JP2007286370A - 光レセプタクル - Google Patents

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Abstract


【課題】セラミック製の部材を使ってノイズを除去する光レセプタクルにおいてセラミック部材の割れや破損を防ぐこと。
【解決手段】セラミック製円筒形のスリーブの前半外周部に、後方にフランジを有する金属製レセプタクルケースを圧入し、スリーブの後半内周部に、後方にフランジを持つ金属製ファイバストッパを圧入する。
セラミック製スリーブは内外から力を受けるが力を受ける部位が内外で重なっていないのでスリーブが割れない。
【選択図】図2

Description

本発明は、光通信において、光送受信モジュール、光送信モジュール、光受信モジュールなどの前端部に設けられ光素子と光ファイバフェルールを着脱自在に結合するための光レセプタクルに関する。
発光素子を内蔵する光送信モジュール、受光素子を内蔵する光受信モジュールあるいは両方を内蔵する光送受信モジュールと光ファイバとを結合する場合、光ファイバ端を着脱自在とするのと光ファイバを永久固定するものがある。着脱自在とするものをレセプタクル型という。レセプタクルというのは光ファイバのフェルールを差し込む部分の機構を意味する。レセプタクル型の光モジュールは、光素子を内蔵したパッケージ、レンズホルダ−、レセプタクルなどよりなる。
通常のレセプタクルは金属製の円筒状部材であった。それで良かったのであるが、送信部の半導体レーザの駆動周波数が高くなる(1GHz〜10GHz)といろいろな問題が現れた。送信部の場合、LD駆動信号が電波となって空間に放射されそれが周囲の電気機器に悪影響を及ぼすという現象が現れた。この場合LDモジュールの先端部のレセプタクルが送信アンテナになってLD駆動電流の一部を電波に変えて放射する。受信部の場合、金属製のレセプタクルは周囲のノイズを拾う受信アンテナとなり、PDの受信信号にノイズを与えることがある。
そのようなわけで、LDやPDのパッケージとフェルールを着脱するレセプタクルを電気的に絶縁するということが要望される。
特許文献1は一部に絶縁体を採用することによって雑音特性を改善した光レセプタクルを提案している。図1によって特許文献1の光レセプタクルを説明する。
円筒形の精密スリーブ42はセラミック製の部材である。精密スリーブ42の後半部外周が金属製のホルダ−43内周面に圧入固定される。精密スリーブ42の後半内周面に金属製のストッパ45が圧入される。
精密スリーブ42の外周中間部にはリング状フランジ44が圧入されている。金属製フランジ44と金属製ホルダ−43は離隔している。金属製のホルダ−43の後ろにLDモジュールあるいはPDモジュールが溶接される。スリーブ42の前開口部には、光ファイバ46を保持するフェルール47が着脱可能に挿入される。
光通信信号を伝送する光ファイバ46を保持するフェルール47をスリーブ42に差し込むとフェルール47がストッパ45に当たって止まる。フェルール47を固定する金属外套部分が有ってスリーブ42の外周に接触しフランジ44で止まる。スリーブ42は絶縁体であり、ホルダ−43とフランジ44が離れているので、左右の部分は電気的に絶縁される。
特開2005−070499号
特許文献1に提案された光レセプタクルは、セラミックスリーブ42の内周面に金属製のストッパ45を圧入し、同じ部位の外周に金属製のホルダ−43を圧入するようになっている。また金属製のフランジ44がホルダ−43のすぐ近くに圧入される。スリーブ42の内外にストッパ45、ホルダ−43を圧入するのは難しいしスリーブが割れる可能性も高い。スリーブ42、ホルダ−43、ストッパ45、フランジ44の加工寸法精度の管理を極めて厳格にする必要がある。そうでないと精密スリーブ42の割れが多発する。
スリーブに部材を圧入してもスリーブが割れにくいようにした光レセプタクルを提供することが本発明の第1の目的である。スリーブに圧入する部品の寸法精度の管理の厳格さを緩和できるような光レセプタクルを提供することが本発明の第2の目的である。
セラミック製円筒状のスリーブの外周前半部に金属製のレセプタクルケースを圧入固定し、スリーブの内周後半部に金属製のファイバストッパを圧入固定する。レセプタクルケースとスリーブの前周接面Hと、ファイバストッパとスリーブとの後周接面Kとが軸方向に離隔するようにし、半径方向に重ならないようにした。これによりスリーブが割れにくくなった。
ファイバストッパは後方にフランジを有し半導体レーザ(LD)やフォトダイオード(PD)のパッケージとここで溶接される。スリーブの前端開口差込口から光ファイバを把持した金属製のフェルールが着脱自在に挿入されスリーブの内周面によって把持される。
LDモジュールの場合はLDの送信光がファイバストッパの通し穴を通して出て行き光ファイバへ入って行く。PDモジュールの場合は光ファイバを伝わってきた受信光がファイバストッパの通し穴を通してPDへ入る。
光レセプタクルはレセプタクルケースの後方にケースフランジを有しても良い。位置決めが容易でスリーブが割れにくい光レセプタクルを提供できる。
ファイバストッパの通し穴にはダミーファイバを付けたセラミック製のスタブを付けるようにしてもよい。スタブの材料はスリーブの材料と同一にすることもできる。ダミー光ファイバ・スタブによって反射戻り光を防ぐことができ、スリーブが割れにくい光レセプタクルを提供できる。
ファイバストッパの通し穴にはレンズを挿入するようにしても良い。コリメート光学系の構築が可能でスリーブが割れにくい光レセプタクルを提供できる。
レセプタクルケースとスリーブの前周接面Hと、ファイバストッパとスリーブとの後周接面Kとが軸方向に離隔している。HとKとが半径方向に重ならない。内外からスリーブを押す部位が異なっているので圧入の際にスリーブが割れるということがない。
絶縁性のスリーブがレセプタクルケースとファイバストッパの間に介在するのでレセプタクルケースとファイバストッパが電気的に絶縁される。送信モジュールの場合はLDの駆動信号がレセプタクルをアンテナにして外部に広がるということを防ぐことができる。受信モジュールの場合は外部からノイズを受けにくくなる。
図2は本発明の光レセプタクルの概略の構造を示す断面図である。円筒形金属製のレセプタクルケース2の内周面に、絶縁物製の円筒形スリーブ3の前半部が圧入される。通常のレセプタクルは金属製であるが本発明では内部の一部を絶縁物のスリーブによって置き換えている。残りの外套部がレセプタクルケース2になっておりそれは金属製である。
スリーブ3の後半部には鍔付き円筒形状のファイバストッパ4の円筒部が圧入される。レセプタクルケース2の後ろには拡径したケースフランジ5がある。ファイバストッパ4の後ろには拡径したストッパフランジ6が設けられる。
光ファイバを把持したフェルールは、円筒形スリーブ3の内周面7に着脱自在に挿入される。
送信モジュールの場合は、半導体レーザ(LD)を内蔵したケース(図示しない)の前端部がストッパフランジ6の後面20に溶接される。受信モジュールの場合は、フォトダイオード(PD)を内蔵したケース(図示しない)の前端部がストッパフランジ6の後面20に溶接される。送信モジュールの場合LDの光は通し穴9を通り、フェルールによって保持された光ファイバへ入る。受信モジュールの場合、光ファイバを伝搬してきた受信光は通し穴9を通ってPDモジュールに入りPDによって受信される。
図1の従来例のストッパ45とホルダ−43に当たるものが、本発明の場合は、ファイバストッパ4に一体化されている。
レセプタクルケース2の後半内周面部は内径が少し大きくなり、スリーブ3の外周面との間に隙間32ができている。
レセプタクルケース2とスリーブ3の前周接面Hと、ファイバストッパ4とスリーブ3の後周接面Kが、軸方向に離れている。前周接面Hと後周接面Kが半径方向に重ならない。スリーブに内外から同時に圧力が加わる部分がない。レセプタクルケース2を圧入すると、スリーブ3の前半部はもはや拡径できないが、後半部は自由であるからなおファイバストッパ4を圧入することができる。前後両側からスリーブ内外に部材を圧入するのであるが、HとKとが半径方向に重ならないからスリーブが割れない。
送信モジュール(LD)あるいは受信モジュール(PD)のケースとレセプタクルケース2とはスリーブ3によって電気的に絶縁される。
円筒形金属製のレセプタクルケース2と、レセプタクルケース2の内部に圧入固定される円筒形スリーブ3と、円筒形スリーブ3の内周面7に圧入される鍔付き円筒形状のファイバストッパ4よりなる光レセプタクルを作製した。
図3は光レセプタクルの縦断面図、図4は底面図である。図2の基本形と似ているが細部が少し違う。
鍔付き円筒形状のレセプタクルケース2は金属製でステンレスなどで作られる。前端面25は軸直角な平坦面である。軸方向に広い貫通穴がある。前半円筒部23と後半円筒部24で内外の径が少し違う。後半円筒部24の外径、内径とも、前半円筒部23より広い。貫通穴に円筒形のスリーブ3を圧入してある。スリーブ3はセラミックで作る。ジルコニア(ZrO)、アルミナ(Al)などである。プラスチックでは強度が不足する。スリーブ3の内周面7がフェルールを着脱支持する部分である。耐摩耗性、強度に優れたセラミックを用いているので繰り返し着脱によく耐える。
フェルールの前端に当たって位置決めするのがファイバストッパ4である。これは鍔付き円筒形状の金属製の部材である。ファイバストッパ4の前半円筒形状部分がスリーブ3の後端穴から圧入される。スリーブ3の外周はレセプタクルケース2との間に隙間32があるので、スリーブ3は外側へ少し歪みうまくファイバストッパ4の前半部を圧入できる。
スリーブ3のレセプタクルケース2との前周接面Hと、スリーブ3のファイバストッパ4との後周接面Kは軸方向に離れている。スリーブのどの部位も内外から同時に圧力を受けない。それが圧入時のスリーブの割れを防ぐ。
ファイバストッパ4の後面20にLDモジュール、PDモジュールのケースの前端部を溶接する。
ファイバストッパ4のストッパフランジ6の後面20から内周段部21までの軸方向の距離は1.4mm、内周段部21からストッパ先端22までの軸方向の距離は1.1mmである。だからフランジ後面20から円筒部先端22までのファイバストッパ4の軸方向の全長さは2.5mmである。
ファイバストッパ4の先端通し穴9の内径は0.5φ、中間部穴10の内径は0.65φ、ストッパフランジ6後面の拡径部11の内径は0.95φである。通し穴9には短い光ファイバを挿入したセラミック製のスタブを挿入してもよい。スタブの前面を斜めに研磨しておけば反射戻り光がなくなる。反射戻り光があるとLDの動作が不安定になる。ダミー光ファイバ・スタブによって反射戻り光を防ぐことができる。ファイバストッパの通し穴にはレンズを挿入するようにしても良い。レンズキャップ付きのLDやPDと組み合わせることでコリメート光学系が構築でき、フィルタやアイソレータなどの光学部品を挿入できるようになる。ストッパフランジ6の外径は4.75φである。ストッパフランジ6の弓形の一部が切りかかれ平坦面12となっている。平坦面12と中心軸の距離は1.4mmである。
円筒形のスリーブ3はジルコニア(ZrO)で作ってある。絶縁性、強度、摺動特性に優れている。スリーブ3の内周面7の内径は1.25φである。
レセプタクルケース2の先端の差込口8の内径は1.5φである。レセプタクルケース2の前半円筒部23の外径は2.8φ、後半円筒部24の外径は3.0φである。レセプタクルケース2のケースフランジ5の外径は4.75φである。
レセプタクルケース2の前端面25から外周段部26までの軸方向距離は3.38mm、外周段部26からフランジ前面27までの距離は1.77mm、フランジ前面27とフランジ後面28の距離(フランジ厚み)は0.55mmである。
ケースフランジ5は弓形の一部が切りかかれ平坦面29となっている。平坦面29の中心軸からの距離は2.1mmである。
前端面25からフランジ後面28までのレセプタクルケース2の全長は5.695mmである。
レセプタクルケース2、スリーブ3、ファイバストッパ4を一体化した状態での前端面25から後面20までの全長は6.445mmである。だからファイバストッパ4のレセプタクルケース2との重なり長さは0.75mmである。
セラミック製の円筒状スリーブ3は前方の前周接面Hではレセプタクルケース2の内周面と接触している。前周接面Hでスリーブ3は内向きの収縮力を受ける。レセプタクルケース2の後半内周は段部30から少し内径が広くなっており、スリーブ3との間に間隙32が生じている。間隙32のためにスリーブ3の後半外周部はレセプタクルケース2の内周面と非接触となる。
スリーブ3の後半の後周接面Kでファイバストッパ4と接触する。後周接面Kではスリーブ3は外向きの拡径力を受ける。ファイバストッパ4は短いものであるからスリーブ3の前半部はファイバストッパ4と接触しない。
スリーブ3が内向きの力を受ける前周接面Hと、スリーブ3が外向きの力を受ける後周接面Kは軸方向において異なる前後部位にある。前周接面Hと後周接面Kには内外方向に重なりがない。
ファイバストッパ4はスリーブ3の後半内周(後周接面K)に圧入固定される。レセプタクルケース2はスリーブ3の前半外周(前周接面H)に圧入固定される。スリーブ3を介して、ファイバストッパ4とレセプタクルケース2は一体となる。内向き力と外向き力がスリーブ3の同じ部位に働くということがない。圧入操作が容易で、圧入のときにスリーブ3が破損するおそれがない。また経年変化によってスリーブ3の強度が低下するということもない。
特開2005−70499によって提案された光レセプタクルの断面図。
本発明の光レセプタクルの基本構造を示す断面図。
本発明の実施例に係る光レセプタクルの断面図。
本発明の実施例に係る光レセプタクルの底面図。
符号の説明
2レセプタクルケース
3スリーブ
4ファイバストッパ
5ケースフランジ
6ストッパフランジ
7内周面
8差込口
9通し穴
10中間部穴
11拡径部
12平坦面
20後面
21内周段部
22ストッパー先端
23前半円筒部
24後半円筒部
25前端面
26外周段部
27フランジ前面
28フランジ後面
29平坦面
30段部
32隙間
42精密スリーブ
43ホルダー
44金属製フランジ
45ストッパ
46光ファイバ
47フェルール
H前周接面
K後周接面

Claims (4)

  1. 光ファイバを固定したフェルールを着脱自在に挿入する内周面を持った円筒形のセラミックのスリーブと、円筒形で通し穴を有しスリーブの内周面に後方から圧入されスリーブの後周接面でスリーブと接触し後方にストッパフランジを有する金属製ファイバストッパと、スリーブの外周面に前方から圧入されスリーブの前周接面で接触し後方ではスリーブとの間に間隙があって非接触である金属製のレセプタクルケースとを含み、スリーブの前周接面と後周接面は軸方向に離隔しており半径方向に重ならないようにしたことを特徴とする光レセプタクル
  2. レセプタクルケースは後方にケースフランジを有することを特徴とする請求項1に記載の光レセプタクル。
  3. ファイバストッパの通し穴には、ダミーファイバを保持するセラミック製のスタブを挿入してあることを特徴とする請求項1に記載の光レセプタクル。
  4. ファイバストッパの通し穴には、レンズを挿入してあることを特徴とする請求項1に記載の光レセプタクル。





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