各種物品の表層材、たとえば、フィルム、シート、箱及び容器等、に好適である。本成形品には、表面研磨処理、帯電防止処理、ハードコート処理、その他の後処理を必要に応じて行うことで各種用途への展開も可能である。
実施例1で熱プレス成形した溶融混練処理前のアルミナナノ複合樹脂組成物からなるシートの透過型電子顕微鏡写真である。 実施例2で熱プレス成形した溶融混練処理前のアルミナナノ複合樹脂組成物からなるシートの透過型電子顕微鏡写真である。 比較例1で熱プレス成形した、溶融混練処理前の、アルミナ粒子を含有するナノ複合樹脂組成物からなるシートの透過型電子顕微鏡写真である。 比較例2で熱プレス成形した、溶融混練処理前の、コロイダルシリカを含有するナノ複合樹脂組成物からなるシートの透過型電子顕微鏡写真である。 実施例1で溶融混練および賦形した、アルミナナノ複合樹脂組成物からなるシートの透過型電子顕微鏡写真である。 実施例2で溶融混練および賦形した、アルミナナノ複合樹脂組成物からなるシートの透過型電子顕微鏡写真である。 比較例1で溶融混練および賦形した、アルミナ粒子を含有するナノ複合樹脂組成物からなるシートの透過型電子顕微鏡写真である。 比較例2で溶融混練および賦形した、コロイダルシリカを含有するナノ複合樹脂組成物からなるシートの透過型電子顕微鏡写真である。

Claims (10)

  1. 透明熱可塑性樹脂100質量部に対して、平均長さ10〜150nm、長さ/太さの比5〜75の無機ナノファイバー0.01〜50質量部が均一に分散してなり、可視光領域の光線透過率が89%以上、曇価が3.0%以下であるナノ複合樹脂組成物。
  2. 温度180〜260℃かつ剪断速度1〜10000/sec.の条件で溶融賦形して、可視光領域の光線透過率が89%以上、曇価が3.0%以下である請求項1に記載のナノ複合樹脂組成物。
  3. 透明熱可塑性樹脂が、メタクリル酸メチル単位またはスチレン単位を80質量%以上有するものである請求項1または2に記載のナノ複合樹脂組成物。
  4. 無機ナノファイバーが、アルミナである請求項1〜3のいずれか1項に記載のナノ複合樹脂組成物。
  5. 無機ナノファイバーを有機溶媒及び/又は単量体に分散させて分散液とした後、該分散液を単量体又は単量体の有機溶媒溶液に混合して該単量体を重合させる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のナノ複合体樹脂組成物の製造方法。
  6. 無機ナノファイバーを分散させる単量体に、さらに、シラン系、リン酸系およびスルホン酸系から選ばれるカップリング剤を、単量体に対し0.01〜9質量%含有する、請求項5に記載の製造方法。
  7. カップリング剤が、重合性不飽和結合またはメルカプト基を有するものである請求項6に記載の製造方法。
  8. 単量体を重合した後に、有機溶媒または未反応の単量体を除去する、請求項5〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 透明熱可塑性樹脂を溶解させた有機溶媒溶液に、無機ナノファイバーを有機溶媒及び/又は単量体に分散させた分散液を混合し、透明熱可塑性樹脂濃度を9質量%以下として、有機溶媒及び/又は単量体を除去する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のナノ複合樹脂組成物の製造方法。
  10. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のナノ複合樹脂組成物からなる成形品。
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