JPWO2019049417A1 - 目当て構造、目当て構造の製造方法、光学機器、及び光学機器の製造方法 - Google Patents

目当て構造、目当て構造の製造方法、光学機器、及び光学機器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成により、目当て部材が筒状部材から容易に外れることを防止し、さらに組立が容易な目当て構造を提供する。【解決手段】目当て構造は、接眼レンズ側に設けられる筒状部材と、筒状部材の内側又は外側に配置される筒状の目当て部材と、筒状部材及び目当て部材のいずれか一方に設けられたカム部と、筒状部材及び目当て部材のいずれか他方に設けられてカム部にガイドされるカムフォロワと、を備え、目当て部材を筒状部材に対して回転させることにより、目当て部材が接眼レンズの光軸方向に移動する目当て構造であって、カムフォロワは、筒状部材又は目当て部材の一部を用いて形成された弾性部分に設けられ、弾性部分の弾性力に抗して、カム部が設けられた筒状部材又は目当て部材から離れる方向に移動可能である。

Description

本発明は、目当て構造、目当て構造の製造方法、光学機器、及び光学機器の製造方法に関する。
双眼鏡、望遠鏡、顕微鏡等の光学機器には、観察者が覗き込むための目当て構造が用いられる、目当て構造は、接眼レンズを保持する筒状部材に目当て部材が設けられて構成されている。目当て部材は、観察者が接眼レンズを覗く際に、例えば観察者が裸眼の場合には目の周囲の顔面に当接され、観察者が眼鏡を装着している場合には眼鏡の前面に当接される。
目当て部材は、光学機器の光軸方向に移動可能である。目当て部材を光軸方向に移動させることにより、観察者が接眼レンズを覗く場合の眼の位置をアイポイントに合わせることが可能である。例えば、観察者が裸眼の場合には、目当て部材を観察者から見て手前側の位置に配置させて、観察者の目の周囲の顔面に当接させる。また、観察者が眼鏡等を着用している場合には、目当て部材を観察者から見て奥側の位置に配置させて、眼鏡の表面に当接させる。
このように光学機器の光軸方向に目当て部材を移動可能とする目当て構造としては、例えば、特許文献1に記載の構成が知られている。特許文献1には、接眼レンズを保持する筒状部材に対して光軸方向に移動可能な目当て部材と、筒状部材(接眼鏡筒)に設けられて目当て部材に係合されるピンとを備える構成が記載されている。特許文献1に記載の構成では、目当て部材に、ピンに係合するカム溝が形成されている。カム溝は、目当て部材を回転させる場合に目当て部材を光軸方向に案内するとともに、目当て部材の抜けを防止している。
米国特許第8167443号明細書
本発明の第1の態様では、接眼レンズ側に設けられる筒状部材と、筒状部材の内側又は外側に配置される筒状の目当て部材と、筒状部材及び目当て部材のいずれか一方に設けられたカム部と、筒状部材及び目当て部材のいずれか他方に設けられてカム部にガイドされるカムフォロワと、を備え、目当て部材を筒状部材に対して回転させることにより、目当て部材が接眼レンズの光軸方向に移動する目当て構造であって、カムフォロワは、筒状部材又は目当て部材の一部を用いて形成された弾性部分に設けられ、弾性部分の弾性力に抗して、カム部が設けられた筒状部材又は目当て部材から離れる方向に移動可能である、目当て構造が提供される。
本発明の第2の態様では、接眼レンズ側に設けられる筒状部材と、筒状部材の内側又は外側に配置される筒状の目当て部材と、筒状部材及び目当て部材のいずれか一方に設けられたカム部と、筒状部材及び目当て部材のいずれか他方に設けられてカム部にガイドされるカムフォロワと、を備え、目当て部材を筒状部材に対して回転させることにより、目当て部材が接眼レンズの光軸方向に移動する目当て構造の製造方法であって、カムフォロワは、筒状部材又は目当て部材の一部を用いて形成された弾性部分に設けられ、弾性部分の弾性力に抗して、カム部が設けられた筒状部材又は目当て部材から離れる方向に移動可能であり、目当て部材を筒状部材の内側又は外側に入れることにより、カムフォロワが弾性部分の弾性力に抗して離れる方向に移動することと、カムフォロワがカム部に達した際に、カムフォロワが弾性部分の弾性力によりカム部に入り込むことと、を含む、目当て構造の製造方法が提供される。
本発明の第3の態様では、第1の態様の目当て構造を備える、光学機器が提供される。
本発明の第4の態様では、目当て構造を含む光学機器の製造方法であって、第3の態様の目当て構造の製造方法を含む、光学機器の製造方法が提供される。
第1実施形態に係る双眼鏡の一例を示す図である。 目当て構造の一例を示し、(A)は観察者側から見た斜視図、(B)は観察対象側から見た斜視図である。 (A)は、目当て構造の一例を示す側面図であり、(B)は(A)のA−A線に沿った断面図である。 筒状部材の一例を示し、(A)は側面図、(B)は平面図及びB−B線に沿った部分拡大図である。 目当て部材の一例を示し、(A)は側面図、(B)はC−C線に沿った断面図である。 (A)及び(B)は、筒状部材と目当て部材とを光軸の軸線方向に相対的に移動させる場合の一例を示す斜視図である。 第1実施形態において、目当て部材を筒状部材に装着する場合の一例を示す斜視図である。 第1実施形態において、目当て部材を筒状部材に装着する場合の一例を示す断面図であり、部分拡大図とともに示している。 図8に続いて、目当て部材を筒状部材に装着する場合の一例を示す断面図であり、部分拡大図とともに示している。 図9に続いて、目当て部材を筒状部材に装着する場合の一例を示す断面図であり、部分拡大図とともに示している。 (A)は、第2実施形態に係る目当て構造の目当て部材の一例を示す側面図及びD−D線に沿った部分拡大図であり、(B)は、第2実施形態に係る目当て構造の筒状部材の一例を示す断面図である。 第2実施形態において、目当て部材を筒状部材に装着する場合の一例を示す断面図であり、部分拡大図とともに示している。 図12に続いて、目当て部材を筒状部材に装着する場合の一例を示す断面図であり、部分拡大図とともに示している。 図13に続いて、目当て部材を筒状部材に装着する場合の一例を示す断面図であり、部分拡大図とともに示している。 (A)は、第3実施形態に係る目当て構造の目当て部材の一例を示す側面図及びE−E線に沿った部分拡大図であり、(B)は、第3実施形態に係る目当て構造の筒状部材の一例を示す断面図及びF−F線に沿った部分拡大図である。 第3実施形態において、目当て部材を筒状部材に装着する場合の一例を示す断面図であり、部分拡大図とともに示している。 図16に続いて、目当て部材を筒状部材に装着する場合の一例を示す断面図であり、部分拡大図とともに示している。 図17に続いて、目当て部材を筒状部材に装着する場合の一例を示す断面図であり、部分拡大図とともに示している。 (A)は、第4実施形態に係る目当て構造の目当て部材の一例を示す側面図及びG−G線に沿った部分拡大図であり、(B)は、第4実施形態に係る目当て構造の筒状部材の一例を示す断面図である。 第4実施形態において、目当て部材を筒状部材に装着する場合の一例を示す断面図であり、部分拡大図とともに示している。 図20に続いて、目当て部材を筒状部材に装着する場合の一例を示す断面図であり、部分拡大図とともに示している。 図21に続いて、目当て部材を筒状部材に装着する場合の一例を示す断面図であり、部分拡大図とともに示している。 カム部の他の例を示す斜視図であり、H−H線に沿った部分拡大図とともに示している。 目当て部材の他の例を示す側面図であり、I−I線に沿った部分拡大図とともに示している。 実施形態に係る光学機器の製造方法の一例を示すフローチャートである。
上記した特許文献1では、カムフォロアが挿入されるカム溝がある。このカム溝には、カムフォロアの導入部があり、導入部から奥まった部分にUターン構造が形成されている。カムフォロアをカム溝の導入孔から挿入して、Uターン後の位置に配置し、カムフォロアがUターン後の位置からUターン前の位置に戻ることを規制するストッパにより、Uターン後の位置に配置したカムフォロアの移動を規制して、カムフォロアの抜け止めを行っている。このように特許文献1に記載された構成は複雑で作成にコストがかかり、さらに目当て構造を製造するには手間がかかるといった問題がある。そこで、本実施形態では、単純な構成とし、かつ径方向の小型化をはかり、目当て部材が筒状部材から容易に外れることを防止し、さらに組立が容易な目当て構造、目当て構造の製造方法、光学機器、及び光学機器の製造方法を提供することを目的としている。
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は以下に説明される内容に限定されない。また、図面においては実施形態を説明するため、一部分を大きくまたは強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している場合がある。また、以下の説明では、各図に示すXYZ座標系を適宜用いて方向を説明する。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、適宜、図中の矢印の方向が+方向(例、+X方向)であり、その反対方向が−方向(−X方向)であるとする。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る目当て構造を適用した双眼鏡(光学機器)1の一例を示す図である。双眼鏡1の使用時において、上下方向はZ方向であり、+Z方向が上方向、−Z方向が下方向である。また、双眼鏡1の使用時において、左右方向はX方向であり、左方向が−X方向、右方向が+X方向である。なお、本実施形態の目当て構造は、双眼鏡1に適用することに代えて、望遠鏡又は顕微鏡等の光学機器においても適用可能であり、以下に示す他の実施形態についても同様である。
図1に示すように、双眼鏡1は、左眼用の光学系2Lおよび右眼用の光学系2Rを備える。以下、左眼用の光学系2Lおよび右眼用の光学系2Rを包括して、適宜、左右一対の光学系2という。図1において、左眼用の光学系2Lおよび右眼用の光学系2Rは、それぞれ光学系2であることから符号2L(2)、2R(2)と示している。双眼鏡1は、左眼用の光学系2Lの光軸3Lの向きおよび右眼用の光学系2Rの光軸3Rの向きを、左右一対の光学系2の合焦位置(焦点距離)に応じて変更することが可能であってもよい。以下、光軸3Lと光軸3Rとを区別しない場合、適宜、光軸3と表す。左眼用の光学系2Lの光軸3Lと、右眼用の光学系2Rの光軸3Rは、中心軸4に関して対称的に配置される。望遠モードにおいて、左右一対の光学系2のそれぞれの光軸3は、Y方向と平行に設定される。
左眼用の光学系2Lは、対物レンズ16、接眼レンズ13、及び合焦レンズ14を含む。対物レンズ16には観察対象の物体から光が入射し、対物レンズ16は、この光を合焦レンズ14に導く。合焦レンズ14は、光学系2Lの焦点位置、焦点距離を調整する。合焦レンズ14は、例えば、対物レンズ16から接眼レンズ13までの光路に配置される。合焦レンズ14は、光軸3L方向に移動し、光学系2Lの焦点を調整する。正立プリズム15は、対物レンズ16により形成される倒立像を正立像に変換する。正立プリズム15は、例えば、対物レンズ16から接眼レンズまで13の光路に配置される。ユーザは、正立プリズムにより変換された正立像を、接眼レンズ13を介して観察可能である。接眼レンズ13は、例えば、レンズ部材13aおよびレンズ部材13bを含む。レンズ部材13aは、接眼レンズ13のうち最も観察者の視点に近いレンズ部材である。なお、右眼用の光学系2Rについても、左眼用の光学系2Lと同様の構成を有している。
双眼鏡1は、光学系2L、2Rを支持する鏡筒5と、鏡筒5を支持するボディ6とを有する。ボディ6において、観察者の視点に近い方向(−Y方向)の端部には、目当て構造7が設けられる。目当て構造7は、観察者が覗き込む部分に設けられ、光学系2L、2Rを支持する2つの鏡筒5のそれぞれに対応して設けられる。なお、目当て構造7は、単に「目当て」と称される場合がある。
図2は、本実施形態の目当て構造7の一例を示す斜視図である。図2(A)は、観察者側から目当て構造7を見た状態を示す斜視図であり、図2(B)は、観察対象側から目当て構造7を見た状態を示す斜視図である。図3(A)は、図2に示す目当て構造7を示す側面図であり、図3(B)は、図3(A)のA−A線に沿った断面図である。なお、図2以降の図面においては、図1に示す双眼鏡1のボディ6の記載を省略している。
図2(A)及び図2(B)、図3(A)及び図3(B)に示すように、目当て構造7は、筒状部材10と、目当て部材20と、カム部30と、カムフォロワ40とを備える。筒状部材10は、光軸3を中心軸とする円筒状に形成される。内側に接眼レンズ13が配置されてもよい。筒状部材10は、ボディ6(鏡筒5)において、接眼レンズ13側に設けられる。筒状部材10は、ボディ6に対して取り外し可能に固定されてもよい。例えば、筒状部材10は、ボディ6への取付側の端部外周にネジ部が形成され、ボディ6に設けられているネジ穴にねじ込んで固定される構成であってもよい。なお、筒状部材10は、接眼レンズ13の一部を保持してもよい。
図4(A)及び図4(B)は、筒状部材10の一例を示す図である。図4(A)は筒状部材10の側面図であり、図4(B)は、筒状部材10の平面図及びB−B線に沿った断面図である。図4(A)及び図4(B)に示すように、筒状部材10は、光軸3の軸線方向の観察者側に、挿入側端部11を有する。挿入側端部11は、例えば光軸3と直交する平面に沿って円環状に形成されている。挿入側端部11は、光軸3を中心として、光軸3の軸周りの一周にわたって連続して形成されている。挿入側端部11は、光軸3の軸線方向において、後述するカム部30から離れて形成される。
挿入側端部11には、複数の第1傾斜部12が設けられる。第1傾斜部12のそれぞれは、挿入側端部11の外周側から内周側にかけて、光軸3の軸線方向の奥側(観察対象側)に傾いた平面状に形成されている。なお、第1傾斜部12は、平面状に限定されず、例えば曲面状であってもよい。また、第1傾斜部12の光軸3に対する角度は任意に設定可能である。第1傾斜部12のそれぞれは、後述するカムフォロワ40の幅より広い幅となるように形成されている。第1傾斜部12は、光軸3の軸線方向から見て、挿入側端部11のうち、後述するカム部30が最も近接する位置(第1係止部31)に重なる位置に設けられる。
第1傾斜部12は、光軸3の軸周り方向に、例えば3箇所設けられる。3箇所の第1傾斜部12は、光軸3の軸周り方向に等しい間隔で配置される。つまり、3箇所の第1傾斜部12は、光軸3の軸周り方向に120°毎に配置される。第1傾斜部12は、後述するカムフォロワ40が当たって摺動し、このカムフォロワ40を弾性部分24の弾性力に抗して移動させるために用いられる。
なお、第1傾斜部12は、カム部30が最も近接する3つの位置(第1係止部31)に対応して3箇所に設けられているが、カム部30の数が2つの場合は2箇所に設けられるなど、カム部30の数に合わせて設けられる。また、第1傾斜部12の数は、後述するカムフォロワ40の数と同一、又はカムフォロワ40の数より多く設けられてもよい。また、本実施形態においては、複数の第1傾斜部12が同一の形状であるが、これに限定されない。例えば、3箇所の第1傾斜部12のうち1つ又は2つが他の第1傾斜部12と異なる形状であってもよい。
図5(A)及び図5(B)は、目当て部材20の一例を示す図である。図5(A)は、目当て部材20の側面図であり、図5(B)は、図5(A)のC−C線に沿った断面図である。目当て部材20は、筒状部材10に対して、観察者の視点に近い側(−Y側)の挿入側端部11から一部が−Y側に突出した状態で配置される。目当て部材20は、観察者が接眼レンズ13を覗く際に、例えば観察者が裸眼の場合には目の周囲の顔面に当接され、観察者が眼鏡を装着している場合には眼鏡の前面に当接される。目当て部材20は、筒状部材10(双眼鏡1のボディ6)に対して光軸3の軸方向に移動可能である。目当て部材20を光軸3の軸方向に移動させることにより、観察者が接眼レンズ13を覗く場合の眼の位置をアイポイントに合わせることが可能である。
目当て部材20は、図5(A)に示すように、第1円筒部21及び第2円筒部22を有する。第1円筒部21及び第2円筒部22は、光軸3の軸方向(Y方向)に連結されて一体で設けられる。第1円筒部21は、目当て部材20のうち−Y側に配置され、観察者の目の周囲の顔面又は眼鏡の前面に当接される。第1円筒部21は、第2円筒部22よりも外径が大きく形成される。第1円筒部21の+Y側の端部には、第2円筒部22との間に段部が形成される。
第2円筒部22は、目当て部材20のうち+Y側に配置され、筒状部材10の内側に挿入される。第2円筒部22は、外径が筒状部材10の内径よりわずかに小さく設定されている。これにより、第2円筒部22は、筒状部材10の内周面に対して摺動可能となっている。なお、第2円筒部22は、筒状部材10の外側に配置されてもよい。第2円筒部22は、切り込み部23と、弾性部分24とを有する。なお、第2円筒部22は、切り込み部23及び弾性部分24が設けられる部分が、他の部分に比べて内径が同一又はほぼ同一であるが、これに限定されない。
例えば、第2円筒部22において、切り込み部23及び弾性部分24が設けられる部分が、他の部分に比べて小さく、つまり、厚さが厚くなっていてもよいし、逆に、他の部分に比べて大きく、つまり、厚さが薄くなっていてもよい。弾性部分24の厚さが厚くなることにより、弾性部分24の剛性を高めることができる。また、弾性部分24の厚さが薄くなることにより、弾性部分24の変形が容易とすることができる。切り込み部23は、第2円筒部22の内外を貫通して形成される。切り込み部23は、光軸3の軸周り方向に平行に形成された直線部22a、22bと、この直線部22a、22bの端部同士を接続する接続部22cと、を有する。
弾性部分24は、切り込み部23の直線部22a、22bと接続部22cとに囲まれた部分である。弾性部分24は、切り込み部23により、第2円筒部22の一部を切り欠いた状態で形成される。弾性部分24は、光軸3の軸線方向の長さより光軸3の軸周り方向の長さが長くなるように形成されている。弾性部分24は、光軸3の軸周り方向に、例えば3箇所設けられる。3箇所の弾性部分24は、光軸3の軸周り方向に等しい間隔で配置される。つまり、3箇所の弾性部分24は、光軸3の軸周り方向に120°毎に形成されている。
本実施形態において、弾性部分24は、第2円筒部22の一部を、光軸3の軸周り方向(光軸3を中心とした周方向)に延びる片状に切り欠いて形成される。弾性部分24は、光軸3の軸周り方向の一方の端部側において第2円筒部22に連結されている。このように、弾性部分24の一方の端辺側が第2円筒部22に連結され、他方の端部側が切り込み部23により第2円筒部22から切り離されている。このため、弾性部分24は、先端側が第2円筒部22の連結部を支点として、径方向の内側及び外側に揺動するように弾性変形が可能となっている。
カム部30は、図2から図4に示すように、筒状部材10の内側と外側とを貫通する長穴状に設けられる。カム部30は、筒状部材10の光軸3の軸周り方向に、例えば3箇所設けられる。3箇所のカム部30は、光軸3の軸周り方向に等しい間隔で配置され、互いに等しい構造となっている。3箇所のカム部30は、光軸3の軸周り方向に120°毎に配置される。各カム部30は、第1係止部31と、第2係止部32と、案内部33とを有する。
第1係止部31は、筒状部材10のうち観察者側(−Y側)に配置され、光軸3の軸周り方向に沿って短く延びるように形成されている。第1係止部31は、挿入側端部11から光軸3の軸線方向に離れた位置に配置される。第1係止部31は、カム部30のうち、挿入側端部11に最も近い位置に形成されている。また、第1係止部31のそれぞれは、光軸3の軸線方向から見た場合、上記した筒状部材10の第1傾斜部12とそれぞれ重なる位置に設けられている。
第2係止部32は、筒状部材10のうち接眼レンズ13側(+Y側)に配置され、光軸3の軸周り方向に沿って短く延びるように形成されている。第2係止部32は、第1係止部31に対して、光軸3の軸周り方向にずれた位置に設けられる。第2係止部32は、カム部30のうち、挿入側端部11から最も遠い位置に形成されている。案内部33は、第1係止部31と第2係止部32とを接続する。案内部33は、光軸3の軸線方向に対して傾いた方向に延びている。
カムフォロワ40は、目当て部材20の第2円筒部22に設けられる。カムフォロワ40は、カム部30によってガイドされる。カムフォロワ40は、例えば側面視において円形状に形成されるが、この形態に限定されず、側面視において楕円形状、長円形状、四角等の多角形状などに形成されてもよい。なお、カム部30が筒状部材10に設けられ、カムフォロワ40が目当て部材20に設けられているが、この形態に限定されない。例えば、カム部30が目当て部材20に設けられ、カムフォロワ40(弾性部分24を含む)が筒状部材10に設けられてもよい。
カムフォロワ40は、壁部41を有する(図8の部分拡大図参照)。壁部41は、光軸3の軸線方向において、例えば観察者側の端部に形成される。壁部41は、光軸3と直交する方向に形成された平面又は線を含む。壁部41は、カムフォロワ40がカム部30に入り込んでいる場合、筒状部材10から目当て部材20が抜けるのを防止する。すなわち、筒状部材10から目当て部材20を抜く方向に力が加わった時に壁部41がカム部30(第1係止部31)に係止されることで、目当て部材20が筒状部材10から抜けるのを防止している。
カムフォロワ40は、第2円筒部22の弾性部分24のうち、光軸3の軸周り方向の先端側の外周面に設けられる。カムフォロワ40は、弾性部分24から径方向の外側に突出して設けられ、カム部30に挿入可能となっている。カムフォロワ40は、カム部30に収まるように、カム部30の幅方向の寸法よりも小さい寸法に形成される。本実施形態において、3箇所の弾性部分24のうち、1つの弾性部分24に1つのカムフォロワ40が設けられる。従って、カムフォロワ40は、光軸3の軸周り方向に、例えば3箇所に設けられる。3箇所のカムフォロワ40は、光軸3の軸周り方向に等しい間隔で配置される。つまり、3箇所のカムフォロワ40は、光軸3の軸周り方向に120°毎に配置される。
カムフォロワ40は、目当て部材20を筒状部材10に対して光軸3の軸周り方向に回転させることにより、カム部30によってガイドされ、第1係止部31、第2係止部32及び案内部33のそれぞれに配置される。例えば、カムフォロワ40は、第1係止部31に配置される場合、光軸3の軸線方向について第1係止部31に係止される。カムフォロワ40が第1係止部31に係止されることにより、光軸3の軸線方向における筒状部材10と目当て部材20との相対移動が規制される。カムフォロワ40が第1係止部31に配置された状態では、目当て部材20が筒状部材10から最も観察者側(−Y側)に突出し、目当て部材20が観察者側の近くに配置された状態となる。
また、目当て部材20を光軸3の軸周り方向に回転させることにより、カムフォロワ40が第1係止部31から第2係止部32に向けて案内部33を移動する。これにより、筒状部材10に対する目当て部材20の突出量が順次減少する。カムフォロワ40を案内部33のいずれかに配置させることにより、筒状部材10に対する目当て部材20の突出量を任意に調整可能となる。
カムフォロワ40が第2係止部32に配置される場合、第1係止部31と同様に、カムフォロワ40は、光軸3の軸線方向について第2係止部32に係止される。カムフォロワ40が第2係止部32に係止されることにより、光軸3の軸線方向における筒状部材10と目当て部材20との相対移動が規制される。カムフォロワ40が第2係止部32に配置された状態では、目当て部材20の多くが筒状部材10に収容され、目当て部材20が観察者側から遠くに配置された状態となる。
カムフォロワ40は、案内部33に配置される場合、目当て部材20の回転により案内部33に沿ってガイドされ、筒状部材10と目当て部材20との相対位置を変更することができる。なお、筒状部材10と目当て部材20との相対位置は、両者間の摺動による摩擦力により保持されるが、他の任意の構成を用いて筒状部材10と目当て部材20との相対位置を保持してもよい。例えば、筒状部材10及び目当て部材20の一方に、バネ等により支持されたボールが設けられ、筒状部材10及び目当て部材20の他方にボールが入り込む複数の凹部が設けられ、筒状部材10に対する目当て部材20の回転によりボールがいずれかの凹部に嵌まり込んで、筒状部材10と目当て部材20との相対位置を保持する構成であってもよい。
図6(A)及び(B)は、筒状部材10と目当て部材20とを光軸3の軸線方向に相対的に移動させる場合の一例を示す図である。図6(A)に示すように、カムフォロワ40が第2係止部32に配置される場合、目当て部材20が筒状部材10に対して、観察者から見て光軸3の軸線方向の奥側の位置P1に配置された状態となる。この場合、カムフォロワ40と第2係止部32とが光軸3の軸線方向に係止されているため、筒状部材10と目当て部材20との光軸3の軸線方向への相対移動が規制されている。これにより、筒状部材10に対する目当て部材20の位置ずれが抑制される。
一方、この状態から、目当て部材20を光軸3の軸周り方向であって図6(A)における矢印方向(図中、観察者から見て反時計回りの方向)に回転させることにより、カムフォロワ40がカム部30の第2係止部32から案内部33を経て第1係止部31に移動する。このカムフォロワ40の移動により、目当て部材20が筒状部材10に対して、観察者から見て光軸3の軸線方向の手前側の位置P2に引き出された状態となる。この場合、カムフォロワ40と第1係止部31とが光軸3の軸線方向に係止されているため、筒状部材10と目当て部材20との光軸3の軸線方向への相対移動が規制されている。これにより、目当て部材20の位置ずれが抑制される。
なお、図6(B)に示す状態から、図6(A)の矢印と反対方向(観察者から見て時計回りの方向)に目当て部材20を回転させることにより、カムフォロワ40がカム部30の第1係止部31から案内部33を経て第2係止部32に移動する。このカムフォロワ40の移動により、目当て部材20が筒状部材10に対して、観察者から見て光軸3の軸線方向の奥側の位置P1に配置された状態に戻る。
続いて、本実施形態に係る目当て構造7の製造方法について説明する。図7から図10は、目当て部材20を筒状部材10に装着する場合の一例を示す図である。図7は、観察者側から見た場合の斜視図である。図8から図10は、光軸3を通る平面による断面図である。なお、図8から図10のそれぞれには、1つのカムフォロワ40及び第1傾斜部12の当接部分を拡大する部分拡大図を併せて示している。
図7に示すように、先ず、3箇所のカムフォロワ40を3箇所の第1傾斜部12に当接させることにより、光軸3の軸周り方向について、筒状部材10と目当て部材20との位置を合わせる。この場合、図8に示すように、カムフォロワ40は、断面視において外周側の角部40aが第1傾斜部12に当接された状態となる。本実施形態においては、カムフォロワ40及び第1傾斜部12のそれぞれが光軸3の軸周り方向に等しい間隔で3箇所に配置されている。従って、1つのカムフォロワ40と1つの第1傾斜部12とを当接させることにより、他の2つのカムフォロワ40と他の2つの第1傾斜部12とについても当接した状態となっている。
図8に示す状態から、目当て部材20を観察対象側(図7の矢印方向)に押し込むことにより、目当て部材20の第2円筒部22を筒状部材10の内側に挿入する。目当て部材20を観察対象側に押し込む場合、カムフォロワ40の角部40aが第1傾斜部12から径方向の内側に向けた力を受ける。この力により、弾性部分24が径方向の内側に弾性変形する。弾性部分24の弾性変形により、カムフォロワ40は、弾性部分24と一体で径方向の内側に移動する。つまり、カムフォロワ40は、弾性部分24の弾性力に抗して、筒状部材10から内側(径方向の内側)に離れる方向に移動する。
従って、図9に示すように、カムフォロワ40の角部40aは、第1傾斜部12上を滑るように移動しながら、径方向の内側に移動する。このように、目当て部材20に対して光軸3の軸線方向の力を加えることにより、カムフォロワ40を光軸3の軸線方向に移動させるとともに、径方向の内側に滑らかに移動させることができる。これにより、図9に示すように、カムフォロワ40は、徐々に筒状部材10の内側に入り込んだ状態となる。なお、第1傾斜部12は、カムフォロワ40の滑りをよくするため(摩擦係数を小さくするため)に鏡面仕上げが施されてもよいし、摩擦係数が小さな被膜が施されてもよい。また、図9に示す状態において、カムフォロワ40は、弾性部分24により径方向の外側に向けて弾性力が付与された状態となっている。
図9に示す状態から、さらに目当て部材20を筒状部材10側に押し込むことにより、カムフォロワ40がカム部30の第1係止部31に到達する。カムフォロワ40には、弾性部分24により径方向の外側に向けた弾性力が付与された状態となっている。このため、図10に示すように、カムフォロワ40は、第1係止部31に到達すると、弾性部分24の弾性力によって径方向の外側に向けて移動し、カム部30の第1係止部31に入り込むことになる。
カムフォロワ40が第1係止部31に入り込むことにより、光軸3の軸線方向について第1係止部31に係止される。また、カムフォロワ40には壁部41が形成されているので、目当て部材20に対して、光軸3の軸線方向に筒状部材10から引き抜く力を加えても、壁部41が第1係止部31に係止されるので、目当て部材20が筒状部材10から外れることを防止している。また、カムフォロワ40が第1係止部31に入り込む際に、クリック音を発するので、作業者は、このクリック音によりカムフォロワ40がカム部30に入ったことを容易に確認することができる。
以上の一連の手順により、目当て部材20を筒状部材10に装着することができる。なお、目当て構造7の製造後に、筒状部材10の外周を筒状のカバー部材等で被覆してもよい。このカバー部材により外部からカム部30等を被覆することができ、また、外観上の見栄えをよくすることができる。このカバー部材としては、筒状のゴム、又は軟質の樹脂が用いられる。
また、目当て部材20を筒状部材10から取り外す場合は、カムフォロワ40を、例えば棒状の部材等により、弾性部分24の弾性力に抗して径方向の内側に押した状態で弾性部分24を弾性変形させつつ、目当て部材20を筒状部材10から引き抜くことにより行う。カムフォロワ40を第1係止部31よりも内側に移動させることにより、第1係止部31による係止が外れて、目当て部材20を筒状部材10から観察者側に容易に引き抜くことが可能となる。
以上のように、第1実施形態に係る目当て構造7によれば、簡単な構成により、目当て部材20が筒状部材10から容易に外れることのない目当て構造7を提供することができる。また、第1実施形態に係る目当て構造7の製造方法によれば、目当て部材20を筒状部材10の内側に挿入するといった簡単な作業で目当て構造7を製造することができ、作業者の負担を軽減することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態において、上記した第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図11(A)は、第2実施形態に係る目当て構造107に使用される目当て部材120及びカムフォロワ140の一例を示す図である。図11(A)には、D−D線に沿った断面図を併せて示している。図11(B)は、目当て構造107に使用される筒状部材110の一例を示す断面図である。
図11(A)及び図11(B)に示すように、第2実施形態に係る目当て構造107は、筒状部材110と、目当て部材120と、カム部30と、カムフォロワ140とを備える。本実施形態において、図11(B)に示すように、筒状部材110は、挿入側端部11が円環状の平面部であり、光軸3の軸周り方向の一周に亘って平坦に形成される。つまり、第2実施形態において、挿入側端部11には、第1実施形態で説明したような第1傾斜部12(図4等参照)が配置されていない構成である。筒状部材110の他の構成及びカム部30の構成については、それぞれ第1実施形態における筒状部材10及びカム部30と同様の構成を有する。
また、図11(A)に示すように、目当て部材120は、第1円筒部21及び第2円筒部22を有する。また、第2円筒部22には、切り込み部23及び弾性部分24が設けられる。目当て部材120の各部の構成については、上記の第1実施形態の目当て部材20と同様の構成を有する。
また、第2実施形態に係るカムフォロワ140は、例えば側面視において矩形状に形成される。なお、カムフォロワ140の側面視における形状は、矩形状に限定されず、円形状、楕円形状、長円形状、六角形状等の他の形状であってもよい。3つのカムフォロワ140のそれぞれは、壁部141及び第2傾斜部142を有する。壁部141は、光軸3の軸線方向において、例えば観察者側(−Y側)の端部に形成される。壁部141は、光軸3の軸線方向と直交する平面を含んで形成される。
第2傾斜部142は、光軸3の軸線方向において、例えば観察対象側(+Y側)の端部に形成される。第2傾斜部142は、例えば平面状であるが、これに限定されず、曲面状であってもよい。また、第2傾斜部142の光軸3に対する角度は任意に設定可能である。また、本実施形態においては、3つのカムフォロワ140の第2傾斜部142が同一の形状であるが、これに限定されない。例えば、3つの第2傾斜部142のうち1つ又は2つが他の第2傾斜部142と異なる形状であってもよい。第2傾斜部142は、筒状部材110の挿入側端部11に当たって摺動する。第2傾斜部142が挿入側端部11に当たって摺動することにより、カムフォロワ140が弾性部分24の弾性力に抗して筒状部材110から離れる方向にスムーズに移動可能である。
続いて、本実施形態に係る目当て構造107の製造方法について説明する。図12から図14は、目当て部材120を筒状部材110に装着する場合の一例を示す図である。図12から図14は、光軸3を通る平面による断面図である。なお、図12から図14のそれぞれには、1つのカムフォロワ140について、当接部分を拡大する部分拡大図を併せて示している。
図12に示すように、先ず、3箇所のカムフォロワ140を筒状部材110の挿入側端部11に当接させる。このとき、例えば作業者の目視により、3箇所のカムフォロワ140とカム部30の3箇所の第1係止部31とが光軸3の軸線方向に重なる位置に配置されるように位置合わせを行う。なお、筒状部材110には、カムフォロワ140と第1係止部31との位置を合せやすくするため、筒状部材110の外周面又は挿入側端部11に第1係止部31の位置を示すマークなどの指標が形成されていてもよい。
本実施形態においては、第1実施形態と同様に、カムフォロワ140及び第1係止部31のそれぞれが光軸3の軸周り方向に等しい間隔で3箇所に配置されている。従って、1つのカムフォロワ140と1つの第1係止部31の位置を合せることにより、他の2つのカムフォロワ140と他の2つの第1係止部31とについても位置を合せることができる。この場合、図12に示すように、カムフォロワ140は、第2傾斜部142が筒状部材110の挿入側端部11の内周に当接した状態となっている。
図12に示す状態から、目当て部材20を観察対象側(+Y側)に向けて押し込むことにより、第2円筒部22を筒状部材110の内側に挿入する。この場合、カムフォロワ140の第2傾斜部142は、挿入側端部11の内周から径方向の内側に向けた力を受ける。この力により、弾性部分24が径方向の内側に弾性変形する。弾性部分24の弾性変形により、カムフォロワ140は、筒状部材110の内側に向けて移動する。つまり、カムフォロワ140は、弾性部分24の弾性力に抗して、筒状部材110から内側(径方向の内側)に離れる方向に移動する。
これにより、図13に示すように、カムフォロワ140の第2傾斜部142は、挿入側端部11の内周に対して滑るように移動しながら、筒状部材110の径方向の内側に徐々に移動していく。このように、目当て部材120に対して光軸3の軸線方向の力を加えることにより、カムフォロワ140を光軸3の軸線方向に移動させるとともに、筒状部材110の径方向の内側に向けて滑らかに移動させることができる。これにより、図13に示すように、カムフォロワ140は、徐々に筒状部材110の内側に向けて移動した状態となる。なお、第2傾斜部142は、挿入側端部11に対する滑りをよくするため(摩擦係数を小さくするため)に鏡面仕上げが施されてもよいし、摩擦係数が小さな被膜が施されてもよい。また、図13に示す状態では、カムフォロワ140は、弾性部分24により径方向の外側に向けた弾性力が付与された状態となっている。
図13に示す状態から、さらに目当て部材120を筒状部材110側に押し込むことにより、カムフォロワ140が第1係止部31に到達する。カムフォロワ140には、第1実施形態と同様に、弾性部分24により径方向の外側に向けて弾性力が付与された状態となっている。このため、図14に示すように、カムフォロワ140は、第1係止部31に到達すると、弾性部分24の弾性力によって径方向の外側に向けて移動し、カム部30の第1係止部31に入り込むことになる。
カムフォロワ140が第1係止部31に入り込むことにより、第1実施形態と同様に、光軸3の軸線方向について第1係止部31に係止される。また、カムフォロワ140には壁部141が形成されているので、目当て部材120に対して、光軸3の軸線方向に筒状部材110から引き抜く力を加えても、壁部141が第1係止部31に係止され、これにより、目当て部材120が筒状部材110から外れることを防止している。また、カムフォロワ140が第1係止部31に入り込む際に、クリック音を発するので、作業者は、このクリック音によりカムフォロワ140がカム部30に入ったことを容易に確認することができる。
以上の一連の手順により、目当て部材120を筒状部材110に装着することができる。なお、目当て構造107の製造後に、筒状部材110の外周を筒状のカバー部材等で被覆してもよい点は、第1実施形態と同様である。
また、目当て部材120を筒状部材110から取り外す場合は、カムフォロワ140を、例えば棒状の部材等により、弾性部分24の弾性力に抗して径方向の内側に押した状態で弾性部分24を弾性変形させつつ、目当て部材120を筒状部材110から引き抜くことにより行う。カムフォロワ140を第1係止部31よりも内側に移動させることにより、第1係止部31による係止が外れて、目当て部材120を筒状部材110から観察者側に容易に引き抜くことが可能となる。
以上のように、第2実施形態に係る目当て構造107によれば、第1実施形態と同様に、簡単な構成により、目当て部材120が筒状部材110から容易に外れることのない目当て構造107を提供することができる。また、第2実施形態に係る目当て構造107の製造方法によれば、目当て部材120を筒状部材110の内側に挿入するといった簡単な作業で目当て構造107を製造することができ、作業者の負担を軽減することができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態において、上記した実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図15(A)は、第3実施形態に係る目当て構造207に使用される目当て部材20及びカムフォロワ140の一例を示す図である。図15(A)には、E−E線に沿った断面図を併せて示している。図15(B)は、目当て構造207に使用される筒状部材10の一例を示す図である。図15(B)には、F−F線に沿った断面図を併せて示している。
図15(A)及び図15(B)に示すように、第3実施形態に係る目当て構造207は、筒状部材10と、目当て部材120と、カム部30と、カムフォロワ140とを備える。本実施形態において、図15(B)に示すように、筒状部材10は、第1実施形態における筒状部材10と同様の構成であり、挿入側端部11に第1傾斜部12を有している。また、カム部30についても、第1実施形態におけるカム部30と同様の構成を有している。
また、図15(A)に示すように、目当て部材120は、第1円筒部21及び第2円筒部22を有する。また、第2円筒部22には、切り込み部23及び弾性部分24が設けられる。目当て部材120の各部の構成については、上記の第2実施形態と同様の構成を有している。
また、第3実施形態に係るカムフォロワ140は、第2実施形態に係るカムフォロワ140と同様の構成である。つまり、カムフォロワ140は、例えば側面視において矩形状に形成され、壁部141及び第2傾斜部142を有する。カムフォロワ140のそれぞれは、筒状部材10の第1傾斜部12に入り込む寸法に形成されている。カムフォロワ140の第2傾斜部142は、第1傾斜部12に当たって摺動することにより、カムフォロワ140を弾性部分24の弾性力に抗して筒状部材10から離れる方向に移動させることが可能である。
続いて、本実施形態に係る目当て構造207の製造方法について説明する。図16から図18は、目当て部材120を筒状部材10に装着する場合の一例を示す図である。図16から図18は、光軸3を通る平面による断面図である。図16から図18のそれぞれには、1つのカムフォロワ140及び第1傾斜部12について、当接部分を拡大する部分拡大図を併せて示している。
図16に示すように、先ず、3箇所のカムフォロワ140を3箇所の第1傾斜部12に当接させることにより、光軸3の軸周り方向について、筒状部材10と目当て部材120との位置を合わせる。この場合、カムフォロワ140の第2傾斜部142のそれぞれは、第1傾斜部12のそれぞれに当接した状態となっている。本実施形態においては、カムフォロワ140及び第1傾斜部12のそれぞれが光軸3の軸周り方向に等しい間隔で3箇所に配置されている。従って、1つのカムフォロワ140と1つの第1傾斜部12とを当接させることにより、他の2つのカムフォロワ140と他の2つの第1傾斜部12とについても当接された状態となっている。
図16に示す状態から、目当て部材120を観察対象側に押し込むことにより、第2円筒部22を筒状部材10の内側に挿入する。この場合、カムフォロワ140の第2傾斜部142は、第1傾斜部12から径方向の内側に向けた力を受ける。この力により、弾性部分24が径方向の内側に弾性変形する。弾性部分24の弾性変形により、カムフォロワ140は、筒状部材10の径方向の内側に向けて移動する。つまり、カムフォロワ140は、弾性部分24の弾性力に抗して、筒状部材10から内側(径方向の内側)に離れる方向に移動することになる。
これにより、図17に示すように、カムフォロワ140の第2傾斜部142は、第1傾斜部12上を滑るように移動しながら、筒状部材10の径方向の内側に徐々に移動していく。このように、目当て部材120に対して光軸3の軸線方向の力を加えることにより、カムフォロワ140を光軸3の軸線方向に移動させるとともに、筒状部材10の径方向の内側に滑らかに移動させることができる。これにより、図17に示すように、カムフォロワ140は、徐々に筒状部材10の内側に向けて移動した状態となる。なお、第1傾斜部12及び第2傾斜部142の一方又は双方は、両者間の滑りをよくするため(摩擦係数を小さくするため)に鏡面仕上げが施されてもよいし、摩擦係数が小さな被膜が施されてもよい。また、図17に示す状態では、カムフォロワ140は、弾性部分24により径方向の外側に向けた弾性力が付与された状態となっている。
図17に示す状態から、さらに目当て部材120を筒状部材10側に押し込むことにより、カムフォロワ140が第1係止部31に到達する。カムフォロワ140には、上記した実施形態と同様に、弾性部分24により径方向の外側に向けて弾性力が付与された状態となっている。このため、図18に示すように、カムフォロワ140は、第1係止部31に到達すると、弾性部分24の弾性力によって径方向の外側に向けて移動し、カム部30の第1係止部31に入り込むことになる。
カムフォロワ140が第1係止部31に入り込むことにより、上記した実施形態と同様に、光軸3の軸線方向について第1係止部31に係止される。また、カムフォロワ140には壁部141が形成されているので、目当て部材120に対して、光軸3の軸線方向に筒状部材10から引き抜く力を加えても、壁部141が第1係止部31に係止され、これにより、目当て部材120が筒状部材10から外れることを防止している。また、カムフォロワ140が第1係止部31に入り込む際に、クリック音を発するので、作業者は、このクリック音によりカムフォロワ140がカム部30に入ったことを容易に確認することができる。
以上の一連の手順により、目当て部材120を筒状部材10に装着することができる。なお、目当て構造207の製造後に、筒状部材10の外周を筒状のカバー部材等で被覆してもよい点は、第1実施形態と同様である。
また、目当て部材120を筒状部材10から取り外す場合は、カムフォロワ140を、例えば棒状の部材等により、弾性部分24の弾性力に抗して径方向の内側に押した状態で弾性部分24を弾性変形させつつ、目当て部材120を筒状部材10から引き抜くことにより行う。カムフォロワ140を第1係止部31よりも内側に移動させることにより、第1係止部31による係止が外れて、目当て部材120を筒状部材10から観察者側に容易に引き抜くことが可能となる。
以上のように、第3実施形態に係る目当て構造207によれば、上記した実施形態と同様に、簡単な構成により、目当て部材120が筒状部材10から容易に外れることのない目当て構造207を提供することができる。また、第3実施形態に係る目当て構造207の製造方法によれば、目当て部材120を筒状部材10の内側に挿入するといった簡単な作業で目当て構造207を製造することができ、作業者の負担を軽減することができる。また、第3実施形態の目当て構造207では、筒状部材10の第1傾斜部12にカムフォロワ140の第2傾斜部142が当たるため、傾斜部どうしが摺動することにより、目当て部材120を筒状部材10に挿入する作業を一層スムーズに行うことができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態において、上記した実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図19(A)は、第4実施形態に係る目当て構造307に使用される目当て部材20及びカムフォロワ40の一例を示す図である。図19(A)には、G−G線に沿った断面図を併せて示している。図19(B)は、目当て構造307に使用される筒状部材110の一例を示す断面図である。
図19(A)及び図19(B)に示すように、第4実施形態に係る目当て構造307は、筒状部材110と、目当て部材20と、カム部30と、カムフォロワ40とを備える。本実施形態において、図19(B)に示すように、筒状部材110は、挿入側端部11が円環状の平面部であり、光軸3の軸周り方向の一周に亘って平坦に形成される。つまり、第4実施形態において、挿入側端部11には、第1傾斜部12(図4参照)が配置されていない構成である。筒状部材110の他の構成及びカム部30の構成については、それぞれ第1実施形態における筒状部材10及びカム部30と同様の構成を有している。
また、図19(A)に示すように、目当て部材20は、第1円筒部21及び第2円筒部22を有する。また、第2円筒部22には、切り込み部23及び弾性部分24が設けられる。目当て部材20の各部の構成については、上記の第1実施形態と同様の構成を有している。また、第4実施形態に係るカムフォロワ40は、第1実施形態に係るカムフォロワ40と同様の構成を有している。
続いて、本実施形態に係る目当て構造307の製造方法について説明する。図20から図22は、目当て部材20を筒状部材110に装着する場合の一例を示す図である。図20から図22は、光軸3を通る平面による断面図である。図20から図22のそれぞれには、1つのカムフォロワ140について、当接部分を拡大する部分拡大図を併せて示している。
図20に示すように、先ず、3箇所のカムフォロワ40を筒状部材110の挿入側端部11に当接させる。このとき、例えば作業者の目視により、3箇所のカムフォロワ40とカム部30の3箇所の第1係止部31とが光軸3の軸線方向に重なる位置に配置されるように位置合わせを行う。なお、筒状部材110には、カムフォロワ40と第1係止部31との位置を合せやすくするため、筒状部材110の外周面又は挿入側端部11に第1係止部31の位置を示すマークなどの指標が形成されていてもよい。
本実施形態においては、第1実施形態と同様に、カムフォロワ40及び第1係止部31のそれぞれが光軸3の軸周り方向に等しい間隔で3箇所に配置されている。従って、1つのカムフォロワ40と1つの第1係止部31の位置を合せることにより、他の2つのカムフォロワ40と他の2つの第1係止部31とについても位置を合せることができる。この場合、図20に示すように、カムフォロワ40は、筒状部材110の挿入側端部11に当接した状態となっている。
図20に示す状態から、例えば作業者の手作業により、又は棒状の部材等を用いて各カムフォロワ40を径方向の内側に向けて押し込んで弾性部分24を弾性変形させ、各カムフォロワ40を挿入側端部11の内周よりも内側となるように配置させる。この状態で、目当て部材20を観察対象側に押し込むことにより、図21に示すように、カムフォロワ40が筒状部材110の内側に入り込んだ状態となる。なお、3つのカムフォロワ40を同時に内側に押し込むために、専用の治具等が使用されてもよい。また、図21に示す状態において、カムフォロワ40は、弾性部分24により径方向の外側に向けた弾性力が付与された状態である。
図21に示す状態から、目当て部材20を観察対象側(+Y側)に向けて押し込むことにより、第2円筒部22が筒状部材110の内側に挿入され、カムフォロワ40が第1係止部31に到達する。カムフォロワ40には、第1実施形態と同様に、弾性部分24により径方向の外側に向けて弾性力が付与された状態となっている。このため、図22に示すように、カムフォロワ40は、第1係止部31に到達すると、弾性部分24の弾性力によって径方向の外側に向けて移動し、カム部30の第1係止部31に入り込むことになる。
る。
カムフォロワ40が第1係止部31に入り込むことにより、第1実施形態と同様に、光軸3の軸線方向について第1係止部31に係止される。また、カムフォロワ40には壁部41が形成されているので、目当て部材20に対して、光軸3の軸線方向に筒状部材110から引き抜く力を加えても、壁部41が第1係止部31に係止され、これにより、目当て部材20が筒状部材110から外れることを防止している。また、カムフォロワ40が第1係止部31に入り込む際に、クリック音を発するので、作業者は、このクリック音によりカムフォロワ40がカム部30に入ったことを容易に確認することができる。
以上の一連の手順により、目当て部材20を筒状部材110に装着することができる。なお、目当て構造307の製造後に、筒状部材110の外周を筒状のカバー部材等で被覆してもよい点は、第1実施形態と同様である。
また、目当て部材20を筒状部材110から取り外す場合は、カムフォロワ40を、例えば棒状の部材等により、弾性部分24の弾性力に抗して径方向の内側に押した状態で弾性部分24を弾性変形させつつ、目当て部材20を筒状部材110から引き抜くことにより行う。カムフォロワ40を第1係止部31よりも内側に移動させることにより、第1係止部31による係止が外れて、目当て部材20を筒状部材110から観察者側に容易に引き抜くことが可能となる。
以上のように、第4実施形態に係る目当て構造307によれば、第1実施形態と同様に、簡単な構成により、目当て部材20が筒状部材110から容易に外れることのない目当て構造307を提供することができる。また、第4実施形態に係る目当て構造307の製造方法によれば、各カムフォロワ40を径方向の内側に向けて押し込んだ状態で、目当て部材120を筒状部材110の内側に挿入するといった簡単な作業で目当て構造307を製造することができ、作業者の負担を軽減することができる。また、第4実施形態では、筒状部材110の挿入側端部11、及びカムフォロワ40に傾斜部を形成しないので、筒状部材110及び目当て部材20の製造が容易である。
上記した実施形態では、カム部30が筒状部材10、110の内外を貫通して設けられる構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。図23は、カム部の他の例を示す斜視図である。図23には、H−H線に沿った断面に関する部分拡大図を併せて示している。図23に示すように、カム部30Aは、筒状部材10Aの内周面17に形成されている。従って、カム部30Aに挿入されるカムフォロワ40、140は、筒状部材10Aの外面側には露出しない状態となる。
これにより、筒状部材10Aの外部からカムフォロワ40、140に対して力が作用することを回避でき、カムフォロワ40、140が誤って内側に押されて、目当て部材20、120が筒状部材10Aから抜けてしまうなどの事態を抑制できる。なお、図23の筒状部材10Aでは、挿入側端部11に第1傾斜部12が設けられているが、第1傾斜部12が設けられなくてもよい。
また、カム部30Aは、筒状部材10Aの外周部分が薄く残った状態となっている。この部分は弾性変形可能である。従って、目当て部材20、120を筒状部材10Aから取り外す場合は、例えば棒状の部材等を用いて、筒状部材10Aの薄くなった部分を外側から押して弾性変形させつつ、カムフォロワ40を内側に移動させ、この状態で目当て部材20、120を筒状部材10Aから引き抜くことにより、目当て部材20、120を筒状部材10Aから取り外すことが可能である。また、カム部30Aの第1係止部31に対応する部分に開口部が形成され、この開口部を介して例えば棒状の部材等によりカムフォロワ40を内側に移動させてもよい。
また、上記した実施形態では、弾性部分24と目当て部材20とで径方向の寸法(厚さ)が等しい場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。図24は、目当て部材の他の例を示す図である。図24には、I−I線に沿った断面に関する部分拡大図を併せて示している。図24に示す目当て部材20Bは、弾性部分24Bのうち目当て部材20Bとの接続部分25が、目当て部材20Bの他の部分に対して薄肉に形成されている。このように、弾性部分24Bの少なくとも一部が、目当て部材20Bの他の部分に対して薄肉であってもよい。なお、弾性部分24Bの全体が目当て部材20Bの他の部分に対して薄肉であってもよい。
弾性部分24Bの一部又は全部を薄肉とすることにより、弾性部分24Bを容易に弾性変形させることができ、これにより、カムフォロワ40(140)を内側に向けて容易に移動させることができる。なお、図24に示す弾性部分24Bのように、一部又は全部を薄肉とすることに代えて、弾性部分24(図5等参照)の一部又は全部を他の部分に対して厚肉としてもよい。弾性部分24の一部又は全部を厚肉とすることにより、弾性部分24の剛性を高めることができ、弾性部分24が破損するのを抑制できる。
[光学機器の製造方法]
続いて、本実施形態に係る光学機器の製造方法について説明する。なお、本実施形態において、目当て構造7等を有する光学機器として、図1に示す双眼鏡1を例として挙げているが、これに限定されず、光学機器として望遠鏡、顕微鏡などであってもよい。図25は、実施形態に係る光学機器の製造方法の一例を示すフローチャートである。図25に示すように、先ず、双眼鏡1のボディ6が用意される(ステップS1)。ステップS1において、ボディ6は、既に鏡筒5(光学系2,2L,2Rを含む)が組み付けられた状態で用意されてもよいし、鏡筒5が組み付けられる前の状態で用意されてもよい。なお。光学機器が望遠鏡、顕微鏡の場合、ボディ6は、望遠鏡本体、顕微鏡本体などである。
続いて、ボディ6に筒状部材10、110が取り付けられる(ステップS2)。ステップS2において、ボディ6への筒状部材10、110の取り付けは、例えば、筒状部材10の端部外周に形成されたネジ部と、ボディ6に予め設けられているネジ穴とをネジ結合させることにより行ってもよい。また、ボルト等の締結部材を用いて、筒状部材10、110にボディ6が取り付けられてもよい。また、筒状部材10、110は、取り外し可能な状態でボディ6に取り付けられることに限定されず、接着剤又は溶接等によりボディ6に固定されてもよい。
続いて、筒状部材10、110に目当て部材20、120が装着される(ステップS3)。筒状部材10、110への目当て部材20、120の装着は、上記した実施形態のとおりである。なお、ステップS2の後にステップS3を行うことに限定されず、例えば、ステップS3の後にステップS2を行ってもよい。すなわち、先ず、ステップS3において、筒状部材10、110に目当て部材20、120を装着した後(目当て構造7等が形成された後)に、ステップS2において、この目当て構造7等がボディ6に取り付けられてもよい。
また、ステップS1において、ボディ6が鏡筒5等の組み付け前に用意されている場合は、ステップS2において、ボディ6に筒状部材10、110が取り付けられた後、あるいは、ステップS3において、筒状部材10、110に目当て部材20、120が装着された後(目当て構造7等が形成された後)に、鏡筒5等がボディ6に組み付けられてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術範囲は、上記した実施形態あるいは変形例などで説明した態様に限定されない。上記した実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、上記した実施形態では、カム部30及びカムフォロワ40、140が3箇所に配置された構成を例に挙げて説明したが、これに限定されず、2箇所以下又は4箇所以上に配置された構成であってもよい。また、法令で許容される限りにおいて、日本特許出願である特願2017−171982、及び本明細書で引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。
P1,P2・・・位置、1・・・双眼鏡(光学機器)、2,2L,2R・・・光学系、3,3L,3R・・・光軸、4・・・中心軸、5・・・鏡筒、6・・・ボディ、7,107,207,307・・・目当て構造、10,10A,110・・・筒状部材、11・・・挿入側端部、12・・・第1傾斜部、13・・・接眼レンズ、17・・・内周面、20,20B,120・・・目当て部材、21・・・第1円筒部、22・・・第2円筒部、23・・・切り込み部、24,24B・・・弾性部分、25・・・接続部分、30,30A・・・カム部、31・・・第1係止部、32・・・第2係止部、33・・・案内部、40,140・・・カムフォロワ、41,141・・・壁部、142・・・第2傾斜部

Claims (18)

  1. 接眼レンズ側に設けられる筒状部材と、
    前記筒状部材の内側又は外側に配置される筒状の目当て部材と、
    前記筒状部材及び前記目当て部材のいずれか一方に設けられたカム部と、
    前記筒状部材及び前記目当て部材のいずれか他方に設けられて前記カム部にガイドされるカムフォロワと、を備え、前記目当て部材を前記筒状部材に対して回転させることにより、目当て部材が前記接眼レンズの光軸方向に移動する目当て構造であって、
    前記カムフォロワは、前記筒状部材又は前記目当て部材の一部を用いて形成された弾性部分に設けられ、前記弾性部分の弾性力に抗して、前記カム部が設けられた前記筒状部材又は前記目当て部材から離れる方向に移動可能である、目当て構造。
  2. 前記カム部が設けられた前記筒状部材又は前記目当て部材の挿入側端部は、前記カム部から離れて、一周にわたって連続して形成されている、請求項1に記載の目当て構造。
  3. 前記挿入側端部には、前記カムフォロワが当たって摺動し、このカムフォロワを前記弾性部分の弾性力に抗して前記離れる方向に移動させるための第1傾斜部が設けられる、請求項2に記載の目当て構造。
  4. 前記第1傾斜部は、平面状または曲面状である、請求項3に記載の目当て構造。
  5. 前記第1傾斜部は、前記カム部が最も近接する前記挿入側端部に設けられる、請求項3又は請求項4に記載の目当て構造。
  6. 前記カムフォロワは、前記挿入側端部に当たって摺動し、前記弾性部分の弾性力に抗して前記離れる方向に移動するための第2傾斜部が設けられる、請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の目当て構造。
  7. 前記第2傾斜部は、平面状または曲面状である、請求項6に記載の目当て構造。
  8. 前記カムフォロワは、前記第2傾斜部に対して前記光軸方向の反対側に、前記光軸方向と直交する面に沿った壁部が設けられる、請求項6又は請求項7に記載の目当て構造。
  9. 前記カム部は、前記筒状部材又は前記目当て部材において、内外を貫通した状態で設けられる、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の目当て構造。
  10. 前記弾性部分は、前記筒状部材又は前記目当て部材の一部を切り欠いて形成される、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の目当て構造。
  11. 前記弾性部分は、前記筒状部材又は前記目当て部材の一部を、前記光軸を中心とした周方向に延びる片状に切り欠いて形成され、
    前記カムフォロワは、前記片状の部分における先端部分に設けられる、請求項10に記載の目当て構造。
  12. 前記片状の部分は、前記光軸方向の長さより前記周方向の長さが長い、請求項11に記載の目当て構造。
  13. 前記片状の部分の少なくとも一部は、前記片状の部分を除いた前記筒状部材又は前記目当て部材の他の部分に対して薄肉である、請求項11又は請求項12に記載の目当て構造。
  14. 前記カム部及び前記カムフォロワは、それぞれ複数設けられる、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の目当て構造。
  15. 接眼レンズ側に設けられる筒状部材と、
    前記筒状部材の内側又は外側に配置される筒状の目当て部材と、
    前記筒状部材及び前記目当て部材のいずれか一方に設けられたカム部と、
    前記筒状部材及び前記目当て部材のいずれか他方に設けられて前記カム部にガイドされるカムフォロワと、を備え、前記目当て部材を前記筒状部材に対して回転させることにより、目当て部材が前記接眼レンズの光軸方向に移動する目当て構造の製造方法であって、
    前記カムフォロワは、前記筒状部材又は前記目当て部材の一部を用いて形成された弾性部分に設けられ、前記弾性部分の弾性力に抗して、前記カム部が設けられた前記筒状部材又は前記目当て部材から離れる方向に移動可能であり、
    前記目当て部材を前記筒状部材の内側又は外側に入れることにより、前記カムフォロワが前記弾性部分の弾性力に抗して前記離れる方向に移動することと、
    前記カムフォロワが前記カム部に達した際に、前記カムフォロワが前記弾性部分の弾性力により前記カム部に入り込むことと、を含む、目当て構造の製造方法。
  16. 前記カムフォロワを、棒状の部材で前記弾性部分の弾性力に抗して前記離れる方向に押すことにより、前記目当て部材を前記筒状部材から分離可能とすることを含む、請求項15に記載の目当て構造の製造方法。
  17. 請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の目当て構造を備える、光学機器。
  18. 目当て構造を含む光学機器の製造方法であって、
    請求項15又は請求項16に記載の目当て構造の製造方法を含む、光学機器の製造方法。
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