JP2007272972A - 前段アンプ回路、受光アンプ回路、ならびに光ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エミッタ接地増幅回路を用い、複数の受光部を備えた前段アンプ回路、該前段アンプ回路を備えた受光アンプ回路、該受光アンプ回路を備えた光ピックアップ装置を実現する。
【解決手段】本発明の前段アンプ回路11Aは、エミッタ接地トランジスタQ1を用いたエミッタ接地増幅回路1と、エミッタ接地トランジスタQ2を用いたエミッタ接地増幅回路1Aと、エミッタ接地トランジスタQ1、Q2のうち、いずれかのエミッタを接地させるように切り替わることにより、エミッタ接地増幅回路1、1Aのうち、いずれか1つのみを動作させるエミッタ接地切替スイッチSW1とを備えている。受光アンプ回路121は、前段アンプ回路11Aを備え、光ピックアップ装置101は、受光アンプ回路121を備えている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の前段アンプ回路11Aは、エミッタ接地トランジスタQ1を用いたエミッタ接地増幅回路1と、エミッタ接地トランジスタQ2を用いたエミッタ接地増幅回路1Aと、エミッタ接地トランジスタQ1、Q2のうち、いずれかのエミッタを接地させるように切り替わることにより、エミッタ接地増幅回路1、1Aのうち、いずれか1つのみを動作させるエミッタ接地切替スイッチSW1とを備えている。受光アンプ回路121は、前段アンプ回路11Aを備え、光ピックアップ装置101は、受光アンプ回路121を備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、光ディスク再生/記録のために用いられる光ピックアップ装置に搭載される受光アンプ回路に関し、特に、該受光アンプ回路に備えられる前段アンプ回路に関するものである。
近年、音声や映像等を記録する光ディスクは、記録容量の増大を目的として、CD、DVD、およびBDなどの複数のフォーマットが開発され、これに伴い、光ディスクを駆動する光ディスク駆動装置も上述のような複数のフォーマットの光ディスクに対応することが求められている。そこで、1つのパッケージで2種類の波長のレーザ光を出射する2波長レーザ素子を用いた光ピックアップ装置が開発されている(特許文献1参照)。
図7は、2波長レーザ素子を用いた光ピックアップ装置101の光学系の構成を示している。
光ピックアップ装置101は、図示のように、2波長レーザダイオード103、コリメータレンズ104、ビームスプリッタ105、対物レンズ107、スポットレンズ108、および受光アンプ素子110を備えている。
記録再生用光源としての発光素子である2波長レーザダイオード103より出射されたレーザ光は、コリメータレンズ104において平行光とされ、ビームスプリッタ105において光路が90°曲げられた後、対物レンズ107を介して、光ディスク102に照射される。そして、光ディスク102からの反射光は、対物レンズ107およびビームスプリッタ105を介して、スポットレンズ108で集光され、受光アンプ素子110に入射される。受光アンプ素子110は、入射した光信号から、情報信号を再生するとともに、トラッキングサーボ信号やフォーカシングサーボ信号を作成し、図示しない信号処理回路や制御回路などへ出力する。
ところで、2波長レーザダイオード103は、光ディスク102の種類に応じて、2種類の波長のレーザ光を出射する(ここでは、波長が780nmのCD用レーザ光と、波長が650nmのDVD用レーザ光を出射する)。2波長レーザダイオード103における各レーザ光の発光点は約100μmの間隔で離れている。光ピックアップ装置101では、レーザ光に依らず共通の光学系を用いるため、受光アンプ素子110に照射される各レーザ光の位置は、2波長レーザダイオード103内の発光位置と同様に約100μm離れた場所に照射される。従って、2波長レーザダイオードを用いる場合は、受光アンプ素子に、各レーザ光用の受光部、ここでは、CD用およびDVD用の2箇所の受光部を設ける必要がある。
図8は、受光アンプ素子110の受光部を示している。上述のように、各レーザ光用の受光部(DVD用受光部110AおよびCD用受光部110B)を設けている。将来、3波長レーザダイオードなどが開発された場合は、当然、受光部は3箇所必要となる。なお、図示のように、受光部には、情報信号用のメイン受光部とトラッキングサーボ信号用のサブ受光部とがある。
図9は、受光アンプ素子110に備えられる受光アンプ回路121の構成を示している。受光アンプ回路121は、図示のように、前段アンプ回路122および後段アンプ回路123により構成されている。
前段アンプ回路122は、ここでは、2つのメイン受光部a(DVD用受光部)、A(CD用受光部)、およびメイン受光部a、Aのいずれかの出力を後段アンプ回路123に与える出力切替スイッチS1を備えている。
メイン受光部aは、フォトダイオードPD1と、フォトダイオードPD1で発生した電流を電圧に変換して出力する、アンプA1、帰還抵抗R1、および帰還容量C1により構成されたトランスインピーダンス型増幅回路とを備えている。フォトダイオードPD1のアノードはGNDに接続されており、カソードはアンプA1の入力端子に接続されている。また、アンプA1に並列に、帰還抵抗R1および帰還容量C1が接続され、アンプ回路A1の出力端子が出力切替スイッチS1に接続されている。
メイン受光部Aは、メイン受光部aと同様な構成を有し、フォトダイオードPD2と、フォトダイオードPD2で発生した電流を電圧に変換して出力する、アンプA2、帰還抵抗R2、および帰還容量C2により構成されたトランスインピーダンス型増幅回路とを備えている。フォトダイオードPD2のアノードはGNDに接続されており、カソードはアンプA2の入力端子に接続にされている。また、アンプ回路A2に並列に、帰還抵抗R2および帰還容量C2が接続され、アンプ回路A2の出力端子が出力切替スイッチS1に接続されている。
後段アンプ回路123は、アンプA3および抵抗R3〜R5を備えている。
アンプA3の一方の入力端子には、抵抗R3の一端が接続され、その他端には、出力切替スイッチS1が接続されている。アンプA3の一方の入力端子と抵抗R3の一端との接続点には、抵抗R4の一端が接続され、その他端には、外部から基準電圧が与えられる端子が接続されている。アンプA3の他方の入力端子には、抵抗R5を介してアンプA3の出力端子が接続されている。アンプA3の出力端子が受光アンプ回路121の出力端子である。
2波長レーザダイオード103からDVD用のレーザ光が出射されると、光ディスク102での反射光はメイン受光部aに入力され、メイン受光部aで電流―電圧変換される。このとき、出力切替スイッチS1は、メイン受光部aの出力を後段アンプ回路123に与えるように切り替えられており、これにより、メイン受光部aの出力が後段アンプ回路123に与えられ、後段アンプ回路123でさらに増幅されて出力される。
一方、2波長レーザダイオード103からCD用のレーザ光が出射される場合は、メイン受光部Aに光ディスク102での反射光が入力され、電流―電圧変換される。メイン受光部Aの出力は、メイン受光部Aの出力を後段アンプ回路123に与えるように切り替えられた出力切替スイッチS1を介して後段アンプ回路123に与えられ、後段アンプ回路123でさらに増幅されて出力される。
ここで、メイン受光部aのアンプA1は、具体的には、フォトダイオードPD1の出力と外部から供給される基準電圧との差分を増幅して出力する差動増幅回路で構成されている。メイン受光部AのアンプA2も同様に、フォトダイオードPD2の出力と外部から供給される基準電圧との差分を増幅して出力する差動増幅回路で構成されている。
特開2004−22051号公報(2004年1月22日公開)
特開2001−202646号公報(2001年7月27日公開)
ところで、上述の2波長レーザダイオード対応の受光アンプ回路121を、高速再生/記録用の光ピックアップ装置に備えるためには、応答周波数特性、出力オフセット電圧、および出力ノイズ特性の向上が求められる。この上記各特性の向上のためには、従来、差動増幅回路により構成していたアンプA1、A2をエミッタ接地増幅回路により構成することが有効である。その理由について、説明する。
まず、図10を用いて、応答周波数特性について説明する。
図10は、アンプA1、A2のそれぞれの応答周波数特性を示している。なお、アンプA1、A2のそれぞれの応答周波数特性は、以下の式(1)によって決定される。
fc=1/(2πRC)(Hz) (1)
上記式(1)のRは、帰還抵抗R1(または帰還抵抗R2)であり、上記式(1)のCは、帰還容量C1(または帰還容量C2)である。また、図中の帰還回路とは、アンプA1では、帰還抵抗R1および帰還容量C1であり、アンプA2では、帰還抵抗R2および帰還容量C2である。
上記式(1)のRは、帰還抵抗R1(または帰還抵抗R2)であり、上記式(1)のCは、帰還容量C1(または帰還容量C2)である。また、図中の帰還回路とは、アンプA1では、帰還抵抗R1および帰還容量C1であり、アンプA2では、帰還抵抗R2および帰還容量C2である。
図示のように、アンプA1、A2でそれぞれ異なる応答周波数特性を有しているため、帰還による限界応答周波数はそれぞれ周波数f1、f2となる。
ここで、アンプA1の応答周波数特性を向上させるために、帰還容量C1を小さく設定したとする。しかしながら、アンプA1は、差動増幅回路により構成されているため、ある周波数以上の応答を得ることはできない(オープンループ時の応答周波数特性が遅いため)。なお、アンプA2においても同様である。そのため、受光アンプ回路121の応答周波数特性を向上するためには、帰還抵抗R1(または帰還抵抗R2)を小さく設定するか、アンプのオープンループ時の応答周波数特性を向上させることが求められる。
次に、出力オフセット電圧について説明する。まず、出力オフセット電圧とは、受光部に入力信号がないとき(光ディスク102での反射光が入射されないとき)の出力電圧のことである。
出力オフセット電圧は、後段アンプ回路123に外部から与えられる基準電圧値と一致するのが理想的であるが、前段アンプ回路122には、製造ばらつきなどによりオフセット電圧が生じる。受光アンプ回路121の出力オフセット電圧は、前段アンプ回路122の上記オフセット電圧が後段アンプ回路123で増幅された電圧となる。そのため、出力オフセット電圧のバラツキ抑制のためには、後段アンプ回路123のゲインの低減が有効である。
次に、出力ノイズ特性について説明する。出力ノイズ特性も上記出力オフセット電圧特性と同様に、前段アンプ回路122で発生したノイズを後段アンプ回路123で増幅するため、後段アンプ回路123のゲインの低減が有効である。
以上のように、受光アンプ回路121の上記各特性を向上させるためには、前段アンプ回路122に備えられるアンプのオープンループ時の応答周波数特性の向上と、後段アンプ回路123のゲインに対して、極力前段アンプ回路122のゲインを大きく設定することとが求められる。
ところで、エミッタ接地増幅回路は、オープンループ時の応答周波数特性が速く、出力ダイナミックレンジが広いという特性を有している。そのため、上記各特性の向上のためには、前段アンプ回路122のアンプをエミッタ接地増幅回路を用いて構成することが有効である。
図11は、実際に、前段アンプ回路をエミッタ接地増幅回路で構成した場合の回路例を示している。
前段アンプ回路5は、フォトダイオードPD1(受光素子)、エミッタ接地増幅回路1、エミッタ接地増幅回路1の能動負荷およびバイアス回路2、エミッタフォロア回路で構成される出力回路3、帰還抵抗R31、および帰還容量C31により構成されている。
エミッタ接地増幅回路1は、NPN型のトランジスタ(エミッタ接地トランジスタ)Q1を備えている。エミッタ接地増幅回路1の能動負荷およびバイアス回路2は、PNP型のトランジスタQ3、Q5、抵抗R1、R2、および定電流源I2を備えている。出力回路3は、NPN型のトランジスタQ4および定電流源I1を備えている。
エミッタ接地増幅回路1の能動負荷およびバイアス回路2は、トランジスタQ3のベースとトランジスタQ5のベースとが接続され、トランジスタQ5のベースとコレクタとが接続されている。トランジスタQ5のコレクタには、定電流源I2が接続されている。
トランジスタQ3のエミッタには、抵抗R2の一端が接続され、トランジスタQ5のエミッタには、抵抗R1の一端が接続されている。抵抗R1および抵抗R2のそれぞれの他端は、電源Vccにそれぞれ接続されている。
フォトダイオードPD1のアノードはGNDに接続されており、カソードはトランジスタQ1のベースに接続されている。トランジスタQ1のコレクタは、トランジスタQ3のコレクタに接続されている。トランジスタQ3のコレクタは、トランジスタQ4のベースに接続されている。
トランジスタQ4のコレクタは、電源Vccに接続されており、エミッタは、定電流源I1に接続されている。トランジスタQ4のエミッタとトランジスタQ1のベースとの間には、帰還抵抗R31、および、帰還抵抗R31に並列に接続された帰還容量C31が接続されている。トランジスタQ1のベースが前段アンプ回路5の入力端子であり、トランジスタQ4のエミッタが前段アンプ回路5の出力端子Voである。
ところで、上述のようなエミッタ接地増幅回路で構成した前段アンプ回路5を、上記従来技術で示した、2波長レーザダイオード対応の受光アンプ回路121の前段アンプ回路122として備えるためには、受光部を2箇所設ける必要がある。このためには、図11中の一点鎖線で囲まれた回路を複数備える必要がある。その場合、素子数の増大が大きな問題となる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、前段アンプ回路をエミッタ接地増幅回路で構成し、複数の受光部を備えた場合でも、回路を構成する素子数を最小限に抑えることができる前段アンプ回路、該前段アンプ回路を備えた受光アンプ回路、該受光アンプ回路を備えた光ピックアップ装置を実現することにある。
本発明に係る前段アンプ回路は、上記課題を解決するために、いずれか1つのみに光信号が入射され、入射された光信号を電流に変換して出力する複数の受光素子と、上記受光素子の出力電流を増幅して出力する、上記受光素子毎に1つずつ設けられたエミッタ接地トランジスタを用いた複数のエミッタ接地増幅回路と、上記光信号が入射された受光素子に接続されているエミッタ接地トランジスタのエミッタを接地させるように切り替わることにより、上記複数のエミッタ接地増幅回路うち、1つのエミッタ接地増幅回路のみ動作させる第1スイッチと、上記複数のエミッタ接地増幅回路の能動負荷と、上記複数のエミッタ接地増幅回路の出力を入力とし、エミッタフォロワによる出力を行う出力回路とを備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、本発明に係る前段アンプ回路は、第1スイッチを備えている。該第1スイッチは、複数のエミッタ接地増幅回路のうち、1つのエミッタ接地増幅回路のみ動作させることができる。これにより、上記複数のエミッタ接地増幅回路で、動作が重なる回路がない。従って、上記複数のエミッタ接地増幅回路で、能動負荷および出力回路を共有することができる。この結果、前段アンプ回路をエミッタ接地増幅回路で構成し、複数の受光部を備えた場合でも、回路を構成する素子数を最小限に抑えることができる前段アンプ回路を実現することができるという効果を奏する。
また、例えば、上記受光素子が2つであり、それぞれを第1受光素子、第2受光素子とする。また、上記第1受光素子に接続されたエミッタ接地増幅回路を第1エミッタ接地増幅回路、上記第2受光素子に接続されたエミッタ接地増幅回路を第2エミッタ接地増幅回路とする。
ここで、上記第1受光素子に上記光信号が入射されていると共に、上記第2受光素子に、不必要な迷光が入射されているとする。このとき、上記第1スイッチは、上記第1エミッタ接地増幅回路に備えられているエミッタ接地トランジスタのエミッタを接地させるように切り替わり、上記第1エミッタ接地増幅回路のみを動作させる。すなわち、上記第2エミッタ接地増幅回路は動作しない。この結果、上記第2受光素子に入射している不必要な迷光は、上記光信号に基づく前段アンプ回路の出力に影響しない。
これにより、上記の効果に加えて、上記光信号が入射された受光素子以外の受光素子に不必要な迷光等が照射されていたとしても、上記光信号に基づくの出力のみを上記前段アンプ回路から出力させることができるという効果も奏する。
ところで、例えば、上記第1スイッチが、機械的スイッチで構成されている場合、上記前段アンプ回路は、IC(集積回路)化できない。
そこで、本発明に係る前段アンプ回路は、上記構成に加えて、上記第1スイッチは、電気的スイッチであることが好ましい。
上記構成によれば、上記第1スイッチは電気的スイッチである。これにより、上記第1スイッチを備えた前段アンプ回路は、IC化することができるという効果を奏する。なお、上記電気的スイッチの一例としては、上記第1スイッチをMOSトランジスタで構成することが挙げられる。
本発明に係る前段アンプ回路は、上記構成に加えて、上記受光素子と上記エミッタ接地増幅回路との接続を変更するように設けられ、上記光信号が入射された受光素子のみを、該受光素子用に設けられた上記エミッタ接地増幅回路に接続するように動作する第2スイッチをさらに備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、上記前段アンプ回路は、第2スイッチを備えている。該第2スイッチは、光信号が入射された受光素子のみを、該受光素子用に設けられたエミッタ接地増幅回路に接続するように動作する。
上記受光素子が2つの場合を用いて説明し、第1受光素子に光信号が入射されるとすると、上記第2スイッチは、上記第1受光素子と上記第1エミッタ接地増幅回路とを接続させるように動作する。換言すれば、上記第2スイッチは、上記第2受光素子と上記第2エミッタ接地増幅回路とを接続させない。
これにより、上記光信号が入射された受光素子以外の受光素子に不必要な迷光等が照射されていたとしても、上記第1スイッチのみを備える構成と比較して、上記光信号に基づく出力のみを確実に出力させることができるという効果を奏する。
本発明に係る前段アンプ回路は、上記構成に加えて、上記第1スイッチおよび上記第2スイッチは、電気的スイッチであることが好ましい。
上記の構成によれば、上記第1スイッチおよび上記第2スイッチは、電気的スイッチである。これにより、上記第1スイッチおよび上記第2スイッチを備えた前段アンプ回路は、上記効果に加えて、IC化することができるという効果を奏する。なお、電気的スイッチの一例としては、上記第1スイッチおよび上記第2スイッチをMOSトランジスタで構成することが挙げられる。
本発明に係る前段アンプ回路は、上記構成に加えて、上記受光素子毎に1つずつ設けられ、上記光信号が入射された受光素子に接続されている回路のみ、上記出力回路と同様な動作を行う複数の出力切替回路をさらに備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、上記前段アンプ回路は、出力切替回路を備えている。該出力切替回路は、上記受光素子毎に1つずつ設けられ、上記光信号が入射された受光素子に接続されている回路のみ、上記出力回路と同様な動作を行う。
上記受光素子が2つの場合を用いて説明する。上記第1受光素子に接続された出力切替回路を第1出力切替回路、上記第2受光素子に接続された出力切替回路を第2出力切替回路とする。ここでも、上記第1受光素子に上記光信号が入射されていると共に、上記第2受光素子に、不必要な迷光が入射されているとする。
この場合、上記第1出力切替回路および上記第2出力切替回路のうち、上記第1出力切替回路のみ動作する。よって、上記第1出力切替回路および上記第2出力切替回路を備えた前段アンプ回路からは、上記光信号に基づく出力のみが出力される。
これにより、上記光信号が入射された受光素子以外の受光素子に不必要な迷光等が照射されていたとしても、上記第1スイッチのみを備える構成と比較して、また、上記第1スイッチおよび上記第2スイッチを備える構成とは異なる方法で、上記光信号に基づく出力のみを確実に出力させることができるという効果を奏する。
本発明に係る受光アンプ回路は、上記前段アンプ回路を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、本発明に係る受光アンプ回路は、上記前段アンプ回路を備えている。これにより、回路を構成する素子数を最小限に抑えることができ、また、不必要な迷光等の影響がない。
また、上記前段アンプ回路は、エミッタ接地増幅回路で構成されている。このため、上記受光アンプ回路は、応答周波数特性、出力オフセット電圧、および出力ノイズ特性において、良好な特性を有している。従って、上記受光アンプ回路は、高速再生/記録用の光ピックアップ装置の受光アンプ回路として用いれば、極めて有効であるという効果を奏する。
本発明に係る光ピックアップ装置は、上記受光アンプ回路を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、本発明に係る光ピックアップ装置は、上記受光アンプ回路を備えている。従って、上記光ピックアップ装置は、装置を構成する素子数を最小限に抑えることができ、不必要な迷光等の影響がなく、また、高速再生/記録用の光ピックアップ装置として最適であるという効果を奏する。
本発明に係る前段アンプ回路は、いずれか1つのみに光信号が入射され、入射された光信号を電流に変換して出力する複数の受光素子と、上記受光素子の出力電流を増幅して出力する、上記受光素子毎に1つずつ設けられたエミッタ接地トランジスタを用いた複数のエミッタ接地増幅回路と、上記光信号が入射された受光素子に接続されているエミッタ接地トランジスタのエミッタを接地させるように切り替わることにより、上記複数のエミッタ接地増幅回路うち、1つのエミッタ接地増幅回路のみ動作させる第1スイッチと、上記複数のエミッタ接地増幅回路の能動負荷と、上記複数のエミッタ接地増幅回路の出力を入力とし、エミッタフォロワによる出力を行う出力回路とを備えている。
これにより、前段アンプ回路をエミッタ接地増幅回路で構成し、複数の受光部を備えた場合でも、回路を構成する素子数の増大を最小限に抑えることができる前段アンプ回路を実現することができるという効果を奏する。
以下、各実施形態で示す各前段アンプ回路は、上記従来技術で示した前段アンプ回路122として受光アンプ回路121に備えられ、また、該受光アンプ回路121は、光ピックアップ装置101の受光アンプ素子110に備えられているとする。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1および図2を用いて説明すると以下の通りである。
本発明の一実施形態について図1および図2を用いて説明すると以下の通りである。
図1は、本実施形態に係る前段アンプ回路11Aの構成を示している。なお、図11に示した、前段アンプ回路5と同一の符号を付した部材は同一の機能を有するものとし、その回路構成および接続関係等については特に説明しない。
前段アンプ回路11Aは、前段アンプ回路5の構成に、フォトダイオードPD2(受光素子)、エミッタ接地増幅回路1A、エミッタ接地切替スイッチSW1(第1スイッチ)(双投スイッチ)、帰還抵抗R32、および帰還容量C32を備えた構成であり、フォトダイオードPD1、PD2で発生した電流を電流―電圧変換して出力する。
エミッタ接地増幅回路1Aは、NPN型のトランジスタ(エミッタ接地トランジスタ)Q2を備えている。フォトダイオードPD2のアノードはGNDに接続されており、カソードはトランジスタQ2のベースに接続されている。トランジスタQ2のコレクタは、トランジスタQ3のコレクタに接続され、トランジスタQ2のエミッタは、エミッタ接地切替スイッチSW1の端子7に接続されている。エミッタ接地切替スイッチSW1の端子6には、トランジスタQ1のエミッタが接続され、端子8には、GNDが接続されている。
トランジスタQ4のエミッタとトランジスタQ2のベースとの間には、帰還抵抗R32、および帰還抵抗R32に並列に接続された帰還容量C32が接続されている。帰還抵抗R31、R32および帰還容量C31、C32は、それぞれの受光部で所望の感度が得られるように設計されている。トランジスタQ1、Q2のそれぞれのベースが前段アンプ回路11Aの入力端子であり、トランジスタQ4のエミッタが前段アンプ回路11Aの出力端子Voである。
光ピックアップ装置101の2波長レーザダイオード103からDVD用のレーザ光が出射されると、光ディスク102での反射光は、フォトダイオードPD1(DVD用受光素子)に入力される。このとき、エミッタ接地切替スイッチSW1は、端子6側、すなわち、エミッタ接地増幅回路1のトランジスタQ1のエミッタを接地させるように切り替えられている。これにより、フォトダイオードPD1にて発生した電流は、電流―電圧変換されて、出力端子Voから出力される。そして、受光アンプ回路121の後段アンプ回路123に与えられる。
一方、2波長レーザダイオード103からCD用のレーザ光が出射されると、光ディスク102での反射光は、フォトダイオードPD2(CD用受光素子)に入力される。このとき、エミッタ接地切替スイッチSW1は、端子7側、すなわち、エミッタ接地増幅回路1AのトランジスタQ2のエミッタを接地させるようにに切り替えられている。これにより、フォトダイオードPD2にて発生した電流は、電流―電圧変換されて、出力端子Voから出力される。そして、受光アンプ回路121の後段アンプ回路123に与えられる。
上述のように、前段アンプ回路11Aは、2波長レーザダイオード103から出射されるレーザ光の種類に応じて、トランジスタQ1、Q2のうち、いずれかのエミッタを接地させるように切り替わることにより、エミッタ接地増幅回路1、1Aのうち、いずれか1つのみを動作させるエミッタ接地切替スイッチSW1を備えている。
これにより、エミッタ接地増幅回路1、1Aで、動作が重なることがないため、エミッタ接地増幅回路1、1Aで、能動負荷およびバイアス回路2および出力回路3を共有することができる。この結果、前段アンプ回路をエミッタ接地増幅回路で構成し、複数の受光部を備えた場合でも、回路を構成する素子数を最小限に抑えることができる。
また、例えば、フォトダイオードPD1が動作している時(光ディスク102での反射光が入力されている時)に、フォトダイオードPD2に、不必要な迷光が入射されているとする。このとき、エミッタ接地切替スイッチSW1は、上述のように、端子6側に切り替えられているため、エミッタ接地増幅回路1のみが動作可能となっている。従って、フォトダイオードPD2に入射している不必要な迷光は、フォトダイオードPD1で発生した電流に基づく前段アンプ回路11Aの出力に影響しない。
これにより、動作しているフォトダイオードPD以外のフォトダイオードPDに不必要な迷光等が照射されていたとしても、動作しているフォトダイオードPDで発生した電流に基づく出力のみを前段アンプ回路11Aから出力させることができる。
次に、エミッタ接地切替スイッチSW1の他の構成例を、図2を用いて説明する。
図2は、本実施形態に係る前段アンプ回路11Bの構成を示している。なお、図1に示した、前段アンプ回路11Aと同一の符号を付した部材は同一の機能を有するものとし、その回路構成および接続関係等については特に説明しない。
前段アンプ回路11Bは、前段アンプ回路11Aのエミッタ接地切替スイッチSW1をMOSトランジスタとした構成である。詳細には、pチャンネル型MOSトランジスタQsw3およびnチャンネル型MOSトランジスタQsw4で構成されたCMOSインバータ10をさらに備え、前段アンプ回路11Aのエミッタ接地切替スイッチSW1を、nチャンネル型MOSトランジスタQsw1、Qsw2により構成している。
トランジスタQ1のエミッタには、MOSトランジスタQsw1のドレインが接続されている。MOSトランジスタQsw1のソースはGNDに接続され、ゲートはCMOSインバータ10の入力端子Inに接続されている。
トランジスタQ2のエミッタには、MOSトランジスタQsw2のドレインが接続されている。MOSトランジスタQsw2のソースはGNDに接続され、ゲートはCMOSインバータ10の出力端子に接続されている。
2波長レーザダイオード103からDVD用のレーザ光が出射される場合、CMOSインバータ10の入力端子InにH(ハイ)レベルの電圧(Vcc電圧)が与えられる。これにより、MOSトランジスタQsw1がオンとなる。また、MOSトランジスタQsw3がオフ、MOSトランジスタQsw4がオンとなるため、MOSトランジスタQsw2がオフとなる。
一方、2波長レーザダイオード103からCD用のレーザ光が出射される場合、CMOSインバータ10の入力端子InにL(ロウ)レベルの電圧(GND電圧)が与えられる。これにより、MOSトランジスタQsw1がオフとなる。また、MOSトランジスタQsw3がオン、MOSトランジスタQsw4がオフとなるため、MOSトランジスタQsw2がオンとなる。
このような動作を行うことにより、エミッタ接地切替スイッチSW1としての機能を果たすことができる。なお、ここでは、エミッタ接地切替スイッチSW1を、MOSトランジスタにより構成したが、これに限られるわけではない。例えば、バイポーラトランジスタでもよい。また、エミッタ接地切替スイッチSW1は、上記のような電気的スイッチだけでなく、機械的スイッチでもよい。
〔実施の形態2〕
本発明の一実施形態について図3および図4に基づいて説明すると以下の通りである。
本発明の一実施形態について図3および図4に基づいて説明すると以下の通りである。
図3は、本実施形態に係る前段アンプ回路21Aの構成を示している。なお、図1に示した、前段アンプ回路11Aと同一の符号を付した部材は同一の機能を有するものとし、その回路構成および接続関係等については特に説明しない。
前段アンプ回路21Aは、前段アンプ回路11Aの構成に、前段アンプ回路11Aのエミッタ接地切替スイッチSW1の動作に連動して、フォトダイオードPD1とエミッタ接地増幅回路1、また、フォトダイオードPD2とエミッタ接地増幅回路1Aとの接続を変更する受光素子切替スイッチSW2、3(第2スイッチ)(開閉器)を備えている。
スイッチSW2は、フォトダイオードPD1のカソードと、トランジスタQ1のベースとの間に接続されている。スイッチSW3は、フォトダイオードPD2のカソードと、トランジスタQ2のベースとの間に接続されている。
エミッタ接地切替スイッチSW1が、エミッタ接地切替スイッチSW1の端子6側に切り替えられている場合は、受光素子切替スイッチSW2が閉じられ、受光素子切替スイッチSW3がオープンとなる。これにより、エミッタ接地増幅回路1が動作可能となると共に、フォトダイオードPD1とエミッタ接地増幅回路1とが接続される。
一方、エミッタ接地切替スイッチSW1が、エミッタ接地切替スイッチSW1の端子7側に切り替えられている場合は、受光素子切替スイッチSW2がオープンとなり、受光素子切替スイッチSW3が閉じられる。これにより、エミッタ接地増幅回路1Aが動作可能となると共に、フォトダイオードPD2とエミッタ接地増幅回路1Aとが接続される。
上述のように、前段アンプ回路21Aは、エミッタ接地切替スイッチSW1、受光素子切替スイッチSW2、SW3を備えることにより、エミッタ接地増幅回路1、1Aの動作切替に加えて、フォトダイオードPDとエミッタ接地増幅回路との接続の切替を行うことができる。これにより、動作しているフォトダイオードPD以外のフォトダイオードPDに不必要な迷光等が照射されていたとしても、動作しているフォトダイオードPDで発生した電流に基づく出力のみを、前段アンプ回路11Aよりも確実に出力させることができる。
次に、上述のエミッタ接地切替スイッチSW1、受光素子切替スイッチSW2、SW3の他の構成例を、図4を用いて説明する。
図4は、本実施形態に係る前段アンプ回路21Bの構成を示している。なお、図2に示した、前段アンプ回路11Bと同一の符号を付した部材は同一の機能を有するものとし、その回路構成および接続関係等については特に説明しない。
ここでは、前段アンプ回路21Aの受光素子切替スイッチSW2をnチャンネル型MOSトランジスタQsw5により、受光素子切替スイッチSW3を、nチャンネル型MOSトランジスタQsw6により構成している。なお、エミッタ接地切替スイッチSW1は、上述の前段アンプ回路11Bでの構成と同一である。
MOSトランジスタQsw5のソースは、フォトダイオードPD1のカソードと接続され、ドレインは、トランジスタQ1のベースと接続され、ゲートは、CMOSインバータ10の入力端子Inに接続されている。MOSトランジスタQsw6のソースは、フォトダイオードPD2のカソードと接続され、ドレインは、トランジスタQ2のベースと接続され、ゲートは、CMOSインバータ10の出力端子に接続されている。
2波長レーザダイオード103からDVD用のレーザ光が出射される場合、CMOSインバータ10の入力端子Inには、Hレベルの電圧が与えられる。これにより、MOSトランジスタQsw1、Qsw5がそれぞれオンとなる。また、MOSトランジスタQsw3がオフ、MOSトランジスタQsw4がオンとなるため、MOSトランジスタQsw2、Qsw6がそれぞれオフとなる。
一方、2波長レーザダイオード103からCD用のレーザ光が出射される場合、CMOSインバータ10の入力端子Inには、Lレベルの電圧が与えられる。これにより、MOSトランジスタQsw1、Qsw5がそれぞれオフとなる。また、MOSトランジスタQsw3がオン、MOSトランジスタQsw4がオフとなるため、MOSトランジスタQsw2、Qsw6がそれぞれオンとなる。
このような動作を行うことにより、エミッタ接地切替スイッチSW1、受光素子切替スイッチSW2、SW3としての機能を果たすことができる。なお、ここでは、エミッタ接地切替スイッチSW1、受光素子切替スイッチSW2、SW3を、それぞれMOSトランジスタにより構成したが、これに限られるわけではない。例えば、バイポーラトランジスタでもよい。また、エミッタ接地切替スイッチSW1、受光素子切替スイッチSW2、SW3は、上記のような電気的スイッチだけでなく、機械的スイッチでもよい。
〔実施の形態3〕
本発明の一実施形態について図5および図6に基づいて説明すると以下の通りである。
本発明の一実施形態について図5および図6に基づいて説明すると以下の通りである。
図5は、本実施形態に係る前段アンプ回路31Aの構成を示している。なお、図1に示した、前段アンプ回路11Aと同一の符号を付した部材は同一の機能を有するものとし、その回路構成および接続関係等については特に説明しない。
前段アンプ回路31Aは、前段アンプ回路11Aの構成に、前段アンプ回路11Aの出力回路3と同様な構成を有する出力回路3A、3B(出力切替回路)をさらに備え、また、前段アンプ回路11Aの出力回路3を出力回路3Cに置き換えている。これにより、前段アンプ回路31Aは、前段アンプ回路21Aとは異なる方法で、前段アンプ回路21Aが奏する効果と同様な効果を奏することができる。
出力回路3Aは、NPN型のトランジスタQ6および定電流源Isw1を備えている。
出力回路3Bは、NPN型のトランジスタQ7および定電流源Isw2を備えている。
出力回路3Cは、NPN型のトランジスタQ4および定電流源I1を備えている。
出力回路3Bは、NPN型のトランジスタQ7および定電流源Isw2を備えている。
出力回路3Cは、NPN型のトランジスタQ4および定電流源I1を備えている。
トランジスタQ4、Q6、およびQ7のそれぞれのベースは、それぞれトランジスタQ3のコレクタに接続され、トランジスタQ4、Q6、およびQ7のそれぞれのコレクタは、電源Vccにそれぞれ接続されている。トランジスタQ4のエミッタは、定電流源I1と、トランジスタQ6のエミッタは、定電流源Isw1と、トランジスタQ7のエミッタは、定電流源Isw2と、それぞれ接続されている。
また、トランジスタQ6のエミッタとトランジスタQ1のベースとの間には、帰還抵抗R31、および、帰還抵抗R31に並列に接続された帰還容量C31が接続されている。トランジスタQ7のエミッタとトランジスタQ2のベースとの間には、帰還抵抗R32、および、帰還抵抗R32に並列に接続された帰還容量C32が接続されている。トランジスタQ4のエミッタが、前段アンプ回路31Aの出力端子Voである。
出力回路3A、3Bは、エミッタ接地切替スイッチSW1に連動して、いずれか一方のみが動作する。以下、図6を用いて詳細に説明する。
図6は、前段アンプ回路31Aにおける定電流源Isw1、Isw2の具体的な回路例を示した前段アンプ回路31Bの構成図である。なお、図2に示した、前段アンプ回路11Bと同一の符号を付した部材は同一の機能を有するものとし、その回路構成および接続関係等については特に説明しない。
定電流源Isw1、Isw2は、NPN型のトランジスタQ8〜Q15、および定電流源I3〜I6により構成されている。
トランジスタQ8のベースには、CMOSインバータ10の入力端子Inが接続され、トランジスタQ8のコレクタには、トランジスタQ9のベース、トランジスタQ10のベース、および定電流源I3が接続されている。
トランジスタQ9のコレクタには、トランジスタQ13のベースおよび定電流源I4が接続されている。トランジスタQ11のコレクタには、トランジスタQ10のコレクタ、自身のベース、および定電流源I5が接続され、ベースには、トランジスタQ12のベースが接続されている。トランジスタQ12のコレクタには、トランジスタQ6のエミッタが接続されている。
トランジスタQ14のコレクタには、トランジスタQ13のコレクタ、自身のベース、および定電流源I6が接続され、ベースには、トランジスタQ15のベースが接続されている。トランジスタQ15のコレクタには、トランジスタQ7のエミッタが接続されている。トランジスタQ8〜Q15のそれぞれのエミッタは、それぞれGNDに接続されている。
2波長レーザダイオード103からDVD用のレーザ光が出射される場合、CMOSインバータ10の入力端子Inには、Hレベルの電圧が与えられる。これにより、MOSトランジスタQsw1がオンとなる。また、MOSトランジスタQsw3がオフ、MOSトランジスタQsw4がオンとなるため、MOSトランジスタQsw2がオフとなる。
さらに、トランジスタQ8がオンとなるため、そのコレクタ電位がGNDレベルまで低下して、トランジスタQ9、Q10がそれぞれオフとなる。これにより、定電流源I4の電流がトランジスタQ13のベースに流れ、トランジスタQ13がオンとなり、この結果、定電流源I6からの電流は全てトランジスタQ13を介してGNDへ流れる。これにより、出力回路3Bが非動作状態となる。
このとき、上述のように、トランジスタQ10がオフであるため、トランジスタQ6には、トランジスタQ11、Q12を介して定電流源I5の電流が供給されるため、出力回路3Aが動作状態となる。以上のような動作により、エミッタ接地増幅回路1が動作可能となると共に、エミッタ接地増幅回路1用(フォトダイオードPD1用)の出力回路3Aのみが動作状態となる。
一方、2波長レーザダイオード103からCD用のレーザ光が出射される場合、CMOSインバータ10の入力端子Inには、Lレベルの電圧が与えられる。これにより、MOSトランジスタQsw1がオフとなる。また、MOSトランジスタQsw3がオン、MOSトランジスタQsw4がオフとなるため、MOSトランジスタQsw2がオンとなる。
さらに、トランジスタQ8がオフとなるため、定電流源I3からの電流によって、トランジスタQ9、Q10がそれぞれオンとなる。トランジスタQ10がオンとなることにより、定電流源I5からの電流が全てGNDへ流れるため、出力回路3Aが非動作状態となる。
このとき、上述のように、トランジスタQ9がオンであるため、定電流源I4からの電流が全てGNDへ流れ、トランジスタQ13がオフとなる。この結果、定電流源I6の電流がトランジスタQ14、Q15を介してトランジスタQ7に供給されるため、出力回路3Bが動作状態となる。以上のような動作により、エミッタ接地増幅回路1Aが動作可能となると共に、エミッタ接地増幅回路1A用(フォトダイオードPD2用)の出力回路3Bのみが動作状態となる。
上述のように、前段アンプ回路31Aは、エミッタ接地切替スイッチSW1、動作しているフォトダイオードPD用の回路のみがオンとなる出力回路3A、3Bを備えている。これにより、動作しているフォトダイオードPD以外のフォトダイオードPDに不必要な迷光等が照射されていたとしても、動作しているフォトダイオードPDで発生した電流に基づく出力のみを、前段アンプ回路11Aよりも確実に出力させることができる。
以上、各実施形態で示した各前段アンプ回路は、上記従来技術で示した前段アンプ回路122として受光アンプ回路121に備えられ、また、該受光アンプ回路121は、光ピックアップ装置101の受光アンプ素子110に備えられている。
従って、上記各前段アンプ回路を備えた受光アンプ回路121、該受光アンプ回路121を備えた光ピックアップ装置101は、回路を構成する素子数を最小限に抑えることができ、また、不必要な迷光等の影響がない。
さらに、上記各前段アンプ回路は、エミッタ接地増幅回路で構成されている。このため、受光アンプ回路121は、応答周波数特性、出力オフセット電圧、および出力ノイズ特性において、良好な特性を有している。従って、受光アンプ回路121は、高速再生/記録用の光ピックアップ装置の受光アンプ回路として用いれば、極めて有効である。また、光ピックアップ装置101は、高速再生/記録用の光ピックアップ装置として最適である。
なお、上記各前段アンプ回路は、上述のように、2波長レーザダイオード103からDVD用のレーザ光が出射された場合には、エミッタ接地増幅回路1のみが動作し、2波長レーザダイオード103からCD用のレーザ光が出射された場合には、エミッタ接地増幅回路1Aのみが動作する。従って、受光アンプ回路121は、図9で示した出力切替スイッチS1を備える必要がない。
また、上記各前段アンプ回路は、2波長レーザダイオードに対応した構成であるが、この構成に限られるわけではない。例えば、将来的に、3波長レーザダイオードが開発された場合、3波長レーザダイオードに対応した構成とすることも可能である。
その回路構成の一例としては、前段アンプ回路11Bを例に挙げると、前段アンプ回路11Bに、フォトダイオード、エミッタ接地トランジスタ(エミッタ接地増幅回路)、該エミッタ接地トランジスタのエミッタに接続されたMOSトランジスタ、帰還抵抗、帰還容量をそれぞれ1つずつ追加し、さらに、3つのAND回路および2つのインバータからなり、2つの入力端子および3つの出力端子を有する回路をCMOSインバータ10と置き換えて備える構成が挙げられる。なお、上記3つの出力端子は、上記MOSトランジスタにそれぞれ接続されている。
この構成の動作としては、レーザダイオードから出射されるレーザ光に応じて、CMOSインバータ10と置き換えて備えられた上記回路の入力端子に、様々な組み合わせのH電圧、L電圧が与えられ、これにより、上記回路から、3つのMOSトランジスタのうちいずれか1つを動作可能とする出力が出力される。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
高速再生/記録が可能な光ピックアップ装置、該光ピックアップ装置に搭載される受光アンプ回路、該受光アンプ回路に備えられる前段アンプ回路に好適に使用できる。
1、1A エミッタ接地増幅回路
2 エミッタ接地増幅回路の能動負荷およびバイアス回路
3 出力回路
3A、3B 出力回路(出力切替回路)
PD1、PD2 フォトダイオード(受光素子)
SW1 エミッタ接地切替スイッチ(第1スイッチ)
SW2、SW3 受光素子切替スイッチ(第2スイッチ)
2 エミッタ接地増幅回路の能動負荷およびバイアス回路
3 出力回路
3A、3B 出力回路(出力切替回路)
PD1、PD2 フォトダイオード(受光素子)
SW1 エミッタ接地切替スイッチ(第1スイッチ)
SW2、SW3 受光素子切替スイッチ(第2スイッチ)
Claims (7)
- いずれか1つのみに光信号が入射され、入射された光信号を電流に変換して出力する複数の受光素子と、
上記受光素子の出力電流を増幅して出力する、上記受光素子毎に1つずつ設けられたエミッタ接地トランジスタを用いた複数のエミッタ接地増幅回路と、
上記光信号が入射された受光素子に接続されているエミッタ接地トランジスタのエミッタを接地させるように切り替わることにより、上記複数のエミッタ接地増幅回路うち、1つのエミッタ接地増幅回路のみ動作させる第1スイッチと、
上記複数のエミッタ接地増幅回路の能動負荷と、上記複数のエミッタ接地増幅回路の出力を入力とし、エミッタフォロワによる出力を行う出力回路とを備えることを特徴とする前段アンプ回路。 - 上記第1スイッチは、電気的スイッチであることを特徴とする請求項1記載の前段アンプ回路。
- 上記前段アンプ回路は、上記受光素子と上記エミッタ接地増幅回路との接続を変更するように設けられ、上記光信号が入射された受光素子のみを、該受光素子用に設けられた上記エミッタ接地増幅回路に接続するように動作する第2スイッチをさらに備えていることを特徴とする請求項1記載の前段アンプ回路。
- 上記第1スイッチおよび上記第2スイッチは、電気的スイッチであることを特徴とする請求項3記載の前段アンプ回路。
- 上記前段アンプ回路は、上記受光素子毎に1つずつ設けられ、上記光信号が入射された受光素子に接続されている回路のみ、上記出力回路と同様な動作を行う複数の出力切替回路をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載の前段アンプ回路。
- 上記請求項1〜5のいずれか1項に記載の前段アンプ回路を備えたことを特徴とする受光アンプ回路。
- 上記請求項6記載の受光アンプ回路を備えたことを特徴とする光ピックアップ装置。
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