JP2013008602A - リチウム二次電池用負極の製造装置および製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池用負極の製造装置および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】帯状の基板を搬送しつつ連続的に活物質層の形成と、リチウムの付与を行なうにあたって、単一の真空容器内で差圧構造を設けて、両処理を安定して実施できる生産性に優れたリチウム二次電池用負極の製造装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】真空中で、帯状の基板の表面上に、負極を形成するリチウム二次電池用製造装置は、活物質形成エリア10とリチウム付与エリア50の間にスリット部を設けて分離された差圧構造であり、基板4を搬送する搬送機構と、搬送機構によって保持されている基板の表面上に、蒸着可能領域5内で活物質層を形成するための活物質形成手段と、リチウム付与可能領域55内でリチウムを付与するためのリチウム付与手段と、活物質層を酸化するガスノズル22と、圧力を制御するガスノズル62とを収容する真空容器1と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム二次電池用負極の製造装置およびリチウム二次電池の製造方法に関する。
近年、非水電解質二次電池の高容量化のため、ケイ素(Si)やスズ(Sn)などの元素を含む負極材料が注目されている。例えば、Siの理論放電容量は約4199mAh/gであり、黒鉛の理論放電容量の約11倍である。
しかしながら、これらの負極材料はサイクル特性に問題があることが知られている。そのためこれらの負極材料に代えて、SiやSnの酸化物、窒化物あるいは酸窒化物等を用いることで、サイクル特性の改善が試みられている。
しかしSiやSn、あるいはこれらの酸化物および窒化物は不可逆容量が大きいという課題を有している。つまり初回充電時に正極から放出されたリチウムイオンの一部が負極に吸蔵されたままになる割合が大きいため、これらの負極材料の理論容量と比較して電池容量が小さくなる。この不可逆容量を回避するため、予め不可逆容量相当のリチウムを負極に吸蔵させ、しかる後に電池を組み立てて充放電を始めるという手法が開示されている(特許文献1)。この手法を用いることで、初回充電時に正極から放出されたリチウムイオンが高い割合で負極から回収できるようになり、電池容量が増加する。
しかし特許文献1に記されるように活物質を成膜した後、一旦その負極を大気中に戻してから負極表面上にリチウムを蒸着させると、リチウムを蒸着する前に活物質が大気中の水分や酸素と反応してしまう。これにより活物質の酸化度が変化し、目標とする酸化度からずれてしまう。また、水分が活物質表面に吸着するとリチウムを蒸着しても活物質中にリチウムが拡散しにくいなどリチウムが不可逆容量の補填に効率的に利用されない場合がある。この問題点を回避するため同一の真空容器内で負極活物質の形成とリチウムの付与を連続して行う方法が開示されている(例えば、特許文献2、3参照)。
特許文献1には、集電体上にリチウムを吸蔵・離脱可能な負極合剤層を形成する工程と、前記負極合剤層に、真空蒸着法および乾式成膜法によりリチウムを形成する工程と、さらに保存する方法が記載されている。
特許文献2には、集電体上にSi単体、Si合金、酸化Si、窒化SiおよびSn単体、Sn合金、酸化Sn、窒化Snからなる群より選択される少なくとも1種を含む負極活物質層を形成し、前記負極活物質層上にリチウムを真空プロセスにより付与し、さらに負極活物質層を形成して、局部的なリチウムの過剰付与を抑制することが記載されている。
特許文献3には、集電体上に活物質層を第一の真空容器で形成する工程と、第二の真空容器で前記活物質上にリチウムを付与する工程と、前記第一の真空容器と前記第二の真空容器の間に通路を備え、連続して前記活物質層にリチウムを付与する方法が記載されている。
特開2005−038720号公報 特開2007−122992号公報 特開2008−234850号公報
しかしながら、特許文献2に記されているように同一の真空容器内で負極活物質の形成とリチウムの付与を連続して行う場合、負極活物質を反応成膜による酸化物とした場合には酸化物の形成に使用する酸素ガスがリチウム付与エリアに侵入してしまう。これにより、リチウムと酸素ガスが反応し負極活物質層に活性なリチウムを補填できなくなる。また、特許文献3に記されているような装置構造の場合、活物質形成室で適した圧力とリチウム付与室で適した圧力に制御するのは困難であり、リチウム付与室の圧力は活物質形成室の圧力よりも低くなる。その結果、酸素ガスがリチウム付与領域に侵入してしまう。
本発明は、これらの問題点を解決するもので、単一の真空容器内で活物質形成室とリチウム付与室の圧力を制御できる差圧構造を設け、目標とする負極活物質組成と活性なリチウムを効率的に付与できる高容量な電気化学素子用の電極の製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
このような課題を解決すべく、本発明は、真空中で、表面と裏面を有する帯状の基板の前記表面上に、ケイ素又はスズを含む活物質層を形成する活物質形成室と、前記活物質層上にリチウムを付与するリチウム付与室と、を備えたリチウム二次電池用負極の製造装置であって、前記基板を搬送する搬送機構と、前記搬送機構によって保持されている前記基板の前記表面上に、前記活物質を形成する活物質層形成手段と、前記活物質上に、前記リチウムを付与するリチウム付与手段と、前記リチウム付与室に配置され、不活性ガスを供給する圧力制御用ガスノズルと、前記搬送機構と、前記活物質形成手段と、前記リチウム付与手段と、前記圧力制御用ガスノズルとを収容する真空容器と、を有し、前記活物質形成室の圧力P1は0.1Pa以下、前記リチウム付与室の圧力P2は1Pa以下、P2/P1≧10である、リチウム二次電池用電極の製造装置である。
さらに別の側面で、本発明は、リチウム二次電池用電極の製造方法であって、活物質形成室の圧力P1を0.1Pa、リチウム付与室の圧力P2を1Pa以下、P2/P1≧10に設定する工程と、前記活物質形成室内で、基板の表面上に活物質層が形成する工程と、前記活物質形成室内から前記リチウム付与室内に前記基板を大気に晒すことなく搬送する工程と、前記活物質層上にリチウムを付与する工程と、を有する、リチウム二次電池用電極の製造方法である。
本発明によれば、活物質形成室とリチウム付与室の圧力をガス供給量で制御された差圧構造であり、目標とする組成の活物質を作製できるとともに効率的に活性なリチウムを付与することができる。そのため、活物質層の形成とリチウムの付与を同一の真空容器内で連続的に実施することができる。以上により、リチウム二次電池用負極の生産性を向上し、不可逆容量を均一に補填された高容量なリチウム二次電池用負極を提供することができる。
本発明の第一実施形態であるリチウム二次電池用負極の製造装置を模式的に示す断面図 図1で示した低コンダクタンス機構を拡大して示す要部拡大斜視図 図1で示した低コンダクタンス機構の別の形態を拡大して示す要部拡大斜視図 図1で示した低コンダクタンス機構のさらに別の形態を拡大して示す要部拡大斜視図 本発明の第一実施形態における活物質層の製造方法を説明する部分断面模式図 本発明の第二実施形態である電池を示す概略断面図
以下、図面を参照しながら、本発明によるリチウム二次電池用負極の製造装置及びこれを用いた製造方法の実施形態を説明する。
(第一実施形態)
<負極製造装置の構成>
図1は、本発明の第一実施形態であるリチウム二次電池用負極の製造装置を模式的に示す断面図であり、図4は、本発明の第一実施形態における活物質層の製造方法を説明する部分断面模式図る。リチウム二次電池用負極製造装置100は、真空容器1と、真空中で活物質層を形成する活物質形成室10と、リチウムを付与するリチウム付与室50と、活物質形成室10の外部に設けられ、活物質形成室10を排気するための排気ポンプ2と、リチウム付与室50の外部に設けられ、リチウム付与室50を排気するための排気ポンプ52と、活物質形成室10の外部から活物質形成室10に酸素ガス等の原料反応用ガスを導入するガス導入管(図示せず)と、リチウム付与室50の外部からリチウム付与室50に圧力制御用の不活性ガスを導入するガス導入管(図示せず)と、を備える。さらに、活物質形成室10とリチウム付与室50の間に低コンダクタンス機構8を設けて、基板4が移動できる構造である。
<活物質形成室の構成>
活物質形成室10の内部には、蒸着原料を収容して蒸発させる蒸着源3a、3bと、シート状の基板4を搬送するための搬送部と、基板4を冷却する冷却キャンロール6a、6bと、蒸着源3a、3bから蒸発した蒸着原料が基板上に到達しない遮蔽領域を形成する遮蔽板7と、冷却キャンロール6a、6bに沿って水平方向に対し斜めに配置し、蒸着原料から遮蔽して活物質の堆積量を制御するマスク21a〜21dと、蒸着源3a、3bから蒸発した蒸着原料を適時遮断する移動可能なシャッター20a、20bとが設けられている。
蒸発原料として、本実施の形態では、ケイ素を用いた。なお、スズを含む活物質を作成する場合、スズを用いても良い。
さらに、前記ガス導入管に接続され、蒸着源3a、3bから蒸発した蒸着原料を酸化するためのガスを供給する原料反応用ガスノズル22a〜22dが設けられている。本実施形態では、ガスノズル22a〜22dから原料反応用ガスが供給されるため、蒸発された蒸着原料が酸化され、酸化物からなる活物質層が形成される。しかし本発明では、ガスノズル22a〜22dから原料反応用ガスを供給せずに、非酸化物からなる活物質層を形成してもよい。
原料反応ガスは、目的とする活物質層に応じて決定されうる。本実施の形態では、酸化ケイ素を得る目的で、酸素を導入した。その他、例えば窒化物を得る場合は、窒素を導入し、珪素単体もしくはスズ単体を得る場合は、ガスを導入しなくても良い。
帯状の基板4は、ガスノズル22a、22bから原料反応用ガスを供給し、蒸着源3aから蒸発した蒸着原料を酸化させて基板4の表面上に2層からなる活物質層を形成する蒸着可能領域5aと、ガスノズル22c、22dから原料反応用ガスを供給し、蒸着源3bから蒸発した蒸着原料を酸化させて基板4の裏面上に2層からなる活物質層を形成する蒸着可能領域5bとをこの順序で通過するように、搬送部及び冷却キャンロールによって保持され、搬送される。原料反応用ガスノズル22a、22bは、蒸着可能領域5aにおいて基板表面に対向し、原料反応用ガスノズル22c、22dは、蒸着可能領域5bにおいて基板裏面に対向するように設けられている。これにより、少ないガス量で効率よく酸化された活物質層を基板両面に形成することができる。
冷却キャンロール6a、6bは、内部に冷温媒を通過させることで温度が制御されている。その温度は−10〜30℃程度である。冷却キャンロール6a、6bの下方には蒸着源3a、3bが配置されており、基板4は蒸着粒子101a、102aを形成後、冷却キャンロール6a、6bに沿って搬送されて冷却される。これにより、蒸着材料の熱で上昇した基板4の温度を低下することができ、基板の熱変形を抑制することができる。
図1の活物質形成室10では、マスク21a、21bの開口部は冷却キャンロール6a、6bと搬送ロール12の間に基板4を直線的に保持し、冷却キャンロール6aの下部に配置された蒸着原料の蒸気が基板4の法線方向に対して斜めに入射するように構成されている。基板表面での蒸着粒子の成長方向は蒸着原料の蒸気の入射方向により支配されるため、上述した斜方入射によるとマスク21aで蒸着粒子101aは基板4の表面上に斜めに成長し、隣接する蒸着粒子間に隙間が形成される(図5(b))。その後、冷却キャンロール6aを通過させて基板温度を制御し、マスク21bで蒸着粒子101a上に蒸着粒子101bが形成される(図5(c))。このとき蒸着粒子101bは、蒸着粒子101aとは反対の方向にジグザグ成長し、隣接する蒸着粒子間に隙間を形成しながら垂直方向に積層膜を堆積することができる。
次に、基板4を搬送しながら反転させて、マスク21c、21dの開口部は2つの搬送ロール12の間に基板4を直線的に保持し、冷却キャンロール6bの下部に配置された蒸着原料の蒸気が基板4の法線方向に対して斜めに入射される。上述した斜方入射と同様にマスク21cで蒸着粒子102aは基板4の裏面上に斜めに成長し、隣接する蒸着粒子間に隙間が形成される(図5(d))。その後、冷却キャンロール6bを通過させて基板温度を制御し、マスク21dで蒸着粒子102a上に蒸着粒子102bが形成される(図5(e))。このとき蒸着粒子102bは、蒸着粒子102aとは反対の方向にジグザグ成長し、隣接する蒸着粒子間に隙間を形成しながら垂直方向に積層膜を堆積することができ、帯状の基板4の両面に積層した活物質層を形成することができる。
リチウムイオン吸蔵性を有する活物質は、リチウムイオンを吸蔵・放出する際に膨張・収縮する。この膨張・収縮に伴って生じる応力によって、基板界面から活物質層が剥離しサイクル特性が劣化する。そのため、活物質層に隙間を設けることでリチウムイオン吸蔵時の応力を緩和し、基板の皺や活物質層の剥離を抑制することが出来る。
形成される活物質層の膜厚は、蒸発速度、マスク21により規定される開口部の長さ、基板4の搬送速度、坩堝と基板表面までの距離を変えることによって制御することができる。
蒸着源3a、3bは、蒸着原料を収容する耐熱性のある坩堝(例えば、カーボン製の坩堝)と、蒸着原料を蒸発させるための電子ビーム加熱装置(図示せず)とを含み、蒸着原料および坩堝は適宜着脱可能に構成されている。蒸着を行う際には、坩堝内に収容された蒸着原料が電子ビーム加熱装置によって加熱されて、坩堝の上面から蒸発し、基板4の表面に堆積する。
<リチウム付与室の構成>
リチウム付与室50の内部には、リチウムを収容して蒸発させるリチウム付与源53a、53bと、帯状の基板4を搬送するための搬送部と、基板4を冷却し、かつ支持する冷却キャンロール56a、56bと、リチウム付与源53a、53bから蒸発したリチウムが到達しない遮蔽領域を形成する遮蔽板57と、冷却キャンロール56の一部領域を遮蔽してリチウムの堆積量を制御するマスク61a、61bと、リチウム付与源53a、53bから蒸発したリチウムを適時遮断する移動可能なシャッター60a、60bとが設けられている。
さらに、前記ガス導入管に接続され、リチウム付与室50の圧力P2を制御するための圧力制御用ガスを供給するガスノズル62a、62bが設けられている。本実施形態では、圧力制御用ガスノズル62a、62bから不活性ガスを供給してリチウム付与室50の圧力P2を活物質形成室10の圧力P1より高くする。これにより、活物質形成室10の原料反応用ガスノズル22a〜22dから供給される例えば、酸素ガスが低コンダクタンス機構8を通過してリチウム付与室50内に浸入するのを防止することができる。
帯状の基板4を活物質形成室10とリチウム付与室50の間に設けた低コンダクタンス機構8を通過させて巻取りロール14に巻き取る搬送経路において、圧力制御用ガスノズル62aから不活性ガスを供給し、リチウム付与源53aから蒸発したリチウムを活物質層101上に付与するリチウム付与エリア55aと、圧力制御用ガスノズル62bからアルゴンガスを供給し、リチウム付与源53bから蒸発したリチウムを活物質102上に付与するリチウム付与エリア55bと、をこの順序で通過するように、搬送部及び冷却キャンロールによって保持され、搬送される。圧力制御用ガスノズル62aはリチウム付与エリア55a内に設けられ、圧力制御用ガスノズル62aはリチウム付与エリア55a内に設けられている。これにより、リチウム付与エリア55a、55bにおいて蒸発されたリチウム粒子はガス分子と反応・衝突することにより散乱し、幅方向に対して均一にリチウムを付与することができる。
本発明のリチウムを付与する方法は、リチウムを投入した坩堝にリチウム蒸着ノズル(図示せず)を組み込んで、例えばヒータで580℃に加熱し、リチウム蒸気を発生させて活物質表面に付与することもできる。また、不活性ガスの供給方法は、上述したリチウム付与源を含む下室への供給と、付与源(ノズル)の中への供給と、巻き取り機構を含む上室への供給、その中でも特に低コンダクタンス機構の近傍への供給がある。付与源(ノズル)の中にガスを供給した場合は、付与源(ノズル)の中をより高圧力にすることができ、活物質形成室10からの酸素ガスの侵入を防止することが出来るが、ガスの供給量が多くなるとリチウムが蒸発しにくくなる。巻き取り機構を含む上室および特に低コンダクタンス機構8の近傍に供給した場合は、リチウム付与源近傍の圧力を高めることはできないが、室間の差圧を構成しやすい等の利点がある。以上により、ガスの供給方法は限定されるものではなく、どの方法であっても、また、組み合わせても良い。
冷却キャンロール56a、56bは内部に冷温媒を通過させることで温度が制御されている。その温度は−10〜30℃程度である。冷却キャンロール56a、56bの下方にはリチウム付与源53a、53bが配置されており、基板4が冷却キャンロール56a、56bに沿って搬送されている間にリチウムが活物質層101、102上に付与される。これにより、基板4が冷却キャンロールによって冷却されることになるので、蒸発されたリチウムの熱を受けた基板4の温度が上昇するのを低減し、基板4の熱変形を抑制することができる。または、リチウムとの反応速度を高めるためにキャンを一定温度に加熱してもよい。このとき、リチウムの熱を受けた基板4の温度を例えば400℃以下になるように制御し、基板4の強度が低下するのを防止する。
図1のリチウム付与室50では、マスク61a、61bの開口部はそれぞれ冷却キャンロール56a、56bの下部に配置されており、リチウムの蒸気が基板4の活物質層上に垂直に入射し、活物質層とリチウム蒸気が反応するように構成されている。また、マスク61aで活物質層101上にリチウムを付与した後、基板4を搬送しながら反転させてマスク61bで活物質層102上にリチウムを付与し、基板の両面にリチウムを付与することができる。
リチウム付与源53a、53bは、例えば、坩堝と坩堝内部に配置されたリチウムとから構成され、例えば、抵抗加熱装置、誘導加熱装置、電子ビーム加熱装置などの加熱装置(図示せず)より加熱されて、坩堝の上面からリチウムが蒸発し、活物質層101、102上に堆積する。また、リチウム蒸着ノズルの場合には抵抗加熱装置と誘導加熱装置が特に適している。
さらに、基板4はリチウム付与後、活物質形成室10に搬送してリチウム付与上に活物質層を形成するなど、活物質層形成とリチウム付与を交互に形成することが可能である。また、基板4を往復搬送しながら繰り返し活物質層形成とリチウムを付与する場合、リチウムを往復で半分づつ付与することにより、活物質とリチウムの反応をより確実にすることができる。その結果、活物質にリチウムが拡散しやすくなり、途中で活物質が割れるのを抑制することができる。その結果、サイクル特性を向上することができる。
真空容器1の材質は、一般的にSUSが用いられる。これは、機械強度、耐熱性、耐食性、加工性以外に、気体の漏れや透過が少なく、吸蔵気体の放出が少なく、表面に気体が吸着しにくいこと。また、材料の蒸気圧が低く、表面が分解、解離、反応しにくいなどが理由である。しかし、真空容器1の温度が600℃以上になるとSUSが変形する恐れがあり、リチウムとの反応も600℃以上の高温域では無視することができない。
<搬送部の構成>
搬送部は、基板4を巻き付けて保持し得る第1のロール11および第2のロール14と、基板4を案内して搬送する複数の搬送ロール12とを含む。基板の搬送経路は、第1のロール11と第2のロール14の間に、2つの蒸着可能領域5a、5bと2つのリチウム付与可能領域55a、55bが配置されるように規定されている。搬送ロール12によって、蒸着源3aと対向した後の基板を裏返して基板の裏面が蒸着源3bに対向するように搬送経路は規定されている。この搬送経路では、まず、蒸着可能領域5aで基板4の表面に対して活物質層101の形成が行われ、次いで、基板が裏返された後、蒸着可能領域5bでは基板4の裏面に対して活物質層102の形成が行われる。その後、基板4は活物質形成室10とリチウム付与室50の間に設けた低コンダクタンス機構8を通過させて、リチウム付与室50に搬送し、リチウム付与源53aと対向した後の基板を裏返して基板の裏面がリチウム付与源53bに対向するように搬送経路は規定されている。この搬送経路では、まず、リチウム付与エリア55aで基板表面の活物質層101上に対してリチウムの付与が行われ、次いで、基板が裏返された後、リチウム付与エリア55bでは基板裏面の活物質層102上に対してリチウムの付与が行われる。
このように、活物質形成室10とリチウム付与室50を、低コンダクタンス機構8を介して接合することによって、活物質形性質10とリチウム付与室50間に差圧を設けると共に、基板4を大気に晒すことなく搬送することが可能となる。
<差圧構造>
図1のリチウム二次電池用負極の製造装置は、活物質形成室10とリチウム付与室50の間に低コンダクタンス機構8を設けて、コンダクタンスと圧力を制御した差圧構造で構成されている。
低コンダクタンス機構8は、基板4の搬送経路において活物質形成室10とリチウム付与室50の間に設けられており、基板4は低コンダクタンス機構8を通過して活物質形成室10とリチウム付与室50間を往復移動することができる。低コンダクタンス機構8の形状は、幅方向aと厚み方向bと長さLで構成された長方形であり、幅方向aと厚み方向bのサイズが小さく、長さLは長いほどコンダクタンスは小さくなる。コンダクタンスは小さいほど、活物質形成室10及びリチウム付与室50に供給されたガスが低コンダクタンス機構を通過するのを最小限に抑えることができる。
また、活物質形成室10の圧力P1は、0.0001Pa以上0.1Pa以下とする。圧力P1が0.1Paより低くなると蒸着粒子の散乱が増加し、斜め入射の指向性が乱れる。これにより、基板4の表面上に蒸着粒子が垂直方向から入射されて隣接する蒸着粒子間に堆積し、隙間が減少する。その結果、リチウムイオンを吸蔵・放出する際の膨張・収縮によって、基板4に皺や亀裂が入り、活物質層が剥離するなどサイクル特性が劣化する。
また、リチウム付与室50の圧力P2は、0.001Pa以上1Pa以下であり、活物質形成室10の圧力P1よりも高く(P2>P1)、P2/P1>10である。これにより、リチウム付与室50と活物質形成室50との間で圧力差が生じ、活物質形成室10で供給された酸素ガスがリチウム付与室50に浸入するのを抑制することができる。その結果、蒸発されたリチウムと酸素ガスが反応するのを防止することができ、基板4上に活物質層とリチウム付与を連続して行うことができる。
しかし本発明では、基板の反転は必須ではなく、基板の表面のみに対し活物質層の形成とリチウムの付与を行うリチウム二次電池用負極の製造装置であってもよい。
<低コンダクタンス機構の構成>
図2は、図1で示したリチウム二次電池用負極の製造装置の低コンダクタンス機構8を拡大して示す要部拡大斜視図である。
低コンダクタンス機構8は、基板の搬送経路において活物質形成室10とリチウム付与室50の間に配置されている。低コンダクタンス機構8の形状は、幅方向aとスリットの隙間bと長さLで構成された長方形のスリット13であり、例えば、幅方向aは基板幅+1〜60mmであり、スリットの隙間bは5mm以上10mm以下であり、長さLは100mm以上500mm以下である。スリット13断面積が小さく長さLが長いほどコンダクタンスを小さくすることができ、基板幅500mmの場合、幅方向aが500.2mm、厚み方向bが5mm、長さLが300mmであれば、コンダクタンスは0.02m/sとなる。これにより、活物質形成室10及びリチウム付与室50に供給されたガスが低コンダクタンス機構を通過するのを最小限に抑えることができる。幅方向のスリット寸法aが基板幅+1mmより小さいと基板4が左右に蛇行した場合、スリット13の両サイドに接触して基板4の端面にダメージが入り、破断する恐れがある。また、基板幅+10mmより大きくなるとコンダクタンスも大きくなる。スリットの隙間bにおいては、5mmより小さいと基板4が上下に振れた場合、スリット13の上部および下部に接触して基板4の表面及び裏面が擦れる等ダメージが入り、10mmより大きいとコンダクタンスが大きくなる。長さLにおいては、長いほどコンダクタンスが小さくなるが、500mmを超えると基板4が通過する際にスリット13の内壁に接触する可能性がある。さらに、真空容器1のサイズも大きくなるなど生産性が低下する。
図3は、図1で示したリチウム二次電池用負極の製造装置の低コンダクタンス機構8の別の形態を拡大して示す要部拡大斜視図である。
図3の低コンダクタンス機構8は、前記活物質室10と前記リチウム付与室50の間に設けたロール15で構成され、基板4は、2本のロール15の間を通過して搬送される。このときロール15を基板速度と同期させながら基板搬送方向に向かって回転させることにより、ロール15によって基板表面が擦れたり、ダメージが入るのを防止することができる。また、活物質形成室10とリチウム付与室50の間を分離する内壁16とロール15と、の隙間t1が0.2mm程度であればロール15の回転を阻害することなく駆動することができる。また、基板4が通過する距離t2が5mmあれば、基板4と内壁16が接触するのを抑制することができる。以上より、ロール15で構成されたコンダクタンスは、スリット13で構成されたコンダクタンスよりも小さくすることができる。
図4は、図1で示したリチウム二次電池用負極の製造装置の低コンダクタンス機構8のさらに別の形態を拡大して示す要部拡大斜視図である。
図4の低コンダクタンス機構8は、前記活物質室10と前記リチウム付与室50の間に設けた1本のロール17で構成され、基板4は、ロール17に沿って搬送される。このとき、ロール17の駆動は基板の走行によって回転力を得るフリーロール構造であってもいが、上述したロール15の場合と同様に、ロール自身を駆動して基板速度と同期させながら基板搬送方向に向かって回転させることにより、高速基板搬送においても基板4の走行擦れやダメージを防止することができる。また、基板4はロール17に沿って移動することから、基板4が通過する際のバタツキを低減することができ、距離t2を3mmまで小さくすることができる。また、内壁16とロール17の隙間t1が0.2mmとすると、ロール17で構成されたコンダクタンスは、ロール15で構成されたコンダクタンスよりも小さくすることが可能となる。
本発明で用いる基板4は帯状の基板であれば、その材質は特に限定されない。リチウム二次電池の電極を作製する場合、集電が可能な金属箔(例えばアルミ箔、銅箔、ニッケル箔など)が用いられる。銅箔としては、例えば、圧延銅箔または電解銅箔が用いられ、その表面は、凹凸があってもよい。
<負極製造装置の動作>
次に、以上で説明したリチウム二次電池用負極の製造装置を用いて、基板4に活物質層形成と、リチウム付与を実施する手順を説明する。
基板表面に活物質層の形成時において、活物質形成室10は、排気ポンプ2により排気されている。同時に、原料反応用ガスノズル21a〜21dから酸素ガスが導入されている。これにより、活物質質形成室10の内部は、例えば圧力P1は、10−2Pa程度の酸素雰囲気下に置かれる。
次に基板4の搬送は、基板4を巻き付けて保持する第1ロール11から基板4を繰り出して、第2のロール14に基板4を巻き取ることで行なう。第1ロール11から繰り出された基板4は、まず、蒸着可能領域5aで、原料反応用ガスノズル21aおよび21bから酸素ガスが吹き付けられることで、導入された酸素と原料が反応し、基板4の表面上に酸化膜からなる2層の活物質層101が形成される。基板4はさらに搬送され、次に到達した蒸着可能領域5bでは、基板4の裏面上に酸化膜からなる2層の活物質層102が形成される。
具体的には、まず、電子ビーム加熱装置により発生させた電子ビームを偏向ヨークにより偏向させ、坩堝内に収容された蒸着原料に照射し、加熱する。蒸着原料には、例えばSiを用いることができ、具体的には、半導体ウェハを形成する際に生じるSiの端材(スクラップシリコン:純度99.9999%)を用いることができる。加熱された蒸着原料は、坩堝の上面から基板表面に向けて蒸発する。この蒸着原料が、原料反応用ガスノズル21aから導入されている酸素ガスと反応することで、蒸着原料が酸化され、基板4の表面上に、蒸着原料の酸化物からなる蒸着粒子101aが形成される。次に、基板4は冷却キャン6aを通過し、原料反応用ガスノズル21bから導入されている酸素ガスと蒸着原料が反応して、蒸着粒子101a上に蒸着原料の酸化物からなる蒸着粒子101bが形成される。蒸着原料がSiの場合、形成される活物質層はSiOx(式中、0<x≦2)からなる。このように、蒸着可能領域5aでは、酸素ガス雰囲気中で、気相法により基板4表面に2層の活物質層101が形成される。
基板4表面に活物質層が形成された基板4はさらに搬送され、反転構造を通過して、裏面が蒸着可能領域5bに到達する。蒸着可能領域5bでは、基板4裏面上に活物質層が形成される。具体的には、蒸着可能領域5aにおける活物質層の形成と同様であり、蒸発した蒸着原料が、原料反応用ガスノズル21cから導入されている酸素ガスと反応することで、蒸着原料が酸化され、基板4裏面上に、蒸着原料の酸化物からなる蒸着粒子102aが形成される。次に、基板4は冷却キャン6bを通過し、原料反応用ガスノズル21dから導入されている酸素ガスと蒸着原料が反応して、蒸着粒子102a上に蒸着原料の酸化物からなる蒸着粒子102bが形成される。その後、スリット部8を通過して第2ロール14に巻き取られる。
この後、基板の搬送方向を逆転して第2ロール14から基板4を繰り出し、第1ロール11に基板4を巻き付けつつ、上記と同様の活物質層形成を実施することによって、すでに形成されている活物質層101、102上に活物質層を積層することができる。このように基板の搬送方向を逆転して基板を往復運動させつつ活物質層形成を実施することで、任意の積層数の活物質を形成することができ、これによって活物質全体の膜厚を制御することができる。また、原料反応用ガスノズル21a〜21dから導入されるガス導入量を制御することで、各層の活物質層における酸化度を制御することができ、厚み方向に酸化度の異なる活物質層を形成することもできる。
次に、活物質層形成後、不可逆相当分のリチウムを活物質表面に付与する。リチウム付与室50は、排気ポンプ52により排気されている。同時に、ガスノズル62a、62bからアルゴンガスが導入されている。これにより、リチウム付与室50の内部は、例えば圧力P2は、10−1Pa程度のアルゴン雰囲気下に置かれる。この時、リチウム付与室50の圧力P2は、活物質形成室10の圧力P1よりも高く、P2/P1>10になるようにアルゴンガス導入量を制御する。その結果、リチウム付与室50と活物質形成室10間に圧力差が発生し、低コンダクタンス機構8においては活物質形成室10で供給された酸素ガスがリチウム付与室50に浸入するのを抑制しながら、基板を通過させることができる。
低コンダクタンス機構8を通過した基板は、リチウム付与室50で冷却キャン56aおよび56bに沿った状態で、リチウム付与源53aおよび53bからリチウムの付与を受ける。リチウム付与源53a、53bは、坩堝内部に配置されたリチウムが加熱装置により加熱され、坩堝上面からリチウムが蒸発する。その際、リチウムを付与する量や範囲は、リチウムの加熱条件や、マスク61a、61bの間隔や電極表面とリチウム付与源53a、53bとの距離などを適正化することで調整可能である。
また、アルゴンガスは、圧力制御用ガスノズル62a、62bからリチウム付与室55a、55bに導入することが好ましい。これにより、蒸発されたリチウムはガス分子と反応・衝突して散乱し、基板に対して幅方向に均一にリチウムを付与することができる。
具体的には、リチウム付与室55aにおいて、冷却キャンロール56aに保持された状態で、加熱装置により加熱されたリチウムが坩堝の上面から蒸発し、活物質表面に対して垂直に入射し付与される。このとき、リチウムは圧力制御用ガスノズル62aから導入されているアルゴンガスのガス分子と反応・衝突して散乱し、活物質101上にリチウムが付与される。活物質101上にリチウムが付与された基板はさらに搬送され、反転構造を通過して、裏面がリチウム付与室55bに到達する。リチウム付与室55bでは、リチウム付与室55aにおけるリチウム付与と同様の手法で、蒸発したリチウムが、圧力制御用ガスノズル62bから導入されているアルゴンガスのガス分子と反応・衝突して散乱し、活物質102上にリチウムが付与される。その後、第2ロール14に巻き取られる。
以上のように、リチウム二次電池用負極の製造装置100は、単一の真空容器内1で活物質形成室10とリチウム付与室50とが分離され、活物質形成室10とリチウム付与室50との間に設けたコンダクタンスを低減し、リチウム付与室50の圧力P2を活物質形成室10の圧力P1よりも高くなるようにガス導入量を制御する差圧構造からなる。これにより、活物質形成室10で供給された酸素ガスがリチウム付与室50に浸入して蒸発されたリチウムと反応するのを抑制することができ、帯状の基板両面に対する活物質層形成とリチウム付与とを連続して実施することができる。その結果、活物質形成後に真空暴露することなくリチウムを付与することができ、活物質層表面に水分が吸着するのを防止し、不可逆容量相当の活性なリチウムを効率的に補填できるなど高容量で生産性の高いリチウム二次電池負極を得ることができる。
〈リチウムイオン二次電池〉
さらに、以上に示した手法により得られた負極を用いた電池について、図を参照しながら説明する。
図6は、本発明にかかる電池の一例を示す概略断面図である。図6において、所定の大きさに作製された正極105の集電体に、例えばアルミニウム製の正極リード108の一端が接続されている。実施の形態1に示した手法により得られた負極12の集電体には、例えばニッケル製の負極リード109の一端が接続されている。正極105と負極106とを、両極板により幅広なセパレータ107を介して捲回することで、極板群115を構成できる。セパレータ107としては、例えば、厚さ20μmのポリエチレン樹脂製微多孔フイルムが適用可能であるが、これに限定されるものではない。得られた極板群115は、例えば、露点温度が−60℃のドライ雰囲気において60℃真空乾燥を10時間行い、極板群115中に含まれる水分を追い出す。事前にセパレータ107および電池部材についても乾燥を充分に行い、電池中に持ち込む水分を低減させることが好ましい。極板群115の外側はセパレータ107で介装する。この極板群115は、その上下に、それぞれ上部絶縁リング110および下部絶縁リング111を配して、例えば、鉄製で表面がニッケルめっきされた電池缶112の内空間に収容される。
極板群115には、非水電解質(図示せず)が含浸される。正極リード108の他端は、周縁に絶縁パッキン114が配された封口板113の裏面に溶接される。負極リード109の他端は、電池缶112の内底面に溶接される。電池缶112の開口を封口板113で塞ぐことにより、円筒型のリチウムイオン二次電池が作製できる。なお非水電解質には、例えば、エリレンカーボネートとプロピレンカーボネートの容積比1:1の混合溶媒にLiPFを1mol/Lの濃度で溶解した非水電解質溶液を用いることができるが、これに限定されるものではない。
正極に用いられる正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵および放出可能なLixCoO、LixNiO、LixMnO、LixMnなどが適用できるがこれらに限定されるものではない。
本発明は、円筒型、扁平型、コイン型、角型等の様々な形状の非水電解質二次電池に適用可能であり、電池の形状は特に限定されない。本発明は、金属製の電池缶やラミネートフイルム製のケースに、電池電極、電解液等の発電要素を収容した電池を含め、様々な封止形態の電池に適用可能であり、電池の封止形態は特に限定されない。
このように本発明によれば、理論的にはイオンを多く吸収あるいは放出できるが不可逆容量の大きな、例えばSiやSnなどの金属、あるいは酸化物、窒化物の活物質材料を活用することを可能としている。
なお、本発明の負極および電池の製造方法は、本発明の活物質に限定されるものではなく、不可逆容量の大きな活物質材料全般に適用可能である。また、リチウムイオン二次電池以外の電池や、不可逆反応に伴う課題を有する極板に適用できる。
本発明のリチウム二次電池用負極の製造装置は、不可逆容量の程度が大きい活物質のエネルギー密度を有効に引き出すための負極の製造方法に有用である。特に真空容器内の圧力差を維持することができるので成膜直後の活性な活物質薄膜表面に活性なリチウムを効率的に補填できる高容量で生産性の高い負極の製造方法に有用である。本発明の製造方法により得られる極板は電池産業分野に限らず、電気化学素子全般への応用が可能である。
100 リチウム二次電池用負極の製造装置
1 真空容器
2,52 排気ポンプ
3a,3b 蒸着源
4 基板
5a,5b 蒸着可能領域
6a,6b,56a,56b 冷却キャンロール
7,57 遮蔽板
8 低コンダクタンス機構
10 活物質形成室
11,14 ロール
12 搬送ロール
13 低コンダクタンス機構部のスリット
15,17 低コンダクタンス機構部のロール
16 内壁
20a,20b,60a,60b シャッター
21a,21b,21c,21d,61a,61b マスク
22a,22b,22c,22d 原料反応用ガスノズル
50 リチウム付与室
53a,53b リチウム付与源
55a,55b リチウム付与エリア
62a,62b 圧力制御用ガスノズル
101a,101b,102a,102b 活物質層
105 円筒電池の正極
106 円筒電池の負極
107 円筒電池のセパレータ
108 正極リード
109 負極リード
110 上部絶縁リング
111 下部絶縁リング
112 電池缶
113 封口板
114 絶縁パッキン
115 極板群

Claims (7)

  1. 真空中で、表面と裏面を有する帯状の基板の前記表面上に、ケイ素又はスズを含む活物質層を形成する活物質形成室と、
    前記活物質層上にリチウムを付与するリチウム付与室と、を備えたリチウム二次電池用電極の製造装置であって、
    前記基板を搬送する搬送機構と、
    前記搬送機構によって保持されている前記基板の前記表面上に、前記活物質を形成する活物質層形成手段と、
    前記活物質上に、前記リチウムを付与するリチウム付与手段と、
    前記リチウム付与室に配置され、不活性ガスを供給する圧力制御用ガスノズルと、
    前記搬送機構と、前記活物質層形成手段と、前記リチウム付与手段と、前記圧力制御用ガスノズルとを収容する真空容器と、を有し、
    前記活物質形成室の圧力P1は0.1Pa以下、前記リチウム付与室の圧力P2は1Pa以下、P2/P1≧10である、リチウム二次電池用電極の製造装置。
  2. 前記活物質形成室内に配置され、前記基板に向けて原料反応用ガスを供給するガスノズルを有する、請求項1に記載のリチウム二次電池用電極の製造装置。
  3. 前記活物質層が、ケイ素単体、ケイ素合金、ケイ素と酸素とを含む化合物、ケイ素と窒素とを含む化合物、スズ単体、スズ合金、スズと酸素とを含む化合物、およびスズと窒素とを含む化合物からなる群より選ばれた少なくとも一つである、請求項1に記載のリチウム二次電池用電極の製造装置。
  4. 真空容器内に前記活物質形成室と前記リチウム付与室の間に低コンダクタンス機構を設けることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池用電極の製造装置。
  5. 前記活物質形成室が0.0001Pa以上0.1Pa以下に排気され、前記圧力制御用ガスを供給した前記リチウム付与室が0.001Pa以上1Pa以下に排気されることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池用電極の製造装置。
  6. リチウム二次電池用電極の製造方法であって、
    活物質形成室の圧力P1を0.1Pa、リチウム付与室の圧力P2を1Pa以下、P2/P1≧10に設定する工程と、
    前記活物質形成室内で、基板の表面上に活物質層が形成する工程と、
    前記活物質形成室内から前記リチウム付与室内に前記基板を大気に晒すことなく搬送する工程と、
    前記活物質層上にリチウムを付与する工程と、を有する、リチウム二次電池用電極の製造方法。
  7. 前記活物質形成室と前記リチウム付与室の間に低コンダクタンス機構を設ける、請求項6に記載のリチウム二次電池用電極の製造方法。
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