JP2007284669A - 熱可塑性エラストマー組成物およびエアバッグカバー - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物およびエアバッグカバー Download PDF

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貞之 中野
Noboru Furumine
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Abstract

【課題】低温衝撃強度に優れる熱可塑性エラストマー組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも、以下の成分(A)15〜40重量%と、成分(B)15〜40重量%と、成分(C)20〜70重量%とを、混練して得られる熱可塑性エラストマー組成物。
(A):密度が850〜900kg/m3であり、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が30〜150、ヨウ素価が0.1〜40、エチレン単位の含有量が30〜90重量%であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム
(B):密度が850〜900kg/m3であり、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が30〜150、ヨウ素価が0.1〜40、エチレン単位の含有量が成分(A)の0.50倍〜0.95倍であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム
(C):ポリプロピレン樹脂
【選択図】なし

Description

本発明は、低温衝撃強度に優れる熱可塑性エラストマー組成物および該組成物を成形して得られるエアバッグカバーに関するものである。
エアバッグカバーにおいては、衝突の際、エアバッグが展開できるように確実に破裂しかつ破片が飛び散らないこと、寒冷地での使用にも耐える低温強度を有すること、成形性に優れることが求められている。かかるエアバッグカバーに用いられる材料としては、例えば、230℃のメルトフローレート(MFR)が14g/10分であるポリプロピレンと190℃のMFRが4g/10分、密度が915kg/m3である線状低密度ポリエチレンとの樹脂組成物や、230℃のメルトフローレート(MFR)が30g/10分であり、エチレン含有量が3重量%であるポリプロピレンと230℃のMFRが8g/10分、コモノマー含有量が24重量%であるエチレン−オクテン共重合体ゴムとの樹脂組成物や、230℃のメルトフローレート(MFR)が50g/10分であるポリプロピレンと230℃のMFRが2.3g/10分、コモノマー含有量が24重量%であるエチレン−オクテン共重合体ゴムとの樹脂組成物との樹脂組成物などがあり、150〜400MPa程度の剛性、−40℃のIzod衝撃試験において非破壊を有する材料が提案されている。(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)
特開平8−27331号公報 特開平10−265628号公報 特開2001−279030号公報
しかしながら、上記組成物からなるエアバッグカバーは、低温衝撃強度が不十分であるという問題点を有する。
かかる状況のもと本発明の目的は、低温衝撃強度に優れるエアバッグカバー、及び該エアバッグカバーの製造に適した熱可塑性エラストマー組成物を提供することである。
本発明の一つの様態は、少なくとも、以下の成分(A)15〜40重量%と、成分(B)15〜40重量%と、成分(C)20〜70重量%とを、混練して得られる熱可塑性エラストマー組成物(成分(A)と成分(B)と成分(C)との合計を100重量%とする)に係るものである。
(A):密度が850〜900kg/m3であり、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が30〜150、ヨウ素価が0.1〜40、エチレン単位の含有量が30〜90重量%であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム
(B):密度が850〜900kg/m3であり、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が30〜150、ヨウ素価が0.1〜40、エチレン単位の含有量が成分(A)の0.50倍〜0.95倍であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム
(C):ポリプロピレン樹脂
本発明はまた、上記の熱可塑性エラストマー組成物からなるエアバッグカバーに係るものである。
本発明により、低温衝撃強度に優れる熱可塑性エラストマー組成物、該組成物からなるエアバッグカバーを提供することができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、密度が850〜900kg/m3であり、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が30〜150、ヨウ素価が0.1〜40、エチレン単位の含有量が30〜90重量%であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム(A)、密度が850〜900kg/m3であり、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が30〜150、ヨウ素価が0.1〜40、エチレン単位の含有量が成分(A)の0.50倍〜0.95倍であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム(B)およびポリプロピレン樹脂(C)の少なくとも3成分からなる。
本発明の成分(A)および(B)にかかるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムとして、軟化剤(「伸展油」とも呼ばれている)とエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムとの混合物、すなわち、軟化剤で伸展されたエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムを用いることができる。エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムと軟化剤とを混合する方法として、(1)製品としてのエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム(市販品であってもよい)と軟化剤とを公知の混合機で混合する方法、および(2)エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムの製造における中間体としての該共重合体ゴムの溶液と軟化剤とを混合して混合物を製造し、次いで、該混合物中の溶媒を除去する方法を例示することができる。
該軟化剤として、パラフィン系鉱物油、ナフテン系鉱物油およびアロマ系鉱物油のような鉱物油を例示することができる。中でも、パラフィン系鉱物油が好ましい。軟化剤を混合する場合の軟化剤の添加量は、軟化剤添加後のエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムのムーニー粘度(ML1+4100℃)が30〜150となる範囲である必要がある。このような軟化剤の添加量は、軟化剤を含まないエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム100重量部あたり通常20〜200重量部、好ましくは20〜150重量部、更に好ましくは20〜120重量部である。該含有量が20重量部未満であると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の流動性が悪くなることがある。該含有量が200重量部を越えると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度が低くなることがある。
上記α−オレフィンは通常、炭素原子数3〜10のα−オレフィンである。α−オレフィンとして、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−デセンのような直鎖状α−オレフィン;ならびに3−メチル−1−ブテンおよび3−メチル−1−ペンテンのような分岐状α−オレフィンを例示することができる。中でも、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンが好ましい。
上記の非共役ジエンとして、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、および7−メチル−1,6−オクタジエンのような鎖状非共役ジエン;ならびに、シクロへキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、および6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエンを例示することができる。中でも、5−エチリデン−2−ノルボルネンまたはジシクロペンタジエンが好ましい。
上記の非共役ジエンは、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、および1,4,9−デカトリエンのようなトリエンと組合せて用いてもよい。該組合せを用いる場合、共重合体ゴムは、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン−非共役トリエン共重合体ゴムである。
本発明の成分(A)および(B)にかかるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムとして、エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−1−ブテン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム、エチレン−1−ヘキセン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム、エチレン−1−オクテン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエン共重合体ゴム、およびエチレン−1−ブテン−ジシクロペンタジエン共重合体ゴムを例示することができる。中でも、エチレン−1−ブテン−ジシクロペンタジエン共重合体ゴムが好ましい。
成分(A)のエチレン単位の含有量は、通常30〜90重量%、好ましくは35〜80重量%、より好ましくは40〜70重量%であり、α−オレフィン単位の含有量は、通常10〜70重量%、好ましくは20〜65重量%、より好ましくは30〜60重量%である(エチレン単位とα−オレフィン単位との合計を100重量%とする)。なお、本発明において「エチレン単位」のような用語は、重合されたモノマーの単位を意味する。エチレン単位の含有量が30重量%未満であったり、90重量%を越えたりすると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度が低下することがある。
成分(B)のエチレン単位の含有量は、成分(A)のエチレン単位の含有量の0.50倍〜0.95倍、好ましくは0.60倍〜0.90倍であり、α−オレフィン単位の含有量は100重量%からエチレン単位の含有量の重量%を減じた量である。(エチレン単位とα−オレフィン単位との合計を100重量%とする)。エチレン単位の含有量が成分(A)のエチレン含有量の0.5倍未満であったり、0.95倍を越えたりすると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度が低下することがある。
成分(A)の非共役ジエン単位の含有量(非共役ジエンと非共役トリエンとの組合せが用いられる場合は、両モノマー単位の合計含有量)は、製造される熱可塑性エラストマー組成物の耐久物性・耐熱性・低温強度・流動性の観点から、成分(A)にかかるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム(油展ゴムではない)のヨウ素価換算で、0.1〜40、好ましくは0.1〜30、より好ましくは1〜30である。ヨウ素価が0.1未満であると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の粘度のせん断速度依存性が弱くなり、その結果、流動性が悪くなる場合がある。ヨウ素価が40を越えると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度が低下することがある。
成分(B)の非共役ジエン単位の含有量(非共役ジエンと非共役トリエンとの組合せが用いられる場合は、両モノマー単位の合計含有量)は、製造される熱可塑性エラストマー組成物の耐久物性・耐熱性・低温強度・流動性の観点から、成分(B)にかかるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム(油展ゴムではない)のヨウ素価換算で、0.1〜40、好ましくは0.1〜30、より好ましくは1〜30である。ヨウ素価が0.1未満であると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の粘度のせん断速度依存性が弱くなり、その結果、流動性が悪くなる場合がある。ヨウ素価が40を越えると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度が低下することがある。
本発明の成分(A)および(B)の密度は、JIS K7112に従いアニール無しで測定して、850〜900Kg/m3、好ましくは850〜890Kg/m3、より好ましくは850〜880Kg/m3である。密度が900Kg/m3を越えると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度が低下することがある。密度が850Kg/m3未満であると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の高温強度が低下することがある。
本発明の成分(A)および(B)のムーニー粘度(ML1+4100℃)は、JIS K6300に従い100℃で測定して、30〜150、好ましくは40〜100、より好ましくは50〜80である。ムーニー粘度が150を越えると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の流動性の低下や、該組成物からなる成形体の外観が悪化することがある。ムーニー粘度が30未満であると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度が低下することがある。
成分(C)とは、プロピレン単位の含有量が50重量%を超え100重量%以下である、JIS K7121に従い昇温速度および降温速度が5℃/minの条件で測定して、100℃以上に融点を有するプロピレンの単独重合体、または、100℃以上に融点を有する、プロピレンとエチレン及び/又は炭素原子数4〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体もしくはブロック共重合体である。成分(C)は、該単独重合体、該ランダム共重合体および該ブロック共重合体の2以上の組合せであってもよい。
上記のランダム共重合体として、製造される熱可塑性エラストマー組成物の耐熱性を高める観点から、(1)プロピレン単位の含有量が90〜99.5重量%でありエチレン単位の含有量が0.5〜10重量%であるプロピレン−エチレンランダム共重合体(プロピレン単位とエチレン単位との合計を100重量%とする)、(2)プロピレン単位の含有量が90〜99重量%でありエチレン単位の含有量が0.5〜9.5重量%であり炭素数4〜10のα−オレフィン単位の含有量が0.5〜9.5重量%であるプロピレン−エチレン−α−オレフィンランダム共重合体(プロピレン単位とエチレン単位とα−オレフィン単位との合計を100重量%とする)、または(3)プロピレン単位の含有量が90〜99.5重量%であり炭素数4〜10のα−オレフィン単位の含有量が0.5〜10重量%であるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(プロピレン単位とα−オレフィン単位との合計を100重量%とする)が好ましい。
上記のブロック共重合体とは、プロピレンの単独重合体またはプロピレンとエチレン及び/又はα−オレフィンとのランダム共重合体である第1重合体を製造する工程(1)と、第1重合体の存在下に、プロピレンとエチレン及び/又はα−オレフィンとのランダム共重合体である第2重合体を製造する工程(2)とからなる製造方法で製造され、第2重合体に含有されるプロピレン単位以外のモノマー単位の含有量(すなわち、エチレン単位の含有量、α−オレフィン単位の含有量、またはエチレン単位とα−オレフィン単位との含有量)が、第1重合体に含有されるプロピレン単位以外のモノマー単位の含有量より多い、第1重合体と第2重合体とからなる混合物であって、工程(1)と工程(2)とが逐次的に実施されるので当業者によって通常ブロック共重合体と呼ばれてはいるものの、ポリマー関係の教科書に記載されている、BBB−−−BBBSSS−−−SSS(BBB−−−BBBはブタジエン単位の連鎖を表わし、SSS−−−SSSはスチレン単位の連鎖を表わす)のような典型的なブロック共重合体ではない。つまり、第1重合体の末端と、第2重合体の末端とが共有結合で結合されたブロック共重合体ではない。
該ブロック共重合体は、製造される熱可塑性エラストマー組成物の耐熱性を高める観点から、好ましくは、第1重合体に含有されるプロピレン単位以外のモノマー単位の含有量が0〜10重量%(第1重合体に含有される全てのモノマー単位の合計を100重量%とする)の重合体、より好ましくは、第2重合体に含有されるプロピレン単位以外のモノマー単位の含有量が5〜50重量%(第2重合体に含有される全てのモノマー単位の合計を100重量%とする)の共重合体、さらに好ましくは、第2重合体の含有量が5〜70重量%(該ブロック共重合体の量を100重量%とする)の共重合体である。
上記の炭素原子数4〜10のα−オレフィンとして、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび1−デセンのような直鎖状α−オレフィン;3−メチル−1−ブテンおよび3−メチル−1−ペンテンのような分岐状α−オレフィン;ならびにこれらの2以上の組合せを例示することができる。
成分(C)の、JIS K7210に従い21.18Nの荷重下230℃で測定されるメルトフローレートは、製造される熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体の外観を高める観点から、好ましくは0.1g/10分以上、より好ましくは1g/10分以上であり、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度を高める観点から、好ましくは150g/10分以下、より好ましくは100g/10分以下である。
成分(C)として、プロピレンの単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレン−ブテンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、およびエチレン−プロピレン−ブテンブロック共重合体を例示することができる。中でも、プロピレンの単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体が好ましい。
成分(A)の量は15〜40重量%、好ましくは20〜35重量%、より好ましくは25〜35重量%であり、成分(B)の量は15〜40重量%、好ましくは20〜35重量%、より好ましくは25〜35重量%であり、成分(C)の量は20〜70重量%、好ましくは30〜60重量%、より好ましくは30〜50重量%である(成分(A)と成分(B)と成分(C)との合計を100重量%とする)。
成分(A)または成分(B)の量が15重量%未満であったりすると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度が低下することがある。成分(A)と成分(B)のどちらかの量が40重量%を越えたりすると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の流動性が低下したり、製造される熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体の外観が悪化することがある。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、架橋剤の存在下で動的に熱処理して得られる組成物であってもよい。前記架橋剤としては、有機過酸化物、硫黄化合物およびアルキルフェノール樹脂を例示することができる。中でも、有機過酸化物が好ましい。動的な熱処理とは、本発明の組成物の全部または一部の成分を溶融混合しながら、架橋反応に適した温度のもとで、架橋反応を行なうことを意味する。動的な熱処理に用いられる装置として、二軸押出機やバンバリーミキサーのような公知の装置を例示することができる。同様の処理に対し、動的架橋という用語も用いられている。これらの方法に関し、詳しくは、Thermoplastic Elastomers 2nd. ed., 153-190 (Hanser Gardner Publications ,1996)等の文献に記載されている。
有機過酸化物として、公知の、ケトンパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、アルキルパーエステル類、パーカーボネート類、パーオキシジカーボネート類、およびパーオキシエステル類を例示することができる。具体的な有機過酸化物として、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,2,4−トリメチルペンチル−2−ハイドロパ−オキサイド、ジイソプロピルベンゾハイドロパーオキサイド、クメンパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、イソブチルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、およびp−クロロベンゾイルパーオキサイド;ならびに、これらの2以上の組合せを例示することができる。
架橋剤の量は、成分(A)と成分(B)と成分(C)との合計を100重量部として、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜2重量部、より好ましくは0.1〜1重量部である。該量が0.01重量部未満であると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の流動性が低下することがある。該量が10重量部を超えると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度が低下することがある。
架橋剤は、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度を改良するために、架橋助剤と組合せてもよい。好ましい架橋助剤は、2以上の二重結合を有する化合物である。架橋助剤として、N,N−m−フェニレンビスマレイミド、トルイレンビスマレイミド、p−キノンジオキシム、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、およびジビニルベンゼン;ならびに、これらの2以上の組合せを例示することができる。
架橋助剤の量は、成分(A)と成分(B)と成分(C)との合計を100重量部として、好ましくは0.01〜10重量部である。該量が0.01重量部未満であると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度が良好でない場合がある。該量が10重量部を越えると、製造される熱可塑性エラストマー組成物の低温強度の改良効果が上がらない場合がある。
また、成分(A)、成分(B)、および成分(C)のいずれも、無機フィラー(例えば、タルク、炭酸カルシウムおよび焼成カオリン)、有機フィラー(例えば、繊維、木粉およびセルロースパウダー)、酸化防止剤(例えば、フェノール系、イオウ系、燐系、ラクトン系およびビタミン系)、耐候安定剤、紫外線吸収剤(例えば、ベンゾトリアゾール系、トリジアミン系、アニリド系およびベンゾフェノン系)、熱安定剤、光安定剤(例えば、ヒンダードアミン系およびベンゾエート系)、帯電防止剤、造核剤、顔料、吸着剤(例えば、酸化亜鉛や酸化マグネシウムのような金属酸化物)、金属塩化物(例えば、塩化鉄および塩化カルシウム)、ハイドロタルサイト、ならびにアルミン酸塩のような添加剤と組合せてもよい。該添加剤はまた、製造される熱可塑性エラストマー組成物と配合してもよい。
前記熱可塑性エラストマー組成物を用いて成形する場合には、得られる成形体の金型からの脱型性や耐磨耗性や耐傷付き性を改良するために、滑剤またはシリコーン化合物と組合せてもよい。該滑剤として、ラウリル酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、およびステアリルジエタノールアミド、ならびにこれらの2以上の組合せを例示することができる。中でも、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミドまたはエルカ酸アミドが好ましい。
該滑剤の量は、上記の脱型性や耐磨耗性や耐傷付き性の観点から、成分(A)と成分(B)と成分(C)との合計を100重量部として、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.05〜1重量部である。該量が0.01重量部未満であると、脱型性や耐磨耗性や耐傷付き性が悪くなる場合がある。該量が10重量部を越えると、製造される熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体の表面に該滑剤が析出する場合がある。
上記のシリコーン化合物として、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、およびメチルハイドロジェンシリコーンのようなストレートシリコン;ならびに、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、メルカトプ変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルスチリル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、高級アルコキシ変性シリコーン、およびフッ素変性シリコーンのような変性シリコーン、を例示することができる。中でも、ストレートシリコーンが好ましい。該シリコーン化合物は、市販品であってもよい。該シリコーン化合物はまた、シリコーンオイル及び/又はシリコーンゴムを予めオレフィン系樹脂に高濃度に充填したマスターバッチでもよい。
該シリコーン化合物の量は、上記の脱型性や耐磨耗性や耐傷付き性の観点から、成分(A)と成分(B)と成分(C)との合計を100重量部として、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。該量が0.01重量部未満であると、脱型性や耐磨耗性や耐傷付き性が悪くなる場合がある。該量が10重量部を越えると、製造される熱可塑性エラストマー組成物からなる成形体の表面に艶むらが現れる場合がある。
本発明における成分(A)および(B)の製造方法として、公知のチーグラー・ナッタ系触媒または、メタロセン系錯体および非メタロセン系錯体のような公知の錯体系触媒を用いた、公知のスラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法または気相重合法を例示することができる。
成分(A)と(B)は、それぞれ別途重合して得られたエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムを混合してもよいが、熱可塑性エラストマー組成物の製造工程が簡略化できることから、直列または並列に連結した二つの重合槽を用い、一方の重合槽で成分(A)を重合し、他方の重合槽で成分(B)を重合して、成分(A)と成分(B)が溶媒に混合されてなる混合液を得た後、該混合液から溶媒を除去して得られる成分(A)と成分(B)の混合物を用いることが好ましい。このような成分(A)と成分(B)の混合物を用いた場合、成分(A)と成分(B)があらかじめ混合されているため、成分(C)との混合する際に、適切な混合状態を作ることが容易となる。特に、架橋剤存在下で動的に熱処理する場合には、このような成分(A)と成分(B)の混合物を用いることで、混練時間を短くできる、または混練時の発熱を抑制し外観等の品質の良い製品が得られる等の、利点があり望ましい。
本発明のおける成分(C)のポリプロピレン樹脂の製造方法として、公知のチーグラー・ナッタ系触媒または、メタロセン系錯体および非メタロセン系錯体のような公知の錯体系触媒を用いた、公知の、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法または気相重合法を例示することができる。成分(C)は市販品であってもよい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、前記した成分(A)、(B)および(C)と、さらに必要に応じ配合される他の成分とを、公知の方法、例えば、二軸押出機、バンバリーミキサーなどにより混練して得ることができる。また、架橋剤の存在下で混練してもよい。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、エアバッグカバーに好適である。本発明のエアバッグカバーは、熱可塑性エラストマー組成物を、射出成形法のような公知の成形方法で成形することによって製造される。とりわけ剛性が100〜400MPaの熱可塑性エラストマー組成物を用いて得られるエアバッグカバーは、運転席用エアバッグカバーとして好適である。
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[I]物性測定方法
(1)剛性
JIS K7203に従い、曲げ弾性率を測定した(単位 MPa)。
(2)低温強度
JIS K6911に従い、−47℃でのIzod衝撃試験を行い、下記の通り評価した。
NB:破壊しなかった。
B :破壊した。

Izod衝撃強度 下記の式により、試験片に吸収された全衝撃エネルギー(kgf・cm)を試験片のノッチ部の幅(cm)で除して算出した。
Izod衝撃強度=試験片に吸収された全衝撃エネルギー/試験片のノッチ部の幅
(3)流動性
厚みが2mmの楕円スパイラル金型を用い、下記の条件で成形した時の成形品の長さから流動長を算出した。
流動長=長さ/厚み
成形条件
金型温度:50℃
射出成形機:東芝機械社製 IS100−EN
シリンダー温度;HN:220℃ H3:220℃ H2:200℃ H1:190℃
射出圧力:116MPa
(4)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210に従い、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定した。
(5)密度
JIS K7112に従い、アニール無しで測定した。
(6)ムーニー粘度(ML1+4100℃)
JIS K 6300に従い、測定温度100℃、余熱時間1分、ローターの回転時間4分で測定した。
(7)エチレン単位含有量
赤外線吸収スペクトル法により測定した。
(8)ヨウ素価
赤外線吸収スペクトル法により測定した。
[II]原料
(1)オイル成分
以降の全ての実施例、比較例における油展エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴムに含まれるオイル成分として、出光興産製、PW−380を使用した。
(2)エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム
A−1:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム
密度:880kg/m3、ムーニー粘度(ML1+4100℃):78
エチレン単位含有量:67重量%、プロピレン単位含有量:33重量%
(エチレン、プロピレン両単位の合計を100重量%とする。)
ヨウ素価:3.9、オイル含有量量:共重合体100重量部に対して40重量部
A−2:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム
密度:880kg/m3、ムーニー粘度(ML1+4100℃):80
エチレン単位含有量:64重量%、プロピレン単位含有量:36重量%
(エチレン、プロピレン両単位の合計を100重量%とする。)
ヨウ素価:3.6、オイル含有量量:共重合体100重量部に対して40重量部
A−3:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム
密度:880kg/m3、ムーニー粘度(ML1+4100℃):75
エチレン単位含有量:63重量%、プロピレン単位含有量:37重量%
(エチレン、プロピレン両単位の合計を100重量%とする。)
ヨウ素価:3.6、オイル含有量量:共重合体100重量部に対して40重量部
B−1:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム
密度:880kg/m3、ムーニー粘度(ML1+4100℃):78
エチレン単位含有量:57重量%、プロピレン単位含有量:43重量%
(エチレン、プロピレン両単位の合計を100重量%とする。)
ヨウ素価:4.4、オイル含有量量:共重合体100重量部に対して40重量部
B−2:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム
密度:880kg/m3、ムーニー粘度(ML1+4100℃):80
エチレン単位含有量:51重量%、プロピレン単位含有量:49重量%
(エチレン、プロピレン両単位の合計を100重量%とする。)
ヨウ素価:3.9、オイル含有量量:共重合体100重量部に対して40重量部
B−3:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム
密度:880kg/m3、ムーニー粘度(ML1+4100℃):75
エチレン単位含有量:63重量%、プロピレン単位含有量:37重量%
(エチレン、プロピレン両単位の合計を100重量%とする。)
ヨウ素価:3.6、オイル含有量量:共重合体100重量部に対して40重量部
AB−1:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム
直列に接続した二つの重合槽を使用し、エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体を最初の重合槽で重合した後、同共重合体を次の重合槽に送り、そこで最初の重合槽で重合した共重合体と異なる構造のエチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体を重合し、構造の異なるエチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体の混合物を製造した。後段の重合槽から出たエチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体 100重量部に対し、オイル40重量部を加え、均一に混合した後、溶媒、未反応モノマーを除き、エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴムを得た。
混合物としてのエチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム
エチレン単位含有量:61重量%、プロピレン単位含有量:39重量%
(エチレン、プロピレン両単位の合計を100重量%とする。)、ヨウ素価:4.2
オイル含有量量:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体100重量部に対して40重量部。オイルを含んだ状態のもとで、密度:880kg/m3、ムーニー粘度(ML1+4100℃):78

最初の重合槽で重合したエチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム:
エチレン単位含有量:57重量%、プロピレン単位含有量:43重量%
(エチレン、プロピレン両単位の合計を100重量%とする。)、ヨウ素価:4.4
エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体 100重量部に対し、40重量部のオイルを含んだ状態でのもとで、密度:880kg/m3、ムーニー粘度(ML1+4100℃):78

後段の重合槽で重合したエチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン
共重合体ゴム:
エチレン単位含有量:67重量%、プロピレン単位含有量:33重量%
(エチレン、プロピレン両単位の合計を100重量%とする。)、ヨウ素価:3.9
エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体 100重量部に対し、40重量部のオイルを含んだ状態でのもとで、密度:880kg/m3、ムーニー粘度(ML1+4100℃):78
最初の重合槽と後段の重合槽で、モノマー反応量の重量比はそれぞれ2対1であった。また、後段の重合槽で重合した共重合体の構造は、後段の重合槽出口で得られた共重合体混合物の構造と、最初の重合槽出口で得られた共重合体の構造ならびに各重合槽のモノマー反応量比から、計算により求めた。
AB−2:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム
エチレン単位含有量:70重量%、プロピレン単位含有量:30重量%
(エチレン、プロピレン両単位の合計を100重量%とする。)、ヨウ素価:7.5、オイル含有量量:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体100重量部に対して40重量部。オイルを含んだ状態のもとで、密度:880kg/m3、ムーニー粘度(ML1+4100℃):78
AB−3:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム
エチレン単位含有量:63重量%、プロピレン単位含有量:37重量%
(エチレン、プロピレン両単位の合計を100重量%とする。)、ヨウ素価:3.6
オイル含有量量:エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体100重量部に対して40重量部。オイルを含んだ状態のもとで、密度:880kg/m3、ムーニー粘度(ML1+4100℃):75
(3)ホモポリプロピレン
C−1:住友化学社製 ノーブレン Z101A
MFR:25g/10分
[実施例1]
表1に示した配合量のA−1、B−1、C−1、トリメチロールプロパントリメタクリレート(架橋助剤)0.18重量部(A−1とB−1とCとの合計を100重量部とする)とをバンバリーミキサーで溶融混練し、次いでペレット加工してペレットを製造した。該ペレットを50kg/hrの速度で内径47mmの二軸押出機に投入し、二軸押出機の途中から、A−1とB−1とC−1との合計を100重量部として、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキセン(架橋剤)をパラフィン系オイルで10%濃度に希釈したもの2.2重量部を添加して(架橋剤として0.22重量部)、架橋剤供給部より下流側の押出機温度200℃、スクリュー回転数200rpmの条件下に、動的に熱処理し熱可塑性エラストマー組成物を製造した。得られた組成物を成形し、物性測定を行なった。その結果を表1に示す。
表1に示した配合量のA−2、B−2、C−1とトリメチロールプロパントリメタクリレート(架橋助剤)0.18重量部(A−2とB−2とC−1との合計を100重量部とする)とをバンバリーミキサーで溶融混練し、次いでペレット加工してペレットを製造した。該ペレットを50kg/hrの速度で内径47mmの二軸押出機に投入し、二軸押出機の途中から、A−2とB−2とC−1との合計を100重量部として、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキセン(架橋剤)をパラフィン系オイルで10%濃度に希釈したもの2.2重量部を添加して(架橋剤として0.22重量部)、架橋剤供給部より下流側の押出機温度200℃、スクリュー回転数200rpmの条件下に、動的に熱処理し、熱可塑性エラストマー組成物を製造した。得られた組成物を作製し、物性測定をおこなった。その結果を表1に示す。
[比較例1]
表1に示した配合量のA−3、B−3、C−1とトリメチロールプロパントリメタクリレート(架橋助剤)0.18重量部(A−3とB−3とC−1との合計を100重量部とする)とをバンバリーミキサーで溶融混練し、次いでペレット加工してペレットを製造した。該ペレットを50kg/hrの速度で内径47mmの二軸押出機に投入し、二軸押出機の途中から、A−3とB−3とC−1との合計を100重量部として、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキセン(架橋剤)をパラフィン系オイルで10%濃度に希釈したもの2.2重量部を添加して(架橋剤として0.22重量部)、架橋剤供給部より下流側の押出機温度200℃、スクリュー回転数200rpmの条件下に、動的に熱処理し、熱可塑性エラストマー組成物を製造した。得られた組成物を成形し、物性測定を行なった。その結果を表1に示す。
Figure 2007284669
[実施例3]
表2に示した配合量のAB−1、C−1とトリメチロールプロパントリメタクリレート(架橋助剤)0.18重量部(AB−1とC−1との合計を100重量部とする)を50kg/hrの速度で内径47mmの二軸押出機に投入し、二軸押出機の途中から、AB−1とC−1の合計を100重量部として、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキセン(架橋剤)をパラフィン系オイルで10%濃度に希釈したもの2.2重量部を添加して(架橋剤として0.22重量部)、架橋剤供給部より下流側の押出機温度200℃、スクリュー回転数200rpmの条件下に、動的に熱処理し、熱可塑性エラストマー組成物を製造した。得られた組成物を成形し、物性測定を行なった。その結果を表2に示す。
[比較例2]
表2示した配合量のAB−2とC−1、トリメチロールプロパントリメタクリレート(架橋助剤)0.18重量部(AB−2と−1の合計を100重量部とする)を50kg/hrの速度で内径47mmの二軸押出機に投入し、二軸押出機の途中から、AB−2と−1の合計を100重量部として、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキセン(架橋剤)をパラフィン系オイルで10%濃度に希釈したもの2.2重量部を添加して(架橋剤として0.22重量部)、架橋剤供給部より下流側の押出機温度200℃、スクリュー回転数200rpmの条件下に、動的に熱処理し、熱可塑性エラストマー組成物を製造した。得られた組成物を成形し、物性測定を行なった。その結果を表2に示す。
[比較例3]
表2に示した配合量のAB−3、C−1とトリメチロールプロパントリメタクリレート(架橋助剤)0.18重量部(AB−3とC−1との合計を100重量部とする)を50kg/hrの速度で内径47mmの二軸押出機に投入し、二軸押出機の途中から、AB−3とC−1との合計を100重量部として、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキセン(架橋剤)をパラフィン系オイルで10%濃度に希釈したもの2.2重量部を添加して(架橋剤として0.22重量部)、架橋剤供給部より下流側の押出機温度200℃、スクリュー回転数200rpmの条件下に、動的に熱処理し、熱可塑性エラストマー組成物を製造した。得られた組成物を成形し、物性測定を行なった。その結果を表2に示す。
Figure 2007284669

Claims (6)

  1. 少なくとも、以下の成分(A)15〜40重量%と、成分(B)15〜40重量%と、成分(C)20〜70重量%とを、混練して得られる熱可塑性エラストマー組成物。(成分(A)と成分(B)と成分(C)との合計を100重量%とする)
    (A):密度が850〜900kg/m3であり、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が30〜150、ヨウ素価が0.1〜40、エチレン単位の含有量が30〜90重量%であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム
    (B):密度が850〜900kg/m3であり、ムーニー粘度(ML1+4100℃)が30〜150、ヨウ素価が0.1〜40、エチレン単位の含有量が成分(A)の0.50倍〜0.95倍であるエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム
    (C):ポリプロピレン樹脂
  2. 成分(A)、成分(B)の各エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムが、エチレン単位の含有量が40〜80重量%、ヨウ素価が1〜30、油展量が20〜200重量部の油展エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムである請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 架橋剤の存在下で動的に熱処理して得られる請求項1または請求項2の何れかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 請求項3における架橋剤が有機過酸化物である熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 請求項1から請求項4の何れかに記載の熱可塑性エラストマー組成物を成形して得られるエアバッグカバー。
  6. 請求項1から請求項4の何れかに記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法であって、成分(A)および成分(B)として、直列または並列に連結した二つの重合槽を用い、一方の重合槽で成分(A)を重合し、他方の重合槽で成分(B)を重合して、成分(A)と成分(B)が溶媒に混合されてなる混合液を得た後、該混合液から溶媒を除去して得られる成分(A)と成分(B)の混合物を用い、該成分(A)および成分(B)の混合物に、成分(C)を、成分(A)が15〜40重量%、成分(B)が15〜40重量%、成分(C)が20〜70重量%となるように配合し、混練する熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
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