JP2008192879A - 半導体集積回路の絶縁膜 - Google Patents

半導体集積回路の絶縁膜 Download PDF

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Abstract

【課題】電子デバイスなどの層間絶縁膜に用いられる低い誘電率と優れた機械強度を有し、更には膜の経時安定性の良好な層間絶縁膜を提供すること。更に該塗布液を用いて得られる電子デバイスの層間絶縁膜および該絶縁膜を層構成層として有する電子デバイスを提供する。
【解決手段】式(1)で表される基を構成単位として有する高分子化合物を含有する半導体集積回路の絶縁膜により解決される。
−R1−C≡C−C≡C− 式(1)
1はカゴ型構造基を表す。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体集積回路の絶縁膜およびそれに好適な高分子化合物に関する。
近年、電子材料分野においては、高集積化、多機能化、高性能化の進行に伴い、回路抵抗や配線間のコンデンサー容量が増大し、消費電力や遅延時間の増大を招いている。中でも、遅延時間の増大は、デバイスの信号スピードの低下やクロストークの発生の大きな要因となるため、この遅延時間を減少させてデバイスの高速化を図るべく、寄生抵抗や寄生容量の低減が求められている。この寄生容量を低減するための具体策の一つとして、配線の周辺を低誘電性の層間絶縁膜で被覆することが試みられている。
また、層間絶縁膜には、実装基板製造時の薄膜形成工程やチップ接続、ピン付け等の後工程に耐え得るような優れた耐熱性やウェットプロセスに耐え得るような耐薬品性が求められている。更に、近年は、Al配線から低抵抗のCu配線が導入されつつあり、これに伴い、CMP(ケミカルメカニカルポリッシング)による平坦化が一般的となっており、このプロセスに耐え得る高い機械的強度が求められている。
有機ポリマー系の層間絶縁膜としては古くからポリベンゾオキサゾール、ポリイミド、ポリアリーレン(エーテル)等が開示されているが、高速デバイスを実現するためには更に誘電率の低い材料が要望されている。該材料のようにポリマー分子内に酸素、窒素、硫黄等のヘテロ原子や芳香族炭化水素ユニットを導入すると、高モル分極に起因して誘電率が高くなったり、吸湿に起因して経時で誘電率が上昇したり、更には電子デバイスの信頼性を損なう問題が生じるため改良が必要であった。
一方、飽和炭化水素で構成されるポリマーは含ヘテロ原子ユニットや芳香族炭化水素ユニットで構成されるポリマーと比べてモル分極が小さくなるため、より低い誘電率を示すという利点がある。しかし例えばポリエチレン等のフレキシビリティーの高い炭化水素は耐熱性が不十分であり、電子デバイス用途に利用することはできない。
リジッドなカゴ構造の飽和炭化水素であるアダマンタンやジアマンタンを分子内に導入したポリマーが開示されており、該絶縁膜は高い耐熱性と低い誘電率を有することが開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、これらの膜は保存経時での安定性に問題があるものが知られており、例えば誘電率の経時上昇等の問題が解決すべき課題となっていた。
一方、ジイン構造を有する低誘電率材料が開示されている(特許文献2参照)。該材料は機械強度、耐熱性、及び耐久性に優れた絶縁膜材料であるが、誘電率の初期値が2.7−2.9と高く、さらなる低誘電率化が望まれる。更に、この材料から形成される膜は誘電率が経時で上昇する問題があり改良が望まれている。
特開2004−504455号 特開2002−155233号
本発明は上記問題点を解決するための組成物を提供することにあり、具体的には電子デバイスなどの層間絶縁膜に用いられる低い誘電率と優れた機械強度を有し、更には膜の経時安定性の良好な層間絶縁膜を提供することである。更には該塗布液を用いて得られる電子デバイスの層間絶縁膜および該絶縁膜を層構成層として有する電子デバイスを提供することである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、上記課題が下記の<1>〜<6>の構成により解決されることを見出した。
<1>式(1)で表される基を構成単位として有する高分子化合物を含有する半導体集積回路の絶縁膜。
−R1−C≡C−C≡C− 式(1)
1はカゴ型構造基を表す。
<2>カゴ型構造がアダマンタン、ビアダマンタン、ジアマンタン、トリアマンタンおよびテトラマンタンから選択されることを特徴とする上記<1>に記載の絶縁膜。
<3>
上記高分子化合物が下式(2)で表される化合物をパラジウムあるいは銅の存在下で酸化重合することにより得られる高分子化合物であることを特徴とする上記<1>に記載の絶縁膜。
2−(C≡CH)m 式(2)
2はm価のカゴ型構造基を表す。mは2〜19の整数を示す。
<4>式(2)で表される化合物が、下記式(3)、(4)もしくは(5)で示される化合物であることを特徴とする上記<3>に記載の絶縁膜。
Figure 2008192879
(式(3)〜(5)中、Y1〜Y4はハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数0〜20のシリル基を表す。m1は2〜16の整数を表し、n1は0〜15の整数を表す。m2、m3はそれぞれ独立に1〜15の整数を表し、n2、n3は0〜14の整数を表す。m4は2〜20の整数を表し、n4は0〜19の整数を表す。)
<5>式(1)で表される基を構成単位として有する高分子化合物。
−R1−C≡C−C≡C− 式(1)
1はカゴ型構造基を表す。
<6>シクロヘキサノンまたはアニソールに25℃で1質量%以上溶解することを特徴とする上記<5>に記載の高分子化合物。
本発明により高耐熱性、高機械強度及び低誘電率を有する絶縁膜を形成することができる。また、驚くべきことに低誘電率に関して経時安定性である絶縁膜を形成することができる。更には、高耐熱性、高機械強度及び低誘電率を有し、かつ低誘電率に関して経時安定性である電子デバイスの層間絶縁膜および該絶縁膜を層構成層として有する電子デバイスを提供することができる。
本発明の絶縁膜は、式(1)で表される構成単位を有する高分子化合物を含有する。
−R1−C≡C−C≡C− 式(1)
1はカゴ型構造基を表す。
前記カゴ型構造基における「カゴ型構造」とは、「カゴ型多環炭素環構造」を指しており、共有結合した原子で形成された複数の環によって容積が定まり、容積内に位置する点は環を通過せずには容積から離れることができないような分子構造を指す。例えば、アダマンタン構造はカゴ型構造と考えられる。一方、ノルボルナン(ビシクロ[2,2,1]ヘプタン)などの単結合架橋を有する環状構造は、単結合架橋した環状化合物の環が容積を定めないことから、多環炭素環構造ではあってもカゴ型構造とは考えられない。
本発明におけるカゴ型構造は飽和、不飽和結合のいずれを含んでいても良く、酸素、窒素、硫黄等のヘテロ原子を含んでも良いが、低誘電率の見地から飽和炭化水素が好ましい。
本発明におけるカゴ型構造は、好ましくはアダマンタン、ビアダマンタン、ジアマンタン、トリアマンタン、テトラマンタン、およびドデカヘドランであり、より好ましくはアダマンタン、ビアダマンタン、およびジアマンタンであり、低誘電率である点で特にビアダマンタンおよびジアマンタンが好ましい。
本発明におけるカゴ型構造基は1つ以上の置換基を有していても良く、置換基の例としては、ハロゲン原子(フッ素原子、クロル原子、臭素原子、または沃素原子)、炭素数1〜10の直鎖、分岐、環状のアルキル基(メチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等)、炭素数2〜10のアルケニル基(ビニル、プロペニル等)、炭素数2〜10のアルキニル基(エチニル、フェニルエチニル等)、炭素数6〜20のアリール基(フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等)、炭素数2〜10のアシル基(ベンゾイル等)、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル等)、炭素数1〜10のカルバモイル基(N,N−ジエチルカルバモイル等)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(フェノキシ等)、炭素数6〜20のアリールスルホニル基(フェニルスルホニル等)、ニトロ基、シアノ基、シリル基(トリエトキシシリル、メチルジエトキシシリル、トリビニルシリル等)等から選ばれる原子または基を表す。
本発明におけるカゴ型構造基は2〜19価であることが好ましく、2〜4価であることが更に好ましい。このとき、カゴ型構造に結合する基は1価以上の置換基でも2価以上の連結基でも良い。カゴ型構造は、架橋密度向上の観点から、好ましくは3価または4価である。
本発明に用いられる一般式(1)で表される高分子化合物は、通常、下記式(2)で示される化合物から合成される。
2(C≡C−C≡CH)m 式(2)
2はm価のカゴ型構造基を表す。mは2〜19の整数を示す
更に上記高分子化合物は下記一般式(3)〜(5)のいずれかで表される化合物から合成されることがより好ましい。
Figure 2008192879
一般式(3)〜(5)中、Y1〜Y4はそれぞれ独立にハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20)またはシリル基(好ましくは炭素数0〜20)から選ばれる原子または基を表し、より好ましくは置換基を有していても良い炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基であり、特に好ましくはアルキル基(メチル基等)である。
1〜Y4は更に置換されていてもよく、その場合の置換基は、Y1〜Y4として上記した置換基が好ましい。
1は2〜16の整数を表し、n1は0〜15の整数を表す。m1は好ましくは2〜4の整数を表し、更に好ましくは3または4をあらわす。n1は好ましくは0〜4の整数を表し、より好ましくは0または1を表し、特に好ましくは0を表す。
2、m3はそれぞれ独立に1〜15の整数を表し、n2、n3は0〜14の整数を表す。m2、m3は好ましくは2〜4の整数を表し、更に好ましくは3または4をあらわす。n2、n3は好ましくは0〜4の整数を表し、より好ましくは0または1を表し、特に好ましくは0を表す。
4は2〜20の整数を表し、n4は0〜19の整数を表す。m4は好ましくは2〜4の整数を表し、更に好ましくは3または4をあらわす。n4は好ましくは0〜4の整数を表し、より好ましくは0または1を表し、特に好ましくは0を表す。
以下に本発明で一般式(1)で表される高分子化合物を合成するために使用できるモノマーの具体例を記載するが、本発明はこれらに限定はされない。
Figure 2008192879
















Figure 2008192879
これらカゴ型構造を含む化合物は、ヘテロ原子、および芳香族環を含んでいてもよいが、低誘電率化を指向する観点からは、ヘテロ原子、および芳香族環をむしろ含まないことが好ましい。すなわち、炭素原子、水素原子のみから構成され、かつ芳香族環を含まない化合物が特に好ましい。
本発明におけるカゴ型構造を有する化合物は、例えば市販のジアマンタンを原料として、臭化アルミニウム触媒存在下または非存在下で臭素と反応させて臭素原子を所望の位置に導入、続けて臭化アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化鉄等のルイス酸の存在下で臭化ビニルとフリーデルクラフツ反応させて2,2−ジブロモエチル基を導入、続けて強塩基で脱HBr化してエチニル基に変換することで合成することができる。具体的にはMacromolecules.,1991年24巻5266〜5268頁、同1995年28巻5554〜5560頁、Journal of Organic Chemistry.,39巻,2995−3003頁(1974)等に記載された方法に準じて合成することができる。
また、末端アセチレン基の水素原子をブチルリチウム等でアニオン化して、これにハロゲン化アルキルやハロゲン化シリルを反応させることによって、アルキル基やシリル基を導入することができる。
本発明に用いるカゴ型構造を有する化合物は単独で使用しても2つ以上を併用しても良い。
式(1)で表される構造を有する重合体は末端エチニル基を2個以上有する化合物を酸化重合することによって得られる。
酸化重合する際の触媒としては、パラジウム触媒あるいは銅触媒(パラジウムあるいは銅が含有されている触媒)が好ましい。この触媒としては、例えば、金属銅、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅、ヨウ化第一銅、ヨウ化第二銅、硫酸第一銅、硫酸第二銅、酢酸第一銅、酢酸第二銅、ギ酸第一銅、ギ酸第二銅、酸化第一銅、酸化第二銅、銅(I)トリフレート、銅(I)メトキシド、銅(II)トリフレート、銅(II)メトキシド、銅(II)アセチルアセトナート、銅(II)ジピバロイルメタン、ジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、ジクロロビストリフェニルシアノパラジウム(II)などを挙げることができる。これらの中で、塩化第二銅、ヨウ化第一銅、酢酸第二銅が好ましく、更に好ましくは酢酸第二銅である。上記の銅化合物は、シリカまたはアルミナに担持させたものも触媒として使用可能とすることができる。
酸化重合する際、重合体の分子量を上昇させるため、助触媒を使用することが好ましい。この助触媒としては、例えば、ピリジン、キノリン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ビピリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、ジエチルアミン、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、イミダゾールなどを挙げることができ、ピリジン、ビピリジン、キノリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンが特に好ましい。
反応時の各成分の使用割合は、モノマーの総量1モルに対し、触媒量0.0001〜10モル、好ましくは、0.005〜8モルであり、より好ましくは0.05〜5モルであり、特に好ましくは0.5〜3モルである。0.0001モル以上であると重合が十分に進行し、一方、10モルを以下であると精製も容易である。
また、助触媒の使用量は、モノマーの総量1モルに対し、0.001〜300モル、好ましくは0.01〜250モル、より好ましくは0.1〜230モル、特に好ましくは1〜200モルである。
本発明に用いられるカゴ型構造を有する化合物の重合は溶液重合法、沈殿重合法、乳化重合法あるいは懸濁重合法のように溶媒を用いる方法により行うことが好ましい。特に好ましくは、溶液重合法である。
酸化重合する際に使用することのできる重合溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ジエチルベンゼン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム、アニソール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、シクロペンタン、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルイミダゾリジノン、ピリジン、ニトロベンゼン、二硫化炭素、ニトロメタン、ジメチルスルホキシドなどの溶剤を挙げることができる。好ましくはポリマーの溶解性が優れているテトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン、ピリジンであり、より好ましくはテトラヒドロフラン、トルエン、ピリジンであり、特に好ましくはピリジンである。
重合溶媒中におけるモノマーの濃度は、好ましくは、1〜70質量%、より好ましくは2〜40質量%、更に好ましくは3〜20質量%である。モノマーの濃度が1質量%以上であれば重合体の分子量が上昇し易い。
重合温度は、通常、0〜150℃、好ましくは3〜130℃、より好ましくは5〜120℃、更に好ましくは10〜100℃である。また、重合時間は、通常、0.05〜48時間、好ましくは0.1〜36時間、より好ましくは0.15〜30時間、更に好ましくは0.2〜24時間である。
本発明において、一般式(1)で表される化合物を酸化重合によって得るためには、溶液中に酸素を存在させる必要がある。酸素存在下で行う方法としては、溶液を空気中で攪拌することにより空気中の酸素を反応液中に取り込む方法や、反応液中に空気および酸素もしくはいずれか一方を吹き込む方法がある。
一般式(1)を含む重合体の(ポリスチレン換算の)重量平均分子量としては、膜形成能、溶剤溶解性、塗布液の濾過性の観点から、Mw300以上200000以下が好ましく、Mw700以上50000以下がより好ましく、Mw1000以上20000以下が更に好ましく、Mw1500以上15000以下が特に好ましい。
本発明における絶縁膜を形成するための組成物は有機溶媒を含んでいてもよい。有機溶媒としては特に限定はされないが、例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−エトキシメタノール、3−メトキシプロパノール,1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール系溶媒、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶媒、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、アニソール、フェネトール、ベラトロール等のエーテル系溶媒、トルエン、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、イミダゾール等の複素環系溶媒、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒などが挙げられ、これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
好ましい有機溶媒は、メタノール、2−プロパノール、2−エトキシメタノール、3−メトキシプロパノール,1−メトキシ−2−プロパノール、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、アニソール、フェネトール、ベラトロール、トルエン、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、ピリジン、イミダゾール、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミドであり、より好ましい有機溶媒は、1−メトキシ−2−プロパノール、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、ジフェニルエーテル、アニソール、トルエン、メシチレン、t−ブチルベンゼン、ピリジン、イミダゾール、N−メチルピロリジノンであり、特に好ましくは1−メトキシ−2−プロパノール、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、ジフェニルエーテル、トルエン、t−ブチルベンゼン、アニソール、ピリジンである。
本発明における絶縁膜を形成するための組成物の固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%であり、より好ましくは1.5〜20質量%であり、特に好ましくは2〜15質量%である。
ここで固形分とは、この組成物を用いて得られる絶縁膜を構成する全成分に相当する。
本発明における絶縁膜中の、式(1)の重合体の量は、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましい。
本発明で得られる一般式(1)で表される構造を含む重合体は有機溶媒へ十分な溶解性を有することが好ましい。溶解度は25℃でシクロヘキサノンまたはアニソールに1質量%以上、3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、特に好ましくは10質量%以上の溶解度である。
本発明の絶縁膜には不純物としての金属含量が少ないことが好ましい。絶縁膜を形成するための組成物の金属濃度はICP−MS法にて高感度に測定可能であり、その場合の遷移金属以外の金属含有量は好ましくは30ppm以下、より好ましくは3ppm以下、特に好ましくは300ppb以下である。また、遷移金属に関しては酸化を促進する触媒能が高く、プリベーク、熱硬化プロセスにおいて酸化反応によって本発明で得られた膜の誘電率を上げてしまうという観点から、含有量がより少ないほうがよく、好ましくは10ppm以下、より好ましくは1ppm以下、特に好ましくは100ppb以下である。
絶縁膜の金属濃度は全反射蛍光X線測定を行うことによっても評価できる。X線源としてW線を用いた場合、金属元素としてK、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Pdが観測可能であり、それぞれ100×1010atom・cm-2以下が好ましく、より好ましくは50×1010atom・cm-2以下、特に好ましくは10×1010atom・cm-2以下である。また、ハロゲンであるBrも観測可能であり、残存量は10000×1010atom・cm-2以下が好ましく、より好ましくは1000×1010atom・cm-2以下、特に好ましくは400×1010atom・cm-2以下である。また、ハロゲンとしてClも観測可能であるが、CVD装置、エッチング装置等へダメージを与えるという観点から残存量は100×1010atom・cm-2以下が好ましく、より好ましくは50×1010atom・cm-2以下、特に好ましくは10×1010atom・cm-2以下である。
更に、本発明の絶縁膜には、特性(耐熱性、誘電率、機械強度、塗布性、密着性等)を損なわない範囲で、ラジカル発生剤、コロイド状シリカ、界面活性剤、及びシランカップリング剤(あるいは密着促進剤)などの添加剤を添加してもよい。
ラジカル発生剤とは熱または光エネルギー照射によって炭素、酸素、窒素等のラジカルを発生する化合物を指し、硬膜反応を促進する機能を有するものである。
本発明にいかなるコロイド状シリカを使用してもよい。例えば、高純度の無水ケイ酸を親水性有機溶媒もしくは水に分散した分散液であり、通常、平均粒径5〜30nm、好ましくは10〜20nm、固形分濃度が5〜40質量%程度のもの等が使用できる。
本発明における絶縁膜を形成するための組成物には塗布性や膜形成性を改善する限りことを目的として、いかなる界面活性剤を使用してもよいが、用いられる界面活性剤には、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤などが挙げられ、更にシリコーン系界面活性剤、含フッ素系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、アクリル系界面活性剤が挙げられる。本発明で使用する界面活性剤は、一種類でも良いし、二種類以上でも良い。界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、含フッ素系界面活性剤、アクリル系界面活性剤が好ましく、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤がより好ましく、特にシリコーン系界面活性剤が好ましい。
本発明で使用する界面活性剤の添加量は、膜形成用組成物の全量に対して0.01質量%以上1質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上0.70質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上0.5質量%以下であることが更に好ましい。
本発明に用いるシリコーン系界面活性剤は、少なくとも1原子のSi原子を含む界面活性剤である。すなわち、公知のSi原子を有してかつ界面活性をも具備した化合物であり、アルキレンオキシド及びジメチルシロキサンを含む構造であることが好ましい。特に下記化学式を含む構造であることが更に好ましい。
Figure 2008192879
上記一般式中、Rは水素原子またはアルキル基(好ましくは炭素原子数1〜5)を表し、xは1〜20の整数を表し、m、nはそれぞれ独立に2〜100の整数を表す。複数のRは同じでも異なっていてもよい。
本発明に使用するシリコーン系界面活性剤としては、例えばBYK306、BYK307(ビックケミー社製)、SH7PA、SH21PA、SH28PA、SH30PA(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、TroysolS366(トロイケミカル社製)等を挙げることができる。
本発明に使用するノニオン系界面活性剤としては、公知のいかなるノニオン系界面活性剤でもよい。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアリールエーテル類、ポリオキシエチレンジアルキルエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリオキシエチレン類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体等を挙げることができる。
本発明に使用する含フッ素系界面活性剤としては、公知のいかなる含フッ素系界面活性剤でもよい。例えば、パーフルオルオクチルポリエチレンオキシド、パーフルオルデシルポリエチレンオキシド、パーフルオルドデシルポリエチレンオキシド等が挙げられる。
本発明に使用するアクリル系界面活性剤としては、公知のいかなるアクリル系界面活性剤でもよい。例えば、(メタ)アクリル酸系共重合体等が挙げられる。
本発明に基板との密着性を改善する、公知のいかなるシランカップリング剤(あるいは密着促進剤)を使用してもよいが、例えば、3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノグリシジロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、アルミニウムモノエチルアセトアセテートジイソプロピレート、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルジフェニルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,N’−ビス(トリメチルシリル)ウレア、ジメチルトリメチルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾール、ビニルトリクロロシラン、ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、インダゾール、イミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、ウラゾール、チオウラシル、メルカプトイミダゾール、メルカプトピリミジン、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、チオ尿素化合物等を挙げることができる。官能性シランカップリング剤が密着促進剤として好ましい。本発明で使用するシランカップリング剤は、一種類でも良いし、二種類以上でも良い。シランカップリング剤の好ましい使用量は、全固形分100質量部に対して10質量部以下、より好ましくは0.03〜7質量部、特に0.05〜5質量部であることが好ましい。
本発明の絶縁膜には機械強度の許す範囲内で、空孔形成因子を使用して、多孔質化し、低誘電率化を図ることができる。空孔径の大きさとしては、最大で10nm、好ましくは5nm、特に好ましくは1nmである。
空孔形成剤となる添加剤としての空孔形成因子としては特に限定はされないが、非金属化合物が好適に用いられ、膜形成用塗布液で使用される溶媒との溶解性、本発明の重合体との相溶性を同時に満たすことが必要である。またこの空孔形成剤の沸点若しくは分解温度は、好ましくは100〜500℃、より好ましくは200〜450℃、特に好ましくは250〜400℃である。分子量としては、200〜50000であることが好ましく、より好ましくは300〜10000、特に好ましくは400〜5000である。添加量は膜を形成する重合体に対して、質量%で好ましくは0.5〜75%、より好ましくは0.5〜55%、特に好ましくは1%〜40%である。また、空孔形成因子として、重合体の中に分解性基を含んでいても良く、その分解温度は好ましくは100〜500℃、より好ましくは200〜450℃、特に好ましくは250〜400℃であると良い。分解性基の含有率は膜を形成する重合体のモノマー量に対して、モル%で0.5〜75%、より好ましくは0.5〜55%、特に好ましくは1〜40%である。
本発明の膜は、膜形成用組成物をスピンコーティング法、ローラーコーティング法、ディップコーティング法、スキャン法等の任意の方法により基板に塗布した後、溶媒を加熱処理で除去することにより形成することができる。
溶媒を乾燥するための加熱は100℃〜250℃で1分〜5分行うことが好ましい。基板に塗布する方法としては、スピンコーティング法、スキャン法によるものが好ましい。特に好ましくは、スピンコーティング法によるものである。スピンコーティングについては、市販の装置を使用できる。例えば、クリーントラックシリーズ(東京エレクトロン製)、D−スピンシリーズ(大日本スクリーン製)、SSシリーズあるいはCSシリーズ(東京応化工業製)等が好ましく使用できる。スピンコート条件としては、いずれの回転速度でもよいが、膜の面内均一性の観点より、300mmシリコン基板においては1300rpm程度の回転速度が好ましい。
また組成物溶液の吐出方法においては、回転する基板上に膜形成用組成物溶液を吐出する動的吐出、静止した基板上へ膜形成用組成物溶液を吐出する静的吐出のいずれでもよいが、膜の面内均一性の観点より、動的吐出が好ましい。また、膜形成用組成物の消費量を抑制する観点より、予備的に組成物の主溶媒のみを基板上に吐出して液膜を形成した後、その上から組成物を吐出するという方法を用いることもできる。スピンコート時間については特に制限はないが、スループットの観点から180秒以内が好ましい。また、基板の搬送の観点より、基板エッジ部の膜を残存させないための処理(エッジリンス、バックリンス)をすることも好ましい。熱処理の方法は、特に限定されないが、一般的に使用されているホットプレート加熱、ファーネス炉を使用した加熱方法、RTP(Rapid Thermal Processor)等によるキセノンランプを使用した光照射加熱等を適用することができる。好ましくは、ホットプレート加熱、ファーネスを使用した加熱方法である。ホットプレートとしては市販の装置を好ましく使用でき、クリーントラックシリーズ(東京エレクトロン製)、D−スピンシリーズ(大日本スクリーン製)、SSシリーズあるいはCSシリーズ(東京応化工業製)等が好ましく使用できる。ファーネスとしては、αシリーズ(東京エレクトロン製)等が好ましく使用できる。
本発明における重合体は基板上に塗布した後に加熱処理することによって硬化(焼成)させることが特に好ましい。例えば重合体中に残存する炭素−炭素三重結合の後加熱時の重合反応が利用できる。この後加熱処理の条件は、好ましくは100〜450℃、より好ましくは200〜420℃、特に好ましくは350℃〜400℃で、好ましくは1分〜2時間、より好ましくは10分〜1.5時間、特に好ましくは30分〜1時間の範囲である。後加熱処理は数回に分けて行っても良い。また、この後加熱は酸素による熱酸化を防ぐために窒素雰囲気下で行うことが特に好ましい。
また、本発明では加熱処理ではなく高エネルギー線を照射することで重合体中に残存する炭素−炭素三重結合の重合反応を起こして硬化(焼成)させても良い。高エネルギー線とは、電子線、紫外線、X線などが挙げられるが、特にこれらの方法に限定されるものではない。
高エネルギー線として、電子線を使用した場合のエネルギーは50keV以下が好ましく、より好ましくは30keV以下、特に好ましくは20keV以下である。電子線の総ドーズ量は好ましくは5μC/cm2以下、より好ましくは2μC/cm2以下、特に好ましくは1μC/cm2以下である。電子線を照射する際の基板温度は0〜450℃が好ましく、より好ましくは0〜400℃、特に好ましくは0〜350℃である。圧力は好ましくは0〜133kPa、より好ましくは0〜60kPa、特に好ましくは0〜20kPaである。本発明における重合体の酸化を防止するという観点から、基板周囲の雰囲気はAr、He、窒素などの不活性雰囲気を用いることが好ましい。また、電子線との相互作用で発生するプラズマ、電磁波、化学種との反応を目的に酸素、炭化水素、アンモニアなどのガスを添加してもよい。本発明における電子線照射は複数回行ってもよく、この場合は電子線照射条件を毎回同じにする必要はなく、毎回異なる条件で行ってもよい。
高エネルギー線として紫外線を用いてもよい。紫外線を用いる際の照射波長領域は190〜400nmが好ましく、その出力は基板直上において0.1〜2000mWcm-2が好ましい。紫外線照射時の基板温度は250〜450℃が好ましく、より好ましくは250〜400℃、特に好ましくは250〜350℃である。
本発明の膜は、半導体用層間絶縁膜として使用する際、その配線構造において、配線側面にはメタルマイグレーションを防ぐためのバリア層があっても良く、また、配線や層間絶縁膜の上面底面にはCMPでの剥離を防ぐキャップ層、層間密着層の他、エッチングストッパー層等があってもよく、更には層間絶縁膜の層を必要に応じて他種材料で複数層に分けても良い。
本発明の膜は、銅配線あるいはその他の目的でエッチング加工をすることができる。エッチングとしてはウエットエッチング、ドライエッチングのいずれでもよいが、ドライエッチングが好ましい。ドライエッチングは、アンモニア系プラズマ、フルオロカーボン系プラズマのいずれもが適宜使用できる。これらプラズマにはArだけでなく、酸素、あるいは窒素、水素、ヘリウム等のガスを用いることができる。また、エッチング加工後に、加工に使用したフォトレジスト等を除く目的でアッシングすることもでき、更にはアッシング時の残渣を除くため、洗浄することもできる。
本発明の膜は、銅配線加工後に、銅めっき部を平坦化するためCMP(化学的機械的研磨)をすることができる。CMPスラリー(薬液)としては、市販のスラリー(例えば、フジミ製、ロデールニッタ製、JSR製、日立化成製等)を適宜使用できる。また、CMP装置としては市販の装置(アプライドマテリアル社製、荏原製作所製等)を適宜使用することができる。更にCMP後のスラリー残渣除去のため、洗浄することができる。
本発明の膜は、多様の目的に使用することができる。例えばLSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAM等の半導体装置、マルチチップモジュール多層配線板等の電子部品における絶縁被膜として好適であり、半導体用層間絶縁膜、エッチングストッパー膜、表面保護膜、バッファーコート膜の他、LSIにおけるパッシベーション膜、α線遮断膜、ソルダーレジスト膜、液晶配向膜等として使用することができる。
以下の実施例は本発明を説明するものであり、その範囲を限定するものではない。
<合成例1>1,4,9−トリエチニルジアマンタンの酸化重合
100 ml容量の三つ口フラスコに1,4,9−トリエチニルジアマンタン1.0gおよびピリジン100mlを加えた。それに酢酸銅2.2gを加え、室温で5時間撹拌した。反応溶液にメタノール100mlを加え、析出した固体をろ取した。得られた固体をトルエン200mlと混合し、一時間撹拌した。不溶物をろ別後、塩化アンモニウム水溶液、1N硝酸水溶液および蒸留水で洗浄した。溶媒を減圧留去することにより、Mw6000の固体0.4gを得た。
<合成例2>1,3,5−トリエチニルアダマンタンの酸化重合
100 ml容量の三つ口フラスコに1,3,5−トリエチニルアダマンタン1.0gおよびピリジン100mlを加えた。それに酢酸銅2.6gを加え、室温で5時間撹拌した。反応溶液にメタノール100mlを加え、析出した固体をろ取した。得られた固体をトルエン100mlと混合し、一時間撹拌した。不溶物をろ別後、塩化アンモニウム水溶液、1N硝酸水溶液および蒸留水で洗浄した。溶媒を減圧留去することにより、Mw7000の固体0.36gを得た。
<合成例3>1,4,6,9−テトラエチニルジアマンタンの酸化重合
100ml容量の三つ口フラスコに1,4,6,9−テトラエチニルジアマンタン1.0gおよびピリジン100mlを加えた。それに酢酸銅2.5gを加え、室温で5時間撹拌した。反応溶液にメタノール100mlを加え、析出した固体をろ取した。得られた固体をトルエン200mlと混合し、一時間撹拌した。不溶物をろ別後、塩化アンモニウム水溶液、1N硝酸水溶液および蒸留水で洗浄した。溶媒を減圧留去することにより、Mw5000の固体0.3gを得た。
<実施例1>
<合成例1>で得た1,4,9−トリエチニルジアマンタン重合体(Mw6000)0.5gをシクロヘキサノン4.5gに完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を孔径0.1μmのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で250℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分間焼成した結果、膜厚0.5μmのブツのない均一な膜が得られた。
膜の比誘電率(測定温度:25℃、以降も同様)をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横河ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.50であった。
また、得られた膜は、耐熱性、機械強度においても優れていた。
<実施例2>
<合成例2>で得た1,3,5−トリエチニルアダマンタン重合体(Mw7000)0.5gをシクロヘキサノン4.5gに完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を孔径0.1μmのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で250℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分間焼成した結果、膜厚0.5μmのブツのない均一な膜が得られた。
膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横河ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.60であった。
また、得られた膜は、耐熱性、機械強度においても優れていた。
<実施例3>
<合成例3>で得た1,4,6,9−テトラエチニルジアマンタン重合体(Mw5000)0.5gをシクロヘキサノン4.5gに完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を孔径0.1μmのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で250℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分間焼成した結果、膜厚0.5μmのブツのない均一な膜が得られた。
膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横河ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.52であった。
また、得られた膜は、耐熱性、機械強度においても優れていた。
<比較例1>
1,3,5−トリエチニルベンゼン重合体(Mw3000)重合体の塗布液を調製し塗布膜を作製した。得られた塗膜を窒素気流下ホットプレート上で250℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分間焼成した結果、膜厚0.5μmのブツのない均一な膜が得られた。
膜の比誘電率(測定温度:25℃、以降も同様)をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横河ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.77であった。
<比較例2>
p−ジエチニルベンゼン重合体(Mw6000)の塗布膜を窒素気流下ホットプレート上で250℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分間焼成した結果、膜厚0.5μmのブツのない均一な膜が得られた。
膜の比誘電率(測定温度:25℃、以降も同様)をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横河ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.78であった。
<誘電率の経時上昇の比較>
実施例1〜3と比較例1〜2の膜を大気中で1週間経時した後に誘電率を測定したところ、実施例1の膜が0.02、実施例2の膜が0.03、実施例3の膜が0.03上昇したのに対し、比較例1では0.18、比較例2では0.20上昇した。
本発明の絶縁膜は、耐熱性および機械強度に優れ、低い誘電率および誘電率の経時安定性を示している。一方、比較例1及び2の絶縁膜は、耐熱性および機械強度が低く、誘電率も高く、更に誘電率の経時安定性も見られなかった。

Claims (6)

  1. 式(1)で表される基を構成単位として有する高分子化合物を含有する半導体集積回路の絶縁膜。
    −R1−C≡C−C≡C− 式(1)
    1はカゴ型構造基を表す。
  2. カゴ型構造がアダマンタン、ビアダマンタン、ジアマンタン、トリアマンタンおよびテトラマンタンから選択されることを特徴とする請求項1に記載の絶縁膜。
  3. 高分子化合物が、式(2)で表される化合物をパラジウム触媒あるいは銅触媒の存在下で酸化重合することにより得られる高分子化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の絶縁膜。
    2−(C≡CH)m 式(2)
    2はm価のカゴ型構造基を表す。mは2〜19の整数を示す。
  4. 式(2)で表される化合物が、式(3)、(4)または(5)で示される化合物であることを特徴とする請求項3に記載の絶縁膜。
    Figure 2008192879
    (式(3)〜(5)中、Y1〜Y4はハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数0〜20のシリル基を表す。m1は2〜16の整数を表し、n1は0〜15の整数を表す。m2、m3はそれぞれ独立に1〜15の整数を表し、n2、n3は0〜14の整数を表す。m4は2〜20の整数を表し、n4は0〜19の整数を表す。)
  5. 式(1)で表される基を構成単位として有する高分子化合物。
    −R1−C≡C−C≡C− 式(1)
    1はカゴ型構造基を表す。
  6. シクロヘキサノンまたはアニソールに25℃で1質量%以上溶解することを特徴とする請求項5に記載の高分子化合物。
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