JP7350626B2 - 光学機器 - Google Patents

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Description

本発明は、光学機器に関する。
対物光学系と接眼光学系の間に正立光学系を有する光学機器では、対物光学系の光軸と接眼光学系の光軸を一致させる必要があるため、正立光学系の位置調整が必要となる。
特許文献1では、一対のポロプリズムを有する双眼鏡において、ポロプリズムをプリズムベースに載置するための載置部の近傍に接着剤用の凹部が設けられ、その凹部に接着剤を注入し、ポロプリズムを固定することが開示されている。
実用新案登録第2536275号公報
しかしながら、特許文献1では、ポロプリズムの前後に対物光学系と接眼光学系を接続すると、凹部に接着剤を注入することが困難である。更にポロプリズムの接着後に高精度にポロプリズムの調整をすることも困難である。また、一方のポロプリズムから他方へ入射する光が通過する開口孔の近くに凹部が設けられており、開口孔に接着剤が流れ込まないように開口孔と凹部には十分な隙間が必要であり、構成が大型化してしまう。
本発明の目的は、ポロプリズムを高精度に調整可能とする小型な光学機器を提供することである。
本発明の光学機器は、対物光学系と、接眼光学系と、夫々が一つの透過面と二つの反射面と該二つの反射面に垂直な側面とを有し、前記対物光学系からの光を前記接眼光学系に導く一対のプリズムと、夫々の前記プリズムを囲う外壁部と、前記外壁部と一体的に形成され夫々の前記プリズムの前記側面が当接する第1の当接部と、夫々の前記プリズムの前記透過面が当接する第2の当接部とを有するベースとを備え、前記第1の当接部は、前記外壁部に形成された凸形状であり、前記外壁部には、前記第1の当接部と前記側面との間に接着剤を注入するための開口が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、ポロプリズムを高精度に調整可能とする小型な光学機器を提供することができる。
実施例の双眼鏡(光学機器)の外観斜視図である。 実施例の双眼鏡の断面図である。 図2の破断線III-IIIにおける断面図である。 図3の破断線IV-IVにおける断面図である。 正立光学系の構成を対物側から見た分解斜視図である。 正立光学系の構成を接眼側から見た分解斜視図である。 正立光学系の構成を対物側から見た図である。 プリズムベース9を対物側から見た図である。 (A)図7の破断線IX-IXにおける断面図である。(B)は拡大図である。 図7の破断線X-Xにおける断面図である。 図7のXI方向から見た図である。 図7のXII方向から見た図である。 変形例の正立光学系の構成を対物側から見た図である。 図13の破断線XIV-XIVにおける断面図である。
以下、本発明の実施をするための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図における同一の部材については、同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
(実施例)
図1は、実施例の双眼鏡(光学機器)の外観斜視図である。双眼鏡は、左右一対の対物光学系、左右一対の正立光学系、及び左右一対の接眼光学系を有する。左側と右側は双眼鏡を観察する両眼の左右に対応している。また本発明の図面において、双眼鏡によって観察する物体側を前側ともいい、観察者(ユーザ)側を後側ともいう。なお、左側と右側の光学及び構成は基本的に同じであるが、左右を分けて説明する場合には、部材番号の末尾にLが付された部材は左側の部材を示し、部材番号の末尾にRが付された部材は右側の部材を示す。左右の部材に差がない場合には、部材番号の末尾のL、Rの記載を省略する。
図1において、左眼に対応する左側の対物光学系の光軸OLと右眼に対応する右側の対物光学系の光軸ORは平行であり、また、光軸OLと光軸ORの間隔が左側の接眼光学系の光軸ELと右側の接眼光学系の光軸ERの間隔と同一である状態が示されている。以下の説明において、対物光学系の光軸OL、ORを対物光軸とし、接眼光学系の光軸EL、ERを接眼光軸とする。また、対物光軸(又は接眼光軸)が離間している方向を左右方向(第1の方向)とし、各光軸が延びる方向を光軸方向(第2の方向)とする。光軸方向及び左右方向に直交する方向のうち図1に示すように正姿勢にある双眼鏡の上面側を上側とし、下面側を下側とする。
本発明の双眼鏡において、上カバー1と下カバー2は、左右の対物光学系を収容すると共に、その前側の端部で対物カバー3と保護ゴム4を保持する。保護ゴム4は、保護ゴム4自身の弾性にて双眼鏡の落下等による内部への衝撃を緩和する。図2は、図1に示された双眼鏡を光軸OL、光軸ELを共に含む平面における断面図であり、左側の光学系を示している。接眼ベース部材14は、固定ビス(不図示)により上カバー1に固定され、後述する眼幅調整を行う機構やピント合わせを行う機構を収容し、左右の正立光学系と接眼光学系を含む左右の接眼ユニット13L、13Rを支持している。
図2を用いて、双眼鏡の左側の構成について説明するが右側の構成も同じである。対物光学系として、対物レンズL1Lが備えられている。正立光学系として、一対のポロI型プリズムL2Lが備えられている。接眼光学系として、接眼レンズL3Lが備えられている。対物レンズL1Lからの光軸OLは、一対のポロI型プリズムL2Lで全反射し、接眼光学系の光軸ELに一致する。
前玉鏡筒5Lは、対物レンズL1Lを保持し、対物台6に固定される。対物台6には、光軸OLに直交する面と平行である対物取り付け面6aが形成されており、前玉鏡筒5Lがこの対物取り付け面6aに取り付けビス7で固定されている。前玉鏡筒5Lの光軸OLが接眼光学系の光軸ELと一致するように、不図示の偏芯コロで前玉鏡筒5Lの倒れが調整されると共に、前玉鏡筒5Lの光軸直交方向の位置が決められる。
プリズムホルダ8Lは、不図示のビス等によってプリズムベース9Lと一体化され、接眼ベース部材14に接続される。一対のポロI型プリズムL2Lは、透過面L2a(図5参照)同士が向き合いつつ、互いが透過面L2aに直交する方向を軸として90°回転した配置としてプリズムベース9Lに保持される。プリズムベース9Lと接眼ホルダ11Lは、ポロI型プリズムL2Lと接眼レンズL3Lが所定の位置関係になるように不図示のビス等により一体化される(ポロI型プリズムL2Lの保持機構と調整機構についての詳細は後述)。
接眼鏡筒10Lは、複数の接眼レンズL3Lを保持し、接眼ホルダ11Lにより保持される。接眼鏡筒10Lの外周壁にはオスヘリコイドネジが形成され、接眼ホルダ11Lの内周壁にはメスヘリコイドネジが形成されており、これらのネジ部の螺合により接眼鏡筒10Lは接眼ホルダ11Lに連結されている。接眼鏡筒10L又は右側の接眼鏡筒10R(不図示)のいずれかを回転させて、接眼鏡筒10L又は接眼鏡筒10Rを光軸ELに沿って進退させることで、左右の視度調節が可能である。目当てゴム12Lは、接眼鏡筒10Lに被せられ、目に当てる側の側部を外側に折り返すことにより、目当て位置を変更することが可能である。左側の接眼ユニット13Lは、ポロI型プリズムL2L、複数の接眼レンズL3L、目当てゴム12L等で構成される。また同様の構成で、右側の接眼ユニット13Rも構成される。
接眼ベース部材14は、左右の接眼ユニット13L、13Rを左右の対物光学系の光軸OL、ORの回りで回転可能に支持する支持部材であり、更に左右の対物光学系を光軸OL、ORに沿って進退させて観察距離に応じたピント合わせを行なう機構も支持する。接眼ベース部材14は、高い剛性と精度が必要とされるので金属により形成されている。接眼ベース部材14には、左側の対物光学系の光軸OLと同軸の開口部14La及び右側の対物光学系の光軸ORと同軸の開口部14Ra(不図示)が設けられている。左側の開口部14Laには、プリズムホルダ8Lに設けられた円筒部8Laが回転可能に嵌め込まれている。右側の開口部14Raの構成は、左側の開口部14Laと同様である。
図3は、図2の破断線III-IIIにおける断面図である。左右の連動板15L、15Rは、夫々プリズムホルダ8L、8Rの円筒部8La、8Raの回転の動きに連動している。連動板15L、15Rには、夫々ギア部15La、15Raと、複数の腕部15Lb、15Rbが設けられている。ギア部15La、15Raは、所定の位置に組み込まれており、ギア部15La、15Raを噛み合わせることで、左右の接眼ユニット13L、13Rの回転を連動させることができる。複数の腕部15Lb、15Rbの先端部が夫々接眼ベース部材14に接する状態で、連動板15L、15Rはプリズムホルダ8L、8Rにビスで締結されている。この構成により複数の腕部15Lb、15Rbは、光軸OL、ORの方向に連動板15L、15Rを付勢する付勢力を発生させる。不図示の光軸EL、ERは夫々左右の一対のポロI型プリズムL2L、L2Rにより光軸OL、ORに対して所定量だけ偏芯しているため、接眼ユニット13L、13Rを回転させることで光軸EL、ERの幅が変化する。この機構(眼幅調整を行う機構)により、双眼鏡を使用する観察者の左右の瞳の間隔と光軸EL、ERの間隔を一致させる眼幅調整を行なうことが可能となる。
図4は、図3の破断線IV-IVにおける断面図である。対物ベース部14Rb(又は14Lb)は、接眼ベース部材14のうち対物光学系の光軸OL、ORのいずれにも平行な面を有する部分であり、観察距離に応じてピント合わせを行なうために、左右の対物光学系を光軸OL、ORに沿って進退可能に支持する。フォーカス板16は、対物光学系が固定される対物台6と連結されたフォーカス支持部材であり、対物ベース部14Rb(又は14Lb)に対してガイド機構により光軸OL、ORの方向に進退自在に支持及びガイドされている。
フォーカス操作ダイアル17は、接眼ベース部材14にビス等で固定されたネジ受け部材18の光軸方向端部を覆うように、送りネジ19にダイアル止めビス20で結合されている。そのため、フォーカス操作ダイアル17は、光軸OL、ORの方向への動きが規制されているが、送りネジ19と共に定位置で回転可能である。駆動ナット21は、送りネジ19のネジ部と噛み合い、フォーカス板16に不図示のナット止めビスで固定されている。フォーカス操作ダイアル17を回転させることで、駆動ナット21はフォーカス板16に連結された対物台6を光軸OR(又はOL)に沿って進退させる。フォーカス操作ダイアル17による対物台6の光軸OR(又はOL)の方向への進退に伴い左右の対物光学系が全体として移動することで、観察距離に応じたピント合わせが行われる。以上の構成がピント合わせを行う機構を構成する。
次に、ポロI型プリズムL2の保持機構の詳細について説明する。図5は、正立光学系の構成を対物側から見た分解斜視図、図6は、正立光学系の構成を接眼側から見た分解斜視図である。図7は、正立光学系の構成を対物側から見た図であり、図8は、プリズムベース9を対物側から見た図である。図9(A)は、図7の破断線IX-IXにおける断面図であり、図9(B)は、図9(A)の一点鎖線の四角で示された部分の拡大図である。図10は、図7の破断線X-Xにおける断面図である。図11は、図7のXI方向から見た図であり、図12は、図7のXII方向から見た図である。なお、左右の構成は同じであるので、部材番号の末尾の左右の違いを示すL、Rの記載を省略する。
正立光学系である一対のポロI型プリズムL2の夫々は、一つの透過面L2a、二つの反射面L2bと、二つの反射面に垂直な二つの側面L2cから成る折り曲げ光学系である。二つの反射面L2bは一つの透過面L2aに対し、夫々45°傾いた面であり、かつ互いの成す角は直角である。そのため、透過面L2aから入射した光は二つの反射面L2bの一方で正反射し、次に他方の反射面L2bで正反射し、最後に透過面L2aから出射される。前述したとおり、一対のポロI型プリズムL2は、透過面L2a同士を互いに向かい合わせると共に、互いが透過面L2aに直交する方向を軸として90°回転して配置されている。この構成により、一方のポロI型プリズムL2の透過面L2aから入射した光が4回正反射され、他方のポロI型プリズムL2の透過面L2aから出射されることで正立像となり、接眼レンズL3に導かれる。
プリズムベース9には、対物光学系から出射された光が通過する入射開口孔9aと、一対のポロI型プリズムL2間を通る光が通過する通過開口孔9bと、ポロI型プリズムL2から出射された光が通過する出射開口孔9cが設けられている。入射開口孔9aの中心は対物光学系の光軸Oと同軸上にあり、出射開口孔9cの中心は接眼光学系の光軸Eと同軸上である。接眼側には、一対のポロI型プリズムL2の一方が配置され、プリズムベース9の入射開口孔9aからの光が入射し、一方のポロI型プリズムL2の内で光が2回全反射した後、通過開口孔9bから光が出射する。対物側には、一対のポロI型プリズムL2の他方が配置され、プリズムベース9の通過開口孔9bを通過してきた光が入射し、他方のポロI型プリズムL2の内で光が2回全反射した後、出射開口孔9cから光が出射する。そして、出射した光が接眼光学系に入射する。
プリズムベース9には、一対のポロI型プリズムL2の夫々を夫々囲う外壁9d(外壁部)と、一対のポロI型プリズムL2の二つの側面L2cの一方が夫々接触し、外壁9dに一体的に設けられた突き当て壁9e(第1の当接部)が設けられている。更にプリズムベース9には、透過面L2aの一部が夫々載せられる凸座部9f(第2の当接部)が設けられている。図7に示すように、突き当て壁9eは、ポロI型プリズムL2の二つの反射面L2bの成す角を二等分する平面Sから夫々離れる方向の一方と他方に長さD1ずつ離間して外壁9dに設けられている。
プリズムベース9には、図8に示すように、平面Sから一方に離間した位置に位置決め部9hが備えられ、また平面Sから他方に離間した位置に付勢バネ23(第2の付勢部材)を保持する付勢バネ保持部9iが備えられている。そして、付勢バネ保持部9iには、図7に示すように、付勢バネ23が取り付けられている。一対のポロI型プリズムL2の夫々は、透過面L2aを通過する光の有効範囲外であり、かつ平面Sから一方に所定の距離離れた一対のポロI型プリズムL2の形状を形作る線、あるいは面で夫々位置決め部9hに当接する。位置決め部9hに当接する一対のポロI型プリズムL2の反対側において、透過面L2aを通過する光の有効範囲外であり、かつ平面Sから他方に所定の距離だけ離れた一対のポロI型プリズムL2の形状を形作る線、あるいは面で夫々付勢バネ23に当接する。そして、付勢バネ23は、位置決め部9hに対向する方向に付勢力を発生する。
一対のポロI型プリズムL2の二つの反射面L2bの外側には迷光防止のための遮光シート24が取り付けられている。そして、遮光シート24の上から二つの反射面L2bの成す頂部がプリズムベース9の凸座部9fに対して付勢されるように、一対のポロI型プリズムL2の夫々は保持板27(第1の付勢部材)でプリズムベース9に保持されている。保持板27は、ビス25と段ビス26でプリズムベース9に一体的に固定されている。以上の構成がポロI型プリズムL2の保持機構である。後述の調整機構の作動に鑑みると、保持板27がポロI型プリズムL2の頂部に接触する接触面積は、小さいことが望ましい。また、保持板27には切り欠き部27aが2つ設けられており、付勢バネ23の位置決め、抜け止めも兼ねている。
前述のとおり、接眼ユニット13L、13Rを回転させることで光軸EL、ERの幅を変化させ、眼幅調整を行なうが、夫々の部品の公差ばらつきにより、接眼ユニット13L、13Rの回転中心に対し、光軸EL、ERが必ずしも一致しているとは限らない。そのため、左右の光学系の一対のポロI型プリズムL2の透過面L2aを夫々、光軸OL、光軸ELに対し直交するように調整する必要がある。
次に、ポロI型プリズムL2の調整機構の詳細について説明する。図9(A)に示すように、プリズムベース9には、ナット収納部9gが設けられており、ナット29がこのナット収納部9gに一体的に保持されている。調整ネジ28(押圧部材)がこのナット29の雌ネジに螺合し、調整ネジ28を締め込んでいくと、調整ネジ28の先端部28aは、ポロI型プリズムL2の当接部L2dに当接する。すなわち、ポロI型プリズムL2には、調整ネジ28、突き当て壁9e及び凸座部9fが当接する。
調整ネジ28の先端部28aがポロI型プリズムL2に当接する当接部L2dは、凸座部9fから離間する方向に高さH2の位置にある。そして、図9(B)に示すように、突き当て壁9eはポロI型プリズムL2の一方の側面L2cの一部に当接する。このとき、凸座部9fから離間する方向における側面L2cが突き当て壁9eに当接する最大の当接領域の大きさを高さH1とすると、高さH1と高さH2の関係は、H1<H2である。
凸座部9fはポロI型プリズムL2の透過面L2aの一部に当接するが、このとき、突き当て壁9eから離間する方向における透過面L2aが凸座部9fに当接する最大の当接領域の大きさを長さD2とする。また、図9(A)に示すように、保持板27がポロI型プリズムL2に間接的に当接する当接部L2eは、突き当て壁9eから離間する方向に長さD3の位置にある。そして、長さD2と長さD3の関係は、D2<D3である。以上の関係により、調整ネジ28を突き当て壁9eに対して対向する方向に進退させることで、ポロI型プリズムL2の透過面L2aを図9(B)の破線で示す透過面L2a’に調整することができる。同時に、側面L2cは図9(B)の破線で示す側面L2c’になる。すなわち、調整ネジ28により側面L2cの一部に当接する突き当て壁9eの当接領域(当接点)と透過面L2aの一部に当接する凸座部9fの当接領域(当接点)を調節し、ポロI型プリズムL2の透過面L2aを調整することが可能となる。以上の構成がポロI型プリズムL2の調整機構である。
上記のようにポロI型プリズムL2を調整した後、ポロI型プリズムL2をプリズムベース9に接着剤で固定する。実施例では、図11に示すように、突き当て壁9eが設けられている外壁9dには、突き当て壁9eに当接するポロI型プリズムL2の側面L2cに対向する方向から開口した接着孔9k(開口)が設けられている。ポロI型プリズムL2の位置を調整した後に、接着孔9kから接着剤を注入することで、ポロI型プリズムL2と突き当て壁9eの境界を容易に接着固定できる。そして、ポロI型プリズムL2と突き当て壁9eの境界への接着剤は、接眼光学系の光軸Eに直交する方向の外周からの注入可能である。この構成により、接着作業時に一対のポロI型プリズムL2を通過する光を遮ることがないため、前後に対物光学系、接眼光学系を取り付けた状態で調整し、接着することが可能である。
従来では、ポロプリズムの光が通過する開口孔の近くにポロプリズムの接着剤用の凹部が設けられており、ポロプリズムの前後に対物光学系と接眼光学系を接続してポロプリズムを接着することが困難であった。そして、前後に対物光学系と接眼光学系が接続されていない場合には、ダミーの光軸中心に対しポロプリズムの調整を行なう必要があり、ダミーによる調整後に対物光学系と接眼光学系を接続すると、対物光学系と接眼光学系の加工誤差分の光軸のずれが発生する。このずれを無くすためには、対物光学系あるいは接眼光学系で更に調整機構を設ける必要があり、光学機器が大型化していた。
しかしながら、実施例では、プリズムベース9の通過開口孔9bの近くに接着剤用の凹部を設ける必要がないので、ポロI型プリズムL2を調整した後に対物光学系と接眼光学系を接続し、接着することが容易であると共に、ダミーによる調整を必要としない。更に、接着剤用の凹部を設ける必要がないことは、光学装置の小型化にも寄与する。
また、調整後の調整ネジ28が緩まないようにするためには、調整ネジ28を接着固定する。図12に示されるように、プリズムベース9のナット収納部9gの近傍には、調整後の調整ネジ28を接着固定するために接着剤を注入しても接着剤を保持することが可能な接着壁9jが設けられている。図7、図8に示されるように、ナット収納部9gは、外壁9dの内側かつ、入射開口孔9aと通過開口孔9bと出射開口孔9cを避けた位置に設けられており、その位置は平面Sから離間する方向の一方に長さD4離れている。長さD1と長さD4の関係は、D1>D4である。
調整ネジ28がポロI型プリズムL2に当接する当接部L2dの位置は、側面L2cの平面S上が理想的である。しかしながら、側面L2cの平面S上の近傍には、他方のポロI型プリズムL2に入射あるいは出射する光が通過する入射開口孔9aもしくは出射開口孔9cがあり、理想とする側面L2cの平面S上に当接部L2dを設置することは困難である。入射開口孔9aもしくは出射開口孔9cから十分な距離を取りつつ、平面S上で当接するためには、ポロI型プリズムL2の形状を大型化する必要があり、双眼鏡全体の大型化につながる。そのため、入射開口孔9aもしくは出射開口孔9cから十分に距離を取った位置、かつ安定した調整を行なえる位置に調整ネジ28を設けることで、光学装置を大型化することなく安定した調整が可能となる。
また、図7、図8に示されるように、プリズムベース9の位置決め部9hと付勢バネ23により、ポロI型プリズムL2の平面Sに垂直な方向の動きを規制することができるため、ポロI型プリズムL2は光学有効径に位置ずれ分の余裕を持たせる必要がない。よって、双眼鏡を小型化することができる。
以上により、安定した精度のよいポロI型プリズムL2の調整を実現しつつ、小型化を兼ね備えた双眼鏡を提供することができる。なお、実施例では、プリズムベース9に設けたナット収納部9gにナット29を一体的に保持し調整ネジ28と螺合するとしたが、この構成に限定されるものではなく、プリズムベース9に直接雌ネジを加工していてもよい。また、ポロI型プリズムL2への迷光防止は遮光シート24としているが、シート部品に限定されるものではなく金属部品、あるいはモールド部品等でもよい。ポロI型プリズムL2の平面Sに垂直な方向の動きを規制する手段として付勢バネ23を挙げているが、板バネやゴム等の弾性部材でもよい。
(変形例)
次に、本発明の変形例である双眼鏡の一対のポロプリズムの保持機構について説明する。変形例は、実施例における保持板27に対してその形状が異なる。したがって、それ以外の部分の構成は実施例と同様であり、その説明を省略する。図13は、変形例の正立光学系を対物側から見た図、図14は、図13の破断線XIV-XIVにおける断面図である。
変形例の保持板227(第1の付勢部材)は、ポロI型プリズムL2の二つの反射面L2bの成す頂部を付勢するだけではなく、腕部227bを更に備えている。保持板227は、腕部227bによってプリズムベース9の位置決め部9hに対向する方向にポロI型プリズムL2を付勢することができる。保持板227は、段ビス26によりプリズムベース9に固定されるが、保持板227に設けられた段ビス26と係合する孔は、保持板227の長手方向に長い孔として形成されており長い孔を形成する際の保持板227の一部分が腕部227bとして残されている。
変形例における保持板227は、実施例で設けられていた付勢バネ23の機能も兼ね備えることができ、付勢バネ23を削減することができると共に、プリズムベース9の付勢バネ保持部9iも不要となることで実施例より小型化が可能となる。変形例の構成により、安定した精度のよいポロI型プリズムL2の調整を実現しつつ、小型化を兼ね備えた双眼鏡を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
L1L 対物レンズ(対物光学系)
L2、L2L ポロI型プリズム(プリズム)
L2a 透過面
L2b 反射面
L2c 側面
L3、L3L 接眼レンズ(接眼光学系)
9 プリズムベース(ベース)
9d 外壁(外壁部)
9e 突き当て壁(第1の当接部)
9f 凸座部(第2の当接部)
9k 接着孔(開口)

Claims (8)

  1. 対物光学系と、
    接眼光学系と、
    夫々が一つの透過面と二つの反射面と該二つの反射面に垂直な側面とを有し、前記対物光学系からの光を前記接眼光学系に導く一対のプリズムと、
    夫々の前記プリズムを囲う外壁部と、前記外壁部と一体的に形成され夫々の前記プリズムの前記側面が当接する第1の当接部とを有するベースとを備え、
    前記第1の当接部は、前記外壁部に形成された凸形状であり
    前記外壁部には、前記第1の当接部と前記側面との間に接着剤を注入するための開口が設けられていることを特徴とする光学機器。
  2. 前記第1の当接部は、前記二つの反射面の成す角を二等分する平面から離間する方向の一方と他方に一つずつ離間して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
  3. 夫々の前記プリズムを押圧する押圧部材を更に備え、
    前記ベースは、前記一対のプリズムの一方に前記光を入射させるための入射開口孔と、入射した前記光が前記一方のプリズムで反射し前記一対のプリズムの他方に向け通過させるための通過開口孔と、通過した前記光が前記他方のプリズムで反射し出射させるための出射開口孔とを更に備え、
    前記押圧部材は、前記外壁部に対向する方向に進退可能で、前記入射開口孔もしくは前記出射開口孔の近傍に備えられており、前記二つの反射面の成す角を二等分する平面から離間する方向かつ距離が前記第1の当接部よりも短い位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学機器。
  4. 前記押圧部材は、前記ベースに接着されていることを特徴とする請求項3に記載の光学機器。
  5. 夫々の前記プリズムを付勢する第1の付勢部材を備え、夫々の前記第1の付勢部材は、前記二つの反射面の成す頂部を前記ベースに対して付勢するように前記ベースに固定され、夫々の前記プリズムを保持することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学機器。
  6. 前記ベースは、夫々の前記プリズムを位置決めする位置決め部を有し、
    夫々の前記プリズムは、前記二つの反射面の成す角を二等分する平面から離間する方向の一方に所定の距離離れた線あるいは面で前記位置決め部に当接するように前記第1の付勢部材により付勢されていることを特徴とする、請求項5に記載の光学機器。
  7. 前記二つの反射面の成す角を二等分する平面から離間する方向の他方に所定の距離離れて、夫々の前記プリズムを前記位置決め部に対して付勢する第2の付勢部材が設けられていることを特徴とする、請求項6に記載の光学機器。
  8. 前記第1の付勢部材が夫々の前記プリズムを夫々の前記位置決め部に対して付勢することを特徴とする、請求項6に記載の光学機器。
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