JP2008077985A - 絶縁膜形成用組成物、絶縁膜の製造方法、絶縁膜および半導体デバイス - Google Patents

絶縁膜形成用組成物、絶縁膜の製造方法、絶縁膜および半導体デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】半導体デバイスなどにおける層間絶縁膜として使用するのに適した、適当な均一な厚さを有する絶縁膜が形成可能な、しかも誘電率等の膜特性に優れる絶縁膜を形成することができる縁膜形成用組成物等を提供する。
【解決手段】ビニル基またはエチニル基を有するモノマーを重合させることによって製造され熱分解性成分を有しかつ該熱分解性成分が該モノマー以外の化合物に由来するポリマーを含む絶縁膜形成用組成物、これを用いる絶縁膜の製造方法、該組成物および該方法により形成された絶縁膜、該膜を有する半導体デバイス。
【選択図】なし

Description

本発明は、絶縁膜形成用組成物に関し、さらに詳しくは、半導体素子などにおける層間絶縁膜材料として、適当な均一な厚さを有する塗膜が形成可能な、しかも、誘電率特性などに優れた絶縁膜形成に有用な絶縁膜形成用組成物、絶縁膜の製造方法、絶縁膜、半導体デバイスに関する。
従来、半導体素子などにおける層間絶縁膜として、気相成長(CVD)法などの真空プロセスで形成されたシリカ(SiO2)膜が多用されている。そして、近年、より均一な層間絶縁膜を形成することを目的として、SOG(Spin on Glass)膜と呼ばれるテトラアルコキシランの加水分解生成物を主成分とする塗布型の絶縁膜も使用されるようになっている。また、半導体素子などの高集積化に伴い、有機SOGと呼ばれるポリオルガノシロキサンを主成分とする低誘電率の層間絶縁膜が開発されている。
しかし、無機材料の膜の中で最も低い誘電率を示すCVD−SiO2膜でも、比誘電率は約4程度である。また、低誘電率CVD膜として最近検討されているSiOF膜の比誘電率は約3.3〜3.5である。
かかる状況下、低誘電性、絶縁性、耐熱性、及び耐久性に優れた絶縁膜材料として、カゴ型構造を有する化合物及び気孔発生剤として熱分解性ポリマーを含有する低誘電率の多孔質マトリックス材料が提案されている。より具体的には、アダマンタン構造を有する化合物(例えば、特許文献1参照)などが知られている。
しかしながら、気孔発生剤として熱分解性ポリマーを用いたものでは、成膜時、若しくは熱硬化時に気孔発生剤が移動したり、凝集したりすることにより、均質な多孔質化を達成できず、誘電率のばらつきやクラックの発生などが起こり問題となっている。
特開2005−36209号公報
従って本発明は、上記問題点を解決するための縁膜形成用組成物、これを用いる絶縁膜の製造方法、該組成物および該方法により形成された絶縁膜、該膜を有する半導体デバイに関し、さらに詳しくは、半導体デバイスなどにおける層間絶縁膜として使用するのに適した、適当な均一な厚さを有する絶縁膜が形成可能な、しかも誘電率等の膜特性に優れる絶縁膜を形成することができる縁膜形成用組成物、これを用いる絶縁膜の製造方法、該組成物および該方法により形成された絶縁膜、該膜を有する半導体デバイスを提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、下記の手段より達成されることが見出された。
(1)ビニル基またはエチニル基を有するモノマーを重合させることによって製造され熱分解性成分を有しかつ該熱分解性成分が該モノマー以外の化合物に由来するポリマーを含む絶縁膜形成用組成物。
(2)前記ポリマーの熱分解性成分が該モノマーの重合時に該モノマー以外の化合物がポリマーに結合することにより形成されたものであることを特徴とする前記(1)の絶縁膜形成用組成物。
(3)ビニル基またはエチニル基を有するモノマーがカゴ構造を有することを特徴とする前記(1)または(2)の絶縁膜形成用組成物。
(4)前記ポリマーの熱分解性成分の由来となる前記化合物がモノマーと共重合性を有しないことを特徴とする前記(1)〜(3)の絶縁膜形成用組成物。
(5)前記ポリマーの熱分解性成分の由来となる前記化合物が炭素−素不飽和結合を有しないことを特徴とする前記(1)〜(4)の絶縁膜形成用組成物。
(6)前記ポリマーの熱分解性成分の由来となる前記化合物がエステル基を有することを特徴とする前記(1)〜(5)の絶縁膜形成用組成物。
(7)前記ポリマーの熱分解性成分が該ポリマーの5質量%以上である前記(1)〜(6)の絶縁膜形成用組成物。
(8)前記ポリマーの熱分解性成分の由来となる前記化合物が重合反応に用いた反応溶媒であることを特徴とする前記(1)〜(7)の絶縁膜形成用組成物。
(9)前記ポリマーの熱分解性成分の由来となる前記化合物が重合反応時に添加した連鎖移動剤であることを特徴とする前記(1)〜(7)の絶縁膜形成用組成物。
(10)前記ポリマーの熱分解性成分の由来となる前記化合物が重合反応時に添加した重合開始剤であることを特徴とする前記(1)〜(7)の絶縁膜形成用組成物。
(11)有機溶剤を含むことを特徴とする、前記(1)〜(10)の絶縁膜形成用組成物。
(12)界面活性剤を含むことを特徴とする、前記(1)〜(11)の絶縁膜形成用組成物。
(13)前記(11)または(12)の絶縁膜形成用組成物を基板上に塗布した後、硬膜と同時、または、硬膜した後に熱分解成分を熱分解させることを特徴とする絶縁膜の製造方法。
(14)前記(13)の製造方法を用いて製造された絶縁膜。
(15)前記(14)の絶縁膜を含む半導体デバイス。
本発明の縁膜形成用組成物によれば、半導体デバイスなどにおける層間絶縁膜として使用するのに適した、誘電率等の膜特性に優れた膜を形成することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の縁膜形成用組成物は、ビニル基またはエチニル基を有するモノマーを重合させることによって製造され熱分解性成分を有しかつ該熱分解性成分が該モノマー以外の化合物に由来するポリマーを含む。
本発明の縁膜形成用組成物に含まれるポリマーを製造するために用いるモノマー(以下モノマーAと記する)は、ビニル基またはエチニル基を含むが、ビニル基およびエチニル基を合計して2個以上含むことが好ましい。
モノマーAはカゴ構造を含むことが好ましいが、ここでカゴ構造とは、共有結合した原子で形成された複数の環によって容積が定まり、容積内に位置する点は環を通過せずには容積から離れることができないような構造を指す。
本発明のカゴ構造は、10〜30個の炭素原子から形成されるか、または8〜20個のRSi(O0.5)3ユニットから形成されることが好ましい。式中、Rは水素原子または置換基である。
本発明のカゴ構造が炭素原子から形成される場合、カゴ構造としてはアダマンタン、ビアダマンタン、ジアマンタン、トリアマンタン、テトラマンタン、ドデカヘドランが好ましく、より好ましくはアダマンタン、ビアダマンタン、ジアマンタンであり、低誘電率である点で特にビアダマンタン、ジアマンタンが好ましい。モノマーAとしては下記式(I)〜(VI)で表されるものが特に好ましい。
Figure 2008077985
式(I)〜(VI)中、
〜Xはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基等を表す。
〜Yはそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、またはシリル基を表す。
1、mはそれぞれ独立に1〜16の整数を表し、n1、nはそれぞれ独立に0〜15の整数を表す。
、m、m、mはそれぞれ独立に1〜15の整数を表し、n、n、n、nはそれぞれ独立に0〜14の整数を表す。
、mはそれぞれ独立に1〜20の整数を表し、n、nは0〜19の整数を表す。
モノマーAがm個のRSi(O0.5)3ユニットから形成される場合、mは8〜16の整数が好ましく、8、10、12が、より好ましい。
Rはすべて非加水分解性基であることが好ましく、Rのうち、少なくとも2つのビニル基が、Rが結合するケイ素原子に直接結合していることがさらに好ましく、化合物(I)におけるRの少なくとも半数がビニル基であることが、より好ましく、Rが全てビニル基であることが特に好ましい。
モノマーAの例としては、例えば、下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2008077985
Figure 2008077985
Figure 2008077985
Figure 2008077985
モノマーAは、市販のものを使用してもよいし、公知の方法で合成してもよい。
本発明の組成物は、複数の異なったモノマーAから形成されていても良い。その場合、複数の異なったモノマーAからなる共重合体であってもよいし、ホモポリマーの混合物であってもよい。
本発明のポリマーは、モノマーAと他のモノマーとの共重合物であってもよい。その場合に用いられる化合物としては、SiH基を複数有する化合物が好ましい。
本発明の組成物を製造するための方法としては、モノマーAを溶媒に溶解させ、重合開始剤を添加してビニル基またはエチニル基を反応させることが特に好ましい。
重合反応としてはどのような重合反応でも良いが、例えばラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、開環重合、重縮合、重付加、付加縮合、遷移金属触媒重合等が挙げられる。
ラジカル重合が最も好ましい。
モノマーAの重合反応は非金属の重合開始剤の存在下で行うことが好ましい。例えば、加熱によって炭素ラジカルや酸素ラジカル等の遊離ラジカルを発生して活性を示す重合開始剤の存在下で重合することが出来る。
重合開始剤としては有機過酸化物または有機アゾ系化合物が好ましく用いられる。
有機過酸化物としては、日本油脂株式会社より市販されているパーヘキサH等のケトンパーオキサイド類、パーヘキサTMH等のパーオキシケタール類、パーブチルH−69等のハイドロパーオキサイド類、パークミルD、パーブチルC、パーブチルD等のジアルキルパーオキサイド類、ナイパーBW等のジアシルパーオキサイド類、パーブチルZ、パーブチルL等のパーオキシエステル類、パーロイルTCP等のパーオキシジカーボネート、アルケマ吉富社より市販されているルペロックス11等が好ましく用いられる。
有機アゾ系化合物としては和光純薬工業株式会社で市販されているV−30、V−40、V−59、V−60、V−65、V−70等のアゾニトリル化合物類、VA−080、VA−085、VA−086、VF−096、VAm−110、VAm−111等のアゾアミド化合物類、VA−044、VA−061等の環状アゾアミジン化合物類、V−50、VA−057等のアゾアミジン化合物類等が好ましく用いられる。
重合開始剤としては、有機過酸化物が好ましい。
本発明の重合開始剤は1種のみ、または2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の重合開始剤の使用量はモノマー1モルに対して、好ましくは0.001〜2モル、より好ましくは0.05〜1モル、特に好ましくは0.01〜0.5モルである。
本発明における重合反応の最適な条件は、重合開始剤、モノマー、溶媒の種類、濃度等によって異なるが、好ましくは内温0℃〜200℃、より好ましくは40℃〜170℃、特に好ましくは70℃〜150℃で、好ましくは1〜50時間、より好ましくは2〜20時間、特に好ましくは3〜10時間の範囲である。
また、酸素による重合開始剤の不活性化を抑制するために不活性ガス雰囲気下(例えば窒素、アルゴン等)で反応させることが好ましい。反応時の酸素濃度は好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、特に好ましくは20ppm以下である。
ここで言う固形分とは組成分に含まれる全成分から、揮発性の成分を除いた成分である。揮発性成分の例としては、水、有機溶剤、熱分解性ポリマー等が挙げられる。
本発明の組成物は熱分解性成分(熱分解性部分または熱分解性構造)を有する。
熱分解性成分とは、150〜400℃で分解または脱離する構造を有する成分であり、例えば、エステル結合、エーテル結合、アミド結合、カルボニル結合を有する成分である。
本発明の熱分解性成分はモノマーAの重合時にモノマーA以外の化合物(以下化合物Bと記す)がポリマーに結合または取り込まれることにより形成されたものである。
化合物Bは、モノマーA(以下、化合物Aとも称する)を重合して本発明の組成物を製造する際に共存し、ポリマーと結合するまたは取り込まれる化合物である。
化合物Bは、重合反応中に分子内に活性種を生じ、次いで、化合物Aまたはその重合物の有するビニル基またはエチニル基に付加することによりポリマーと結合することが好ましい。
化合物Bとしては連鎖移動剤として働くことが知られている化合物を用いることができるが、化合物Bは化合物Aと共重合性を有しないことが好ましい。
また、化合物Bは炭素−炭素不飽和結合を有しないことが好ましい。
熱分解性の観点から、化合物Bとしてはエステル基を有する化合物が好ましい。
化合物Bは重合反応で使用する溶媒や、重合開始剤であってもよいし、重合時に添加剤として別途添加してもよい。
化合物Bが重合溶媒である場合、重合溶媒として好ましいのは、メルカプト基を有する化合物(ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等)、ハロゲン原子を有する化合物(クロロホルム、塩化ブチル、臭化デカンなど)、エステル基を有する化合物(酢酸メチル、プロピオン酸メチル、ヘキサン酸メチル、プロピレングリコールモノメチルエステルアセテート等)、ケトン基を有する化合物(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、ヒドロキシル基を有する化合物(メチルアルコール、イソプロピルアルコール等)、エーテル基を有する環状化合物(テトラヒドロフラン、ジオキサン等)等である。特に好ましいのは、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等である。
化合物Bを添加剤として用いる場合には、重合反応で使用する溶媒は、モノマーAが必要な濃度で溶解可能であればどのようなものを使用しても良い。例えば水やメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、メチルベンゾエート等のエステル系溶剤、ジブチルエーテル、アニソール、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、トルエン、キシレン、メシチレン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、ペンタメチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、1,4−ジ−t−ブチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼン、1,3,5−トリ−t−ブチルベンゼン、4−t−ブチル−オルトキシレン、1−メチルナフタレン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン等のハロゲン系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤などが利用できる。これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
この場合の化合物Bとして好ましいものも、メルカプト基を有する化合物(ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等)、ハロゲン原子を有する化合物(塩化ブチル、臭化デカンなど)、エステル基を有する化合物(酢酸メチル、プロピオン酸メチル、ヘキサン酸メチル、プロピレングリコールモノメチルエステルアセテート等)、ケトン基を有する化合物(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、ヒドロキシル基を有する化合物(メチルアルコール、イソプロピルアルコール等)、エーテル基を有する環状化合物(テトラヒドロフラン、ジオキサン等)等である。
また、前述した重合開始剤から生じた活性種が、ビニル基またはエチニル基に付加することによって、熱分解性成分を形成してもよい。
本発明の組成物に含まれるポリマーに含まれる熱分解成分はポリマーの5〜50重量%であることが好ましく、10〜40質量%であることが、より好ましい。
本発明の組成物は有機溶媒に可溶であることが好ましい。ここで、有機溶媒に可溶であるとは、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびγ−ブチロラクトンから選ばれる溶媒に、25℃で、5質量%以上溶解することと定義するが10質量%以上溶解することが好ましく、20質量%以上溶解することが、より好ましい。
本発明の組成物中の固形分のGPCポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、0.5万〜100万であることが好ましいが、2万〜80万であることがより好ましく、4万〜60万であることが、さらに好ましい。
本発明の組成物に含まれる固形分のGPCチャートからモノマーA単量体を除いた部分のMwが0.7万〜100万であることが好ましいが、2.5万〜80万が好ましく、5万〜〜60万であることがさらに好ましい。
本発明の組成物中の固形分のGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)は、0.1万〜30万であることが好ましいが、0.3万〜25万であることがより好ましく、1万〜20万であることが、さらに好ましい。
本発明の組成物に含まれる固形分のGPCチャートからモノマーA単量体を除いた部分のMnは0.3万〜30万であることが好ましいが、0.6万〜25万がより好ましく、1.2万〜20万であることがさらに好ましい。
本発明の組成物中に含まれるポリマーは分子量300万以上の成分を実質的に含まないことが好ましく、200万以上の成分を実質的に含まないことがより好ましく、100万以上の成分を含まないことが最も好ましい。
本発明の組成物に含まれる固形分中の未反応のモノマーAは、40質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが、さらに好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましく、2質量%以下であることが、最も好ましい。
本発明の組成物に含まれる固形分中では、モノマーAのビニル基またはエチニル基のうち、1〜90モル%が未反応で残存していることが好ましく、5〜80モル%が未反応で残存していることが好ましく、10〜70モル%が未反応で残存していることが最も好ましい。
本発明の組成物は、モノマーAの重合物を含む粒子状のポリマーを含んでいることが好ましい。粒子状ポリマーの粒径は1〜200nmであることが好ましく、2〜100nmであることが、より好ましく、3〜50nmあることがさらに好ましく、3〜10nmであることが最も好ましい。
粒径については光散乱測定法等によって測定できる。
本発明の組成物を製造する際には、モノマーAの重合反応を行った反応液をそのまま本発明の組成物として用いても良いし、反応溶媒を留去し、濃縮して用いることが好ましい。また、再沈殿処理を行った後に用いることが好ましい。
濃縮する方法としては、ロータリーエバポレーター、蒸留装置または重合反応を行った反応装置などを用いて、反応液を加熱および/または減圧することによって行うことが好ましい。濃縮時の反応液の温度は、一般的には0℃〜180℃であり、10℃〜140℃が好ましく、20℃〜100℃が、より好ましく、30℃〜60℃が最も好ましい。濃縮時の圧力は、一般的に0.001トール〜760トールであり、好ましくは0.01トール〜100トールであり、より好ましくは、0.01トール〜10トールである。
反応液を濃縮する際は、反応液中の固形分含量が10質量%以上になるようになるまで濃縮することが好ましく、30%量以上になるまで濃縮することがより好ましく、50%量以上になるまで濃縮することが最も好ましい。
本発明において、モノマーAの重合体は、適当な溶剤に溶解させて、支持体上に塗布して使用することが好ましい。使用できる溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ジメチルイミダゾリジノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、イソプロパノール、エチレンカーボネート、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が好ましく、これらの溶剤を単独あるいは混合して使用する。
上記の中でも、好ましい溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレンカーボネート、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、キシレン、メシチレン、ジイソプロピルベンゼンを挙げることができる。
本発明の組成物には、重合開始剤が含まれていてもよいが、重合開始剤が含まれていないほうが組成物の保存安定性が良いので好ましい。
ただし、本発明の組成物を低温で硬膜する必要がある場合は、重合開始剤を含んでいることが好ましい。その場合の重合開始剤の例としては前述したものと同じものが挙げられる。また、この目的で、放射線により重合を引きおこす開始剤を使用することもができる。
本発明の組成物には不純物としての金属含量が充分に少ないことが好ましい。組成物の金属濃度はICP−MS法にて高感度に測定可能であり、その場合の遷移金属以外の金属含有量は好ましくは30ppm以下、より好ましくは3ppm以下、特に好ましくは300ppb以下である。また、遷移金属に関しては酸化を促進する触媒能が高く、プリベーク、熱硬化プロセスにおいて酸化反応によって本発明で得られた膜の誘電率を上げてしまうという観点から、含有量がより少ないほうがよく、好ましくは10ppm以下、より好ましくは1ppm以下、特に好ましくは100ppb以下である。
組成物の金属濃度は本発明の組成物を用いて得た膜に対して全反射蛍光X線測定を行うことによっても評価できる。X線源としてW線を用いた場合、金属元素としてK、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Pdが観測可能であり、それぞれ100×1010cm−2以下が好ましく、より好ましくは50×1010cm−2以下、特に好ましくは10×1010cm−2以下である。また、ハロゲンであるBrも観測可能であり、残存量は10000×1010cm−2以下が好ましく、より好ましくは1000×1010cm−2以下、特に好ましくは400×1010cm−2以下である。また、ハロゲンとしてClも観測可能であるが、CVD装置、エッチング装置等へダメージを与えるという観点から残存量は100×1010cm−2以下が好ましく、より好ましくは50×1010cm−2以下、特に好ましくは10×1010cm−2以下である。
更に、本発明の組成物には、得られる絶縁膜の特性(耐熱性、誘電率、機械強度、塗布性、密着性等)を損なわない範囲で、ラジカル発生剤、コロイド状シリカ、界面活性剤、シランカップリング剤、密着剤などの添加剤を添加してもよい。
本発明にいかなるコロイド状シリカを使用してもよい。例えば、高純度の無水ケイ酸を親水性有機溶媒もしくは水に分散した分散液であり、通常、平均粒径5〜30nm、好ましくは10〜20nm、固形分濃度が5〜40質量%程度のものである。
本発明にいかなる界面活性剤を使用してもよいが、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤などが挙げられ、さらにシリコーン系界面活性剤、含フッ素系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、アクリル系界面活性剤が挙げられる。本発明で使用する界面活性剤は、一種類でも良いし、二種類以上でも良い。界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、含フッ素系界面活性剤、アクリル系界面活性剤が好ましく、特にシリコーン系界面活性剤が好ましい。
本発明で使用する界面活性剤の添加量は、膜形成塗布液の全量に対して0.01質量%以上1質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上0.5質量%以下であることが更に好ましい。
本発明において、シリコン系界面活性剤とは、少なくとも1原子のSi原子を含む界面活性剤である。本発明に使用するシリコン系界面活性剤としては、いかなるシリコン系界面活性剤でもよく、アルキレンオキシド及びジメチルシロキサンを含む構造であることが好ましい。下記化学式を含む構造であることが更に好ましい。
Figure 2008077985
式中R1は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基であり、xは1〜20の整数であり、m、nはそれぞれ独立に2〜100の整数である。複数のR1は同じでも異なっていてもよい。
本発明に使用するシリコーン系界面活性剤としては、例えばBYK306、BYK307(ビックケミー社製)、SH7PA、SH21PA、SH28PA、SH30PA(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、TroysolS366(トロイケミカル社製)等を挙げることができる。
本発明に使用するノニオン系界面活性剤としては、いかなるノニオン系界面活性剤でもよい。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアリールエーテル類、ポリオキシエチレンジアルキルエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリオキシエチレン類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体等を挙げることができる。
本発明に使用する含フッ素系界面活性剤としては、いかなる含フッ素系界面活性剤でもよい。例えば、パーフルオルオクチルポリエチレンオキシド、パーフルオルデシルポリエチレンオキシド、パーフルオルドデシルポリエチレンオキシド等が挙げられる。
本発明に使用するアクリル系界面活性剤としては、いかなるアクリル系界面活性剤でもよい。例えば、(メタ)アクリル酸系共重合体等が挙げられる。
本発明にいかなるシランカップリング剤を使用してもよいが、例えば、3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノグリシジロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。本発明で使用するシランカップリング剤は、一種類でも良いし、二種類以上でも良い。
本発明にはいかなる密着促進剤を使用してもよいが、例えば、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、アルミニウムモノエチルアセトアセテートジイソプロピレート、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルジフエニルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、ジフエニルジメトキシシラン、フエニルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,N’−ビス(トリメチルシリル)ウレア、ジメチルトリメチルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾール、ビニルトリクロロシラン、ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、インダゾール、イミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、ウラゾール、チオウラシル、メルカプトイミダゾール、メルカプトピリミジン、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、チオ尿素化合物等を挙げることができる。官能性シランカップリング剤が密着促進剤として好ましい。密着促進剤の好ましい使用量は、全固形分100量部に対して10重量部以下、特に0.05〜5量部であることが好ましい。
本発明の膜形成用組成物はフィルターろ過により、不溶物、ゲル状成分等を除いてから膜形成に用いることが好ましい。その際に用いるフィルターの孔径は0.001〜0.2μmが好ましく、孔径0.005〜0.05μmがより好ましく、孔径0.005〜0.03μmが最も好ましい。フィルターの材質はPTFE、ポリエチレン、ナイロンが好ましく、ポリエチレンおよびナイロンが、より好ましい。
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、膜形成用組成物をスピンコーティング法、ローラーコーティング法、ディップコーティング法、スキャン法、スプレー法、バー塗布法等の任意の方法により、シリコンウエハ、SiO2ウエハ、SiNウエハ、ガラス、プラスチックフィルムなどの基板に塗布した後、溶剤を必要に応じて加熱処理で除去することにより形成することができる。基板に塗布する方法としては、スピンコーティング法,スキャン法によるものが好ましい。特に好ましくは,スピンコーティング法によるものである。スピンコーティングについては、市販の装置を使用できる。例えば、クリーントラックシリーズ(東京エレクトロン製)、D-スピンシリーズ(大日本スクリーン製)、SSシリーズあるいはCSシリーズ(東京応化工業製)等が好ましく使用できる。スピンコート条件としては、いずれの回転速度でもよいが、膜の面内均一性の観点より、300mmシリコン基板においては1300rpm程度の回転速度が好ましい。また組成物溶液の吐出方法においては、回転する基板上に組成物溶液を吐出する動的吐出、静止した基板上へ組成物溶液を吐出する静的吐出のいずれでもよいが、膜の面内均一性の観点より、動的吐出が好ましい。また、組成物の消費量を抑制する観点より、予備的に組成物の主溶剤のみを基板上に吐出して液膜を形成した後、その上から組成物を吐出するという方法を用いることもできる。スピンコート時間については特に制限はないが、スループットの観点から180秒以内が好ましい。また、基板の搬送の観点より、基板エッジ部の膜を残存させないための処理(エッジリンス、バックリンス)をすることも好ましい。熱処理の方法は、特に限定されないが、一般的に使用されているホットプレート加熱、ファーネス炉を使用した加熱方法、RTP(Rapid Thermal Processor)等によるキセノンランプを使用した光照射加熱等を適用することができる。好ましくは、ホットプレート加熱、ファーネスを使用した加熱方法である。ホットプレートとしては市販の装置を好ましく使用でき、クリーントラックシリーズ(東京エレクトロン製)、D-スピンシリーズ(大日本スクリーン製)、SSシリーズあるいはCSシリーズ(東京応化工業製)等が好ましく使用できる。ファーネスとしては、αシリーズ(東京エレクトロン製)等が好ましく使用できる。
本発明の重合体は基板上に塗布した後に硬膜次いで熱分解成分除去を行うことが好ましい。硬膜とは、基板上の組成物を硬化し、膜に溶剤耐性を与えることを意味する。硬膜および/または熱分解成分の除去方法としては、加熱処理することが特に好ましい。硬膜には、例えば重合体中に残存するビニル基の後加熱時の重合反応が利用できる。この後加熱処理の条件は、好ましくは100〜450℃、より好ましくは200〜420℃、特に好ましくは350℃〜400℃で、好ましくは1分〜2時間、より好ましくは10分〜1.5時間、特に好ましくは30分〜1時間の範囲である。後加熱処理は数回に分けて行っても良い。また、この後加熱は酸素による熱酸化を防ぐために窒素雰囲気下で行うことが特に好ましい。
また、本発明では加熱処理ではなく高エネルギー線を照射することで硬膜および/または熱分解成分の除去を行っても良い。高エネルギー線とは、電子線、紫外線、X線などが挙げられるが、特にこれらの方法に限定されるものではない。
高エネルギー線として、電子線を使用した場合のエネルギーは0〜50keVが好ましく、より好ましくは0〜30keV、特に好ましくは0〜20keVである。電子線の総ドーズ量は好ましくは0〜5μC/cm 2 、より好ましくは0〜2μC/cm 2 、特に好ましくは0〜1μC/cm 2である。電子線を照射する際の基板温度は0〜450℃が好ましく、より好ましくは0〜400℃、特に好ましくは0〜350℃である。圧力は好ましくは0〜133kPa、より好ましくは0〜60kPa、特に好ましくは0〜20kPaである。本発明の重合物の酸化を防止するという観点から、基板周囲の雰囲気はAr、He、窒素などの不活性雰囲気を用いることが好ましい。また、電子線との相互作用で発生するプラズマ、電磁波、化学種との反応を目的に酸素、炭化水素、アンモニアなどのガスを添加してもよい。本発明における電子線照射は複数回行ってもよく、この場合は電子線照射条件を毎回同じにする必要はなく、毎回異なる条件で行ってもよい。
高エネルギー線として紫外線を用いてもよい。紫外線を用いる際の照射波長領域は190〜400nmが好ましく、その出力は基板直上において0.1〜2000mWcm−2が好ましい。紫外線照射時の基板温度は250〜450℃が好ましく、より好ましくは250〜400℃、特に好ましくは250〜350℃である。本発明の重合物の酸化を防止するという観点から、基板周囲の雰囲気はAr、He、窒素などの不活性雰囲気を用いることが好ましい。また、その際の圧力は0〜133kPaが好ましい。
加熱処理と高エネルギー線処理照射を、同時に。または順次行うことにより硬膜してもよい。
絶縁膜を形成する際の膜厚は、乾燥膜厚として、1回塗りで厚さ0.05〜1.5μm程度、2回塗りでは厚さ0.1〜3μm程度の塗膜を形成することができる。
カゴ構造が焼成時に分解しないために、組成物及び絶縁膜の製造中にSi原子に求核攻撃する基(ヒドロキシル基、シラノール基など)が実質的に存在しないことが好ましい。
より具体的には、本発明の組成物を、例えばスピンコート法により、基板(通常は金属配線を有する基板)上に塗布し、予備熱処理を行うことにより溶媒を乾燥させ、次いで300℃以上430℃以下の温度で最終熱処理(アニール)を行うことにより低誘電率の絶縁膜を形成できる。
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、半導体用層間絶縁膜として使用する際、その配線構造において、配線側面にはメタルマイグレーションを防ぐためのバリア層があっても良く、また、配線や層間絶縁膜の上面底面にはCMPでの剥離を防ぐキャップ層、層間密着層の他、エッチングストッパー層等があってもよく、更には層間絶縁膜の層を必要に応じて他種材料で複数層に分けても良い。
本発明の絶縁膜は、他の含Si絶縁膜または有機膜と積層構造を形成させて用いてもよい。炭化水素系の膜と積層して用いることが好ましい。
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、銅配線あるいはその他の目的でエッチング加工をすることができる。エッチングとしてはウエットエッチング、ドライエッチングのいずれでもよいが、ドライエッチングが好ましい。ドライエッチングは、アンモニア系プラズマ、フルオロカーボン系プラズマのいずれもが適宜使用できる。これらプラズマにはArだけでなく、酸素、あるいは窒素、水素、ヘリウム等のガスを用いることができる。また、エッチング加工後に、加工に使用したフォトレジスト等を除く目的でアッシングすることもでき、さらにはアッシング時の残渣を除くため、洗浄することもできる。
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、銅配線加工後に、銅めっき部を平坦化するためCMP(化学的機械的研磨)をすることができる。CMPスラリー(薬液)としては、市販のスラリー(例えば、フジミ製、ロデールニッタ製、JSR製、日立化成製等)を適宜使用できる。また、CMP装置としては市販の装置(アプライドマテリアル社製、荏原製作所製等)を適宜使用することができる。さらにCMP後のスラリー残渣除去のため、洗浄することができる。
本発明の膜形成用組成物を使用して得られる膜は、多様の目的に使用することが出来る。例えばLSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAM等の半導体装置、マルチチップモジュール多層配線板等の電子部品における絶縁皮膜として好適であり、半導体用層間絶縁膜、エッチングストッパー膜、表面保護膜、バッファーコート膜の他、LSIにおけるパッシベーション膜、α線遮断膜、フレキソ印刷版のカバーレイフィルム、オーバーコート膜、フレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等として使用することが出来る。また、光学装置用の表面保護膜、反射防止膜、位相差膜としても用いることができる。
この方法により、誘電率の低い絶縁膜、すなわち、比誘電率が2.7以下、好ましくは2.5以下の絶縁膜を得ることができる。
以下に本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、勿論本発明の範囲は、これらによって限定されるものではない。
〔合成例1〕
例示化合物(I−c)1g、ジクミルパーオキシド(パークミルD、日本油脂製)0.01g、t-ブチルベンゼン8mlおよびドデシルメルカプタン0.2gを窒素気流下140℃で30分間攪拌した。反応液を室温にした後、攪拌したメタノール100mlに滴下し、さらに1時間攪拌した後、固形物をろ取、乾燥し、固形分0.42gを得た。固形分をGPCで分析するとMw=6.0万、Mn=1.0万であった。固形分のNMRスペクトルよりおよび元素分析から、固形分重量の12質量%のドデシルメルカプタンが結合していることがわかった。
この組成物0.3gにシクロヘキサノン5mlを加えて40℃で3時間攪拌し、本発明の組成物(c−1)を得た。
〔合成例2〕
例示化合物(I−e)(アルドリッチ社製)1gをヘキサン酸メチル75mlに加えた。窒素気流中で、加熱還流しながら、アルケマ吉富社製ルパゾール11を1時間ごとに10μlづつ計3回加え、さらに2時間加熱還流した。室温まで冷却し、減圧濃縮したところ1.18gの濃縮物が得られた。
これにメタノール30mlを加え、1時間攪拌した後、固形物をろ取、乾燥し、固形分0.75gを得た。固形分をGPCで分析するとMw=7.98万、Mn=1.87万であった。固形分のNMRスペクトルおよび元素分析より、固形分重量の15質量%のヘキサン酸メチルが結合していることがわかった。
この組成物0.3gにプロピレングリコールメチルエーテルアセテート5mlを加えて40℃で3時間攪拌したところ、均一に溶解した。さらに界面活性剤としてBYK306を(ビックケミー社製)5μl加え、本発明の組成物(e−1)を得た。
〔合成例3〕
Macromolecules.,5266(1991)に記載の合成法に従って、例示化合物(I−j)を合成した。次に、4,9−ジエチニルジアマンタン2gとジクミルパーオキサイド(パークミルD、日本油脂製)0.5g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)8mlを窒素気流下で内温145℃で2時間攪拌、重合した。反応後、反応液を室温にした後、メタノール100mlに添加、析出した固体を濾過して、メタノールで洗浄した。得られた重合体をTHFに溶解して、2−プロパノールを加え再沈精製した。質量平均分子量約1.2万の固形分1g得た。固形分の1H-NMRの測定によりPGMEAが固形分重量の約15質量%反応していることが確認された。固形分のシクロヘキサノンへの溶解度は25℃で20質量%以上であった。
この組成物0.3gにシクロヘキサノン5mlを加えて40℃で3時間攪拌し、本発明の組成物(j−1)を得た。
〔合成例4〕
例示化合物(I−c)1g、ジクミルパーオキシド(パークミルD、日本油脂製)0.01g、t−ブチルベンゼン8mlを窒素気流下140℃で30分間攪拌した。反応液を室温にした後、攪拌したメタノール100mlに滴下し、さらに1時間攪拌した後、固形物をろ取、乾燥し、固形分0.45gを得た。固形分をGPCで分析するとMw=7.3万、Mn=1.2万であった。固形分のNMRスペクトルよりおよび元素分析からは、固形分に結合している例示化合物(I−c)以外の成分は1重量%以下であった。
この組成物0.3gにシクロヘキサノン5mlを加えて40℃で3時間攪拌し、比較用組成物(c−2)を得た。
上記合成例で作製した組成物を0.2μm孔径のテフロン(登録商標)製フィルターでろ過後、スピンコート法で4インチシリコンウエハ上に塗布後、ホットプレート上で130℃で1分間ついで230℃で1分間、基板を乾燥し、さらに窒素雰囲気のクリーンオーブン中で400℃で30分間加熱することによって塗膜を作製した。
塗膜のIRスペクトル、NMRスペクトルおよび元素分析から、塗膜中には熱分解成分は実質的に残存していないことが確認できた。
誘電率をフォーディメンジョンズ社製水銀プローブを用いて測定した(測定温度25℃)。
評価結果を表1に示す。
Figure 2008077985
表1に示した結果から、本発明の組成物を用いると、誘電率のばらつきやクラック発生の原因となる熱分解性ポリマーを添加せずに低誘電率の膜を形成できることがわかる。

Claims (15)

  1. ビニル基またはエチニル基を有するモノマーを重合させることによって製造され熱分解性成分を有しかつ該熱分解性成分が該モノマー以外の化合物に由来するポリマーを含む絶縁膜形成用組成物。
  2. 前記ポリマーの熱分解性成分が該モノマーの重合時に該モノマー以外の化合物がポリマーに結合することにより形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の絶縁膜形成用組成物。
  3. ビニル基またはエチニル基を有するモノマーがカゴ構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載の絶縁膜形成用組成物。
  4. 前記ポリマーの熱分解性成分の由来となる前記化合物がモノマーと共重合性を有しないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の絶縁膜形成用組成物。
  5. 前記ポリマーの熱分解性成分の由来となる前記化合物が炭素−素不飽和結合を有しないことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の絶縁膜形成用組成物。
  6. 前記ポリマーの熱分解性成分の由来となる前記化合物がエステル基を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の絶縁膜形成用組成物。
  7. 前記ポリマーの熱分解性成分が該ポリマーの5質量%以上である請求項1〜6のいずれかに記載の絶縁膜形成用組成物。
  8. 前記ポリマーの熱分解性成分の由来となる前記化合物が重合反応に用いた反応溶媒であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の絶縁膜形成用組成物。
  9. 前記ポリマーの熱分解性成分の由来となる前記化合物が重合反応時に添加した連鎖移動剤であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の絶縁膜形成用組成物。
  10. 前記ポリマーの熱分解性成分の由来となる前記化合物が重合反応時に添加した重合開始剤であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の絶縁膜形成用組成物。
  11. 有機溶剤を含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の絶縁膜形成用組成物。
  12. 界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の絶縁膜形成用組成物。
  13. 請求項11または12に記載の絶縁膜形成用組成物を基板上に塗布した後、硬膜と同時、または、硬膜した後に熱分解成分を熱分解させることを特徴とする絶縁膜の製造方法。
  14. 請求項13に記載の製造方法を用いて製造された絶縁膜。
  15. 請求項14に記載の絶縁膜を含む半導体デバイス。
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