JP2007287083A - 交通法規遵守支援装置および交通法規遵守支援プログラム - Google Patents

交通法規遵守支援装置および交通法規遵守支援プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ドライバの過去の一時停止などの交通法規の遵守/違反傾向によって、警報を制御することによって、交通法規を遵守しているドライバの負担を軽減する。
【解決手段】ロケータ4から取得した自車位置と、記憶部22に格納されている地図データ221とを用いて、当該自車位置において適用される適用交通法規を探索する交通法規遵守領域判定部211と、自車速度計測装置5から取得した自車速度と探索した適用交通法規とを用いて、当該適用交通法規が遵守されているか否かを判定する交通法規遵守判定部213と、探索の結果、適用交通法規がある場合は、警報装置に所定の警報を行わせる警報処理部214と、適用交通法規が遵守されていると判定した場合は、交通法規カウンタの値を更新する計算部216と、交通法規カウンタの値に基づいて、警報処理部214による警報を制御する処理部21とを備えることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、ナビゲーション装置の情報を用いる交通法規遵守支援装置および交通法規遵守支援プログラムの技術に関する。
現在、ACC(Adaptive Cruise Control)を始めとして様々な走行支援装置が実用化されている。このような走行支援装置では、レーダやカメラ画像認識に代表される外界認識センサを搭載して車両の周辺状況を認知・判断し、状況に基づいてドライバへの通知や、車両の走行の制御を行う。また、近年はナビゲーション装置がより多くの車両に搭載されるようになり、ナビゲーション装置の持つ道路情報を有効活用して走行支援に利用する装置も実用化されている。
走行支援における主な機能は安全運転支援を目的としたものであるが、ナビゲーションの地点情報を活用した警報サービスとして、踏切に近づくと、その情報を通知するサービスや事故多発地点付近であることを通知するサービスは、従来から実用化されている。
さらに、それらを拡張した技術として、一時停止の不履行を未然に防ぐことができる支援装置が開示されている(特許文献1)。特許文献1では、ドライバの一時停止の意思をスロットル開度やブレーキ操作により判断し、一時停止の意思が無いと判定した場合は警告や強制減速を行う技術である。
特開平10−76922号公報(請求項1)
しかしながら、従来の発明は一時停止を怠った場合に働くものであるが、これは現在のドライバの操作の情報からのみの判断であり、ドライバの過去の交通法規の遵守状況を考慮しないため、毎回判断が厳格であり、交通法規を遵守するドライバにとっては煩わしさを感じるおそれがある。
運転中のドライバに無用な情報を与えることは、快適な運転を損なうので好ましくない。従って、普段から交通法規を遵守しているドライバに、一時停止の警告を与えることは無用である。
本発明は、この煩わしさを減らすために、ドライバの過去の交通法規の遵守/違反傾向に基づいて、警報を制御することによって、交通法規を遵守しているドライバの負担を軽減することを目的とする。
前記課題に鑑みて、本発明は、ドライバに警報を発する警報装置と、自車位置を計測するロケータと、自車速度を計測する自車速度計測装置と接続され、交通法規に関する情報が地図上の地点または区間と対応付けて記録されている地図データを格納する記憶部を備える交通法規遵守支援装置であって、前記ロケータから取得した前記自車位置と、前記記憶部に格納されている地図データとを用いて、当該自車位置において適用される適用交通法規を探索する探索手段と、前記自車速度計測装置から取得した自車速度と前記探索した適用交通法規とを用いて、当該適用交通法規が遵守されているか否かを判定する判定手段と、前記探索の結果、前記適用交通法規がある場合は、前記警報装置に指示を出し、所定の警報を行わせる警報手段と、前記適用交通法規が遵守されていると判定した場合は、前記適用交通法規の遵守回数に基づく交通法規カウンタの値を更新する更新手段と、前記交通法規カウンタの値に基づいて、前記警報手段による警報を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、ドライバの過去の交通法規の遵守/違反傾向に基づいて、警報を制御することによって、交通法規を遵守しているドライバの負担を軽減することが可能となる。
本発明の実施形態に係る交通法規遵守支援システムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態:システム構成図)
図1は、第1実施形態に係る交通法規遵守支援装置を含む交通法規遵守支援システムのブロック図である。
なお、第1実施形態および後記して説明する第2実施形態では、対象となる交通法規(請求項における適用交通法規)を一時停止として説明するが、これに限らず、それ以外の徐行、制限速度、駐停車などを、対象となる交通法規としてもよい。
交通法規遵守支援システム1は、交通法規遵守支援装置2、およびこの交通法規遵守支援装置2と接続する、ドライバに警報を発する警報装置3と、自車の位置を計測するロケータ4と、自車の現在速度(自車速度)を計測できる自車速度計測装置5と、各種の情報を交通法規遵守支援装置2に入力する入力部6とで構成される。また、図1に示すように交通法規遵守支援装置2は車両内通信バス8を介して、エンジン、ブレーキ等の車両制御を司る車両電子制御装置7と接続されている構成としてもよい。また、警報装置3や自車速度計測装置5は、車両内通信バス8を介して接続する構成としてもよい。
ここで、ロケータ4は、自律方式、無線方式および衛星航法のうち、いずれを用いてもよい。
さらに、自車速度計測装置5を、ロケータ4の中に組み込んだ構成としてもよい。
また、車両電子制御装置7は、通常複数備えられているものとする。
(装置構成図)
図2は、第1実施形態に係る交通法規遵守支援装置の内部構成を示すブロック図である。
交通法規遵守支援装置2は、各種情報の処理を行う処理部(請求項における制御手段)21と、各種情報を格納する記憶部22とからなる。
そして、図1を参照して説明したように、交通法規遵守支援装置2には、警報装置3、ロケータ4、自車速度計測装置5、入力部6が接続されている。
処理部21は、交通法規遵守領域判定部(請求項における探索手段)211、交通法規遵守頻度判定部212、交通法規遵守判定部(請求項における判定手段)213、警報処理部(請求項における警報手段)214、警報判定部215および計算部(請求項における更新手段)216を含んでなる。
交通法規遵守領域判定部211は、高精度地図データ(請求項における地図データ)221の中に一時停止位置情報(請求項における地図上の地点または区間と対応付けて記録されている交通法規に関する情報)が含まれているか否かを判定する機能を有する。
交通法規遵守頻度判定部212は、後記して説明する一時停止遵守カウンタ222と、警報しきい値(請求項におけるしきい値)とを比較する機能を有する。
交通法規遵守判定部213は、自車が一時停止位置に到達しているか否かを判定する機能を有する。
警報処理部214は、警報を発する条件がそろったとき、警報装置3に、ドライバに向けた警報を発生させる機能等を有する。
警報判定部215は、現在警報装置3が警報を発生しているか否かを判定する機能を有する。
計算部216は、一時停止遵守カウンタ222の値を、加算や減算する機能を有する。
処理部21および処理部21中の各部は、図示しないCPU(Central Processing Unit)が、図示しないROM(Read Only Memory)等に格納されているプログラムを駆動することによって、具現化される。
記憶部22には、各道路地点、道路区間における交通法規情報(例えば、一時停止位置情報など)を含む高精度地図データ221、および後記して説明する一時停止遵守カウンタ(請求項における交通法規カウンタ)222が格納される。
本実施形態では、記憶部22は、交通法規遵守支援装置2に内蔵される構成となっているが、これに限らず外部記憶装置としてもよい。また、一時停止遵守カウンタ222が、内蔵された記憶部22に格納され、高精度地図データ221は、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)などに格納されてもよい。
本実施形態では、対象とする遵守すべき交通法規を、一時停止位置における一時停止として説明する。
(処理の概略)
図1を参照しつつ、図3に沿って第1実施形態の処理の概略を説明する。
図3は、実際に車両走行したときの第1実施形態の処理イメージを示す図であり、(a)は、一時停止を無視して通過した場合、(b)は、一時停止を遵守した場合、(c)は、自車の前方に一時停止位置が存在する場合を示す。
図3(a)に示すように、自車が一時停止を無視して通過(一時停止せずに通過)すると、交通法規遵守支援装置2は、一時停止遵守カウンタ222の値を0にクリアする。
図3(b)に示すように、自車が一時停止を遵守した場合(一時停止位置で一時停止した場合)は、交通法規遵守支援装置2は、一時停止遵守カウンタ222の値を+1加算する。
そして、図3(c)に示すように、自車が通常走行している場合、交通法規遵守支援装置2は、高精度地図データ221を参照して、探索距離(算出方法は後記する)以内に一時停止位置があるか否かを判定する。図3(c)に示すように、探索距離以内に一時停止位置が存在し、かつ一時停止遵守カウンタ222の値が警報しきい値より小さいならば、交通法規遵守支援装置2は、例えば「前方に一時停止位置があります」と図示しない交通法規遵守支援装置2のモニタに表示するなどの手段によって、一時停止位置の存在がわかるようにドライバへ通知する。なお、このメッセージは、一時停止遵守カウンタ222の値によって、変更してもよい。通知は、このような画面出力の他に、音の出力、ドライバの操作機器への振動、またはそれらの組み合わせが考えられる。
(処理の流れ)
次に、図1および図2を参照しつつ、図4を参照して交通法規遵守支援装置2の処理の流れを説明する。
図4は、第1実施形態における交通法規遵守支援装置における処理の流れを示すフローである。
なお、この処理は、イグニッションスイッチの入力や、タイヤの回転などを交通法規遵守支援装置2が検知することによって開始される。
まず入力部6を介して警報時間(例えば10秒)および警報しきい値を設定し、さらに入力部6を介して、一時停止遵守カウンタ222の値を0に設定し(S101)、設定したこれらの値を記憶部22に格納する。
ここで、警報時間とは、警報を発生する際に警報を発生し続ける時間である。また、警報しきい値とは、一時停止遵守カウンタ222と比較することによって、後記する警報処理を行うか否かの判定基準となる値である。
なお、ステップS101の警報時間・警報しきい値および一時停止遵守カウンタの設定は、一度設定した後は、再度設定するまで行わないこととする。
次に、処理部21が、ロケータ4から自車の現在位置(自車位置)の座標を取得する(S102)。
続いて、処理部21が、自車速度計測装置5から自車の現在速度(自車速度)を取得する(S103)。
そして、処理部21は、ステップS103で取得した自車速度から探索距離を算出する(S104)。
探索距離は、ステップS103で取得した自車速度においてステップS101で設定した警報時間(例えば10秒)に自車が進む距離とする。
そして、処理部21は、ステップS102で取得した自車位置を中心として探索距離内における自車の道なり前方の高精度地図データ221を記憶部22から取得する(S105)。
次に、交通法規遵守領域判定部211は、取得した高精度地図データ221の中に一時停止位置情報が含まれているか否かを判定する(S106)。
判定の結果、取得した高精度地図データ221の中に一時停止位置情報が含まれていない場合(S106→No)、処理部21は、ステップS102に処理を戻す。
判定の結果、取得した高精度地図データ221の中に一時停止位置情報が含まれていた場合(S106→Yes)、処理部21は、ステップS107に処理を進める。
ステップS107では、処理部21が、一時停止遵守カウンタ222を記憶部22から取得する。
次に、交通法規遵守頻度判定部212は、取得した一時停止遵守カウンタ222が、ステップS101で設定した警報しきい値よりも小さいか否かを判定する(S108)。
判定の結果、一時停止遵守カウンタ222が、警報しきい値より小さいと判定された場合(S108→Yes)、警報処理部214が、警報装置3に警報を発生させる警報処理を行う(S109)。警報処理は、音による出力、操作機器への振動や図示しないモニタへの画面出力、またはそれらの組み合わせが考えられる。
ステップS108の判定の結果、一時停止遵守カウンタ222が警報しきい値以上であると判定された場合(S108→No)、処理部21は、ステップS110へ処理を進める。
そして交通法規遵守判定部213は、ステップS102で取得した自車位置の情報とステップS105で取得した高精度地図データ221とを照合することによって自車が一時停止位置に到達しているか否かを判定する(S110)。なお自車が、一時停止位置に到達したか否かの判断においては、自車の静止位置の誤差も考慮し、例えば一時停止位置の前後1m程度のずれを許容してもよい。
ステップS110の判定の結果、自車が、一時停止位置に到達していないと判定された場合(S110→No)、処理部21は、ステップS102に処理を戻す。
ステップS110の判定の結果、自車が、一時停止位置に到達していると判定された場合(S110→Yes)、処理部21は、ステップS111に処理を進める。
ステップS111では、警報判定部215が、現在警報が発せられているか否かを判定する。
判定の結果、現在警報が発せられていないと判定された場合(S111→No)、処理部21は、ステップS113に処理を進める。
判定の結果、現在警報が発せられていると判定された場合(S111→Yes)、警報処理部214が、警報を停止する警報停止処理(S112)を行う。
その後、交通法規遵守判定部213が、ステップS103で取得した自車速度を基に、一時停止位置で自車が停止したか否かを判定する(S113)。一時停止位置で、自車が停止したか否かは、取得した自車速度が0km/hであるか否かを、交通法規遵守判定部213が判定することによって行われる。なお、一時停止位置で自車が停止したか否かの判定において、計器類の誤差を考慮して0km/hに多少の誤差を加味して判定してもよい。
ステップS113の判定の結果、一時停止位置で自車が停止したと判定された場合(S113→Yes)、自車が一時停止を実施したとみなし、計算部216が、一時停止遵守カウンタ222の値を+1加算し(S114)、処理部21が加算した一時停止遵守カウンタ222を記憶部22に格納する。
ステップS113の判定の結果、一時停止位置で自車が停止していないと判定された場合(S113→No)、一時停止違反を起こしたとみなして、計算部216が、一時停止遵守カウンタ222の値を0に初期化し(S115)、処理部21が初期化した一時停止遵守カウンタ222を記憶部22に格納する。
図4に示す処理は、自車走行中にステップS102からステップS115を反復実行するものとする。反復周期は一定でもよいし(例えば、1秒おき)、自車速度が高速なほど反復周期を短くするようにしてもよい。
また、ステップS108における一時停止遵守カウンタ222の値が警報しきい値以上である場合は、それら警報手段の一切を抑止するように制御してもよいし、音による出力や操作機器への振動の制御は抑止するが画面表示は残すなどしてもよい。
また、ステップS109とステップS110との間に、処理部21が、ロケータ4から自車位置の情報を取得する処理を行ってもよい。さらに、ステップS112とステップS113との間に、処理部21が、自車速度計測装置5から自車速度を取得する処理を行ってもよい。この処理を行うことにより、ステップS110およびステップS113の判定を、より正確に行うことができる。
さらに警報しきい値の設定方法の例として、例えば、記憶部22に予めドライバの年齢を登録するようにしておき、処理部21が、その年齢に比例するように、すなわち高齢ドライバほど大きい警報しきい値を設定し、警報を積極的に発するようにしてもよい。
本実施形態では、一時停止遵守カウンタ222を場所に依存しない、つまりすべての場所におけるトータルの回数としてカウントするようにしたが、一時停止位置の地点毎に管理するようにしてもよい。
図5は、一時停止位置の地点毎に一時停止遵守カウンタを管理する場合の管理情報の例を示す図である。
この場合、各場所での一時停止位置における一時停止遵守カウンタ222を、高精度地図データ221で管理している一時停止位置の座標と一時停止遵守カウンタ222のカウント日時とに対応するように記録する。つまり、図5に示すように、管理情報の項目に「一時停止位置座標」、「遵守回数(一時停止遵守カウンタの値)」および「カウント日時」を設ける。記録にない新しい一時停止位置を通過する時には、新規に追記して管理するものとする。その際、記憶部22の容量が一杯で新規の情報が追記できない場合は、カウント日時の古い順に情報を消去して追記する。
また図示しないが、一時停止位置の地点毎に一時停止遵守カウンタ222を管理する場合の処理は、図4のステップS108およびステップS113の前で、処理部21による自車位置がどの座標の一時停止地点に属するかを判別する処理が追加され、ステップS108、ステップS114およびステップS115における一時停止遵守カウンタ222の加減算が一時停止位置の地点毎に実施される以外は図4と同一である。また、前記した警報しきい値についても、一時停止位置の地点毎に対応した、異なる警報しきい値を持たせるようにしてもよい。例えば、高精度地図データ221が場所毎の交通事故の発生頻度情報を持つ場合は、その発生頻度に比例してその一時停止位置の地点毎の警報しきい値を大きくしてもよい。この場合、前記した処理の変更に加え、ステップS108の処理が、一時停止位置の地点毎の警報しきい値を用いて行われる。
本実施形態では、一時停止を遵守しなかった場合、一時停止遵守カウンタ222の値を0に初期化したが、違反後の警報発生判断を緩和するために、一時停止を遵守しなかった場合に、一時停止遵守カウンタ222の値が負にならない程度で減算するようにしてもよい。例えば、一時停止遵守カウンタ222の値を一定の値で減算し、一時停止カウンタ222の値が、0になったら減算を行わないなどである。
第1実施形態を実施することにより、自車の前方、所定距離以内に一時停止位置が存在する場合、一時停止などの交通情報を遵守していないドライバには、予め警報を通知するが、普段より交通情報を遵守しているドライバには、これらの警報を抑止する。これにより、ドライバに対し、適切な警報の制御を行うことが可能となり、警報を発せられることによるドライバの煩わしさを軽減することができる。
本発明の第2実施形態に係る交通法規遵守支援装置2aについて、以下詳細に説明する。
なお、第2実施形態において第1実施形態と共通の要素に関しては、同一の符号を付し、説明を省略する。
(第2実施形態:装置構成図)
図6は、第2実施形態に係る交通法規遵守支援装置の内部構成を示すブロック図である。
図2に示す第1実施形態と異なる点は、一時停止遵守支援装置2aの記憶部22aに後記して説明する一時停止違反カウンタ(請求項における交通法規カウンタ)223が、一時停止遵守カウンタ222のかわりに格納されている点である。
さらに、処理部21aでは、交通法規遵守頻度判定部212aが、一時停止違反カウンタ223と、警報しきい値とを比較する機能を有する。
そして、計算部216aは、一時停止違反カウンタ223の値を、加算や減算する機能を有する点である。
(処理の概略)
図1を参照しつつ、図7に沿って第2実施形態の処理の概略を説明する。
図7は、実際に車両走行したときの第2実施形態の処理イメージを示す図であり、(a)は、一時停止を無視して通過した場合、(b)は、一時停止を遵守した場合、(c)は、自車の前方に一時停止位置が存在する場合を示す。
図7(a)に示すように、自車が一時停止位置を無視して通過(一時停止せずに通過)すると、交通法規遵守支援装置2aは、一時停止違反カウンタ223の値を+1加算する。
図7(b)に示すように、自車が一時停止を遵守した場合(一時停止位置で一時停止した場合)、交通法規遵守支援装置2aは、一時停止違反カウンタ223の値を−1減算する。
そして、図7(c)に示すように自車が通常走行している場合、交通法規遵守支援装置2aは、高精度地図データ221を参照して、探索距離(算出方法は、第1実施形態における算出方法と同様)以内に一時停止位置があるか否かを判定する。図7(c)に示すように、探索距離以内に一時停止位置が存在し、かつ一時停止違反カウンタ223の数値が警報しきい値より大きいならば、交通法規遵守支援装置2aは、例えば「一時停止位置で一時停止しましょう」と、図示しない交通法規遵守支援装置2aのモニタに表示するなどの手段によって、一時停止を促す警報をドライバへ通知する。通知は、このような画面出力の他に、音の出力、操作機器への振動、またはそれらの組み合わせが考えられる。
(処理の流れ)
次に、図1および図6を参照しつつ、図8を参照して交通法規遵守支援装置2aの処理の流れを説明する。
図8は、本実施形態における交通法規遵守支援装置における処理の流れを示すフローである。
まず、ステップS101に相当するステップS201では、入力部6を介して警報時間(例えば10秒)および警報しきい値を設定し、さらに入力部6を介して、一時停止違反カウンタ223を所定の値に設定する。そして処理部21aが、設定したこれらの値を記憶部22aに格納する。一時停止違反カウンタ223の値は、後記する警報しきい値と各警報処理を考慮してドライバが任意に設定する。
ここで、警報時間とは、警報を発生する際に警報を発生し続けている時間である。また、警報しきい値とは、一時停止違反カウンタ223と比較することによって、後記する警報処理のうちどの警報処理を行うか否かの判定基準となる値である。
ステップS107に相当するステップS207では、処理部21aが、一時停止違反カウンタ223を記憶部22aから取得する。
そして、ステップS108に相当するステップS208では、交通法規遵守頻度判定部212aが、取得した一時停止違反カウンタ223について、ステップS201で設定した警報しきい値よりも大きいか否かを判定する。
判定の結果、一時停止違反カウンタ223が、警報しきい値より大きいと判定された場合(S208→Yes)、ステップS209へと処理を進める。
ステップS208の判定の結果、一時停止違反カウンタ223が警報しきい値以下であると判定された場合(S208→No)、処理部21aは、ステップS110に処理を進める。
ステップS209では、警報処理部214が、警報装置3に現在の一時停止違反カウンタ223の値に応じた異なるパターンの警報を発生させる各警報処理(警報処理A〜D)を行う(S209a,S209b,S209c,S209d)。
本実施形態では、例えば一時停止違反カウンタ223の値(図中でnと表示)が、5より大きく10以下だった場合、警報処理部214は、警報装置3に警報処理A(S209a)を行わせる。
同様に、一時停止違反カウンタ223の値が、10より大きく20以下だった場合は、警報処理B(S209b)、20より大きく30以下だった場合は、警報処理C(S209c)、30より大きい場合は、警報処理D(S209d)を、警報処理部214が警報装置3に行わせる。
これら警報処理の違いは、例えば警報の音量レベルを変える、音の出力パターンを変えるなどである。また、音声や画面表示による通知メッセージの内容を変えるなどとしてもよい。
そして、交通法規遵守判定部213が、ステップS103で取得した自車速度を基に、一時停止位置で自車が停止したか否かを判定する(S113)。
ステップS113の判定の結果、一時停止位置で自車が停止したと判定された場合(S113→Yes)、自車が一時停止を実施したとみなし、計算部216aが、一時停止違反カウンタ223の値を−1減算し(S214)、処理部21aが減算した一時停止違反カウンタ223を記憶部22aに格納する。なお、ステップS214で、一時停止違反カウンタが、すでに0のときは、処理を行わない。
ステップS113の判定の結果、一時停止位置で自車が停止していないと判定された場合(S113→No)、一時停止違反を起こしたとみなして、計算部216aが、一時停止違反カウンタ223の値を+1加算し(S215)、処理部21aが加算した一時停止違反カウンタ223を記憶部22aに格納する。
第2実施形態も、第1実施形態と同様、自車走行中にステップS102からステップS215を反復実行するものとする。
警報しきい値の設定方法の例として、例えば、記憶部22aに予めドライバの年齢を登録するようにしておき、処理部21aが、その年齢に比例するように、すなわち高齢ドライバほど小さい警報しきい値を設定し、警報を積極的に発するようにしてもよい。
さらに、第1実施形態において図5を参照して説明したように、一時停止違反カウンタを一時停止位置の地点毎に管理するようにしてもよい。
また、一時停止位置の地点毎に一時停止違反カウンタ223を管理する場合の処理は、図8のステップS208およびステップS113の前で、処理部21aによる自車位置がどの座標の一時停止地点に属するかを判別する処理が追加され、ステップS208、ステップS214およびステップS215における一時停止違反カウンタ223の加減算が一時停止位置の地点毎に実施される以外は図8と同一である。また、前記した警報しきい値についても、一時停止位置の地点毎に対応した、異なる警報しきい値を持たせるようにしてもよい。例えば、高精度地図データ221が場所毎の交通事故の発生頻度情報を持つ場合は、その発生頻度に比例してその一時停止位置の地点毎における警報しきい値を小さくしてもよい。この場合、前記した処理の変更に加え、ステップS208の処理が、一時停止位置の地点毎の警報しきい値を用いて行われる。
なお、本実施形態では、一時停止違反カウンタ223の値によって、異なる警報処理を行う例を記述したが、第1実施形態のように、一時停止違反カウンタ223と警報しきい値との比較によって、警報処理を行うか否かを決定してもよい。
同様に、第1実施形態においても、第2実施形態のように一時停止遵守カウンタ222の値によって、異なる警報処理を行ってもよい。
第2実施形態を実施することにより、自車の前方、所定距離以内に一時停止位置が存在する場合、一時停止などの交通情報を遵守していないドライバには、予め警報を通知するが、普段より交通情報を遵守しているドライバには、これらの警報を抑止する。これにより、ドライバに対し、適切な警報の制御を行うことが可能となり、警報を発せられることによるドライバの煩わしさを軽減することができる。
また、本実施形態では、保持している一時停止違反カウンタ223の値に応じて、警報のパターンを変えることで、ドライバ毎により適切な警報の制御を行うことができる。
(他の交通法規への適用例:速度制限)
第1実施形態および第2実施形態において、請求項における対象となる交通法規を一時停止としたが、これに限らず、他の交通法規に対して適用することも可能である。
例えば、対象となる交通法規が速度制限の場合、以下のような処理を行うことになる。
図2を参照しつつ図4に沿って、すなわち第1実施形態を例にとって対象となる交通法規が速度制限である場合について説明する。
この場合、高精度地図データ中には、速度制限の区間情報(請求項における地図上の地点または区間と対応付けて記録されている交通法規に関する情報)が含まれているものとする。
交通法規遵守領域判定部211によって、60km/h以上などの所定の速度制限の区間が、ステップS104で算出された探索距離内に含まれているか否かを判定される。
そして、ステップS107で取得した速度制限遵守カウンタ(第1実施形態の一時停止遵守カウンタに相当、請求項における交通法規カウンタ)が、警報しきい値より小さい値であるか否かを交通法規遵守頻度判定部212がステップS108で判定する。
判定の結果、速度制限遵守カウンタが警報しきい値より小さい値である場合(S108→Yes)、警報処理部214が、警報装置3(図1参照)に警報処理を行わせる。
ステップS110で、交通法規遵守判定部213が、ステップS102で取得した自車位置を基に、該当する速度制限の区間に到達したか否かを判定する。
判定の結果、該当する速度制限の区間に到達していると判定された場合(S110→Yes)、ステップS103で取得した自車速度を基に、該当する制限速度より遅い速度で自車が走行しているか否かを交通法規遵守判定部213がステップS113で判定する。 判定の結果、遅い速度で走行していると判定された場合(S113→Yes)、速度制限遵守カウンタを+1加算し(S114)、速い速度で走行していると判定された場合(S113→No)、速度制限遵守カウンタを0に初期化する(S115)もしくは−1減算する処理を行うことによって、第1実施形態の交通法規遵守支援装置2を速度制限の遵守支援に用いることができる。
第2実施形態も同様である。
(他の交通法規への適用例:追い越し禁止)
また、例えば対象となる交通法規が、追い越し禁止である場合も同様にして、本実施形態の交通法規遵守支援装置2を追い越し禁止の遵守支援に用いることができる。この場合は、追い越し禁止の区間において、自車が反対車線にいるか否かをステップS102で取得した自車位置を基に判定することにより、追い越し禁止を遵守しているか否かを判定することができる。
さらに、追い越し禁止においては、交通法規遵守支援装置2が、ミリ波レーダなどによる車間距離測定装置を備えることにより、自車が追い越し禁止の区間におり、かつ前方を走行している車両と自車との距離が、所定距離以内の場合において、図4および図8の処理を行うようにすることが可能である。
第1実施形態に係る交通法規遵守支援装置を含む交通法規遵守支援システムのブロック図である。 第1実施形態に係る交通法規遵守支援装置の内部構成を示すブロック図である。 実際に車両走行したときの第1実施形態の処理イメージを示す図であり、(a)は、一時停止を無視して通過した場合、(b)は、一時停止を遵守した場合、(c)は、自車の前方に一時停止位置が存在する場合を示す。 第1実施形態における交通法規遵守支援装置における処理の流れを示すフローである。 一時停止位置の地点毎に一時停止遵守カウンタを管理する場合の管理情報の例を示す図である。 第2実施形態に係る交通法規遵守支援装置の内部構成を示すブロック図である。 実際に車両走行したときの第2実施形態の処理イメージを示す図であり、(a)は、一時停止を無視して通過した場合、(b)は、一時停止を遵守した場合、(c)は、自車の前方に一時停止位置が存在する場合を示す。 本実施形態における交通法規遵守支援装置における処理の流れを示すフローである。
符号の説明
1 交通法規遵守支援システム
2,2a 交通法規遵守支援装置
3 警報装置
4 ロケータ
5 自車速度計測装置
6 入力部
7 車両電子制御装置
8 車両内通信バス
21,21a 処理部
22,22a 記憶部
211 交通法規遵守領域判定部(探索手段)
212,212a 交通法規遵守頻度判定部
213 交通法規遵守判定部(判定手段)
214 警報処理部(警報手段)
215 警報判定部
216,216a 計算部(更新手段)
221 高精度地図データ
222 一時停止遵守カウンタ(交通法規カウンタ)
223 一時停止違反カウンタ(交通法規カウンタ)

Claims (13)

  1. ドライバに警報を発する警報装置と、自車位置を計測するロケータと、自車速度を計測する自車速度計測装置と接続され、交通法規に関する情報が地図上の地点または区間と対応付けて記録されている地図データを格納する記憶部を備える交通法規遵守支援装置であって、
    前記ロケータから取得した前記自車位置と、前記記憶部に格納されている地図データとを用いて、当該自車位置において適用される適用交通法規を探索する探索手段と、
    前記自車速度計測装置から取得した自車速度と前記探索した適用交通法規とを用いて、当該適用交通法規が遵守されているか否かを判定する判定手段と、
    前記探索の結果、前記適用交通法規がある場合は、前記警報装置に指示を出し、所定の警報を行わせる警報手段と、
    前記適用交通法規が遵守されていると判定した場合は、前記適用交通法規の遵守回数に基づく交通法規カウンタの値を更新する更新手段と、
    前記交通法規カウンタの値に基づいて、前記警報手段による警報を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする交通法規遵守支援装置。
  2. 前記探索手段は、前記自車位置に、前記自車速度に応じて算出される距離を加算した前方範囲内に存在する交通法規を、前記地図データから探索すること
    を特徴とする請求項1に記載の交通法規遵守支援装置。
  3. 前記更新手段は、前記適用交通法規を遵守した場合に、前記交通法規カウンタに所定の値を加算し、
    前記制御手段は、前記交通法規カウンタが、予め設定してある所定のしきい値を下回るときに、前記警報手段を介して前記警報装置に所定の警報を行わせること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の交通法規遵守支援装置。
  4. 前記更新手段は、前記適用交通法規を遵守しなかった場合に、前記交通法規カウンタを初期化する機能をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の交通法規遵守支援装置。
  5. 前記更新手段は、前記適用交通法規を遵守しなかった場合に、前記交通法規カウンタから所定値を減算する機能をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の交通法規遵守支援装置。
  6. 前記記憶部は、ドライバの年齢を格納し、
    前記制御手段は、前記ドライバの年齢が高くなるほど、前記しきい値が大きい値となるよう設定する機能をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の交通法規遵守支援装置。
  7. 前記更新手段は、前記適用交通法規を違反した場合に、前記交通法規カウンタに所定の値を加算し、
    前記制御手段は、前記交通法規カウンタが、予め設定してある所定のしきい値を上回るときに、前記警報手段を介して前記警報装置に所定の警報を行わせること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の交通法規遵守支援装置。
  8. 前記更新手段は、前記適用交通法規を遵守した場合に、前記交通法規カウンタを減算する機能をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の交通法規遵守支援装置。
  9. 前記記憶部は、ドライバの年齢を格納し、
    前記制御手段は、前記ドライバの年齢が高くなるほど、前記しきい値が小さい値となるよう設定する機能をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の交通法規遵守支援装置。
  10. 前記記憶部は、前記交通法規カウンタを、前記適用交通法規を地図上の地点または区間毎に管理し、
    前記更新手段は、前記適用交通法規の地点または区間毎に前記交通法規カウンタを加減算する機能をさらに備え、
    前記制御手段は、前記自車位置が、どの地点または区間の前記適用交通法規に相当するかを判別し、前記適用交通法規の地点または区間毎に、前記交通法規カウンタと、前記しきい値との比較を行う機能をさらに備えることを特徴とする請求項3ないし請求項9のいずれか1項に記載の交通法規遵守支援装置。
  11. 前記地図データは、地点または区間毎の交通事故頻度情報を記録し、
    前記制御手段は、前記交通事故頻度情報に基づいて、前記地点または区間毎に前記しきい値を設定し、前記適用交通法規の地点または区間毎に、前記交通法規カウンタと、前記しきい値との比較を行う機能をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の交通法規遵守支援装置。
  12. 前記制御手段は、前記交通法規カウンタによって、前記警報装置に対し異なる警報を発生させることを特徴とする請求項3ないし請求項9のいずれか1項に記載の交通法規遵守支援装置。
  13. ドライバに警報を発する警報装置と、自車位置を計測するロケータと、自車速度を計測する自車速度計測装置と接続され、交通法規に関する情報が地図上の地点または区間と対応付けて記録されている地図データを格納する記憶部を備える交通法規遵守支援装置における交通法規遵守支援プログラムであって、
    前記交通法規遵守支援装置に、
    前記ロケータから取得した前記自車位置と、前記記憶部に格納されている地図データとを用いて、当該自車位置において適用される適用交通法規を探索させ、
    前記自車速度計測装置から取得した自車速度と前記探索した適用交通法規とを用いて、当該適用交通法規が遵守されているか否かを判定させ、
    前記探索の結果、前記適用交通法規がある場合は、前記警報装置に指示を出し、所定の警報を行わせ、
    前記適用交通法規が遵守されていると判定した場合は、前記適用交通法規の遵守回数に基づく交通法規カウンタの値を更新させ、
    前記交通法規カウンタの値に基づいて、前記警報装置の警報を制御させること
    を特徴とする交通法規遵守支援プログラム。
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