JP2007280539A - 収差補正装置、光ピックアップ装置、情報再生装置、および収差補正プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】対向する透明電極単位で上下透明電極に印加する電圧を変化させることにより、より収差の補正を適切に行うことが可能な収差補正装置を提供する。
【解決手段】電極群A用駆動制御部61は、ディスク種別、現在層、液晶素子温度を取得し、それらの情報をもとに、電極群Aの各電極に対して印加する駆動電圧の値を、図8の設定値テーブルより取得する。電極群Aに印加する各駆動電圧の決定することにより電極群A用駆動制御部61は処理を終了し、次に電極群B用駆動制御部62が行う処理に移行する。電極群B用駆動制御部62は、セグメント番号(m)の初期化(m=1)を行う。そして、電極Amの位相補正量が、液晶素子半径の増加に伴い、どのように変化しているかを図10(b)のグラフを用いて判別し、電極Amが配置されている領域(領域α〜領域γ)毎に異なる算出方法にて電極群Bに印加する駆動電圧を求める。
【選択図】図9
【解決手段】電極群A用駆動制御部61は、ディスク種別、現在層、液晶素子温度を取得し、それらの情報をもとに、電極群Aの各電極に対して印加する駆動電圧の値を、図8の設定値テーブルより取得する。電極群Aに印加する各駆動電圧の決定することにより電極群A用駆動制御部61は処理を終了し、次に電極群B用駆動制御部62が行う処理に移行する。電極群B用駆動制御部62は、セグメント番号(m)の初期化(m=1)を行う。そして、電極Amの位相補正量が、液晶素子半径の増加に伴い、どのように変化しているかを図10(b)のグラフを用いて判別し、電極Amが配置されている領域(領域α〜領域γ)毎に異なる算出方法にて電極群Bに印加する駆動電圧を求める。
【選択図】図9
Description
本発明は、光学記録媒体を用いた情報処理装置に備えられる光ピックアップ装置及び収差補正装置に関するものであり、特に波面収差の補正を可能とする収差補正装置、光ピックアップ装置、情報再生装置、及び、収差補正プログラムに関する。
近年、コンパクトディスク(以下、CDという)やデジタル多用途ディスク(以下、DVDという)といった光記録媒体が普及し、一般的に用いられるようになっている。そして、光記録媒体の情報量を増やすために、光記録媒体の高密度化に関する研究が進められ、例えば、高品位のDVDであるHD−DVDやブルーレイディスク(以下、BDという)といった高密度化された光記録媒体も実用化されつつある。
このような光記録媒体の記録再生を行うにあたっては、光記録媒体に光ビームを照射して情報の記録や情報の読み取りを可能とする光ピックアップ装置が用いられるが、光記録媒体の種類によって、光ピックアップ装置に用いられる対物レンズの開口数(NA)や光源の波長が異なってくる。例えば、CDに対しては、対物レンズのNAが0.50、光源の波長が780nm、DVDに対しては、対物レンズのNAが0.65、光源の波長が650nm、HD−DVDに対しては、対物レンズのNAが0.65、光源の波長が405nm、BDに対しては、対物レンズのNAが0.85、光源の波長が405nmとなる。
このように、光記録媒体の種類によって、用いられる対物レンズのNAや波長が異なるために、光記録媒体毎に異なる光ピックアップ装置を用いることも考えられるが、1つの光ピックアップ装置で複数種類の光記録媒体について情報の読み取り等が行える方が便利であり、そのような収差補正装置が多く開発されている。この中には、例えば、特許文献1に示されているように、1つの対物レンズで、複数種類の光記録媒体について情報の書き込みや読み取りを行う収差補正装置がある。
1つの対物レンズで複数種類の光記録媒体に対応しようとすると、例えば、1つの種類の光記録媒体について球面収差が発生しないように対物レンズの調整を行っても、他の種類の光記録媒体について情報の読み取り等を行う際に球面収差が発生する場合がある。このため、特許文献1にも示されているように、光ピックアップ装置の中に液晶パネル(液晶素子)を配置し、液晶素子に印加する電圧を制御して、球面収差の補正を行う構成とするのが一般的である。そして、このような目的で配置される液晶素子においては、液晶素子を構成する2枚の透明電極を、同心円状に分割して複数の領域を形成し、分割した透明電極の各領域に印加する電圧を制御して球面収差の補正を行うタイプのものが、特許文献1をはじめとして多く紹介されている。
また特許文献2においては、複数の同心円環状の透明電極が液晶素子の上下に配置されている収差補正装置であり、上下の透明電極のうち、一方の幅が他方に比較して細く形成された非対称形状を形成している収差補正装置が開示されている。特許文献2の収差補正装置によれば、上下の透明電極が同一形状をしている場合と比較して、液晶素子を通過する光ビームの回折効率を向上させることが可能である。
また特許文献3においては、液晶素子の上下の透明電極がそれぞれ異なる形状をしていおり、一つの液晶素子で複数種の収差補正をそれぞれ、または同時に補正することを可能とするとともに、回折散乱光の影響を極力抑えた収差補正装置が開示されている。特許文献3の収差補正装置は、内側に透明電極を有する透明性の第1の基台と第2の基台とで液晶層を挟持してなる液晶素子を備え、少なくとも一方の透明電極が、異なる収差補正パターンが積層配置された多層電極構造により構成され、複数種の収差補正を、個別に、または同時に補正することが出来るようになっている。これにより、使用する収差補正パターンにより、多種多様な収差補正に対応することが可能である。
しかしながら、特許文献2及び特許文献3に示されている構成を用いる場合、そもそも、液晶パネルの構成が複雑となり、更に液晶パネルの製造コストが高くなるといった問題が発生した。また、特許文献1〜特許文献3においては、液晶素子の上下に配置される透明電極の形状については開示されているが、対向する透明電極毎の印加電圧値については開示も示唆もされていなかった。
この点、複数種類の光記録媒体に対して発生する収差について完璧に補正せず、各収差に対して概ね補正するとのコンセプトで、液晶素子の分割される側の透明電極の分割数を減らし、透明電極に設けられる配線の数や液晶素子を制御する回路基板に設けられる電極及び配線の数をある程度減らせるが、これにも限界がある。
特開 2001−273663号公報
特開 平09−304748号公報
特開 2005−275185号公報
以上の点を鑑みて、本発明の目的は、収差の補正を適切に行えるように液晶素子の上下に異なる形状の透明電極を備え、かつ対向する透明電極単位で上下透明電極に印加する電位を変化させることにより、より収差の補正を適切に行え、かつ小型で、更に低コストで製造できる収差補正装置を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1に記載の収差補正装置は、第1分割数に同心円状に分割された平板状の第1透明電極と、前記第1透明分割数より大きい第2分割数に同心円状に分割された平板状の第2透明電極と、前記第1透明電極と前記第2透明電極との間に挟持され、入射する光ビームに対して所定の電位に対応した位相差を生じさせる液晶と、を有する液晶ユニットと、前記液晶ユニットを透過した光ビームを所定の集光位置に集光するレンズユニットと、前記第1透明電極及び前記第2透明電極を構成する分割電極毎に、前記光ビームの収差を補正するべく所定の電位を印加する駆動ユニットと、前記駆動ユニットを制御する制御ユニットとを備えた収差補正装置であって、前記制御ユニットは、前記第1透明電極及び第2透明電極を構成する分割電極毎に、印加する電位を求める電位算出手段と、前記電位算出手段において、隣接する分割電極間における位相補正量の差異が、前記第2透明電極のすべての分割電極に同量の電位を印加した場合と比較してより小さくなるように、前記第2透明電極を構成する分割電極毎に印加する電位を求める第2透明電極制御手段とを備えていることを特徴としている。
請求項2に記載の収差補正装置は、請求項1に記載の収差補正装置であって、前記第2透明電極制御手段において、前記第1透明電極を構成する分割電極を電極Am(mは1以上の自然数)とし、前記第2透明電極を構成する分割電極であり前記電極Amに対向する分割電極を電極Bn(nは1以上の自然数)とし、前記電極Amに隣接する分割電極を電極Am’とし、前記電極Amで補正される位相補正量をa(m)とし、前記電極Am’で補正される位相補正量をa(m’)とし、前記電極Bnで補正される位相補正量をb(n)とし、前記第2透明電極により補正される位相補正量の基準量をb(0)とした場合に、b(n)とb(0)との差異がa(m’)とa(m)との差異よりも小さくなるように前記第2透明電極の分割電極毎に印加する電位を求めることを特徴としている。
請求項3に記載の収差補正装置は、請求項1または請求項2に記載の収差補正装置であって、前記第2透明電極制御手段において、前記a(m’)と前記a(m)との差異を算出し、算出された値を、前記電極Amに対向する前記第2透明電極の分割電極の電極数で除算することにより、前記電極Bnにおける位相補正量と電極Bn’(電極Bn’は電極Bnに隣接する分割電極)における位相補正量との差を算出し、算出された値をもとに前記第2透明電極の分割電極毎に印加する電位を求めることを特徴としている。
請求項4に記載の光ピックアップ装置は、光記録媒体に光ビームを照射して、光記録媒体に記録された情報の読み出し及び光記録媒体への情報の書き込みの少なくとも一方を行う光ピックアップ装置であって、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の収差補正装置を備えることを特徴としている。
請求項5に記載の情報再生装置は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の収差補正装置を有し、光記録媒体に光ビームを照射して、光記録媒体に記録された情報の読み出しを行う光ピックアップ装置と、前記光記録媒体を回転駆動する媒体駆動装置と、前記光ピックアップ装置を前記光記録媒体の径方向に移動させる移動装置と、前記光ピックアップ装置を介して、光記録媒体に記録された情報を取得し、再生する出力装置とを備えることを特徴としている。
請求項6に記載の収差補正プログラムは、第1分割数に同心円状に分割された平板状の第1透明電極と、前記第1分割数より大きい第2分割数に同心円状に分割された平板状の第2透明電極と、前記第1透明電極と第2透明電極との間に挟持され、入射する光ビームに対して前記所定の電位に対応した位相差を生じさせる液晶とを有する液晶ユニットと、前記液晶ユニットを透過した光ビームを所定の集光位置に集光するレンズユニットと、前記第1透明電極及び第2透明電極を構成する分割電極毎に、前記光ビームの収差を補正するべく所定の電位を印加する駆動ユニットと、前記駆動ユニットを制御するコンピュータとを備えた収差補正装置において、前記駆動ユニットを制御する収差補正プログラムであって、前記コンピュータを、前記第1透明電極及び第2透明電極を構成する分割電極毎に、印加する電位を求める電位算出手段と、前記電位算出手段において、隣接する分割電極間における位相補正量の差異が、前記第2透明電極のすべての分割電極に同量の電位を印加した場合と比較してより小さくなるように、前記第2透明電極を構成する分割電極毎に印加する電位を求める第2透明電極制御手段として機能させることを特徴としている。
請求項1に記載の収差補正装置によれば、第1透明電極及び第2透明電極を構成する分割電極毎に、印加する電位が求められて、さらに求められた第1透明電極の電位をもとに第2透明電極に印加する電位を求めるため、液晶素子全体において補正される位相補正量を、補正すべき位相補正量により近い値にすることができる。これにより、光記憶媒体において生じる収差を低減することが可能であり、収差の補正を適切に行い易い収差補正装置を提供できる。
請求項2に記載の収差補正装置によれば、隣接する第1透明電極の分割電極間における位相方正量の差異を参照して、対向する第2透明電極の分割電極において補正すべき位相補正量を限定し、限定された位相補正量の範囲内で、第2透明電極の分割電極に印加する電位を求める。このため、液晶素子全体において補正される位相補正量を、補正すべき位相補正量により近い値にすることができる。光記憶媒体において生じる収差を低減することが可能であり、収差の補正を適切に行い易い収差補正装置を提供できる。
請求項3に記載の収差補正装置によれば、隣接する第1透明電極の分割電極間における位相方正量の差異と、第1透明電極の一つの分割電極に対向する第2透明電極の分割電極数とから、第2透明電極の分割電極において補正すべき位相補正量を求め、求められた位相補正量をもとに第2透明電極の分割電極に印加する電位を求める。このため、液晶素子全体において補正される位相補正量を、補正すべき位相補正量により近い値にすることができる。これにより、光記憶媒体において生じる収差を低減することが可能であり、収差の補正を適切に行い易い収差補正装置を提供できる。
請求項4に記載の光ピックアップ装置によれば、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の収差補正装置を備えるため、光記憶媒体において生じる収差を低減することが可能であり、収差の補正を適切に行い易い光ピックアップ装置を提供できる。
請求項5に記載の情報再生装置によれば、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の収差補正装置を有する光ピックアップ装置を備えるため、光記憶媒体において生じる収差を低減することが可能であり、収差の補正を適切に行い易い情報再生装置を実現することができる。
請求項6に記載の収差補正プログラムによれば、第1透明電極及び第2透明電極を構成する分割電極毎に、印加する電位が求められて、さらに求められた第1透明電極の電位をもとに第2透明電極に印加する電位を求めるため、液晶素子全体において補正される位相補正量を、補正すべき位相補正量により近い値にすることができる。これにより、光記憶媒体において生じる収差を低減することが可能であり、収差の補正を適切に行うことができる。
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明に係るディスクプレイヤの一例を示す構成図である。ディスクプレイヤ100(情報再生装置に相当する)は、本発明に係る光ピックアップ装置1、出力装置3、指示装置4、駆動装置5、表示部6、及び操作部7を備えている。
光ピックアップ装置1は、光記録媒体2に光ビームを照射して、光記録媒体2(CD、DVD、又は、BD)に記録された音声情報、画像情報等の各種情報の読み取りを行うものである。
出力装置3は、光ピックアップ装置1からの音声情報、画像情報等の情報を、音声及び画像に変換して、それぞれ、図略のスピーカ及びモニタに出力するものであって、RFアンプ31、DSP(Digital Signal Processor)32、再生処理回路33、及び出力回路34を備えている。
RFアンプ31は、光ピックアップ装置1からの音声情報、画像情報等の情報を増幅するものである。DSP32(コンピュータ、制御ユニット及び収差補正装置の一部に相当する)及び再生処理回路33は、RFアンプ31からの情報に対して、再生のための各種情報処理(例えば画像処理等)を施すものである。出力回路34は、再生処理回路33からの情報を、図略のスピーカ及びモニタに出力するためにDA変換処理等を行うものである。
指示装置4は、操作部7を介して受け付けた指示操作に基づいて、光ピックアップ装置1及び駆動装置5の動作を制御するものであって、システムコントローラ41、及びドライバ42を備えている。システムコントローラ41は、操作部7からの情報を受け付けてDSP32に伝送すると共に、DSP32からの情報を表示部6に伝送するものである。ドライバ42(駆動ユニット、媒体駆動装置の一部、及び、移動装置の一部に相当する)は、DSP32からの指示に基づいて、光ピックアップ装置1及び駆動装置5の動作を制御するものである。
駆動装置5は、送りモータ51及びスピンドルモータ52を備える。送りモータ51(移動装置の一部に相当する)は、ドライバ42からの指示に基づいて光ピックアップ装置1を光記録媒体2の径方向に移動させるものである。スピンドルモータ52(媒体駆動装置の一部に相当する)は、ドライバ42からの指示に基づいて光記録媒体2を回転駆動するものである。
図2は、本発明の液晶素子を備える光ピックアップ装置の実施形態の一例であり、光ピックアップ装置の光学系を示す概略図である。1は、光ピックアップ装置で、DVDとBDの2種類の光記録媒体2に対して、光ビームを照射して反射光を受光することにより光記録媒体2の記録面21に記録されている情報を読み取ったり、光記録媒体2に光ビームを照射して記録面21に情報を書き込んだりすることを可能とする装置である。なお、光ピックアップ装置1で情報の読み取り等が可能な光記録媒体2の種類及び数は、本実施形態に示す種類及び数に限らず、本発明の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
この光ピックアップ装置1は、第1光源11aと、第2光源11bと、ダイクロプリズム12と、コリメートレンズ13と、ビームスプリッタ14と、立ち上げミラー15と、液晶素子16と、対物レンズ17と、検出レンズ18と、光検出器19と、を備えている。以下に、光ピックアップ装置1を構成する各光学部材の詳細を説明する。
第1光源11aは、DVDに対応する650nm帯の光ビームを出射できる半導体レーザで、第2光源11bは、BDに対応する405nm帯の光ビームを出射できる半導体レーザである。なお、本実施形態では、光源2、3として、単一の波長の光ビームのみを出射する半導体レーザを用いているがこれに限られる趣旨ではなく、例えば、2種類の波長の光ビームを出射できるように2つの発光点を有する2波長一体型の半導体レーザを用いても構わない。
ダイクロプリズム12は、DVD用の光ビームを出射する第1光源11aから出射される光ビームを透過し、BD用の光ビームを出射する第2光源11bから出射される光ビームを反射する。そして、第1光源11a及び第2光源11bから出射される光ビームの光軸を一致させる。ダイクロプリズム12において、透過又は反射された光ビームは、コリメートレンズ13に送られる。
コリメートレンズ13は、ダイクロプリズム12を通過した光ビームを平行光に変換する。ここで、平行光とは、第1光源11a及び第2光源11bから出射された光ビームの全ての光路が光軸とほぼ平行である光をいう。コリメートレンズ13で平行光とされた光ビームは、ビームスプリッタ14に送られる。
ビームスプリッタ14は、入射する光ビームを分離する光分離素子として機能し、コリメートレンズ13から送られてきた光ビームを透過して、光記録媒体2側へと導くとともに、光記録媒体2で反射された反射光を反射して光検出器19側へと導く。ビームスプリッタ14を透過した光ビームは、立ち上げミラー15に送られる。
立ち上げミラー15は、ビームスプリッタ14を透過してきた光ビームを反射して光記録媒体2へと導く。立ち上げミラー15は、ビームスプリッタ14からの光ビームの光軸に対して45°傾いた状態となっており、立ち上げミラー15で反射された光ビームの光軸は、光記録媒体2の記録面21と略直交する。立ち上げミラー15で反射された光ビームは、液晶素子16に送られる。
液晶素子16は、透明電極に挟まれた液晶(いずれも図示せず)に電圧を印加することで、液晶分子がその配向方向を変える性質を利用して、屈折率の変化を制御し、液晶素子6を透過する光ビームの位相の制御を可能とする素子である。この液晶素子16を配置することによって、光記録媒体2の記録面21を保護する保護層の厚みの違い等によって生じる球面収差の補正が可能となる。本実施形態においては、DVD用の光源(第1光源11a)から出射される光ビームについて、球面収差の補正が可能とされている。なお、液晶素子16の詳細については後述する。液晶素子16を通過した光ビームは対物レンズ17へと送られる。
対物レンズ17は、液晶素子16を透過した光ビームを光記録媒体2の記録面21上に集光させる。本実施形態における対物レンズ17は、BD用の光源(第2光源11b)から出射される光ビームについて、球面収差を発生しないように設計されている。この場合、DVD用の光源(第1光源11a)から出射されて対物レンズ17を透過する光ビームは球面収差を発生する。このため、光ピックアップ装置1の光学系中には、上述の液晶素子16が配置され、球面収差を補正できるようになっている。また、対物レンズ17は図示しない対物レンズアクチュエータによって、例えば、図2の上下方向および左右方向に移動可能とされており、フォーカスサーボ信号及びトラッキングサーボ信号に基づいてその位置が制御される。
なお、本実施形態においては、液晶素子16も対物レンズ17と共に移動できるように、対物レンズアクチュエータに搭載されている。ただし、液晶素子16は、必ずしも対物レンズアクチュエータに搭載する必要はなく、光学系の構成に応じて、その構成は変更可能である。
光記録媒体2で反射された反射光は、対物レンズ17、液晶素子16の順に通過し、立ち上げミラー15で反射された後、更にビームスプリッタ14で反射されて、検出レンズ18によって光検出器19上に設けられる図示しない受光部へと集光される。
光検出器19は、受光した光情報を電気信号に変換して、例えば、図示しないRFアンプ等に出力する。そして、この電気信号は、記録面21に記録されているデータの再生信号として、更には、フォーカス制御やトラッキング制御を行うためのサーボ信号として用いられる。
次に、本実施形態の光ピックアップ装置1が備える液晶素子16の構成について説明する。図3は、光ピックアップ装置1が備える液晶素子16の構成を説明するための模式図である。図3に示すように、液晶素子16は、液晶160と、液晶160を挟む2枚の透明電極161、162(第1透明電極161と第2透明電極162)と、液晶160と透明電極161、162とで形成される部分を挟む2枚のガラス板164と、を備えている。なお、図中の矢印LBはレーザービームの進行方向を示している。
液晶160は、両端に電圧を印加することにより内部の液晶分子の配向が変化し、これに伴い屈折率が変化する性質を有する。このため、液晶内部を透過する光ビームは、液晶160の屈折率の変化に従って光路差に変化を生じ、光路差の変化分に相当する位相差を発生する。透明電極161、162はITO等を素材として構成され、光透過性を有する。また、透明電極161、162はガラス板164上に形成保持されている。なお、透明電極161、162からは配線(不図示)が引き出され、この配線は液晶素子16に印加する電圧を制御する図示しない回路基板(以下、単に回路基板と記載する)上に設けられる電極と電気的に接続される。
図4は、液晶素子16が備える第1透明電極161の電極パターンの構成を説明するための図で、図4(a)は第1透明電極161を上方より見た場合の上面図である。また図4(b)は第1透明電極161をZ1’−Z1’断面より見た場合の側面図である。同様に、図5は液晶素子16が備える第2透明電極162の電極パターンの構成を説明するための図で、図5(a)は第2透明電極162を上方より見た場合の上面図である。また図5(b)は第2透明電極162をZ2’−Z2’断面より見た場合の側面図である。
図6は、パターン形成された第1透明電極161と第2透明電極162との位置関係を示す図である。図6は、図4で示されるZ1−Z1’断面において液晶素子16を側面より見た側面図である。図6に示すように、第1透明電極161は複数の電極A161aから構成されている。同様に、第2透明電極162は複数の電極B162aから構成されている。図6に示す例では、一つの電極A161aに対向する電極として、二つの電極B162aが配置されている。そして、一つの電極A161aと、それに対向する二つの電極B162aとより構成される区画をセグメント165とする。
次に、本実施形態の液晶素子16に対して駆動電圧(電位)を印加するための装置構成について説明する。図7は、液晶素子16に電気的に接続された部材及び回路を模式的に表したブロック図である。液晶素子16に駆動電圧を印加するための装置としては、液晶制御部60、電極群A用駆動制御部61、電極群B用駆動制御部62、液晶ドライバ63が存在する。
なお、図7に示すように、液晶素子16の中心(地点Z1)にもっとも近いセグメント165を第1セグメントとした場合、第1セグメントから外縁部(地点Z1’)へ任意の数だけ離れた位置に存在するセグメントを第mセグメントと表す。第mセグメントにおいて存在する電極A161aを電極Am、第mセグメントにおいて電極Amに対向する電極B162aを電極Bn及び電極B(n+1)とする。なお本実施例においては電極A161aに対向する電極B162aは二つであるが、これとは異なる数の電極B162aが電極A161aに対向して配置されていたとしても構わない。
液晶制御部60は、第1透明電極161および第2透明電極162の各電極を駆動するための駆動電圧の値を電極単位で算出し、液晶ドライバ63に対して制御信号を送出するための制御部である。制御信号を受けた液晶ドライバ63は、受信した制御信号の内容をもとに、各電極に対して駆動信号の送信を行う。なお、本実施例においては、一つの電極に対して一つの液晶ドライバ63を接続するように示しているが、複数の電極に対して一つの液晶ドライバ63を接続することにより、複数の電極に対して同一の駆動信号を送信することも可能である。
液晶制御部60は、第1透明電極161を駆動するための駆動電圧の値を算出する電極群A用駆動制御部61と、第2透明電極162を駆動するための駆動電圧の値を算出する電極群B用駆動制御部62とから構成されている。電極群A用駆動制御部61は、現在装着されている光記録媒体2の種類、光ピックアップ装置1により光ビームが照射される光記録媒体2の現在層(多層ディスクの場合のみ)、および液晶素子16の温度等の状況をもとに、各電極に印加する駆動電圧の値を決定する。
図8は、電極群A用駆動制御部61が駆動電圧の値を算出する際に参照する設定値テーブルの一例である(数値は全てサンプル)。ディスク(光記録媒体2)の種別、現在層、液晶素子温度ごとに、各電極を駆動するための設定値が記憶されている。例えばディスク種別がBD、現在層がLayer0、液晶素子温度が30度の場合、テーブルの上から第二行のデータをもとに、各電極Aに対して印加する駆動電圧の値を取得する。上記の例では、電極A1に対して0、電極A2に対して50といった値が取得されることとなる。
次に、電極群B用駆動制御部62が各電極に印加する駆動電圧の値を算出するための処理方法について、図9のフロー図を用いて説明する。ただし電極群Bの駆動電圧の決定処理は、電極Bnおよび電極B(n+1)が位置する領域によって、電極毎に処理方法が異なる。このため、処理の分岐要因となる領域の区分について、先に図10及び図11を用いて説明する。
図10は、液晶素子半径と補正すべき位相補正量との関係について示した図である。図11は、位相補正量と駆動電圧との関係について示した図である。図10(a)から図10(c)においては、X軸が液晶素子半径、Y軸が位相補正量を示している。図10(a)のグラフ71は、液晶素子半径の変化に伴う、補正すべき位相補正量の変化を示したグラフである。グラフ81は、後述するグラフ82とグラフ83との値を加算したグラフであり、液晶素子16全体としての位相補正量を示している。
図10(b)のグラフ82は、電極群Aによる位相補正量を示したグラフである。電極Amで補正する位相補正量をa(m)とした場合、Y軸の原点が、電極群Aによる位相補正量の基準量であるa(0)を示すこととなる。また図10(c)のグラフ83は、電極群Bによる位相補正量を示したグラフである。グラフ82と同様、電極Bnで補正する位相補正量をb(n)とした場合、Y軸の原点が、電極群Bによる位相補正量の基準量であるb(0)を示すこととなる。
図10の(a)から(c)に示すように、各グラフは三つの領域に分割することが可能である。領域αは、電極群Aによる位相補正量が、液晶素子半径の増加に伴い大きくなる領域(グラフ81が右上がりになる領域)である。領域βは、電極群Aによる位相補正量が最大となる領域であり、実際には一つの電極Amのみがこの領域βに存在することとなる。領域γは、電極群Aによる位相補正量が、液晶素子半径の増加に伴い小さくなる領域(グラフ81が右下がりになる領域)である。これらの領域毎に、電極群B用駆動制御部62が、電極Bnおよび電極B(n+1)に対する駆動電圧の値を算出するための処理方法が異なる。
図11は、位相補正量と駆動電圧の関係を示した図で、X軸が駆動電圧、Y軸が位相補正量を示している。図11のグラフ91は、駆動電圧の変化に伴う、駆動電圧により補正される位相補正量の変化を示したグラフである。図中のVa(m)は電極Amに印加する電圧を、Vb(n)は電極Bnに印加する駆動電圧を示している。また、Va(0)は、図10においてa(0)の位相補正を行うための駆動電圧を示したものであり、駆動電圧の基準量となっている(Vb(0)についても同様である)。
次に、電極群A用駆動制御部61及び電極群B用駆動制御部62が各電極に対して印加する駆動電圧の値を算出するための処理フローを、図9のフロー図を用いて説明する。まず電極群A用駆動制御部61は、ディスク種別、現在層、液晶素子温度を取得し(S110)、それらの情報をもとに、電極群Aの各電極に対して印加する駆動電圧の値を、前記図8の設定値テーブルより取得する(S120)。
なお電極群Aは、前述の図6において示している電極A161aの集合であり、液晶素子16の中心(図4の地点Z1)に最も近い電極A161aを電極A1として、そこから外縁部(図4の地点Z1’)に向かって電極A2,電極A3…電極Am(mは1以上の自然数)と続いていく電極群である。一つのセグメント165に対して、一つの電極A161aが存在するため、セグメントmに存在する電極Aは電極Amと表すことが可能である。
電極群Aに印加する各駆動電圧の決定することにより電極群A用駆動制御部61は処理を終了し、次に電極群B用駆動制御部62が行う処理に移行する。電極群B用駆動制御部62は、セグメント番号(m)の初期化(m=1)を行う(S130)。そして、電極Amの位相補正量が、液晶素子半径(図4の地点Z1から電極Amまでの距離)の増加に伴い、どのように変化しているかを図10(b)のグラフを用いて判別し、電極Amが配置されている領域(領域α〜領域γ)を判別する(S140)。そして判別した領域をもとに、分岐して処理を行う(S150)。
電極Amが配置されている領域が領域αである場合、パラメータm’にm+1の値を代入した上で、電極Amと電極Am’との駆動電圧差であるΔVa(m)を、次の数式(1)を用いて算出する(S160a)。
ΔVa(m)=Va(m’) −Va(m) (1)
そして得られたΔVa(m)より、電極Amに対向している電極Bnおよび電極B(n+1)に印加する駆動電圧(それぞれVb(n)、Vb(n+1)とする)を、次の数式(2)及び数式(3)を用いて算出する(S170a)。なお、xは一つの電極Aに対向する電極Bの数(本実施形態ではx=2)である。
Vb(n)=Vb(0) (2)
Vb(n+1)=ΔVa(m)/x+Vb(0) (3)
ΔVa(m)=Va(m’) −Va(m) (1)
そして得られたΔVa(m)より、電極Amに対向している電極Bnおよび電極B(n+1)に印加する駆動電圧(それぞれVb(n)、Vb(n+1)とする)を、次の数式(2)及び数式(3)を用いて算出する(S170a)。なお、xは一つの電極Aに対向する電極Bの数(本実施形態ではx=2)である。
Vb(n)=Vb(0) (2)
Vb(n+1)=ΔVa(m)/x+Vb(0) (3)
電極Amが配置されている領域が領域βである場合、パラメータm’にmの値を代入した上で、電極Amと電極Am’との駆動電圧差であるΔVa(m)を、次の数式(1)を用いて算出する(S160b)。
ΔVa(m)=Va(m’) −Va(m) (1)
そして得られたΔVa(m)より、電極Amに対向している電極Bnおよび電極B(n+1)に印加される駆動電圧(それぞれVb(n)、Vb(n+1)とする)を、次の数式(2)及び数式(3)を用いて算出する(S170b)。
Vb(n)=Vb(0) (2)
Vb(n+1)=ΔVa(m)/x+Vb(0) (3)
ΔVa(m)=Va(m’) −Va(m) (1)
そして得られたΔVa(m)より、電極Amに対向している電極Bnおよび電極B(n+1)に印加される駆動電圧(それぞれVb(n)、Vb(n+1)とする)を、次の数式(2)及び数式(3)を用いて算出する(S170b)。
Vb(n)=Vb(0) (2)
Vb(n+1)=ΔVa(m)/x+Vb(0) (3)
電極Amが配置されている領域が領域γである場合、パラメータm’にm−1の値を代入した上で、電極Amと電極Am’との駆動電圧差であるΔVa(m)を、次の数式(1)を用いて算出する(S160c)。
ΔVa(m)=Va(m’) −Va(m) (1)
そして得られたΔVa(m)より、電極Amに対向している電極Bnおよび電極B(n+1)に印加される駆動電圧(それぞれVb(n)、Vb(n+1)とする)を、次の数式(2’)及び数式(3’)を用いて算出する(S170c)。
Vb(n)=ΔVa(m)/x+Vb(0) (2’)
Vb(n+1)=Vb(0) (3’)
ΔVa(m)=Va(m’) −Va(m) (1)
そして得られたΔVa(m)より、電極Amに対向している電極Bnおよび電極B(n+1)に印加される駆動電圧(それぞれVb(n)、Vb(n+1)とする)を、次の数式(2’)及び数式(3’)を用いて算出する(S170c)。
Vb(n)=ΔVa(m)/x+Vb(0) (2’)
Vb(n+1)=Vb(0) (3’)
上記三つの分岐処理のいずれかによりVb(n)及びVb(n+1)の値の算出を行った後、電極群B用駆動制御部62は、全セグメントの電極Bについて駆動電圧の算出を行ったかのチェックを行う(S180)。全セグメントに対して処理を完了していない場合、パラメータmに1を加算した後(S185)、前記の処理S140に移行し、再度、電極Bの駆動電圧の算出処理を行う。逆に全セグメントに対して処理を完了している場合、算出した各駆動電圧の値を液晶ドライバ63に設定し(S190)、本処理を終了する。
以上のように、電極群A用駆動制御部61と電極群B用駆動制御部62とを用いて液晶素子16の各電極に対する駆動電圧を設定した場合の作用について、図10を用いて説明する。従来のように、電極群Bのすべての分割電極に同量の駆動電圧を印加した場合、電極A1から電極A2に移行した際の位相補正量の変化ステップ(St)は図10(b)のグラフ82に示すようにSt1(St1=a(2)−a(1))となる。
一方、本発明の上記実施形態においては、電極群Bの分割電極毎に算出した駆動電圧を各分割電極に印加することにより、電極A1から電極A2に移行した際の位相変化ステップは図10(a)のグラフ81に示すようにSt2(St2=St1−St3、St3=b(2))となる。つまり、位相補正量の変化ステップを半分に低減できるため、より補正すべき位相量(グラフ71)に近い変化ステップとなる。これにより、光記憶媒体において生じる収差の量を、従来の構成に比べて低減させることが可能となる。
以上、好ましい実施の形態及び実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
例えば前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、ディスクプレイヤ100に供給し、そのディスクプレイヤ100内のコンピュータ(例えばCPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が、前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
なお、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク、HDD、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
また、以上に示した実施形態では、電極Bnおよび電極B(n+1)に印加される駆動電圧を、数式(2)及び数式(3)、或いは数式(2’)及び数式(3’)を用いて算出しているが、算出方法は必ずしもこの数式に限定されるものではなく、以下の条件式を満たす限りにおいて、算出方法を変更しても構わない。
Amが領域α或いは領域βに位置する場合。
Vb(n+1) ≦ΔVa(m’) (4)
Vb(n+1)−Vb(0) ≦ΔVa(m’)−ΔVa(m) (5)
Amが領域γに位置する場合。
Vb(n) ≦ΔVa(m’) (4’)
Vb(n)−Vb(0) ≦ΔVa(m’)−ΔVa(m) (5’)
Amが領域α或いは領域βに位置する場合。
Vb(n+1) ≦ΔVa(m’) (4)
Vb(n+1)−Vb(0) ≦ΔVa(m’)−ΔVa(m) (5)
Amが領域γに位置する場合。
Vb(n) ≦ΔVa(m’) (4’)
Vb(n)−Vb(0) ≦ΔVa(m’)−ΔVa(m) (5’)
また、以上に示した実施形態では、電極群Bを駆動する液晶ドライバ63が電極B162aの数だけ存在しており(図7参照)、電極群B用駆動制御部62は、各電極B162aに対して個々に駆動電圧値を算出している。しかしながら、例えば各電極B162aに対する駆動電圧値の平均を算出すること等により、全て或いは一部の電極B162aに対して同一の駆動電圧値を加える処理方法であってもよい。この場合、電極群Bに対する液晶ドライバ63の数を減らすことができるため、装置数および装置にかかるコストを低減することが可能である。
また、以上に示した実施形態では、電極群Aの位相シフト領域の数を6領域(図10の例では14領域)、電極Aに対向する電極Bの位相シフト領域の数を2領域とした場合について示しているが、この数に限定されず、球面収差の補正が可能であって、例えば装置サイズ及び製造コストの要求等を満たす範囲で、位相シフト領域の数は種々の変更が可能である。
例えば、領域αに配置された電極Aに対向する電極Bの位相シフト領域の数がxである場合、一つのセグメントにおけるp番目の電極Bである電極B(p)に印加される電圧を、次の数式(6)により算出してもよい。
Vb(p) =(ΔVa(m)/x)(p―1) + Vb(0) (6)
Vb(p) =(ΔVa(m)/x)(p―1) + Vb(0) (6)
その他、以上に示した実施形態では、液晶素子16はDVD用の光ビームについて生じる球面収差の補正を行う目的で使用されているが、本発明の液晶素子16は、DVD以外の様々な光記録媒体を再生等する場合に生じる球面収差の補正を行う液晶素子としても適用できるし、球面収差に限らず他の波面収差を補正する液晶素子としても適用できる。また、光ピックアップ装置に限らず、収差の補正が必要な光学装置にも適用可能である。
100 ディスクプレイヤ(情報再生装置)
1 光ピックアップ装置
16 液晶ユニット(収差補正装置の一部)
161 第1透明電極
162 第2透明電極
163 液晶
17 レンズユニット
60 液晶制御部(制御ユニット)
62 電極群B用駆動制御部(第2透明電極制御手段)
63 液晶ドライバ(駆動ユニット)
1 光ピックアップ装置
16 液晶ユニット(収差補正装置の一部)
161 第1透明電極
162 第2透明電極
163 液晶
17 レンズユニット
60 液晶制御部(制御ユニット)
62 電極群B用駆動制御部(第2透明電極制御手段)
63 液晶ドライバ(駆動ユニット)
Claims (6)
- 第1分割数に同心円状に分割された平板状の第1透明電極と、前記第1透明分割数より大きい第2分割数に同心円状に分割された平板状の第2透明電極と、前記第1透明電極と前記第2透明電極との間に挟持され、入射する光ビームに対して所定の電位に対応した位相差を生じさせる液晶と、を有する液晶ユニットと、
前記液晶ユニットを透過した光ビームを所定の集光位置に集光するレンズユニットと、
前記第1透明電極及び前記第2透明電極を構成する分割電極毎に、前記光ビームの収差を補正するべく所定の電位を印加する駆動ユニットと、
前記駆動ユニットを制御する制御ユニットと
を備えた収差補正装置であって、
前記制御ユニットは、
前記第1透明電極及び第2透明電極を構成する分割電極毎に、印加する電位を求める電位算出手段と、
前記電位算出手段において、隣接する分割電極間における位相補正量の差異が、前記第2透明電極のすべての分割電極に同量の電位を印加した場合と比較してより小さくなるように、前記第2透明電極を構成する分割電極毎に印加する電位を求める第2透明電極制御手段と
を備えていることを特徴とする収差補正装置。 - 前記第2透明電極制御手段において、前記第1透明電極を構成する分割電極を電極Am(mは1以上の自然数)とし、前記第2透明電極を構成する分割電極であり前記電極Amに対向する分割電極を電極Bn(nは1以上の自然数)とし、前記電極Amに隣接する分割電極を電極Am’とし、前記電極Amで補正される位相補正量をa(m)とし、前記電極Am’で補正される位相補正量をa(m’)とし、前記電極Bnで補正される位相補正量をb(n)とし、前記第2透明電極により補正される位相補正量の基準量をb(0)とした場合に、b(n)とb(0)との差異がa(m’)とa(m)との差異よりも小さくなるように前記第2透明電極の分割電極毎に印加する電位を求めること
を特徴とする請求項1に記載の収差補正装置。 - 前記第2透明電極制御手段において、前記a(m’)と前記a(m)との差異を算出し、算出された値を、前記電極Amに対向する前記第2透明電極の分割電極の電極数で除算することにより、前記電極Bnにおける位相補正量と電極Bn’(電極Bn’は電極Bnに隣接する分割電極)における位相補正量との差を算出し、算出された値をもとに前記第2透明電極の分割電極毎に印加する電位を求めること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の収差補正装置。 - 光記録媒体に光ビームを照射して、光記録媒体に記録された情報の読み出し及び光記録媒体への情報の書き込みの少なくとも一方を行う光ピックアップ装置であって、
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の収差補正装置を備えることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の収差補正装置を有し、光記録媒体に光ビームを照射して、光記録媒体に記録された情報の読み出しを行う光ピックアップ装置と、
前記光記録媒体を回転駆動する媒体駆動装置と、
前記光ピックアップ装置を前記光記録媒体の径方向に移動させる移動装置と、
前記光ピックアップ装置を介して、光記録媒体に記録された情報を取得し、再生する出力装置と
を備えることを特徴とする情報再生装置。 - 第1分割数に同心円状に分割された平板状の第1透明電極と、
前記第1分割数より大きい第2分割数に同心円状に分割された平板状の第2透明電極と、
前記第1透明電極と第2透明電極との間に挟持され、入射する光ビームに対して前記所定の電位に対応した位相差を生じさせる液晶と、
を有する液晶ユニットと、
前記液晶ユニットを透過した光ビームを所定の集光位置に集光するレンズユニットと、
前記第1透明電極及び第2透明電極を構成する分割電極毎に、前記光ビームの収差を補正するべく所定の電位を印加する駆動ユニットと、
前記駆動ユニットを制御するコンピュータと、
を備えた収差補正装置において、前記駆動ユニットを制御する収差補正プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記第1透明電極及び第2透明電極を構成する分割電極毎に、印加する電位を求める電位算出手段と、
前記電位算出手段において、隣接する分割電極間における位相補正量の差異が、前記第2透明電極のすべての分割電極に同量の電位を印加した場合と比較してより小さくなるように、前記第2透明電極を構成する分割電極毎に印加する電位を求める第2透明電極制御手段と
して機能させることを特徴とする収差補正プログラム。
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