JP2007273210A - 薄膜の製造装置及びこの装置を用いた薄膜の製造方法 - Google Patents

薄膜の製造装置及びこの装置を用いた薄膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、高速で薄膜を形成した場合であっても、基材温度の上昇を抑制した状態で可撓性基材上に薄膜を作製することにより、生産性の向上を図りつつ負極集電体や活物質層の劣化を抑制できる薄膜の製造装置及びこの装置を用いた薄膜の製造方法を提供することにある。
【解決手段】減圧槽2内には2つの冷却ドラム4a、4bが設けられ、且つ、原料供給源11に対応する薄膜形成領域10内には、2つの冷却ドラム4a、4bが配置されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、薄膜の製造装置及びこの装置を用いた薄膜の製造方法の改良に関し、特に、リチウム二次電池の負極活物質用の薄膜の製造装置及び当該負極活物質用の薄膜の製造方法に関するものである。
近年、携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の小型、軽量化が急速に進展しており、その駆動電源としての電池にはさらなる高容量化が要求されている。充放電に伴い、リチウムイオンが正、負極間を移動することにより充放電を行うリチウム二次電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であるので、上記のような移動情報端末の駆動電源として広く利用されている。
上記リチウム二次電池の負極としては、リチウムと合金化する材料を活物質として用いたものが種々検討されており、特にシリコンは理論容量が大きく、高い容量を示すために有望であり、これを活物質とする種々のリチウム二次電池が提案されている。また、このようなシリコンを活物質とするリチウム二次電池用負極の形成方法として、CVD法、スパッタリング法、真空蒸着法などの薄膜形成方法を用いて、負極集電体上に微結晶または非晶質のSiからなる活物質層を形成する方法が提案されている(下記特許文献1参照)。
上記特許文献1において提案された薄膜形成方法のうち、CVD法およびスパッタリング法は成膜速度が低いため、電極として用いるのに必要となる所定の厚みの活物質層を形成するのに長時間を要する。このため、活物質層を形成した電極の生産性が低下するという不都合がある。一方、上記特許文献1に提案された真空蒸着法のうち、蒸着源に含まれる蒸着材料を加熱することにより蒸発させて堆積させる蒸着法(以下、加熱蒸着法ということがある)は、成膜速度が比較的高いので、CVD法およびスパッタリング法に比べて短時間で所定の厚みを有する活物質層を形成することが可能である。このため、活物質層を形成した電極の生産性を向上することが可能である(下記特許文献2参照)。
しかしながら、上記加熱蒸着法を用いて活物質層を形成した場合(特に、高速で活物質層を形成した場合)には、気相状態の原料の凝縮潜熱と輻射熱とが発生するので、負極集電体が高温に加熱されて劣化する。この結果、充放電時におけるリチウムの吸蔵、放出に伴う活物質層の膨張収縮を負極集電体が吸収するのが困難となって、負極集電体から活物質層が剥離しやすくなり、充放電サイクル特性が低下するという問題点があった。また、加熱蒸着法においては原料の利用効率が低く、電池の製造コストが高くなるという問題点もある。
このようなことを考慮して、ひとつの冷却ドラム上で基材を往復運動させ、複数回に分けて成膜することで必要な厚みの活物質層を形成するような方法(基材上に原料を一度成膜した後に冷却ドラムを反転させて、基材上に原料を再度成膜する方法)が提案されている。このような方法であれば、1回の成膜時間が短くなるので、基材の温度上昇を或る程度抑制することができる(下記特許文献3参照)。
WO01/029912号公報
特開2002−289181号公報
特開2005−158633号公報
しかしながら、上記従来の方法では、反転直後の成膜部分の方が、成膜後所定時間経過した成膜部分より、再度の蒸着時における成膜部分の温度が高くなるため、当該部分では、負極集電体や活物質層の劣化を抑制できないという課題が残る。このような課題を解決するには、1度成膜が終了したときから一定時間経過した後に再度の成膜を開始することも考えられるが、これでは生産性が低下するという課題が生じる。
本発明の目的は、高速で薄膜を形成した場合であっても、基材温度の上昇を抑制した状態で可撓性基材上に薄膜を作製することにより、生産性の向上を図りつつ負極集電体や活物質層の劣化を抑制できる薄膜の製造装置及びこの装置を用いた薄膜の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、減圧槽内を2つの空間に区切り、且つ、一部に開口部が設けられた隔壁と、上記2つの空間のうち一方の空間における上記開口部に臨む位置に設けられ、且つ、全周面のうち少なくとも一部の周面に、可撓性を有する箔状の基材が接することにより当該基材を冷却する円柱状の冷却ドラムと、上記2つの空間のうち他方の空間に設けられ原料が加熱されることにより気相状態の原料を上記減圧槽内に放出する原料供給源と、を有し、上記開口部に対応した薄膜形成領域内において、上記気相状態の原料を搬送状態にある上記基材上に供給して、当該基材上に薄膜を形成する薄膜の製造装置であって、上記冷却ドラムが複数設けられ、且つ、各原料供給源に対応する上記薄膜形成領域内には、複数の冷却ドラムのうち少なくとも2つの冷却ドラムが配置されていることを特徴とする。
上記構成の如く、冷却ドラムが複数設けられていれば、基材に加わった凝縮潜熱等を複数の冷却ドラムから逃がすことができるので、高速で(高出力で)薄膜を形成した場合であっても、基材温度の上昇を抑制した状態で可撓性の基材上に薄膜を作製することができる。したがって、本装置を、例えばリチウム二次電池の負極活物質の形成に適用した場合には、負極の生産性の向上を図りつつ負極集電体や負極活物質層の劣化を抑制できる。
また、冷却ドラムが複数存在することにより、隔壁の開口を大きくすることができ、しかも各原料供給源に対応する薄膜形成領域内には少なくとも2つの冷却ドラムが配置されているので、原料供給源から出た気相状態の原料の収率が高くなり、原料の利用効率を上げることができる。
尚、特開2003−249211号公報には、単一の蒸着源に対して2つのキャンロールを有する薄膜形成装置が示されているが、遮蔽マスクの位置合わせを有効にするためにこれらキャンロールを設けたものであり、キャンロールの冷却機能については開示されていない。また、実質的に薄膜が形成されている領域では、基材に密着するようなキャンロールは存在せず、キャンロールに冷却機能は必要とされる構造ではないということを付言しておく。
ここで、上記冷却ドラムを基準とした場合に上記原料供給源とは反対側にあり、且つ上記薄膜形成領域外に位置する基材搬送用支持ローラーを有し、しかも上記基材の薄膜形成面と上記基材搬送用支持ローラーとが接触していることが望ましい。
このような位置に基材搬送用支持ローラーが設けられていれば、基材は、一の冷却ドラムと接しながら薄膜が形成された後、薄膜形成領域外において一旦冷却され、しかる後に、他の冷却ドラムと接しながら薄膜が再度形成されることになる。このように、複数回に分けて成膜されるので、1回の成膜時間が短くなり、この結果、基材の温度上昇を一層抑制しつつ成膜できる。
加えて、搬送用支持ローラーを薄膜形成領域外に設置しているので、搬送用支持ローラーに薄膜が付着するのを抑制することができる。これにより、不要部分に付着した堆積物(薄膜)を除去するためのメンテナンス頻度を大幅に低減できる。
上記原料供給源が上記基材の搬送方向に複数併設され、一の原料供給源に対応する上記薄膜形成領域と他の原料供給源に対応する上記薄膜形成領域とが、1以上の上記冷却ドラム上で重なっていることが望ましい。
このように、原料供給源を複数設け、且つ、2以上の原料供給源に対応する薄膜形成領域が、1以上の上記冷却ドラム上で重なっていれば、薄膜の形成速度をより高めることができ、且つ、原料の利用効率を向上させることができる。加えて、複数の原料供給源の相互位置を調整することによって、得られる薄膜の厚みの均―性を高めることもできる。
上記原料供給源の加熱源が電子ビームであることが望ましい。
原料供給源の加熱源が電子ビームであれば、各種の原料を蒸着することができる。
上記基材の一方の面に薄膜を形成する第1の薄膜の製造装置と、上記基材の他方の面に薄膜を形成する第2の薄膜の製造装置とを有し、これら両製造装置が同一の減圧槽内に設けられていることが望ましい。
このように、同一装置内で基材の両面に薄膜を形成するような構造であれば、装置内の減圧を2回行なったり、基材の一方の面に薄膜を形成した後、他方の面に薄膜を形成するために基材を移送するといったことが不要となるので、生産性を向上させることができる。
上記基材がリチウム二次電池用の負極集電体であり、かつ上記薄膜がリチウム二次電池の負極活物質であることが望ましく、また、負極活物質の主たる構成要素がシリコンであることが望ましい。
負極活物質の主たる構成要素がシリコンであれば、負極容量を増大させることができる。
また、本発明は、減圧雰囲気下において、1又は2以上の原料供給源に配置された原料を加熱することにより、気相状態の原料を薄膜形成領域内において搬送状態にあり可撓性を有する箔状の基材上に供給して、当該基材上に薄膜を形成する薄膜の製造方法であって、上記薄膜形成領域にある基材の少なくとも一部を、薄膜が形成される面とは異なる面から冷却する円柱状の冷却ドラムを複数有し、且つ、各原料供給源に対応する薄膜形成領域内には、上記複数の冷却ドラムのうち少なくとも2つの冷却ドラムが配置され、これによって、一の冷却ドラムにおいて冷却されつつ基材の一方の面上に薄膜が形成された後に、他の一の冷却ドラムにおいて冷却されつつ基材の一方の面上に薄膜が形成されることを特徴とする。
このような方法であれば、上述の如く、高速で(高出力で)薄膜を形成した場合であっても、基材温度の上昇を抑制した状態で可撓性の基材上に薄膜を作製することができるので、本装置を、例えばリチウム二次電池の負極活物質の形成に適用した場合には、負極の生産性の向上を図りつつ負極集電体や負極活物質層の劣化を抑制できる。また、原料供給源から出た気相状態の原料の収率が高くなり、原料の利用効率を上げることもできる。
ここで、上記複数の冷却ドラムのうち隣接する2つの冷却ドラムにおいて、これら2つの冷却ドラムのうち一方の冷却ドラムにおいて基材に薄膜を形成した後、冷却ドラムを基準として上記原料供給源とは反対側の薄膜形成領域外に基材を一旦搬送し、この後、2つの冷却ドラムのうち他方の冷却ドラムに基材を搬送し、当該冷却ドラムおいて基材に薄膜を再度形成することが望ましい。
このような方法であれば、複数回に分けて成膜されるので、1回の成膜時間が短くなり、この結果、基材の温度上昇を一層抑制しつつ成膜できる。
上記基材の一方の面に薄膜を形成した後、同一の減圧雰囲気中で上記基材の他方の面に薄膜を形成することが望ましい。
このような方法であれば、減圧を2回行なったり、基材の一方の面に薄膜を形成した後、他方の面に薄膜を形成するために基材を移送するといったことが不要となるので、生産性を向上させることができる。
本発明によれば、薄膜形成速度を高めても凝縮潜熱を複数の冷却ドラム上で分散させることができるため、例えば、リチウム二次電池用負極活物質の作製に適用した場合には、負極活物質形成時の熱の影響による特性低下を抑制した状態で、負極集電体上に高い形成速度で、効率よく負極活物質を形成することができる。また、複数の冷却ドラムの存在により薄膜形成領域が大きくなるので、原料供給源から出た気相状態の原料の収率を高めることができる。加えて、基材以外の部分への薄膜の付着が少なくなるため、装置のメンテナンスが容易になるといった優れた効果を奏する。
以下、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の最良の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
(第1の形態)
〔薄膜形成装置(EB蒸着装置)の構成及び薄膜作製方法〕
図1に示すように、薄膜形成装置1には、中央部に開口3aを備えた防着板(隔壁)3が設けられており、これにより減圧槽2内が2つの空間に区切られて冷却ドラム設置室2aと蒸着源設置室2bとが形成される。上記冷却ドラム設置室2a内における上記開口3aに臨む位置には、2つの円柱状の冷却ドラム4a、4bが配置されており、これら冷却ドラム4a、4bの全周面のうち一部の周面には、可撓性を有する箔状の基材5が接している。これにより、冷却ドラム4a、4bと接している部分で基材5が冷却されつつ、上記開口3aからの原料蒸気(気相状態)20により上記基材5に供給され、凝縮することで基材5の表面に蒸着膜(薄膜)が形成されることになる。
また、冷却ドラム設置室2a内には基材供給ローラー6と基材巻取りローラー7とが設けられており、且つ、これら2つのローラー6、7間に存在する基材搬送経路内には、外周面が基材5の反成膜面側と接している張力保持用支持ローラー8a、8bと、外周面が基材5の成膜面側と接している搬送用支持ローラー9a、9bとが設けられている。上記張力保持用支持ローラー8a、8bは、成膜時に基材5に加わる張力を所定の値に保持するためのものである。また、上記搬送用支持ローラー9a、9bは上記冷却ドラム4a、4bより上部であって、後述の薄膜形成領域10外に配置され、且つ、基材5の冷却時間を十分に確保すべく、搬送用支持ローラー9aと搬送用支持ローラー9bとの距離が長くなるように両ローラー9a、9bを配置している。
一方、上記蒸着源設置室2bの中央部には原料供給源(蒸着源)11が設置されており、この原料供給源11は、原料(蒸着材料)が装填されるるつぼや、電子ビームを照射して加熱することにより原料を蒸発させる機能を有する加熱源(電子銃)等によって構成されている。このようにして蒸発した原料蒸気20により、2つの冷却ドラム4a、4b上にある基材5に蒸着膜が形成されることになる。
尚、図1中15は真空排気装置であり、この真空排気装置15は、減圧槽2内のガスを外部に排気して減圧槽2内の圧力を低下させる機能を有する。この真空排気装置15には、一般的な油回転ポンプおよびターボ分子ポンプ(図示せず)が併用されている。また、この薄膜形成装置1は、減圧槽2内の圧力を1.0×10−4Pa以下に低下させることが可能なように構成されている。また、図1中、10は薄膜形成領域(減圧槽2内の左下がりのハッチングの領域)であり、また、12は蒸着領域(減圧槽2内の右下がりのハッチングの領域)である。
ここで、上記構成の薄膜形成装置1を用いて薄膜を作製する方法について述べる。
先ず、真空排気装置15により減圧槽2内の圧力を1.0×10−4Pa以下に低下させた後、加熱源から電子ビームを原料に照射して原料を蒸発させる。これと並行して、基材供給ローラー6と基材巻取りローラー7とを反時計方向(図1中B方向)に回転させると共に、冷却ドラム4a、4bを時計方向(図1中C方向)に回転させて、基材5を図1中D方向に一定速度で搬送する。これにより、防着板3の開口3aに対応した薄膜形成領域10内における冷却ドラム4a、4bと接する位置において、基材5に薄膜が形成されることになる。即ち、基材供給ローラー6から供給される基材5は、冷却ドラム4aと接しながら薄膜形成領域10内において薄膜が形成された後、薄膜形成領域10外において冷却ドラム4a、4bと接すること等により一旦冷却され、しかる後に、冷却ドラム4bと接しながら薄膜形成領域10内において薄膜が再度形成されることになる。尚、冷却ドラム4a、4bとの間に若干の隙間があるため、搬送用支持ローラー9a、9b間でも基材5に薄膜が形成されるが、冷却ドラム4a、4b間の距離L5を極めて狭くすることで、搬送用支持ローラー9a、9b間でも基材5に薄膜が形成されるのを実質上防止できる。
このように、複数回に分けて成膜することで1回の成膜時間を短くすることができるので、基材5の温度上昇を抑制しつつ成膜できる。特に、本薄膜形成装置1の如く、搬送用支持ローラー9a、9b間の距離を長くすれば基材5の冷却時間が長くなり、且つ、搬送用支持ローラー9a、9bを薄膜形成領域10外に設けることにより、基材5と冷却ドラム4a、4bとが薄膜形成領域10外でも接することになるので、基材5の温度上昇抑制効果が一層発揮される。
また、冷却ドラム4a、4bが2つ存在することにより、防着板3の開口3aを大きくすることができるので、原料供給源11から出た気相状態の原料の収率が高くなり、原料の利用効率を上げることができる。尚、これについては、後に詳述する。
更に、搬送用支持ローラー9a、9bを薄膜形成領域10外に設置しているので、搬送用支持ローラー9a、9bに薄膜が付着するのを抑制することができる。これにより、不要部分に付着した堆積物(薄膜)を除去するためのメンテナンス頻度を大幅に低減できる。
〔負極の作製〕
負極は上記薄膜形成装置を用いて、基材5である負極集電体(幅:20cm)にシリコン薄膜を形成した。尚、負極集電体としては、表面に電解法で銅を析出させることにより、表面を粗面化した圧延銅箔(厚み26μm)を用いた。使用した負極集電体表面の算術平均粗さRaは0.5μmである。この算術平均粗さRaは、日本工業規格(JIS B 0601−1994)に定められており、例えば触針式表面粗さ計により測定できる。
また、冷却ドラム4a、4bの直径は25cmとし、原料供給源11の中心位置は2つの冷却ドラム4a、4bの中間位置となるよう、両方の冷却ドラム4a、4bの中心位置からの水平距離を15cmとした。更に、冷却ドラム4a、4bの最下点と原料供給源11との距離L1は20cmに設定した。
また、原料としては、純度99.99%のシリコンを用い、るつぼとしては、水冷した銅製るつぼを用いた。
そして、表1に示す条件で、負極集電体上にシリコン薄膜を堆積させた。
〔正極の作製〕
先ず、LiCoO2粉末90質量部と、導電剤としての人造黒鉛粉末5質量部とを、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレンを5質量部含む5質量%のN−メチルピロリドン水溶液に混合し、正極合剤スラリーを作製した。次に、この正極合剤スラリーをドクターブレード法により、正極集電体であるアルミニウム箔(厚み18μm)の2cm×2cmの領域の上に塗布した後、乾燥し、正極活物質層を形成した。最後に、正極活物質層を形成しなかったアルミニウム箔の領域の上に正極タブを取り付け、正極を完成した。
〔電解液の調製〕
エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとの等体積混合溶媒に、LiPFを1モル/リットルの割合で溶解させて電解液を調製した。
〔電池の作製〕
上記の正極、負極及び非水電解液を使用して、小型ラミネートリチウム二次電池を作製した。図2は作製したリチウム二次電池の斜視図、図3は図2のA−A線矢視断面図である。
図2及び図3に示すように、アルミラミネートフィルムからなる外装体100内には、正極集電体103の上には正極活物質層104が設けられた正極と、負極集電体101の上に負極活物質層としてのシリコン薄膜102が設けられた負極とが挿入されている。上記シリコン薄膜102と正極活物質層104とは、セパレータ105を介して対向するように配置されている。また、上記外装体100の端部には、溶着により封口された封口部100aが形成されており、これによって、外装体100内に注入された電解液が漏出しない構造となっている。上記負極集電体101に取り付けられた負極タブ107は、この封口部100aを通って外部に延出している。尚、図3には示していないが、上記正極集電体103に取り付けられた正極タブ108も、同様に封口部100aを通り外部に延出している。
(第2の形態)
薄膜形成装置1として、図4に示すものを用いることができる。尚、図4においては、第1の形態と同様の機能を有する部材については同一の符号を付している。また、このことは図5〜図8においても同様である。
上記第1の形態で用いた薄膜形成装置1と異なる点は、第1の形態では、1つの原料供給源11から気相状態の原料の供給を受ける冷却ドラム4a、4bが2つであったのに対して、第2の形態の薄膜形成装置1では冷却ドラムが3つとなっている点である。具体的には、搬送用支持ローラー9a、9b間の基材搬送経路内に、新たに冷却ドラム4cを設けている点である。
このような構成であれば、形成される薄膜が一定量であった場合には、その凝縮潜熱が実質的に3つのドラムに分割されるため、形成速度を高くしても品質の低下がより生じ難くなる。加えて、冷却ドラム4cが存在することにより、冷却ドラム4a、4b間の距離を大きくすることができるので、防着板3の開口3aを一層大きくすることができる。したがって、原料供給源11から出た気相状態の原料の収率がより高くなって、原料の利用効率を更に向上させることができる。
(第3の形態)
薄膜形成装置1として、図5に示すものを用いることができる。
上記第1の形態で用いた薄膜形成装置1と異なる点は、第1の形態では、冷却ドラム4a、4bが2つであり、且つ、原料供給源11を1つしか設けていないのに対して、第3の形態の薄膜形成装置1では、冷却ドラム4a〜4cが3つであり、且つ、原料供給源11を2つ設けている点である。尚、1つの原料供給源11に対応する薄膜形成領域10内には、3つの冷却ドラム4a〜4cが配置されている。
このように、冷却ドラム4a〜4cが3つであることにより、第2の形態と同様の効果を発揮すると共に、原料供給源11を2つ設けることで、薄膜の形成速度をより高めることができ、且つ、原料供給源11の相互位置を調整することによって、得られる薄膜の厚みの均―性を高めることができる。
尚、本形態では、1つの原料供給源11に対応する薄膜形成領域10内には、全ての冷却ドラム4a〜4cが配置されているが、このような構造に限定するものではない。但し、1つの原料供給源11に対応する薄膜形成領域10内には、少なくとも2つの冷却ドラムが配置されている必要がある。なぜならば、1つの原料供給源11に対応する薄膜形成領域10内に1つの冷却ドラムしか配置されていなければ、薄膜の形成速度をより高めることができず、しかも原料の利用効率が低下するからである。
また、本形態では、1つの原料供給源11に対応する上記薄膜形成領域10と他の原料供給源11に対応する上記薄膜形成領域10が、全ての冷却ドラム4a〜4cで重なっているが、1以上の上記冷却ドラム上で重なっていれば良い(例えば、中央のある冷却ドラム4cで重なっていれば良い)。尚、1以上の上記冷却ドラム上で重なっていることが望ましいのは、全く重なっていなければ、薄膜の形成速度をより高めることができず、しかも原料の利用効率が低下するからである。
(第4の形態)
薄膜形成装置1として、図6に示すものを用いることができる。
上記第1の形態で用いた薄膜形成装置1と異なる点は、第1の形態では基材5の片面にのみ薄膜を形成する装置であるのに対して、第4の形態の薄膜形成装置1では基材5の両面に薄膜を形成する装置である点である。具体的には、第4の形態の薄膜形成装置は第1の形態で用いた薄膜形成装置を2つ併設し、これら装置間に反転ローラー17、17を設けている。尚、このように反転機構を設けているので、一方の薄膜形成装置(図6における右側の薄膜形成装置)では、冷却ドラム4a、4bや搬送用支持ローラー9a、9b等の位置が反転している他、基材供給ローラー6の回転方向が時計方向(図6中E方向)となり、冷却ドラム4a、4bの回転方向が反時計方向(図6中F方向)となっている。
このように、同一装置内で基材5の両面に薄膜を形成するような構造であれば、装置内の減圧を2回行なったり、基材5の一方の面に薄膜を形成した後他方の面に薄膜を形成するために基材5を移送するといったことが不要となるので、生産性を向上させることができる。
(第5の形態)
薄膜形成装置1として、図7に示すものを用いることができる。
上記第1の形態で用いた薄膜形成装置1と異なる点は、第1の形態では、原料供給源11の位置を2つの冷却ドラム4a、4bの中心位置としたのに対して、第5の形態の薄膜形成装置1では、原料供給源11の位置を冷却ドラム4aに近くなるように配置している点である。
これにより、冷却ドラム4a、4b間の距離が長い場合であっても、角度θ5が小さくなるので、冷却ドラム4a、4b間を抜けてくる気相状態の原料が減少する。したがって、搬送用支持ローラー9a、9b間にある基材5(冷却されていない基材5)に薄膜が蒸着されるのを抑制できるので、品質を一層向上させることができる。但し、2つの冷却ドラム4a、4bの中心位置から余り離して原料供給源11を配置すると、原料の利用効率が低下することがあるので好ましくない。
尚、この場合には、薄膜形成領域10内に搬送用支持ローラー9bが配置されないことに、十分注意する必要がある。また、薄膜形成領域10内に搬送用支持ローラー9a、9bを配置せざるを得ない場合には、搬送用支持ローラー9bと原料供給源11との間に防着板を配置するのが望ましい。
尚、上述の5つの形態では、基材5の幅方向(紙面と垂直方向)には、原料供給源11を1つしか設けていないが、基材5の幅方向に複数の原料供給源を並設することもできる。このような構造であれば、幅広の基材5にも対応することが可能となる。
(実施例)
上記発明を実施するための最良の形態における第1の形態と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、本発明電池Aと称する。
(比較例1)
図8に示すように、冷却ドラム4aが1つのみの薄膜製造装置を用いると共に、形成されるシリコン膜の厚みが上記実施例と同一となるよう、基材走行速度を0.4m/minで形成した(下記表2参照)他は、上記実施例と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、比較電池Z1と称する。
(比較例2)
熱的な影響が上記実施例と同程度となるように、電子銃(EB)パワーを7kWとし、且つ、基材走行速度を0.2m/minで形成した(下記表2参照)他は、上記比較例1と同様にして電池を作製した。
このようにして作製した電池を、以下、比較電池Z2と称する。
(実験1)
形成したシリコン薄膜のラマン発光分析を行い、その結晶性を同定した。その結果、実施例1および比較例1において、480cm−1近傍のピークが実質的に認められたものの、520cm−1近傍のピークが実質的に認められなかったため、非晶質であることが確認された。
上記本発明電池A及び比較電池Z1における負極活物質層(シリコン薄膜)についてラマン発光分析を行い、その結晶性を同定した。
その結果、いずれのシリコン薄膜についても、480cm−1近傍のピークが実質的に認められたものの、520cm−1近傍のピークが実質的に認められなかった。このことから、いずれのシリコン薄膜も非晶質シリコン薄膜であることが確認された。
(実験2)
負極活物質層(シリコン薄膜)を形成した後に、減圧槽内に付着したシリコン量について調べた。
その結果、比較電池Z1、Z2の負極の製造に用いる薄膜形成装置では、負極活物質の形成後に、防着板をはじめとして、基材以外の部分にもかなりの量のシリコンが付着していたのに対して、本発明電池Aの負極の製造に用いる薄膜形成装置では、気相で供給された原料のほとんどが基材上に供給された結果、負極活物質の形成後には、基材以外の部分へのシリコンの付着が少ないことが認められた。
これは、以下に示す理由によるものと考えられる。尚、下記説明に際して、図1及び図8における原料供給源11と冷却ドラム4a、4bnの下端との距離(図1におけるL1と、図8におけるL10)は同一であるものとする。
本発明電池Aの負極の製造に用いる薄膜形成装置では、図1に示すように、冷却ドラム4a、4bが2つ存在するので、防着板3の開口3aの開口長さL4が大きくなる〔薄膜形成領域10における角度θ1が大きくなる〕。したがって、開口長さL4に対する防着板3の長さL2、L3の割合が小さくなるので、薄膜形成領域10を除く蒸着領域12が小さくなる。これに対して、比較電池Z1、Z2の負極の製造に用いる薄膜形成装置では、図8に示すように、冷却ドラム4aが1つしか存在しないので、防着板3の開口3aの開口長さL13が大きくなる〔薄膜形成領域10における角度θ10が小さくなる〕。したがって、開口長さL13に対する防着板3の長さL11、L12の割合が大きくなるので、薄膜形成領域10を除く蒸着領域12が大きくなるという理由によるものと考えられる。
以上のことから、本発明では、装置内に付着したシリコンを除去するためのメンテナンス頻度が少なくて良いことがわかる。
(実験3)
上記本発明電池Aと上記比較電池Z1、Z2とを下記条件で充放電し、1サイクル目、5サイクル目、及び20サイクル目における放電容量、充放電効率及び20サイクル目における容量維持率(20サイクル目の容量/1サイクル目の容量)を求めたので、その結果を第3表に示す。
・充放電条件
充電電流9mAで充電終止容量9mAhとなるまで充電した後、放電電流9mAで放電終止電圧2.75Vとなるまで放電し、これを1サイクルの充放電とした。
上記表3から明らかなように、本発明電池Aと比較電池Z2とは比較電池Z1に比べて、歩留まりが良く、全てのサイクルにおいて放電容量が大きく、且つ充放電効率も高く、しかも20サイクル目における容量維持率も大きくなっていることが認められる。
そこで、本発明電池A、比較電池Z1、Z2の充放電試験が終了した後に、各電池の負極を肉眼で観察し、電極のしわ及び負極集電体に対する負極活物質の密着性を確認したところ、本発明電池A、比較電池Z2に用いた負極では、電極にはしわがほとんどなく、しかも負極活物質の剥離は観察されなかったのに対して、比較電池Z1に用いた負極では、電極に変形(しわ)があり、負極の約半分の領域で、負極活物質の剥離が観察された。
このような観察結果となったのは、以下に示す理由によるものと考えられる。
比較電池Z1の負極作製時のEB投入パワーは、比較電池Z2の負極作製時のEB投入パワーに比べて大きい(供給されるエネルギー量が大きい)ので、溶融した原材料表面の温度が高くなって、蒸気圧が高くなる。したがって、高速で薄膜を形成することができる。
その一方、EB投入パワーが大きいと、気相状態の原料の凝縮潜熱に加えて、加熱されて溶融した原料表面やるつぼ周辺から放射される熱幅射により、基材が過剰に加熱される。ところが、比較電池Z1の負極の製造装置では、基材を冷却する冷却ドラムが1つしかなく、この1つ冷却ドラム上で連続的に薄膜の形成が行なわれるため、上述した熱を冷却ドラムから十分に逃がすことができず、薄膜が堆積する側の基材の表面附近は温度が極めて上昇する。
一方、本発明電池Aの負極作製時のEB投入パワーは、比較電池Z1の負極作製時のEB投入パワーと同一であるので、そのパワーは大きいのであるが、本発明電池Aの負極の製造装置では、基材を冷却する冷却ドラムが2つあり、しかも、1つの冷却ドラム上で蒸着された後に薄膜形成領域外で一旦冷却され、その後に他の冷却ドラム上で蒸着されることになる。このように、複数回に分けて成膜する構造となっているので、1回の成膜時間が短くなる。したがって、冷却ドラムから熱を十分に逃がすことができるので、薄膜が堆積する側の基材の表面附近の温度上昇を抑制することができるという理由によるものと考えられる。
尚、比較電池Z2は本発明電池Aに比べて1日当たりの処理面積が小さいので、歩留まりが略同一であるにも関わらず、1日当たりの生産量が少なくなっていることが認められる。
以上に示したとおり、本発明によれば、リチウム二次電池用負極に用いられる薄膜を、膜形成時の熱の影響による特性低下を抑制した状態で、負極集電体としての可撓性基材上に高い形成速度で、効率よく形成することができる。
〔その他の事項〕
(1)金属箔などの可撓性の基材の上に堆積して薄膜を形成する方法としては、上記電子ビーム蒸着法に限定されるものではなく、成膜速度の高い蒸着法であれば特に限定されるものではない。
(2)本発明において用いられる可撓性の基材をリチウム二次電池用の負極集電体として用いる場合は、リチウムと合金化しない金属から形成されることが好ましい。このような材料としては、銅、銅を含む合金、ニッケル、ステンレスなどが挙げられる。尚、上記負極集電体は、これらの材料の二種以上を積層したものであっても良い。
(3)負極活物質として用いられる材料は、上記シリコンに限定するものではなく、リチウムを吸蔵、放出することができるものであれば、特に限定されるものではない。但し、リチウムと合金化することによりリチウムを吸蔵する材料、例えば、ゲルマニウム、錫、鉛、亜鉛、マグネシウム、ナトリウム、アルミニウム、カリウム、インジウムなどが好ましい。
但し、これらの中でも、特にシリコンがその高い理論容量から好ましく用いられる。シリコンの構造としては、微粉化しにくいことから、非晶質シリコンまたは微結晶シリコンであることが好ましい。非晶質シリコン薄膜は、ラマン分光分析において結晶領域に対応する520cm−1近傍のピークが実質的に検出されない薄膜であり、微結晶シリコン薄膜は、ラマン分光分析において、結晶領域に対応する520cm−1近傍のピークと、非晶質領域に対応する480cm−1近傍のピークの両方が実質的に検出される薄膜である。但し、非晶質ゲルマニウム薄膜、微結晶ゲルマニウム薄膜、非晶質シリコングルマニウム合金薄膜、及び微結晶シリコングルマニウム合金薄膜も好ましく用いることができる。
本発明は、例えば携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の駆動電源に適用することができる。
第1の形態に係る薄膜形成装置の構成を示す説明図である。 本発明により作製したリチウム二次電池の平面図である。 図2のA−A線矢視断面図である。 第2の形態に係る薄膜形成装置の構成を示す説明図である。 第3の形態に係る薄膜形成装置の構成を示す説明図である。 第4の形態に係る薄膜形成装置の構成を示す説明図である。 第5の形態に係る薄膜形成装置の構成を示す説明図である。 従来例に係る薄膜形成装置の構成を示す説明図である。
符号の説明
1 薄膜形成装置
2 減圧槽
2a 冷却ドラム設置室
2b 蒸着源設置室
3 防着板(隔壁)
3a 開口
4a、4b 冷却ドラム
5 基材
9a、9b 搬送用支持ローラー
11 原料供給源

Claims (14)

  1. 減圧槽内を2つの空間に区切り、且つ、一部に開口部が設けられた隔壁と、
    上記2つの空間のうち一方の空間における上記開口部に臨む位置に設けられ、且つ、全周面のうち少なくとも一部の周面に、可撓性を有する箔状の基材が接することにより当該基材を冷却する円柱状の冷却ドラムと、
    上記2つの空間のうち他方の空間に設けられ原料が加熱されることにより気相状態の原料を上記減圧槽内に放出する原料供給源と、
    を有し、上記開口部に対応した薄膜形成領域内において、上記気相状態の原料を搬送状態にある上記基材上に供給して、当該基材上に薄膜を形成する薄膜の製造装置であって、
    上記冷却ドラムが複数設けられ、且つ、各原料供給源に対応する上記薄膜形成領域内には、複数の冷却ドラムのうち少なくとも2つの冷却ドラムが配置されていることを特徴とする薄膜の製造装置。
  2. 上記冷却ドラムを基準とした場合に上記原料供給源とは反対側にあり、且つ上記薄膜形成領域外に位置する基材搬送用支持ローラーを有し、しかも上記基材の薄膜形成面と上記基材搬送用支持ローラーとが接触している、請求項1記載の薄膜の製造装置。
  3. 上記原料供給源が上記基材の搬送方向に複数併設され、一の原料供給源に対応する上記薄膜形成領域と他の原料供給源に対応する上記薄膜形成領域とが、1以上の上記冷却ドラム上で重なっている、請求項1又は2記載の薄膜の製造装置。
  4. 上記原料供給源の加熱源が電子ビームである、請求項1〜3記載の薄膜の製造装置。
  5. 上記基材の一方の面に薄膜を形成する第1の薄膜の製造装置と、上記基材の他方の面に薄膜を形成する第2の薄膜の製造装置とを有し、これら両製造装置が同一の減圧槽内に設けられている、請求項1〜4記載の薄膜の製造装置。
  6. 上記基材がリチウム二次電池用の負極集電体であり、かつ上記薄膜がリチウム二次電池の負極活物質である、請求項1〜5記載の薄膜の製造装置。
  7. 上記負極活物質の主たる構成要素がシリコンである、請求項6記載の薄膜の製造装置。
  8. 減圧雰囲気下において、1又は2以上の原料供給源に配置された原料を加熱することにより、気相状態の原料を薄膜形成領域内において、搬送状態にあり可撓性を有する箔状の基材上に供給して、当該基材上に薄膜を形成する薄膜の製造方法であって、
    上記薄膜形成領域にある基材の少なくとも一部を、薄膜が形成される面とは異なる面から冷却する円柱状の冷却ドラムを複数有し、且つ、各原料供給源に対応する薄膜形成領域内には、上記複数の冷却ドラムのうち少なくとも2つの冷却ドラムが配置され、これによって、一の冷却ドラムにおいて冷却されつつ基材の一方の面上に薄膜が形成された後に、他の一の冷却ドラムにおいて冷却されつつ基材の一方の面上に薄膜が形成されることを特徴とする薄膜の製造方法。
  9. 上記複数の冷却ドラムのうち隣接する2つの冷却ドラムにおいて、これら2つの冷却ドラムのうち一方の冷却ドラムにおいて基材に薄膜を形成した後、冷却ドラムを基準として上記原料供給源とは反対側の薄膜形成領域外に基材を一旦搬送し、この後、2つの冷却ドラムのうち他方の冷却ドラムに基材を搬送し、当該冷却ドラムおいて基材に薄膜を再度形成する、請求項8記載の薄膜の製造方法。
  10. 上記原料供給源が上記基材の搬送方向に複数併設され、一の原料供給源に対応する上記薄膜形成領域と他の原料供給源に対応する上記薄膜形成領域とが、1以上の上記冷却ドラム上で重なっている、請求項8又は9記載の薄膜の製造方法。
  11. 上記原料供給源の加熱源が電子ビームである、請求項8〜10記載の薄膜の製造方法。
  12. 上記基材の一方の面に薄膜を形成した後、同一の減圧雰囲気中で上記基材の他方の面に薄膜を形成する、請求項8〜11記載の薄膜の製造方法。
  13. 上記基材がリチウム二次電池用の負極集電体であり、かつ上記薄膜がリチウム二次電池の負極活物質である、請求項8〜12記載の薄膜の製造方法。
  14. 上記負極活物質の主たる構成要素がシリコンである、請求項13記載の薄膜の製造方法。
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