JP2007287746A - トランスおよびトランス用フープ材 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い実装効率と、広帯域にわたる動作周波数に対するトランスの高い変換効率とが得られ、さらに、磁気飽和の発生を抑制して特に大電流供給時や直流電流重畳時にも良好なインダクタンス特性を得ることのできるトランスを提供する。
【解決手段】一次コイルと二次コイルとが巻成された巻芯部21および該巻芯部の少なくとも上端側に形成されたフランジ状の鍔部22を備えるドラムコア20と、前記ドラムコアの周囲に装着される環状のリングコア30と、前記リングコアに接合され前記一次コイルまたは二次コイルの巻端が絡げられる絡げ部42が形成された基板接続端子40と、を有するトランス10において、前記絡げ部が、前記巻芯部の巻軸方向に伸びるとともに該方向に連なる複数段のくびれ部からなり、前記リングコアの上面には、リングコアと前記鍔部とを位置決めするための突起部32が形成されていることを特徴とするトランス10
【選択図】図1

Description

本発明は高周波特性を改善した表面実装型のトランス、およびこれに用いられるトランス用端子を供給するフープ材に関する。
回路基板に表面実装される従来のトランスの例を図6に示す(下記非特許文献1参照)。同図(a)は平面図、(b)は右側面図、(c)は立面図、(d)は底面図である。またこの種のトランスに関する発明が記載された文献として下記特許文献1および2を挙げる。
図6各図に示すトランス110は、巻芯部121の上端と下端に大径の鍔部122,123がそれぞれフランジ状に形成されたドラムコア120と、平面視矩形形状の環状のリングコア130とを嵌合し、リングコア130の下面に四つの基板接続端子140を接合してなる。ドラムコア120とリングコア130とはともに焼成フェライトなどの磁性材料からなり、またドラムコア120はその巻芯部121にコイル125(一次コイルおよび二次コイル)が巻成されている。
なお本発明における上下方向とは、回路基板にトランスを載置した状態においてトランス側を上方、回路基板側を下方とするものであり、重力方向に対する上下を必ずしも意味しない。
一般に上端側の鍔部122はより大径に形成されてリングコア130の上面を掩覆し、下端側の鍔部123はより小径に形成されてリングコアの内周面131に嵌入する。鍔部122,123は、巻成されたコイル125のストッパーの役割をもち、すなわちより小径の鍔部(一般に下端側)のフランジ厚が、コイル125の最大巻厚を規定している。
なお、ドラムコア120の周囲に磁性体のリングコア130を装着することにより、ドラムコアの巻芯部121、鍔部122,123、およびリングコア130とから磁気回路が構成され、コイル125の発生する磁束の漏出が抑制され、AL値(コイルの単位巻数あたりのインダクタンス値)を向上することができる。
基板接続端子140は、回路基板の表面に設けられた導電性のランドパターンと接合される接合部141と、コイルの巻端を絡げるための絡げ部142とを有する金属部品である。コイル125が一次コイルおよび二次コイルの2本の巻線からなる場合、その巻端の数にあわせ、リングコア130の下面に接合される基板接続端子140の個数もまた同図のように4式とすることが一般的である。
基板接続端子140のうち接合部141は、リングコア130の下面に接合される。一方、コイル125の巻端が巻きつけられる絡げ部142は、接合部141から側面視L字状に折り曲げられた立設部143(同図(b)参照)からリングコア130の前後方向または放射方向に突出して設けられることが一般的である。
また、基板接続端子140の接合部141には、それぞれツメ144が立設され、これをドラムコア120の下端側の鍔部123と当接させることにより、ドラムコア120とリングコア130との位置合せがされる(同図(d)参照)。すなわち、トランス110のインダクタンス値は磁気回路を構成するドラムコア120とリングコア130との位置関係に応じて増減するものであるところ、トランス製品ごとに所定のインダクタンス値をばらつきなく得るためには両者の相対的な位置関係を再現する必要があり、これをツメ144によって行っている。リングコア130に固定された4つのツメ144は、環状のリングコア130の内周面131と鍔部123との間にいずれも介挿され、これと当接する鍔部123のぐらつきを防止するとともに、リングコア130とドラムコア120との位置決めをする。
また下記特許文献1,2に記載のトランスについても、コアの下面側に設けられた基板接続用の端子はコアの前後方向に突出して形成されている。
スミダコーポレーション株式会社、"パワーインダクタカタログ"、[online]、製品情報、カタログPDF、[平成18年4月1日検索]、インターネット<URL:http://www.sumida.com/ja/products/catalog/Power_Inductor.pdf> 特開2000−124038号公報 特開2005−268542号公報
上記各トランスについては、これが搭載される機器への実装効率を向上するため、特に回路基板に対するフットプリントの小型化が求められている。これに対し、例えば図6に示す上記非特許文献1に記載のトランスでは、矩形環状のリングコア130のサイズは小型のもので4〜5mm四方程度であるのに対し、トランス110全体のフットプリントは絡げ部142の突出方向では6mm程度となっており、この差がロススペースとして実装効率を低下させる要因となる。
また、リングコア130とドラムコア120との間に基板接続端子140のツメ144を介挿して両者の位置決めをする従来の方式では、以下の問題が生じる。
(1)ドラムコア120とリングコア130とから構成される磁路の中にツメ144などの金属片が存在することで鉄損として渦電流損が発生するため、特に、高周波駆動した場合にトランス110の電力消費が増大し、インダクタンス値が顕著に低下すること。
(2)リングコア130は、その上端側ではリングコア120の鍔部122と接触し、下端側ではツメ144を介して鍔部123と接触することから、ドラムコア120とリングコア130とは完全な閉磁路を形成している。このためトランス110に比較的大きな電流を供給した場合にそれぞれのコアが容易に磁気飽和を起こして磁束密度が頭打ちとなり、トランスの変換効率が劣る。特に交流信号のベースに直流のバイアスが負荷された場合のインダクタンス特性(直流重畳特性)が顕著に低下する。
これに対し本発明者は、ドラムコア下端側の鍔部123と、これとリングコアの内周面131との間に介挿されるツメ144と、を非接触に設けることで閉磁路にギャップを形成し、もって磁気飽和の発生を低減することをまず試みた(符号は図6を参照)。
しかし、本発明の如く高い実装効率の求められる小型のトランスにおいては、リングコアのスケールは4〜5mm四方程度であり、したがって鍔部123の直径は4mm程度ときわめて小さいものとなる。
これに対しツメ144と鍔部123との間に所定のクリアランスを確保するためには、必然的にリングコアの内周面131に対して鍔部123を相対的に縮小する必要がある。
これに加え、かかるクリアランス量を増減する誤差要因として、少なくとも(i)リングコアの内周面131の加工公差、(ii)ツメ144を含む基板接続端子の加工公差、(iii)リングコアに対して基板接続端子140を接合する位置精度、(iv)ドラムコア下端側の鍔部123の加工公差、を考慮する必要がある。かかる誤差要因が相加的に発生した場合もツメ144と鍔部123とを非接触に保つためには、リングコアの内周面131の径に対して鍔部123をさらに充分に小さくすることが必要となる。
その結果、回路基板への実装性を維持するためにリングコア130の外形寸法を不変とした場合、鍔部123を上記のとおり縮径することでコイルの巻厚(巻数)も低減せざるをえず、トランスのインダクタンス特性が毀損されるという問題が生じることとなった。
本発明は上記各課題を解決することを目的としてなされたものであり、すなわち高い実装効率と、広帯域にわたる動作周波数に対するトランスの高い変換効率とが得られ、さらに、磁気飽和の発生を抑制して特に大電流供給時や直流電流重畳時にも良好なインダクタンス特性を得ることのできるトランスを提供することを目的とする。
本発明は、ドラムコアとリングコアの位置決め用のツメを排除し、両者の位置決めをリングコアの上面とドラムコア上端側の鍔部との間で行うとともに、従来はリングコアから前後方向や放射方向に突出して設けられていた絡げ部を、コイルの巻軸方向と一致させて設けるという技術思想に基づくものである。
すなわち本発明にかかるトランスは、
(1)一次コイルと二次コイルとが巻成された巻芯部および該巻芯部の少なくとも上端側に形成されたフランジ状の鍔部を備えるドラムコアと、前記ドラムコアの周囲に装着される環状のリングコアと、前記リングコアに接合され前記一次コイルまたは二次コイルの巻端が絡げられる絡げ部が形成された基板接続端子と、を有するトランスにおいて、
前記絡げ部が、前記巻芯部の巻軸方向に伸びるとともに、
前記リングコアの上面には、リングコアと前記鍔部とを位置決めするための当接部が形成されていることを特徴とするトランス;
(2)絡げ部が、前記巻軸方向に連なる複数段のくびれ部からなる上記(1)に記載のトランス;
(3)リングコアが、ドラムコアの巻芯部を嵌入する通孔と四つのコーナー部とをもつ矩形環状であって、かつ当接部が、前記コーナー部のうち少なくとも二つにおいてそれぞれ突出して形成された突起部である上記(1)または(2)に記載のトランス;
(4)基板接続端子が、非導電性の接着剤を介してリングコアに接合されるとともにドラムコアと非接触に設けられている上記(1)から(3)のいずれかに記載のトランス;
(5)ともに磁性材料からなるドラムコアとリングコアとが、前記鍔部のみによって磁気的に接続されている上記(1)から(4)のいずれかに記載のトランス;
を要旨とする。
また上記発明にかかるトランスを実現するトランス用端子を供給するフープ材として、本発明にかかるトランス用フープ材は、
(6)ドラムコアに巻成された一次コイルまたは二次コイルの巻端が絡げられる絡げ部と、前記ドラムコアの周囲に装着される環状のリングコアに接合される接合部とを備える複数組のトランス用端子が、リードフレーム部に連設されてなる金属製のフープ材において、
前記絡げ部が、複数段のくびれ部よりなることを特徴とするトランス用フープ材;
を要旨とする。
本発明にかかるトランスによれば、環状のリングコアの上面に、ドラムコア上端側の鍔部と当接する当接部を設けて両者を位置決めする方式としたことにより、基板接続端子に立設されたツメ144(図6を参照)をリングコアの内周面とドラムコアとの間に介挿せずとも両者の位置合せが可能となる。このため、トランスの下端側においてリングコアとドラムコアとを非接触とすることにより磁気回路にギャップを設けてコアの磁気飽和を抑制するに際しても、ツメ144の厚さ相当幅だけ予めクリアランスが設けられていることから、これをギャップとして利用する限りコイルの最大巻厚(巻数)を低減する必要がない。またツメ144を排除したことにより、かかるギャップ量を増減させる誤差要因としては(i)リングコアの内周面の加工公差、および(ii)ドラムコア下端側の鍔部の加工公差、のみを考慮すればよいことからコイルの最大巻厚に対する影響は無視しうる。
また、トランスの下端側においてリングコアの内周側に突出した複数のツメ144によって画成される円形領域にドラムコアの下端を挿入するアセンブリ作業は、ドラムコアの上端側に形成されたより大径の鍔部の存在によってきわめて視認性が悪く作業工数を多く要するとともに、ツメ144の押潰による歩留まりの低下を引き起こす問題を有していたところ、本発明の如くリングコアの上面に設けた当接部とドラムコアの鍔部とを当接させて両者を位置合わせする方式は、きわめて作業性が良好である。
さらに本発明にかかるトランスによれば、基板接続端子から突出する絡げ部の該突出方向を、従来の如くリングコアの前後方向や放射方向とするのではなく、コイルの巻軸方向と一致させている。これにより、トランスのフットプリントをリングコアのフットプリントと略一致させることができるためロススペースがなく、従来のトランスに比して回路基板に対する実装効率を向上することができる。換言すると、従来と同寸法のリングコアおよびドラムコアを用いる場合はトランス全体のフットプリントを縮小することができ、またトランス全体のフットプリントを従来と同寸法とした場合はリングコアとドラムコアを拡大可能であることからトランスのインダクタンス性能を向上することができる。
また絡げ部がトランス下端側からドラムコアの巻芯部に並行して伸びることとなるため、巻芯部に巻き回されたコイルの巻端位置の高さによらず、ドラムコアより引き出された巻線を、絡げ部の対応する高さ位置に対して最短距離で絡げることができる。このため、巻線に弛みが生じることがなく浮遊容量(ストレイキャパシタ)を最小化できるため、特にトランスの動作周波数が高い場合に電気特性に及ぼす悪影響を低減することができる。また巻線の弛みはトランスに作用する機械振動の影響により自身の破断を招く虞があるため、トランス製品の機械的強度の観点からも本発明の如くコイルの巻端から引き出される巻線の長さを最小化することの効果が認められる。
本発明にかかるトランスにおいては、絡げ部として、コイルの巻軸方向に連なる複数段のくびれ部を形成することにより、ドラムコアより引き出された巻線を前記いずれかのくびれ部を選択してこれに絡げることもでき、これによりコイルの巻端の高さ位置に対する汎用性が向上する。すなわち、ドラムコアに対するコイルの巻端位置がトランス製品ごとに上下に変動した場合も、共通の基板接続端子を用いて好適にアセンブリすることができる。換言すると、(1)リングコアやドラムコアの高さが複数通りに相違する場合に対して、および(2)ドラムコアの巻芯部に対するコイルの巻端位置の高さが複数通りに相違する場合に対して、いずれも共通の基板接続端子を用いることができる。
また本発明にかかるトランス用フープ材によれば、上記の如く汎用性の高い基板接続端子が供給されるため、フープ材の部品点数を削減することによるコストメリットが享受できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態につき、図面を用いて具体的に説明する。
図1に本発明の第一の実施の形態にかかるトランス10を示す。同図(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)はそのc−c断面図、(d)は底面図である。
トランス10は、基板接続端子40が接合されたリングコア30をドラムコア20に装着してなり、またドラムコア20がコイル(一次コイルおよび二次コイル)25が巻成された巻芯部21と、その上下両端にフランジ状に形成された鍔部22,23とからなることは従来のトランスと共通する。コイル25が巻成されたドラムコア20の斜視図を図2(a)に、またリングコア30の斜視図を図2(b)に示す。
本発明にかかるトランス10に特徴的な点は、第一にリングコア30の上面に当接部を形成し、これをドラムコア上端側の鍔部22と当接させることにより位置決めを行う方式としたことであり、第二に基板接続端子40に形成された絡げ部42の伸びる方向を巻芯部21の巻軸方向としたことにある。上記第一と第二の特徴点をあわせることにより、実装効率とインダクタンスをともに向上するという本発明の目的を達することができる。
リングコア30の上面に形成する当接部は、鍔部22と当接してリングコア30とドラムコア20との位置決めが可能であればよく、例えばリングコア30の上面に凸部を設けてこれと鍔部22の外周側面を当接させる方式であっても、逆に該上面に凹溝を設けてこれと鍔部22の下面とをフィットさせつつ凹溝の内周面と鍔部22の外周側面とを当接させる方式であってもよい。また該上面に当接部を形成する位置およびその個数についても具体的に限定されるものではないが、リングコア30が矩形環状の場合は、その上面の隣り合う二つのコーナー部に突起部を形成することにより、後述のように格別の効果を発揮する。
本実施の形態にかかるトランス10ついてさらに具体的な特徴点を挙げると、第一に絡げ部42の形状が、複数段にわたるくびれ部44を、巻芯部の巻軸方向に沿って連続した形状としている。これにより、コイルの巻端から、引出溝35を通じてリングコア30の外側に引き出される巻端部26を、巻芯部21からほぼ最短距離にて絡げ部42に巻きつけることができる(図1(a),(c)参照)。また絡げ部42にくびれ部44を形成することにより、巻きつけられた巻端部26が上下にずれることがなく巻きつけ作業を容易かつ確実にする。さらにくびれ部44をトランス10の上下方向に連設することにより、コイル巻端の高さ位置に対する基板接続端子40の汎用性が向上するため、高さの異なる複数通りのリングコア30に対して同じ絡げ部42を備える基板接続端子40を用いることができる。
本実施の形態の特徴点の第二としては、リングコア30を平面視矩形の環状とし、その上面の四つのコーナー部のうち、二箇所について、当接部の具体例として突起部32を設けている。なお、本発明においてリングコア30の上面のコーナー部とは、矩形上面の各辺央を排除する趣旨である。
図1に例示する突起部32は、鍔部22の外周辺(外周側面)とのフィット性を向上するため、鍔部22の曲率と同等の湾曲辺33を有している。またリングコア30上面の四つのコーナー部のうち、隣り合う二つのコーナー部についてかかる突起部32を設けている。このように隣り合う二つのコーナー部に接合部を設ける方式とすることにより、加工公差の影響の大きい小型のトランスの場合についても特に良好な位置合わせを行うことができる。
すなわち、例えばリングコア30が4〜5mm四方程度と小型の矩形環状の場合、リングコア30とドラムコア20との位置合わせ精度は突起部32の位置精度に大きく依存するところ、これをすべてのコーナー部に設けるのではなく、矩形の一辺の両端に位置するコーナー部のみに設けることにより、その対辺側への鍔部22の移動が可能となるため、ドラムコア20をリングコア30の通孔34に嵌入する作業が容易になるとともに、突起部32の加工精度に基づく歩留まりの低下を防止できる。
なお、鍔部22と当接する突起部32を二つのみとする場合、ドラムコア20とリングコア30との間に生じる付勢力によって突起部32が欠けるなどの機械的損傷が生じないよう、突起部32はリングコア30の矩形辺央ではなく、厚肉部であるコーナー部に形成するとよい。
なお、突起部32と鍔部22とが当接して互いに位置決めのなされたリングコア30とドラムコア20とは、導電性または非導電性の接着剤によって接合し、両者の位置関係を固定するとよい。
本実施の形態の特徴点の第三としては、リングコア30の内周面31とドラムコア下端側の鍔部23との間に介挿されるツメを排除することで両者の間にギャップを形成し、リングコア30とドラムコア20とで構成される磁路を一部遮断して両コアの磁気飽和の発生を抑制している。すなわちリングコア30に接合される基板接続端子40はドラムコア20とは非接触であり、またともに磁性材料からなるドラムコア20とリングコア30とは、上端側の鍔部22のみによって磁気的に接続されている。
また、ドラムコア20とリングコアの内周面31との空隙には、フェライト接着剤などの非磁性体を充填してもよい。特にリングコアの内周面31とドラムコア下端側の鍔部23との間に非磁性体を充填することにより、空気によるエアギャップよりも好適に磁路を遮断することができ、両コアの磁気飽和を抑制する効果を高めることができる。換言すると、特に小型のトランスなど、内周面31と鍔部23のクリアランスが充分には確保できない場合についても、大電流供給時のインダクタンス特性(直流重畳特性)を高めることができる。
本実施の形態では、一次コイルと二次コイルがそれぞれ一本の巻線からなる四端子トランスを例示しているが、巻線の数を3本、4本またはそれ以上とした場合も、その巻端の数に応じて基板接続端子40の数を増やすか、またはこれを共用化すればよく、本発明に関わる当業者であればかかる態様のトランスに容易に想到することができる。
図3(a)は本実施の形態にかかる基板接続端子40を提供するフープ材50の部分斜視図であり、同図(b)はその平面図である。フープ材50は長尺のリボン状に形成され、図示の基本パターンが多数繰り返し連設してなる。フープ材50は金属材料からなるが、電気抵抗と材料強度の良好性から、錫メッキを施されたリン青銅が好適に用いられる。
またフープ材50は、基本パターンの繰り返し方向(同図(b)における左右方向)に送り孔51が一定の送りピッチで設けられたリードフレーム部53と、これに連設された端子パターン部54とからなる。端子パターン部54は、本実施の形態の場合、リードフレーム部53にそれぞれ架設された4式の基板接続端子40から構成される。
かかるフープ材50より端子パターン部54を打ち抜き成型することで、リングコア30に接合される基板接続端子40を容易に得ることができる。
端子パターン部54を構成する個々の基板接続端子40には、リングコア30の下面と接合される接合部41、接合部41から略垂直に折り曲げられてリングコア30の外周側面に沿って立設される立設部43、複数段(同図では3段)のくびれ部44が連続して設けられた絡げ部42がひと続きに形成されている。端子パターン部54を含むフープ材50は全体がフラットに成形されていても、図示のように接合部41が面直方向に押圧されて、立設部43との間で略直角の折り曲げ加工が施されていてもよい。
図4は、本実施の形態にかかるトランス10の組立手順を示す斜視図である。
第一の工程として、図示しない送り装置と送り孔51によりフープ材50を所定の位置にセットした状態で、基板接続端子40の基端部に相当する接合部41の上面に、それぞれ非導電性接着剤46を塗工する。
第二の工程として、リングコア30を白抜き矢印の向きに載置し、接合部41をリングコア30の下面にそれぞれ接着接合する(同図(a)参照)。
第三の工程として、接合したリングコア30の高さに応じて、絡げ部42を形成するのに好適なくびれ部44の段数を決定し、絡げ部42をそれぞれ所定のカットライン(CL)にて切断する。あわせて基板接続端子40とリードフレーム部53とを連設する架橋47を切断する(同図(b)参照)。
すなわち、リングコア30が嵩高の場合は、すべて(3つ)のくびれ部44が基板接続端子40に残るよう、同図に破線にて示す3本のカットラインのうちもっとも外側を選択して絡げ部42を切断する。これに対し、リングコア30の嵩が低い場合は、3本のカットラインのうち中央または内側を選択して絡げ部42を切断する。カットラインのかかる選択は、リングコア30の高さのほか、ドラムコア20に対するコイル25の巻端の高さに応じて決定することもできる。
なお、複数組の絡げ部42と架橋47の切断は、図示しないプレスカッターによって一工程にて行うことができる。
第四の工程として、立設部43および絡げ部42をリングコア30の外周側面に沿って起立させる。
第五の工程として、コイル25を巻成したドラムコア20を、リングコア30の通孔34に嵌入するとともに、ドラムコア20の鍔部22とリングコア30の突起部32とを当接させ両者を位置合わせする(同図(c)参照)。このとき、鍔部22の下面に接着剤を予め塗布しておき、ドラムコア20とリングコア30とを接着固定してもよい。
第六の工程として、コイル25の巻端(図示せず)をリングコア30の引出溝35より引き出し、所定の基板接続端子40の絡げ部42のうち、もっとも高さ位置の近接する部44にこれを絡げる。さらに、絡げ部42をハンダにより固着する。
以上の各工程を経ることにより、本発明にかかるトランス10はドラムコア20とリングコア30とが高い組立精度にてアセンブリされ、また両者で構成される磁路が一部遮断されることで両コアの磁気飽和が抑制され、特に大電流供給時に良好なインダクタンス特性を得ることができる。
図5に、本発明の第二の実施の形態にかかるトランス10を示す。同図(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)はそのc−c断面図である。かかるトランス10は、矩形環状のリングコア30の上面の四隅にいずれも突起部32が設けられていることを特徴とする。トランス10が所定以上のサイズ(例えば10mm四方程度以上)の場合については、小型(例えば4〜5mm四方程度)のトランスの場合に比べて加工公差の影響が相対的に小さくなるため、リングコア30の上面のすべてのコーナー部に当接部を設けたとしても、かかる当接部によって画成される領域にドラムコア20の鍔部22を収納してこれを位置合わせすることができる。
本実施の形態にかかるトランス10についても、リングコア30とドラムコア20とは、突起部32を含むリングコア30の上面と鍔部22のみによって機械的に接続しており、ドラムコア下端側の鍔部23についてはリングコア30との間には空間的なギャップが形成されている。これによりトランス10の磁気飽和量を拡大し、大電流トランスとしての機能を良好に得ることができる。
本発明の第一の実施の形態にかかるトランスを示し、それぞれ(a)斜視図、(b)平面図、(c)同図(b)のc−c断面図、(d)底面図である。 (a)ドラムコアの斜視図、(b)リングコアの斜視図である。 (a)フープ材の部分斜視図、(b)その平面図である。 本発明の第一の実施の形態にかかるトランスの組立手順を示す斜視図である。 本発明の第二の実施の形態にかかるトランスを示し、それぞれ(a)斜視図、(b)平面図、(c)同図(b)のc−c断面図である。 従来のトランスを示し、それぞれ(a)平面図、(b)右側面図、(c)立面図、(d)底面図である。
符号の説明
10 トランス
20 ドラムコア
21 巻芯部
22,23 鍔部
25 コイル
26 巻端部
30 リングコア
32 突起部
40 基板接続端子
41 接合部
42 絡げ部
44 くびれ部
50 フープ材
53 リードフレーム部

Claims (6)

  1. 一次コイルと二次コイルとが巻成された巻芯部および該巻芯部の少なくとも上端側に形成されたフランジ状の鍔部を備えるドラムコアと、前記ドラムコアの周囲に装着される環状のリングコアと、前記リングコアに接合され前記一次コイルまたは二次コイルの巻端が絡げられる絡げ部が形成された基板接続端子と、を有するトランスにおいて、
    前記絡げ部が、前記巻芯部の巻軸方向に伸びるとともに、
    前記リングコアの上面には、リングコアと前記鍔部とを位置決めするための当接部が形成されていることを特徴とするトランス。
  2. 絡げ部が、前記巻軸方向に連なる複数段のくびれ部からなる請求項1に記載のトランス。
  3. リングコアが、ドラムコアの巻芯部を嵌入する通孔と四つのコーナー部とをもつ矩形環状であって、かつ当接部が、前記コーナー部のうち少なくとも二つにおいてそれぞれ突出して形成された突起部である請求項1または2に記載のトランス。
  4. 基板接続端子が、非導電性の接着剤を介してリングコアに接合されるとともにドラムコアと非接触に設けられている請求項1から3のいずれかに記載のトランス。
  5. ともに磁性材料からなるドラムコアとリングコアとが、前記鍔部のみによって磁気的に接続されている請求項1から4のいずれかに記載のトランス。
  6. ドラムコアに巻成された一次コイルまたは二次コイルの巻端が絡げられる絡げ部と、前記ドラムコアの周囲に装着される環状のリングコアに接合される接合部とを備える複数組のトランス用端子が、リードフレーム部に連設されてなる金属製のフープ材において、
    前記絡げ部が、複数段のくびれ部よりなることを特徴とするトランス用フープ材。
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