JP2007279133A - 観察光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安価でありながら操作感が良好な、回転繰り出し、繰込み式目当て機構を有する観察光学装置を提供する。
【解決手段】 接眼鏡筒の外面に目当て部を、回転しながら光軸と平行な方向に移動させる繰り出し機構を有する観察光学装置であって、該繰り出し機構は、複数個の別部品であるカムフォロアと接眼鏡筒に設けた突起部と目当て部に設けたカム溝とを有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、観察光学装置、特に回転繰り出し目当て部を有する観察光学装置に関するものである。
従来より、双眼鏡の接眼部の縁には、接眼レンズよりも観察者側に突出した筒状の目当てが取り付けられている。目当ては、双眼鏡を覗いている観察者の目の周囲の顔面に当接することにより、不要光の遮蔽および接眼レンズと観察者の眼との間隔を保つ。
これにより、双眼鏡の瞳ができる位置を観察者の眼の位置にほぼ一致させ、広い視野で安定した像を観察可能にする。
観察者が眼鏡等を使用している場合に目当てがあると、眼鏡に接触して接眼レンズと観察者の眼との間隔が離れすぎてしまう。
公知の技術として、目当ては、回転繰り出し、回転繰り込み機構を採用するか、もしくは折り返し可能な構造に構成されている。目当てカム筒は、光軸を中心に螺旋を描く螺旋溝を対向する位置に2ヶ所有した構造が提案されている(例えば特許文献1)。
これは螺旋溝に、対向方向に取り付けた2本のカムピンの頭が挿入されている。これにより、目当てカム筒を観察者が回転させると、螺旋溝が2本のカムピンによりガイドされながら回動する。よって、回転角に応じた量だけ目当てカム筒は光軸方向に移動する。
したがって、接眼ラバーで覆われた目当てカム筒を光軸方向に繰り出しおよび繰り込みすることができ、繰り出し式目当てを実現することができる。
特開2001−194593号公報
ここで、従来の繰り出し、繰込み機構タイプの目当ての一例としてカムフォロアを対向方向に2ヶ所配設した場合は接眼鏡筒を成型加工する金型が安価な2方向割で可能である。しかしながら、上記の目当て部では、目当てカムを回転、移動時、対向に配設したカムフォロアに対して90°位相を回転した方向で、目当て部の倒れが発生し易かった。
また別の繰り出し、繰込み機構タイプの目当てとして、カムフォロアを等分3ヶ所に、配設した構造では、回転時のガタが少なく目当て部を回動、移動可能であるが、接眼鏡筒8を成型加工する金型が複雑な、3方向割となりコストアップの要因となる。
一方簡単な為一般的に使用されている、折り返し式目当ゴム機構では眼鏡を必要とする、観察者は像を観察する際は、目当てゴムを折り返して接眼レンズと眼球を所定の距離に設定する事で、良好な像を観察できる様になる。しかし、個人の顔形状の差により最適なアイポイントに合わせられない場合もあった。また、不要光が眼球に入射しやすく観察時に不要光影響を受ける事があるという問題点があった。
そこで、本発明の目的は、操作感が良好で裸眼又は、眼鏡を必要とする観察者のいずれに対しても、観察像が良好に見え、操作感に優れ、更にコストを安価にすることのできる観察光学装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、接眼鏡筒の外面に目当て部を、回転しながら光軸と平行な方向に移動させる繰り出し機構を有する観察光学装置であって、該機構は、複数個の別部品であるカムフォロアと接眼鏡筒に設けた突起部と目当て部に設けたカム溝とを有する構成としている。ここで、接眼鏡筒に設けた突起部はカムフォロアに対しほぼ90°位相を回転した位置に配設する。また、接眼鏡筒は2方向外形スライド型で成型され、該鏡筒に設けた突起部は、該外形スライド駒のパーティングライン部に形成され1方は外形スライド1側、他方は外形スライド2側で形成する。
以上、本発明によれば、回転繰り出し、繰込み式、目当て部の構造を構成する部品点数削減し金型等の設備額を削減した上で、高品位でガタの少ない機構が実現される。
また、同様の構成を採用することで、撮影装置のファインダー部等の観察系接眼レンズを有する光学装置全般にて上記効果を適用できる。
以下に、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1は双眼鏡を上面からみた図である。図2は双眼鏡の部分断面図で接眼ユニットを示す垂直断面図A−Aである。図3は接眼鏡筒3を対物側から見た正面図である。図4は接眼鏡筒3を側面から見た側面図である。図5は接眼鏡筒3に目当て筒8を組付けカムフォロア9a、カムフォロア9bを組付けた接眼鏡筒ユニットである。図6は図5の接眼ユニットの断面図でカムフォロア9bの組付け位置を詳細に示す垂直断面である。図7は図5の垂直断面図C−Cである。図8は目当て筒L8の外面展開図、図9は接眼鏡筒ユニットの組立て手順を示す斜視図である。
以下に、各図面を用いて詳細に説明する。
図1において、1は双眼鏡本体を示している。双眼鏡本体1内には、左右一対の対物レンズ100R、100Lをそれぞれ保持した一対の対物レンズ保持鏡筒101R、101Lが所定の間隔に保持されている。50はフォーカスダイヤルであり、フォーカスダイヤル50を回転させることにより、対物レンズ保持鏡筒101R、101Lが光軸方向に移動してピント調整が可能となっている。2R、2Lは左右一対の接眼ホルダであり、各接眼ホルダ2R、2Lにはそれぞれ接眼鏡筒3R、3Lおよび目当てラバー4R、4Lが設けられている。
次に図2を用いて接眼ホルダ2R、2Lについて説明する。なお、図面では接眼ホルダ2Lのみを図示しているが、接眼ホルダ2Rも同一の構造でありその説明を省略する。
接眼ホルダ2は、黒色の樹脂材料を成型加工した部品で内部には正立プリズム(図示省略)の保持と接眼鏡筒3を保持する雌ネジヘリコイド部が設けてある。
本実施例においては、接眼ホルダ2の材料は黒色の樹脂材料を選択したが、これに限定するものではなく、アルミダイカストやマグネシュームなどの金属材料を採用してもよい。また、材料色についてもナチュラル色の樹脂材料で反射防止の表面処理を行ってもよい。
接眼鏡筒3は、黒色の樹脂材料を成型加工した部品で内部には、複数枚の接眼レンズ(図示省略)を所定の間隔に保持および固定する為の形状が精度良く加工されている。接眼鏡筒3の外形の先端部(対物側)には、接眼ホルダ2にネジ込むための雄ヘリコイドネジ部が所定のピッチで加工されている。
接眼鏡筒3の観察者側には、目当て筒8を保持、回動をガイドする為のカムフォロア9a、9bをねじ込む為の下穴が、上下に2ヶ所、所定の寸法で加工されている。接眼鏡筒3の側面には、目当て筒8を保持、回動をガイドする為の突起部10が設けてある。突起部10の高さ寸法は、目当て筒8の肉厚に対して1/2〜1/3の寸法で精度良く加工してある。接眼鏡筒3を成型加工する金型は、固定型と上下にスライドする可動型の型構造で、型割は図3、図4、図7のパーティングライン(以下、PLと略す)11で上下に可動する構成を用いている。接眼鏡筒3の側面に設けた突起部10は、上下スライド型により形成される。
目当てラバー4は、黒色のシリコンゴムを加工した部品で、目当てラバー4の観察者側には、開口部が設けられ、目当てラバー4は目当て筒8に覆い被せられて装着されている。なお、目当てラバー4の外れ防止として、両面テープや接着剤等を用いて目当て筒8に固定してもよい。目当てラバー4は、目当てラバー4を観察者の眼の周囲の顔面に当接することにより、不要光の遮蔽および接眼レンズと観察者の眼との間隔を保つための部品である。
接眼鏡筒ユニットについて図5から図9を用いて説明する。接眼鏡筒ユニットは、接眼鏡筒3と、目当て筒8とで構成されている。接眼鏡筒3には、目当て筒8を保持し、回転により光軸方向の移動をガイドする上方に組付けたカムフォロア9aと、その対向方向に組付けたカムフォロア9bとを有している。目当て筒8は、金属材料を切削加工した部品、または樹脂材料を成型加工した部品である。目当て筒8の外周には図6、図8に示すように、カムフォロア9aに対応するカム溝20と、カムフォロア9bに対応するカム溝22と、突起部10に対応するカム溝21が精度良く加工されて設けられている。
次に図9を用いて、接眼鏡筒ユニットを構成する接眼鏡筒3、目当て筒8およびカムフォロア9a、9bの組立て手順について説明する。
図9において、紙面、左斜め下が対物側で、紙面、右斜め上側が観察者(眼球)側となる。接眼鏡筒3の最大外径部と目当て筒8の内径部とは、それぞれが摺動面となる寸法に加工されている。
まず、接眼鏡筒ユニットを組立てる際は、接眼鏡筒3の観察者側から目当て筒8を挿入する。このとき、接眼鏡筒3に設けた突起部10と、目当て筒8に設けた切り欠き部25の位相を合わせ、目当て筒8を挿入する。
次に、接眼鏡筒3に対して目当て筒8をCCW(反時計回り)方向に回転させ、外側から見て、目当て筒8に設けたカム溝20、カム溝22と接眼鏡筒8に設けたカムフォロア9a、9bを取り付けるための取り付け穴26a、26b(図9参照)の位相を合せる。カムフォロア9aをカム溝20を介して取り付け穴26aに組付け、カムフォロア9bをカム溝22を介して取り付け穴26bに組付ける。これにより、目当て筒8が接眼鏡筒3に組付けられる。カムフォロア9aとカム溝20、カムフォロア9bとカム溝22は目当て筒8の回動時のガイドと目当て筒8の抜け防止および回動角を規制するストッパーとなる(図8参照)。また、突起部10とカム溝21が対となり、3ヶ所目の回動時のガタ取りとなる。
観察者が双眼鏡をカバンなどに収納する際は、目当てラバー4(接眼鏡筒3)をCW(時計回り)方向に回動する事により、目当てラバー4は、格納状態となる。反対に目当てラバー4をCCW(反時計回り)方向に回動する事で像を観察する際の不要光の遮蔽と、接眼レンズと観察者の眼との間隔を正しく保つ事ができる様になる。
次に、本発明の他の実施の形態の双眼鏡について、断面図および展開図を用いて、以下に説明する。なお、上述の第1の実施の形態と同様の構成についてはその説明および図示を省略し、異なる点についてのみ、以下に説明するものとする。詳細には、接眼鏡筒3に設けた突起部10の個数と位相関係、目当て筒8に設けたカム溝20、カム溝21、カム溝22の個数と位相関係、カムフォロア9a、9bの使用個数と位相関係である。
図10は、接眼鏡筒3に、目当て筒8とカムフォロア9aを組付けたときの垂直断面図である。図11は、目当て筒8の展開図である。
接眼鏡筒3には、対向方向に2ヶ所の突起部10が成型加工されている。また、突起部10に対して90°位相を回転させた位置にカムフォロア9aを挿入する穴が精度良く加工されている。接眼鏡筒3を成型加工する金型は固定型と2方向にスライドする可動型で成型加工する。PL11を境として、接眼鏡筒3に設けた突起部10とカムフォロア取り付け穴が同時に成型加工される。
本実施例では、1箇所のカムフォロア9aとカム溝20、2箇所の突起部10とカム溝21が係合する構成である。
この構成により、部品点数および、組立て工数削減となる。
図12は、接眼鏡筒3に、目当て筒8とカムフォロア9aを組付けたときの垂直断面図である。図13は、目当て筒8の展開図である。
接眼鏡筒3には、対向方向に2ヶ所と90°位相を回転させた位置の合計3ヶ所に突起部10が成型加工されている。また、突起部10に180°位相を回転させた位置にカムフォロア9aを挿入する穴が精度良く加工されている。接眼鏡筒3を成型加工する金型は固定型と2方向にスライドする可動型で成型加工する。PL11を境として、接眼鏡筒3に設けた突起部10とカムフォロア取り付け穴が同時に成型加工される。
本実施例では、1箇所のカムフォロア9aとカム溝20、3箇所の突起部10とカム溝21が係合する構成である。
この構成により、部品点数および、組立て工数削減が可能で4ヶ所のガタ取り部を設ける事ができる。
図14は、接眼鏡筒3に、目当て筒8とカムフォロー9a、9bを組付けたときの垂直断面図である。図15は、目当て筒8の展開図である。
接眼鏡筒3には、対向方向に突起部10が成型加工されている。また、突起部10に90°位相を回転させた位置にカムフォロア9a、9bを挿入する穴が対向方向に2ヶ、精度良く加工されている。接眼鏡筒3を成型加工する金型は固定型と2方向にスライドする可動型で成型加工する。PL11を境として、接眼鏡筒3に設けた突起部10とカムフォロア取り付け穴が同時に成型加工される。
本実施例では、カムフォロア9aとカム溝20、カムフォロア9bとカム溝22、2箇所の突起部10とカム溝21が係合する構成である。
この構成により、目当て筒8の回動および、前後方向の作動4ヶ所のガイド部を構成することができ、ガタの少ない目当て構造を構成できる。
なお、上記の各実施例において、双眼鏡を用いて説明を行ったが双眼鏡に限定するものではなく、図16に示すような、単眼視用のフィールドスコープ60や、単眼視もしくは双眼視の天体望遠鏡や微細な観察物を観察するときに用いる、単眼視もしくは双眼視の顕微鏡等の観察光学装置に搭載可能である。
更に、観察光学装置に限定するものではなく、光学式ファインダー、電子ビューファインダー等を、搭載する電子スチルカメラやビデオカメラ等の電子映像撮影装置の目当て部に搭載してもよい。
本発明の実施例1である双眼鏡の上面図。 実施例1の接眼部の垂直断面図。 実施例1の接眼鏡筒の正面図。 実施例1の接眼鏡筒の側面図。 実施例1の接眼鏡筒ユニットの側面図。 実施例1の接眼鏡筒ユニットの垂直断面図。 図5の接眼鏡筒ユニットの断面図。 実施例1の目当て筒の展開図。 実施例1の接眼鏡筒ユニットの分解斜視図。 実施例2の接眼鏡筒ユニットの断面図。 実施例2の目当て筒の展開図。 実施例3の接眼鏡筒ユニットの断面図。 実施例3の目当て筒の展開図。 実施例4の接眼鏡筒ユニットの断面図。 実施例4の目当て筒の展開図。 本発明の実施例を適用した観察光学装置を示す図。
符号の説明
1 双眼鏡本体
2R、2L 接眼鏡筒ホルダ
3R、3L 接眼鏡筒
8R、8L 目当て筒
9a、9b、9c カムフォロア
10 突起部
11 パーティングライン
20、21、22 カム溝

Claims (3)

  1. 接眼鏡筒の外面に配置した目当て部を、回転しながら光軸と平行な方向に移動させる繰り出し機構を有する観察光学装置であって、該繰り出し機構は、複数個の別部品であるカムフォロアと接眼鏡筒に設けた突起部と目当て部に設けたカム溝とを有することを特徴とする観察光学装置。
  2. 複数個のカムフォロアは、対向方向2箇所に配設され、接眼鏡筒に設けた突起部はカムフォロアの位相と異なる位置に配設した事を特徴とする請求項1に記載の観察光学装置。
  3. 接眼鏡筒は2方向外形スライド型で成型され、該鏡筒に設けた突起部は、該外形スライド駒のパーティングライン部に形成され1方は外形スライド1側、他方は外形スライド2側で形成される事を特徴とする請求項2に記載の観察光学装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20100149645A1 (en) * 2008-12-11 2010-06-17 Canon Kabushiki Kaisha Optical observation apparatus
WO2019049417A1 (ja) * 2017-09-07 2019-03-14 株式会社ニコンビジョン 目当て構造、目当て構造の製造方法、光学機器、及び光学機器の製造方法

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