JP2007287746A - トランスおよびトランス用フープ材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一次コイルと二次コイルとが巻成された巻芯部21および該巻芯部の少なくとも上端側に形成されたフランジ状の鍔部22を備えるドラムコア20と、前記ドラムコアの周囲に装着される環状のリングコア30と、前記リングコアに接合され前記一次コイルまたは二次コイルの巻端が絡げられる絡げ部42が形成された基板接続端子40と、を有するトランス10において、前記絡げ部が、前記巻芯部の巻軸方向に伸びるとともに該方向に連なる複数段のくびれ部からなり、前記リングコアの上面には、リングコアと前記鍔部とを位置決めするための突起部32が形成されていることを特徴とするトランス10
【選択図】図1
Description
なお本発明における上下方向とは、回路基板にトランスを載置した状態においてトランス側を上方、回路基板側を下方とするものであり、重力方向に対する上下を必ずしも意味しない。
なお、ドラムコア120の周囲に磁性体のリングコア130を装着することにより、ドラムコアの巻芯部121、鍔部122,123、およびリングコア130とから磁気回路が構成され、コイル125の発生する磁束の漏出が抑制され、AL値(コイルの単位巻数あたりのインダクタンス値)を向上することができる。
基板接続端子140のうち接合部141は、リングコア130の下面に接合される。一方、コイル125の巻端が巻きつけられる絡げ部142は、接合部141から側面視L字状に折り曲げられた立設部143(同図(b)参照)からリングコア130の前後方向または放射方向に突出して設けられることが一般的である。
(1)ドラムコア120とリングコア130とから構成される磁路の中にツメ144などの金属片が存在することで鉄損として渦電流損が発生するため、特に、高周波駆動した場合にトランス110の電力消費が増大し、インダクタンス値が顕著に低下すること。
(2)リングコア130は、その上端側ではリングコア120の鍔部122と接触し、下端側ではツメ144を介して鍔部123と接触することから、ドラムコア120とリングコア130とは完全な閉磁路を形成している。このためトランス110に比較的大きな電流を供給した場合にそれぞれのコアが容易に磁気飽和を起こして磁束密度が頭打ちとなり、トランスの変換効率が劣る。特に交流信号のベースに直流のバイアスが負荷された場合のインダクタンス特性(直流重畳特性)が顕著に低下する。
しかし、本発明の如く高い実装効率の求められる小型のトランスにおいては、リングコアのスケールは4〜5mm四方程度であり、したがって鍔部123の直径は4mm程度ときわめて小さいものとなる。
これに対しツメ144と鍔部123との間に所定のクリアランスを確保するためには、必然的にリングコアの内周面131に対して鍔部123を相対的に縮小する必要がある。
これに加え、かかるクリアランス量を増減する誤差要因として、少なくとも(i)リングコアの内周面131の加工公差、(ii)ツメ144を含む基板接続端子の加工公差、(iii)リングコアに対して基板接続端子140を接合する位置精度、(iv)ドラムコア下端側の鍔部123の加工公差、を考慮する必要がある。かかる誤差要因が相加的に発生した場合もツメ144と鍔部123とを非接触に保つためには、リングコアの内周面131の径に対して鍔部123をさらに充分に小さくすることが必要となる。
その結果、回路基板への実装性を維持するためにリングコア130の外形寸法を不変とした場合、鍔部123を上記のとおり縮径することでコイルの巻厚(巻数)も低減せざるをえず、トランスのインダクタンス特性が毀損されるという問題が生じることとなった。
すなわち本発明にかかるトランスは、
(1)一次コイルと二次コイルとが巻成された巻芯部および該巻芯部の少なくとも上端側に形成されたフランジ状の鍔部を備えるドラムコアと、前記ドラムコアの周囲に装着される環状のリングコアと、前記リングコアに接合され前記一次コイルまたは二次コイルの巻端が絡げられる絡げ部が形成された基板接続端子と、を有するトランスにおいて、
前記絡げ部が、前記巻芯部の巻軸方向に伸びるとともに、
前記リングコアの上面には、リングコアと前記鍔部とを位置決めするための当接部が形成されていることを特徴とするトランス;
(2)絡げ部が、前記巻軸方向に連なる複数段のくびれ部からなる上記(1)に記載のトランス;
(3)リングコアが、ドラムコアの巻芯部を嵌入する通孔と四つのコーナー部とをもつ矩形環状であって、かつ当接部が、前記コーナー部のうち少なくとも二つにおいてそれぞれ突出して形成された突起部である上記(1)または(2)に記載のトランス;
(4)基板接続端子が、非導電性の接着剤を介してリングコアに接合されるとともにドラムコアと非接触に設けられている上記(1)から(3)のいずれかに記載のトランス;
(5)ともに磁性材料からなるドラムコアとリングコアとが、前記鍔部のみによって磁気的に接続されている上記(1)から(4)のいずれかに記載のトランス;
を要旨とする。
(6)ドラムコアに巻成された一次コイルまたは二次コイルの巻端が絡げられる絡げ部と、前記ドラムコアの周囲に装着される環状のリングコアに接合される接合部とを備える複数組のトランス用端子が、リードフレーム部に連設されてなる金属製のフープ材において、
前記絡げ部が、複数段のくびれ部よりなることを特徴とするトランス用フープ材;
を要旨とする。
また、トランスの下端側においてリングコアの内周側に突出した複数のツメ144によって画成される円形領域にドラムコアの下端を挿入するアセンブリ作業は、ドラムコアの上端側に形成されたより大径の鍔部の存在によってきわめて視認性が悪く作業工数を多く要するとともに、ツメ144の押潰による歩留まりの低下を引き起こす問題を有していたところ、本発明の如くリングコアの上面に設けた当接部とドラムコアの鍔部とを当接させて両者を位置合わせする方式は、きわめて作業性が良好である。
図1に本発明の第一の実施の形態にかかるトランス10を示す。同図(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)はそのc−c断面図、(d)は底面図である。
トランス10は、基板接続端子40が接合されたリングコア30をドラムコア20に装着してなり、またドラムコア20がコイル(一次コイルおよび二次コイル)25が巻成された巻芯部21と、その上下両端にフランジ状に形成された鍔部22,23とからなることは従来のトランスと共通する。コイル25が巻成されたドラムコア20の斜視図を図2(a)に、またリングコア30の斜視図を図2(b)に示す。
図1に例示する突起部32は、鍔部22の外周辺(外周側面)とのフィット性を向上するため、鍔部22の曲率と同等の湾曲辺33を有している。またリングコア30上面の四つのコーナー部のうち、隣り合う二つのコーナー部についてかかる突起部32を設けている。このように隣り合う二つのコーナー部に接合部を設ける方式とすることにより、加工公差の影響の大きい小型のトランスの場合についても特に良好な位置合わせを行うことができる。
すなわち、例えばリングコア30が4〜5mm四方程度と小型の矩形環状の場合、リングコア30とドラムコア20との位置合わせ精度は突起部32の位置精度に大きく依存するところ、これをすべてのコーナー部に設けるのではなく、矩形の一辺の両端に位置するコーナー部のみに設けることにより、その対辺側への鍔部22の移動が可能となるため、ドラムコア20をリングコア30の通孔34に嵌入する作業が容易になるとともに、突起部32の加工精度に基づく歩留まりの低下を防止できる。
なお、鍔部22と当接する突起部32を二つのみとする場合、ドラムコア20とリングコア30との間に生じる付勢力によって突起部32が欠けるなどの機械的損傷が生じないよう、突起部32はリングコア30の矩形辺央ではなく、厚肉部であるコーナー部に形成するとよい。
またフープ材50は、基本パターンの繰り返し方向(同図(b)における左右方向)に送り孔51が一定の送りピッチで設けられたリードフレーム部53と、これに連設された端子パターン部54とからなる。端子パターン部54は、本実施の形態の場合、リードフレーム部53にそれぞれ架設された4式の基板接続端子40から構成される。
かかるフープ材50より端子パターン部54を打ち抜き成型することで、リングコア30に接合される基板接続端子40を容易に得ることができる。
第一の工程として、図示しない送り装置と送り孔51によりフープ材50を所定の位置にセットした状態で、基板接続端子40の基端部に相当する接合部41の上面に、それぞれ非導電性接着剤46を塗工する。
第二の工程として、リングコア30を白抜き矢印の向きに載置し、接合部41をリングコア30の下面にそれぞれ接着接合する(同図(a)参照)。
すなわち、リングコア30が嵩高の場合は、すべて(3つ)のくびれ部44が基板接続端子40に残るよう、同図に破線にて示す3本のカットラインのうちもっとも外側を選択して絡げ部42を切断する。これに対し、リングコア30の嵩が低い場合は、3本のカットラインのうち中央または内側を選択して絡げ部42を切断する。カットラインのかかる選択は、リングコア30の高さのほか、ドラムコア20に対するコイル25の巻端の高さに応じて決定することもできる。
なお、複数組の絡げ部42と架橋47の切断は、図示しないプレスカッターによって一工程にて行うことができる。
第五の工程として、コイル25を巻成したドラムコア20を、リングコア30の通孔34に嵌入するとともに、ドラムコア20の鍔部22とリングコア30の突起部32とを当接させ両者を位置合わせする(同図(c)参照)。このとき、鍔部22の下面に接着剤を予め塗布しておき、ドラムコア20とリングコア30とを接着固定してもよい。
第六の工程として、コイル25の巻端(図示せず)をリングコア30の引出溝35より引き出し、所定の基板接続端子40の絡げ部42のうち、もっとも高さ位置の近接する部44にこれを絡げる。さらに、絡げ部42をハンダにより固着する。
20 ドラムコア
21 巻芯部
22,23 鍔部
25 コイル
26 巻端部
30 リングコア
32 突起部
40 基板接続端子
41 接合部
42 絡げ部
44 くびれ部
50 フープ材
53 リードフレーム部
Claims (6)
- 一次コイルと二次コイルとが巻成された巻芯部および該巻芯部の少なくとも上端側に形成されたフランジ状の鍔部を備えるドラムコアと、前記ドラムコアの周囲に装着される環状のリングコアと、前記リングコアに接合され前記一次コイルまたは二次コイルの巻端が絡げられる絡げ部が形成された基板接続端子と、を有するトランスにおいて、
前記絡げ部が、前記巻芯部の巻軸方向に伸びるとともに、
前記リングコアの上面には、リングコアと前記鍔部とを位置決めするための当接部が形成されていることを特徴とするトランス。 - 絡げ部が、前記巻軸方向に連なる複数段のくびれ部からなる請求項1に記載のトランス。
- リングコアが、ドラムコアの巻芯部を嵌入する通孔と四つのコーナー部とをもつ矩形環状であって、かつ当接部が、前記コーナー部のうち少なくとも二つにおいてそれぞれ突出して形成された突起部である請求項1または2に記載のトランス。
- 基板接続端子が、非導電性の接着剤を介してリングコアに接合されるとともにドラムコアと非接触に設けられている請求項1から3のいずれかに記載のトランス。
- ともに磁性材料からなるドラムコアとリングコアとが、前記鍔部のみによって磁気的に接続されている請求項1から4のいずれかに記載のトランス。
- ドラムコアに巻成された一次コイルまたは二次コイルの巻端が絡げられる絡げ部と、前記ドラムコアの周囲に装着される環状のリングコアに接合される接合部とを備える複数組のトランス用端子が、リードフレーム部に連設されてなる金属製のフープ材において、
前記絡げ部が、複数段のくびれ部よりなることを特徴とするトランス用フープ材。
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