JP2007284534A - 側鎖にアリル基を有するポリヒドロキシエーテル樹脂、その製造方法及びその樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一般式(1)で示される側鎖にアリル基を有するポリヒドロキシエーテル樹脂で、その主鎖ポリヒドロキシエーテルの数平均分子量が1,000以上200,000以下である側鎖にアリル基を有するポリヒドロキシエーテル樹脂とすることにより、上記課題を解決した。
【化1】
(式中、R1は多塩基酸無水物残基、R2はアリル基含有グリシジル化合物残基、Mは2価フェノール残基であり、同一でも異なっていても良く、l、m、nは整数であって、mは0の場合があっても良い。pは1〜3の整数である。)
【選択図】なし
Description
より詳細には熱又は光などの活性エネルギー源で架橋可能な側鎖にアリル基を有する機能性ポリヒドロキシエーテル樹脂、その製造方法及びその樹脂組成物を提供するものである。
しかしながら、かかるフェノキシ樹脂はそれ自身では熱可塑性樹脂であり架橋しない。従来ポリヒドロキシエーテル樹脂(以下PHEと略記)を架橋する場合はペンダントに存在する2級水酸基を利用し、イソシアネート化合物又はブロックイソシアネート化合物で架橋する。更に、ブチル化レゾール(フェノール)樹脂やメチロール化メラミン樹脂などとの焼付け時に縮合反応をして架橋させる方法が採られている。その他には低分子量のエポキシ樹脂と併用してエポキシ樹脂の架橋構造の中に組み込ませる方法が採られている。
特許文献2には、PHEのペンダントの2級水酸基にグリシジルメタクリレート(以下GMAと略記)を付加反応し、側鎖にα−β不飽和結合を有する感光性樹脂を得ている。しかしながら、この方法では、過剰のGMAにPHEを溶解し、付加反応し、その後、大量のメタノール中でポリマーを沈殿させているので、安定したGMAの付加率が得られないし、沈殿させたPHEの取り扱い性が悪く工業化に不向きで、更に高価なGMAの原単位が悪くコスト高になると言う問題点があった。
一方、特許文献3には、PHEの2級水酸基にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどを付加させた後、更に多塩基酸無水物を付加し、更にGMAと反応させ、感光性樹脂組成物の成分としている。この方法は製造工程が長く、官能基数が少なくなり硬化性が悪いため単独での使用ができない等の問題点があった。
また、PHEのような数平均分子量が10,000以上ある高分子樹脂に、反応性の高いα−β不飽和結合を有する基を導入する場合、硬化性を良くするために導入する官能基数をより多くしようとすればゲル粒子が発生したり、官能基同士が反応して粘度上昇が著しくなったり、極端の場合には反応途中でゲル化が起る。そのため、官能基濃度を減少させるか又は重合禁止剤を通常より多くしたり、反応中に空気を吹き込むなどの手法を採らざるを得ない問題があった。その結果として、単独では感光性が不十分であり、多量の低分子多官能感光性樹脂の併用を必須とする等の問題があった。
(式中、R1は多塩基酸無水物残基、R2はアリル基含有グリシジル化合物残基、Mは2価フェノール残基であり、同一でも異なっていてもよく、l、m、nは整数であって、mは0の場合があっても良い。pは1〜3の整数である。)
即ち、本発明は、主鎖ポリマーであるPHEの数平均分子量が1,000〜200,000で分子内に2級水酸基を有するポリヒドロキシエーテル樹脂(a)と多塩基酸無水物(b)の反応に基づく半エステル化変性ポリヒドロキシエーテル樹脂(A)を得る。次に、半エステル化変性ポリヒドロキシエーテル樹脂(A)中のカルボキシル基とアリル基含有グリシジル化合物(c)を反応せしめて側鎖にアリル基を有するポリヒドロキシエーテル(B)を得る。
本発明における主鎖ポリマーの数平均分子量が1,000〜200,000で分子内に2級水酸基を有するポリヒドロキシエーテル(a)は2価フェノール類とエピクロルヒドリン(以下ECHと略記)の縮合反応によって製造されるか、2価フェノール類と2価グリシジルエーテル類との付加反応により製造されるPHEである。主鎖の数平均分子量が小さいとフイルム形成能が無く、塗膜の強靭性に欠け、あまり数平均分子量が大きすぎると溶剤に溶解したときの溶解性の悪化や、粘度が高くなり取り扱いづらい。好ましい数平均分子量は1,000〜200,000、より好ましくは2,000〜100,000、更に好ましくは4,000〜60,000である。尚、本発明の数平均分子量は標準ポリスチレンを標準物質として、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)に依って測定された数平均分子量を言う。
本発明に用いられる多塩基酸無水物(b)としては、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、無水クロレンド酸、無水コハク酸、アルケニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、メチルシクロペンタジエンの無水マレイン酸付加物等を例示することができる。2種類以上の酸無水物を併せて用いることもできる。
係るフェノール類のアリル化は特開昭53−134099号、特開昭58−159436号の記載を参考にすれば容易に得られる。また、特開平5−065239号、特開平5−065240号にはクライゼン転位により、アリル化フェノール類の高収率の製法が開示されている。USP−2,910,455、特開平11−279257号にはアリル化多価フェノール化合物からのエポキシ樹脂の製法が開示されている。更には特開2000−191572号にはアリル化フェノールの製法としてジアリルカーボネートを使用する方法が開示されている。いずれの方法であっても本発明のアリル化フェニルグリシジルエーテルの製造に使用できるが、グリシジル基が一官能であればよく、アリル基は複数個含有していてもかまわない。したがって、フェノール源としては、モノフェノールでアルキル基の未及び複数置換があってもさしつかえない。フェノール源としては、フェノール、クレゾール類、キシレノール類、p−tert−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール等を例示することができる。
また、感光性の初期反応開始を促進する目的でグリシジルメタクリレートの様なα−β不飽和グリシジル化合物を本発明の意図を超えない範囲で併用することを妨げない。
この反応は非反応性の溶剤の存在下で行なわれる。好ましい溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソフォロン等のケトン類、1,4−ジオキサン、テトラハイドロフラン等の環状エーテル類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等の直鎖エーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の非プロトン溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類である。これらの溶剤は単独もしくは混合して使用してもかまわない。
また、多塩基酸無水物の副反応を避けるため使用する溶剤及び使用するPHE中の水分量を極力少なくする必要がある。そのため事前にPHEを70〜80℃程度で24時間以上乾燥させた後に使用するか、溶剤に溶解後に脱水して目的を達成する。
係る付加反応は無触媒でも進行するが、付加反応を短時間で完結させるためには触媒を使用することが望ましい。使用できる触媒としては、トリエチルアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、ベンジルジメチルアミン等の3級アミン類、それらの4級アンモニウム塩類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のアルキルイミダゾール類、更にはトリフェニルフォスフィン、トリサイクロヘキシルフォスフィン等のフォスフィン類、それらの4級ホスホニウム塩類が使用できる。これらの触媒の使用量は全固形分に対して10〜10,000ppm、より好ましくは100〜8,000ppm、更に好ましくは500〜7,000ppmである。
本発明の第二段階である半エステル化変性ポリヒドロキシエーテル樹脂(A)中のカルボキシル基とアリル基含有グリシジル化合物(c)との反応は、カルボキシル基とグリシジル基の開環付加反応である。この反応は無触媒でも進行するが、より好ましくは触媒を使用することが好ましい。好ましい触媒としては段落番号0019に記載の触媒を使用することが出来る。すなわち、第一段階の半エステル化時の触媒と第二段階の触媒は同一のもが使用できる。第一段階の触媒活性が残っている場合は、この反応の為に新たに添加する事は必要としない。もちろん、必要があれば追加することを妨げるものではない。
係る付加反応は50〜150℃、好ましくは60〜130℃、さらに好ましくは60〜120℃の温度で行うのが良い。反応の追跡はFT−IRによるエポキシ基の消失の確認、及び、HPLCまたはGPCの測定によりアリル基含有グリシジル化合物(c)のピーク消失により容易に決定できる。
係る半エステル化変性ポリヒドロキシエーテル樹脂(A)中のカルボキシル基に対するアリル基含有グリシジル化合物(c)の付加比率は、カルボキシル基1モル当たり(c)を0.5モル以上で有ればよく、過剰モルを使用しても差し支えないが、過剰部分は未反応となり硬化物性が硬く、脆くなる傾向が強くなるので好ましくはない。また、0.5モル以下ではアリル基の含有率が下がり、半エステル化変性ポリヒドロキシエーテル樹脂(A)の性質が強くなり本発明の効果が発揮できない。
本発明で得られる最終樹脂(B)中にはペンダントに2級水酸基、アリル基が混在することになるが、(c)の付加モル比を0.5〜1.0モルの間とした場合、最終樹脂(B)中には遊離カルボキシル基が存在することになる。遊離カルボキシル基が必要か否かは目的及び用途に依って決定されるべきである。カルボキシル基を利用して水性化する場合、レジストの様なアルカリ水溶液可溶性を付与する場合、金属に対する接着力が要求される場合等は遊離カルボキシル基が存在した方がよい。また、耐水性、耐薬品性、電食などが心配される用途では存在しない方が良い。
熱硬化性樹脂組成物として、他の熱硬化性モノマー及びオリゴマーを添加して使用することが出来るが、本発明で得られる最終樹脂(B)が少なくとも5重量%、好ましくは20重量%以上含有することが望ましい。併用し得るモノマーの具体例として、ジアリルフタレート、アリルグリシジルエーテル、トリアリルイソシアネート、アクリル酸エステル類等、オリゴマーの具体例としてジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルエステルオリゴマー、エポキシアクリレート樹脂等を挙げることができる。
本発明の側鎖にアリル基を有するポリヒドロキシエーテル樹脂(B)を使用した樹脂組成物には、必要に応じて、溶剤、顔料、染料、着色剤、耐炎剤、消泡剤、湿潤剤、分散剤、防錆剤、静電防止剤、表面処理剤、熱可塑性樹脂、エラストマー、アクリル酸モノマー類、アクリル酸オリゴマー類、エポキシアクリレート類、シランカップリング剤、無機充填剤、繊維強化材などを配合することが可能である。
本発明の樹脂組成物の用途としては、UV又は熱硬化インキとして、ブリキ、アルミなどの金属印刷、ラベル印刷、ビジネスフォーム印刷などの印刷インキ材料としての用途。プリント配線基板のソルダーマスク、マーキングインキ、接着剤付き銅箔、ドライフイルムレジスト、半導体チップと配線基板用フイルム接着剤、アデテイブ法による多層回路板等の電子分野の用途、モーターコイルの絶縁含浸ワニス、自己融着絶縁電線ワニス等の電気分野の用途、木工家具、合板などのクリア塗料、紙の表面艶出し加工、プラスチックのハードコート剤等の塗料用途、光学レンズの接着剤、光ファイバー用接着剤、フイルム状接着剤(熱、光架橋型)等の接着剤用途、架橋フイルムとして酸素透過率の低いラミネート、コーテイング剤として食品包装材料の用途などに使用できる。
〔実施例、比較例〕
BPAとECHから得られたPHE、具体的にはフェノトートYP−50S(東都化成株式会社製、数平均分子量15,000、水酸基当量284g/eq)を70℃に保持した真空デシケーター中で24時間乾燥した後で、1リッターセパラブルフラスコに213g(水酸基0.75モル)、予め脱水したジエチレングリコールジメチルエーテル(以下、MDMと略記)320g(固形分濃度40%)を加え、攪拌しながら約50℃に加温して完全に溶解した。次にメチルヘキサヒドロ無水フタル酸(MeHHPA無水酸当量168g/eq)50.4g(0.30モル)、触媒としてトリフェニルフォスフィン(以下TPPと略記)を0.26g(1,000ppm/全固体量)を追加して、110℃で7時間攪拌し付加反応を完了した。メチルエチルケトン(以下MEKと略記)75gを追加して変性ポリヒドキシエーテル樹脂溶液(A1)を得た。この樹脂の性状を表1に示した。
合成例1でMeHHPAに変えて、トリメリット酸無水物(TMA、無水酸当量=192g/eq)43.2g(0.225モル)、TPPを0.26g、MEK64.3gを使用した他は同様に操作して変性ポリヒドキシエーテル樹脂溶液(A2)を得た。この樹脂の性状を表1に示す。
ビスフェノールAジグリシジルエーテルとビスフェノールFの共重合物であるPHE、具体的にはフェノトートYP−70(東都化成株式会社製、数平均分子量10,000、水酸基当量270g/eq、)を216g(水酸基0.80モル)、MDM324gを加え50℃にて攪拌して溶解した。これにテトラヒドロキシ無水フタル酸(THPA、無水酸当量152g/eq)を60.8g(0.40モル)、触媒として2−エチル−4−メチルイミダゾール0.14gを仕込み、攪拌しながら110℃まで徐々に昇温した。反応温度105℃〜125℃を保ちながら7時間攪拌した後、MEK91gを加え変性ポリヒドキシエーテル樹脂溶液(A3)を得た。この樹脂の性状を表1に示す。
1リッターの攪拌機付きフラスコにオルソクレゾール108g(1モル)、アリルクロライド229.5g(3モル)n−ブタノール200g、トルエン75gを加え、75〜82℃に温度制御しながら49%苛性カリ水溶液137g(1.2モル)を4時間かけて滴下した。この間、還流により発生する水を分離除去した。さらに75〜88℃にて3時間熟成した。室温まで冷却後吸引ろ過して副成塩化カリウムを除去した。ろ液を120〜130℃、5torrの減圧下で未反応物と溶剤を除去した。転位促進剤としてN,N’−ジメチルアセトアミド10gを添加し、窒素気流下200℃±5℃で6時間クライゼン転位を行った。淡黄色の液状のo−アリル化クレゾールを得た。これをECH62.5g(5モル)に溶解し、45〜55℃で、49%苛性ソーダ水溶液81.6g(1モル)を4時間で滴下した。この間、140〜160torrの減圧環流下で発生する水を分離除去した。更に1時間同温度に保持後、120℃、5torrの減圧でECHを回収した。メチルイソブチルケトン370g、水230gを加えて食塩を溶解し分離除去した。同量の水で2回洗浄後希燐酸でPH6.0〜6.5とし、吸引ろ過してから130℃、5torrで30分間減圧乾燥して淡黄色液体のアリル化クレゾールグリシジルエーテル(以下ACGEと略記)195gを得た。この物はエポキシ当量208.2g/eq、沃素価167.4I/100gであった。
500mlセパラブルフラスコに合成例1で得られた変性ポリヒドキシエーテル樹脂溶液(A1)250g(カルボキシル基0.114モル)、アリルグリシジルエーテル(日本油脂株式会社製AGE)13g(エポキシ基0.114モル)、触媒としてTPP0.011g、MDM13gを加え、100℃で5時間反応後、TPPを0.11g追加してさらに5時間反応して本発明の側鎖にアリル基を有するポリヒドロキシエーテル樹脂(B1)を得た。MEKで固形分調節して約30wt%とした。この樹脂の性状を表2に示す。
合成例1で得られた変性ポリヒドキシポリエーテル樹脂溶液(A1)250g(カルボキシル基0.114モル)、AGE7.8g(エポキシ基0.068モル)、MDM8gを加え実施例1と同様にして本発明の側鎖にアリル基を有するポリヒドロキシエーテル樹脂(B2)を得た。この樹脂の性状を表2に示す。
合成例2で得られた変性ポリヒドキシポリエーテル樹脂溶液(A2)250g(カルボキシル基0.167モル)、AGE9.59g(エポキシ基0.084モル)、MDM20gを加え実施例1と同様にして本発明の側鎖にアリル基を有するポリヒドロキシエーテル樹脂(B3)を得た。この樹脂の性状を表2に示す。
合成例2で得られた変性ポリヒドキシポリエーテル樹脂溶液(A2)250g(カルボキシル基0.222モル)、合成例4で製造したACGE46.2g(エポキシ基0.222)、MDM47g、TPPを0.014gを加え、80℃で5時間反応後、TPPを0.014g追加してさらに5時間反応した。最終的にMEKで固形分調節して約30wt%として本発明の側鎖にアリル基を有するポリヒドロキシエーテル樹脂(B4)を得た。この樹脂の性状を表2に示す。
合成例2で得られた変性ポリヒドキシエーテル樹脂溶液(A2)250g(カルボキシル基0.222モル)、グリシジルメタクリレート(日本油脂株式会社製GMA)31.5g(エポキシ基0.222モル)、MDM32gとハイドロキノンモノメチルエーテル19mgを加え、空気を吹き込みながら95℃で5時間反応後、TPPを0.013g追加してさらに5時間反応して、α−β不飽和基含有半エステル化変性ポリヒドロキシエーテル(B5)を得たが、著しく増粘していた。この樹脂の性状を表2に示す。
実施例3で得られた側鎖にアリル基を有するポリヒドロキシエーテル(B3)200g、クレゾールノボラック型エポキシアクリレート(EA−7120/PGMAC新中村化学株式会社製、固形分70%)57.1g光重合開始剤としてイルガキュアー907を5g、MEKで希釈して固形分濃度20%とし、この溶液をPETフイルム上にバーコーターを用いて塗布し、40℃の熱風乾燥機で乾燥し、膜厚10〜15ミクロンの透明フイルムを得た。このフイルムをUV照射装置(オーク製作所社製HMW−590)で露光量500J/cm2で露光し、更に160℃で30分加熱したところ、MEKに溶解しない強靭で可撓性のある架橋フイルムが得られた。
実施例1〜4で得られた側鎖にアリル基を有するポリヒドロキシエーテル(B1〜B4)100部(固形分30%)、過酸化物としてジ−tert−ブチルパーオキサイド(日本油脂株式会社製パーブチルD)1.2部、MEK50g、シクロヘキサノン50gを加えて均一に混合した。これをPETフイルムにバーコーターを用いて塗布し、80℃の熱風乾燥機で乾燥し、剥離して膜厚約10〜15ミクロンの透明熱接着フイルムを得た。
この透明熱接着フイルム5枚を予め脱脂した25mm×150mm×1mmの軟鋼板2枚の間に挟み180℃のホットプレスにて接触圧で5分間硬化した。比較のため、側鎖にアリル基のないPHE(フェノトートYP−50S(東都化成株式会社製 BPA型PHE)を過酸化物を添加しないで同様なフイルムを作成し接着試験片を得た。剪断接着強度を25℃と100℃で測定した結果は表3の通りであった。
Claims (10)
- 主鎖ポリヒドロキシエーテルが、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型、テトラブロムビスフェノールA型、ビスフェノールスルフォン型、ビフェニル型、含リン二価フェノール型から選択されるポリヒドロキシエーテルである請求項1記載のポリヒドロキシエーテル樹脂。
- 多塩基酸無水物がトリメリット酸無水物であり、アリル基含有グリシジル化合物がアリルグリシジルエーテルである請求項1記載のポリヒドロキシエーテル樹脂。
- アリル基含有グリシジル化合物が、アリル化(アルキル)モノフェノールのグリシジルエーテル類である請求項1〜3のいずれの項に記載のポリヒドロキシエーテル樹脂。
- 2価フェノールとエピクロルヒドリンの縮合物反応、若しくは、2価フェノールと2価グリシジル化合物の付加重合反応のいずれかの製造法により得られたポリヒドロキシエーテル樹脂の水酸基1モルに対して0.1から0.9モルの範囲内で多塩基酸無水物を付加させ、しかる後に生成したカルボキシル基に対して0.5モル以上のアリル基含有グリシジル化合物を反応させる事からなる請求項1記載の側鎖にアリル基を有するポリヒドロキシエーテル樹脂の製造方法。
- 主鎖ポリヒドロキシエーテルが、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールA/ビスフェノールF共重合型、テトラブロムビスフェノールA型、ビスフェノールスルフォン型、ビフェニル型、含リン二価フェノール型から選択されるポリヒドロキシエーテルである請求項5記載のポリヒドロキシエーテル樹脂の製造方法。
- 多塩基酸無水物がトリメリット酸無水物であり、アリル基含有グリシジル化合物がアリルグリシジルエーテルである請求項5記載のポリヒドロキシエーテル樹脂の製造方法。
- アリル基含有グリシジル化合物が、アリル化(アルキル)モノフェノールのグリシジルエーテル類である請求項5〜7のいずれの項に記載のポリヒドロキシエーテル樹脂の製造方法。
- 請求項1項記載の側鎖にアリル基を有するポリヒドロキシエーテル樹脂を少なくとも5重量%以上含有することを特徴とする樹脂組成物。
- 請求項1項記載の側鎖にアリル基を有するポリヒドロキシエーテル樹脂を少なくとも5重量%以上含有し、有機過酸化物又は光重合開始剤を含有することを特徴とする樹脂組成物から得られる感熱又は感光性樹脂フイルム。
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