JP2013151024A - 電池の安全弁製造方法及び製造装置 - Google Patents

電池の安全弁製造方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】環状薄肉部を精度良く成形できると共に、環状薄肉部を形成する際の加工負荷をパンチ及びダイに分散でき、金型の寿命を長くすることができる電池の安全弁製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】ステンレス鋼製の金属板を用い、互いに対向するようにパンチ21及びダイ22に設けられた環状突部23を蓋体1の両面に同時に押し付けることにより、安全弁の縁部を構成する環状薄肉部を蓋体1に形成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、電池の安全弁製造方法及び製造装置に関し、特に、ステンレス鋼製の金属板を用い、互いに対向するようにパンチ及びダイに設けられた環状突部を金属板の両面に同時に押し付けることにより、安全弁の縁部を構成する環状薄肉部を金属板に形成することで、環状薄肉部を精度良く成形できると共に、環状薄肉部を形成する際の加工負荷をパンチ及びダイに分散でき、金型の寿命を長くすることができるようにするための新規な改良に関するものである。
一般に、密閉した電池ケース内に電解液を収容する電池には、電池ケース内の圧力が上昇して爆発することを防止するために、電池ケース内の圧力が所定値を超えた場合に開裂して電池ケース内の圧力を外部へと開放する安全弁が設けられる。従来用いられているこの種の電池の安全弁製造方法としては、例えば下記の特許文献1等に示されている方法を挙げることができる。
すなわち、従来方法では、環状突部が形成された刻印パンチと平面状のダイとの間に電池用ケースの蓋体となる金属板を配置して、平面状のダイにより金属板を支持しつつ、刻印パンチの環状突部を金属板に押し当てることにより、安全弁の縁部を構成する環状薄肉部を金属板に形成している。電池ケース内の圧力が所定値を超えた場合、他の部分よりも肉厚が薄くされている環状薄肉部が裂けることにより、安全弁全体が開裂される。
特開2007−141518号公報
上述のように、環状薄肉部は、電池ケース内の圧力が所定値を超えた場合に最先に裂けるべき部分であり、その肉厚は例えば0.010mm程度まで薄くされる。すなわち、このような環状薄肉部を形成するためのパンチ及びダイも極めて繊細なものである。
上記のような従来の電池の安全弁製造方法では、平面状のダイにより金属板を支持しつつ、刻印パンチの環状突部を金属板に押し当てることにより、環状薄肉部を金属板に形成する構成であるので、実質的に刻印パンチの環状突部のみで金属を変形させて環状薄肉部を形成している。
従来、安全弁を成形する金属板にはアルミニウム等の軟質金属が使用されていたが、近年では、電池用ケースの耐食性や強度を向上させるために、ステンレス鋼を用いることが提案されている。
金属板がアルミニウムの場合、軟質であるため環状薄肉部を精度良く加工でき、また金型への負荷も小さいため、問題なく加工できていたが、ステンレス鋼の場合は、強度が高く硬質の材料であるため、安全弁の環状薄肉部を従来方法により加工しようとすると、加工中に割れが発生し易く、また加工硬化により薄肉部を精度良く加工できないという問題がある。
さらに、従来方法には、環状薄肉部を形成する際の負荷が刻印パンチの環状突部に集中してしまうため、金型の寿命が短くなるという問題もある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、環状薄肉部を精度良く成形できると共に、環状薄肉部を形成する際の加工負荷をパンチ及びダイに分散でき、金型の寿命を長くすることができる電池の安全弁製造方法及び製造装置を提供することである。
本発明に係る電池の安全弁製造方法は、電池の電池ケースを構成するステンレス鋼製の金属板をパンチとダイとの間に配置して、互いに対向するようにパンチ及びダイに設けられた環状突部を金属板の両面に同時に押し付けることにより、安全弁の縁部を構成する環状薄肉部を金属板に形成することを特徴とする。
また、環状突部を金属板の両面に押し付ける際に、環状突部の外周側において拘束手段により金属板を拘束する。
また、環状薄肉部の形成は、パンチ及びダイの組毎に先端幅が異なる複数組の環状突部を用い、先端幅が大きな順に環状突部を金属板の両面に同時に押し付ける複数のコイニング工程により行う。
また、各コイニング工程における金属板の潰し率を70%以下とする。
本発明に係る電池の安全弁製造装置は、複数組のパンチ及びダイと、互いに対向するようにパンチ及びダイに設けられ、パンチ及びダイの組毎に異なる先端幅を有する複数組の環状突部と、各パンチ及びダイの環状突部の外周側に配置された拘束手段とを備え、電池の電池ケースを構成するステンレス鋼製の金属板を拘束手段により環状突部の外周側において拘束しつつ、先端幅が大きな順に金属板の両面に対して環状突部を同時に押し付けることにより、安全弁の縁部を構成する環状薄肉部を金属板に形成するように構成されている。
本発明の電池の安全弁製造方法及び製造装置によれば、互いに対向するようにパンチ及びダイに設けられた環状突部をステンレス鋼製の金属板の両面に同時に押し付けることにより、安全弁の縁部を構成する環状薄肉部を金属板に形成するので、1つの環状突部による金属板の加工量を小さくでき、1つの環状突部に掛る加工負荷を小さくできる。すなわち、加工中の割れや加工硬化を抑制できるため、環状薄肉部を精度良く成形できると共に、環状薄肉部を形成する際の加工負荷をパンチ及びダイに分散でき、金型の寿命を長くすることができる。
本発明の実施の形態1による二次電池の安全弁を示す斜視図である。 図1の線II−IIに沿う断面図である。 図2の領域IIIの拡大図である。 図1の安全弁を製造するための安全弁製造装置を示す構成図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による二次電池の安全弁2を示す斜視図である。図において、二次電池の電池ケースを構成する金属板である蓋体1には、電池ケースの内部圧力が所定値を超えた場合に開裂して内部圧力を外部に開放する二次電池の安全弁2が設けられている。この安全弁2には、環状薄肉部3と屈曲部4とが設けられている。
環状薄肉部3は、安全弁2の縁部を構成する長円形の溝であり、蓋体1内の他の板面に比して肉厚が薄くされている部分である。この環状薄肉部3は、電池ケースの内部圧力が所定値を超えた場合に最先に裂けて、安全弁2全体を開裂させるものである。なお、環状薄肉部3の外形は、閉じられた外縁を有するものであればよく、例えば真円形や多角形等でもよい。屈曲部4は、環状薄肉部3の内周側に位置する板面であり、蓋体1の板厚方向1aに沿って蓋体1の板厚方向1aに沿って曲げ変形された部分である。
環状薄肉部3の外周側の蓋体1の板面(以下、外周側板面10と呼ぶ)は、平坦に形成されている。外周側板面10の外縁には、外周側板面10から板厚方向1aに沿って立設された側壁部11が設けられており、側壁部11の先端には、側壁部11から略直角に屈曲されたフランジ部12が設けられている。これ以降、側壁部11が立設された方向の蓋体1の端面を表面13と呼び、逆側の蓋体1の端面を裏面14と呼ぶ。
次に、図2は図1の線II−IIに沿う断面図であり、図3は図2の領域IIIの拡大図である。図2に示すように、環状薄肉部3は、蓋体1の表面13及び裏面14の両面に形成された一対の凹部30によって構成されている。後に図を用いて詳しく説明するが、凹部30は、互いに対向するように設けられた環状突部23を蓋体1の両面に同時に押し付けるプレス加工により形成されるものである(図4参照)。
凹部30についてより詳細に見ると、凹部30には、図3に示すように、環状薄肉部3内において肉厚が最も薄くされた最薄部30aと、外周側板面10から最薄部30aに向けて徐々に肉厚が薄くされた第1〜第3段部30b〜30dとが設けられている。後に図を用いて詳しく説明するが、最薄部30a及び第1〜第3段部30b〜30dは、先端幅が異なる複数組の環状突部23が先端幅の大きな順に蓋体1の両面に同時に押し付けられる複数のコイニング工程(多段コイニング)により形成される(図4の(a)〜(d)参照)。このように、外周側板面10から最薄部30aに向けて徐々に肉厚が薄くされた複数の段部30bが凹部30に設けられることで、最薄部30aの位置を容易に特定でき、環状薄肉部3の厚みを検査する品質検査の効率を向上できるようにされている。
図2に戻り、屈曲部4には、第1突出部4aと第2突出部4bとが設けられている。第1突出部4aは、環状薄肉部3の外周側における蓋体1の表面13よりも板厚方向1aに沿って突出されている。第2突出部4bは、環状薄肉部3の外周側における蓋体1の裏面14よりも板厚方向1aに沿って突出されている。すなわち、屈曲部4は、蓋体1の表面方向又は裏面方向の一方向にだけでなく、表面方向及び裏面方向の両方向に向けて曲げ変形された断面波形に形成されている。後に図を用いて詳しく説明するが、屈曲部4は、外周側板面10を拘束しつつ前述のプレス加工が行われることで形成されるものであり、凹部30の形成により生じる肉余りを吸収した部分である。このように、環状薄肉部3の内周部に屈曲部4が形成されることで、凹部30の形成により生じる肉余りが外周側板面10に作用することを回避でき、当該肉余りが蓋体1の外形に影響を及ぼすことを回避できる。また、屈曲部4が断面波形に形成されることで、外周側板面10に対する屈曲部4の突出量を小さく抑えつつ、屈曲部4の表面積を大きくできる。屈曲部4の表面積を大きくすることで、蓋体1が用いられる電池ケースの内部圧力をより大きく安全弁2に作用させることができる。また、外周側板面10に対する屈曲部4の突出量を小さくできることで、他の部材が屈曲部4に接する可能性を小さくでき、安全弁2が破損する可能性を低くできる。
次に、図4は、図1の安全弁2を製造するための安全弁製造装置を示す構成図であり、図4の(a)〜(d)はその安全弁製造装置を用いた安全弁製造方法の第1〜第4コイニング工程を示している。図4に示すように、安全弁製造装置20は、第1〜第4コイニング工程でそれぞれ用いられる複数組のパンチ21及びダイ22と、各パンチ21及びダイ22に設けられた複数組の環状突部23と、各パンチ21及びダイ22の側部にそれぞれ設けられた拘束手段24とを有している。
環状突部23は、互いに対向するように各パンチ21及びダイ22に設けられた突起体である。図4では断面しか示さないが、環状突部23は、環状薄肉部3(図1参照)の形状に沿うように、各パンチ21及びダイ22の中央端面21a,22aからパンチ21及びダイ22の外縁に沿って環状に形成されている。各環状突部23は、パンチ21及びダイ22の組毎に異なる先端幅を有している。各パンチ21及びダイ22における環状突部23の内周側には、環状突部23を側壁とし中央端面21a,22aを底面とする中央凹部25が形成されている。
拘束手段24は、パンチ21の側部に配置されたブランクホルダ24aと、ダイ22の側部に配置されたダイホルダ24bと、ブランクホルダ24aに接続された付勢部材24cとを有している。ブランクホルダ24a及び付勢部材24cは、パンチ21と一体に変位される。付勢部材24cは、例えばコイルバネ等により構成されており、ブランクホルダ24aをダイホルダ24bに向けて付勢するものである。すなわち、拘束手段24は、パンチ21がダイ22に向けて変位された際に、パンチ21とダイ22との間に配置された蓋体1を環状突部23の外周側において拘束(挟持)するものである。
次に、図4の安全弁製造装置を用いた安全弁製造方法について説明する。図1〜図3に示す安全弁2を蓋体1に形成する場合、図4の(a)〜(d)に示す第1〜第4コイニング工程を順に行う。
第1コイニング工程では、最も大きな先端幅を有する環状突部23が設けられたパンチ21及びダイ22が用いられ、側壁部11及びフランジ部12が設けられた状態の蓋体1がパンチ21とダイ22との間に配置された後に、パンチ21がダイ22に向けて変位される。これにより、環状突部23の外周側において蓋体1が拘束手段24により拘束されつつ、蓋体1の両面(表面及び裏面13,14)に対して環状突部23が同時に押付けられる。
この第1コイニング工程により、図3に示す第1段部30bが形成される。ここで、第1段部30bの形成により肉余りが生じるが、環状突部23の外周側において蓋体1が拘束手段24により拘束されているので、肉余りは第1段部30bの内周側にのみ逃げる。すなわち、第1段部30bの形成により生じた肉余りは、第1段部30bの内周側の板面が、増肉されつつ、パンチ21及びダイ22の中央凹部25内で曲げ変形されることで、吸収される。これにより、第1段部30bの形成により生じた肉余りが第1段部30bの外周側の板面に作用することが防止され、蓋体1の外形が変形することを防止できる。
第2コイニング工程では、第1コイニング工程で用いられた環状突部23よりも小さな先端幅の環状突部23が設けられたパンチ21及びダイ22が用いられ、第1段部30bの底部に対して環状突部23が押付けられることで第2段部30cが形成される。この第2段部30cの形成により生じる肉余りについても、第2段部30cの内周側の板面が増肉及び曲げ変形されることで吸収される。
同様に、第3コイニング工程では、第2コイニング工程で用いられた環状突部23よりも小さな先端幅の環状突部23が設けられたパンチ21及びダイ22が用いられ、第2段部30cの底部に対して環状突部23が押付けられることで第3段部30dが形成される。また、第4コイニング工程では、第3コイニング工程で用いられた環状突部23よりも小さな先端幅の環状突部23が設けられたパンチ21及びダイ22が用いられ、第3段部30dの底部に対して環状突部23が押付けられることで最薄部30aが形成される。これら第3段部30d及び最薄部30aの形成により生じる肉余りについても、第3段部30d及び最薄部30aの内周側の板面が増肉及び曲げ変形されることで吸収される。
すなわち、第1〜第4コイニング工程を通して、蓋体1をパンチ21とダイ22との間に配置して、互いに対向するようにパンチ21及びダイ22に設けられた環状突部23を蓋体1の両面に同時に押し付けることにより、環状薄肉部3を蓋体1に形成される。このように、互いに対向するように設けられた環状突部23を蓋体1の両面に対して同時に押し付けることにより環状薄肉部3が形成されるように構成することで、従来技術のように蓋体の片面に対して環状突部を押し付ける場合に比べて、1つの環状突部23による蓋体1の加工量を小さくでき、1つの環状突部23に掛る加工負荷を小さくできる。すなわち、ステンレス鋼製の金属板を用いて環状薄肉部3を形成する際、加工中の割れや加工硬化を抑制できるため、環状薄肉部3を精度良く成形できると共に、加工負荷をパンチ21及びダイ22に分散でき、金型の寿命を長くすることができる。また、先端幅が大きな順に複数組の環状突部23を蓋体1の両面に押し付ける多段コイニングにより環状薄肉部3を形成するので、環状薄肉部3に最薄部30a及び第1〜第3段部30b〜30dを形成でき、第1〜第3段部30b〜30dを利用して環状薄肉部3の品質検査の効率を向上できる。
次に、実施例を挙げる。本発明者は、公称板厚0.8mmのSUS430の鋼板を素材として、プレス加工により側壁部11及びフランジ部12が設けられた状態の蓋体1に対して、図4に示す第1〜第4コイニング工程を施すことで、安全弁2を蓋体1に形成した。なお、環状薄肉部3の形状は長辺を15mmとし短辺を10mmとする長円形とし、最薄部30aの肉厚は0.015mmとした。また、第1コイニング工程では、先端幅が1.5mmの環状突部23が設けられたパンチ21及びダイ22を用い、第2コイニング工程では、先端幅が1.0mmの環状突部23が設けられたパンチ21及びダイ22を用い、第3コイニング工程では、先端幅が0.5mmの環状突部23が設けられたパンチ21及びダイ22を用い、第4コイニング工程では、先端が60°の三角断面形状で先端Rを0.2Rとした環状突部23が設けられたパンチ21及びダイ22を用いた。さらに、第1〜第4コイニング工程を通して、パンチ21及びダイ22の中央凹部25の深さは、公称板厚分の0.8mmとした。
このような条件において、第1〜第4コイニング工程における蓋体1の潰し率[%]を下記の表1に示す実施例A〜Kように変更し、蓋体1の潰し率と金型の破損との関係を調べた。なお、潰し率[%]とは、各コイニング工程において蓋体1の板面をどの程度潰すかを示すものであり、{(前工程の板厚−後工程の板厚)÷前工程の板厚}×100で求められる数値である。なお、第1コイニング工程の潰し率を求めるときの前工程の板厚は、素材として用いられる鋼板の公称板厚である。
Figure 2013151024
表1の実施例A,E〜H,J,Kに示すように、潰し率を70%以下に抑えてコイニング工程を実施したところ、2000ショット後にもパンチ21及びダイ22の環状突部23にクラックは発生しないことが確認できた。これに対して、実施例B〜D,Iに示すように、蓋体1の潰し率が70%を超えるコイニング工程を含む多段コイニングを実施すると、実施回数が2000ショットに届く前に、潰し率が70%を超えるコイニング工程のタイミングでパンチ21の環状突部23にクラックが発生することが判明した。従って、各コイニング工程における蓋体1の潰し率は70%以下とすることが好ましい。なお、上述の条件にて形成した安全弁2は、割れが発生することなく所望の環状薄肉部3が得られ、0.6〜0.8MPaの圧力範囲で安定して作動した。
このような電池の安全弁製造方法では、ステンレス鋼製の金属板からなる蓋体1をパンチ21とダイ22との間に配置して、互いに対向するようにパンチ21及びダイ22に設けられた環状突部23を蓋体1の両面に同時に押し付けることにより、安全弁2の縁部を構成する環状薄肉部3を蓋体1に形成するので、従来技術のように蓋体の片面に対して環状突部を押し付ける場合に比べて、1つの環状突部23による蓋体1の加工量を小さくでき、1つの環状突部23に掛る加工負荷を小さくできる。これにより、環状薄肉部3を形成する際、加工中の割れや加工硬化を抑制できるため、環状薄肉部を精度良く成形できると共に、加工負荷をパンチ21及びダイ22に分散でき、金型の寿命を長くすることができる。
また、環状突部23を蓋体1の両面に押し付ける際に、環状突部23の外周側において拘束手段24により蓋体1を拘束するので、環状薄肉部3を形成する際に生じる肉余りを環状突部23の内周側のみに逃がすことができ、当該肉余りが蓋体1の外形に影響を及ぼすことを回避できる。
さらに、パンチ21及びダイ22の組毎に先端幅が異なる複数組の環状突部23を用い、先端幅が大きな順に蓋体1の両面に環状突部23を押し付ける複数のコイニング工程により環状薄肉部3を形成するので、1つの環状突部23に掛る加工負荷をさらに小さくでき、金型の寿命をさらに向上できる。また、外周側板面10から最薄部30aに向けて徐々に肉厚が薄くされた複数の段部30bを環状薄肉部3に設けることができ、この段部30bを利用して最薄部30aの位置を容易に特定でき、環状薄肉部3の厚みを検査する品質検査の効率を向上できる。
さらにまた、各コイニング工程における蓋体1の潰し率を70%以下とするので、パンチ21及びダイ22の環状突部23に破損が生じる可能性をさらに低減でき、金型の寿命をより確実に長くできる。
また、このような電池の安全弁製造装置では、電池の電池ケースを構成するステンレス鋼製の蓋体1を拘束手段24により環状突部23の外周側において拘束しつつ、先端幅が大きな順に蓋体1の両面に対して環状突部を同時に押し付けることにより、安全弁2の縁部を構成する環状薄肉部3を蓋体1に形成するように構成されているので、上述の電池の安全弁製造方法と同様に、環状薄肉部3を形成する際に生じる肉余りが蓋体1の外形に影響を及ぼすことを回避しつつ、環状薄肉部3を形成する際、加工中の割れや加工硬化を抑制できるため、環状薄肉部3を精度良く成形できると共に、加工負荷をパンチ21及びダイ22に分散でき、金型の寿命を長くすることができる。
また、このような電池の安全弁2では、環状薄肉部3は、互いに対向する環状突部が電池の電池ケースを構成するステンレス鋼製の金属板の両面に同時に押し当てられるプレス加工により、蓋体1の両面に形成された一対の凹部から構成され、屈曲部4は、環状薄肉部3の内周側に設けられ、プレス加工の作用により板厚方向に沿って曲げ変形されているので、当該安全弁2を形成する際に、加工中の割れや加工硬化を抑制できるため、環状薄肉部3を精度良く成形できると共に、環状薄肉部3を形成する際の加工負荷をパンチ21及びダイ22に分散でき、金型の寿命を長くすることができる。
また、環状薄肉部3には、環状薄肉部3内において肉厚が最も薄くされた最薄部30aと、外周側板面10から最薄部30aに向けて徐々に肉厚が薄くされた第1及び第3段部30b〜30dとが設けられているので、段部30bを利用して最薄部30aの位置を容易に特定でき、環状薄肉部3の厚みを検査する品質検査の効率を向上できる。
1 蓋体(金属板)
2 安全弁
3 環状薄肉部
4 屈曲部
10 外周側板面
20 安全弁製造装置
21 パンチ
22 ダイ
23 環状突部
24 拘束手段
30 凹部
30a 最薄部
30b〜30d 第1〜第3段部

Claims (5)

  1. 電池の電池ケースを構成するステンレス鋼製の金属板(1)をパンチ(21)とダイ(22)との間に配置して、互いに対向するように前記パンチ(21)及びダイ(22)に設けられた環状突部(23)を前記金属板(1)の両面に同時に押し付けることにより、安全弁(2)の縁部を構成する環状薄肉部(3)を前記金属板(1)に形成することを特徴とする電池の安全弁製造方法。
  2. 前記環状突部(23)を前記金属板(1)の両面に押し付ける際に、前記環状突部(23)の外周側において拘束手段(24)により前記金属板(1)を拘束することを特徴とする請求項1記載の電池の安全弁製造方法。
  3. 前記環状薄肉部(3)の形成は、前記パンチ(21)及びダイ(22)の組毎に先端幅が異なる複数組の環状突部(23)を用い、前記先端幅が大きな順に前記環状突部(23)を前記金属板(1)の両面に同時に押し付ける複数のコイニング工程により行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電池の安全弁製造方法。
  4. 各コイニング工程における前記金属板(1)の潰し率を70%以下とすることを特徴とする請求項3記載の電池の安全弁製造方法。
  5. 複数組のパンチ(21)及びダイ(22)と、
    互いに対向するように前記パンチ(21)及びダイ(22)に設けられ、前記パンチ(21)及びダイ(22)の組毎に異なる先端幅を有する複数組の環状突部(23)と、
    各パンチ(21)及びダイ(22)の前記環状突部(23)の外周側に配置された拘束手段(24)と
    を備え、
    電池の電池ケースを構成するステンレス鋼製の金属板(1)を前記拘束手段(24)により前記環状突部(23)の外周側において拘束しつつ、前記先端幅が大きな順に前記金属板(1)の両面に対して前記環状突部(23)を同時に押し付けることにより、前記安全弁(2)の縁部を構成する環状薄肉部(3)を前記金属板(1)に形成するように構成されていることを特徴とする電池の安全弁製造装置。
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