JP2002050066A - 光ピックアップ回路及び光ピックアップ方法 - Google Patents

光ピックアップ回路及び光ピックアップ方法

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JP2002050066A
JP2002050066A JP2000232602A JP2000232602A JP2002050066A JP 2002050066 A JP2002050066 A JP 2002050066A JP 2000232602 A JP2000232602 A JP 2000232602A JP 2000232602 A JP2000232602 A JP 2000232602A JP 2002050066 A JP2002050066 A JP 2002050066A
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circuit
output voltage
potential
photodiode
predetermined potential
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JP2000232602A
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Akifumi Shimizu
昌文 清水
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、入力波形と比べた出力電圧波形の
広がりを抑制することにより、光ディスクに照射するレ
ーザ光のトラッキングおよびフォーカシングを行うため
の時間を十分確保することができる光ピックアップ回路
及び光ピックアップ方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 フォトダイオードPDとプッシュプル回
路10との間に設けられ、差動増幅回路Amp(前段増
幅回路)の出力電圧が基準電位VCから前記所定電位に
変化しさらに当該所定電位から基準電位VCに変化する
際に光ディスクからの反射光のパワーの変化に対応して
変化し、この場合において当該反射光のパワーが強すぎ
るときにトランジスタの飽和に主因して引き起こされる
回路の反応遅延を抑制するクリップ回路11を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CD(Compa
ct Disc:コンパクト光ディスク)やCD−R
(Compact Disc−Recordable:
追記型コンパクト光ディスク)等の光ディスクに記録さ
れたデータを読み取る光ピックアップ技術に係り、特に
入力波形と比べた出力電圧波形の広がりを抑制すること
により、光ディスクに照射するレーザ光のトラッキング
およびフォーカシングを行うための時間を十分確保する
ことができる光ピックアップ回路及び光ピックアップ方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光ピックアップ回路は、特にCD
(Compact Disc:コンパクト光ディスク)
やCD−R(Compact Disc−Record
able:追記型コンパクト光ディスク)等の光ディス
クに記録されたデータを読み取るために用いられてい
る。このような光ピックアップ回路は、従来は一般的に
読み取り専用のCD−ROM等に用いられていたが、近
年、記録も可能なCD−Rにも用いられるようになって
きた。
【0003】一般に、CD−R用の光ディスクにデータ
を記録する場合、再生時よりも強いパワーのレーザ光を
光ディスクのトラック上に照射すると、光ディスク内の
有機色素層において、レーザ光が照射された箇所の色素
が分解され、さらに当該有機色素層の下層に設けられて
いるプレグルーブ(レーザ光を誘導するための案内溝)
が盛り上がる。
【0004】これにより、再生時において、光ディスク
のトラックに記録時よりも弱いパワーのレーザ光を、色
素が分解された箇所の下層のプレグルーブが盛り上がっ
た箇所に照射すると、レーザ光の一部が乱反射するた
め、光ディスクからの反射光のパワーが減少する。
【0005】一方、色素が分解されなかった箇所に再生
時に記録時よりも弱いパワーのレーザ光を照射した場合
は、上述したような乱反射が生じないので、その反射光
はより強いパワーとなる。これにより、反射光のパワー
の強弱を検出することで、光ディスクに記録されたデー
タを読み取ることができる。
【0006】なお、一般のCDの場合は、レーザ光がト
ラック上に設けられたピットに照射されるとその反射光
のパワーが低下し、ランドに照射されるとその反射光の
パワーは増加する。
【0007】次に、光ディスクからの反射光の強弱を検
出する光ピックアップ回路200の構成を図3に示す。
図3に示す光ピックアップ回路200は、フォトダイオ
ードPDと、フォトダイオードPDで発生した電流信号
を電圧信号に変換するオペアンプ構成の電流−電圧変換
回路を備えている。
【0008】フォトダイオードPDはエピタキシャル−
サブストレート構造となっており、光ディスクからの反
射光のパワーが小さいほど、帰還抵抗素子R1を介して
出力端子側からフィードバックされる帰還電流を通過さ
せる量が減少する特性を備え、さらに、反射光のパワー
が大きいほど、より多くの帰還電流がフォトダイオード
PDを通過して接地電位GNDに流れる特性を備えてい
る。
【0009】上述した電流−電圧変換回路は、差動増幅
回路Amp(前段増幅回路)とプッシュプル回路10と
により構成されており、差動増幅回路Amp(前段増幅
回路)とプッシュプル回路10には電源電圧Vccが供
給されている。
【0010】差動増幅回路Amp(前段増幅回路)の入
力端子3(反転入力端子)にはフォトダイオードPDの
カソードが接続され、入力端子2(非反転入力端子)に
は基準電圧VC(<Vcc)が印加されている。なお、
上述した基準電圧VCは、電源電圧Vccの1/2の電
圧(=Vcc/2)に設定されているものとする。
【0011】プッシュプル回路10は、pnpトランジ
スタQ7,Q10と、npnトランジスタQ8,Q9を
備えている。pnpトランジスタQ7のベースとnpn
トランジスタQ8のベースとが互いに接続されてプッシ
ュプル回路10の入力端となっており、当該入力端が差
動増幅回路Amp(前段増幅回路)の出力端子1と接続
されている。
【0012】npnトランジスタQ9のエミッタとpn
pトランジスタQ10のエミッタとの接続点がプッシュ
プル回路10の出力端Voutとして負荷に接続される
とともに、帰還抵抗素子R1を介して差動増幅回路Am
p(前段増幅回路)の入力端子3(反転入力端子)に接
続されている。
【0013】また、npnトランジスタQ9のベースと
pnpトランジスタQ7のエミッタが接続され、当該接
続点と電源電圧Vccとの間にpnpトランジスタQ5
と抵抗素子R5を備えた定電流源I1が接続されてい
る。pnpトランジスタQ5に流れる電流は、定電流源
I3とpnpトランジスタQ3とpnpトランジスタQ
5、抵抗素子R3と抵抗素子R5で構成されたカレント
ミラー回路によって決定される。
【0014】上記の構成による光ピックアップ回路20
0においては、フォトダイオードPDに照射される光デ
ィスクからの反射光が、弱いパワーから強いパワーに変
化した場合、帰還抵抗素子R1を介してフォトダイオー
ドPDに流れ込む帰還電流の量が増加するので、差動増
幅回路Amp(前段増幅回路)の出力電流が増加すると
ともに、npnトランジスタQ9のベース−エミッタ間
電圧VBEと定電流源I1で決定される電圧まで上昇す
る。
【0015】また、フォトダイオードPDに照射される
光ディスクからの反射光が、強いパワーから弱いパワー
に変化した場合、帰還抵抗素子R1を介してフォトダイ
オードPDに流れ込む帰還電流の量が減少するので、差
動増幅回路Amp(前段増幅回路)の出力電流が減少す
るとともに、出力電圧が基準電圧VCまで低下する。
【0016】なお、上述した光ピックアップ回路200
は、通常IC化され、フォトダイオードPDとして製品
化される。
【0017】また、CD−RやCDにおいては、対物レ
ンズを通して照射したレーザ光が常に光ディスクのトラ
ックを正確にトレースできるように、CD−Rにおいて
は記録時と再生時の双方において、CDにおいては再生
時において、常時、光ディスクに照射するレーザ光のト
ラッキング(トラックに対する位置の制御)を行ってい
る。また、照射したレーザ光の焦点が光ディスクの表面
上で合焦するように、上記対物レンズの位置を制御して
フォーカシング(ピント制御)を行っている。
【0018】図4は図3の光ピックアップ回路200で
実行するピント制御を説明するための図である。上記ト
ラッキングおよびフォーカシングを行うために、まず、
解析格子を通してレーザ光を光ディスク照射すること
で、図4(a)に示すように、トラックに対して、メイ
ンスポットMS(データ読み取り用のビームスポット)
と、このメインスポットMSの前後に、それぞれビーム
スポット(以下、サイドスポットSS)を照射する。
【0019】ここで、2つのサイドスポットSSは、ト
ラックの中心線T(図4(b)参照)を挟んで光ディス
クの半径方向に、それぞれ同量ずつずれて照射されるも
のとする。
【0020】また、上述した各スポットを受光するため
に、6つの光ピックアップ回路200(図3,図4
(a)参照)を配置する。ここで、フォトダイオードP
D1、フォトダイオードPD2は、それぞれサイドスポ
ットSSを受光するためのフォトダイオードPDであ
り、フォトダイオードPD3〜フォトダイオードPD6
は、メインスポットMSを受光するためのフォトダイオ
ードPDである。
【0021】ここで、フォトダイオードPD3〜フォト
ダイオードPD6は、トラックの中心線T(図4(b)
参照)と、メインスポットMSの中心点とが一致した時
に、光ディスクから反射されたメインスポットMSの中
心点がフォトダイオードPD3〜フォトダイオードPD
6の中心線C(図4(a)参照)上に位置するように配
置されている。
【0022】また、フォトダイオードPD3〜フォトダ
イオードPD6は、光ディスクに照射したレーザ光の焦
点が光ディスクの表面上で合焦した時に受光したメイン
スポットMSの形状が、真円となるような位置(後述)
に配置されている。
【0023】上述した光ピックアップ回路200におい
ては、例えば、光ディスクに照射されたメインスポット
MSの中心点が、トラックの中心線Tから光ディスクの
半径方向にずれた場合、フォトダイオードPD1とフォ
トダイオードPD2の受光量に差が生じ、それぞれに対
応する光ピックアップ回路200から出力される電圧に
差が生じる。
【0024】一方、トラックの中心線T上にメインスポ
ットMSの中心点が位置するように照射された場合は、
フォトダイオードPD1とフォトダイオードPD2の受
光量が等しくなり、それぞれに対応する光ピックアップ
回路200から出力される電圧が等しくなる。よって、
レーザ光のトラッキングは、フォトダイオードPD1、
フォトダイオードPD2をそれぞれ有する各光ピックア
ップ回路200の出力電圧が一致するように、光ディス
クの半径方向におけるレーザ光の照射位置を制御するこ
とにより行っている。
【0025】図5はシリンドリカルレンズCLを用いて
実行するフォーカシングを説明するための図、図6はレ
ーザ光の焦点位置に応じた光ピックアップ回路200の
出力電圧の違いを説明するための図である。フォーカシ
ングは、図5に示すように、シリンドリカルレンズCL
(略半円柱形状のレンズ)を通して、トラックから反射
されたメインスポットMSをフォトダイオードPD3〜
フォトダイオードPD6に受光させることにより実現さ
れている。このように、シリンドリカルレンズCLを通
すことにより、フォトダイオードPD3〜フォトダイオ
ードPD6の受光面においてメインスポットMSの形状
は、レーザ光の焦点が合っている時には真円となる(図
5(ア)参照)。
【0026】また、対物レンズが光ディスクに近すぎる
場合に、レーザ光の焦点が光ディスク面の向こう側で結
ばれると縦長になる(図5(イ)参照)。逆に、対物レ
ンズが光ディスクから離れすぎる場合に、レーザ光の焦
点が光ディスク面よりも手前側で結ばれると横長になる
(図5(ウ)参照)。
【0027】すなわち、レーザ光の焦点が光ディスク面
よりも向こう側で結ばれている場合は、フォトダイオー
ドPD3およびフォトダイオードPD5を有する光ピッ
クアップ回路200の出力電圧値の方が、フォトダイオ
ードPD4およびフォトダイオードPD6を有する光ピ
ックアップ回路200の出力電圧値よりも大きくなる
(図6(a)参照)。また、レーザ光の焦点が合ってい
る時にはフォトダイオードPD3〜フォトダイオードP
D6を含む各光ピックアップ回路200の出力電圧値は
同じ値となる(図6(b)参照)。
【0028】さらに、レーザ光の焦点が光ディスク面よ
りも手前側で結ばれている場合は、フォトダイオードP
D4、フォトダイオードPD6を有する光ピックアップ
回路200の出力電圧値の方が、フォトダイオードPD
3、フォトダイオードPD5を有する光ピックアップ回
路200の出力電圧値よりも大きくなる(図6(c)参
照)。
【0029】したがって、レーザ光のフォーカシング
は、フォトダイオードPD3〜フォトダイオードPD6
を有する各光ピックアップ回路200の出力電圧値が全
て同じ値となるように、対物レンズの光ディスク面に対
する垂直方向の位置を制御することによって行われる。
【0030】ところで、上述したトラッキングおよびフ
ォーカシングは、図3に示す光ピックアップ回路200
の場合、基準電圧VCを出力している期間(換言すれ
ば、パワーの低い反射光を受光している期間)に行われ
る。
【0031】すなわち、トラッキングは、フォトダイオ
ードPD1、フォトダイオードPD2を有する各光ピッ
クアップ回路200が基準電圧VCを出力している期間
に、双方の光ピックアップ回路200から出力される電
圧値の差を求め、この差が0となるように光ディスクの
半径方向に対するレーザ光の照射位置を制御することで
行われている。また、フォーカシングでは、フォトダイ
オードPD3〜フォトダイオードPD6を有する各光ピ
ックアップ回路200が基準電圧VCを出力している期
間に、それぞれの光ピックアップ回路200から出力さ
れる電圧値の差を求め、この差が0となるように光ディ
スクの垂直方向に対する対物レンズの位置を制御するこ
とで行われている。
【0032】これに類する他の従来技術としては、例え
ば、特開平7−98874号公報に記載のものがある。
すなわち、特開平7−98874号公報に記載の従来技
術は、ゲイン切り換え手段を必要とせず、記録時、再生
時いずれにおいても信号を良好に検出し、かつチルトに
よるオフセットの影響のない光ディスク装置を提供する
ことを目的とするものであって、半導体レーザからの光
束を対物レンズによって光ディスク上に微小なスポット
として照射し、情報の記録、再生を行う光ディスク装置
において、光ディスクからの反射光を受光して電気信号
に変換する光電変換手段と、この光電変換手段に接続さ
れ、信号の増幅を行うとともに情報記録時は所定値で飽
和するアンプ手段と、半導体レーザからの光束を対物レ
ンズによって光ディスク上に微小なスポットとして照射
し、少なくとも情報再生を行う光ディスク装置におい
て、光ディスクからの反射光を受光して電気信号に変換
する光電変換手段と、この光電変換手段に接続され、信
号の増幅を行うとともに情報再生時は所定値で飽和する
アンプ手段を有し、半導体レーザは情報記録時、再生パ
ワーとほぼ等しいボトムパワーを有し、所定値はボトム
パワーより大きく記録パワーより小さく、光ディスクは
断続的なグルーブを有し、所定値がグルーブにおける反
射レベルよりも大きく、かつグルーブのない鏡面部の反
射レベルよりも小さい光ディスク装置である。このよう
な光ディスク装置によれば、アンプ手段が所定値で飽和
するように構成したので、ゲイン切り換え手段を必要と
せず、感度良好な信号が得られ、また光ディスクの傾き
によるオフセット信号の影響を除去できるといった効果
が開示されている。
【0033】また、これに類する他の従来技術として
は、例えば、特開平9−128753号公報に記載のも
のがある。すなわち、特開平9−128753号公報に
記載の従来技術は、光ピックアップの光検出器の出力に
よって光ディスクからの反射光の反射光量に応じた全反
射光量信号を出力する全反射光量検出手段と、全反射光
量信号により光ディスク面上の反射光量の小さくなるド
ロップアウトを検出し、かつ、反射光量が所定の反射光
量よりも大きい場合にはドロップアウト検出動作をしな
いドロップアウト検出手段と、所定のトラック形態で情
報信号が記録されている光ディスクを回転させる回転手
段と、光ディスクの情報面に光ビームを集光して光スポ
ットを形成しその反射光を光検出器で受光する光ピック
アップ手段と、光検出器の出力に応じた全反射光量信号
を出力する全反射光量検出手段と、全反射光量信号によ
り光ディスク面上のドロップアウトを検出し、反射光量
が所定の反射光量よりも大きい場合にはドロップアウト
検出動作をしないドロップアウト検出手段を有し、ドロ
ップアウト検出手段は、全反射光量信号を特定の時定数
をもって低周波成分を得る低周波検出を行い全反射光量
信号が特定の大きさよりも大きい場合には低周波成分検
出を行わない低周波成分検出手段と、低周波成分と特定
の基準電圧VCとの間に検出レベルを設定する設定手段
と、全反射光量信号と検出レベルとを比較しドロップア
ウトを検出する比較手段とを有する光ディスク装置であ
る。このような光ディスク装置によれば、反射光量が大
きくなるドロップアウトが起こった場合に、ドロップア
ウト検出の誤検出を防止し、誤検出によるドロップアウ
ト信号に応じて光ディスクの制御装置の処理の定数や方
式が長期間切り替えられて制御が乱されたり外れたり、
あるいは再生信号処理装置の処理の定数や方式が長期間
切り替えられて信号処理が不具合を起こすことを回避で
きるといった効果が開示されている。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】図7は図3の光ピック
アップ回路200の波形応答性を示すグラフである。し
かしながら、上記各従来技術には以下に掲げる問題点が
あった。まず第1の問題点は、図7(図3の光ピックア
ップ回路200の波形応答性を示すグラフ)に示すよう
に、入力電圧の波形(図7の下側の入力波形)と比べて
出力電圧の波形(図7の上側の出力波形)が広がってし
まい、セトリング時間が長くなり、トラッキングおよび
フォーカシングを行うことができる期間(図7中、矢印
で示す範囲)が短くなってしまうことである。その理由
は、CD−Rの記録時に前述したように再生時よりも強
いパワーのレーザ光を光ディスクに照射する必要がある
ため、光ピックアップ回路200の出力電圧が再生時よ
りも増加するため、図3に示す光ピックアップ回路20
0は、記録時にプッシュプル回路10のpnpトランジ
スタQ5の過剰な飽和による電荷蓄積効果によって出力
波形に遅れが発生するからである。
【0035】そして第2の問題点は、光ピックアップ回
路200の入力波形と比べて出力電圧波形が広がってし
まうとトラッキングおよびフォーカシングを行うことが
できる期間がますます短くなり、トラッキングおよびフ
ォーカシングが困難になることである。その理由は、昨
今CD−Rの記録および再生速度は増加していく傾向に
あり、記録および再生速度が増加するほど、光ピックア
ップ回路200の出力電圧波形において、電源電圧Vc
cが出力される期間および基準電圧VCが出力される期
間が短くなっていくためである。
【0036】本発明は斯かる問題点を鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、入力波形と比べた
出力電圧波形の広がりを抑制することにより、光ディス
クに照射するレーザ光のトラッキングおよびフォーカシ
ングを行うための時間を十分確保することができる光ピ
ックアップ回路及び光ピックアップ方法を提供する点に
ある。
【0037】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に記
載の発明の要旨は、入力波形と比べた出力電圧波形の広
がりを抑制することにより、光ディスクに照射するレー
ザ光のトラッキングおよびフォーカシングを行うための
時間を十分確保することができる光ピックアップ回路で
あって、光ディスクからの反射光を受光するフォトダイ
オードと、前記フォトダイオードが受光した反射光のパ
ワーに応じて所定電位または基準電位の電圧を出力する
前段増幅回路と、前記前段増幅回路の出力電圧を外部の
負荷に印加するプッシュプル回路と、前記フォトダイオ
ードと前記プッシュプル回路との間に設けられ、前記前
段増幅回路の出力電圧が前記基準電位から前記所定電位
に変化する際、前記所定電位以上に出力電圧が上昇する
ことを抑制するクリップ回路を有することを特徴とする
光ピックアップ回路に存する。また、この発明の請求項
2に記載の発明の要旨は、入力波形と比べた出力電圧波
形の広がりを抑制することにより、光ディスクに照射す
るレーザ光のトラッキングおよびフォーカシングを行う
ための時間を十分確保することができる光ピックアップ
回路であって、光ディスクに記録されたデータを読み取
るために光ディスクからの反射光を受光するフォトダイ
オードと、前記フォトダイオードが受光した反射光のパ
ワーに応じて所定電位または基準電位の電圧を出力する
前段増幅回路と、前記前段増幅回路の出力電圧を外部の
負荷に印加するプッシュプル回路と、前記フォトダイオ
ードと前記プッシュプル回路との間に設けられ、前記前
段増幅回路の出力電圧が前記基準電位から前記所定電位
に変化しさらに前記所定電位から前記基準電位に変化す
る際に光ディスクからの反射光のパワーの変化に対応し
て変化するとともに、前記反射光のパワーが強すぎると
きにトランジスタの飽和に主因して引き起こされる回路
の反応遅延を抑制するクリップ回路を有することを特徴
とする光ピックアップ回路に存する。また、この発明の
請求項3に記載の発明の要旨は、前記クリップ回路は、
前記所定電位が前記基準電位よりも高い電位に設定され
た状態で、前記前段増幅回路の出力電圧が前記所定電位
から前記基準電位に立ち下がる時に生じる遅れを防止す
るように構成されていることを特徴とする請求項1また
は2に記載の光ピックアップ回路に存する。また、この
発明の請求項4に記載の発明の要旨は、前記クリップ回
路は、前記前段増幅回路の出力電圧が前記基準電位から
前記所定電位に立ち上がった場合であって反射光のパワ
ーが強く前記出力電圧が前記所定電位からさらに上昇し
ようとした際に、前記前段増幅回路の出力電圧が前記所
定電位以上に上昇しトランジスタが飽和しないように前
記前段増幅回路の出力電位の上昇を制限する差動出力電
圧電流制限回路構成を有することを特徴とする請求項1
乃至3のいずれか一項に記載の光ピックアップ回路に存
する。また、この発明の請求項5に記載の発明の要旨
は、前記クリップ回路は、前記前段増幅回路の出力電圧
が前記所定電位以上に上昇しようとした場合に、前記前
段増幅回路の出力から前記フォトダイオードに電流を流
して帰還抵抗素子から前記フォトダイオードに流れる電
流を制限するフォトダイオード電流制限回路構成を有す
ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記
載の光ピックアップ回路に存する。また、この発明の請
求項6に記載の発明の要旨は、入力波形と比べた出力電
圧波形の広がりを抑制することにより、光ディスクに照
射するレーザ光のトラッキングおよびフォーカシングを
行うための時間を十分確保することができる光ピックア
ップ方法であって、光ディスクからの反射光を受光する
フォトダイオードと、前記フォトダイオードが受光した
反射光のパワーに応じて所定電位または基準電位の電圧
を出力する前段増幅回路と、前記前段増幅回路の出力電
圧を外部の負荷に印加するプッシュプル回路と、前記フ
ォトダイオードと前記プッシュプル回路との間に設けら
れ、前記前段増幅回路の出力電圧が前記基準電位から前
記所定電位に変化する際、前記所定電位以上に出力電圧
が上昇することを抑制するクリップ回路を有する光ピッ
クアップ回路に対して、前記所定電位が前記基準電位よ
りも高い電位に設定された状態で、前記前段増幅回路の
出力電圧が前記所定電位から前記基準電位に立ち下がる
時に生じる遅れを前記クリップ回路を用いて防止する工
程と、前記前段増幅回路の出力電圧が前記基準電位から
前記所定電位に立ち上がった場合であって反射光のパワ
ーが強く前記出力電圧が前記所定電位からさらに上昇し
ようとした際に、前記前段増幅回路の出力電圧が前記所
定電位以上に上昇しトランジスタが飽和しないように前
記前段増幅回路の出力電位の上昇を制限する差動出力電
圧電流制限制御を前記クリップ回路を用いて実行する工
程と、前記前段増幅回路の出力電圧が前記所定電位以上
に上昇しようとした場合に、前記前段増幅回路の出力か
ら前記フォトダイオードに電流を流して帰還抵抗素子か
ら前記フォトダイオードに流れる電流を制限するフォト
ダイオード電流制限制御を前記クリップ回路を用いて実
行する工程を有することを特徴とする光ピックアップ方
法に存する。また、この発明の請求項7に記載の発明の
要旨は、入力波形と比べた出力電圧波形の広がりを抑制
することにより、光ディスクに照射するレーザ光のトラ
ッキングおよびフォーカシングを行うための時間を十分
確保することができる光ピックアップ方法であって、光
ディスクに記録されたデータを読み取るために光ディス
クからの反射光を受光するフォトダイオードと、前記フ
ォトダイオードが受光した反射光のパワーに応じて所定
電位または基準電位の電圧を出力する前段増幅回路と、
前記前段増幅回路の出力電圧を外部の負荷に印加するプ
ッシュプル回路と、前記フォトダイオードと前記プッシ
ュプル回路との間に設けられ、前記前段増幅回路の出力
電圧が前記基準電位から前記所定電位に変化しさらに前
記所定電位から前記基準電位に変化する際に光ディスク
からの反射光のパワーの変化に対応して変化するととも
に、前記反射光のパワーが強すぎるときにトランジスタ
の飽和に主因して引き起こされる回路の反応遅延を抑制
するクリップ回路を有する光ピックアップ回路に対し
て、前記所定電位が前記基準電位よりも高い電位に設定
された状態で、前記前段増幅回路の出力電圧が前記所定
電位から前記基準電位に立ち下がる時に生じる遅れを前
記クリップ回路を用いて防止する工程と、前記前段増幅
回路の出力電圧が前記基準電位から前記所定電位に立ち
上がった場合であって反射光のパワーが強く前記出力電
圧が前記所定電位からさらに上昇しようとした際に、前
記前段増幅回路の出力電圧が前記所定電位以上に上昇し
トランジスタが飽和しないように前記前段増幅回路の出
力電位の上昇を制限する差動出力電圧電流制限制御を前
記クリップ回路を用いて実行する工程と、前記前段増幅
回路の出力電圧が前記所定電位以上に上昇しようとした
場合に、前記前段増幅回路の出力から前記フォトダイオ
ードに電流を流して帰還抵抗素子から前記フォトダイオ
ードに流れる電流を制限するフォトダイオード電流制限
制御を前記クリップ回路を用いて実行する工程を有する
ことを特徴とする光ピックアップ方法に存する。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明は、以下に掲げる特徴を備
えている。まず第1の特徴は、CD(Compact
Disc:コンパクト光ディスク)やCD−R(Com
pact Disc−Recordable:追記型コ
ンパクト光ディスク)等の光ディスクに記録されたデー
タを読み取るために光ディスクからの反射光を受光する
フォトダイオードと、当該フォトダイオードが受光した
反射光のパワーに応じて所定電位または基準電位の電圧
を出力する前段増幅回路と、当該前段増幅回路の出力電
圧を外部の負荷に印加するプッシュプル回路とを有する
光ピックアップ回路において、フォトダイオードPDと
プッシュプル回路との間に設けられ、前段増幅回路の出
力電圧が基準電位から前記所定電位に変化しさらに当該
所定電位から基準電位に変化する際に光ディスクからの
反射光のパワーの変化に対応して変化し、この場合にお
いて当該反射光のパワーが強すぎるときにトランジスタ
の飽和に主因して引き起こされる回路の反応遅延を抑制
するクリップ回路を付加した点である。
【0039】また第2の特徴は、前記所定電位が基準電
位よりも高い電位に設定されており、クリップ回路が、
前段増幅回路の出力電圧が当該所定電位から基準電位に
立ち下がる時に生じる遅れを防止する点である。
【0040】また第3の特徴は、クリップ回路がフォト
ダイオード電流制限回路構成を備えている点である。フ
ォトダイオード電流制限回路構成は、前段増幅回路の出
力電圧が前記所定電位以上に上昇しようとした場合に、
フォトダイオードに電流を流すことによって、帰還抵抗
素子からフォトダイオードに流れる電流を制限する機能
を有している。以下、本発明の実施の形態を図面に基づ
いて詳細に説明する。
【0041】図1は本発明の一実施の形態に係る光ピッ
クアップ回路100を説明するための回路図である。初
めに、図1を参照して、光ディスクからの反射光の強弱
を検出する本実施の形態の光ピックアップ回路100の
構成を説明する。本実施の形態の光ピックアップ回路1
00は、フォトダイオードPDと、フォトダイオードP
Dで発生した電流信号を電圧信号に変換(電流−電圧変
換)するオペアンプ構成の電流−電圧変換回路を備えて
いる。
【0042】フォトダイオードPDはエピタキシャル−
サブストレート構造であって、光ディスクからの反射光
のパワーが小さいほど、帰還抵抗素子R1を介して出力
からフィードバックされる帰還電流を通過させる量が減
少し、また、反射光のパワーが大きいほど、より多くの
帰還電流が接地電位GNDに流れる機能を持っている。
【0043】一方、電流−電圧変換回路は、差動増幅回
路Amp(前段増幅回路)、プッシュプル回路10およ
びクリップ回路11を備え、差動増幅回路Amp(前段
増幅回路)およびプッシュプル回路10のそれぞれには
電源電圧Vccから動作電力が供給されている。
【0044】上記電流−電圧変換回路を構成する差動増
幅回路Amp(前段増幅回路)は、入力端子3(反転入
力端子)にフォトダイオードPDのカソードが接続さ
れ、入力端子2(非反転入力端子)に基準電圧VC(<
Vcc)が印加されている。本実施の形態では、電源電
圧Vccの1/2の電圧(VC=Vcc/2)に基準電
圧VCを設定している。
【0045】上記電流−電圧変換回路を構成するプッシ
ュプル回路10は、pnpトランジスタQ3,Q4なら
びにQ7、およびnpnトランジスタQ11ならびにn
pnトランジスタQ6を備え、入力端(A)がpnpト
ランジスタQ4のベースとnpnトランジスタQ11の
ベースとに接続されるとともに、差動増幅回路Amp
(前段増幅回路)の出力端子1に接続された回路構成と
なっている。
【0046】また、npnトランジスタQ6のエミッタ
とpnpトランジスタQ7のエミッタとの接続点は、プ
ッシュプル回路10の出力端Voutとして負荷(不図
示)に接続されるとともに、帰還抵抗素子R1を介して
差動増幅回路Amp(前段増幅回路)の入力端子3(反
転入力端子)に接続されている。
【0047】また、npnトランジスタQ6のベースと
pnpトランジスタQ4のエミッタが接続され、当該接
続点と電源電圧Vccとの間にpnpトランジスタQ3
が接続されている。
【0048】また、pnpトランジスタQ7のベースと
npnトランジスタQ11のエミッタが接続されるとと
もに、当該接続点と接地電位GNDとの間に定電流源I
2が接続されている。さらに、フォトダイオードPDと
プッシュプル回路10との間には、クリップ回路11が
設けられている。
【0049】クリップ回路11は、抵抗素子R2とpn
pトランジスタQ3の飽和を検知すると同時にpnpト
ランジスタQ2のドライブ電流をフォトダイオードPD
に流すことによって帰還抵抗素子R1からフォトダイオ
ードPDに流れる電流を制限するpnpトランジスタQ
1とを備えている。
【0050】クリップ回路11を構成する抵抗素子R2
は一端にpnpトランジスタQ2のベースとコレクタが
接続され、他端に定電流源I1と同じくクリップ回路1
1を構成するpnpトランジスタQ1のベースが接続さ
れている。
【0051】また、pnpトランジスタQ1のエミッタ
は、pnpトランジスタQ4のエミッタ、pnpトラン
ジスタQ3のコレクタ、npnトランジスタQ6のベー
スの接続点に接続されている。また、pnpトランジス
タQ1のコレクタは、フォトダイオードPDのカソード
側と帰還抵抗素子R1、差動増幅回路Amp(前段増幅
回路)の入力端子3(反転入力端子)に接続されてい
る。また、フォトダイオードPDのアノードは接地電位
GNDに接地されている。
【0052】次に、光ピックアップ回路100の動作に
ついて説明する。図1を参照すると、本実施の形態の光
ピックアップ回路100では、フォトダイオードPDに
照射される反射光のパワーが弱い状態(例えば、光ディ
スクに照射されるレーザ光の一部が乱反射した状態)か
ら強い状態(例えば、光ディスクに照射されるレーザ光
が乱反射しなかった状態)に変化する場合、差動増幅回
路Amp(前段増幅回路)の出力電流が増加していくと
ともに、差動増幅回路Amp(前段増幅回路)の出力電
圧が基準電圧VCよりも高い所定電位へ基準電圧VCを
始点として立ち上がっていく。
【0053】このとき、pnpトランジスタQ1のベー
ス−エミッタ間電圧VBEがおよそ0.7V以下とな
り、pnpトランジスタQ1がOFF(非導通)となる
ため、A点の電位は、フォトダイオードPDに照射され
る反射光のパワーに発生した光電流IPDと帰還抵抗素
子R1とで決定される電位まで上昇するが、さらに、フ
ォトダイオードPDに照射される反射光のパワーが増加
した場合、プッシュプル回路10のnpnトランジスタ
Q6のベース−エミッタ間電圧VBEとpnpトランジ
スタQ3のエミッタ−コレクタ間電圧VCEで決定され
る電圧まで上昇する。
【0054】このとき、pnpトランジスタQ3のエミ
ッタ−コレクタ間電圧VCEが減少し、過剰な飽和状態
となってしまう。
【0055】一般に、トランジスタが過剰な飽和状態と
なってしまうと、トランジスタの電荷蓄積効果によっ
て、トランジスタの応答特性の悪化を招くが、pnpト
ランジスタQ1のベース電位VBは、抵抗素子R2に発
生する電圧と、pnpトランジスタQ2のベース−エミ
ッタ間電圧VBEで決定される。出力端Voutの電位
が上昇し、上述で決定された、pnpトランジスタQ1
のベース電位VBとこのpnpトランジスタQ1のベー
ス−エミッタ間電圧VBEを加えた電圧(=VB+VB
E)以上に出力端Voutの電位が上昇すると、pnp
トランジスタQ1がON(導通)し、出力端Voutの
電位は、電源電圧Vccから抵抗素子R2に発生する電
圧とトランジスタ1個分のベース−エミッタ間電圧VB
Eだけ下がった電位にクリップされてそれ以上の電位に
は上昇できないようになる。
【0056】さらに、pnpトランジスタQ1がON
(導通)状態となることによって、フォトダイオードP
Dの過剰な光電流IPDをpnpトランジスタQ1から
の電流で補うことによって、その過剰な光電流IPDが
帰還抵抗素子R1に流れる量を減少させることができ
る。
【0057】別の考え方をすれば、フォトダイオードP
Dに過剰な光電流IPDが流れると、出力端Voutが
上昇し、クリップ回路11のpnpトランジスタQ1の
エミッタ電位も上昇する。さらにpnpトランジスタQ
3が飽和すると、直流電流増幅率HFEが低下しベース
電流が増加する。それが抵抗素子R2に流れ、抵抗素子
R2の電位差が開き、pnpトランジスタQ1のベース
電位VBを下げる。
【0058】そのように、クリップ回路11のpnpト
ランジスタQ1のベース−エミッタ間電圧VBEが開く
と同時に、pnpトランジスタQ1がON(導通)状態
となる。
【0059】図2は図1の光ピックアップ回路100の
波形応答性を示すグラフである。以上説明したように本
実施の形態によれば、クリップ回路11を構成する抵抗
素子R2、pnpトランジスタQ1の動作によって、フ
ォトダイオードPDに照射される反射光のパワーが強い
場合であっても、電源電圧Vccから抵抗素子R2に発
生する電圧とトランジスタ1個分のベース−エミッタ間
電圧VBEだけ下がった電位で出力端Voutをクリッ
プし、pnpトランジスタQ3が過剰に飽和するのを防
止することにより、電荷蓄積効果に主因する出力波形の
遅れを低減できるようになる。すなわち、図1の光ピッ
クアップ回路100の波形応答性を示すグラフ(図2)
に示すように、入力電圧の波形(図2中の入力波形)に
対する出力電圧の波形(図2中の出力波形)の広がりを
抑制することで波形応答性を改善できるようになる。
【0060】なお、本発明が上記実施の形態に限定され
ず、本発明の技術思想の範囲内において、上記実施の形
態は適宜変更され得ることは明らかである。また上記構
成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定され
ず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にす
ることができる。また、各図において、同一構成要素に
は同一符号を付している。
【0061】
【発明の効果】本発明は、クリップ回路を構成する抵抗
素子(R2),pnpトランジスタ(Q1)の動作によ
って、フォトダイオードに照射される反射光のパワーが
強い場合であっても、電源電圧から抵抗素子(R2)に
発生する電圧とトランジスタ1個分のベース−エミッタ
間電圧だけ下がった電位で出力端(Vout)をクリッ
プし、pnpトランジスタ(Q3)が過剰に飽和するの
を防止することにより、電荷蓄積効果に主因する出力波
形の遅れを低減できるようになるといった効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る光ピックアップ回
路を説明するための回路図である。
【図2】図1の光ピックアップ回路の波形応答性を示す
グラフである。
【図3】従来の光ピックアップ回路を説明するための回
路図である。
【図4】図3の光ピックアップ回路で実行するピント制
御を説明するための図である。
【図5】シリンドリカルレンズを用いて実行するフォー
カシングを説明するための図である。
【図6】レーザ光の焦点位置に応じた光ピックアップ回
路の出力電圧の違いを説明するための図である。
【図7】図3の光ピックアップ回路の波形応答性を示す
グラフである。
【符号の説明】
1…出力端子 2…入力端子(非反転入力端子) 3…入力端子(反転入力端子) 10…プッシュプル回路 11…クリップ回路 100,200…光ピックアップ回路 Amp…差動増幅回路(前段増幅回路) CL…シリンドリカルレンズ GND…接地電位 I1,I2…定電流源 IPD…光電流 MS…メインスポット PD…フォトダイオード Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q7,Q10…pnp
トランジスタ Q6,Q8,Q9,Q11…npnトランジスタ R1…帰還抵抗素子 R2,R3,R4,R5…抵抗素子 SS…ビームスポット VC…基準電圧 Vcc…電源電圧 Vout…出力端
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D119 AA06 AA43 DA10 EB12 EC39 FA05 5F049 MA01 NA03 NB08 UA05 UA07 UA13 5J092 AA01 AA18 AA56 CA25 CA65 CA81 FA04 FA10 HA08 HA25 HA44 KA01 KA05 KA09 KA12 KA22 KA27 KA47 MA08 MA21 SA01 SA10 TA01 TA06 UL02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力波形と比べた出力電圧波形の広がり
    を抑制することにより、光ディスクに照射するレーザ光
    のトラッキングおよびフォーカシングを行うための時間
    を十分確保することができる光ピックアップ回路であっ
    て、 光ディスクからの反射光を受光するフォトダイオード
    と、 前記フォトダイオードが受光した反射光のパワーに応じ
    て所定電位または基準電位の電圧を出力する前段増幅回
    路と、 前記前段増幅回路の出力電圧を外部の負荷に印加するプ
    ッシュプル回路と、 前記フォトダイオードと前記プッシュプル回路との間に
    設けられ、前記前段増幅回路の出力電圧が前記基準電位
    から前記所定電位に変化する際、前記所定電位以上に出
    力電圧が上昇することを抑制するクリップ回路を有する
    ことを特徴とする光ピックアップ回路。
  2. 【請求項2】 入力波形と比べた出力電圧波形の広がり
    を抑制することにより、光ディスクに照射するレーザ光
    のトラッキングおよびフォーカシングを行うための時間
    を十分確保することができる光ピックアップ回路であっ
    て、 光ディスクに記録されたデータを読み取るために光ディ
    スクからの反射光を受光するフォトダイオードと、 前記フォトダイオードが受光した反射光のパワーに応じ
    て所定電位または基準電位の電圧を出力する前段増幅回
    路と、 前記前段増幅回路の出力電圧を外部の負荷に印加するプ
    ッシュプル回路と、 前記フォトダイオードと前記プッシュプル回路との間に
    設けられ、前記前段増幅回路の出力電圧が前記基準電位
    から前記所定電位に変化しさらに前記所定電位から前記
    基準電位に変化する際に光ディスクからの反射光のパワ
    ーの変化に対応して変化するとともに、前記反射光のパ
    ワーが強すぎるときにトランジスタの飽和に主因して引
    き起こされる回路の反応遅延を抑制するクリップ回路を
    有することを特徴とする光ピックアップ回路。
  3. 【請求項3】 前記クリップ回路は、 前記所定電位が前記基準電位よりも高い電位に設定され
    た状態で、前記前段増幅回路の出力電圧が前記所定電位
    から前記基準電位に立ち下がる時に生じる遅れを防止す
    るように構成されていることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の光ピックアップ回路。
  4. 【請求項4】 前記クリップ回路は、 前記前段増幅回路の出力電圧が前記基準電位から前記所
    定電位に立ち上がった場合であって反射光のパワーが強
    く前記出力電圧が前記所定電位からさらに上昇しようと
    した際に、前記前段増幅回路の出力電圧が前記所定電位
    以上に上昇しトランジスタが飽和しないように前記前段
    増幅回路の出力電位の上昇を制限する差動出力電圧電流
    制限回路構成を有することを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれか一項に記載の光ピックアップ回路。
  5. 【請求項5】 前記クリップ回路は、 前記前段増幅回路の出力電圧が前記所定電位以上に上昇
    しようとした場合に、前記前段増幅回路の出力から前記
    フォトダイオードに電流を流して帰還抵抗素子から前記
    フォトダイオードに流れる電流を制限するフォトダイオ
    ード電流制限回路構成を有することを特徴とする請求項
    1乃至4のいずれか一項に記載の光ピックアップ回路。
  6. 【請求項6】 入力波形と比べた出力電圧波形の広がり
    を抑制することにより、光ディスクに照射するレーザ光
    のトラッキングおよびフォーカシングを行うための時間
    を十分確保することができる光ピックアップ方法であっ
    て、 光ディスクからの反射光を受光するフォトダイオード
    と、前記フォトダイオードが受光した反射光のパワーに
    応じて所定電位または基準電位の電圧を出力する前段増
    幅回路と、前記前段増幅回路の出力電圧を外部の負荷に
    印加するプッシュプル回路と、前記フォトダイオードと
    前記プッシュプル回路との間に設けられ、前記前段増幅
    回路の出力電圧が前記基準電位から前記所定電位に変化
    する際、前記所定電位以上に出力電圧が上昇することを
    抑制するクリップ回路を有する光ピックアップ回路に対
    して、 前記所定電位が前記基準電位よりも高い電位に設定され
    た状態で、前記前段増幅回路の出力電圧が前記所定電位
    から前記基準電位に立ち下がる時に生じる遅れを前記ク
    リップ回路を用いて防止する工程と、 前記前段増幅回路の出力電圧が前記基準電位から前記所
    定電位に立ち上がった場合であって反射光のパワーが強
    く前記出力電圧が前記所定電位からさらに上昇しようと
    した際に、前記前段増幅回路の出力電圧が前記所定電位
    以上に上昇しトランジスタが飽和しないように前記前段
    増幅回路の出力電位の上昇を制限する差動出力電圧電流
    制限制御を前記クリップ回路を用いて実行する工程と、 前記前段増幅回路の出力電圧が前記所定電位以上に上昇
    しようとした場合に、前記前段増幅回路の出力から前記
    フォトダイオードに電流を流して帰還抵抗素子から前記
    フォトダイオードに流れる電流を制限するフォトダイオ
    ード電流制限制御を前記クリップ回路を用いて実行する
    工程を有することを特徴とする光ピックアップ方法。
  7. 【請求項7】 入力波形と比べた出力電圧波形の広がり
    を抑制することにより、光ディスクに照射するレーザ光
    のトラッキングおよびフォーカシングを行うための時間
    を十分確保することができる光ピックアップ方法であっ
    て、 光ディスクに記録されたデータを読み取るために光ディ
    スクからの反射光を受光するフォトダイオードと、前記
    フォトダイオードが受光した反射光のパワーに応じて所
    定電位または基準電位の電圧を出力する前段増幅回路
    と、前記前段増幅回路の出力電圧を外部の負荷に印加す
    るプッシュプル回路と、前記フォトダイオードと前記プ
    ッシュプル回路との間に設けられ、前記前段増幅回路の
    出力電圧が前記基準電位から前記所定電位に変化しさら
    に前記所定電位から前記基準電位に変化する際に光ディ
    スクからの反射光のパワーの変化に対応して変化すると
    ともに、前記反射光のパワーが強すぎるときにトランジ
    スタの飽和に主因して引き起こされる回路の反応遅延を
    抑制するクリップ回路を有する光ピックアップ回路に対
    して、 前記所定電位が前記基準電位よりも高い電位に設定され
    た状態で、前記前段増幅回路の出力電圧が前記所定電位
    から前記基準電位に立ち下がる時に生じる遅れを前記ク
    リップ回路を用いて防止する工程と、 前記前段増幅回路の出力電圧が前記基準電位から前記所
    定電位に立ち上がった場合であって反射光のパワーが強
    く前記出力電圧が前記所定電位からさらに上昇しようと
    した際に、前記前段増幅回路の出力電圧が前記所定電位
    以上に上昇しトランジスタが飽和しないように前記前段
    増幅回路の出力電位の上昇を制限する差動出力電圧電流
    制限制御を前記クリップ回路を用いて実行する工程と、 前記前段増幅回路の出力電圧が前記所定電位以上に上昇
    しようとした場合に、前記前段増幅回路の出力から前記
    フォトダイオードに電流を流して帰還抵抗素子から前記
    フォトダイオードに流れる電流を制限するフォトダイオ
    ード電流制限制御を前記クリップ回路を用いて実行する
    工程を有することを特徴とする光ピックアップ方法。
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