JP2007273751A - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

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邦久 来嶋
Akihiro Matsuda
晃啓 松田
Takahiro Umehara
孝洋 梅原
Akira Kuniyone
亮 國米
Yuichi Nakajima
雄一 中嶋
Teruki Otsuki
輝喜 大月
Tomoyuki Osada
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Abstract

【課題】セパレータを改善することにより、熱処理を行わなくても等価直列抵抗を低減可能とすることにより、低ESR、低漏れ電流、高耐電圧の固体電解コンデンサ、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】化成済みの陽極箔1と陰極箔3とをセパレータ2を介して巻回し、このセパレータ2に導電性高分子を保持させた固体電解コンデンサにおいて、セパレータ2は、紙繊維とコットンとの混抄紙からなる。かかるセパレータ2は、熱処理工程を施さなくても低密度である。従って、熱処理に起因する低漏れ電流の増大や耐電圧の低下を防止できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電性高分子を電解質に用いた固体電解コンデンサの製造方法に関するものである。
電解コンデンサは、アルミニウムやタンタルやニオブ等の弁作用金属からなる陽極を備えており、この陽極の表面にはエッチングピットや微細孔が形成されている。また、陽極の表面には誘電体となる酸化皮膜が形成されている。
ここで、陰極側の電気的な引出しは、導電性を有する電解質層によって行われ、電解コンデンサにおいて真の陰極はこの電解質層が担うこととなる。この真の陰極として機能する電解質層は、電解コンデンサの電気特性に大きな影響を及ぼすため、数々の電解質層の形成方法が提案されている。
このような電解コンデンサのうち、固体電解コンデンサは、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDT)などの導電性高分子を電解質として用いるもので、液状の電解質を用いた電解コンデンサに比較して高周波領域におけるインピーダンス特性に優れている(例えば、特許文献1参照)。
近年、各種電子機器などでデジタル化が進み、固体電解コンデンサには、高周波領域での低インピーダンス化、大容量化、小形化が求められている。
このような要求を満たすために様々な取り組みが行われており、例えば、陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回し、当該セパレータに導電性高分子を保持させて巻回型アルミニウム固体電解コンデンサを構成することが検討されている。
このような巻回型では電極面積を広く確保できるという利点がある。
このような固体電解コンデンサは、従来、以下の方法で製造される。まず、素子形成工程において、化成済みの陽極箔と陰極箔とがマニラ紙などの紙繊維からなるセパレータを介して巻回されたコンデンサ素子を形成した後、導電性高分子形成工程において化学重合を行い、セパレータに導電性高分子を保持させる。
また、素子形成の後、導電性高分子形成の前に、コンデンサ素子の状態で陽極箔に化成を行う修復化成と、コンデンサ素子を200℃以上の温度に加熱する熱処理とが行われている。
ここで、熱処理は、熱処理によって紙繊維を細くすることによりセパレータの密度を小さくして、ESR(等価直列抵抗)を低減する目的で行われている。
このようにして、導電性高分子を形成したコンデンサ素子は、有底筒状の外装ケースに収納され、陽極および陰極のリード線を封口ゴムに形成した貫通孔から引き出すとともに、外装ケースの開口部を封口ゴムで密閉する。
特開2001−189242号公報
しかしながら、このような巻回型の固体電解コンデンサを製造する際、ESRを低減することを目的に、セパレータに対して熱処理を行うと、素子の巻き緩みなどが起こって耐電圧が低下し、漏れ電流が増大や、エージング工程におけるショートパンク発生率の上昇などが発生する問題がある。
また、コンデンサ素子の状態で熱処理を行うと、電極箔に加わった熱的ストレスや機械的ストレスによって、漏れ電流が増大するという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、セパレータを改善することで、熱処理を行わなくても等価直列抵抗を低減可能とすることにより、低ESR、低漏れ電流、高耐電圧を有する固体電解コンデンサおよびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、化成済みの陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回し、当該セパレータに導電性高分子を保持させた固体電解コンデンサにおいて、前記セパレータは、紙繊維と絹繊維との混抄紙からなることを特徴とする。
本発明では、化成済みの陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回し、当該セパレータに導電性高分子を保持させた固体電解コンデンサの製造方法において、
前記陽極箔と前記陰極箔とを前記セパレータとして紙繊維と絹繊維との混抄紙を介して巻回してコンデンサ素子を形成する素子形成工程と、前記コンデンサ素子の状態で前記陽極箔に化成を行う修復化成工程と、該修復化成工程の後、前記セパレータに導電性高分子を保持させる導電性高分子形成工程とを有することを特徴とする。
すなわち、本発明では、前記セパレータは、紙繊維と絹繊維との混抄紙を用い、素子形成工程と導電性高分子形成工程との間にセパレータの密度を低減するための熱処理を行わないことを特徴とする。
本発明では、紙繊維と絹繊維との混抄紙をセパレータとして用いており、かかるセパレータは、熱処理工程を施さなくても低密度である。従って、セパレータ自身の抵抗値が低い。また、セパレータは、低密度であるため、導電性高分子の保持量が増えるので、固体電解コンデンサのESRを低減することができる。
それ故、熱処理を行わなくてもESRの低い固体電解コンデンサを提供でき、かかる固体電解コンデンサでは、熱処理に起因する低漏れ電流の増大や耐電圧の低下がない。よって、低ESR、低漏れ電流、高耐電圧の固体電解コンデンサを提供することができる。
本発明において、前記導電性高分子としては、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、またはポリチオフェン若しくはその誘導体を用いることができる。
本発明では、紙繊維と絹繊維との混抄紙をセパレータとして用いており、かかるセパレータは、熱処理を施さなくても低密度であるとともに、十分な強度を有している。従って、熱処理を行わなくてもESRの低い固体電解コンデンサを提供でき、かかる固体電解コンデンサでは、熱処理に起因する低漏れ電流の増大や耐電圧の低下がない。
よって、低ESR、低漏れ電流、高耐電圧の固体電解コンデンサを提供することができる。
以下、図1〜3を参照して、本発明を適用した固体電解コンデンサの製造方法を説明する。図1は、本発明に係る固体電解コンデンサに用いたコンデンサ素子の説明図である。図2は、本発明に係る固体電解コンデンサの陽極、セパレータ、および陰極の積層構造を示す説明図である。図3は、本発明を適用した固体電解コンデンサの製造方法を示す工程図である。
(固体電解コンデンサの構造)
図1に示すように、本発明に係る固体電解コンデンサに用いたコンデンサ素子4は、陽極箔1と陰極箔3を備えており、陽極箔1と陰極箔3がセパレータ2を介して巻回された構造を有する。陽極箔1は、アルミニウム等の弁作用金属で形成されており、図2に示すように、陽極箔1の表面はエッチング処理により粗面化されるとともに酸化皮膜(図示せず)が形成されている。陰極箔3は、陽極箔1と同様、アルミニウム等で形成されており、その表面も粗面化されている。
セパレータ2の両面には導電性高分子8からなる固体電解質が保持されている。このため、陽極箔1とセパレータ2との間にも導電性高分子8の層が形成され、陰極箔3とセパレータ2との間にも導電性高分子8の層が形成されている。
ここで、導電性高分子8としては、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、またはポリチオフェン若しくはその誘導体を用いることができ、その代表的な例がポリエチレンジオキシチオフェン(PEDT)である。
このような導電性高分子8は、アニリン若しくはその誘導体、ピロール若しくはその誘導体、またはチオフェン若しくはその誘導体の化学重合により生成される。
なお、図1に示すように、陽極箔1と陰極箔3にはそれぞれリードタブが接続され、リードタブを介して陽極箔1と陰極箔3からリード線5、6が引き出されている。
このように構成した固体電解コンデンサにおいて、セパレータ2は、紙繊維と絹繊維との混抄紙からなる。
(固体電解コンデンサの製造方法)
次に、図1〜3を参照して、本発明を適用した固体電解コンデンサの製造方法を説明する。
まず、電極の実効表面積を大きくするために、陽極箔1および陰極箔3を形成するためのアルミニウム箔などの表面にエッチング処理を施して粗面化する。次に、粗面化された陽極箔1に化成処理を施して酸化皮膜を形成する。
そして、巻回工程(素子形成工程)において、酸化皮膜が形成された陽極箔1と陰極箔3にそれぞれ電極タブを介してリード線5、6を接続するとともに、これら陽極箔1と陰極箔3とをセパレータ2を介して巻回し、円筒状のコンデンサ素子4を形成する。ここで、セパレータ2としては、紙繊維とコットンとの混抄紙を用いる。
次に、修復化成工程において、コンデンサ素子4の状態で陽極箔1に化成を行い、陽極箔1の切口や酸化皮膜の欠陥を修復する。
次に、セパレータ2を低密度化するための熱処理を行わずに、含浸・重合工程(導電性高分子形成工程)を行い、セパレータ2に導電性高分子8を保持させる。このような導電性高分子8を形成するには、チオフェン若しくはその誘導体、アニリン若しくはその誘導体、ピロール若しくはその誘導体を化学重合させる。
チオフェン誘導体としては、チオフェン骨格3位、3位と4位またはS位に、水酸基、アセチル基、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基のうち少なくとも1種を置換基として有するチオフェン誘導体、または3,4−アルキレンジオキシチオフェンを挙げることができる。
アニリン誘導体として、アニリン骨格を有しアルキル基、フェニル基、アルコキシ基、エステル基、チオエーテル基のうち少なくとも1種を置換基として有するアニリン誘導体を挙げることができる。ピロール誘導体としては、ピロール骨格の3位、3位と4位またはN位に、水酸基、アセチル基、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基のうち少なくとも1種を置換基として有するピロール誘導体を挙げることができる。
ここで、チオフェン若しくはその誘導体、アニリン若しくはその誘導体、ピロール若しくはその誘導体は、以下に説明する方法により化学重合させると、導電性高分子8を形成する。また、導電性高分子8を形成するにあたっては、電解重合を組み合わせることもある。
まず、1液法では、モノマー、ドーパント、酸化剤を混合した溶液、またはモノマーと酸化作用を有するドーパントとを混合した溶液をコンデンサ素子に含浸し、この状態で化学重合を行わせる。
次に、2液法では、モノマー溶液をコンデンサ素子に含浸し、続いて、ドーパントと酸化剤との混合液をコンデンサ素子に含浸し、化学重合させる。
また、モノマーとドーパントとを混合した溶液をコンデンサ素子に含浸し、続いて、モノマーと酸化剤との混合溶液をコンデンサ素子に含浸し、化学重合させてもよい。
さらに、モノマー液をコンデンサ素子に含浸し、続いて、ドーパントと酸化剤とを混合した液をコンデンサ素子に含浸し、化学重合させてよい。
また、モノマーとドーパントを混合した溶液をコンデンサ素子に含浸し、続いて、モノマーと酸化剤との混合溶液をコンデンサ素子に含浸し、化学重合させてもよい。
さらに、ドーパントと酸化剤を混合した溶液をコンデンサ素子に含浸し、続いて、モノマー溶液をコンデンサ素子に含浸し、化学重合させてもよい。
次に、3液法では、ドーパントを含む液をコンデンサ素子に含浸し、続いて、モノマー液をコンデンサ素子に含浸し、最後に、酸化剤を含む液をコンデンサ素子に含浸して、化学重合を行わせる。
本発明において、ドーパントは、特に限定されないが、良好な特性を持つ固体電解コンデンサを得るためにはスルホン酸化合物が好ましい。たとえば、1,5−ナフタレンジスルホン酸、1,6−ナフタレンジスルホン酸、1−オクタンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、2,6−ナフタレンジスルホン酸、2,7−ナフタレンジスルホン酸、2−メチル−5−イソプロピルベンゼンスルホン酸、4−オクチルベンゼンスルホン酸、4−ニトロトルエン−2−スルホン酸、m−ニトロベンゼンスルホン酸、n−オクチルスルホン酸、n−ブタンスルホン酸、n−ヘキサンスルホン酸、o−ニトロベンゼンスルホン酸、p−エチルベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、p−デシルベンゼンスルホン酸、p−ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−ニトロベンゼンスルホン酸、p−ペンチルベンゼンスルホン酸、エタンスルホン酸、カンファースルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、アセチルスルホン酸、ドデシルスルホン酸、トリクロロベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ハイドロオキシベンゼンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、メタンスルホン酸などがあり、その塩としては、リチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、銀塩、銅塩、鉄塩、アルミニウム塩、セリウム塩、タングステン塩、クロム塩、マンガン塩、スズ塩、メチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、エチルアンモニウム塩、ジエチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、エチルメチルアンモニウム塩、ジエチルメチルアンモニウム塩、ジメチルエチルアンモニウム塩、トリエチルメチルアンモニウム塩、トリメチルエチルアンモニウム塩、ジエチルジメチルアンモニウム塩、プロピルアンモニウム塩、ジプロピルアンモニウム塩、イソプロピルアンモニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩、ブチルアンモニウム塩、ジブチルアンモニウム塩、メチルプロピルアンモニウム塩、エチルプロピルアンモニウム塩、メチルイソプロピルアンモニウム塩、エチルイソプロピルアンモニウム塩、メチルブチルアンモニウム塩、エチルブチルアンモニウム塩、テトラメチロールアンモニウム塩、テトラ−n−ブチルアンモニウム塩、テトラ−sec−ブチルアンモニウム塩、テトラ−t−ブチルアンモニウム塩、ピペリジウム塩、ピロリジウム塩、モノホリニウム塩、ピペラジニウム塩、ピリジニウム塩、α−ピコリニウム塩、β−ピコリニウム塩、γ−ピコリニウム塩、キノリニウム塩、イソキノリニウム塩、ピロリニウム塩、アンモニウム塩などがある。
しかる後には、組立工程において、コンデンサ素子4を有底筒状の外装ケースに収納し、開口部を封口ゴム等により密封した後、エージング工程を行うことにより、固体電解コンデンサを得る。エージング工程では、例えば、温度が100℃の条件下で60分間、定格電圧を印加する。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、紙繊維と絹繊維との混抄紙をセパレータ2として用いており、かかるセパレータ2は、熱処理工程を施さなくても低密度である。
従って、セパレータ2自身の抵抗値が低い。また、セパレータ2は、低密度であるため、導電性高分子8の保持量が増えるので、固体電解コンデンサのESRを低減することができる。
それ故、熱処理を行わなくてもESRの低い固体電解コンデンサを提供でき、かかる固体電解コンデンサでは、熱処理に起因する低漏れ電流の増大や耐電圧の低下がない。よって、低ESR、低漏れ電流、高耐電圧の固体電解コンデンサを提供することができる。
次に、実施例に基づいて、本発明をより具体的に説明する。なお、以下に説明する実施例1、2、比較例および従来例では、使用するセパレータの種類、熱処理工程の有無に関する構成が異なっているものの、その他の工程(図3の工程図における、エッチング、酸化皮膜形成、電極箔巻回、含浸・重合、組立、およびエージングの各工程)は全て同じである。
(実施例1)
実施例1では、陽極箔(化成電圧47V)と陰極箔とを、ヘンプ紙80wt%と絹繊維20wt%の組成の混抄からなるセパレータを介して巻回することにより、円筒形のコンデンサ素子を得る。次に、アジピン酸二アンモニウム水溶液に浸漬し、修復化成工程として、47Vの電圧印加を60分間行う。次に、3,4−エチレンジオキシチオフェンとp−トルエンスルホン酸鉄(III)とをn−ブタノールに溶解した溶液(モノマーと酸化剤とブタノールの重量比 1:1:1)にコンデンサ素子を浸漬後、温度が150℃の条件で5分間保持して化学重合によりPEDTを形成する。
このようにして得られたコンデンサ素子を有底筒状の外装ケースに収納し、開口部をゴムパッキング等により密封した。
(実施例2)
実施例2では、陽極箔(化成電圧47V)と陰極箔とを、マニラ麻紙90wt%と絹繊維10wt%の組成の混抄からなるセパレータを介して巻回することにより、円筒形のコンデンサ素子を得た以外は、実施例1と同様の方法で電解コンデンサを作製した。
(比較例)
比較例では、陽極箔(化成電圧47V)と陰極箔とを、ヘンプ紙の単抄からなるセパレータを介して巻回することにより、円筒形のコンデンサ素子を得た以外は、実施例1と同様の方法で電解コンデンサを作製した。
(従来例)
従来例では、陽極箔(化成電圧47V)と陰極箔とを、ヘンプ紙の単抄からなるセパレータを介して巻回することにより、円筒形のコンデンサ素子を得る。次に、アジピン酸二アンモニウム水溶液に浸漬し、修復化成工程として、47Vの電圧印加を60分間行う。次に、コンデンサ素子を300℃、90分間熱処理する。次に、3,4−エチレンジオキシチオフェンとp−トルエンスルホン酸鉄(III)とをn−ブタノールに溶解した溶液(モノマーと酸化剤とブタノールの重量比 1:1:1)にコンデンサ素子を浸漬後、温度が150℃の条件で5分間保持して化学重合によりPEDTを形成する。
このようにして得られたコンデンサ素子を有底筒状の外装ケースに収納し、開口部をゴムパッキング等により密封した。
以上の実施例1、2、比較例、および従来例の製造方法によってそれぞれ得られた固体電解コンデンサの電気特性の測定結果、および生産歩留を表1に示す。
Figure 2007273751
表1に示すように、セパレータとして紙繊維と絹繊維との混抄紙を使用し、導電性高分子形成前に熱処理を施していない実施例1、2によれば、セパレータとして紙繊維の単抄紙を使用し、導電性高分子形成前に熱処理を施していない比較例と比べ、固体電解コンデンサの電気特性、特に静電容量の出現率とESRの低減効果が著しい。
また、セパレータとして紙繊維の単抄紙を使用し、導電性高分子形成前に熱処理を施している従来例と比べ、生産歩留が向上していることが分かる。
(その他の実施例)
上記の実施例においては、PEDTを固体電解質として用いたが、PEDT以外の公知の導電性高分子(例えばポリアニリンやポリピロール)を固体電解質として用いた場合にも同様の効果が得られることが確認された。
また、上記の実施例では、陽極としてアルミニウムを用いた固体電解コンデンサを説明したが、タンタルやニオブを陽極として用いた場合でも、同様な効果が得られることが確認された。
本発明に係る固体電解コンデンサにおけるコンデンサ素子の説明図である。 本発明に係る固体電解コンデンサの陽極、セパレータおよび陰極の積層構造を示す説明図である。 本発明を適用した固体電解コンデンサの製造方法を示す工程図である。
符号の説明
1 陽極箔
2 セパレータ
3 陰極箔
4 コンデンサ素子
5 陽極リード棒
6 陰極リード棒
7 導電性高分子

Claims (3)

  1. 化成済みの陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回し、当該セパレータに導電性高分子を保持させた固体電解コンデンサにおいて、
    前記セパレータは、紙繊維と絹繊維との混抄紙からなることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記導電性高分子が、アニリン若しくはその誘導体、ピロール若しくはその誘導体、またはチオフェン若しくはその誘導体を重合してなることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 化成済みの陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回し、当該セパレータに導電性高分子を保持させた固体電解コンデンサの製造方法において、
    前記陽極箔と前記陰極箔とを前記セパレータとして紙繊維と絹繊維との混抄紙を介して巻回してコンデンサ素子を形成する素子形成工程と、
    前記コンデンサ素子の状態で前記陽極箔に化成を行う修復化成工程と、
    該修復化成工程の後、前記セパレータに導電性高分子を保持させる導電性高分子形成工程と
    を有することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
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