JP2007275977A - プレス金型、バーリング加工方法およびプレス加工品 - Google Patents

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英昭 志賀
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Abstract

【課題】バーリング加工によりボスを成形する場合において、ボスに連続する平面部に生じる反りを低減することを可能としたプレス金型、このプレス金型を利用したバーリング加工方法およびこのバーリング加工方法により成形されたプレス加工品を提案する。
【解決手段】バーリング穴2aが形成されたダイ2と、ダイ2と金属板10を介して対向するように配置されるストリッパ6と、バーリング穴2aに挿入可能な形状に形成されたバーリングパンチ4と、からなり、金属板10にボス11を成形するプレス金型1とこのプレス金型1を利用したバーリング加工方法であって、ダイ2には、ボス11の周縁に沿った形状からなる突部2bが形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、プレス金型、このプレス金型を利用したバーリング加工方法およびこのバーリング加工方法により成形されたプレス加工品に関する。
バーリング加工は、平板等の被加工材に下穴をあけて、この下穴の縁にフランジ(ボス)を成形するプレス加工方法である。
バーリング加工は、被加工材の下穴の直径よりも大きく、設計されたボスの外径と同程度の内径からなるバーリング穴が形成されたダイと、設計されたボスの内径と同程度の外径を有した棒状のバーリングパンチを利用して行う。そして、ダイのバーリング穴と被加工材の下穴との中心が略一致するように、被加工材をダイの表面に配置した後、被加工材のダイと反対側表面からバーリングパンチをバーリング穴に挿入する。これにより、下穴の縁がバーリングパンチの押圧力により押し広げられながらダイのバーリング穴の縁に沿って押し曲げられるため、被加工材にボスが成形される(例えば、特許文献1参照)。
この時、被加工材はダイとストリッパとにより挟まれた状態で固定されている。これにより、被加工材がバーリングパンチの押圧力によりバーリング穴に流れ込むことを防止して、ボスの高さや部材厚が均一となるように加工を施す。
従来、より強固に被加工材を固定することを目的として、図7に示すように、ダイ120のバーリング穴121の周縁の被加工材110側の表面と、ストリッパ130のバーリングパンチ140の周囲であって被加工材110側の表面とに、それぞれ突部122,131を形成する場合があった。
特開2002−11526号公報
ところが、前記従来のバーリング加工方法は、ダイ120とストリッパ130とに形成された突部122,131により、被加工材110を強固に固定し、被加工材110のバーリング穴121への流入を防止するため、高品質のボス111を成形することを可能としているものの、ボス111に連続する平面部が大きく反ってしまうという問題点を有していた。特に、部材厚の薄い被加工材110では、平面部の平面度が悪くなる傾向にあった。
本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものであり、バーリング加工によりボスを成形する場合において、ボスに連続する平面部に生じる反りを低減することを可能としたプレス金型、このプレス金型を利用したバーリング加工方法およびこのバーリング加工方法により成形されたプレス加工品を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、バーリング穴が形成されたダイと、前記ダイと被加工材を介して対向するように配置されるストリッパと、前記バーリング穴に挿入可能な形状に形成されたバーリングパンチと、からなり、前記被加工材にボスを成形するプレス金型であって、前記ダイと前記ストリッパのいずれか一方には、前記ボスの周縁に沿った形状からなる突部が形成されていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプレス金型であって前記突部の幅が、前記被加工材の加工前の部材厚の50%以上400%以下、好ましくは150%以上から300%以下の範囲内であることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のプレス金型であって、前記突部の高さが、前記被加工材の加工前の部材厚の5%以上20%以下の範囲内であることを特徴としている。
かかるプレス金型によれば、ダイまたはストリッパのいずれか一方に突部が形成されているため、ボスの根元を鋭角に押し曲げることが可能となり、バウンジングにより生じる平面部の反りを低減することを可能としている。また、このプレス金型は、ダイまたはストリッパのいずれか一方に形成された突部と、ストリッパまたはダイとにより強固に被加工材を固定するため、バーリングパンチの押圧力により被加工材がバーリング穴に流入することを防止し、良好な形状のボスを成形することを可能としている。
また、請求項4に記載の発明は、バーリング穴が形成されたダイと、ストリッパとにより被加工材を狭持することで該被加工材を固定して、前記被加工材の前記ダイとの当接面の反対側の面から前記バーリング穴に挿入可能な形状に形成されたバーリングパンチを該バーリング穴に押し込むことにより、前記被加工材にボスを成形するバーリング加工方法であって、前記ダイと前記ストリッパのいずれか一方には、前記ボスの周縁に沿った形状からなる突部が形成されていることを特徴としている。
かかるバーリング加工方法によれば、ボスを有して成形されるプレス加工品について、ボスに連続する平面部の反りが従来に比べて減少され、かつ、平面度が良好に成形される。
また、請求項5に記載の発明は、被加工材にバーリング加工を施すことにより少なくとも1つのボスが成形されたプレス加工品であって、前記ボスが突出している側の面またはその反対側の面のいずれか一方であって、該ボスの根元近傍に、凹部が成形されていることを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のプレス加工品であって、前記凹部の幅が、前記被加工材の加工前の部材厚に対して50%以上400%以下、好ましくは80%以上300%以下の範囲内であることを特徴としている。
また、請求項7に記載の発明は、請求項5または請求項6に記載のプレス加工品であって、前記凹部の深さが、前記被加工材の加工前の部材厚に対して3%以上17%以下の範囲内であることを特徴としている。
さらに、請求項8に記載の発明は、請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載のプレス加工品であって、前記被加工材の加工前の部材厚が、0.5mm以下、好ましくは0.3mm以下、さらに好ましくは0.25mm以下であることを特徴としている。
本発明のプレス金型およびバーリング加工方法によれば、バーリング加工によりボスを成形する場合において、ボスに連続する平面部に生じる反りを低減することが可能となる。また、本発明のプレス加工品は、反りが小さく、平面度が良好なため、精密部品等の部材として好適に使用することが可能となる。
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態では、プレス加工品として、磁気媒体を収納するカートリッジの部品、より詳しくは、カートリッジのシャッタ部材を成形する場合について説明する。
参照する図面において、図1(a)は、本実施形態に係るプレス金型を示す断面図であって、(b)は(a)の一部分を示す拡大図である。図2(a)は本実施形態に係るプレス加工品を示す斜視図であって、(b)は(a)の断面図である。図3は、本実施形態に係るバーリング加工方法の各施工段階を示す断面図である。
本実施形態に係るプレス金型1は、図1(a)に示すように、バーリング穴2aが形成されたダイ2と、このダイ2と被加工材である金属板10を介して対向するように配置されるストリッパ6と、バーリング穴2aに挿入可能な形状に形成されたバーリングパンチ4とを備えている。
本実施形態では、金属板10として、その板厚(部材厚)t(図1(b)参照)が、0.5mm以下、好ましくは0.3mm以下、さらに好ましくは0.25mm以下のものを使用する。本実施形態では、金属板10について、図2(a)に示すように、バーリング加工を施すことにより、中央にボス11が成形された、プレス加工品15を成形するものとする。そして、ボス11に連続する平面部12は、バーリング加工に伴い、反りが生じることがないように(低減されるように)、品質が確保されている。なお、図面において、符号13は、金属板10の周縁に絞り加工を施すことにより成形された縁壁である。また、符号14は、平面部12に段差加工を施すことにより成形された段差である。なお、図2(b)では、段差14を省略している。
ダイ2は、図1(a)に示すように、ダイプレート3に形成された凹部3aに配置されている。本実施形態に係るプレス金型1は、ダイ2を変更可能に構成されており、設計されたボス11の形状に応じて、所望のバーリング穴2aが形成されたダイ2を配置する。
ダイ2は、設計されたプレス加工品15のボス11(図2参照)の形状に応じて形成されたバーリング穴2aが中央に形成された円筒状の鋼製部材により構成されている。また、ダイ2の上面におけるバーリング穴2aの周縁には、ストリッパ6側に突出する突部2bが形成されている。なお、ダイ2を構成する材料は限定されるものではなく、金属板10のプレス加工により変形することがない強度を有している公知の材料から適宜選定して使用すればよい。
バーリング穴2aは、ダイ2の略中央に形成されており、本実施形態では、設計されたボス11の形状に応じて円形に形成されている。バーリング穴2aの内径は、バーリングパンチ4の外径よりも大きく形成されており、図1(b)に示すように、バーリングパンチ4がバーリング穴2aに挿入された状態で、所定幅のクリアランスSが形成されるように構成されている。本実施形態では、バーリングパンチ4とバーリング穴2aのクリアランスSが、金属板10の板厚(部材厚)tに対して60%〜100%の範囲内となるように構成されている。なお、バーリングパンチ4とバーリング穴2aとのクリアランスSは、60%〜100%の範囲内であれば限定されるものではないが、好ましくは65%〜100%の範囲内、さらに好ましくは75%〜95%の範囲内とする。
なお、本実施形態では、バーリング穴2aの形状を円形に形成した場合について説明したが、例えば、正方形、矩形、楕円形等、設計されたボス11の形状に応じて適宜形成すればよく、円形に限定されるものではない。
突部2bの形状は、この突部2bとストリッパ6とにより、バーリング加工時に金属板10がずれることがないように強固に金属板10を把持することが可能であれば限定されるものではないが、本実施形態では、幅wが、金属板10の板厚tの50%〜400%、好ましくは150%〜300%の範囲内であって、高さhが、金属板10の板厚tの5%〜20%の範囲内に形成する(図1(b)参照)。
バーリングパンチ4は、パンチプレート5に固定されており、パンチプレート5の下降に伴い、先端部分がダイ2のバーリング穴2aに挿入されるように、構成されている(図1(a)参照)。
バーリングパンチ4は、図1(a)に示すように、鋼製の棒状部材であって、外径が設計されたボス11の内径と略同じ形状に形成されているとともに、バーリング穴2aとのクリアランスSが、前記の範囲になるように構成されている。そして、バーリングパンチ4の先端(下端)部は、先端に行くに従ってその直径が小さくなるように、先細りに形成されている。なお、バーリングパンチ4の形状は限定されるものではなく、適宜公知の形状に形成されていればよい。
本実施形態では、バーリングパンチ4が金属板10の上方から下降することで金属板10にバーリング加工を施す構成としたが、バーリングパンチ4が下方から上昇する構成としてもよいことはいうまでもなく、バーリングパンチ4の動作方向は限定されるものではない。
ストリッパ6は、金属板10のダイ2との当接面と反対側の面から、金属板10に当接して、ダイ2とにより金属板10を把持する板状材である。ストリッパ6は、パンチプレート5と隙間を介して配置されており、ストリッパ6とパンチプレート5との間には図示しないバネ部材が配置されている。
なお、ストリッパ6は、ダイ2と把持することにより金属板10を強固に固定することが可能であればその構成は限定されないことはいうまでもない。
次に、図3(a)〜(c)を参照して、本実施形態によるバーリング加工方法について、説明する。
本実施形態では、図2(a)に示すように、金属板10(プレス加工品15)に円形のボス11を成形する場合について説明する。なお、ボス11の形状は、円形に限定されるものではなく、プレス加工品15の使用目的に応じて、適宜任意の形状に成形可能である。
本実施形態に係るバーリング加工方法は、ダイ2に金属板10を配置する配置工程と、ダイ2の上面に配置された金属板10の上面にストリッパ6を当接させて、金属板10を固定する固定工程と、固定された金属板10にバーリングパンチ4を押し込むことによりボス11を成形するバーリング工程と、からなる。
<配置工程>
配置工程は、図3(a)に示すように、バーリング穴2aが形成されたダイ2の表面に、予め下穴10hが形成された金属板10を配置する工程である。この時、バーリング穴2aの中心と、下穴10hの中心とが略一致するように配置し、バーリング加工により成形されるボス11の高さが一定となるようにする。
配置工程では、ストリッパ6は、上昇した位置に配置されており、ストリッパ6とダイ2との間には隙間が形成されて、金属板10の移動が可能な状態となっている。一方、ストリッパ6とパンチプレート5との隙間は、ストリッパ6の上昇に伴い、隙間が狭くなっている。
<固定工程>
固定工程は、図3(b)に示すように、ダイ2の上面に配置された金属板10の上面(ダイ2側と反対側の面)にストリッパ6を押し当てて、このストリッパ6とダイ2とにより、金属板10を把持して固定する工程である。このとき、金属板10は、ダイ2のバーリング穴2aの周縁に形成された突部2bが金属板10に食い込むことにより、強固に固定される。
金属板10の固定は、ストリッパ6を下降させることにより行う。このストリッパ6の下降に伴い、ストリッパ6は金属板10に隙間なく密着するとともに、ストリッパ6とパンチプレート5との隙間は広がる。
<バーリング工程>
バーリング工程は、図3(c)に示すように、固定工程により金属板10が固定されたダイ2のバーリング穴2aに、パンチプレート5を下降させて、バーリングパンチ4を押し込むことにより、金属板10にバーリング加工を施す工程である。バーリングパンチ4は、先細りになった先端が、金属板10の下穴10hに対応するように配置されており、この状態でバーリング穴2aに押し込むことにより、下穴10hの周縁をバーリング穴2aの周壁に沿って押し曲げる。また、バーリング穴2aとバーリングパンチ4とのクリアランスは、金属板10の板厚t以下に形成されているため、バーリング穴2aとバーリングパンチ4とにより、金属板10のボス11部分は、しごかれるとともにバーリング加工が施される。
前記バーリング加工方法により成形されたプレス加工品15には、図2(a)および(b)に示すように、ボス11の根元近傍であって、バーリング加工時に突部2bが当接していた側の面に、凹部11aが成形されている。この凹部11aは、幅w1が金属板10の加工前の板厚tに対して50%〜400%の範囲内、その高さh1は金属板10の板厚tに対して3%〜17%の範囲内に成形されている。なお、凹部11aの形状寸法は、前記の範囲内であれば、限定されないことはいうまでもないが、好ましくは、幅w1が80%〜300%の範囲内に成形されているのがよい。
また、このプレス加工品15は、ボス11の部材厚が、金属板10の加工前の板厚tの70%〜100%に成形される。なお、ボス11は、プレス金型1のダイ2とバーリングパンチ4とのクリアランスS(板厚tに対して60%〜100%の範囲内)により、しごかれたのち、プレス金型1から取り外すとわずかに膨張することから、前記の部材厚に成形される。ここで、ボス11の部材厚は、前記の範囲内であれば限定されるものではないが、好ましくは75%〜100%の範囲内、さらに好ましくは86%〜97%の範囲内がよい(図2(a)及び(b)参照)。
また、このプレス加工品15は、ボス11と平面部12との角度φが、85°〜95°の範囲内であって、平面部12の平面度が、ボス11からプレス加工品15の縁壁13までの距離xの9%以下に構成されている(図2(a)及び(b)参照)。つまり、平面部12に生じた反りや凹凸の高さが、距離x×0.09mm以下となるように構成されている。
本実施形態に係るプレス金型およびこのプレス金型を利用したバーリング加工方法によれば、前記のように、成形されたプレス加工品のボス11に連続する平面部12に生じる反りを低減することが可能となる。そのため、例えば、記録ディスクカートリッジのシャッタなど、ボスに連続する平面部に反りを有していると、その開閉移動が妨げられて、要求される機能を発揮することができないような、精密部品のバーリング加工について、適用することが可能である。
また、プレス金型1は、ダイ2の上面であって、バーリング穴2aの周縁に突部2bが成形されているため、金属板10を強固に固定し、バーリングパンチ4により押圧力が負荷された際に、金属板10が動くことがない。そのため、バーリングパンチ4の加工とともに、金属板10がバーリング穴2aに流れ込むことを防止し、ボス11の高さが一定に成形される。
また、プレス金型1は、ダイ2とバーリングパンチ4とのクリアランスが、金属板10の板厚tと略同じか、板厚tよりもわずかに小さく構成されているため、加工後のボス11の部材厚が、一定に成形される。
バーリングパンチ4は、先端部が、先端に行くに従い細くなるように形成されているため、バーリング加工時に下穴10hを徐々に押し広げながらボス11を成形することが可能となり、ボス11の成形を高品質に行うことを可能としている。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、突部がダイに形成される場合について説明したが、突部の形成箇所は、ダイまたはストリッパのいずれか一方であれば限定されるものではなく、図4(a)および(b)に示すプレス金型1’のように、ストリッパ6に突部6aが形成されていてもよい。
また、前記実施形態では、金属板の板厚を、0.5mm以下としたが、本発明に係るプレス金型およびバーリング加工方法により加工可能な被加工材の部材厚は、限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
また、被加工材の材質も限定されないことはいうまでもない。
また、本発明のプレス金型は、個別の金型として使用してもよく、順送金型の一部として使用してもよいことはいうまでもない。
さらに、前記実施形態では、プレス加工品として、磁気媒体を収納するカートリッジの部品、より詳しくは、カートリッジのシャッタ部材を成形する場合について説明したが、本発明のプレス金型およびバーリング加工方法により成形されるプレス加工品の使用用途や形状等が限定されないことはいうまでもない。
以下、本発明に係るプレス金型およびバーリング加工方法によるプレス加工品の品質の向上について、実証実験結果について記載する。
本実証実験では、突部の設置条件を変化させて、バーリング加工後の被加工材の平面部の反りを測定することで、突部の有無によるバーリング加工の品質への影響について測定を行った。なお、実験において、板厚が0.15mmの金属板10(ステンレス鋼SUS304−SP)を使用する。
本実証実験では、図5に示すように、(1)突部をダイ2とストリッパ6に両方に形成した場合、(2)突部を形成しない場合、(3)ストリッパのみに形成した場合および(4)ダイ2にのみ形成した場合について、それぞれバーリング加工後の平面部の反り変化量を測定し、比較を行った。なお、本実証実験では、ダイとバーリングパンチとのクリアランスSを被加工材の板厚tとした場合と板厚t×0.5とした場合との2種類のクリアランスについて行った。ここで、図5では、ダイ2に突部を形成した場合を「下有」、ダイ2に突部を形成しない場合を「下無」、ストリッパ6に突部を形成した場合を「上有」、ストリッパ6に突部を形成しない場合を「上無」と表示している。
図5に示すように、クリアランスSが部材厚の半分(S=0.5t)の場合は、突部を両方に形成された場合(1)は反り変化量が0.4mm、突部がない場合(2)は0.36mmとなるのに対し、突部がダイにのみ形成されている場合は0.25mmと小さい。また、クリアランスSが部材厚と同じ(S=t)場合は、突部がない場合(2)の反り変化量が0.20mmとなるのに対し、突部がストリッパのみに形成されている場合は0.15mm、突部がダイにのみ形成されている場合は0.12mmと小さい。
故に、突部をダイとストリッパとのいずれか一方につけた場合(3),(4)の方が、突部を両方に形成された場合(1)または突部をつけない場合(2)よりも、反りの変化量が小さくなり、高品質の製品の成形が可能であることが実証された。
ここで、反り(平面度)の測定は、図6(a)に示すように、レーザ変位計Lにより、ボス11の根元における3点(a,b,c)の座標を測定し、仮想面Aを形成する。そして、レーザ変位計Lをボスが成形された金属板10の縦断方向、横断方向、対角方向に移動させながら平面部12の変位を測定することで、3点a,b,cの座標により形成された仮想面Aに対する平面部12の反り(凹凸)を測定する。ここで、反り(平面度)の+−は、図6(b)に示すように、ボス11の突出部分と反対側への反り(平面度)を+、ボス11側への反り(平面度)を−とする。
以上の結果により、ダイおよびストリッパのいずれか一方に、突部を形成することで、バーリング加工後のプレス加工品の平面部の反りが、抑えられることが実証された。
なお、金属板10として、アルミニウム(Al)製の板材やステンレス鋼(SUS304−CSP)について同様の試験を行った結果、同様の傾向が示された。
本実施形態に係るプレス金型を示す断面図であって、(b)は(a)の一部分を示す拡大図である。 (a)は本実施形態に係るプレス加工品を示す斜視図であって、(b)は(a)のプレス加工品の拡大断面図である。 (a)〜(c)は、本実施形態に係るバーリング加工方法の各段階を示す断面図である。 本実施形態に係るプレス金型の変形例を示す図であって、(a)は断面図、(b)は(a)の一部分を示す拡大図である。 突部の設置条件とバーリング加工後の反りの関係を示すグラフである。 (a)は、反りの測定方法を示す概略図であり、(b)は、反りの方向を示す説明図である。 従来のバーリング加工方法を示す断面図である。
符号の説明
1 プレス金型
2 ダイ
2a バーリング穴
2b 突部
4 バーリングパンチ
6 ストリッパ
10 金属板(被加工材)
11 ボス
12 平面部
15 プレス加工品
S クリアランス
t 板厚(部材厚)

Claims (8)

  1. バーリング穴が形成されたダイと、前記ダイと被加工材を介して対向するように配置されるストリッパと、前記バーリング穴に挿入可能な形状に形成されたバーリングパンチと、からなり、前記被加工材にボスを成形するプレス金型であって、
    前記ダイと前記ストリッパのいずれか一方には、前記ボスの周縁に沿った形状からなる突部が形成されていることを特徴とする、プレス金型。
  2. 前記突部の幅が、前記被加工材の加工前の部材厚の50%以上400%以下の範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載のプレス金型。
  3. 前記突部の高さが、前記被加工材の加工前の部材厚の5%以上20%以下の範囲内であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のプレス金型。
  4. バーリング穴が形成されたダイと、ストリッパとにより被加工材を狭持することで該被加工材を固定して、前記被加工材の前記ダイとの当接面の反対側の面から前記バーリング穴に挿入可能な形状に形成されたバーリングパンチを該バーリング穴に押し込むことにより、前記被加工材にボスを成形するバーリング加工方法であって、
    前記ダイと前記ストリッパのいずれか一方には、前記ボスの周縁に沿った形状からなる突部が形成されていることを特徴とする、バーリング加工方法。
  5. 被加工材にバーリング加工を施すことにより少なくとも1つのボスが成形されたプレス加工品であって、
    前記ボスが突出している側の面またはその反対側の面のいずれか一方であって、該ボスの根元近傍に、凹部が成形されていることを特徴とする、プレス加工品。
  6. 前記凹部の幅が、前記被加工材の加工前の部材厚に対して50%以上400%以下の範囲内であることを特徴とする、請求項5に記載のプレス加工品。
  7. 前記凹部の深さが、前記被加工材の加工前の部材厚に対して3%以上17%以下の範囲内であることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載のプレス加工品。
  8. 前記被加工材の加工前の部材厚が、0.5mm以下であることを特徴とする、請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載のプレス加工品。
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