JP2007275976A - プレス金型、バーリング加工方法、プレス加工品の製造方法およびプレス加工品 - Google Patents

プレス金型、バーリング加工方法、プレス加工品の製造方法およびプレス加工品 Download PDF

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英昭 志賀
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    • B21D19/088Flanging or other edge treatment, e.g. of tubes by single or successive action of pressing tools, e.g. vice jaws for flanging holes

Abstract

【課題】バーリング加工によりボスを成形する場合において、ボスに連続する平面部に生じる反りを低減することを可能としたプレス金型、このプレス金型を利用したバーリング加工方法、プレス加工品の製造方法およびプレス加工品を提案する。
【解決手段】バーリング穴2aが形成されたダイ2と、バーリング穴2aに挿入可能な形状に形成されたバーリングパンチ4と、からなるプレス金型1を利用して金属板10にボス11を成形するバーリング加工方法であって、バーリング穴2aとバーリングパンチ4とのクリアランスSが、金属板10の加工前の部材厚tの60%以上115%以下、好ましくは65%以上100%以下、さらに好ましくは75%以上95%以下の範囲内に構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、プレス金型、このプレス金型を利用したバーリング加工方法、プレス加工品の製造方法およびプレス加工品に関する。
バーリング加工は、金属板等の被加工材に下穴をあけて、この下穴の縁にフランジ(ボス)を成形するプレス加工方法である。
バーリング加工は、被加工材の下穴の直径よりも大きく、設計されたボスの外径と同程度の直径からなるバーリング穴が形成されたダイと、設計されたボスの内径と同程度の外径を有した棒状のバーリングパンチを利用して行う。そして、ダイのバーリング穴と被加工材の下穴との中心が略一致するように、被加工材をダイの表面に配置した後、被加工材のダイと反対側表面からバーリングパンチをバーリング穴に挿入する。これにより、下穴の縁がバーリングパンチの押圧力により押し広げられながらダイのバーリング穴の縁に沿って押し曲げられるため、被加工材にボスが成形される(例えば、特許文献1参照)。
このようなバーリング加工は、加工時に割れや破断が生じることがなく、ボスの高さおよび部材厚が均一に成形されるように行うことが必要である。
従来のバーリング加工におけるプレス金型101は、図5に示すように、バーリング加工におけるダイ102のバーリング穴103とバーリングパンチ104とのクリアランスSは、ボス111の高さおよび部材厚が均一となるように成形することを目的として、経験則により、被加工材110の厚みの1/2程度に設定するのが一般的であった。
特開2002−11526号公報
ところが、前記従来のバーリング加工方法は、被加工材110に成形されたボス111の高さおよび部材厚の均一性は確保するものの、ボス111と連続する平面部112に大きく反りが発生するという問題点を有していた。特に、従来のバーリング加工方法を薄い部材厚(例えば0.5mm以下)の被加工材110に適用すると、大きな反りが生じてしまう。
本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものであり、バーリング加工によりボスを成形する場合において、ボスに連続する平面部に生じる反りを低減することを可能としたプレス金型、このプレス金型を利用したバーリング加工方法、プレス加工品の製造方法およびプレス加工品を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、バーリング穴が形成されたダイと、前記バーリング穴に挿入可能な形状に形成されたバーリングパンチと、からなり、被加工材にボスを成形するプレス金型であって、前記ダイのバーリング穴に前記バーリングパンチを挿入した際に形成される該バーリング穴と該バーリングパンチとのクリアランスが、前記被加工材の加工前の部材厚の60%以上115%以下の範囲内であることを特徴としている。
かかるプレス金型によれば、被加工材に形成された下穴の周縁について、バーリングパンチが被加工材にバーリング加工を施す際に、バーリングパンチとダイとの間のクリアランスが被加工材の部材厚の60%〜115%の範囲内であるため、材料が圧縮された状態でボスが成形される。これにより、ボスは、バーリング穴に沿って根元から確実に押し曲げられるため、所望の形状に成形される。また、ボスは、その根元において、塑性変形がなされ、ボスに連続する平面部における反りの発生が抑えられる。なお、平面部の反りを抑えるためには、バーリングパンチとダイとのクリアランスを65%〜100%の範囲内とすれば、より効果的である。さらに、バーリングパンチとダイとのクリアランスを75%〜95%の範囲内とすれば、さらに効果的に平面部の反りを抑止することが可能となる。
また、請求項2に記載の発明は、バーリング穴が形成されたダイに、被加工材を固定した後、前記被加工材の前記ダイとの当接面の反対側から前記バーリング穴に挿入可能な形状に形成されたバーリングパンチを該バーリング穴に押し込むことにより、前記被加工材にボスを成形するバーリング加工方法であって、前記ダイのバーリング穴に前記バーリングパンチを挿入した際に形成される該バーリング穴と該バーリングパンチとのクリアランスが、前記被加工材の加工前の部材厚の60%以上115%以下の範囲内であることを特徴としている。
かかるバーリング加工方法によれば、ボスを有して成形されるプレス加工品について、ボスに連続する平面部の反りが従来に比べて減少され、かつ、平面度が良好に成形される。バーリングパンチとダイとのクリアランスを、被加工材の部材厚の65%〜100%の範囲内とすれば、より効果的である。さらに、バーリングパンチとダイとのクリアランスを75%〜95%の範囲内とすれば、さらに効果的に平面部の反りを抑止することが可能となる。
また、請求項3に記載の発明は、バーリング穴が形成されたダイと、前記バーリング穴に挿入可能な形状に形成されたバーリングパンチと、からなるプレス金型を利用して被加工材にバーリング加工を施すことにより、平面部と該平面部に少なくとも1つ成形されたボスとを有するプレス加工品を製造するプレス加工品の製造方法であって、前記ダイのバーリング穴に前記バーリングパンチを挿入した際に形成される該バーリング穴と該バーリングパンチとのクリアランスが、前記被加工材の加工前の部材厚の60%以上115%以下の範囲内であることを特徴としている。
かかるプレス加工品の製造方法によれば、平面度が良好に成形された平面部と、ボスとを有するプレス加工品を製造することが可能となる。さらに、平面部の反りを抑えることを目的として、バーリングパンチとダイとのクリアランスを、被加工材の部材厚の65%〜100%の範囲内とすれば、より効果的である。さらに、バーリングパンチとダイとのクリアランスを75%〜95%の範囲内とすれば、さらに効果的に平面部の反りを抑止することが可能となる。
また、請求項4に記載の発明は、バーリング穴が形成されたダイと、前記バーリング穴に挿入可能な形状に形成されたバーリングパンチと、からなるプレス金型を利用して被加工材にバーリング加工を施すことにより、平面部と、該平面部に少なくとも1つ成形されたボスと、を有するプレス加工品であって、前記ボスの部材厚が、前記被加工材の加工前の部材厚の70%以上115%以下の範囲内であることを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のプレス加工品であって、前記被加工材の加工前の部材厚が、0.5mm以下であることを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載のプレス加工品であって、前記ボスが、前記平面部に対して85°以上95°以下の範囲内の角度で成形されていることを特徴としている。
さらに、請求項7に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載のプレス加工品であって、前記平面部が、前記ボスから該平面部の外周囲までの距離に対して9%以下の平面度となるように成形されていることを特徴としている。
本発明のプレス金型、バーリング加工方法およびプレス加工品の製造方法によれば、バーリング加工によりボスを成形する場合において、ボスに連続する平面部に生じる反りを低減することが可能となる。また、本発明のプレス加工品は、反りが小さく、平面度が良好なため、精密部品等の部材として好適に使用することが可能となる。
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態では、プレス加工品として、磁気媒体を収納するカートリッジの部品、より詳しくは、カートリッジのシャッタ部材を成形する場合について説明する。
参照する図面において、図1(a)は、本実施形態に係るプレス金型を示す横断面図であって、(b)は(a)の一部分を示す拡大図である。図2(a)は本実施形態に係るプレス加工品を示す斜視図であって、(b)は(a)の断面図である。図3は、本実施形態に係るバーリング加工方法の各施工段階を示す横断面図である。
本実施形態に係るプレス金型1は、図1(a)に示すように、バーリング穴2aが形成されたダイ2と、このダイ2と被加工材である金属板10を介して対向するように配置されるストリッパ6と、バーリング穴2aに挿入可能な形状に形成されたバーリングパンチ4とを備えている。
本実施形態では、金属板10として、その板厚(部材厚)tが、0.5mm以下、好ましくは0.3mm以下、さらに好ましくは0.25mm以下のものを使用する。本実施形態では、金属板10について、図2(a)に示すように、バーリング加工を施すことにより、中央にボス11が成形された、プレス加工品15を成形するものとする。そして、ボス11に連続する平面部12は、バーリング加工に伴い、反りが生じることがないように(低減されるように)、品質が確保されている。なお、図面において、符号13は、金属板10の周縁に絞り加工を施すことにより成形された縁壁である。また、符号14は、平面部12に段差加工を施すことにより成形された段差である。
ダイ2は、図1(a)に示すように、ダイプレート3に形成された凹部3aに配置されている。本実施形態に係るプレス金型1は、ダイ2を変更可能に構成されており、設計されたボス11の形状に応じて、所望のバーリング穴2aが形成されたダイ2を配置する。
ダイ2は、設計されたプレス加工品15のボス11(図2参照)の形状に応じて形成されたバーリング穴2aが中央に形成された円筒状の鋼製部材により構成されている。また、ダイ2の上面におけるバーリング穴2aの周縁には、ストリッパ6側に突出する突部2bが形成されている。なお、ダイ2を構成する材料は限定されるものではなく、金属板10のプレス加工により変形することがない強度を有している公知の材料から適宜選定して使用すればよい。
バーリング穴2aは、ダイ2の略中央に形成されており、本実施形態では、設計されたボス11の形状に応じて円形に形成されている。バーリング穴2aの内径は、バーリングパンチ4の外径よりも大きく形成されており、バーリングパンチ4がバーリング穴2aに挿入された状態で、所定幅のクリアランスSが形成されるように構成されている。本実施形態では、バーリングパンチ4とバーリング穴2aのクリアランスSが、金属板10の板厚(部材厚)tに対して60%〜115%の範囲内となるように構成されている。なお、バーリングパンチ4とバーリング穴2aとのクリアランスSは、60%〜115%の範囲内であれば限定されるものではないが、好ましくは65%〜100%の範囲内、さらに好ましくは75%〜95%の範囲内とする。
なお、本実施形態では、バーリング穴2aの形状を円形に形成した場合について説明したが、例えば、正方形、矩形、楕円形等、設計されたボス11の形状に応じて適宜形成すればよく、円形に限定されるものではない。
突部2bの形状は、この突部2bとストリッパ6とにより、バーリング加工時に金属板10がずれることがないように強固に金属板10を把持することが可能であれば限定されるものではないが、本実施形態では、幅wが、金属板10の板厚tの50%〜400%、好ましくは150%〜300%の範囲内であって、高さhが、金属板10の板厚tの5%〜20%の範囲内に形成する。
バーリングパンチ4は、パンチプレート5に固定されており、パンチプレート5の下降に伴い、先端部分がダイ2のバーリング穴2aに挿入されるように、構成されている。
バーリングパンチ4は、図1(a)に示すように、鋼製の棒状部材であって、外径が設計されたボス11の内径と略同じ形状に形成されているとともに、バーリング穴2aとのクリアランスSが、前記の範囲になるように構成されている。そして、バーリングパンチ4の先端(下端)部は、先端に行くに従ってその直径が小さくなるように、先細りに形成されている。なお、バーリングパンチ4の形状は限定されるものではなく、適宜公知の形状に形成されていればよい。
なお、本実施形態では、バーリングパンチ4が金属板10の上方から下降することで金属板10にバーリング加工を施す構成としたが、バーリングパンチ4が下方から上昇する構成としてもよいことはいうまでもなく、バーリングパンチ4の動作方向は限定されるものではない。
ストリッパ6は、金属板10のダイ2との当接面と反対側の面から、金属板10に当接して、ダイ2とにより金属板10を把持する板状材である。ストリッパ6は、パンチプレート5と隙間を介して配置されており、ストリッパ6とパンチプレート5との間には図示しないバネ部材が配置されている。
なお、ストリッパ6は、ダイ2と把持することにより金属板10を強固に固定することが可能であればその構成は限定されないことはいうまでもない。
次に、図3(a)〜(c)を参照して、本実施形態によるバーリング加工方法について、説明する。
本実施形態では、図2(a)に示すように、金属板10(プレス加工品15)に円形のボス11を成形する場合について説明する。なお、ボス11の形状は、円形に限定されるものではなく、プレス加工品15の使用目的に応じて、適宜任意の形状に成形可能である。
つまり、当該バーリング加工方法は、図1および図2に示すように、バーリング穴2aが形成されたダイ2と、バーリング穴2aに挿入可能な形状に形成されたバーリングパンチ4と、からなるプレス金型1を利用して金属板10にバーリング加工を施すことにより、平面部12とこの平面部12に成形されたボス11とを有するプレス加工品15を製造するプレス加工品の製造方法であって、ダイ2のバーリング穴2aにバーリングパンチ4を挿入した際に形成されるバーリング穴2aとバーリングパンチ4とのクリアランスSが、金属板10の加工前の部材厚tの60%〜115%、好ましくは65%〜100%、さらに好ましくは75%〜95%の範囲内に構成されたプレス金型1を利用する。
バーリング加工方法は、ダイ2に金属板10を配置する配置工程と、ダイ2の上面に配置された金属板10の上面にストリッパ6を当接させて、金属板10を固定する固定工程と、固定された金属板10にバーリングパンチ4を押し込むことによりボス11を成形するバーリング工程と、からなる。
<配置工程>
配置工程は、図3(a)に示すように、バーリング穴2aが形成されたダイ2の表面に、予め下穴10hが形成された金属板10を配置する工程である。この時、バーリング穴2aの中心と、下穴10hの中心とが略一致するように配置し、バーリング加工により成形されるボス11の高さが一定となるようにする。
配置工程では、ストリッパ6は、上昇した位置に配置されており、ストリッパ6とダイ2との間には隙間が形成されて、金属板10の移動が可能な状態となっている。一方、ストリッパ6とパンチプレート5との隙間は、ストリッパ6の上昇に伴い、隙間が狭くなっている。
<固定工程>
固定工程は、図3(b)に示すように、ダイ2の上面に配置された金属板10の上面(ダイ2側と反対側の面)にストリッパ6を押し当てて、このストリッパ6とダイ2とにより、金属板10を把持して固定する工程である。このとき、金属板10は、ダイ2のバーリング穴2aの周縁に形成された突部2bが食い込むことにより、強固に固定される。
金属板10の固定は、ストリッパ6を下降させることにより行う。このストリッパ6の下降に伴い、ストリッパ6は金属板10に隙間なく密着するとともに、ストリッパ6とパンチプレート5との隙間は広がる。
<バーリング工程>
バーリング工程は、図3(c)に示すように、固定工程により金属板10が固定されたダイ2のバーリング穴2aに、パンチプレート5を下降させて、バーリングパンチ4を押し込むことにより、金属板10にバーリング加工を施す工程である。バーリングパンチ4は、先細りになった先端が、金属板10の下穴10hに対応するように配置されており、この状態でバーリング穴2aに押し込むことにより、下穴10hの周縁をバーリング穴2aの周壁に沿って押し曲げる。また、バーリング穴2aとバーリングパンチ4とのクリアランスは、金属板10の板厚t以下に形成されているため、バーリング穴2aとバーリングパンチ4とにより、金属板10のボス11部分は、しごかれるとともにバーリング加工が施される。
前記バーリング加工方法により成形されたプレス加工品は、ボス11の部材厚が、金属板10の加工前の板厚tの70%〜115%に成形される。なお、ボス11は、プレス金型1のダイ2とバーリングパンチ4とのクリアランスS(板厚tに対して60%〜115%の範囲内)により、しごかれたのち、プレス金型1から取り外すとわずかに膨張することから、前記の部材厚に成形される。ここで、ボス11の部材厚は、前記の範囲内であれば限定されるものではないが、好ましくは75%〜100%の範囲内、さらに好ましくは86%〜97%の範囲内がよい(図2(a)及び(b)参照)。
また、このプレス加工品は、ボス11と平面部12との角度φが、85°〜95°の範囲内であって、平面部12の平面度が、ボス11からプレス加工品15の縁壁13までの距離xの9%以下に構成されている(図2(a)及び(b)参照)。つまり、平面部12に生じた反りや凹凸の高さが、距離x×0.09mm以下となるように構成されている。
本実施形態に係るプレス金型、このプレス金型を利用したバーリング加工方法またはプレス加工品の製造方法によれば、前記のように、成形されたプレス加工品のボス11に連続する平面部12に生じる反りを低減することが可能となる。そのため、例えば、記録ディスクカートリッジのシャッタなど、ボスに連続する平面部に反りを有していると、その開閉移動が妨げられて、要求される機能を発揮することができないような、精密部品のバーリング加工について、適用することが可能である。
また、プレス金型1は、ダイ2とバーリングパンチ4とのクリアランスが、金属板10の板厚tと略同じか、板厚tよりもわずかに小さく構成されているため、加工後のボス11の部材厚が、一定に成形される。
また、プレス金型1は、ダイ2の上面であって、バーリング穴2aの周縁に突部2bが成形されているため、金属板10を強固に固定し、バーリングパンチ4により押圧力が負荷された際に、金属板10が動くことがない。そのため、バーリングパンチ4の加工とともに、金属板10がバーリング穴2aに流れ込むことを防止し、ボス11の高さが一定に成形される。
バーリングパンチ4は、先端部が、先端に行くに従い細くなるように形成されているため、バーリング加工時に下穴10hを徐々に押し広げながらボス11を成形することが可能となり、ボス11の成形を高品質に行うことを可能としている。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、金属板の板厚を、0.5mm以下としたが、本発明に係るプレス金型およびバーリング加工方法により加工可能な被加工材の部材厚は、限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
また、被加工材の材質も限定されないことはいうまでもない。
また、本発明のプレス金型は、個別の金型として使用してもよく、順送金型の一部として使用してもよいことはいうまでもない。
また、前記実施形態では、プレス金型のダイに突部を形成するものとしたが、ストリッパのバーリングパンチの周囲に対応する箇所に突部を形成してもよい。また、ダイおよびストリッパの両方に突部が形成されていても、いずれにも突部が形成されていなくてもよい。
さらに、前記実施形態では、プレス加工品として、磁気媒体を収納するカートリッジの部品、より詳しくは、カートリッジのシャッタ部材を成形する場合について説明したが、本発明のプレス金型およびバーリング加工方法により成形されるプレス加工品の使用用途や形状等が限定されないことはいうまでもない。
以下、本発明に係るプレス金型およびバーリング加工方法によるブレス加工品の品質の向上について、実証実験結果について記載する。
本実証実験では、ダイ2と、バーリングパンチ4とのクリアランスSを変化させて、バーリング加工を行い、その被加工材の平面部の反りを測定することで、本発明に係るプレス金型1を利用したバーリング加工方法による品質の向上効果(平面部の反りの低減化)の実証を行った。
本実証実験では、図4(a)に示すように、板厚が0.15mmの金属板10(ステンレス鋼SUS304−SP)を使用する。そして、ダイ2とバーリングパンチ4とのクリアランスSを金属板10の板厚の50%(S=0.075mm)、80%(S=0.12mm)、100%(S=0.15mm)と設定した場合について、それぞれ、平面部12(図4(b)参照)の加工前と比較した加工後の反りの増加について、測定し、比較を行った。
なお、反り(平面度)の測定は、図4(b)に示すように、レーザ変位計Lにより、ボス11の根元における3点(a,b,c)の座標を測定し、仮想面Aを形成する。そして、レーザ変位計Lをボスが成形された金属板10の縦断方向、横断方向、対角方向に移動させながら平面部12の変位を測定することで、3点a,b,cの座標により形成された仮想面Aに対する平面部12の反り(凹凸)を測定する。ここで、反り(平面度)の+−は、図4(c)に示すように、ボス11の突出部分と反対側への反り(平面度)を+、ボス11側への反り(平面度)を−とする。
図4(a)に示すように、クリアランスSを、従来行われていたバーリング加工方法に沿って板厚tの50%(S=0.075mm)に設定すると、反りが0.25mm増加する結果となった。一方、クリアランスSが板厚tの80%(S=0.12mm)の場合は、+0.08mm程度、クリアランスSが板厚tと同じ場合(S=0.15mm)は、−0.06mm程度となり、クリアランスSが板厚tの1/2の場合に比べて、よくなる結果が得られた。
図4(a)に示すグラフにより、クリアランスSを被加工材の部材厚tの60%〜115%(S=0.09〜0.17mm)の範囲内とすれば、反りの増加は部材厚t(0.15mm)と同程度以下となり、従来のクリアランスSを被加工材の部材厚tの50%にする場合に比べて大幅に低減されるため、好適である。また、クリアランスSを被加工材の部材厚tの65%〜100%(S=0.1〜0.15mm)の範囲内とすれば、反りの増加は部材厚t(0.15mm)以下となるため、より好ましい。さらに、クリアランスSを被加工材の部材厚tの75%〜95%(S=0.11〜0.14mm)の範囲内とすれば、反りの増加は部材厚tの50%程度(0.075mm)以下となるため、さらに好ましい。
以上の結果により、ダイとバーリングパンチとのクリアランスSを被加工材の部材厚の60%〜115%、好ましくは65%〜100%、さらに好ましくは75%〜95%の範囲内とすることで、バーリング加工後のプレス加工品の平面部の反りが、抑えられることが実証された。
なお、金属板10として、アルミニウム(Al)製の板材やステンレス鋼(SUS304−CSP)について同様の試験を行った結果、同様の傾向が示された。
本実施形態に係るプレス金型を示す横断面図であって、(b)は(a)の一部分を示す拡大図である。 (a)は本実施形態に係るプレス加工品を示す斜視図であって、(b)は(a)のプレス加工品の横断面図である。 (a)〜(c)は、本実施形態に係るバーリング加工方法の各段階を示す横断面図である。 (a)は、クリアランスとプレス加工品の反りの関係を示す図であり、(b)は、反りの測定方法を示す概略図であり、(c)は、反りの方向を示す説明図である。 従来のプレス金型を示す横断面図である。
符号の説明
1 プレス金型
2 ダイ
2a バーリング穴
2b 突部
4 バーリングパンチ
6 ストリッパ
10 金属板(被加工材)
11 ボス
12 平面部
15 プレス加工品
S クリアランス
t 板厚(部材厚)

Claims (7)

  1. バーリング穴が形成されたダイと、前記バーリング穴に挿入可能な形状に形成されたバーリングパンチと、からなり、被加工材にボスを成形するプレス金型であって、
    前記ダイのバーリング穴に前記バーリングパンチを挿入した際に形成される該バーリング穴と該バーリングパンチとのクリアランスが、前記被加工材の加工前の部材厚の60%以上115%以下の範囲内であることを特徴とする、プレス金型。
  2. バーリング穴が形成されたダイに、被加工材を固定した後、前記被加工材の前記ダイとの当接面の反対側から前記バーリング穴に挿入可能な形状に形成されたバーリングパンチを該バーリング穴に押し込むことにより、前記被加工材にボスを成形するバーリング加工方法であって、
    前記ダイのバーリング穴に前記バーリングパンチを挿入した際に形成される該バーリング穴と該バーリングパンチとのクリアランスが、前記被加工材の加工前の部材厚の60%以上115%以下の範囲内であることを特徴とする、バーリング加工方法。
  3. バーリング穴が形成されたダイと、前記バーリング穴に挿入可能な形状に形成されたバーリングパンチと、からなるプレス金型を利用して被加工材にバーリング加工を施すことにより、平面部と該平面部に少なくとも1つ成形されたボスとを有するプレス加工品を製造するプレス加工品の製造方法であって、
    前記ダイのバーリング穴に前記バーリングパンチを挿入した際に形成される該バーリング穴と該バーリングパンチとのクリアランスが、前記被加工材の加工前の部材厚の60%以上115%以下の範囲内であることを特徴とする、プレス加工品の製造方法。
  4. バーリング穴が形成されたダイと、前記バーリング穴に挿入可能な形状に形成されたバーリングパンチと、からなるプレス金型を利用して被加工材にバーリング加工を施すことにより、平面部と、該平面部に少なくとも1つ成形されたボスと、を有するプレス加工品であって、
    前記ボスの部材厚が、前記被加工材の加工前の部材厚の70%以上115%以下の範囲内であることを特徴とする、プレス加工品。
  5. 前記被加工材の加工前の部材厚が、0.5mm以下であることを特徴とする、請求項4に記載のプレス加工品。
  6. 前記ボスが、前記平面部に対して85°以上95°以下の範囲内の角度で成形されていることを特徴とする、請求項4または請求項5に記載のプレス加工品。
  7. 前記平面部が、前記ボスから該平面部の外周囲までの距離に対して9%以下の平面度となるように成形されていることを特徴とする、請求項4または請求項5に記載のプレス加工品。
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