JP2007066469A - 受光素子回路及びレーザ発光量制御信号導出方法及び光ピックアップ装置 - Google Patents
受光素子回路及びレーザ発光量制御信号導出方法及び光ピックアップ装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】レーザの光量を正確にモニタし、光ディスクの高倍速記録化・高速記録化が安定して行え、かつ、安価で優れた受光素子回路を提供する。
【解決手段】独立して第1、第2の受光セルPD−A、PD−Bを設ける。ディスク再生レーザパワーの時には、第1の処理回路100により、前記第1と第2の受光セルからの光電変換された電気信号の加算出力を、レーザ駆動回路の制御信号として導き出す。また、ディスク記録レーザパワーの時には、第2の処理回路200により、前記第1と第2の受光セルからのいずれか一方の光電変換された電気信号を前記レーザ駆動回路の制御信号として導き出すようにした。
【選択図】 図3
【解決手段】独立して第1、第2の受光セルPD−A、PD−Bを設ける。ディスク再生レーザパワーの時には、第1の処理回路100により、前記第1と第2の受光セルからの光電変換された電気信号の加算出力を、レーザ駆動回路の制御信号として導き出す。また、ディスク記録レーザパワーの時には、第2の処理回路200により、前記第1と第2の受光セルからのいずれか一方の光電変換された電気信号を前記レーザ駆動回路の制御信号として導き出すようにした。
【選択図】 図3
Description
この発明は、受光素子回路及びレーザ発光量制御信号導出方法及び光ピックアップ装置に関するもので、技術分野としては、CD(コンパクトディスクプレーヤ)、LD(レーザディスクプレーヤ)、DVD(デジタルバーサータイルディスク)、最近では青色レーザを利用したHD DVD等の光ピックアップ装置に使用されて有効な発明である。また受光素子回路は、アンプ内蔵光センサ半導体集積回路とも称され(以下これらを総称してAPC−PDICと略記する)、特にレーザの発光量を自動調整するため、所謂フロントモニタするのに用いられる。
情報読み取り用として赤外レーザを使用するCD(Compact Disk)、赤色レーザを使用するDVD(Digital Versatile Disk)、最近では青色レーザを使用するハイビジョンクラスの映像の記録媒体として規格されているHD DVD(High Definition Digital Versatile Disk)等などがある。これらの光ディスクを用いる記録再生装置における音楽、映画等情報信号の記録/再生は、レーザビームを対物レンズで微小サイズの集光スポットにして光ディスクへ照射する、そして、光ディスクからのレーザ反射光を検出することにより行われている。
このために最近のドライブでは、使用するレーザ光の波長としては、3波長(CD用、DVD用、HD DVD用)にもなる。さらに記録のハイスピード化が進み、CDでは記録52倍速、DVDでは記録16倍速のドライブが発売されており、レーザの光量もそれにともないハイパワーになってきている。
レーザは、各部ミラー等を経由して対物レンズからディスクに照射される。一般的にAPC−PDICは、レーザ光路の途中のミラーの背面に搭載され、そのレーザの一部光量をモニタして電圧に変換し、レーザ駆動回路にフィードバックしている。このフィードバックループによりレーザの光量を一定にすべく、自動パワーコントロール(Auto Power control)が行われる(以下、APCと略記する)。
従来のAPC方式は、1つの受光セルを使用し、レーザ光量をモニタしているため、再生系の仕様と記録系の仕様、この2つの仕様のバランスをとる必要性があった。
再生系の仕様は、周波数帯域は1MHz程度と低くてよいが、雑音レベルは低く、信号出力が大きいことが要求される。
一方、記録系の仕様は、再生系とは逆に、記録パルスを忠実にモニタするため周波数帯域は100MHz以上、低パワーから高パワーまで、倍速記録モードにもよるが、1対10〜150の割合で変化している記録パルスの低パワー側で低雑音が要求される。つまり広帯域、低雑音が要求される。
従来、再生系と記録系で、この相反した仕様のため、両方の仕様のバランス取りが非常に難しかった。また、光ディスクでは、記録後すぐに再生、またその逆に再生後すぐに記録という高速切り替えを要求されるが、従来の回路では、帯域の低い方の切り替え時定数が支配的になり、高速で、記録/再生の切り替えができないという問題があった。
また、従来のAPC−PDICは、レーザ出射光量に対する、APC−PDIC受光光量(モニタ量)を上げると、すなわち光路中のレーザビームパワーに対してモニタする光量の割合を大きく(光量を上げようと)すると、SN良くモニタ信号が得られるが、対物出射パワー、すなわち記録パワーが不足する、逆に、モニタ量を下げると、レーザ光量モニタの十分な感度、十分なモニタ信号電圧が得られないため、SNが悪くなってしまうという問題があった。
また、再生系のSNを上げるため、センサ面積を大きくすると、センサ容量が大きくなる。このセンサ容量の影響で、今度は、再生系の周波数特性のピーキングを抑えるために、センサ容量とほぼ同等の位相補償コンデンサを必要とされ、この結果、周波数帯域は狭くなるので、再生系はこれで問題ない。しかしこの結果、記録時のモニタ周波数帯域が不足、減少してしまうという大きな欠点があった。
このように従来の回路では、再生系の仕様と記録系の仕様には相反する要件が存在し、この2つの仕様のバランスをとる必要性があり、またバランスが重要であるという課題がある。また、上記のようにセンサ面積を大きくし、それに伴い位相補償コンデンサが大きくなると、チップサイズが大きくなり、ICの単価が上がるという大きな欠点もある。
従来の受光素子回路であって、位相補償コンデンサをトランスインピーダンスに並列に入れている受光回路の例を、特許文献1、特許文献2に示す。
特許文献1おいては、必要帯域以外のノイズを減らすための技術が開示されている。この文献1ではノイズ低減方法として、位相補償コンデンサの値を大きくとっている。これは、再生系のノイズ低減のため、再生系の帯域制限をしたことにより、回路の時定数が大きくなり、結果、記録と再生の切り替え時の切り替えスピードが遅くなることを意味している。
さらに、特許文献2おいては、書き込み(記録)モードで高速書き込みに対応し、再生モードでは良好な再生特性を得るための技術が開示されている。この文献2では、書き込み(記録)モードと再生モードで、おのおの専用のトランスインピーダンスとその位相補償コンデンサを設け、スイッチでモードに応じて、おのおの専用のトランスインピーダンスとその位相補償コンデンサを切り替えるようにしている。この特許文献2の実施例においては、書き込み(記録)と再生を分離して、時定数(Rf×Cf)を設定できるので、容易に設計精度を上げることができると記載がある。また、書き込み(記録)と再生では、時定数が異なることも記載があり、特許文献2おいては、PDは1個で回路のトランスインピーダンスとその位相補償コンデンサを複数設け、対策しようとしている。
しかし、これは前述したように、再生系と記録系のバランスが難しいということ、帯域が低いと切り替えする時の時定数が大きくなり高速で切り替えができなくなることを意味している。
特許文献3においても、特許文献2と同様の記述が開示されている。
特許文献4では、電流増幅器を用いた受光素子回路技術が開示されている。この文献4では、複数の電流増幅回路が電流加算された後、電流電圧変換回路により電圧変換及び増幅し出力されるものである。この文献では、記録と再生各々の要求に対して、その仕様のバランスを満足する技術の開示はなく、解決は図られていない。また、記録と再生の高速切り替えについても、同様に技術の開示はなく、解決は図られていない。
特開2000−332546公報
特開2003−187484公報
特開2003−234623公報
特開2003− 23327公報
従来の赤外レーザを利用したCD、赤色レーザを利用したDVDと比較し、近年ではHD DVD等のように青色レーザを利用した光ディスクシステムが開発されている。そして、光ディスクの高記録密度化、さらにはユーザのニーズによる高倍速記録化が進むにつれ、光ディスクの回転速度の高速化が図られている。このために、ピックアップ部(光検出部)において扱う記録再生信号の周波数帯域も約100MHzになっている。この結果、記録レーザパワーは、再生レーザパワーの150倍近いレーザパワーを出射することになり、その低パワーから高パワーが1対150にもなるレーザパワーを正確にモニタし、レーザパワーを安定にするためのAPC制御(Automatic Power Control )の技術開発が、高倍速記録化・高速記録化を実現するためにも、重要になっている。
従来のAPC方式は、1つの受光セルを使用し、レーザ光量をモニタしているため、再生系の仕様と記録系の仕様、この2つの仕様のバランスをとる必要性があった。再生系の仕様は、周波数帯域は1MHz程度と低くてよいが、雑音レベルは低く、信号出力が大きいことが要求される。これに対して記録系の仕様は、再生系とは逆に、記録パルスを忠実にモニタするため周波数帯域は100MHz以上、低パワーから高パワーまで、倍速記録モードにもよるが、1対10〜150の割合で変化している記録パルスの低パワー側で低雑音が要求される。つまり広帯域、低雑音が要求される。
従来、再生系と記録系で、この相反した仕様のため、両方の仕様のバランス取りが非常に難しかった。また、光ディスクでは、記録後すぐに再生、またその逆に再生後すぐに記録という高速切り替えを要求されるが、従来の回路では、帯域の低い方の回路時定数が支配的になり、高速で、記録/再生の切り替えができないという問題があった。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、レーザの光量を正確にモニタし、光ディスクの高倍速記録化・高速記録化が安定して行え、かつ、安価で優れた受光素子回路を提供することを目的とする。またこれに伴い、安定した信頼性の高い、レーザ発光量制御信号導出方法及び光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
上記の問題を解決するために、本発明の一実施形態に係る受光素子回路は、受光セルを2つ設け、ディスク再生レーザパワーの時には、両方の受光セルからの光電変換された電気信号出力を加算して使用し、ディスク記録レーザパワーの時には、いずれか一方の受光セルからの光電変換された電気信号出力のみを使用するように構成したものである。
上記した手段により、感度特性はもちろんのこと、交流特性である周波数帯域、位相特性、スルーレート、群遅延特性等については、再生系、記録系それぞれで、独立して調整可能となり最適化が可能になる。
すなわち、再生系では、レーザパワーが小さいこと、周波数特性は1MHz程度と低くて良いことから、受光セル面積を大きくすることにより、信号レベルを大きくSNを良くすることが可能になる。一方記録系では、再生系のおよそ150倍の非常に大きいレーザパワーが出射されるため、高速パルスを広帯域で受光しなければならないため、再生系の受光セルサイズに比べて小さい受光セルサイズにすることにより、高倍速記録、高速記録に対応することが可能になる。
以上のように、2つの受光セルを使用し、レーザ光量をモニタする方式では、再生系の仕様と記録系の仕様、この2つのバランスが非常にとりやすくなるという効果がある。
受光セルサイズを感度特性、交流特性において最適化したことにより、
再生レーザパワーと記録レーザパワーのレーザパワー比が1対150のような場合にもレーザパワーを正確に、リニアリティ良くモニタし、レーザパワーを安定にするためのAPC制御が容易に行うことが可能になり、この結果、光ディスクの高記録密度化、高倍速記録化が容易になる。
再生レーザパワーと記録レーザパワーのレーザパワー比が1対150のような場合にもレーザパワーを正確に、リニアリティ良くモニタし、レーザパワーを安定にするためのAPC制御が容易に行うことが可能になり、この結果、光ディスクの高記録密度化、高倍速記録化が容易になる。
また、光ディスクでは、記録後すぐに再生、またその逆に再生後すぐに記録という高速切り替えを要求されるが、本発明のAPC−PDICを使用した回路では、帯域の低い方の時定数で切り替えスピードが遅くなるという大きな問題が全くなくなり、高速で記録/再生の切り替えが可能になるという非常に大きい効果がある。
以上のように、本発明では再生系、記録系各々でAC特性の優れた安価なAPC−PDICを提供することが可能になる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明する。以下に示す説明は本発明の一実施の形態であって、本発明の装置及び方法を限定するものではない。
図1は本発明が適用される光ディスク装置の構成を示すブロック図である。最初に、装置の動作概略について説明する。
光ディスク2は読出し専用の光ディスクあるいはユーザデータを記録可能な光ディスクである。光ディスク2はスピンドルモータ3によって回転駆動される。光ディスク2が取り付けられているスピンドルモータ3は、スピンドルモータ制御回路4により、再生データが安定に読み出せるように光ディスク2及びスピンドルモータ3の回転数を制御している。
光ディスク2に対する情報の記録、再生は、光ピックアップヘッド(以下PUHと記載)5によって行われる。PUH5は、ギア7を介してスレッドモータ6と連結されており、スレッドモータ6が回転することにより、PUH5が光ディスク2の半径方向に移動する。このスレッドモータ6はスレッドモータ制御回路8により制御される。
スレッドモータ制御回路8には、CPU9からPUH5のシーク先アドレスが入力され、このアドレスに基づいてスレッドモータ制御回路8はスレッドモータ6を制御する。
PUH5には、図示しないワイヤ或いは板バネによって支持された対物レンズ10が設けられる。対物レンズ10はフォーカス駆動コイル11の駆動によりフォーカシング方向(レンズの光軸方向)への移動が可能であり、又トラッキング駆動コイル12の駆動によりトラッキング方向(レンズの光軸と直交する方向)への移動が可能である。
レーザ光は、レーザ制御回路13内のレーザ駆動回路14により、半導体レーザ15から発せられる。半導体レーザ15から発せられるレーザ光は、コリメータレンズ16、ハーフプリズム17、対物レンズ10を介して光ディスク2上に照射される。
その一方でハーフプリズム17を透過するレーザ光が、APC−PDIC18で電気信号に変換され、レーザ駆動回路14に出力されている。このAPC−PDIC18はいわゆるフロントモニタである。従ってレーザ駆動回路14は、半導体レーザ15から発せられるレーザ光の光量をAPC−PDIC18でモニタし、常にCPU9に指令された光量が出るように制御している。
光ディスク2からの反射光は、対物レンズ10、ハーフプリズム17、集光レンズ19、及びシリンドリカルレンズ20を介して、PDIC1に導かれる。
PDIC1は、例えば4分割の光検出セルから成り、分割された各光検出セルの検知信号は高周波(以下RF)アンプ21に出力される。RFアンプ21は光検知セルからの信号を合成し、フォーカシング用検知信号FE、トラッキング用検出信号TE、全加算信号RFを出力する。
フォーカシング制御回路22は前述のフォーカシング用検知信号FEに基づいて、フォーカス制御信号FCを生成する。フォーカス制御信号FCはフォーカシング方向に対物レンズ10を移動するフォーカス駆動コイル11に供給され、レーザ光が光ディスク2の記録膜上に常時ジャストフォーカスとなるフォーカスサーボが行われる。
トラッキング制御回路23はトラッキング用検知信号TEに基づいてトラッキング制御信号TCを生成する。トラッキング制御信号TCはトラッキング方向に対物レンズ10を移動する駆動コイル12に供給され、レーザ光が光ディスク2上に形成されたトラック上を常にトレースするトラッキングサーボが行われる。上記トラッキング制御回路23によって対物レンズ10が制御されているとき、スレッドモータ制御回路8により、対物レンズ10がPUH5内の所定位置近傍に位置するようスレッドモータ6つまりPUH5が制御される。
チルトセンサ24は光ディスク2にチルト検出用光ビームを照射し、その反射光をPSD(position sensing device)により受光し、ディスク2のチルトを検出する。チルトセンサ24の検知出力すなわちディスクチルト検知信号DTDはチルト制御回路25に供給される。
チルト制御回路25はディスクチルト検出信号DTDに基づいて、ディスクチルト制御信号DTCを生成する。ディスクチルト制御信号DTCはチルト駆動コイル26に供給され、対物レンズ10がディスク2に対してチルトが0になるようにその傾きが制御される。
上記フォーカスサーボ、トラッキングサーボ及びチルト制御がなされることで、PDIC1の4つの光受光セルの出力を全加算した信号「VA+VB+VC+VD」、すなわち加算信号RFには、光ディスク2のトラック上に形成されたピットなどからの反射光の変化が反映される。
このRF信号は、データ再生回路27に供給される。データ再生回路27は、PLL回路28からの再生用クロック信号に基づき、PRML(Partial Response and Most Likelyhood)方式処理により情報を復号する。
復号された情報信号は、CPU9の指令で、バス28を介してRAM29、エラー訂正回路31が使用され、エラー訂正処理される。その後情報信号は、インターフェース回路32から一般的なATAPIインターフェースにより、ドライブ外部のホスト回路33へ送られる。
スピンドルモータ制御回路4、スレッドモータ制御回路8、レーザ制御回路13、PLL制御回路28、データ再生回路27、フォーカス制御回路22、トラッキング制御回路23、エラー訂正回路31、RAM29、ROM30は、バス28を介してCPU9によって制御される。CPU9はインターフェース回路32を介してホスト回路33から提供される動作コマンドに従って、この記録再生装置を総合的に制御する。又CPU9は、RAM29を作業エリアとして使用し、ROM30に記録されたプログラムに従って所定の動作を行う。
これまでは、ディスク2に記録された情報信号の再生について説明したが、情報信号の記録について簡単に説明する。
ドライブ外部のホスト回路33から、ATAPIインターフェースで送られてくる情報信号は、インターフェース回路32を介して、バス28に送られ、エラー訂正回路31、RAM29を使用して、エラー訂正用信号、ヘッダー等の付加情報が、情報信号に付加され、記録信号になる。
この記録信号は、レーザ制御回路13内の変調回路34で8−16変調され、変調された情報信号はレーザ駆動回路14により、半導体レーザ15から、光に変換されて出力される。光出力された記録信号は、コリメータレンズ16、ハーフプリズム17、対物レンズ10を介して光ディスク2上に照射され、光ディスク2上では、光強度に応じた記録信号が記録される。記録信号の再生については、前述した通りなので省略する。
図2は、この発明を理解しやすいように示した基本的な構成例である。従来1つであったPDを分割し、2つとし、1つを再生用、もう1つを記録用としたものである。
再生時は、受光セルPD−AからREAD−OUT端子35へ再生レーザパワーに対応した電流が、出力される。記録時は受光セルPD−BからWRITE−OUT端子36へ記録レーザパワー(記録情報信号)に対応した電流が出力される。
なお上記の再生レーザパワー及び記録レーザパワーを測定するための光は、ディスクからの反射光ではなく、光源からディスクへ向かう光路の途中の光の一部を用いるものである。
図3は、第1の実施例で、図2の基本構成との差異は、スイッチSW4を設けたことである。この実施例では再生時は、スイッチSW4をオン(ON)する信号を切り替え端子37から入力する。すると、受光セルPD−Aと受光セルPD−Bの両方からの再生レーザパワーに対応した電流が合成されて、READ−OUT端子35に出力される。
一方記録時は、スイッチSW4をオフ(OFF)する信号を切り替え端子37から入力する。すると受光セルPD−Bからの記録レーザパワー(記録情報信号)に対応した電流のみがWRITE−OUT端子36へ出力される。
また図3において、点線で囲む部分100は、第1の処理回路であり、この部分の各種の実施例は後述される。また点線で囲む部分200は、第2の処理回路であり、この部分の各種実施例も後述される。したがって、第1と第2の処理回路100、200は、受光セルと同一基板上(第1の基板上)に形成される場合もあるし、又は、この第1の基板と、レーザ駆動回路14が形成される第2の基板上に跨って形成される場合もある。
図4は、図2、図3の実施例で使用された受光セルPD−A、受光セルPD−Bの基板上の形成パターンの一実施例を示したものである。受光セルPD−Aは上述したように、再生時に使用される。再生時はレーザパワーが小さいこと、必要とされる周波数帯域も低くて良いので、大きいサイズのPDセルサイズになっている。しかも再生時には、受光セルPD−Bも活用され、この受光セルPD−Bの出力が受光セルPD−Aの出力に加算されることになる。
一方、受光セルPD−Bは上述したように、記録時に使用される。記録時は再生時のレーザパワーと比較して、倍速数にもよるが、およそ10倍から150倍と大きいこと、必要とされる周波数帯域が高いことから、PDセルサイズは小さいサイズになっている。
図5は、図2の実施例で使用されたPDに、後段の回路であるレーザ駆動回路14を接続した実施例である。受光セルの受光パターンは図4の実施例で使用したものを想定している。尚、図中端子40〜43はレーザ駆動回路14内部なので実際には存在しない。本発明の説明及び理解を容易にするために便宜的に設けたものである。
この実施例では、受光セルPD−Aの出力電流は、再生レーザパワーに対応した電流であり、READ−OUT端子35を経由して、後段のレーザ駆動回路14のREAD−IN端子38に入力される。
受光セルPD−Bの出力電流は、記録情報信号に対応した電流であり、WRITE−OUT端子36を経由して、後段のレーザ駆動回路14のWRITE−IN端子39に入力される。
再生時、レーザ駆動回路14のスイッチSW3は、切り替え端子42からの信号でTIA回路U1側に設定されている。TIA回路は、トランスインピーダンス回路、或いは電流電圧変換回路とも称される。
受光セルPD−Aの出力電流は、端子35、端子38を経由し、レーザ駆動回路14のTIA回路U1に入力され、ここで、再生レーザパワーに対応した電流が電流電圧変換され、加算回路ADD1に出力される。
同時に、受光セルPD−Bからの出力電流も端子36、端子39を経由し、レーザ駆動回路14のTIA回路U2に入力され、ここで再生レーザパワーに対応した電流が電流電圧変換され、スイッチSW3の端子に出力される。
ここで、TIA回路U2からの出力信号と、TIA回路U1からの出力信号とは、加算回路ADD1で加算され、再生レーザパワーに対応した信号としてスイッチSW3を経由して、増幅回路U3に入力される。ここでは、入力がシングルエンド−差動変換され、この増幅回路U3の出力は、出力端子OUT−P40、出力端子OUT−N41を経由してレーザ駆動回路内部のAPC系回路に伝送される。
記録時、レーザ駆動回路14のスイッチSW3は、切り替え端子42からの信号でTIA回路U2側に設定されている。受光セルPD−Bの出力は、端子36、端子39を介してTIA回路U2に入力される。このTIA回路U2では、記録レーザパワー(記録情報信号)に対応した電流が、電流電圧変換されて、出力される。この出力は、TIA回路U2側に設定されているスイッチSW3を経由し、増幅回路U3に入力され、シングルエンド−差動変換される。増幅回路U3の出力は、出力端子OUT−P40、OUT−N41を経由してレーザ駆動回路内部のAPC系回路後段に伝送される。
基準電圧は、基準電圧入力端子43に、レーザ駆動回路内部の基準電圧発生回路から送られ入力され、TIA回路U1、U2、増幅回路U3へ供給される。TIA回路U1、U2は、受光セルPD−A、PD−Bの逆バイアス供給も兼ねている。
図6は、図2の実施例で使用されたPDIC内に、図5の実施例で使用したレーザ駆動回路にあったTIA回路U1,U2をTIA回路U4,U5として内蔵した実施例である。理解が容易なように、その他の素子で図5と同じ機能の部分については同一番号を使用した。
図7は、図3の実施例で使用されたPDIC内に、図5の実施例で使用したレーザ駆動回路にあったTIA回路を内蔵した実施例である。ここでも理解が容易なように、図5、図6と同じ機能の部分については同一番号を使用した。この場合は、レーザ駆動回路14内の加算回路ADD1は、省略される。
図8は、図3の実施例で使用されたPDIC内に、図5の実施例で使用したレーザ駆動回路にあったTIA回路U1,U2をTIA回路U4,U5とし、スイッチSW3、SW4を、内蔵した例である。したがってこの場合は、図5の端子35、36が、端子47でまとめられており、端子47は、再生と記録で共有される。
図9は、図3の実施例で使用されたPDIC内に、図5の実施例で使用したレーザ駆動回路にあったTIA回路U1,U2をTIA回路U4,U5とし、スイッチSW3、SW4を内蔵し、また先の増幅器U3を増幅器U6として、内蔵した例である。増幅器U6に入力した信号は、シングルエンド−差動変換され、差動出力端子OUT−P44、OUT−N45から出力される。この例でも、出力信号ラインが再生と記録で共有している。
基準電圧は、基準電圧入力端子46に、レーザ駆動回路内部の基準電圧発生回路(図示していない)から送られて入力され、TIA回路U4、U5、U6へ供給される。TIA回路U4、U5は受光セルPD−A、PD−Bの逆バイアス供給も兼ねている。
図10は、図3の実施例で使用されたPDIC内に、図5の実施例で使用したレーザ駆動回路14にあったTIA回路U1,U2をTIA回路U4,U5として内蔵し、スイッチSW3を内蔵し、さらに増幅回路U6、加算回路ADD1を内蔵した例である。増幅回路U6に入力した信号は、シングルエンド−差動変換され、差動出力端子OUT−P44、OUT−N45から出力される。この例でも、出力信号ラインが再生と記録で共有している。
基準電圧は、基準電圧入力端子46に、レーザ駆動回路内部の基準電圧発生回路から送られ入力され、TIA回路U4,U5、U6へ供給される。またTAI回路U4、U5は受光セルPD−A、PD−Bの逆バイアスも兼ねる。
再生時は、切り替えスイッチSW3が加算回路ADD1の出力を選択するように、切り替え端子37から制御信号が入力する。再生時は、受光セルPD−Aの出力は、TIA回路U4により電流電圧変換されて加算回路ADD1に入力される。同時に、受光セルPD−Bの出力も、TIA回路U5により電流電圧変換されて、加算回路ADD1に入力される。加算回路ADD1の出力は、スイッチSW3を介して増幅器U6で増幅されて、出力端子OUT−P44、OUT−N45に出力される。この出力は、再生動作をしているレーザ駆動回路内部のAPC系回路に伝送される。
記録時は、スイッチSW3が、TIA回路U5の出力を選択するように、切り替え端子37から制御信号が入力する。受光セルPD−Bの出力は、TIA回路U5により、電流電圧変換されてスイッチSW3に出力される。その後、増幅器U6で、シングルエンド−差動変換され、出力端子OUT−P44、OUT−N45を経由して、記録動作をしているレーザ駆動回路内部のAPC系回路に伝送される。
図10の実施例を含め、これまで説明してきたように、本発明により、再生用と記録用で各々最適な受光セルサイズを選択できるようになった。
一般的に、レーザの光量を一定にするための、フロントモニタ方式でのAPCは、レーザの出射光量の1%〜0.1%の光量を、APC−PDICに割り振っている。特に、再生用は、レーザパワーが小さく、使用帯域が狭い。従って、PD出力を増幅するアンプゲインがあまり大きくならないように、受光セルの受光面積を大きくとる必要がある。出力オフセット、温度ドリフト等の特性が悪くなるからである。
受光面積を大きくすると、その面積に対応し容量が大きくなるために、自然に回路の周波数帯域は減少する。しかし再生用はこのような仕様なので、全く問題ない。
受光セルとして一方記録用は、再生用と同じような面積にするわけにはいかない。高倍速記録に対応して、全体の周波数特性を広帯域にし、高速な記録信号を歪なく検出して、レーザ駆動回路に帰還する必要があるからである。このため、再生と同様に大きな面積にすると、その容量分、ループの周波数帯域の上限は自然に低い周波数に落ちるので、問題である。
しかし本発明では、従来のように受光セルは1つではなく、2つであり、再生と記録とで、別々にサイズを決定できる大きな特長がある。そこで記録用の受光セルは、容量が小さくなる小面積の受光セルとし、この結果、広帯域の周波数特性を持たせることができる。さらに記録のレーザパワーは再生のレーザパワーよりも、10倍〜150倍大きいパワーなので、受光面積が減少しても全く問題ない。
また、このように受光セルを再生と記録で分割し、さらにその後段の増幅回路も各々の受光セルに対応して設けたている。このために、記録と再生の回路の切り替え、記録/再生モードの切り替えスピードは、従来のように、回路の帯域によって決まる時定数により劣化することなく、スイッチで高速に記録と再生を切り替えが可能になる。つまり図10の回路構成から分かるように記録/再生モードの切り替えスピードが劣化する時定数が関係する寄生回路のない、シンプルに回路になっているからである。
これ以降に説明する実施例についても全く同様の特長、効果がある。図10の実施例を含め、これまで説明してきた実施例では、PDICの基準電圧の供給をPDIC外部から行ってきたが、図11の実施例では、PDIC内部に、基準電圧発生回路Vrefを設けたものである。PDIC自身の温度上昇、周辺の温度上昇が発生しても安定な出力が得られる。基準電圧と内部の動作電圧との相対的な設定電位関係は、温度上昇などに影響されず維持されるからである。
これまでの実施例では、受光セルから出力されるレーザパワーに対応した電流の電流電圧変換に、電流電圧変換回路を使用していたが、これとは別の実施例について説明する。
図12は、これまでの実施例と異なり、受光セルから出力されるレーザパワーに対応した電流を電流電圧変換する前に、電流増幅回路により、レーザパワーに対応した電流を増幅した後、電流電圧変換回路を使用し、電流電圧変換する回路方式である。
詳細には、スイッチSW4をオン(ON)すると受光セルPD−Aと受光セルPD−Bの両方からの再生レーザパワーに対応した電流が合成されて、電流アンプU7により電流増幅される。スイッチSW4をオフ(OFF)すると、受光セルPD−Bの電流出力は、電流アンプU8により電流増幅される。その後、スイッチSW3により選択された電流アンプU7或いはU8の出力電流は、電流電圧変換回路であるTIA回路U10により電流電圧変換されて増幅器U6へ出力され、増幅器U6は電圧に変換された再生レーザパワーに対応した信号を、シングルエンド−差動出力変換して、出力端子OUT−P44、OUT−N45に各々出力する。
この実施例では、再生と記録で、増幅器U6からの差動出力を出力端子OUT−P44、OUT−N45の出力信号ラインで共有した実施例である。
基準電圧は、基準電圧入力端子46に、レーザ駆動回路内部の基準電圧発生回路(図示していない)から送られ入力され、TIA回路U10、増幅器U6へ供給される。
次に再生、記録動作について説明する。再生時は、スイッチSW4をオン(ON)、切り替えスイッチSW3が電流アンプU7の出力を選択するように、制御信号が切り替え端子37に与えられる。再生時、受光セルPD−Aの出力電流は、スイッチSW4をオン(ON)なので、受光セルPD−Bの出力電流と合成され、電流アンプU7より電流増幅され、スイッチSW3を経由して出力される。スイッチSW3の電流出力は、電流電圧変換回路であるTIA回路U10により、電流電圧変換されて増幅器U6へ出力され、増幅器U6は電圧に変換された再生レーザパワーに対応した信号を、シングルエンド−差動出力変換して、出力端子OUT−P44、出力端子OUT−N45に各々出力する。出力端子OUT−P44、出力端子OUT−N45に各々出力された再生レーザパワーに対応した信号は、再生動作をしているレーザ駆動回路内部のAPC系回路に伝送される。
記録時は、スイッチSW4をオフ(OFF)、切り替えスイッチSW3が、電流アンプU8の出力を選択するように、制御信号が切り替え端子37に与えられる。記録時、スイッチSW4をオフ(OFF)なので、受光セルPD−Bの電流出力のみが、電流アンプU8により電流増幅され、スイッチSW3を経由して出力される。スイッチSW3の電流出力は、電流電圧変換回路であるTIA回路U10により、電流電圧変換されて増幅器U6へ出力され、増幅器U6は電圧に変換された記録レーザパワー(記録情報信号)を、シングルエンド−差動出力変換して、出力端子OUT−P44、出力端子OUT−N45に各々出力する。出力端子OUT−P44、出力端子OUT−N45に各々出力された記録レーザパワー(記録情報信号)は、記録動作をしているレーザ駆動回路内部のAPC系回路に伝送される。
図13は、さらに別の実施例である。図12と共通する部分には図12と同一符号を付している。
図13は、電流アンプU7とU8の出力を電流加算する加算回路ADD1を、設けた回路方式である。受光セルPD−Aの電流出力は、電流アンプU7により電流増幅され、受光セルPD−Bの電流出力は、電流アンプU8により電流増幅される。電流アンプU7とU8により電流増幅された各信号は、電流加算回路ADD1により電流加算され、スイッチSW3の一方の入力端子に供給される。スイッチSW3の他方の入力端子には、電流アンプU8の出力信号が供給されている。
スイッチSW3により選択された受光セルPD−AとPD−Bの加算信号、あるいはPD−Bの電流出力は、電流電圧変換回路であるTIA回路U10により、電流電圧変換されて増幅器U6へ出力され、増幅器U6は電圧に変換された再生レーザパワーに対応した信号を、シングルエンド−差動出力変換して、出力端子OUT−P44、出力端子OUT−N45に各々出力する。
この実施例では、再生と記録で、増幅器U6からの差動出力を端子OUT−P44、OUT−N45の出力信号ラインで共有している。基準電圧は、基準電圧入力端子46に、レーザ駆動回路内部の基準電圧発生回路から送られ入力され、TIA回路U10、増幅器U6へ供給される。
次に、再生、記録動作について説明する。再生時は、スイッチSW3が加算回路ADD1の出力を選択するように、制御信号が切り替え端子37に与えられる。再生時、受光セルPD−Aの電流出力は、電流アンプU7により電流増幅され、また受光セルPD−Bの電流出力は、電流アンプU8により電流増幅される。
電流アンプU7、U8により電流増幅された電流出力は、電流加算回路ADD1により電流加算され、スイッチSW3で選択され、TIA回路U10に供給される。TIA回路U1の出力信号は、増幅器U6へ出力され、増幅器U6は電圧に変換された再生レーザパワーに対応した信号を、シングルエンド−差動出力変換して、出力端子OUT−P44、出力端子OUT−N45に各々出力する。出力端子OUT−P44、出力端子OUT−N45に各々出力された再生レーザパワーに対応した信号は、再生動作をしているレーザ駆動回路内部のAPC系回路に伝送される。
記録時は切り替えスイッチSW3が、電流アンプU8の出力を選択するように、制御信号が切り替え端子37に与えられる。記録時、受光セルPD−Bから記録レーザパワー(記録情報信号)に対応した電流が出力され、その電流出力は、電流アンプU8により電流増幅される。スイッチSW3を経由して出力される受光セルPD−Bの電流出力は、電流電圧変換回路であるTIA回路U10により、電流電圧変換されて、増幅器U6へ出力される。増幅器U6は電圧に変換された記録レーザパワー(記録情報信号)を、シングルエンド−差動出力変換して、出力端子OUT−P44、出力端子OUT−N45に各々出力する。出力端子OUT−P44、出力端子OUT−N45に各々出力された記録レーザパワー(記録情報信号)は、記録動作をしているレーザ駆動回路内部のAPC系回路に伝送される。
図14に、電流増幅回路の一実施例を示す。この実施例では、電流増幅回路に、カレントミラー回路を示した。カレントミラー回路は、トランジスタのバイアス回路や能動負荷などとして広く用いられている。カレントミラー回路は、あるリファレンス電流Irefを流しておき、そのリファレンス電流Irefに比例する出力電流Ioutを得る回路である(リファレンス電流=出力電流として使用する場合が多い)。
図14において、2つのpnpトランジスタQ1,Q2の特性は、説明を簡単にするために、等しいとする。トランジスタQ1,Q2のエミッタには電圧Vccが印加されている。また、トランジスタQ1のベースとコレクタとは短絡され、そのトランジスタQ1のコレクタは、基準電流Irefを流す電流源を介して接地されている。さらに、トランジスタQ1,Q2の各ベースは互いに接続されている。
このカレントミラー回路において、トランジスタQ1はそのベースとコレクタとが短絡しているためダイオードとして動作し、トランジスタQ1に基準電流Irefが流れる。このとき、トランジスタQ1,Q2の特性は等しく、かつそれらベース・エミッタ間に印加される電圧は等しいので、トランジスタQ2には、トランジスタQ1に流れる参照電流Irefと等しい大きさの電流(出力電流Iout)が流れる。
以上、カレントミラー回路について説明したが、回路構成、消費電力、その他の仕様を考慮して、同様の機能、性能が得られる他の回路方式を使用できることは、同業者であれば容易に類推できるところである。
図15に、図14で説明したカレントミラー回路を使用した実施例を示す。図13の回路がベースになっている。受光セルPD−Aの出力は、トランジスタQ1,Q2からなるカレントミラー回路の基準電流源側(トランジスタQ1のコレクタ)に供給される。トランジスタQ2のコレクタ出力は、スイッチSW4の一方の入力端子に接続される。このカレントミラー回路は、1入力1出力タイプである。
また受光セルPD−Bの出力は、トランジスタQ3,Q4,Q5からなるカレントミラー回路の基準電流源側(トランジスタQ3のコレクタ)に供給される。トランジスタQ4のコレクタ出力は、スイッチSW4の他方の入力端子に接続される。さらにトランジスタQ5のコレクタ出力は、先のトランジスタQ2のコレクタ出力と加算すべく共通接続されている。このカレントミラー回路は、1入力2出力タイプである。
前述したように、再生は記録時のように、広帯域を必要としないこと、再生時のレーザパワーは小さいので、再生側であるトランジスタQ1、Q2の電流比は大きくとる。電流比は、例えば、エミッタ面積で調整される。また、最終的には電流加算されるトランジスタQ3、Q5の電流比も大きくとり、トランジスタQ2出力電流とスイッチSW3の手前の入力部で合成される。
一方記録時は、広帯域を必要とし、記録時のレーザパワーは大きいので、記録側であるトランジスタQ3、Q4の電流比は小さくとる。そして前述の図13の例と同様にスイッチSW3で、記録/再生各々をシステムからの要求に従って、選択的に切り替えられ、レーザ駆動回路内部(図示していない)のAPC系回路に伝送される。
光ディスクでは、記録後すぐに再生、またその逆に再生後すぐに記録という高速切り替えを要求されるが、これまで図2〜図15までの実施例で説明してきたように、本発明の2つの受光セルを使用したAPC−PDICでは、記録と再生で回路が完全に別々なので、帯域の低い方の時定数で切り替えスピードが遅くなるという大きな問題が全くなくなり、高速で記録/再生の切り替えが可能になるという非常に大きい効果がある。
次に、図16〜図18に受光セル、PD(Photo detector)セルのパターン実施例をいくつか示す。図中、ハッチング部が受光セル部である。図16は二重丸タイプであり、外側の領域が受光セルPD−A,内側の領域が受光セルPD−Bである。図17は二重四角タイプ、外側の領域が受光セルPD−A,内側の領域が受光セルPD−Bである。図18は丸と四角を組み合わせた例であり、外側の領域が受光セルPD−A,内側の領域が受光セルPD−Bである。
いずれの図の実施例も、内側を記録用受光セル(PD−B)としている。レーザビームの光量強度分布は内側が強いからである。その分、受光セルサイズを小さくでき、周波数帯域を上げることが可能になる。
図18の実施例は、図4の例と四角の受光セルの向きが異なる。要は、形にこだわる必要は全くなく、APC−PDICの使用形態、回路配置、感度、周波数帯域により、自由に決定できるが、歩留まり、価格、APC−PDICの位置ズレ、使用波長、光源バラツキ、APC−PDIC自身のバラツキ、等々を考慮し、バランス良く、メリットデメリットを考慮して、受光セルサイズを決定することが重要である。また、2つの受光セルで、仕様を満足することが困難な場合は、2つの以上の複数セルにさらに分割しても良い。本発明は分割数を制限するものではない。
図19の実施例は、分割数を3つにした場合である。この実施例では、再生用であるPD−Aを外側のPD−A1と最も内側のPD−A2の2つに分割し、2のセルを金属で配線、例えばアルミあるいは銅で、配線(図示せず)で接続して等価的に受光セルPD−Aとして使用する。一方記録用の受光セルPD−Bは、図に示すように内側から2つの目の受光セルを使用する。この受光セルの形状は、レーザビームの位置ズレに強いことが特長である。
このように本発明によれば、従来の1受光セル方式に比べ、記録と再生仕様のバランスがとり易いことが、位置ズレに強いこと、記録/再生の切り替えスピードが速いことが大きな特長であり、効果である。
また、対応する受光セルが非能動状態(セル出力を非採用)のときは、対応するTIA回路或いは電流アンプの出力回路は、出力をハイインピーダンスとされる。このように設定することは、能動状態(出力使用状態の経路)の周波数特性の劣化を防止する上で有効である。
図20は、上記ハイインピーダンスを実現する回路の一例である。トランジスタQ11はエミッタフォロワ回路を形成し、トランジスタQ12,抵抗Z1,Z2,ダイオードD1が定電流回路を構成し、エミッタフォロワ回路に定電流を流すことができる。このエミッタフォロワ回路の能動状態、非能動状態の切り替えは、インバータINV、トランジスタQ13,Q14で構成される回路により実現される。
切り替え信号がハイレベルのときは、トランジスタQ13,Q14はオフとなり、エミッタフォロワ回路は能動状態となる。このときは、入力信号が、トランジスタQ11のエミッタから出力される。逆に切り替え信号がローレベルになると、トランジスタQ13,Q14はオンとなり、エミッタフォロワ回路は非能動状態となり、その出力インピーダンスがハイインピーダンスとなる。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
1…受光素子回路(PDIC)、2…光ディスク、4…光ピックアップヘッド(PUH)、10…対物レンズ、15…半導体レーザ、18…受光素子回路(APC−PDIC)、PD−A、PD−B…受光素子、U1、U2…電流電圧変換回路(TIA回路)、U3、U6…増幅回路、U7、U8…電流アンプ、SW3、SW4…スイッチ、Rf…トランスインピーダンス、Cf…位相補償コンデンサ、ADD1…加算回路、Vref…基準電圧発生回路、37…切り替え端子、46…基準電圧入力端子。
Claims (20)
- 光ディスク装置のレーザの発光量をモニタする受光素子回路において、
第1、第2の受光セルと、
ディスク再生レーザパワーの時には、前記第1と第2の受光セルからの光電変換された電気信号の加算出力を、レーザ駆動回路の制御信号として導き出す第1の処理回路と、
ディスク記録レーザパワーの時には、前記第1と第2の受光セルからのいずれか一方の光電変換された電気信号を前記レーザ駆動回路の制御信号として導き出す第2の処理回路と、
を具備したことを特徴とする受光素子回路。 - 前記第1と第2の受光セルからの光電変換された電気信号の加算出力をレーザ駆動回路の制御信号とする第1の処理回路は、
ディスク再生レーザパワーの時には、前記第1と第2の受光セルの光電変換された電気信号を加算するアナログスイッチをオンして前記加算出力を得ている
ことを特徴とする請求項1記載の受光素子回路。 - 前記第1と第2の受光セルからの光電変換された電気信号の加算出力をレーザ駆動回路の制御信号とする第1の処理回路は、
前記第1と第2の受光セルの光電変換された電気信号を加算する加算回路から前記加算出力を得ている
ことを特徴とする請求項1記載の受光素子回路。 - 前記第1の処理回路は、
ディスク再生レーザパワーの時に前記第1と第2の受光セルの光電変換された電気信号を、オンすることで加算するアナログスイッチと、前記アナログスイッチからの加算出力を増幅する第1の増幅回路を含み、
前記第2の処理回路は、
ディスク記録レーザパワーの時に前記アナログスイッチがオフした状態で、前記第2の受光セルからの光電変換された電気信号を増幅する第2の増幅回路を含むことを特徴とする請求項1記載の受光素子回路。 - 前記第1の処理回路は、前記第1の受光セルから光電変換された電気信号を増幅する第1の増幅回路を有し、
前記第2の処理回路は、前記第2の受光セルから光電変換された電気信号を増幅する第2の増幅回路を有し、
前記第1と第2の増幅回路の出力が、切り替えスイッチにより選択的に導出されるように構成されたことを特徴とする
請求項1記載の受光素子回路。 - さらに、前記第1と第2の処理回路の出力が供給され、いずれか一方を選択導出する切り替えスイッチと、
前記切り替えスイッチの出力信号をバッファし、シングルエンド出力あるいは差動出力で信号出力する増幅回路と、
を有することを特徴とする請求項1記載の受光素子回路。 - 前記第1と第2の処理回路は、それぞれ、前記第1と第2の受光セルの光電変換された電気信号を増幅する電流増幅回路を含む
ことを特徴とする請求項1記載の受光素子回路。 - 前記第1と第2の処理回路の出力のいずれか一方を選択する切り替えスイッチと、
前記切り替えスイッチの出力を電流電圧変換する電流電圧変換回路と、
電流電圧変換された信号をバッファし、シングルエンド出力あるいは差動出力で信号出力する増幅回路を有する
ことを特徴とする請求項1記載の受光素子回路。 - 前記第1と第2の処理回路の出力のいずれか一方を選択する切り替えスイッチと、
前記切り替えスイッチの出力を電流電圧変換する電流電圧変換回路と、
電流電圧変換された信号をバッファし、シングルエンド出力あるいは差動出力で信号出力する増幅回路を有し、
さらに前記第1の処理回路は、前記第1と第2の受光セルの光電変換された電気信号を加算するアナログスイッチを含む
ことを特徴とする請求項1記載の受光素子回路。 - 前記第1と第2の処理回路の出力のいずれか一方を選択する切り替えスイッチと、
前記切り替えスイッチの出力を電流電圧変換する電流電圧変換回路と、
電流電圧変換された信号をバッファし、シングルエンド出力あるいは差動出力で信号出力する増幅回路を有し、
さらに前記第2の処理回路は、前記第2の受光セルの光電変換された電気信号を増幅し前記切り替えスイッチに出力する第2の電流増幅器を有し、
また、前記第1の処理回路は、前記第1受光セルの光電変換された電気信号を増幅する第1の電流増幅器と、前記第1の電流増幅器と前記第2の電流増幅器の出力を加算し、前記切り替えスイッチに出力する加算回路を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の受光素子回路。 - 前記第1及び第2の処理回路を搭載した基板と同一基板上に基準電圧発生回路を形成していることを特徴とする請求項1記載の受光素子回路。
- 前記第1及び第2の処理回路の出力段の回路として、非能動状態に制御された時は、信号出力をハイインピーダンス状態にする回路を採用していることを特徴とする請求項1記載の受光素子回路。
- 前記第1、第2の受光セルは、基板上にパターン形成され、記録用に用いられる第2の受光セルの領域が、第1の受光セルの領域より小さく形成されていることを特徴とする請求項1記載の受光素子回路。
- 光ディスク装置のレーザの発光量制御信号を導出する方法において、
第1、第2の受光セルと、第1の処理回路と、第2の処理回路とを用い、
ディスク再生レーザパワーの時には、前記第1の処理回路から前記第1と第2の受光セルからの光電変換された電気信号の加算出力をレーザ駆動回路の制御信号として導き出し、
ディスク記録レーザパワーの時には、前記第2の処理回路から前記第1と第2の受光セルからのいずれか一方の光電変換された電気信号を前記レーザ駆動回路の制御信号として導き出す、
ことを特徴とするレーザ発光量制御信号導出方法。 - 前記第1の処理回路から前記加算出力を得るために、
ディスク再生レーザパワーの時には、アナログスイッチをオンして前記第1と第2の受光セルの光電変換された電気信号を加算する
ことを特徴とする請求項14記載のレーザ発光量制御信号導出方法。 - 前記第1の処理回路から前記加算出力を得るために、
前記第1と第2の受光セルの光電変換された電気信号を加算回路により加算する
ことを特徴とする請求項14記載のレーザ発光量制御信号導出方法。 - ディスク再生レーザパワーと、ディスク記録レーザパワーとが切り替えられる光ディスク装置の光ピックアップ装置において、レーザの光路の途中でレーザ発光量をモニタする受光素子回路が、
第1、第2の受光セルと、
ディスク再生レーザパワーの時には、前記第1と第2の受光セルからの光電変換された電気信号の加算出力を、レーザ駆動回路の制御信号として導き出す第1の処理回路と、
ディスク記録レーザパワーの時には、前記第1と第2の受光セルからのいずれか一方の光電変換された電気信号を前記レーザ駆動回路の制御信号として導き出す第2の処理回路と、
を具備したことを特徴とするピックアップ装置。 - 前記第1の処理回路と第2の処理回路は、
前記第1と第2の受光セルが形成されている基板と同一基板に形成されていることを特徴とする請求項1記載の受光素子回路。 - 前記第1の処理回路と第2の処理回路は、
前記第1と第2の受光セルが形成されている第1の基板と、前記レーザ駆動回路が形成されている第2の基板とに跨って形成されていることを特徴とする請求項1記載の受光素子回路。 - 前記第2の処理回路は、
前記第2の受光セルの光電変換された電流出力を増幅する1入力2出力タイプの第2のカレントミラー回路を有し、
前記第1の処理回路は、
前記第1の受光セルの光電変換された電流出力を増幅する1入力1出力タイプの第1のカレントミラー回路と、
前記第1のカレントミラー回路の出力部と第2のカレントミラー回路の1出力部を結合して、前記加算出力を得る加算部と、
を有することを特徴とする請求項1記載の受光素子回路。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080808 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20090427 |