JP2007273658A - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好なESRを有しながら、漏れ電流が低い固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】化成済みの陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回し、該セパレータに導電性高分子を保持させた固体電解コンデンサにおいて、
前記セパレータは、クラフト繊維を主体として構成され、
前記クラフト繊維に対して、セルロース繊維、合成繊維、およびポリビニルアルコールのうち少なくとも1種の繊維が混抄され、
また、前記導電性高分子は、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、またはポリチオフェン若しくはその誘導体であり、
さらに、前記導電性高分子形成工程の前に、前記コンデンサ素子を温度が200℃を超える条件で加熱する熱処理を行うことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】化成済みの陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回し、該セパレータに導電性高分子を保持させた固体電解コンデンサにおいて、
前記セパレータは、クラフト繊維を主体として構成され、
前記クラフト繊維に対して、セルロース繊維、合成繊維、およびポリビニルアルコールのうち少なくとも1種の繊維が混抄され、
また、前記導電性高分子は、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、またはポリチオフェン若しくはその誘導体であり、
さらに、前記導電性高分子形成工程の前に、前記コンデンサ素子を温度が200℃を超える条件で加熱する熱処理を行うことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、導電性高分子を電解質に用いた固体電解コンデンサおよびその製造方法に関するものである。
電解コンデンサは、アルミニウムやタンタルやニオブ等の弁作用金属からなる陽極を備えており、この陽極の表面にはエッチングピットや微細孔が形成されている。また、陽極の表面には誘電体となる酸化皮膜が形成されている。
ここで、陰極側の電気的な引出しは、導電性を有する電解質層によって行われ、電解コンデンサにおいて真の陰極はこの電解質層が担うこととなる。この真の陰極として機能する電解質層は、電解コンデンサの電気特性に大きな影響を及ぼすため、数々の電解質層の形成方法が提案されている。
ここで、陰極側の電気的な引出しは、導電性を有する電解質層によって行われ、電解コンデンサにおいて真の陰極はこの電解質層が担うこととなる。この真の陰極として機能する電解質層は、電解コンデンサの電気特性に大きな影響を及ぼすため、数々の電解質層の形成方法が提案されている。
このような電解コンデンサのうち、固体電解コンデンサは、導電性を有する固体の電解質を用いるもので、導電性高分子であるポリエチレンジオキシチオフェン(PEDT)などが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
近年、各種電子機器などでデジタル化が進み、固体電解コンデンサには、高周波領域での低インピーダンス化、大容量化、小形化が求められている。このような要求を満たすために様々な取り組みが行われており、例えば、陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回し、当該セパレータに導電性高分子を保持させて巻回型アルミニウム固体電解コンデンサとすることが検討されている。このような巻回型では電極面積を広く確保できるという利点がある。
特開2001−189242号公報
このような巻回型の固体電解コンデンサでは、安価なセルロース繊維を主体としたセパレータが使用されており、このようなセパレータを用いた場合には、等価直列抵抗(ESR)を低減することを目的に、セパレータに対して熱処理を行って密度を小さくすることが検討されている。
しかしながら、このような低密度化を図ると、素子の巻き緩みなどが起こって耐電圧が低下し、漏れ電流が増大や、エージング工程におけるショートパンク発生率の上昇が発生する問題がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、熱処理によってセパレータの密度化を図ってESRを低減した場合でも、高い耐電圧を確保することのできる固体電解コンデンサおよびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、化成済みの陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回し、該セパレータに導電性高分子を保持させた固体電解コンデンサにおいて、前記セパレータは、クラフト繊維を主体として構成されていることを特徴とする。
本発明では、化成済みの陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回する素子形成工程と、前記セパレータに導電性高分子を保持させる導電性高分子形成工程とを有する固体電解コンデンサの製造方法において、前記セパレータは、クラフト繊維を主体として構成され、前記素子形成工程の後、前記導電性高分子形成工程の前に、前記コンデンサ素子を温度が200℃を超える条件で加熱する熱処理を行うことを特徴とする。
本発明において、前記セパレータは、前記クラフト繊維を主体とし、当該クラフト繊維に対して、他種のセルロース繊維、合成繊維、およびポリビニルアルコールのうち少なくとも1種の繊維が混抄されている構成を採用することができる。
本発明において、前記導電性高分子としては、アニリン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、またはチオフェン若しくはその誘導体(重合膜)を用いることができる。
本発明に係る固体電解コンデンサでは、クラフト繊維を主体とするセパレータを用いているので、熱処理により低ESR化を図った場合でも高い耐電圧を確保できる。
すなわち、コンデンサ素子に200℃を超える温度の熱処理を行うと、クラフト繊維の繊維径が細くなるので、セパレータの空隙が広がる結果、セパレータ自身の抵抗値が下がる。
また、熱処理によってセパレータの空隙が広がると、導電性高分子の保持量が増えるので、固体電解コンデンサのESRを低減することができる。
さらに、セパレータはクラフト繊維を主体としており、かかるクラフト繊維は、繊維系が細くなっても、セパレータの形状を維持するので、固体電解コンデンサの耐電圧が高い。
すなわち、コンデンサ素子に200℃を超える温度の熱処理を行うと、クラフト繊維の繊維径が細くなるので、セパレータの空隙が広がる結果、セパレータ自身の抵抗値が下がる。
また、熱処理によってセパレータの空隙が広がると、導電性高分子の保持量が増えるので、固体電解コンデンサのESRを低減することができる。
さらに、セパレータはクラフト繊維を主体としており、かかるクラフト繊維は、繊維系が細くなっても、セパレータの形状を維持するので、固体電解コンデンサの耐電圧が高い。
以下、図1を参照して、本発明を適用した固体電解コンデンサの製造方法を説明しながら、本発明に係る固体電解コンデンサの構造を説明する。
図1は、本発明を適用した固体電解コンデンサに用いたコンデンサ素子の説明図である。本発明に係る固体電解コンデンサを製造するには、まず、素子形成工程において、図1に示すようなコンデンサ素子4を準備する。
このコンデンサ素子4は、陽極箔1と陰極箔3とがセパレータ2を介して巻回された構造を有している。
陽極箔1および陰極箔3からは、それぞれ樹脂コーティングを施した陽極リードタブおよび陰極リードタブを介して陽極リード線5および陰極リード線6がコンデンサ素子4の端面から引き出されている。
陽極箔1は、アルミニウム等の弁作用金属からなる箔に対して、エッチングにより粗面化を施した後、化成により酸化皮膜を形成してなる。
このコンデンサ素子4は、陽極箔1と陰極箔3とがセパレータ2を介して巻回された構造を有している。
陽極箔1および陰極箔3からは、それぞれ樹脂コーティングを施した陽極リードタブおよび陰極リードタブを介して陽極リード線5および陰極リード線6がコンデンサ素子4の端面から引き出されている。
陽極箔1は、アルミニウム等の弁作用金属からなる箔に対して、エッチングにより粗面化を施した後、化成により酸化皮膜を形成してなる。
本形態において、セパレータ2は、クラフト繊維を主体として構成されている。また、セパレータ2は、クラフト繊維を主体とし、クラフト繊維に対して、他種のセルロース繊維、合成繊維、またはポリビニルアルコールが混抄されていてもよい。
次に、コンデンサ素子4に対して切口化成を行い、洗浄する。これにより、陽極箔1の切断端面に誘電体酸化皮膜が形成される。なお、切口化成は、熱処理工程の後に行ってもよく、熱処理工程の前後双方において行ってもよい。
次に、熱処理工程において、コンデンサ素子4に対して、200℃を超える温度で熱処理を施す。ここで、温度条件としては、300℃を超える条件であることがより好ましい。
次に、導電性高分子形成工程において、コンデンサ素子4に導電性高分子を形成する。このような導電性高分子を形成するには、チオフェン若しくはその誘導体、アニリン若しくはその誘導体、ピロール若しくはその誘導体を化学重合させる。
チオフェン誘導体としては、チオフェン骨格3位、3位と4位、またはS位に、水酸基、アセチル基、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基のうち少なくとも1種を置換基として有するチオフェン誘導体、または3,4−アルキレンジオキシチオフェンを挙げることができる。
アニリン誘導体としては、アニリン骨格を有し、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基、エステル基、チオエーテル基のうち少なくとも1種を置換基として有するアニリン誘導体を挙げることができる。
ピロール誘導体としては、ピロール骨格の3位、3位と4位またはN位に、水酸基、アセチル基、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基のうち少なくとも1種を置換基として有するピロール誘導体を挙げることができる。
チオフェン誘導体としては、チオフェン骨格3位、3位と4位、またはS位に、水酸基、アセチル基、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基のうち少なくとも1種を置換基として有するチオフェン誘導体、または3,4−アルキレンジオキシチオフェンを挙げることができる。
アニリン誘導体としては、アニリン骨格を有し、アルキル基、フェニル基、アルコキシ基、エステル基、チオエーテル基のうち少なくとも1種を置換基として有するアニリン誘導体を挙げることができる。
ピロール誘導体としては、ピロール骨格の3位、3位と4位またはN位に、水酸基、アセチル基、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基のうち少なくとも1種を置換基として有するピロール誘導体を挙げることができる。
ここで、チオフェン若しくはその誘導体、アニリン若しくはその誘導体、ピロール若しくはその誘導体は、以下に説明する方法により化学重合させると、導電性高分子を形成する。また、導電性高分子を形成するにあたっては、電解重合を組み合わせることもできる。
まず、1液法では、モノマー、ドーパント、酸化剤を混合した溶液、またはモノマーと酸化作用を有するドーパントとを混合した溶液をコンデンサ素子に含浸し、この状態で化学重合を行わせる。
次に、2液法では、モノマー溶液をコンデンサ素子に含浸し、続いて、ドーパントと酸化剤との混合液をコンデンサ素子に含浸し、化学重合させる。
また、モノマーとドーパントとを混合した溶液をコンデンサ素子に含浸し、続いて、モノマーと酸化剤との混合溶液をコンデンサ素子に含浸し、化学重合させてもよい。
さらに、モノマー液をコンデンサ素子に含浸し、続いて、ドーパントと酸化剤とを混合した液をコンデンサ素子に含浸し、化学重合させてよい。
そして、モノマーとドーパントを混合した溶液をコンデンサ素子に含浸し、続いて、モノマーと酸化剤との混合溶液をコンデンサ素子に含浸し、化学重合させてもよい。
また、ドーパントと酸化剤を混合した溶液をコンデンサ素子に含浸し、続いて、モノマー溶液をコンデンサ素子に含浸し、化学重合させてもよい。
また、モノマーとドーパントとを混合した溶液をコンデンサ素子に含浸し、続いて、モノマーと酸化剤との混合溶液をコンデンサ素子に含浸し、化学重合させてもよい。
さらに、モノマー液をコンデンサ素子に含浸し、続いて、ドーパントと酸化剤とを混合した液をコンデンサ素子に含浸し、化学重合させてよい。
そして、モノマーとドーパントを混合した溶液をコンデンサ素子に含浸し、続いて、モノマーと酸化剤との混合溶液をコンデンサ素子に含浸し、化学重合させてもよい。
また、ドーパントと酸化剤を混合した溶液をコンデンサ素子に含浸し、続いて、モノマー溶液をコンデンサ素子に含浸し、化学重合させてもよい。
次に、3液法では、ドーパントを含む液をコンデンサ素子に含浸し、続いて、モノマー液をコンデンサ素子に含浸し、最後に、酸化剤を含む液をコンデンサ素子に含浸して、化学重合を行わせる。
本発明において、ドーパントは、特に限定されないが、良好な特性を持つ固体電解コンデンサを得るためにはスルホン酸化合物が好ましい。たとえば、1,5−ナフタレンジスルホン酸、1,6−ナフタレンジスルホン酸、1−オクタンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、2,6−ナフタレンジスルホン酸、2,7−ナフタレンジスルホン酸、2−メチル−5−イソプロピルベンゼンスルホン酸、4−オクチルベンゼンスルホン酸、4−ニトロトルエン−2−スルホン酸、m−ニトロベンゼンスルホン酸、n−オクチルスルホン酸、n−ブタンスルホン酸、n−ヘキサンスルホン酸、o−ニトロベンゼンスルホン酸、p−エチルベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、p−デシルベンゼンスルホン酸、p−ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−ニトロベンゼンスルホン酸、p−ペンチルベンゼンスルホン酸、エタンスルホン酸、カンファースルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、アセチルスルホン酸、ドデシルスルホン酸、トリクロロベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ハイドロオキシベンゼンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、メタンスルホン酸などがあり、その塩としては、リチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、銀塩、銅塩、鉄塩、アルミニウム塩、セリウム塩、タングステン塩、クロム塩、マンガン塩、スズ塩、メチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、エチルアンモニウム塩、ジエチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、エチルメチルアンモニウム塩、ジエチルメチルアンモニウム塩、ジメチルエチルアンモニウム塩、トリエチルメチルアンモニウム塩、トリメチルエチルアンモニウム塩、ジエチルジメチルアンモニウム塩、プロピルアンモニウム塩、ジプロピルアンモニウム塩、イソプロピルアンモニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩、ブチルアンモニウム塩、ジブチルアンモニウム塩、メチルプロピルアンモニウム塩、エチルプロピルアンモニウム塩、メチルイソプロピルアンモニウム塩、エチルイソプロピルアンモニウム塩、メチルブチルアンモニウム塩、エチルブチルアンモニウム塩、テトラメチロールアンモニウム塩、テトラ−n−ブチルアンモニウム塩、テトラ−sec−ブチルアンモニウム塩、テトラ−t−ブチルアンモニウム塩、ピペリジウム塩、ピロリジウム塩、モノホリニウム塩、ピペラジニウム塩、ピリジニウム塩、α−ピコリニウム塩、β−ピコリニウム塩、γ−ピコリニウム塩、キノリニウム塩、イソキノリニウム塩、ピロリニウム塩、アンモニウム塩などがある。
しかる後には、コンデンサ素子4を有底筒状の外装ケースに収納し、開口部を封口ゴム等により密封した後、エージングを行うことにより、固体電解コンデンサが得られる。
[実施例1]
本発明の実施例1に係る固体電解コンデンサ(アルミニウム固体電解コンデンサ)では、密度0.75g/cm3、厚さ40μmのクラフトセパレータを用いて、以下のように固体電解コンデンサを作製した。
本発明の実施例1に係る固体電解コンデンサ(アルミニウム固体電解コンデンサ)では、密度0.75g/cm3、厚さ40μmのクラフトセパレータを用いて、以下のように固体電解コンデンサを作製した。
まず、素子形成工程において、表面にエッチングおよび化成を施した電解コンデンサ用の陽極箔1と、表面にエッチングを施した電解コンデンサ用の陰極箔3とをセパレータ2を介して巻回し、コンデンサ素子4を形成する。
このコンデンサ素子4において、陽極箔1および陰極箔3からは、それぞれ樹脂コーティングを施した陽極リードタブおよび陰極リードタブを介して陽極リード線5および陰極リード線6がコンデンサ素子4の端面から引き出された状態にある。
ここで、実施例1、2、および後述する比較例1〜5において、コンデンサ素子の作製に用いた陽極箔、陰極箔は全て同じ幅、長さであり、その幅は3.0mm、長さは160mmであり、固体電解コンデンサの定格電圧は20.0Vである。
このコンデンサ素子4において、陽極箔1および陰極箔3からは、それぞれ樹脂コーティングを施した陽極リードタブおよび陰極リードタブを介して陽極リード線5および陰極リード線6がコンデンサ素子4の端面から引き出された状態にある。
ここで、実施例1、2、および後述する比較例1〜5において、コンデンサ素子の作製に用いた陽極箔、陰極箔は全て同じ幅、長さであり、その幅は3.0mm、長さは160mmであり、固体電解コンデンサの定格電圧は20.0Vである。
次に、コンデンサ素子4を例えば、pH6.0、温度40℃に調整した10wt%アジピン酸アンモニウム水溶液を化成液として切口化成を行う。なお、切り口化成は、熱処理工程の後に行ってもよく、熱処理工程の前後双方において行ってもよい。
次に、加熱工程において、コンデンサ素子4を温度310℃の条件下で60分間加熱処理する。
次に、導電性高分子形成工程において、モノマーとしての3,4−エチレンジオキシチオフェンと、酸化剤・ドーパントとしてのp−トルエンスルホン酸鉄(III)とをi−プロパノールに溶解した溶液(モノマーと酸化剤のモル比1:1.5)にコンデンサ素子を浸漬後、100℃の温度で60分間保持し、化学重合により、導電性高分子としてのポリエチレンジオキシチオフェン(PEDT)を形成する。
このようにして得られたコンデンサ素子4を有底筒状の外装ケースに収納した後、開口部を封口ゴムで封止し、温度が105℃の条件下で定格電圧の1.5倍の電圧で30分間エージングを行う。
このように作製した固体電解コンデンサの電気特性を測定した結果およびエージング時のショート発生率を表1に示す。
このように作製した固体電解コンデンサの電気特性を測定した結果およびエージング時のショート発生率を表1に示す。
[実施例2]
実施例2では、密度0.50g/cm3、厚さ40μmでクラフト繊維50wt%、アクリル繊維30wt%、ポリビニルアルコール20wt%の組成の混抄紙を用いて固体電解コンデンサを作製した以外は、実施例1と同様とした。
このように作製した固体電解コンデンサの電気特性を測定した結果を表1に示す。
実施例2では、密度0.50g/cm3、厚さ40μmでクラフト繊維50wt%、アクリル繊維30wt%、ポリビニルアルコール20wt%の組成の混抄紙を用いて固体電解コンデンサを作製した以外は、実施例1と同様とした。
このように作製した固体電解コンデンサの電気特性を測定した結果を表1に示す。
(比較例1)
比較例1では、密度0.50g/cm3、厚さ40μmのマニラ繊維セパレータを用いて固体電解コンデンサを作製した。その際、セパレータの構成、およびコンデンサ素子の加熱処理を行わない点以外は実施例と同様とした。
このように作製した固体電解コンデンサの電気特性を測定した結果を表1に示す。
比較例1では、密度0.50g/cm3、厚さ40μmのマニラ繊維セパレータを用いて固体電解コンデンサを作製した。その際、セパレータの構成、およびコンデンサ素子の加熱処理を行わない点以外は実施例と同様とした。
このように作製した固体電解コンデンサの電気特性を測定した結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例2では、密度0.50g/cm3、厚さ40μmのマニラ繊維セパレータを用いて固体電解コンデンサを作製した。その際、セパレータの構成、およびコンデンサ素子を280℃の条件下で60分間加熱処理した以外、実施例1と同様とした。
このように作製した固体電解コンデンサの電気特性を測定した結果を表1に示す。
比較例2では、密度0.50g/cm3、厚さ40μmのマニラ繊維セパレータを用いて固体電解コンデンサを作製した。その際、セパレータの構成、およびコンデンサ素子を280℃の条件下で60分間加熱処理した以外、実施例1と同様とした。
このように作製した固体電解コンデンサの電気特性を測定した結果を表1に示す。
(比較例3)
比較例3では、密度0.50g/cm3、厚さ40μmのマニラ繊維セパレータを用いて固体電解コンデンサを作製した。その際、セパレータの構成が相違する以外、実施例1と同様とした。
このように作製した固体電解コンデンサの電気特性を測定した結果を表1に示す。
比較例3では、密度0.50g/cm3、厚さ40μmのマニラ繊維セパレータを用いて固体電解コンデンサを作製した。その際、セパレータの構成が相違する以外、実施例1と同様とした。
このように作製した固体電解コンデンサの電気特性を測定した結果を表1に示す。
(比較例4)
比較例4では、密度0.75g/cm3、厚さ40μmのクラフト繊維セパレータを用いて固体電解コンデンサを作製した。その際、コンデンサ素子の加熱処理を行わない点以外は実施例1と同様とした。
このように作製した固体電解コンデンサの電気特性を測定した結果を表1に示す。
比較例4では、密度0.75g/cm3、厚さ40μmのクラフト繊維セパレータを用いて固体電解コンデンサを作製した。その際、コンデンサ素子の加熱処理を行わない点以外は実施例1と同様とした。
このように作製した固体電解コンデンサの電気特性を測定した結果を表1に示す。
(比較例5)
比較例5では、密度0.75g/cm3、厚さ40μmのクラフト繊維セパレータを用いて固体電解コンデンサを作製した。その際、コンデンサ素子を180℃の条件下で60分間加熱処理した以外、実施例1と同様とした。
このように作製した固体電解コンデンサの電気特性を測定した結果を表1に示す。
比較例5では、密度0.75g/cm3、厚さ40μmのクラフト繊維セパレータを用いて固体電解コンデンサを作製した。その際、コンデンサ素子を180℃の条件下で60分間加熱処理した以外、実施例1と同様とした。
このように作製した固体電解コンデンサの電気特性を測定した結果を表1に示す。
(評価結果)
表1から明らかなように、本発明の実施例に係る固体電解コンデンサは、比較例1〜5と比較して、容量値、tanδ、ESR、漏れ電流、ショート発生率のいずれに関しても良好である。
表1から明らかなように、本発明の実施例に係る固体電解コンデンサは、比較例1〜5と比較して、容量値、tanδ、ESR、漏れ電流、ショート発生率のいずれに関しても良好である。
[その他の実施例]
上記の実施例においては、クラフト繊維単体またはクラフト繊維を主体とし、アクリル繊維とポリビニルアルコールとの混抄紙を用いたが、クラフト繊維を主体とし、他種のセルロース繊維、合成繊維、ポリビニルアルコールを混抄したセパレータを用いた場合にも同様の効果が得られることが確認された。
上記の実施例においては、クラフト繊維単体またはクラフト繊維を主体とし、アクリル繊維とポリビニルアルコールとの混抄紙を用いたが、クラフト繊維を主体とし、他種のセルロース繊維、合成繊維、ポリビニルアルコールを混抄したセパレータを用いた場合にも同様の効果が得られることが確認された。
また、前記の実施例においては、PEDTを導電性高分子として用いたが、PEDT以外の公知の導電性高分子(例えばポリアニリンやポリピロール)を導電性高分子として用いた場合にも同様の効果が得られることが確認された。
なお、重合前の熱処理温度が、200℃以下の場合、熱処理によるクラフト繊維の形状変化が少ないため、低ESR化の効果が少ない。このため、200℃を超える温度が好ましい。特に、温度が300℃以上の場合には、クラフト繊維が炭素繊維状になるため、より好ましい。
1 陽極箔
2 セパレータ
3 陰極箔
4 コンデンサ素子
5 陽極リード棒
6 陰極リード棒
2 セパレータ
3 陰極箔
4 コンデンサ素子
5 陽極リード棒
6 陰極リード棒
Claims (4)
- 化成済みの陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回し、該セパレータに導電性高分子を保持させた固体電解コンデンサにおいて、
前記セパレータは、クラフト繊維を主体として構成されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。 - 前記セパレータは、前記クラフト繊維に対して、セルロース繊維、合成繊維、およびポリビニルアルコールのうち少なくとも1種の繊維が混抄されていることを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサ。
- 前記導電性高分子は、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、またはポリチオフェン若しくはその誘導体であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
- 化成済みの陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回する素子形成工程と、前記セパレータに導電性高分子を保持させる導電性高分子形成工程とを有する固体電解コンデンサの製造方法において、
前記セパレータは、クラフト繊維を主体として構成され、
前記素子形成工程の後、前記導電性高分子形成工程の前に、前記コンデンサ素子を温度が200℃を超える条件で加熱する熱処理を行うことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006096328A Pending JP2007273658A (ja) | 2006-03-31 | 2006-03-31 | 固体電解コンデンサおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007273658A (ja) |
-
2006
- 2006-03-31 JP JP2006096328A patent/JP2007273658A/ja active Pending
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