JP2007284652A - 組成物、膜、およびその製造方法 - Google Patents

組成物、膜、およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】層間絶縁膜として使用するのに適した、適当な均一な厚さを有するシリコーン系膜が形成可能な、しかも低屈折率で誘電率、ヤング率等の膜特性に優れた組成物、絶縁膜、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】m個のRSi(O0.5)3ユニット(mは8〜16の整数を表し、Rはそれぞれ独立して非加水分解性基を表し、Rのうち、少なくとも2つはビニル基またはエチニル基を含む基である)を有し、各ユニットが、各ユニットにおける酸素原子を共有して他のユニットに連結しカゴ構造を形成している化合物(I)の重合物を含む組成物。
ただし、組成物に含まれる固形分のうち、化合物(I)のビニル基同士が反応した重合物が60質量%以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、組成物に関し、さらに詳しくは、膜形成用組成物に関し、さらに詳しくは、半導体素子などにおける層間絶縁膜材料として、適当な均一な厚さを有する塗膜が形成可能な、しかも、誘電率特性などに優れた絶縁膜形成や、低屈折率光学膜形成に有用な組成物、組成物の製造方法、膜の製造方法、膜、半導体デバイスに関する。
従来、半導体素子などにおける層間絶縁膜として、気相成長(CVD)法などの真空プロセスで形成されたシリカ(SiO2)膜が多用されている。そして、近年、より均一な
層間絶縁膜を形成することを目的として、SOG(Spin on Glass)膜と呼ばれるテトラアルコキシランの加水分解生成物を主成分とする塗布型の絶縁膜も使用されるようになっている。また、半導体素子などの高集積化に伴い、有機SOGと呼ばれるポリオルガノシロキサンを主成分とする低誘電率の層間絶縁膜が開発されている。
しかし、無機材料の膜の中で最も低い誘電率を示すCVD−SiO2膜でも、比誘電率
は約4程度である。また、低誘電率CVD膜として最近検討されているSiOF膜の比誘電率は約3.3〜3.5であるが、この膜は吸湿性が高く、使用しているうちに誘電率が上昇するという問題がある。
かかる状況下、絶縁性、耐熱性、耐久性に優れた絶縁膜材料として、オルガノポリシロキサンに高沸点溶剤や熱分解性化合物を添加して空孔を形成し、誘電率を下げる方法が知られている。しかしながら、上記のような多孔質膜では、多孔化することにより誘電率特性が下がっても、機械強度が低下すること、吸湿による誘電率増加がおこることなどが問題になっていた。また、互いに連結した空孔が形成されるため、配線に用いられた銅が、絶縁膜中に拡散することなどが問題となっていた。
一方、カゴ状構造を有するシロキサン化合物を絶縁膜の製造に用いる試みは公知であるが(特許文献1参照)、この方法では、塗布液作製時または絶縁膜作製時にカゴ構造を十分に維持できないため、密度を低下させる効果が小さく、誘電率は十分に低下しなかった。
特開2005−154771号公報
従って本発明は、上記問題点を解決するための組成物、膜製造方法およびこれを用いて形成された膜に関し、さらに詳しくは、半導体素デバイスなどにおける層間絶縁膜として使用するのに適した、適当な均一な厚さを有するシリコーン系膜が形成可能な、しかも低密度、低屈折率で誘電率、ヤング率等の膜特性に優れた組成物、絶縁膜、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、下記の手段より達成されることが見出された。
<1>
m個のRSi(O0.5)3ユニット(mは8〜16の整数を表し、Rはそれぞれ独立して非加水分解性基を表し、Rのうち、少なくとも2つはビニル基またはエチニル基を含む基である)を有し、各ユニットが、各ユニットにおける酸素原子を共有して他のユニットに連結しカゴ構造を形成している化合物(I)の重合物を含む組成物。
ただし、組成物に含まれる固形分のうち、化合物(I)同士が反応した重合物が60質量%以上である。
<2>
組成物に含まれる固形分のGPCチャートから化合物(I)単量体を除いた部分のポリスチレン換算数平均分子量が0.3万〜30万である、上記<1>請求項に記載の組成物。
<3>
組成物に含まれる固形分のGPCチャートから化合物(I)単量体を除いた部分のポリスチレン換算重量平均分子量が0.7万〜100万である、上記<1>または<2>に記載の組成物。
<4>
m個のRSi(O0.5)3ユニット(mは8〜16の整数を表し、Rはそれぞれ独立して非加水分解性基を表し、Rのうち、少なくとも2つはビニル基またはエチニル基を含む基である)を有し、各ユニットが、各ユニットにおける酸素原子を共有して他のユニットに連結しカゴ構造を形成している化合物(I)を、30質量%以下の濃度で有機溶媒に溶解させ、重合開始剤を用いてビニル基またはエチニル基を反応させることを特徴とする化合物(I)の重合物の製造方法。
ただし、組成物に含まれる固形分のうち、化合物(I)同士が反応した重合物が60質量%以上である。
<5>
重合開始剤を分割添加または連続添加することを特徴とする上記<4>に記載の重合物の製造方法。
<6>
重合溶媒として、分子内にエステル基を有する溶媒を用いることを特徴とする上記<4>または<5>に記載の重合物の製造方法。
<7>
上記<4>〜<6>のいずれかに記載の製造方法によって合成した重合体を含む組成物。
<8>
有機溶剤を含むことを特徴とする、上記<1>〜<3>、または<7>のいずれかに記載の組成物。
<9>
界面活性剤を含むことを特徴とする、上記<1>〜<3>、および<7>、<8>のいずれかに記載の組成物。
<10>
本発明の組成物中で、化合物(I)のビニル基またはエチニル基が平均して1〜90モル%未反応で残存していることを特徴とする上記<1>〜<3>および<7>〜<9>のいずれかに記載の組成物。
<11>
本発明の組成物中の、化合物(I)の反応物に、重合開始剤、添加剤または重合溶媒のいずれかが0.1〜40質量%結合していることを特徴とする上記<1>〜<3>および<7>〜<10>のいずれかに記載の組成物。
<12>
組成物に含まれる固形分のGPCテャートにおいて、分子量300万以上の成分を実質的に含まないことを特徴とする、上記<1>〜<3>および<7>〜<11>のいずれかに記載の組成物。
<13>
上記<1>〜<3>および<7>〜<12>のいずれかに記載の組成物を含有する絶縁膜形成用組成物。
<14>
孔径0.005〜0.2μmのフィルターでろ過されたことを特徴とする上記<13>に記載の膜形成用組成物。
<15>
上記<14>に記載の絶縁膜形成用組成物を基板上に塗布した後、硬膜することを特徴とする膜製造方法。
<16>
上記<15>に記載の製造方法を用いて製造された膜。
<17>
上記<16>に記載の膜を含む半導体デバイス。
本発明によれば、半導体デバイスなどにおける層間絶縁膜や光学デバイスにおける低屈折率膜として使用するのに適した、低密度、低屈折率で誘電率、ヤング率等の膜特性に優れた膜を形成することができる。
以下、本発明の組成物は、m個のRSi(O0.5)3ユニット(mは8〜16の整数を表し、Rはそれぞれ独立して非加水分解性基を表し、Rのうち、少なくとも2つはビニル基またはエチニル基を含む基である)を有し、各ユニットが、各ユニットにおける酸素原子を共有して他のユニットに連結しカゴ構造を形成している化合物(I)の反応物を含む。
誘電率低下効果の点から、mは8、10、12、14、16が好ましく、入手性の観点から、8、10、12が、より好ましい。
ここでカゴ構造とは、共有結合した原子で形成された複数の環によって容積が定まり、容積内に位置する点は環を通過せずには容積から離れることができないような分子を指す。
化合物(I)で表されるカゴ構造の例としては、下記のものが挙げられる。下記における自由結合手はRが結合する位置を表す。
Figure 2007284652
Figure 2007284652
Figure 2007284652
化合物(I)中、Rはそれぞれ独立して非加水分解性基を表す。
ここで、非加水分解性基とは、室温で、1当量の中性水と1時間接触させた場合に、95%以上残存する基であるが、この条件で99%以上残存していることが好ましい。
Rのうち、少なくとも2つはビニル基またはエチニル基を含む基である。Rの非加水分解性基の例としては、アルキル基(メチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、アリール基(フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等)、ビニル基、エチニル基、アリル基、シリルオキシ基(トリメチルシリルオキシ、トリエチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)等があげられる。
Rで表される基のうち、少なくとも2つが、ビニル基またはエチニル基を含む基であるが、少なくとも2つがビニル基であることが好ましい。Rで表される基がビニル基またはエチニル基を含む場合には、ビニル基またはエチニル基は、直接もしくは2価の連結基を介して、Rが結合するケイ素原子に結合することが好ましい。2価の連結基としては、−[C(R11)(R12)]−、−CO−、−O−、−N(R13)−、−S−、−O−Si(R14)(R15)−、およびこれらを任意に組み合わせてできる2価の連結基が挙げられる。(R11〜R15はそれぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル基、またはフェニル基を表し、kは1〜6の整数を表す。)、なかでも、−[C(R11)(R12)]−、−O−、−O−Si(R14)(R15)−またはこれらを任意に組み合わせてできる2価の連結基が好ましい。
化合物(I)において、ビニル基またはエチニル基はRが結合するケイ素原子に直接結合することが好ましい。
化合物(I)におけるRのうち、少なくとも2つのビニル基が、Rが結合するケイ素原子に直接結合することがさらに好ましく、化合物(I)におけるRの少なくとも半数が全てビニル基であることが、より好ましく、Rが全てビニル基であることが特に好ましい。
化合物(I)の具体例としては、例えば、下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2007284652
Figure 2007284652
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Figure 2007284652
化合物(I)は、市販のものを使用してもよいし、公知の方法で合成してもよい。
本発明の化合物(I)におけるRが一般式(II)で表される基である場合も好ましく、この場合、一般(III)で表される化合物と一般式(IV)で表される化合物を反応させることで合成できる。
一般式(III)でされる化合物は、たとえば、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.1997,36, No.7, 743-745等に記載の方法に従って合成できる。
(R13−Si−O− (II)
〔MO-Si(O0.5)3m (III)
(R13−Si−Cl (IV)
これらの式中、R1はそれぞれ独立に非加水分解性基を表すが、R1で表される非加水分解性基の具体例としては、アルキル基、アリール基、ビニル基、エチニル基等があげられる。mおよびR1は、化合物(I)および一般式(II)におけるものと同意である。Mは金属原子(例えばNa、K、Cu、Ni、Mn)またはオニウムカチオン(例えばテトラメチルアンモニウム)を表す。なお、Mが多価の金属原子である場合は、複数の−O−Si(O0.5)3が多価の金属原子Mに結合した形態を意味する。
一般式(III)で表される化合物と、一般式(IV)で表される化合物との反応は、例えば、溶媒中に、一般式(III)で表される化合物と、一般式(III)で表される化合物中に含まれるSi−OM基数の1〜100倍モルの一般式(IV)で表される化合物を添加し、撹拌しながら、通常0〜180℃、10分〜20時間行う。
溶媒としては、トルエン、ヘキサン、テトラヒドロフラン(THF)などの有機溶剤が好ましい。
一般式(III)で表される化合物と一般式(IV)で表される化合物を反応させる際には、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基を添加しても良い。
本発明の組成物には、複数の異なった化合物(I)またはその重合物が含まれていても良い。その場合、複数の異なった化合物(I)からなる共重合体であってもよいし、ホモポリマーの混合物であってもよい。本発明の組成物が、複数の異なった化合物(I)からなる共重合体を含む場合、m=8、10、および12から選ばれる2種以上の化合物(I)の混合物の共重合体であることが好ましい。
本発明の組成物は、化合物(I)以外の化合物との共重合物であってもよい。その場合に用いられる化合物としては、重合性炭素−炭素不飽和結合またはSiH基を複数有する化合物が好ましい。好ましい化合物の例としては、ビニルシラン類、ビニルシロキサン類、フェニルアセチレン類、[(HSiO0.5]等が挙げられる。
本発明の組成物は、化合物(I)またはその反応物が有機溶剤に溶解した溶液であってもよいし化合物(I)またはその反応物を含む固形物であってもよい。
発明の組成物を製造するための方法としては、化合物(I)をハイドロシリレーション反応または炭素-炭素不飽和結合同士の重合反応を用いて製造されることが好ましい。
化合物(I)を溶媒に溶解させ、重合開始剤を添加してビニル基またはエチニル基を反応させることが特に好ましい。
重合反応としてはどのような重合反応でも良いが、例えばラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、開環重合、重縮合、重付加、付加縮合、遷移金属触媒重合等が挙げられる。
化合物(I)の重合反応は非金属の重合開始剤の存在下で行うことが好ましい。例えば、加熱によって炭素ラジカルや酸素ラジカル等の遊離ラジカルを発生して活性を示す重合開始剤の存在下で重合することが出来る。
重合開始剤としては特に有機過酸化物または有機アゾ系化合物が好ましく用いられる。
有機過酸化物としては、日本油脂株式会社より市販されているパーヘキサH等のケトンパーオキサイド類、パーヘキサTMH等のパーオキシケタール類、パーブチルH−69等のハイドロパーオキサイド類、パークミルD、パーブチルC、パーブチルD等のジアルキルパーオキサイド類、ナイパーBW等のジアシルパーオキサイド類、パーブチルZ、パーブチルL等のパーオキシエステル類、パーロイルTCP等のパーオキシジカーボネート、ジイソブチリルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ‐n‐プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ‐sec−ブチルパーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ジ(4−t−ブチルクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,
3−テトラメチルブチルパーオキシ‐2−エチルヘキサノエート、ジコハク酸パーオキサイド、2,5−ジメチルー2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオ
キサイド、t−ブチルパーオキシ‐2−エチルヘキサノエート、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ベンゾイル(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(4,4−ジ‐(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ‐3,5,5、−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジ‐メチル‐2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジー(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル4,4−ジーt−ブチルパーオキシバレレート、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ‐t−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル‐2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーイキサイド、ジ‐t−ブチルパーオキサイド、p−メタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル-2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン‐3、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,3−ジメチルー2,3−ジフェニルブタン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、o−クロロベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、トリス‐(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、2,4,4−トリメチルペンチルパーオキシネオデカノエート、α‐クミルパーオキシネオデカノエート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジーt−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ‐t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、ジ‐3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ‐イソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,6−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニルオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコールビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、アルケマ吉冨社より市販されているルペロックス11等が好ましく用いられる。
有機アゾ系化合物としては和光純薬工業株式会社で市販されているV−30、V−40、V−59、V−60、V−65、V−70等のアゾニトリル化合物類、VA−080、VA−085、VA−086、VF−096、VAm−110、VAm−111等のアゾアミド化合物類、VA−044、VA−061等の環状アゾアミジン化合物類、V−50、VA−057等のアゾアミジン化合物類、2,2−アゾビス(4−メトキシ-2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルブチロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)、1−〔(1−シアノ-1−メチルエチル)アゾ〕ホルムアミド、2,2−アゾビス{2−メチル-N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2−アゾビス〔2−メチル-N−(2−ヒドロキシブチル)プロピオンアミド〕、2,2−アゾビス〔N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド〕、2,2−アゾビス(N−ブチルー2−メチルプロピオンアミド)、2,2−アゾビス(N−シクロヘキシル-2−メチルプロピオアミド)、2,2−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン-2−イル)プロパン〕ジヒドロクロリド、2,2−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン-2−イル)プロパン〕ジスルフェートジヒドレート、2,2−アゾビス{2−〔1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン‐2−イル〕プロパン}ジヒドロクロリド、2,2−アゾビス〔2−〔2−イミダゾリン‐2−イル〕プロパン〕、2,2−アゾビス(1−イミノー1−ピロリジノ‐2−メチルプロパン)ジヒドロクロリド、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2−アゾビス〔N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン〕テトラヒドレート、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、2,2−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が好ましく用いられる。
重合開始剤としては、有機過酸化物が好ましく、中でもアルキルパーオキシエステルおよびジアルキルパーオキサイドが特に好ましい。
本発明の重合開始剤は1種のみ、または2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の重合開始剤の使用量はモノマー1モルに対して、好ましくは0.001〜2モル、より好ましくは0.05〜1モル、特に好ましくは0.01〜0.5モルである。
本発明の重合開始剤の添加方法としては一括添加、分割添加、連続添加等が挙げられるが、少ない重合開始剤添加量で高分子量化でき、膜強度の点からも有利であるので、分割添加および連続添加が好ましい。
重合反応で使用する溶媒は、化合物(I)が必要な濃度で溶解可能であり、かつ得られる重合体から形成する膜の特性に悪影響を与えないものであればどのようなものを使用しても良い。以下の記述において、例えば、エステル系溶剤とは分子内にエステル基を有する溶媒のことである。
例えば水やメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、メチルベンゾエート等のエステル系溶剤、ジブチルエーテル、アニソール、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、トルエン、キシレン、メシチレン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、ペンタメチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、1,4−ジ−t−ブチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼン、1,3,5−トリ−t−ブチルベンゼン、4−t−ブチル−オルトキシレン、1−メチルナフタレン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン等のハロゲン系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤などが利用できる。これらの中でより好ましい溶剤はエステル系溶剤であり、中でも、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、メチルベンゾエートであり、特に好ましくは、酢酸エチル、酢酸ブチルである。
これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
同じ溶媒を用いた場合、重合時の化合物(I)の濃度が低い程、重量平均分子量および数平均分子量が大きく、有機溶剤に可溶な組成物を容易に合成することができる。
その意味で、反応液中の化合物(I)の濃度は、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下である。
反応時の生産性の観点では、重合時の化合物(I)の濃度が高い程有利である。その意味では、重合時の化合物(I)の濃度は、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上である。
本発明における重合反応の最適な条件は、重合開始剤、モノマー、溶媒の種類、濃度等によって異なるが、好ましくは内温0℃〜200℃、より好ましくは40℃〜170℃、特に好ましくは70℃〜150℃で、好ましくは1〜50時間、より好ましくは2〜20時間、特に好ましくは3〜10時間の範囲である。
また、酸素による重合開始剤の不活性化を抑制するために不活性ガス雰囲気下(例えば窒素、アルゴン等)で反応させることが好ましい。反応時の酸素濃度は好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、特に好ましくは20ppm以下である。
重合して得られるポリマーの重量平均分子量(Mw)の好ましい範囲は0.5万〜100万である。より好ましくは2万〜80万、特に好ましくは8万〜60万である。
本発明の組成物に含まれる固形分のうち、化合物(I)同士が反応した重合物の合計が60質量%以上であることが好ましいが、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることが、さらに好ましく、95質量%以上であることが最も好ましい。化合物(I)同士が反応した重合物が60質量%以上であることが好ましいが、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることが、さらに好ましく、95質量%以上であることが最も好ましい。
固形分中のこれらの含量が大きいほど、密度、屈折率および誘電率の低い膜を形成することができる。
ここで言う固形分とは組成分に含まれる全成分から、揮発性の成分を除いた成分である。揮発性成分には、低分子量化合物に分解した後、揮発する成分も含まれる。揮発性の成分の例としては、水、有機溶剤、熱分解性ポリマー、熱離脱性置換基等が挙げられる。
本発明の固形分に含まれる、化合物(I)同士が反応した重合物以外の成分としては、不揮発性の化合物(I)、化合物(I)の反応物を含む共重合物中に含まれる化合物(I)の反応物以外の成分、不揮発性の添加物などが挙げられる。
残存した化合物(I)については、固形分のGPCチャート、HPLCチャート、NMRスペクトル、UVスペクトル、IRスペクトル等から定量できる。共重合物中の成分については、仕込み比で判断できる場合もあるが、固形分を必要に応じて精製した後、NMRスペクトル、UVスペクトル、IRスペクトル、元素組成等の測定を行うことによっても定量できる。
不揮発性添加物については、添加した量を固形分中の存在量として用いる方法、固形物のGPCチャート、HPLCチャートから定量する方法が可能であるが、固形分を必要に応じて精製した後、NMRスペクトル、UVスペクトル、IRスペクトル、元素組成等の測定を行うことによっても定量できる。
固形分から、これらを除いたものが、化合物(I)同士が反応した重合物である。
本発明の組成物は有機溶媒に可溶であることが好ましい。ここで、有機溶媒に可溶であるとは、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびγ−ブチロラクトンから選ばれる溶媒に、25℃で、5質量%以上溶解することと定義するが10質量%以上溶解することが好ましく、20質量%以上溶解することが、より好ましい。
本発明の組成物中の固形分のGPCポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、0.5万〜100万であることが好ましいが、2万〜80万であることがより好ましく、4万〜60万であることが、より好ましく、8万〜60万であることが、よりいっそう好ましく、12万〜60万であることが最も好ましい。
なお、本願におけるGPCポリスチレン換算値は、Waters2695およびShodex製GPCカラムKF−805Lを使用し、カラム温度40℃で、溶出溶媒としてテトラヒドロフランを毎分1mlの流量で用い、試料濃度0.5質量%のテロラヒドロフラン溶液を50μl注入し、RI検出装置(Waters2414)の積分値を用いて単量体の検量線を作成し、固形分中の単量体を定量し、MnおよびMwは標準ポリスチレンを用いて作製した検量線を用いて計算した値である。
本発明の組成物に含まれる固形分のGPCチャートから化合物(I)単量体を除いた部分のMwが0.7万〜100万であることが好ましいが、2.5万〜80万が好ましく、5万〜〜60万であることがさらに好ましく、10万〜60万であることがよりいっそう好ましく、14万〜60万あることが、最も好ましい。
本発明の組成物中の固形分のGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)は、0.1万〜30万であることが好ましいが、0.3万〜25万であることがより好ましく、1万〜20万であることが、より好ましく、2万〜20万であることが、よりいっそう好ましく、3万〜20万であることが最も好ましい。
本発明の組成物に含まれる固形分のGPCチャートから化合物(I)単量体を除いた部分のMnは0.3万〜30万であることが好ましいが、0.6万〜25万が好ましく、1.2万〜20万であることがさらに好ましく、2.4万〜20万であることがよりいっそう好ましく、3.6万〜20万であることが、最も好ましい。
これらの平均分子量が大きいほど、密度、屈折率および誘電率の低い膜を形成することができるが、これらの平均分子量が大きいと有機溶剤に対する不溶物を生成しやすくなる。平均分子量が上記の範囲であれば、低密度、低屈折率および低誘電率と、有機溶剤に対する溶解性、ろ過性を両立できる。
本発明のポリマーは分子量300万以上の成分を実質的に含まないことが好ましく、200万以上の成分を実質的に含まないことがより好ましく、100万以上の成分を含まないことが最も好ましい。
GPCチャートから計算した、本発明の組成物に含まれる固形分の分散度(Mw/Mn)は1〜15が好ましく、1〜10が、より好ましく、1〜5が最も好ましい。Mwが同じであった場合、分散度が小さいほうが、密度、屈折率および誘電率の低い膜を形成することができる。
本発明の組成物に含まれる固形分中の未反応の化合物(I)は、40質量%以下であるが、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましく、2質量%以下であることが、最も好ましい。
本発明の組成物に含まれる固形分中では、化合物(I)のビニル基またはエチニル基のうち、1〜再沈澱処理が未反応で残存していることが好ましく、5〜80モル%が未反応で残存していることが好ましく、10〜70モル%が未反応で残存していることが最も好ましい。
また、本発明の組成物中の、化合物(I)の反合物には、重合開始剤、添加剤または重合溶媒が0.1〜40質量%結合していてもよいが、0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%が、より好ましく、0.1〜5質量%が最も好ましい。
これらについては、組成物のNMRスペクトル等から定量することができる。
本発明の組成物は、化合物(I)の重合物を含む粒子状のポリマーを含んでいることが好ましい。粒子状ポリマーの粒径は1〜200nmであることが好ましく、2〜100nmであることが、より好ましく、3〜50nmであることがさらに好ましく、3〜10nmであることが最も好ましい。
粒径については光散乱測定法等によって測定できる。
上述した物性を有する組成物を製造する方法としては、化合物(I)を重合させる際に、高希釈条件を用いる、連鎖移動剤を添加する、反応溶剤を最適化する、重合開始剤を連続添加する、化合物(I)を連続添加する、ラジカルトラップ剤を添加する、リビング重合を用いるなどの方法が挙げられる。
また、化合物(I)の化合物を重合させた後、不溶物をろ過する、カラムクロマトグラフィーを用いて精製する、再沈殿処理により精製する、などの方法を用いることも可能である。
ここで、再沈殿処理とは、必要に応じて反応溶媒を留去した反応液に、貧溶媒(本発明の組成物を実質的に溶解しない溶媒)を加える、もしくは必要に応じて反応溶媒を留去した反応液を、貧溶媒に滴下することにより、本発明の組成物を析出させ、これをろ取することである。
貧溶媒としては、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン)などが好ましい。貧溶媒として、本発明の組成物の等質量〜200倍質量を用いることが好ましく、2倍質量〜50倍質用いることが、より好ましい。再沈澱処理を行うことにより、密度、屈折率および誘電率のより低い膜を形成することができる。
本発明の組成物を製造する際には、化合物(I)の重合反応を行った反応液をそのまま本発明の組成物として用いても良いが、反応溶媒を留去し、濃縮して用いることが好ましい。また、再沈殿処理を行った後に用いることが好ましい。
濃縮する方法としては、ロータリーエバポレーター、蒸留装置または重合反応を行った反応装置などを用いて、反応液を加熱および/または減圧することによって行うことが好ましい。濃縮時の反応液の温度は、一般的には0℃〜180℃であり、10℃〜140℃が好ましく、20℃〜100℃が、より好ましく、30℃〜60℃が最も好ましい。濃縮時の圧力は、一般的に、0.133Pa〜100kPaであり、好ましくはは1.33Pa〜13.3kPaであり、より好ましくは、1.33Pa〜1.33kPaである。
反応液を濃縮する際は、反応液中の固形分含量が10質量%以上になるようになるまで濃縮することが好ましく、30%質量以上になるまで濃縮することがより好ましく、50%質量以上になるまで濃縮することが最も好ましい。
本発明の組成物およびその製造工程において、必要以上の重合を抑制するために重合禁止剤を添加してもよい。重合禁止剤の例としては4−メトキシフェノール、カテコールなどが挙げられる。
本発明において、化合物(I)の重合体は、適当な溶剤に溶解させて、支持体上に塗布して使用することが好ましい。使用できる溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ジメチルイミダゾリジノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、イソプロパノール、エチレンカーボネート、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が好ましく、これらの溶剤を単独あるいは混合して使用する。
上記の中でも、好ましい溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレンカーボネート、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、キシレン、メシチレン、ジイソプロピルベンゼンを挙げることができる。
本発明の組成物を適当な溶剤に溶解させて得られる溶液も本発明の組成物の範囲に含まれる。本発明の溶液中の全固形分濃度は、好ましくは、1〜30質量%であり、使用目的に応じて適宜調整される。組成物の全固形分濃度が1〜30質量%であると、塗膜の膜厚が適当な範囲となり、塗布液の保存安定性もより優れるものである。
本発明の組成物には、重合開始剤が含まれていてもよいが、重合開始剤が含まれていないほうが組成物の保存安定性が良いので好ましい。
ただし、本発明の組成物を低温で硬膜する必要がある場合は、重合開始剤を含んでいることが好ましい。その場合の重合開始剤の例としては前述したものと同じものが挙げられる。また、この目的で、放射線により重合を引きおこす開始剤を使用することもができる。
本発明の組成物には不純物としての金属含量が充分に少ないことが好ましい。組成物の金属濃度はICP−MS法にて高感度に測定可能であり、その場合の遷移金属以外の金属含有量は好ましくは30ppm以下、より好ましくは3ppm以下、特に好ましくは300ppb以下である。また、遷移金属に関しては酸化を促進する触媒能が高く、プリベーク、熱硬化プロセスにおいて酸化反応によって本発明で得られた膜の誘電率を上げてしまうという観点から、含有量がより少ないほうがよく、好ましくは10ppm以下、より好ましくは1ppm以下、特に好ましくは100ppb以下である。
組成物の金属濃度は本発明の組成物を用いて得た膜に対して全反射蛍光X線測定を行うことによっても評価できる。X線源としてW線を用いた場合、金属元素としてK、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Pdが観測可能であり、それぞれ100×1010cm−2以下が好ましく、より好ましくは50×1010cm−2以下、特に好ましくは10×1010cm−2以下である。また、ハロゲンであるBrも観測可能であり、残存量は10000×1010cm−2以下が好ましく、より好ましくは1000×1010cm−2以下、特に好ましくは400×1010cm−2以下である。また、ハロゲンとしてClも観測可能であるが、CVD装置、エッチング装置等へダメージを与えるという観点から残存量は100×1010cm−2以下が好ましく、より好ましくは50×1010cm−2以下、特に好ましくは10×1010cm−2以下である。
更に、本発明の組成物には、得られる絶縁膜の特性(耐熱性、誘電率、機械強度、塗布性、密着性等)を損なわない範囲で、ラジカル発生剤、コロイド状シリカ、界面活性剤、シランカップリング剤、密着剤などの添加剤を添加してもよい。
本発明にいかなるコロイド状シリカを使用してもよい。例えば、高純度の無水ケイ酸を親水性有機溶媒もしくは水に分散した分散液であり、通常、平均粒径5〜30nm、好ましくは10〜20nm、固形分濃度が5〜40質量%程度のものである。
本発明にいかなる界面活性剤を使用してもよいが、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤などが挙げられ、さらにシリコーン系界面活性剤、含フッ素系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、アクリル系界面活性剤が挙げられる。本発明で使用する界面活性剤は、一種類でも良いし、二種類以上でも良い。界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、含フッ素系界面活性剤、アクリル系界面活性剤が好ましく、特にシリコーン系界面活性剤が好ましい。
本発明で使用する界面活性剤の添加量は、膜形成塗布液の全量に対して0.01質量%以上1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上0.5質量%以下であることが更に好ましい。
本発明において、シリコン系界面活性剤とは、少なくとも1原子のSi原子を含む界面活性剤である。本発明に使用するシリコン系界面活性剤としては、いかなるシリコン系界面活性剤でもよく、アルキレンオキシド及びジメチルシロキサンを含む構造であることが好ましい。下記化学式を含む構造であることが更に好ましい。
Figure 2007284652
式中R1は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基であり、xは1〜20の整数
であり、m、nはそれぞれ独立に2〜100の整数である。複数のR1は同じでも異なっ
ていてもよい。
本発明に使用するシリコーン系界面活性剤としては、例えばBYK306、BYK307(ビックケミー社製)、SH7PA、SH21PA、SH28PA、SH30PA(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、TroysolS366(トロイケミカル社製)等を挙げることができる。
本発明に使用するノニオン系界面活性剤としては、いかなるノニオン系界面活性剤でもよい。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアリールエーテル類、ポリオキシエチレンジアルキルエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリオキシエチレン類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体等を挙げることができる。
本発明に使用する含フッ素系界面活性剤としては、いかなる含フッ素系界面活性剤でもよい。例えば、パーフルオルオクチルポリエチレンオキシド、パーフルオルデシルポリエチレンオキシド、パーフルオルドデシルポリエチレンオキシド等が挙げられる。
本発明に使用するアクリル系界面活性剤としては、いかなるアクリル系界面活性剤でもよい。例えば、(メタ)アクリル酸系共重合体等が挙げられる。
本発明にいかなるシランカップリング剤を使用してもよいが、例えば、3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノグリシジロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。本発明で使用するシランカップリング剤は、一種類でも良いし、二種類以上でも良い。
本発明にはいかなる密着促進剤を使用してもよいが、例えば、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、アルミニウムモノエチルアセトアセテートジイソプロピレート、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルジフエニルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、ジフエニルジメトキシシラン、フエニルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,N’−ビス(トリメチルシリル)ウレア、ジメチルトリメチルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾール、ビニルトリクロロシラン、ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、インダゾール、イミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、ウラゾール、チオウラシル、メルカプトイミダゾール、メルカプトピリミジン、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、チオ尿素化合物等を挙げることができる。官能性シランカップリング剤が密着促進剤として好ましい。密着促進剤の好ましい使用量は、全固形分100質量部に対して10質量部以下、特に0.05〜5質量部であることが好ましい。
本発明の組成物には膜の機械強度の許す範囲内で、空孔形成因子を使用して、膜を多孔質化し、低誘電率化を図ることができる。
空孔形成剤となる添加剤の空孔形成因子としては特に限定はされないが、非金属化合物が好適に用いられ、膜形成用塗布液で使用される溶剤との溶解性、本発明重合体との相溶性を同時に満たすことが必要である。
空孔形成剤としてはポリマーも使用することができる。空孔形成剤として使用できるポリマーとしては、例えば、ポリビニル芳香族化合物(ポリスチレン、ポリビニルピリジン、ハロゲン化ポリビニル芳香族化合物など)、ポリアクリロニトリル、ポリアルキレンオキシド(ポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシドなど)、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクタム、ポリウレタン、ポリメタクリレート(ポリメチルメタクリレートなど)またはポリメタクリル酸、ポリアクリレート(ポリメチルアクリレートなど)およびポリアクリル酸、ポリジエン(ポリブタジエンおよびポリイソプレンなど)、ポリビニルクロライド、ポリアセタール、およびアミンキャップドアルキレンオキシド、その他、ポリフェニレンオキシド、ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリテトラヒドロフラン、ポリシクロヘキシルエチレン、ポリエチルオキサゾリン、ポリビニルピリジン、ポリカプロラクトン等であってもよい。
特にポリスチレンは、空孔形成剤として好適に使用できる。ポリスチレンはとしては、たとえば、アニオン性重合ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、未置換および置換ポリスチレン(たとえば、ポリ(α−メチルスチレン))が挙げられ、未置換ポリスチレンが好ましい。
また、空孔形成剤としては熱可塑性のポリマーも使用することができる。熱可塑性空孔形成用ポリマーの例としては、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリフェニレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリテトラヒドロフラン、ポリエチレン、ポリシクロヘキシルエチレン、ポリエチルオキサゾリン、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸およびポリビニルピリジン等が挙げられる。
またこの空孔形成剤の沸点若しくは分解温度は、好ましくは100〜500℃、より好ましくは200〜450℃、特に好ましくは250〜400℃である。分子量としては、200〜50000であることが好ましく、より好ましくは300〜10000、特に好ましくは400〜5000である。
空孔形成剤の添加量は膜を形成する重合体に対して、質量%で好ましくは0.5〜75%、より好ましくは0.5〜30%、特に好ましくは1%〜20%である。
また、空孔形成因子として、重合体の中に分解性基を含んでいても良く、その分解温度は好ましくは100〜500℃、より好ましくは200〜450℃、特に好ましくは250〜400℃であると良い。分解性基の含有率は膜を形成する重合体に対して、モル%で0.5〜75%、より好ましくは0.5〜30%、特に好ましくは1〜20%である。
本発明の膜形成用組成物はフィルターろ過により、不溶物、ゲル状成分等を除いてから膜形成に用いることが好ましい。その際に用いるフィルターの孔径は0.001〜0.2μmが好ましく、孔径0.005〜0.05μmがより好ましく、孔径孔径0.005〜0.03μmが最も好ましい。フィルターの材質はPTFE、ポリエチレン、ナイロンが好ましく、ポリエチレンおよびナイロンが、より好ましい。
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、膜形成用組成物をスピンコーティング法、ローラーコーティング法、ディップコーティング法、スキャン法、スプレー法、バー塗布法等の任意の方法により、シリコンウエハ、SiO2ウエハ、SiNウエハ、ガラス、プラスチックフィルムなどの基板に塗布した後、溶剤を必要に応じて加熱処理で除去することにより形成することができる。基板に塗布する方法としては、スピンコーティング法,スキャン法によるものが好ましい。特に好ましくは,スピンコーティング法によるものである。スピンコーティングについては、市販の装置を使用できる。例えば,クリーントラックシリーズ(東京エレクトロン製)、D-スピンシリーズ(大日本スクリーン製)、SSシリーズあるいはCSシリーズ(東京応化工業製)等が好ましく使用できる。スピンコート条件としては、いずれの回転速度でもよいが、膜の面内均一性の観点より、300mmシリコン基板においては1300rpm程度の回転速度が好ましい。また組成物溶液の吐出方法においては、回転する基板上に組成物溶液を吐出する動的吐出、静止した基板上へ組成物溶液を吐出する静的吐出のいずれでもよいが、膜の面内均一性の観点より、動的吐出が好ましい。また、組成物の消費量を抑制する観点より、予備的に組成物の主溶剤のみを基板上に吐出して液膜を形成した後、その上から組成物を吐出するという方法を用いることもできる。スピンコート時間については特に制限はないが、スループットの観点から180秒以内が好ましい。また、基板の搬送の観点より、基板エッジ部の膜を残存させないための処理(エッジリンス、バックリンス)をすることも好ましい。熱処理の方法は、特に限定されないが、一般的に使用されているホットプレート加熱、ファーネス炉を使用した加熱方法、RTP(Rapid Thermal Processor)等によるキセノンランプを使用した光照射加熱等を適用することができる。好ましくは、ホットプレート加熱、ファーネスを使用した加熱方法である。ホットプレートとしては市販の装置を好ましく使用でき、クリーントラックシリーズ(東京エレクトロン製)、D-スピンシリーズ(大日本スクリーン製)、SSシリーズあるいはCSシリーズ(東京応化工業製)等が好ましく使用できる。ファーネスとしては、αシリーズ(東京エレクトロン製)等が好ましく使用できる。
本発明の重合体は基板上に塗布した後に硬膜することが好ましい。硬膜とは、基板上の組成物を硬化し、膜に溶剤耐性を与えることを意味する。硬膜の方法としては、加熱処理(焼成)することが特に好ましい。例えば重合体中に残存するビニル基の後加熱時の重合反応が利用できる。この後加熱処理の条件は、好ましくは100〜450℃、より好ましくは200〜420℃、特に好ましくは350℃〜400℃で、好ましくは1分〜2時間、より好ましくは10分〜1.5時間、特に好ましくは30分〜1時間の範囲である。後加熱処理は数回に分けて行っても良い。また、この後加熱は酸素による熱酸化を防ぐために窒素雰囲気下で行うことが特に好ましい。
また、本発明では加熱処理ではなく高エネルギー線を照射することで重合体中に残存するビニル基またはエチニル基の重合反応を起こして硬膜しても良い。高エネルギー線とは、電子線、紫外線、X線などが挙げられるが、特にこれらの方法に限定されるものではない。
高エネルギー線として、電子線を使用した場合のエネルギーは0〜50keVが好ましく、より好ましくは0〜30keV、特に好ましくは0〜20keVである。電子線の総
ドーズ量は好ましくは0〜5μC/cm 2 、より好ましくは0〜2μC/cm 2 、特に好ましくは0〜1μC/cm 2である。電子線を照射する際の基板温度は0〜450℃が好ましく、より好ましくは0〜400℃、特に好ましくは0〜350℃である。圧力は好ましくは0〜133kPa、より好ましくは0〜60kPa、特に好ましくは0〜20kPaである。本発明の重合物の酸化を防止するという観点から、基盤周囲の雰囲気はAr、He、窒素などの不活性雰囲気を用いることが好ましい。また、電子線との相互作用で発生するプラズマ、電磁波、化学種との反応を目的に酸素、炭化水素、アンモニアなどのガスを添加してもよい。本発明における電子線照射は複数回行ってもよく、この場合は電子線照射条件を毎回同じにする必要はなく、毎回異なる条件で行ってもよい。
高エネルギー線として紫外線を用いてもよい。紫外線を用いる際の照射波長領域は190〜400nmが好ましく、その出力は基板直上において0.1〜2000mWcm−2が好ましい。紫外線照射時の基板温度は250〜450℃が好ましく、より好ましくは250〜400℃、特に好ましくは250〜350℃である。本発明の重合物の酸化を防止するという観点から、基盤周囲の雰囲気はAr、He、窒素などの不活性雰囲気を用いることが好ましい。また、その際の圧力は0〜133kPaが好ましい。
加熱処理と高エネルギー線処理照射を、同時に。または順次行うことにより硬膜してもよい。
絶縁膜を形成する際の膜厚は、乾燥膜厚として、1回塗りで厚さ0.05〜1.5μm程度、2回塗りでは厚さ0.1〜3μm程度の塗膜を形成することができる。
カゴ構造が焼成時に分解しないために、組成物及び絶縁膜の製造中にSi原子に求核攻撃する基(水酸基、シラノール基など)が実質的に存在しないことが好ましい。
より具体的には、本発明の組成物を、例えばスピンコート法により、基板(通常は金属配線を有する基板)上に塗布し、予備熱処理を行うことにより溶媒を乾燥させ、次いで300℃以上430℃以下の温度で最終熱処理(アニール)を行うことにより低誘電率の絶縁膜を形成できる。
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、半導体用層間絶縁膜として使用する際、その配線構造において、配線側面にはメタルマイグレーションを防ぐためのバリア層があっても良く、また、配線や層間絶縁膜の上面底面にはCMPでの剥離を防ぐキャップ層、層間密着層の他、エッチングストッパー層等があってもよく、更には層間絶縁膜の層を必要に応じて他種材料で複数層に分けても良い。
本発明の絶縁膜は、他の含Si絶縁膜または有機膜と積層構造を形成させて用いてもよい。炭化水素系の膜と積層して用いることが好ましい。
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、銅配線あるいはその他の目的でエッチング加工をすることができる。エッチングとしてはウエットエッチング、ドライエッチングのいずれでもよいが、ドライエッチングが好ましい。ドライエッチングは、アンモニア系プラズマ、フルオロカーボン系プラズマのいずれもが適宜使用できる。これらプラズマにはArだけでなく、酸素、あるいは窒素、水素、ヘリウム等のガスを用いることができる。また、エッチング加工後に、加工に使用したフォトレジスト等を除く目的でアッシングすることもでき、さらにはアッシング時の残渣を除くため、洗浄することもできる。
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、銅配線加工後に、銅めっき部を平坦化するためCMP(化学的機械的研磨)をすることができる。CMPスラリー(薬液)としては,市販のスラリー(例えば、フジミ製、ロデールニッタ製、JSR製、日立化成製等)を適宜使用できる。また、CMP装置としては市販の装置(アプライドマテリアル社製,荏原製作所製等)を適宜使用することができる。さらにCMP後のスラリー残渣除去のため、洗浄することができる。
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、多様の目的に使用することが出来る。例えばLSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAM等の半導体装置、マルチチップモジュール多層配線板等の電子部品における絶縁皮膜として好適であり、半導体用層間絶縁膜、エッチングストッパー膜、表面保護膜、バッファーコート膜の他、LSIにおけるパッシベーション膜、α線遮断膜、フレキソ印刷版のカバーレイフィルム、オーバーコート膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等として使用することが出来る。また、光学装置用の表面保護膜、反射防止膜、位相差膜としても用いることができる。
この方法により、誘電率の低い絶縁膜、すなわち、比誘電率が2.7以下、好ましくは2.5以下の絶縁膜を得ることができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
〔合成例1〕
C=CH−Si(O0.5)3ユニット8個からなるカゴ状シルセスキオキサン、HC=CH−Si(O0.5)3ユニット10個からなるカゴ状シルセスキオキサンおよびHC=CH−Si(O0.5)3ユニット12個からなるカゴ状シルセスキオキサンの混合物(ハイブリッドプラスチックス社製、型番:OL1170)1gを酢酸エチル361gに加えた。窒素気流中で、重合開始剤としてアルケマ吉冨社製ルペロックッス11を95μlを加え、5時間加熱還流した。室温まで冷却した後、液重量2gまで減圧濃縮し、メタノール20mlを加え、1時間攪拌した後、固形物をろ取、乾燥し、固形分0.83gを得た。固形分をGPCで分析するとMw=17.8万、Mn=3.7万であった。固形物中の未反応の出発物質は1質量%以下であった。なお、GPCとしては、Waters2695およびShodex製GPCカラムKF-805Lを使用し、カラム温度40℃で、溶出溶媒としてテトラヒドロフランを毎分1mlの流量で用い、試料濃度0.5質量%のテロラヒドロフラン溶液を50μl注入した。RI検出装置(Waters2414)の積分値を用いて単量体の検量線を作成し、固形分中の単量体を定量した。MnおよびMwは標準ポリスチレンを用いて作製した検量線を用いて計算した。
重クロロホルムを測定溶媒として、固形分のH−NMRスペクトルを測定したところ、ビニル基が重合してできたアルキル基由来のプロトンピークと、残存したビニル基由来のプロトンピークが43:57の積分比率で観察され、ビニル基同士が重合していることがわかった。
この組成物0.3gにシクロヘキサノン5mlを加えて40℃で3時間攪拌したところ、均一に溶解した。
さらに界面活性剤としてBYK306(ビックケミー社製)を5μl加え、本発明の組
成物(mix−1)を得た。残存する単量体の重量および添加剤の重量より、組成物(mix−1)中の固形分のうち、単量体のビニル基同士が反応した重合物が60質量%以上であることは明らかである。
〔合成例2〕
合成例1の出発物質(ハイブリッドプラスチックス社製、型番:OL1170)を精製して得られた、HC=CH−Si(O0.5)3ユニット12個からなるカゴ状シルセスキオキサン1.2gを酢酸エチル3gに加えた。窒素気流中で、重合開始剤としてアルケマ吉冨社製ルペロックス11を4μlを加え、5時間加熱還流した。室温まで冷却し、不溶物をろ過した後、液重量2gまで減圧濃縮し、メタノール20mlを加え、1時間攪拌した後、固形物をろ取、乾燥し、固形物0.32gを得た。固形物をGPCで分析するとMw=0.8万、Mn=0.3万であった。固形物中には未反応の出発物質は1質量%以下であった。この組成物にシクロヘキサノン5mlを加えて40℃で3時間攪拌したところ、均一に溶解した。さらに界面活性剤としてBYK306(ビックケミー社製)を5μl加え、本発明の組成物(T12−1)を得た。
残存する単量体の重量および添加剤の重量より、組成物中の固形分のうち、単量体のビニル基同士が反応した重合物が60質量%以上であることは明らかである。
〔合成例3〕
C=CH−Si(O0.5)3ユニット12個からなるカゴ状シルセスキオキサン1gを酢酸エチル10gに加えた。窒素気流中で、重合開始剤としてアルケマ吉冨社製ルペロックス11を10μlを加え、5時間加熱還流した。室温まで冷却し、不溶物をろ過した後、液重量2gまで減圧濃縮し、メタノール20mlを加え、1時間攪拌した後、固形物をろ取、乾燥し、固形物0.35gを得た。固形物をGPCで分析するとMw=2.6万、Mn=0.7万であった。固形物中の未反応の出発物質は1質量%以下であった。この組成物0.3gにシクロヘキサノン5mlを加えて40℃で3時間攪拌したところ、均一に溶解した。さらに界面活性剤としてBYK306(ビックケミー社製)を5μl加え、本発明の組成物(T12−2)を得た。
残存する単量体の重量および添加剤の重量より、組成物中の固形分のうち、単量体のビニル基同士が反応した重合物が60質量%以上であることは明らかである。
〔合成例4〕
C=CH−Si(O0.5)3ユニット12個からなるカゴ状シルセスキオキサン1gを酢酸エチル80gに加えた。窒素気流中で、重合開始剤としてアルケマ吉冨社製ルペロックス11を35μlを加え、5時間加熱還流した。室温まで冷却した後、液重量2gまで減圧濃縮し、メタノール20mlを加え、1時間攪拌した後、固形物をろ取、乾燥し、固形分0.41gを得た。固形物をGPCで分析するとMw=5.6万、Mn=1.2万であった。固形物中には未反応の出発物質は1質量%以下であった。この組成物0.3gにシクロヘキサノン5mlを加えて40℃で3時間攪拌したところ、均一に溶解した。さらに界面活性剤としてBYK306(ビックケミー社製)を5μl加え、本発明の組成物(T12−3)を得た。
残存する単量体の重量および添加剤の重量より、組成物中の固形分のうち、単量体のビニル基同士が反応した重合物が60質量%以上であることは明らかである。
〔合成例5〕
C=CH−Si(O0.5)3ユニット12個からなるカゴ状シルセスキオキサン3gを酢酸エチル2166gに加えた。窒素気流中で、重合開始剤としてアルケマ吉冨社製ルペロックス11を570μlを加え、5時間加熱還流した。室温まで冷却した後、減圧濃縮し、組成物(T12−4a)3gを得た。固形物中には未反応の出発物質は3.4質量%であった。固形物をGPCで分析するとMw=30.0万、Mn=2.0万であった。固形物から未反応の出発物質を除いて計算すると、Mw=31.4万、Mn=2.9万であった。この組成物0.3gにシクロヘキサノン5mlを加えて40℃で3時間攪拌したところ、均一に溶解した。さらに界面活性剤としてBYK306を(ビックケミー社製)5μl加え、本発明の組成物(T12−4)を得た。
残存する単量体の重量および添加剤の重量より、組成物中の固形分のうち、単量体のビニル基同士が反応した重合物が60質量%以上であることは明らかである。
〔合成例6〕
組成物(T12−4a)2gを10mlの酢酸エチルに溶解して、攪拌したメタノール150mlに滴下し、さらに1時間攪拌した後、固形物をろ取、乾燥し、組成物(T12−5a)1.74gを得た。GPCで分析するとMw=32.8万、Mn=4.1万であった。固形物中の未反応の出発物質は1質量%以下であった。この組成物0.3gにシクロヘキサノン5mlを加えて40℃で3時間攪拌したところ、均一に溶解した。さらに界面活性剤としてBYK306を(ビックケミー社製)5μl加え、本発明の組成物(T12−5)を得た。
残存する単量体の重量および添加剤の重量より、組成物中の固形分のうち、単量体のビニル基同士が反応した重合物が60質量%以上であることは明らかである。
〔合成例7〕
組成物(T12−5a)0.80gを4mlの酢酸エチルに溶解して、攪拌したメタノール100mlに滴下し、さらに1時間攪拌した後、固形物をろ取、乾燥し、固形分0.71gを得た。固形分をGPCで分析するとMw=34.3万、Mn=5.8万であった。固形物中の未反応の出発物質は1質量%以下であった。この組成物0.3gにシクロヘキサノン5mlを加えて40℃で3時間攪拌したところ、均一に溶解した。さらに界面活性剤としてBYK306(ビックケミー社製)を5μl加え、本発明の組成物(T12−6)を得た。
〔合成例8〕
例示化合物(I−d)(アルドリッチ社製)1gを酢酸エチル361gに加えた。窒素気流中で、重合開始剤としてアルケマ吉冨社製ルペロックス11を100μlを加え、5時間加熱還流した。重合禁止剤として4―メトキシフェノール20mgを加えた後、室温まで冷却し、液重量2gまで減圧濃縮し、メタノール20mlを加え、1時間攪拌した後、固形物をろ取、乾燥し、固形分0.81gを得た。固形分をGPCで分析するとMw=15.8万、Mn=3.1万であった。固形物中には未反応の例示化合物(I−d)は1質量%以下であった。この組成物0.3gにプロピレングリコールメチルエーテルアセテート5mlを加えて40℃で3時間攪拌したところ、均一に溶解した。さらに界面活性剤としてBYK306を(ビックケミー社製)5μl加え、本発明の組成物(d−1)を得た。
〔合成例9〕
例示化合物(I−d)1g、重合開始剤としてジクミルパーオキシド0.1gおよび1,2−ジクロロベンゼン100gを窒素気流下140℃で30分間攪拌した。反応液を室温にした後、攪拌したメタノール500mlに滴下し、さらに1時間攪拌した後、固形物をろ取、乾燥し、固形分0.51gを得た。固形分をGPCで分析するとMw=6.3万、Mn=1.2万であった。固形物中には未反応の例示化合物(I−d)は1質量%以下であった。この組成物0.3gにシクロヘキサノン5mlを加えて40℃で3時間攪拌したところ、均一に溶解した。ジクミルパーオキシド0.01gおよび界面活性剤としてBYK306を5μlおよび重合禁止剤として4―メトキシフェノール0.1mgを加えた後、本発明の組成物(d−2)を得た。
〔合成例10〕
例示化合物(I−d)1gを酢酸エチル361gに加え、窒素気流中で、加熱還流した。重合開始剤としてアルケマ吉冨社製ルペロックス11を2時間ごとに2μlづつ計6μlを加え、さらに4時間加熱還流した。ついで、室温まで冷却し、液重量1.5gまで減圧濃縮し、メタノール20mlを加え、1時間攪拌した後、固形物をろ取、乾燥し、固形分0.87gを得た。固形分をGPCで分析するとMw=17.8万、Mn=3.5万であった。固形分中には分子量200万以上の成分は実質的に含まれなかった。固形物中には未反応の例示化合物(I−d)は1質量%以下であった。
例示化合物(I−d)に含まれるビニル基の約20モル%が残存しており、また固形分には、約6質量%の酢酸エチルが結合していることが固形物のHNMR−スペクトルから定量できた。
この組成物0.3gにプロピレングリコールメチルエーテルアセテート5mlを加えて40℃で3時間攪拌したところ、均一に溶解した。さらに界面活性剤としてBYK306を(ビックケミー社製)5μlおよび加え、本発明の組成物(d−3)を得た。
〔合成例11〕
例示化合物(I−d)1gを酢酸エチル361gに加え、窒素気流中で、加熱還流した。重合開始剤としてアルケマ吉冨社製ルペロックス11を4時間かけて連続添加した。さらに3時間加熱還流した。ついで、室温まで冷却し、液重量2.0gまで減圧濃縮し、メタノール20mlを加え、1時間攪拌した後、固形物をろ取、乾燥し、固形分0.82gを得た。固形分をGPCで分析するとMw=18.8万、Mn=3.7万であった。固形物中には未反応の例示化合物(I−d)は1質量%以下であった。固形分中には分子量200万以上の成分は実質的に含まれなかった。例示化合物(I−d)に含まれるビニル基の約25モル%が残存しており、また固形分には、5質量%の酢酸エチルが結合していることが固形物のHNMR−スペクトルから定量できた。
この組成物0.3gにプロピレングリコールメチルエーテルアセテート5mlを加えて40℃で3時間攪拌したところ、均一に溶解した。さらに界面活性剤としてBYK306を(ビックケミー社製)5μl加え、本発明の組成物(d−4)を得た。
〔合成例12〕
例示化合物(I−d)1gを酢酸ブチル55gに加え、窒素気流中で、加熱還流した。重合開始剤としてアルケマ吉冨社製ルペロックス11を2時間ごとに2μlづつ計8μlを加え、さらに4時間加熱還流した。ついで、室温まで冷却し、液重量1.5gまで減圧濃縮し、メタノール20mlを加え、1時間攪拌した後、固形物をろ取、乾燥し、固形分0.80gを得た。固形分をGPCで分析するとMw=15.8万、Mn=2.7万であった。固形物中には未反応の例示化合物(I−d)は1質量%以下であった。固形分中には分子量200万以上の成分は実質的に含まれなかった。例示化合物(I−d)に含まれるビニル基の約50モル%が残存しており、また固形分には、約1質量%の酢酸ブチルが結合していることが固形物のHNMR−スペクトルから定量できた。
この組成物0.3gにプロピレングリコールメチルエーテルアセテート5mlを加えて40℃で3時間攪拌したところ、均一に溶解した。さらに界面活性剤としてBYK306を(ビックケミー社製)5μl加え、本発明の組成物(d−5)を得た。
〔合成例13〕
例示化合物(I−d)1gをメチルイソブチルケトン20gに加え、窒素気流中で、加熱還流した。重合開始剤としてアルケマ吉冨社製ルペロックス11を20μl加え、さらに4時間加熱還流した。ついで、室温まで冷却し、液重量2.0gまで減圧濃縮し、メタノール20mlを加え、1時間攪拌した後、固形物をろ取、乾燥し、固形分0.70gを得た。固形分をGPCで分析するとMw=25.58万、Mn=3.7万であった。固形物中には未反応の例示化合物(I−d)は1質量%以下であった。固形分中には分子量300万以上の成分は実質的に含まれなかった。この組成物0.3gにプロピレングリコールメチルエーテルアセテート5mlを加えて40℃で3時間攪拌したところ、均一に溶解した。さらに界面活性剤としてBYK306を(ビックケミー社製)5μl加え、本発明の組成物(d−6)を得た。
〔合成例14〕
例示化合物(I−d)1gをプロピオン酸メチル70gに加え、窒素気流中で、加熱還流した。重合開始剤としてアルケマ吉冨社製ルペロックス11を30μl加え、さらに4時間加熱還流した。ついで、室温まで冷却し、液重量2.0gまで減圧濃縮し、メタノール20mlを加え、1時間攪拌した後、固形物をろ取、乾燥し、固形分0.50gを得た。固形分をGPCで分析するとMw8.0万、Mn=1.9万であった。固形物中には未反応の例示化合物(I−d)は2質量%であった。固形分中には分子量100万以上の成分は実質的に含まれなかった。例示化合物(I−d)に含まれるビニル基の約30モル%が残存しており、また固形分には、約15質量%のプロピオン酸メチルが結合していることが固形物のHNMR−スペクトルから定量できた。
この組成物0.3gにプロピレングリコールメチルエーテルアセテート5mlを加えて40℃で3時間攪拌したところ、均一に溶解した。さらに界面活性剤としてBYK306を(ビックケミー社製)5μl加え、本発明の組成物(d−7)を得た。
〔合成例15〕
300mlのナスフラスコにビニルトリエトキシシラン84.5gとプロピレングリコールモノメチルエーテル145.2gを入れ、0.4質量%の硝酸水溶液を21.8ml加えた。室温で5時間攪拌して比較用組成物Aを得た。
上記合成例で作製した組成物(mix-1)〜(d−2)および比較用組成物Aを0.2μm孔径のテフロン(登録商標)製フィルターでろ過後、スピンコート法で4インチシリコンウエハ上に塗布後、ホットプレート上で130℃で1分間ついで230℃で1分間、基板を乾燥し、さらに窒素雰囲気のクリーンオーブン中で400℃で30分間加熱することによって塗膜を作製した。
なお(d−2)は400℃で30分間加熱する代わりに300℃で30分間加熱した。
上記合成例で作製した組成物(d−3)〜(d−7)を0.05μm孔径のテフロン(登録商標)製フィルターでろ過後、スピンコート法で4インチシリコンウエハ上に塗布後、ホットプレート上で100℃で1分間ついで200℃で1分間、基板を乾燥し、さらに窒素雰囲気のクリーンオーブン中で400℃で40分間加熱することによって塗膜を作製した。
誘電率をフォーディメンジョンズ社製水銀プローブを用いて測定した(測定温度25℃)。屈折率はウーラム社製分光エリプソメーター(VASE)を用いて測定した。また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率を測定した。
評価結果を表1に示す。
Figure 2007284652
表1に示した結果から、本発明の組成物を用いると、低屈折率かつ低誘電率の膜を形成できることがわかる。

Claims (17)

  1. m個のRSi(O0.5)3ユニット(mは8〜16の整数を表し、Rはそれぞれ独立して非加水分解性基を表し、Rのうち、少なくとも2つはビニル基またはエチニル基を含む基である)を有し、各ユニットが、各ユニットにおける酸素原子を共有して他のユニットに連結しカゴ構造を形成している化合物(I)の重合物を含む組成物。
    ただし、組成物に含まれる固形分のうち、化合物(I)同士が反応した重合物が60質量%以上である。
  2. 組成物に含まれる固形分のGPCチャートから化合物(I)単量体を除いた部分のポリスチレン換算数平均分子量が0.3万〜30万である、請求項1に記載の組成物。
  3. 組成物に含まれる固形分のGPCチャートから化合物(I)単量体を除いた部分のポリスチレン換算重量平均分子量が0.7万〜100万である、請求項1または2に記載の組成物。
  4. m個のRSi(O0.5)3ユニット(mは8〜16の整数を表し、Rはそれぞれ独立して非加水分解性基を表し、Rのうち、少なくとも2つはビニル基またはエチニル基を含む基である)を有し、各ユニットが、各ユニットにおける酸素原子を共有して他のユニットに連結しカゴ構造を形成している化合物(I)を、30質量%以下の濃度で有機溶媒に溶解させ、重合開始剤を用いてビニル基またはエチニル基を反応させることを特徴とする化合物(I)の重合物の製造方法。
    ただし、組成物に含まれる固形分のうち、化合物(I)同士が反応した重合物が60質量%以上である。
  5. 重合開始剤を分割添加または連続添加することを特徴とする請求項4に記載の重合物の製造方法。
  6. 重合溶媒として、分子内にエステル基を有する溶媒を用いることを特徴とする請求項4または5に記載の重合物の製造方法。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載の製造方法によって合成した重合体を含む組成物。
  8. 有機溶剤を含むことを特徴とする、請求項1〜3、7のいずれかに記載の組成物。
  9. 界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項1〜3、7、8のいずれかに記載の組成物。
  10. 本発明の組成物中で、化合物(I)のビニル基またはエチニル基が平均して1〜90モル%未反応で残存していることを特徴とする請求項1〜3および7〜9のいずれかに記載の組成物。
  11. 本発明の組成物中の、化合物(I)の反応物に、重合開始剤、添加剤または重合溶媒のいずれかが0.1〜40質量%結合していることを特徴とする請求項1〜3および7〜10のいずれかに記載の組成物。
  12. 組成物に含まれる固形分のGPCテャートにおいて、分子量300万以上の成分を実質的に含まないことを特徴とする、1〜3および7〜11のいずれかに記載の組成物。
  13. 請求項1〜3および7〜12のいずれかに記載の組成物を含有する絶縁膜形成用組成物。
  14. 孔径0.005〜0.2μmのフィルターでろ過されたことを特徴とする請求項13に記載の膜形成用組成物。
  15. 請求項14に記載の絶縁膜形成用組成物を基板上に塗布した後、硬膜することを特徴とする膜製造方法。
  16. 請求項15に記載の製造方法を用いて製造された膜。
  17. 請求項16に記載の膜を含む半導体デバイス。
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