JP2007283377A - プレス金型、絞り加工方法およびプレス加工品 - Google Patents
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Abstract
【課題】絞り加工により外周縁に壁部(縁壁)を成形する場合において、縁壁の内側の平面部に生じる反りの方向性をコントロールすることを可能としたプレス金型、このプレス金型を利用した絞り加工方法およびこの絞り加工方法により成形されたプレス加工品を提案する。
【解決手段】凸状に形成されたダイ2と、凹状に形成されたパンチ4と、ダイ2とともに金属板10を狭持するストリッパ5とを備えており、ダイ2のストリッパ5側の表面の周縁には、互いに対向する位置に突部2aが形成されたプレス金型1と、このプレス金型1を利用して、金属板10の周縁に縁壁11を成形する絞り加工方法と、これにより成形されたプレス加工品。
【選択図】図1
【解決手段】凸状に形成されたダイ2と、凹状に形成されたパンチ4と、ダイ2とともに金属板10を狭持するストリッパ5とを備えており、ダイ2のストリッパ5側の表面の周縁には、互いに対向する位置に突部2aが形成されたプレス金型1と、このプレス金型1を利用して、金属板10の周縁に縁壁11を成形する絞り加工方法と、これにより成形されたプレス加工品。
【選択図】図1
Description
本発明は、プレス金型、このプレス金型を利用した絞り加工方法およびこの絞り加工方法により成形されたプレス加工品に関する。
絞り加工は、例えば、被加工材の周縁に縁壁を成形する際に、縁壁部分に押圧力を負荷した状態で、被加工材の周縁を折り曲げる加工方法である(例えば特許文献1参照)。
被加工材の周縁を折り曲げると、材料が余る部分(余剰部分)が生じてしわがよる場合があり、この余剰部分を圧迫しつつ絞ることでしわの発生を抑止している。
被加工材の周縁を折り曲げると、材料が余る部分(余剰部分)が生じてしわがよる場合があり、この余剰部分を圧迫しつつ絞ることでしわの発生を抑止している。
このような絞り加工は、ダイとパンチとのクリアランスを、被加工材の部材厚と同程度(部材厚より若干大きく)にした状態で、ダイに配置された被加工材に、パンチにより押圧力を負荷することで、被加工材を折り曲げて、均等な肉厚の縁壁の成形を図っている。
しかし、絞り加工のプレス金型について、パンチとダイとのクリアランスを全体にわたって均一に製作することは困難なため、プレス加工時の押圧力を、金属板の周縁全体に対して均一に負荷することは困難である。そのため、加工後のプレス加工品の平面部は、平坦にならず、不均一な反りが生じてしまう。
また、被加工材の外周囲に部分的な切り欠きや、点または線に対して非対称な形状の被加工材に対して加工を施す場合には、不均一な反りが平面部に生じてしまう。
このような不均一な反りが生じることがないようにする対策として、屈曲部の根元の全延長について、突部を形成し、強固に被加工材を固定することが行われていた。
ところが、前記従来の絞り加工方法により、屈曲部の根元全延長に対して突部を形成しても、不均一な反りが発生してしまい、改善効果が見られないという問題点を有していた。特に、部材厚の薄い被加工材(例えば0.5mm以下)に対しては、歪の差に対して、部材厚が薄い方が、変形が生じやすいため、反りをコントロールすることが難しかった。さらに、部材厚に対する外形寸法の比が大きいプレス加工品は、発生した歪が増幅されやすく、反りのコントロールをし難い傾向を示す。
本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものであり、絞り加工により外周縁に壁部(縁壁)を成形する場合において、縁壁の内側の平面部に生じる反りの方向性をコントロールすることを可能としたプレス金型、このプレス金型を利用した絞り加工方法およびこの絞り加工方法により成形されたプレス加工品を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、被加工材の周縁に、縁壁を成形するためのプレス金型であって、前記縁壁の一方の面の形状に沿って凸状に形成されたダイと、前記縁壁の他方の面の形状に沿って凹部が形成されたパンチと、前記ダイとともに前記被加工材を狭持するストリッパと、を備えており、前記ダイの前記ストリッパ側の表面の周縁には、互いに対向する位置に突部が形成されていることを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプレス金型であって、前記突部の幅が、前記被加工材のプレス加工前の部材厚の100%以上400%以下の範囲内であることを特徴としている。
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のプレス金型であって、前記突部の高さが、前記被加工材の加工前の部材厚の5%以上20%以下の範囲内であることを特徴としている。
かかるプレス金型によれば、ダイの被加工材との当接面周縁に、突部が形成されているため、被加工材を強固に固定するため、プレス時に被加工材が移動することで変形が生じることを防止し、高品質なプレス加工を可能としている。そして、この突部は、互いに対向する位置に設けられているため、縁壁の絞り加工にともないプレス加工品に生じる反りは、突部を結ぶ対角線と直交する方向に形成される。
請求項4に記載の発明は、ダイとストリッパとにより狭持された被加工材の周縁を、パンチを介して押圧力を負荷することにより絞りながら折り曲げる絞り加工方法であって、前記ダイの周縁には、部分的に前記ストリッパ側に突出する突部が形成されていることを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の絞り加工方法であって、前記突部が、互いに対向する位置に形成されており、前記被加工材の絞り加工に伴い発生する反りを、該突部同士を結ぶ対角線と直交する山状または谷状の反りを形成することを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、被加工材の周縁に絞り加工を施すことにより縁壁が成形されたプレス加工品であって、前記縁壁の根元に、部分的な凹部が成形されていることを特徴としている。
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のプレス加工品であって、前記部分的な凹部が、プレス方向への投影形状の重心に対して略点対称の位置に設けられていることを特徴としている。
また、請求項8に記載の発明は、請求項6または請求項7に記載のプレス加工品であって、中心から縁までの最大幅が、前記被加工材の加工前の部材厚の25倍以上700倍以下の範囲内であることを特徴としている。
さらに、請求項9に記載の発明は、請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載のプレス加工品であって、前記縁壁の高さが、前記被加工材の加工前の部材厚の3倍以上25倍以下の範囲内であることを特徴としている。
本発明のプレス金型および絞り加工方法によれば、絞り加工により外周縁に壁部(縁壁)を成形する場合において、縁壁の内側の平面部に生じる反りの方向性をコントロールすることが可能となる。また、本発明によるプレス加工品は、絞り加工に伴う反りの方向が制御されているため、プレス加工品の使用時に平面部に生じた反りが影響を及ぼすことがない。
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態では、プレス加工品として、磁気媒体を収納するカートリッジの部品、より詳しくは、カートリッジのシャッタ部材を成形する場合について説明する。
参照する図面において、図1(a)は、本実施形態に係るプレス金型を示す断面図であって、(b)は(a)のダイを示す斜視図である。図2は、本実施形態に係るプレス加工品を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は拡大断面図である。図3は、図1に示すプレス金型の一部分を示す拡大断面図である。図4(a)〜(c)は、本実施形態に係る絞り加工方法の各施工段階を示す断面図である。図5は、本実施形態に係るプレス加工品を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X断面図である。さらに、図6(a)は反りの測定方法を示す概略図であり、図6(b)は反りの方向を示す説明図である。なお、図面は概念図であって、実際のスケールに応じて作図されたものではない。
参照する図面において、図1(a)は、本実施形態に係るプレス金型を示す断面図であって、(b)は(a)のダイを示す斜視図である。図2は、本実施形態に係るプレス加工品を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は拡大断面図である。図3は、図1に示すプレス金型の一部分を示す拡大断面図である。図4(a)〜(c)は、本実施形態に係る絞り加工方法の各施工段階を示す断面図である。図5は、本実施形態に係るプレス加工品を示す図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X断面図である。さらに、図6(a)は反りの測定方法を示す概略図であり、図6(b)は反りの方向を示す説明図である。なお、図面は概念図であって、実際のスケールに応じて作図されたものではない。
本実施形態に係るプレス金型1は、図1(a)に示すように、被加工材である金属板10に成形される縁壁11の一方の面の形状に沿って凸状に形成されたダイ2と、この縁壁11の他方の面の形状に沿って凹状に形成されたパンチ4と、ダイ2とともに被加工材10を狭持するストリッパ5と、を備えている。
本実施形態では、金属板10として、その板厚(部材厚)tが、0.5mm以下、好ましくは0.3mm以下、さらに好ましくは0.25mm以下のものを使用する。本実施形態では、金属板10について、絞り加工を施すことにより、図2(a)に示すように、周縁に縁壁11が成形されたプレス加工品15を成形するものとする。そして、縁壁11に連続する平面部12は、絞り加工に伴い生じる反りの発生が低減されているとともに、発生する反りの方向がコントロールされていることで、所定の品質が確保されている。なお、図面において、符号14は、金属板10にバーリング加工を施すことにより成形されたボスである。
ダイ2は、図1(a)に示すように、ダイプレート3に形成された凹部3aの底面から突出した状態で(凸状に)固定されている。本実施形態に係るプレス金型1は、ダイ2を変更可能に構成されており、設計されたプレス加工品15の形状に応じて、所望の形状に形成されたダイ2を配置する。
ダイ2は、図1(b)に示すように、設計されたプレス加工品15の縁壁11(図2参照)の形状に応じてその形状が形成されている。
本実施形態に係るダイ2は、平面視が略円形の円柱状に形成されている。そして、ダイ2のストリッパ5側の表面の周縁には、互いに対向する位置に突部2a,2aが形成されている。また、ダイ2の略中央部には、略円形の凹部2bが形成されており、予め被加工材に成形されたボス14が、絞り加工時に変形することがないように構成されている。なお、ダイ2を構成する材料は限定されるものではなく、金属板10のプレス加工により変形することがない強度を有している公知の材料から適宜選定して使用すればよい。また、ダイ2の凹部2bは、必要に応じて形成されるものであって、必ずしも形成されていなくてもよい。また、ダイ2の形状も平面視が円形に限定されるものではなく、例えば矩形、楕円形、その他多角形等、適宜、設計されたプレス加工品15の形状に応じて形成すればよい。
本実施形態に係るダイ2は、平面視が略円形の円柱状に形成されている。そして、ダイ2のストリッパ5側の表面の周縁には、互いに対向する位置に突部2a,2aが形成されている。また、ダイ2の略中央部には、略円形の凹部2bが形成されており、予め被加工材に成形されたボス14が、絞り加工時に変形することがないように構成されている。なお、ダイ2を構成する材料は限定されるものではなく、金属板10のプレス加工により変形することがない強度を有している公知の材料から適宜選定して使用すればよい。また、ダイ2の凹部2bは、必要に応じて形成されるものであって、必ずしも形成されていなくてもよい。また、ダイ2の形状も平面視が円形に限定されるものではなく、例えば矩形、楕円形、その他多角形等、適宜、設計されたプレス加工品15の形状に応じて形成すればよい。
ダイ2に形成された突部2aは、この突部2aとストリッパ5とにより、絞り加工時に金属板10がずれることがないように強固に金属板10を把持することが可能であればその形状は限定されるものではない。本実施形態では、突部2aを、図3に示すように、ダイ2の周縁と直交する方向の幅wが、金属板10の板厚tの100%〜400%、好ましくは150%〜300%の範囲内であって、高さhが、金属板10の板厚tの5%〜20%の範囲内に形成している。
パンチ4は、図1(a)に示すように、断面視が略凹字を逆さにした形状を呈する鋼製部材であって、その凹部4aに、ダイ2が挿入可能な形状に形成されている。本実施形態では、ダイ2の周縁と、パンチ4の凹部4a内壁面とのクリアランスs(図3参照)が、金属板10の板厚(部材厚)tに対して70%〜95%の範囲内、好ましくは80%〜95%の範囲内となるように構成されている。
なお、パンチ4の形状は限定されるものではなく、ダイ2および設計されたプレス加工品15の縁壁の形状に応じて適宜設定すればよい。
なお、パンチ4の形状は限定されるものではなく、ダイ2および設計されたプレス加工品15の縁壁の形状に応じて適宜設定すればよい。
なお、本実施形態では、パンチ4が金属板10の上方から下降することで金属板10に絞り加工を施す構成とするが、パンチ4が下方から上昇する構成としてもよいことはいうまでもなく、パンチ4の方向は限定されるものではない。
ストリッパ5は、図1(a)に示すように、金属板10のダイ2との当接面と反対側の面から、金属板10に当接して、ダイ2とにより金属板10を把持する板状材である。ストリッパ5は、パンチ4の凹部4a内に配置されており、バネ等の弾性部材5aを介してパンチ4に固定されている。これにより、ストリッパ5が、金属板10を上面から押さえつけた状態で、パンチ4の下降が可能となっている。
なお、ストリッパ5は、ダイ2と把持することにより金属板10を強固に固定することが可能であればその構成は限定されないことはいうまでもない。
なお、ストリッパ5は、ダイ2と把持することにより金属板10を強固に固定することが可能であればその構成は限定されないことはいうまでもない。
次に、図4(a)〜(c)を参照して、本実施形態による絞り加工方法について説明する。
本実施形態では、図2に示すように、金属板10(プレス加工品15)の周縁に、縁壁11を成形する場合について説明する。なお、縁壁11の形状は、円形に限定されるものではなく、プレス加工品15の使用目的に応じて、適宜任意の形状に成形可能である。
本実施形態では、図2に示すように、金属板10(プレス加工品15)の周縁に、縁壁11を成形する場合について説明する。なお、縁壁11の形状は、円形に限定されるものではなく、プレス加工品15の使用目的に応じて、適宜任意の形状に成形可能である。
本実施形態に係る絞り加工方法は、ダイ2に金属板10を配置する配置工程と、ダイ2の上面に配置された金属板10の上面からストリッパ5を押し当てて、金属板10を固定する固定工程と、固定された金属板10の周縁にパンチ4を押し込むことにより縁壁11を成形する絞り工程と、からなる。
<配置工程>
配置工程は、図4(a)に示すように、ダイプレート3(凹部3a)の上面に突出した状態で固定されたダイ2の表面に、ボス14が成形された金属板10を配置する工程である。この時、金属板10は、ダイ2の中央に形成された凹部2bにボス14が挿入された状態で配置されている。
配置工程は、図4(a)に示すように、ダイプレート3(凹部3a)の上面に突出した状態で固定されたダイ2の表面に、ボス14が成形された金属板10を配置する工程である。この時、金属板10は、ダイ2の中央に形成された凹部2bにボス14が挿入された状態で配置されている。
配置工程では、ストリッパ5は、パンチ4とともに上昇した位置に配置されており、ストリッパ5とダイ2との間には隙間が形成されて、金属板10の移動が可能な状態となっている。
<固定工程>
固定工程は、図4(b)に示すように、ダイ2の上面に配置された金属板10の上面(ダイ2側と反対側の面)にストリッパ5を押し当てて、このストリッパ5とダイ2とにより、金属板10を把持して固定する工程である。このとき、金属板10は、ダイ2の周縁において互いに対向して形成された突部2aが食い込むことにより、強固に固定されている。
固定工程は、図4(b)に示すように、ダイ2の上面に配置された金属板10の上面(ダイ2側と反対側の面)にストリッパ5を押し当てて、このストリッパ5とダイ2とにより、金属板10を把持して固定する工程である。このとき、金属板10は、ダイ2の周縁において互いに対向して形成された突部2aが食い込むことにより、強固に固定されている。
金属板10の固定は、ストリッパ5を下降させることにより行う。このストリッパ5の下降に伴い、ストリッパ5は金属板10に隙間なく密着する。本実施形態では、ストリッパの下降とともに、パンチ4も下降して、金属板10の上面にパンチ4の下端が当接している。なお、固定工程において、パンチ4を下降させることなく、ストリッパ5のみを下降させてもよいことはいうまでもない。
<絞り工程>
絞り工程は、図4(c)に示すように、固定工程により金属板10が固定されたダイ2の周縁とダイプレート3との間に形成された溝に、パンチ4を押し込むことにより、金属板10の周縁に絞り加工を施す工程である。パンチ4は、ダイ2の周縁から突出した金属板10の周縁部分を下方向に押し曲げることで、縁壁11を成形する。このとき、ダイ2とパンチ4との間のクリアランスsは、金属板10の加工前の部材厚tよりも小さく(70%〜95%)形成されているため、金属板10の周縁をダイ2の周縁に沿って押し曲げるとともに、縁壁11部分をしごきながら絞り加工を施す。そして、プレス加工品のダイ2の突部2aに対応する位置には、凹部13が成形される。
絞り工程は、図4(c)に示すように、固定工程により金属板10が固定されたダイ2の周縁とダイプレート3との間に形成された溝に、パンチ4を押し込むことにより、金属板10の周縁に絞り加工を施す工程である。パンチ4は、ダイ2の周縁から突出した金属板10の周縁部分を下方向に押し曲げることで、縁壁11を成形する。このとき、ダイ2とパンチ4との間のクリアランスsは、金属板10の加工前の部材厚tよりも小さく(70%〜95%)形成されているため、金属板10の周縁をダイ2の周縁に沿って押し曲げるとともに、縁壁11部分をしごきながら絞り加工を施す。そして、プレス加工品のダイ2の突部2aに対応する位置には、凹部13が成形される。
前記絞り加工方法により成形されたプレス加工品15には、図5(a)および(b)に示すように、凹部13同士を結ぶ対角線と直交する方向に山状の反り12aが形成される。なお、反り12aは、谷状に形成される場合もある。
そして、この凹部13,13は、プレス方向への投影形状の重心に対して、略点対称の位置に成形されている。また、凹部13は、図2(b)に示すように、縁壁11の根元に連続する平面部の一部に、幅w1が、金属板10の板厚tの100%〜400%、好ましくは150%〜300%の範囲内であって、高さh1が、金属板10の板厚tの5%〜20%の範囲内に成形されている。
本実施形態に係るプレス加工品の縁壁11は、部材厚t2が、金属板10の加工前の板厚tに対して72%〜97%に成形されており、高さh2は金属板10の加工前の板厚tに対して3倍〜25倍、好ましくは4倍〜18倍に成形されている。なお、プレス加工品15の中心から周縁(縁壁11)までの最大長(幅)xは、金属板10の加工前の板厚tの25倍〜700倍、好ましくは50倍から550倍に成形されている。
ここで、プレス加工品の、反りの測定は、図6(a)に示すように、レーザ変位計Lにより、ボス14の根元における3点(a,b,c)の座標を測定し、仮想面Aを形成する。そして、レーザ変位計Lをボスが成形された金属板10の縦断方向、横断方向、対角方向に移動させながら平面部12の変位を測定することで、3点a,b,cの座標により形成された仮想面Aに対する平面部12の反りを測定する。ここで、反りの+−は、図6(b)に示すように、ボス14の突出部分と反対側への反りを+、ボス14側への反りを−とする。
本実施形態に係るプレス金型およびこのプレス金型を利用した絞り加工方法によれば、上記のように、成形されたプレス加工品の縁壁11に連続する平面部12に生じる反りを低減させることが可能となるとともに、反りが生じる方向を、ダイ2の周縁に設けられた突部2a,2aと直交する向きにコントロールすることが可能となった。そのため、例えば、記録ディスクカートリッジのシャッタなどの切り欠き部16(図5(a)参照)など、反りが生じていることより、その開閉移動が妨げられるような部分に対して、反りが生じることがないように、反りが生じる方向をコントロールすることが可能となった。
また、プレス金型1は、ダイ2とパンチ4とのクリアランスが、金属板10の板厚tよりもわずかに小さく構成されているため、加工後の縁壁11の成形について、部材厚が、一定に形成される。
また、プレス金型1は、ダイ2の上面であって、その周縁に突部2a,2aが形成されているため、金属板10を強固に固定し、パンチ4により押圧力が負荷された際に、金属板10が動くことがない。そのため、パンチ4の加工とともに、金属板10がダイ2の外側に流れ込むことを防止し、縁壁11の高さが一定に成形されている。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、金属板の板厚を、0.5mm以下としたが、本発明に係るプレス金型および絞り加工方法により加工可能な被加工材の部材厚は、限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
例えば、前記実施形態では、金属板の板厚を、0.5mm以下としたが、本発明に係るプレス金型および絞り加工方法により加工可能な被加工材の部材厚は、限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
また、被加工材の材質も限定されるものではなく、例えば、ステンレス鋼SUS304−SP、アルミニウム(Al)やステンレス鋼SUS304−CSPのいずれを使用しても同様の効果を得ることが可能である。
また、本発明のプレス金型は、個別の金型として使用してもよく、順送金型の一部として使用してもよいことはいうまでもない。
さらに、前記実施形態では、プレス加工品として、磁気媒体を収納するカートリッジの部品、より詳しくは、カートリッジのシャッタ部材を成形する場合について説明したが、本発明のプレス金型および絞り加工方法により成形されるプレス加工品の使用用途や形状等が限定されないことはいうまでもない。
さらに、前記実施形態では、プレス加工品として、磁気媒体を収納するカートリッジの部品、より詳しくは、カートリッジのシャッタ部材を成形する場合について説明したが、本発明のプレス金型および絞り加工方法により成形されるプレス加工品の使用用途や形状等が限定されないことはいうまでもない。
1 プレス金型
2 ダイ
2a 突部
4 パンチ
5 ストリッパ
10 金属板(被加工材)
11 縁壁
12 平面部
15 プレス加工品
s クリアランス
t 板厚(部材厚)
2 ダイ
2a 突部
4 パンチ
5 ストリッパ
10 金属板(被加工材)
11 縁壁
12 平面部
15 プレス加工品
s クリアランス
t 板厚(部材厚)
Claims (10)
- 被加工材の周縁に、縁壁を成形するためのプレス金型であって、
前記縁壁の一方の面の形状に沿って凸状に形成されたダイと、
前記縁壁の他方の面の形状に沿って凹状に形成されたパンチと、
前記ダイとともに前記被加工材を狭持するストリッパと、を備えており、
前記ダイの前記ストリッパ側の表面の周縁には、互いに対向する位置に突部が形成されていることを特徴とする、プレス金型。 - 前記突部の幅が、前記被加工材のプレス加工前の部材厚の100%以上400%以下の範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載のプレス金型。
- 前記突部の高さが、前記被加工材の加工前の部材厚の5%以上20%以下の範囲内であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のプレス金型。
- ダイとストリッパとにより狭持された被加工材の周縁を、パンチを介して押圧力を負荷することにより絞りながら折り曲げる絞り加工方法であって、
前記ダイの周縁には、部分的に前記ストリッパ側に突出する突部が形成されていることを特徴とする、絞り加工方法。 - 前記突部が、互いに対向する位置に形成されており、前記被加工材の絞り加工に伴い発生する反りを、該突部同士を結ぶ対角線と直交する山状または谷状に形成することを特徴とする、請求項4に記載の絞り加工方法。
- 被加工材の周縁に絞り加工を施すことにより縁壁が成形されたプレス加工品であって、
前記縁壁の根元に、部分的な凹部が成形されていることを特徴とする、プレス加工品。 - 前記部分的な凹部が、プレス方向への投影形状の重心に対して略点対称の位置に設けられていることを特徴とする、請求項6に記載のプレス加工品。
- 中心から縁までの最大幅が、前記被加工材の加工前の部材厚の25倍以上700倍以下の範囲内であることを特徴とする、請求項6または請求項7に記載のプレス加工品。
- 前記縁壁の高さが、前記被加工材の加工前の部材厚の3倍以上25倍以下の範囲内であることを特徴とする、請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載のプレス加工品。
- 前記被加工材の加工前の部材厚が、0.5mm以下であることを特徴とする、請求項6乃至請求項9のいずれか1項に記載のプレス加工品。
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Cited By (1)
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CN106140934A (zh) * | 2015-05-14 | 2016-11-23 | 株式会社三井高科技 | 模具设备和冲裁薄板的方法 |
-
2006
- 2006-04-19 JP JP2006115298A patent/JP2007283377A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106140934A (zh) * | 2015-05-14 | 2016-11-23 | 株式会社三井高科技 | 模具设备和冲裁薄板的方法 |
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