ところで、例えば特開2002−99223号公報に開示されているように、現在、見る方向によって異なる内容を表示できる表示装置が開発されている。これを上手く利用すれば、子供と大人が共に歌唱する際に、大人は大人向けの背景映像を見ることとなるが、子供はその大人向けの背景映像を見ることはできず、別の背景映像を見るようにすることが可能である。
しかし、上述の特開2002−99223号公報には、見る方向によって異なる映像を表示できる表示装置の構成が開示されているだけである。例えばカウンターやテーブルの上面に設けた表示装置を挟んで店員と客が対面した場合に、店員は左側から、客は右側から表示装置を見るとすれば、客には見せたくなく店員のみが見ることのできる表示内容については、右側から見えないように設定しておくのである。
このような使用方法を前提とした場合には問題ないが、カラオケに適用した場合には、下記のような問題がある。つまり、カラオケを歌唱している人は特定の場所に必ずいるとは限らず、背景映像を表示している表示装置を右側から見る位置にいる場合もあれば、左側から見る位置にいる場合もあり、中央から見る位置にいる場合もある。そしてさら、大人と子供が離れて歌唱している場合もあれば、くっついて歌唱している場合もある。
このように、歌唱している子供と大人の位置が予め定まっていないため、カラオケにそのまま適用することはできない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、例えば子供と大人が共に歌唱して楽しむ場合、それぞれに適した背景映像を表示させることで、よりカラオケを楽しめるようにすることを目的とする。
本発明のカラオケ装置(1:なお、この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための最良の形態」欄において説明した構成要素を括弧内に示すが、この記載によって特許請求の範囲を限定することを意味するものではない。)は、第1の歌唱者によるカラオケ歌唱の音声信号を入力する第1のマイクロフォン(25a)と、第2の歌唱者によるカラオケ歌唱の音声信号を入力する第2のマイクロフォン(25b)と、歌詞テロップ及び背景映像を表示する表示手段(36)と、選択された楽曲を演奏し且つ歌詞テロップ及び背景映像を表示手段に表示させる制御手段(12)と、を備えている。
表示手段は、同一の表示画面に対する第1の視点及び第2の視点にそれぞれ対応する第1の表示方向及び第2の表示方向に、互いに異なる第1の映像及び第2の映像を同時に表示可能に構成されている。
さらに、カラオケ装置は、表示手段と所定の位置関係にあり、第1の周波数を有する光を第1の領域へ放射するよう構成された第1の発光手段(37a)と、表示手段と所定の位置関係にあり、前記第1の周波数とは異なる第2の周波数を有する光を第1の領域とは異なる第2の領域へ放射するよう構成された第2の発光手段(37b)と、第1のマイクロフォンに設けられ、第1の発光手段及び第2の発光手段によって放射された光を受けると受光信号を出力する第1の受光手段(27a)と、第2のマイクロフォンに設けられ、第1の発光手段及び第2の発光手段によって放射された光を受けると受光信号を出力する第2の受光手段(27b)と、第1の受光手段及び第2の受光手段によって出力された受光信号を入力し、その受光信号から光の周波数を計測する周波数計測手段(12)と、前記第1の領域及び第2の領域と、前記第1の表示方向及び第2の表示方向との対応関係を記憶する記憶手段(16)と、を備えている。
そして、本発明のカラオケ装置における制御手段は、所定のカラオケ楽曲が選択されている場合には、そのカラオケ楽曲が選択されてからそのカラオケ楽曲の演奏が終了するまでの間、下記の制御を実行する。つまり、第1の受光手段及び第2の受光手段によって出力された受光信号から光の周波数を計測するよう周波数計測手段を制御し、その計測された周波数と、記憶手段に記憶された対応関係とに基づいて、第1のマイクロフォン及び第2のマイクロフォンの存在位置と、第1の表示方向及び第2の表示方向との対応関係を判定し、その判定した対応関係に基づいて、第1の表示方向及び第2の表示方向に表示させるための映像内容を決定し、その決定した映像内容に応じた背景映像を表示手段へ表示させるのである。
例えば第1の歌唱者が大人で、第2の歌唱者が子供であって、2人で一緒にカラオケ曲を歌唱する場合を例に挙げて説明する。「所定のカラオケ楽曲」とは、例えば、背景映像に大人向けの映像内容が含まれているような楽曲である。このカラオケ楽曲が選択されると、第1の歌唱者(大人)、第2の歌唱者(子供)は、それぞれ第1のマイクロフォン(大人用マイク25a)、第2のマイクロフォン(子供用マイク25b)を持ってカラオケ歌唱の準備をする。そして、第1のマイクロフォン(大人用マイク25a)と第2のマイクロフォン(子供用マイク25b)の位置の判定を開始する。ただし、絶対位置ではなく、第1のマイクロフォン及び第2のマイクロフォンの存在位置と、第1の表示方向及び第2の表示方向との対応関係を判定する。
このようにして自動的に位置関係を判定し、その判定した対応関係に基づいて、大人が存在すると推定される表示方向に表示するための映像内容及び子供が存在すると推定される表示方向に表示するための映像内容を決定し、その決定した映像内容に応じた背景映像を表示手段に表示させれば、それぞれに適した背景映像を表示させることができ、よりカラオケを楽しむことができる。
そして、所定のカラオケ楽曲が選択されている場合には、そのカラオケ楽曲が選択されてからそのカラオケ楽曲の演奏が終了するまでの間、マイクロフォンの位置に基づいて背景映像の出力制御を行なう。したがって、例えばカラオケ歌唱中に子供が位置を変えて、その大人向けの背景映像を見ることができる位置に来た場合には、自動的に位置関係を判定し、その判定した対応関係に基づいて、子供には大人向けの背景映像を見せないようにすることができる。
本発明のカラオケ装置は、カラオケルーム(49)内に設置されるカラオケ装置に限らず、自動車(449)内などの移動体内に設置されるカラオケ装置であってもよく、上述した効果と同様の効果を奏する。
ところで、第1の発光手段が光を放射する第1の領域と第2の発光手段が光を放射する第2の領域とが重なると、第1の受光手段及び第2の受光手段が、第1の周波数と第2の周波数とに対応する受光信号を出力することになる。そして、周波数計測手段が計測する光の周波数は、第1の周波数と第2の周波数とになり、第1のマイクロフォン及び第2のマイクロフォンの存在位置と、第1の表示方向及び第2の表示方向との対応関係を判定できなくなる。したがって、前記第1の領域と第2の領域とが重ならないように、第1の発光手段及び第2の発光手段を構成するとよい。また、このように構成された場合には、前記第1の領域の大きさと第2の領域の大きさとがほぼ同じになるように、第1の発光手段及び第2の発光手段を配置するとよい。
そこで、請求項2に記載のように、第1の発光手段及び第2の発光手段は、それぞれ前記第1の領域と第2の領域とが重ならないように構成され、且つ表示画面の上縁略中央の上方部または下縁略中央の下方部のいずれか一方の位置に配置されているとよい。
このように構成されたカラオケ装置によれば、第1の発光手段が光を放射する第1の領域と第2の発光手段が光を放射する第2の領域とが重ならないので、第1のマイクロフォン及び第2のマイクロフォンの存在位置と、第1の表示方向及び第2の表示方向との対応関係を判定できる。
また、第1の発光手段及び第2の発光手段は表示画面の上縁略中央の上方部または下縁略中央の下方部のいずれか一方の位置に配置されている。すなわち、第1の発光手段と第2の発光手段とが、共に表示画面の上縁略中央の上方部の位置に配置されていてもよい。また、第1の発光手段と第2の発光手段とが、共に表示画面の下縁略中央の下方部の位置に配置されていてもよい。さらに、第1の発光手段が表示画面の上縁略中央の上方部の位置に配置され、第2の発光手段が表示画面の下縁略中央の下方部の位置に配置されていてもよい。また、第1の発光手段が表示画面の下縁略中央の下方部の位置に配置され、第2の発光手段が表示画面の上縁略中央の上方部の位置に配置されていてもよい。つまり、第1の発光手段及び第2の発光手段は表示画面の略中央部に配置される。よって、第1の領域の大きさと第2の領域の大きさとがほぼ同じで、表示画面に対して対象の領域となる。もしも第1の領域の大きさと第2の領域の大きさとがほぼ同じでなく、例えば第1の領域の大きさが第2の領域の大きさに比べて大きく、表示画面に対して非対象の領域であった場合には、マイクロフォンを持っている利用者は第1の領域と第2の領域との境界を直感的に認識できないので、混乱したり、戸惑ったりしてカラオケの楽しみを削がれてしまう。
一方、第1の領域の大きさと第2の領域の大きさとがほぼ同じで、表示画面に対して対象の領域の場合には、マイクロフォンを持っている利用者は第1の領域と第2の領域との境界を直感的に認識できるので、混乱したり、戸惑うことがない。
また、第1の発光手段が光を放する第1の領域と第2の発光手段が光を放射する第2の領域とが重なっても、第1のマイクロフォン及び第2のマイクロフォンの存在位置と、第1の表示方向及び第2の表示方向との対応関係を判定できるとよい。
すなわち、請求項3に記載のように、第1の発光手段と第2の発光手段とは、表示画面の上縁の上方部または下縁の下方部のいずれか一方の位置であって、表示画面に対して左右対称に所定間隔で配置されている。
また、第1の発光手段及び第2の発光手段と第1の受光手段及び第2の受光手段とは、第1の発光手段及び第2の発光手段から第1の受光手段及び第2の受光手段までの距離が同じであれば、第1の受光手段及び第2の受光手段によって出力された第1の周波数及び第2の周波数にそれぞれ対応する受光信号の出力値が略同一となるように構成されている。
そして、制御手段は、第1の受光手段及び第2の受光手段によって出力された受光信号から光の周波数を計測するよう周波数計測手段を制御し、その計測された周波数が第1の周波数と第2の周波数とである場合には、第1の周波数に対応する受光信号の出力値と、第2の周波数に対応する受光信号の出力値との出力差を算出し、その算出された出力差を第1の周波数に対応する受光信号の出力値で除算し、その除算した数値の絶対値が所定値以上の場合には、第1の周波数に対応する受光信号の出力値と、第2の周波数に対応する受光信号の出力値とを比較し、その出力値が大きい周波数と、記憶手段に記憶された対応関係とに基づいて、第1のマイクロフォン及び第2のマイクロフォンの存在位置と、第1の表示方向及び第2の表示方向との対応関係を判定するとよい。
このように構成されたカラオケ装置によれば、次のような作用効果を奏する。第1の発光手段と第2の発光手段とは、表示画面の上縁の上方部または下縁の下方部のいずれか一方の位置であって、表示画面に対して左右対称に所定間隔で配置されている。すなわち、第1の発光手段と第2の発光手段とは、共に表示画面の上縁の上方部の位置であって、表示画面に対して左右対称に所定間隔で配置されていてもよい。また、第1の発光手段と第2の発光手段とは、共に表示画面の下縁の下方部の位置であって、表示画面に対して左右対称に所定間隔で配置されていてもよい。つまり、第1の発光手段と第2の発光手段とは、表示画面に対して左右対称に所定間隔で配置されているので、三角測量と同じようにして、第1のマイクロフォン及び第2のマイクロフォンの存在位置を以下説明するように判定できる。ここで、上述した所定間隔を、例えば表示画面の横幅寸法の略半分とし、第1の発光手段を表示画面に向かって左側に配置し、第2の発光手段を表示画面に向かって右側に配置する。なお、以下においては、例えば表示画面に向かって左側の領域を「左側の領域」と称し、表示画面に向かって右側の領域を「右側の領域」と称して説明する。
上述した「第1の周波数に対応する受光信号の出力値と、第2の周波数に対応する受光信号の出力値との出力差を第1の周波数に対応する受光信号の出力値で除算した数値の絶対値が所定値以上の場合には」において「出力差」が大きくなれば、「除算した数値の絶対値」も大きくなる。また、第1の周波数に対応する受光信号の出力値と、第2の周波数に対応する受光信号の出力値との出力差が大きいということは、第1の発光手段及び第2の発光手段からの距離が相違するということであり、左側の領域と右側の領域との境界から遠いということである。そして、「出力差」が大きくなれば、「除算した数値の絶対値」も大きくなるので、左側の領域と右側の領域との境界から遠い領域においては、その出力値の大きい周波数に基づいて、第1のマイクロフォン及び第2のマイクロフォンの存在位置が判定されることになる。例えば、その出力値の大きい周波数が第1の周波数であれば、第1の受光手段は、第1の周波数を有する光を放射する第1の発光手段が配置されている左側の領域に存在すると判定できる。すなわち、第1のマイクロフォンは、左側の領域に存在すると判定できる。
一方、第1の周波数に対応する受光信号の出力値と、第2の周波数に対応する受光信号の出力値との出力差が小さいということは、第1の発光手段及び第2の発光手段からの距離が相違しないということであり、左側の領域と右側の領域との境界に近いということである。例えば、第1の周波数に対応する受光信号の出力値と、第2の周波数に対応する受光信号の出力値との出力差が小さければ、「除算した数値の絶対値」も小さくなり、所定値以上でない場合には、第1の受光手段は、左側の領域と右側の領域との境界に近い領域に存在すると判定できる。すなわち、第1のマイクロフォンは、左側の領域と右側の領域との境界に近い領域に存在すると判定できる。
なお、上述した「第1の周波数に対応する受光信号の出力値と、第2の周波数に対応する受光信号の出力値との出力差を第1の周波数に対応する受光信号の出力値で除算した数値の絶対値が所定値以上の場合には」における「所定値」とは、例えば第1の受光手段固有の分解能及び第2の受光手段固有の分解能をそれぞれ第1の周波数に対応する受光信号の出力値で除算した数値を比較して、その大きい数値とする。
以上のようにして、第1のマイクロフォン及び第2のマイクロフォンの存在位置を判定できる。
そして、特に子供には大人向けの背景映像を見せないようにしながら、大人はその背景映像を見ることができるようにするためには、制御手段が請求項4に示すような制御を実行すればよい。
つまり、第1のマイクロフォン及び第2のマイクロフォンの存在位置と、第1の表示方向及び第2の表示方向との対応関係に基づき、第1のマイクロフォン及び第2のマイクロフォンの存在位置が、それぞれ異なる前記表示方向に対応している場合には、第1の表示方向に表示するための映像内容と、第2の表示方向に表示するための映像内容とを異なるものに決定する。一方、そうでない場合には、第1の表示方向に表示するための映像内容を、第2の表示方向に表示するための映像内容と同一のものに決定するのである。
なお、第1の歌唱者と第2の歌唱者の関係については、特に大人と子供という関係のみに限定されるわけではなく、例えば男と女であってもよいし、上司と部下など、種々考えられる。
また、第1の受光手段及び第2の受光手段は、マイクロフォンが利用者によって保持され、外部からの音声を受ける際に、マイクロフォンの外周のいずれの方向から略水平に入射した光であっても受光できるとよい。
すなわち、請求項5に記載のように、第1の受光手段及び第2の受光手段は、それぞれ、第1のマイクロフォン及び第2のマイクロフォンが利用者によって保持され、外部からの音声を受ける際に、第1のマイクロフォン及び第2のマイクロフォンの外周略水平方向から入射した光を集めるように構成された集光体(259)と、集光体によって集められた光を受けると受光信号を出力する受光部(263)とを備えるとよい。
このように構成されたカラオケ装置によれば、マイクロフォンが利用者によって保持され、外部からの音声を受ける際に、集光体がマイクロフォンの外周略水平方向から入射した光を集めるように構成されているので、マイクロフォンの外周のいずれの方向から略水平に入射した光であっても受光できる。例えばマイクロフォンが略球形の形状を有する受音部(265)と、その受音部に接続する握り手部(253)とを備えている場合には、外部からの音声を受音する際には、一般的に利用者は受音部を持たずに、握り手部を持つ。よって、例えば集光体は、利用者によって持たれることのない受音部に設けられる。そして、マイクロフォンの外周のいずれの方向から略水平に入射した光であっても受光できるので、例えば歌唱者が、意識的にマイクロフォンに設けられた受光手段を発光手段の方へ向けて握り手部を持つ必要がなく、それぞれの歌唱者の持ちやすいように自由に握り手部を持つことができるので、歌唱者はカラオケに集中して楽しむことができる。
また、上述したようなマイクロフォンを既存のカラオケ装置へ付加できるように、マイクロフォン単体として構成されるとよい。
すなわち、請求項6に記載のように、外部からの音声を受けると音声信号を出力する受音部(265)と、マイクロフォンが利用者によって保持され、外部からの音声を受ける際に、マイクロフォンの外周略水平方向から入射した光を集めるように構成された集光体(259)と、集光体によって集められた光を受けると受光信号を出力する受光部(263)と、を備えるとよい。
このように構成された本発明のマイクロフォンによれば、既存のカラオケ装置を本発明のカラオケ装置の構成になるように改造して、本発明のマイクロフォンを付加することで、次のような効果を奏する。マイクロフォンの外周のいずれの方向から略水平に入射した光であっても受光できるので、例えば歌唱者が、意識的にマイクロフォンに設けられた受光手段を発光手段の方へ向けて握り手部を持つ必要がない。つまり、それぞれの歌唱者の持ちやすいように自由に握り手部を持つことができるので、歌唱者はカラオケに集中して楽しむことができる。
また、マイクロフォンにスピーカが設けられるとよい。
すなわち、請求項7に記載のように、カラオケ楽曲の演奏データと、前記第1のマイクロフォン及び第2のマイクロフォンから入力されたカラオケ歌唱の音声信号とを送信するための音声送信手段と、第1のマイクロフォンに設けられ、音声送信手段によって送信された演奏データと音声信号とを受信する第1の受信手段と、第1のマイクロフォンに設けられ、第1の受信手段によって受信された演奏データと音声信号とを出力するための第1のスピーカと、第2のマイクロフォンに設けられ、音声送信手段によって送信された演奏データと音声信号とを受信する第2の受信手段と、第2のマイクロフォンに設けられ、第2の受信手段によって受信された演奏データと音声信号とを出力するための第2のスピーカと、を備えるとよい。
このように構成されたカラオケ装置によれば、マイクロフォンにスピーカが設けられているので、例えば自動車(449)内などの移動体内に設置されるカラオケ装置において、移動中にカラオケ演奏する場合には、次のような効果を奏する。前記スピーカをイヤホン形式のスピーカとすれば助手席や後席に存在する利用者はそれぞれ独立したカラオケ演奏音を楽しむことができる。また、運転者には安全運転の障害とならないようにカラオケ装置本体からのスピーカ音を消し、イヤホン形式のスピーカにより助手席や後席に存在する利用者は移動中にもカラオケ演奏を楽しむことができる。
また、カラオケ装置は、ドラマや映画などのコンテンツを再生できるとよい。
すなわち、請求項8に記載のように、さらに、音声データと映像データとを有するコンテンツデータを記憶するコンテンツ記憶手段を備える。
そして、制御手段は、コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツデータに基づいてコンテンツを再生し、その再生されたコンテンツの映像を表示手段へ表示させるとともに、その再生されたコンテンツの音声データを第1の受信手段及び第2の受信手段へ送信するよう音声送信手段を制御するとよい。
このように構成されたカラオケ装置によれば、音声データと映像データとを有するコンテンツデータが記憶されたコンテンツ記憶手段が備えられているので、カラオケ演奏だけでなく、ドラマや映画なども楽しむことができる。例えば自動車(449)内などの移動体内に設置されるカラオケ装置において、移動中にドラマや映画などのコンテンツを再生する場合には、運転者には安全運転の障害とならないようにカラオケ装置本体からのスピーカ音を消し、前記スピーカをイヤホン形式のスピーカとすれば助手席や後席に存在する利用者は移動中にもドラマや映画などのコンテンツを楽しむことができる。
さらに、例えば後席にそれぞれ第1のマイクロフォン、第2のマイクロフォンを持った2人の利用者が存在し、互いに異なる映像を第1の表示方向及び第2の表示方向へ表示させている場合に、第1のマイクロフォン及び第2のマイクロフォンの存在位置と、第1の表示方向及び第2の表示方向との対応関係を自動的に判定する。そして、その判定した対応関係に基づいて、第1のマイクロフォンを持った利用者が存在すると推定される表示方向に表示するための映像内容及第2のマイクロフォンを持った利用者が存在すると推定される表示方向に表示するための映像内容を決定し、その決定した映像内容に応じた背景映像を表示手段に表示させる。したがって、例えば後席に存在する2人の利用者が席を入れ替えた場合にも、運転者が互いに異なる映像を切り替えるような操作をする必要がないので、運転者には安全運転の障害とならない。
また、上述したようなマイクロフォンを既存のカラオケ装置へ付加できるように、マイクロフォン単体として構成されるとよい。
すなわち、請求項9に記載のように、外部からの音声を受けると音声信号を出力する受音部(265)と、マイクロフォンが利用者によって保持され、外部からの音声を受ける際に、マイクロフォンの外周略水平方向から入射した光を集めるように構成された集光体(259)と、集光体によって集められた光を受けると受光信号を出力する受光部(263)と、音声送信手段によって送信された演奏データと音声信号とを受信する受信手段と、受信手段によって受信された演奏データと音声信号とを出力するためのスピーカと、を備えるとよい。
このように構成された本発明のマイクロフォンによれば、既存のカラオケ装置を本発明のカラオケ装置の構成になるように改造して、本発明のマイクロフォンを付加することで、次のような効果を奏する。マイクロフォンにスピーカが設けられているので、例えば自動車(449)内などの移動体内に設置されるカラオケ装置において、移動中にカラオケ演奏する場合には、次のような効果を奏する。運転者には安全運転の障害とならないようにカラオケ装置本体からのスピーカ音を消し、前記スピーカをイヤホン形式のスピーカとすれば助手席や後席に存在する利用者は移動中にもカラオケ演奏を楽しむことができる。
以下に本発明の実施形態を図面とともに説明する。
図1はカラオケ装置1の構成を示すブロック図であり、図2は映像出力及び赤外光受発光に関する構成を示すブロック図である。
[カラオケ装置1の構成の説明]
カラオケ装置1は、図1に示すように、カラオケ装置1全体の動作を制御する制御部12と、カラオケ装置1をネットワーク100に接続するためのインタフェース部14と、演奏楽曲の伴奏内容及び歌詞を示す楽曲データや映像データなどを記憶するハードディスク(HDD)16と、複数のキー・スイッチからなる操作部18と、リモコン端末2や携帯電話からの赤外線信号を赤外線通信によって受信するための赤外線通信部20と、操作部18からの信号を処理する操作処理部22と、HDD16に記憶された楽曲データから演奏楽曲のオーディオ信号を生成し、生成されたオーディオ信号及びマイクロフォン(以下、マイクという)25a,25bを介して入力された歌唱音声信号を増幅してスピーカ28へ出力する音声制御部24と、音声制御部24によってHDD16から取得されたカラオケ楽曲データ(演奏データ)に基づくカラオケ演奏を行うMIDI音源30と、制御部12によってHDD16から取得された映像データを一時的に記憶するビデオRAM32,33と、ビデオRAM32,33に記憶された映像データに基づく映像再生及びその再生される映像の表示部36での表示を制御する映像制御部38と、赤外光を放射する赤外光受光部27a,27bと、赤外光受光部27a,27bへ赤外光変調信号をそれぞれ出力する赤外光変調部35a,35bと、赤外光発光部37a、37bからそれぞれ放射された赤外光を受けるための赤外光受光部27a,27bとを備えている。
そして、制御部12、インタフェース部14、HDD16、赤外線通信部20、操作処理部22、ビデオRAM32,33、映像制御部38は、各々バス39によって接続されている。また、制御部12と音声制御部24とはUSB40によって接続されている。なお、制御部12は、後述する各種処理を実行する。
HDD16には、このカラオケ装置1の動作を制御するシステムプログラム、アプリケーションプログラム等が記憶されており、カラオケ装置1の電源がオンされて起動プログラムされると、これらのプログラムが制御部12に読み込まれる。
カラオケ演奏時等にマイク25a,25bから入力された歌唱音声信号は、音声制御部24において増幅及びA/D変換される。そして、エコー等の音響効果が付加された後、カラオケ演奏音の信号とミキシングされてスピーカ28へ出力される。上述したマイク25a,25bは、大人用マイク25aと子供用マイク25bである。
この大人用マイク25aと子供用マイク25bには、それぞれ赤外光受光部27a,27bが設けられている。
赤外光発光部37a,37bは、表示部36の表示画面外で表示画面の横方向略中央部に配置されている。
一方、映像の再生に関して、制御部12はHDD16に記憶されている背景映像に関する映像データをビデオRAM32,33へ出力し、映像制御部38を制御することで、この映像データを再生して表示部36に表示する。ここで、背景映像には、カラオケ曲のジャンルや内容によって、大人向けの映像が含まれている場合と、元々そのような大人向けの映像が含まれない場合とがある。そして、大人向けの映像が含まれる背景映像に関しては、大人向けの映像が含まれた映像データと、そのような大人向けの映像が含まれない映像データの2種類の映像データがセットになっている。
そして、映像出力及び赤外光受発光に関する構成、赤外光発光部37a,37bの構成及び赤外光受光部27a,27bの構成の順に以下説明する。
[映像出力及び赤外光受発光に関する構成の説明]
まず、映像出力に関する構成を説明する。
表示部36は、例えばデュアルビューディスプレイなどと称される、見る方向によって異なる映像を表示可能な液晶表示器を用いて構成されている。このような表示器は、例えば特開2002−99223号公報や特開2005−84299号公報などによって公知になっている。本実施形態では、右画面及び左画面にそれぞれ別の映像を表示することによって、図10に示すように、右方向から見ると右画像、左方向から見ると左画像が見えることとなる。なお、中央付近から見ると、左右の画像が混ざった画像として見えることとなる。
このようなデュアルビュー表示のため、映像制御部38は、図2に示すように、第1VGA部381と、第2VGA部382と、切替スイッチ部383と、第1映像出力部384と、第2映像出力部385とを備えている。第1VGA部381はビデオRAM32に記憶された映像データに基づく映像再生を司るものであり、同様に、第2VGA部382はビデオRAM33に記憶された映像データに基づく映像再生を司るものである。そして、これら第1VGA部381及び第2VGA部382は、切替スイッチ部383を介して、第1映像出力部384及び第2映像出力部385と接続されている。第1映像出力部384は表示部36の右画面への映像表示を司り、第2映像出力部385は表示部36の左画面への映像表示を司るものである。
切替スイッチ部383は、4つのスイッチS1,S2,S3,S4から構成されており、これらのスイッチS1,S2,S3,S4のON/OFFを切り替えることによって、以下の4パターンの接続を実現することができるようにされている。
(1)第1VGA部381と第1映像出力部384を接続し、第2VGA部382と第2映像出力部385とを接続する。この場合は、スイッチS1,S2がONであり、スイッチS3,S4がOFFである。
(2)第1VGA部381と第2映像出力部385を接続し、第2VGA部382と第1映像出力部384とを接続する。この場合は、スイッチS1,S2がOFFであり、スイッチS3,S4がONである。
(3)第1VGA部381と第1映像出力部384及び第2映像出力部385とを接続する。この場合は、スイッチS1,S3がONであり、スイッチS2,S4がOFFである。
(4)第2VGA部382と第1映像出力部384及び第2映像出力部385とを接続する。この場合は、スイッチS1,S3がOFFであり、スイッチS2,S4がONである。
この切替スイッチ部383の4つのスイッチS1,S2,S3,S4のON/OFFは制御部12が制御可能であり、したがって、制御部12は、
「ビデオRAM32に記憶された映像データを表示部36の右画面に表示させ、ビデオRAM33に記憶された映像データを表示部36の左画面に表示させる」パターン
「ビデオRAM32に記憶された映像データを表示部36の左画面に表示させ、ビデオRAM33に記憶された映像データを表示部36の右画面に表示させる」パターン
「ビデオRAM32に記憶された映像データを表示部36の左右両画面に表示させる」パターン
「ビデオRAM33に記憶された映像データを表示部36の左右両画面に表示させる」パターン
を任意に切替制御することができる。
次に、赤外光受発光に関する構成を説明する。
図2に示すように、赤外光発光に関する構成は左右対称となっているため、表示部36の表示画面に向かって右側用の構成要素の符号については数字の後に英字aを付し、左側用の構成要素の符号については数字の後に英字bを付けて区別することとし、特に必要のない限り「右側用」「左側用」とは記載しない。
右側用の構成要素は、赤外光発光部37aと、赤外光発光部37aに接続されるカラオケ装置本体内部の構成である赤外光変調部35aである。一方、左側用の構成要素は、赤外光発光部37bと、赤外光発光部37bに接続されるカラオケ装置本体内部の構成である赤外光変調部35bである。
赤外光発光部37aは、赤外光変調部35aから出力された赤外光変調信号を入力すると第1の赤外光を放射する。また、赤外光発光部37bは、赤外光変調部35bから出力された赤外光変調信号を入力すると第2の赤外光を放射する。
第1の赤外光と第2の赤外光とは、その赤外光の搬送周波数が相違している。すなわち、第1の赤外光は、第1の搬送周波数で変調された赤外光であり、第2の赤外光は、第2の搬送周波数で変調された赤外光である。つまり、第1の赤外光と第2の赤外光とは、第1の搬送周波数と第2の搬送周波数とでそれぞれ点滅された赤外光である。なお、第1の搬送周波数と第2の搬送周波数とを、例えばそれぞれ36kHzと40kHzとする。
赤外光発光部37aが放射する第1の赤外光及び赤外光発光部37bが放射する第2の赤外光を受けると大人用マイク25aに設けられた赤外光受光部27a及び子供用マイク25bに設けられた赤外光受光部27bが受光信号を赤外光変調周波数抽出部121へ出力する。そして、赤外光変調周波数抽出部121は、赤外光受光部27a及び赤外光受光部27bが出力した受光信号を入力し、その受光信号から赤外光の搬送周波数を計測する。その計測された赤外光の搬送周波数から第1の赤外光か第2の赤外光かを判断できる。なお、赤外光受光部27aを設けた大人用マイク25a及び赤外光受光部27bを設けた子供用マイク25bは、カラオケ装置1の本体へ接続されるのであるが、図2においては図示しない。
制御部12が備える赤外光変調周波数抽出部121の構成を図5に基づいて説明する。
図5は制御部12が備える赤外光変調周波数抽出部121の構成を示すブロック図である。
赤外光変調周波数抽出部121は、位相比較器121a、LPF(ローパスフィルタ)121b及びVCO(制御発振器)121cを有するPLL(位相ロックループ)121dと、周波数計測部121eとを備える。PLL121dは、第1の赤外光及び第2の赤外光を受けて出力した受光信号(基準信号)とVCO121cの出力信号との位相差を表す信号を位相比較器121aにて生成し、その生成した信号をVCO121cの制御信号として、LPF(ローパスフィルタ)121bを介してVCO121cへ出力することによってVCO121cの搬送周波数を一定周波数に制御する。
そして、周波数計測部121eは、PLL121dによって一定周波数に制御された搬送周波数を計測する。その計測された赤外光の搬送周波数から第1の赤外光か第2の赤外光かを判断できる。
[赤外光発光部37a,37bの構成の説明]
赤外光発光部37a,37bは、上述したように表示部36の表示画面外で表示画面の横方向略中央部に配置されているのであるが、赤外光放射の様子を図3に基づいて説明する。
図3(a)はカラオケルーム49内における赤外光放射の様子を示す説明図であり、図3(b)は表示部36に対する赤外光発光部37a,37bの配置を示す斜視図であり、図3(c)は赤外光発光部37a,37bの構成の一例を示す説明図であり、図3(d)は赤外光発光部37a,37bの構成の他の例を示す説明図である。
赤外光発光部37aと赤外光発光部37bとが、図3(b)に示すように、共に表示部36の表示画面36a外で表示画面36aの下縁横方向略中央部の位置に配置されている。なお、赤外光発光部37aと赤外光発光部37bとが、共に表示部36の表示画面36a外で表示画面36aの上縁横方向略中央部の位置に配置されていてもよい。また、赤外光発光部37aが表示部36の表示画面36a外で表示画面36aの上縁横方向略中央部の位置に配置され、赤外光発光部37bが表示部36の表示画面36a外で表示画面36aの下縁横方向略中央部の位置に配置されていてもよい。さらに、赤外光発光部37aが表示部36の表示画面36a外で表示画面36aの下縁横方向略中央部の位置に配置され、赤外光発光部37bが表示部36の表示画面36a外で表示画面36aの上縁横方向略中央部の位置に配置されていてもよい。つまり、赤外光発光部37a,37bが、表示部36の表示画面36a外で表示画面36aの横方向略中央部に配置されている。
そして、図3(a)に示すように、赤外光発光部37aは表示部36の表示画面に向かって右側の領域(以下、右領域とも称す)へ第1の赤外光を放射し、赤外光発光部37bは表示部36に向かって左側の領域(以下、左領域とも称す)へ第2の赤外光を放射している。なお、図3(a)は右領域に大人の利用者が存在し、左領域に子供の利用者が存在している様子を示している。
また、赤外光発光部37a,37bは、図3(b)に示すように、それぞれ発光ランプ371a,371bと反射板373a,373bを備えている。そして、発光ランプ371a,371bからそれぞれ放出される第1の赤外光と第2の赤外光は、反射板373aと373bによってそれぞれ右領域と左領域へ放射される。発光ランプ371a,371bは、赤外線ランプでもよいし、赤外線発光ダイオードでもよい。
反射板373a,373bは、図3(c)に示すように、それぞれ板金または樹脂成形品からなり、表示部36に対向する略矩形状の平板部3731a,3731bと、その平板部3731a,3731bの一方の縁から略直角に立ち上がった略矩形状の立上部3733a,3733bとを有している。立上部3733a,3733bが立ち上がっている方向の平板部3731a,3731bの表面部と、この表面部と接続している立上部3733a,3733bの表面部には、光を反射するための加工処理が施されている。平板部3731a,3731bの表面部と立上部3733a,3733bの表面部とが接続する縁の略中央部であって、それらの表面部側にそれぞれ発光ランプ371a,371bが設けられ、反射板373a,373bの平板部3731a,3731bと立上部3733a,3733bが発光ランプ371a,371bからそれぞれ放出される第1の赤外光と第2の赤外光を右領域と左領域へそれぞれ放射可能な大きさに形成されている。
また、反射板373a,373bは、図3(d)に示すように、さらに、それぞれ立上部3733a,3733bが立ち上がっている縁に略垂直な平板部3731a,3731bの一対の縁から略直角に立ち上がり、前記縁に略垂直な立上部3733a,3733bの一対の縁へ延びて略直角三角形の形状をなす一対の蓋部3735a,3735bと3737a,3737bを有していてもよい。この一対の蓋部3735a,3735bと3737a,3737bの対向するそれぞれの表面部には、光を反射するための加工処理が施されている。このように構成された反射板373a,373bによれば、発光ランプ371a,371bからそれぞれ放出される第1の赤外光と第2の赤外光とが上下方向に放出されず、それらの放出されない光が平板部3731a,3731bの表面部と立上部3733a,3733bの表面部によって反射されて右領域と左領域へそれぞれ放射される。つまり、発光ランプ371a,371bからそれぞれ放出される第1の赤外光と第2の赤外光をそれぞれ効果的に右領域と左領域へ放射できる。
[赤外光受光部27a,27bの構成の説明]
赤外光受光部27aと27bが、上述したように大人用マイク25aと子供用マイク25bにそれぞれ設けられているが、それぞれ構成が同じであるので、構成要素の符号については数字の後に英字a,bを付さないで以下説明する。
図4(a)は赤外光受光部27が設けられているマイク25の外観を示す斜視図であり、図4(b)はそのマイク25の縦断面図である。
マイク25は、略球形の形状を有する受音受光部250と、その受音受光部250に接続する握り手部256と、カラオケ装置1の本体へ接続させるための端子部257とを備えている。
受音受光部250は、図4(a)に示すように、上部251と、透光部253と、下部255とを備えている。以下、順に説明する。
上部251は、マイク25の内部を保護する金網と、その金網の内側に取り付けられる遮光性を有する防風部材例えばゴム製のスポンジシート材とからなり、円蓋状の形状をなし、外部からの音声を内部へ導入する。
透光部253は、透明な材料例えばガラスまたは樹脂成形品からなり、リング状の形状をなし、その円縁一端部を上部251の円縁端部に接続し、外部からの光を内部へ導入する。
下部255は、マイク25の内部を保護する金網と、その金網の内側に取り付けられる遮光性を有する防風部材例えばゴム製のスポンジシート材とからなり、円蓋状の形状をなし、その円縁端部を透光部253の円縁他端部に接続し、外部からの音声を内部へ導入する。
握り手部256は、板金または樹脂成形品からなり、先端を切り落とした円錐状の形状をなし、その直径が大きい側の円縁一端部を下部255の頭頂部に接続している。そして、握り手部256の円縁他端部から端子部257へ、受音受光部250からの音声信号、受光信号を伝送するためのケーブル258が設けられている。
また、受音受光部250は、図4(b)に示すように、透光部253の内部に配置され透光部253によって内部へ導入された光を集める集光体259と、この集光体259によって集められた光を屈曲させるための集光レンズ261と、この集光レンズ261によって屈曲された光を受ける受光部263とを備えている。なお、受光部263が光を受けて出力する受光信号をケーブル258へ伝送するためのケーブル(図示しない)が設けられている。
さらに、受音受光部250は、上部251または下部255によって内部へ導入された音声を受ける受音部265を備えている。そして、受音部265が音声を受けて出力する音声信号をケーブル258へ伝送するためのケーブル(図示しない)が設けられている。
以下、上述した集光体259、集光レンズ261、受光部263及び受音部265について順次説明する。
集光体259は、金属または樹脂成形品からなり、略円錐状の形状をなし、この略円錐状の表面部には、光を反射するための加工処理が施されている。なお、この略円錐状の形状は、軸心に対して直交する円の直径が軸方向の位置の変化に対して1次関数的に減少して形成される面であってもよいし、2次関数的に減少して形成される面であってもよい。ここで、1次関数的とはこの略円錐状の面の軸心に対して直交する方向へ投影してなる外縁が略直線であることを指し、2次関数的とはこの略円錐状の面の軸心に対して直交する方向へ投影してなる外縁が星芒形(アステロイド)などの曲線も含むことを指す。
前記1次関数的に減少して形成される面の場合には、光の入射角度の変化度合いに対して反射後の射出角度の変化度合いは同じとなるが、前記2次関数的に減少して形成される面の場合には、光の入射角度の変化度合いに対して反射後の射出角度の変化度合いが小さくなる。つまり、同じ光の入射角度の変化度合いであれば、1次関数的に減少して形成される面の場合に比べると2次関数的に減少して形成される面の場合の方が、反射後の射出角度の変化度合いが小いので、反射光を集め易い。
集光レンズ261は、透明な材料例えばガラスまたは樹脂成形品からなり、凸レンズの形状をなし、集光体259によって集められた光を受光部263の中心部方向へ屈曲させる。
受光部263は、光を受けて受光信号を出力する受光センサ例えばフォトトランジスタで構成される。
受音部265は、音を受けて音声信号を出力するダイナミック型(導電型)マイクロフォンでもよいし、コンデンサー型(静電型)マイクロフォンでもよい。
赤外光発光部37aと赤外光発光部37bとが、図3(b)に示すように、共に表示部36の表示画面36a外で表示画面36aの下縁横方向略中央部の位置に配置されている。そして、図3(a)に示すように、赤外光発光部37a及び赤外光発光部37bがそれぞれ第1の赤外光及び第2の赤外光を放射して、その赤外光を受けるとマイク25に設けられている赤外光受光部27が受光信号を赤外光変調周波数抽出部121へ出力し、赤外光変調周波数抽出部121がその受光信号から赤外光の搬送周波数を計測する。そして、その計測された赤外光の搬送周波数から第1の赤外光と判断した場合には、マイク25の存在位置を右領域と推定できる。一方、その計測された赤外光の搬送周波数から第2の赤外光と判断した場合には、マイク25の存在位置を左領域と推定できる。また、その計測された赤外光の搬送周波数から第1の赤外光及び第2の赤外光と判断できない場合には、マイク25の存在位置を右領域と左領域の境界領域と推定できる。
一方、発光と受光の構成要素の配置を上述した構成と逆にすることも考えられる。
すなわち、第1の赤外光を放射する赤外光発光部が大人用マイクに設けられ、第2の赤外光を放射する赤外光発光部が子供用マイクに設けられる。そして、右領域から放射された赤外光を受けると受光信号を出力する右側用の赤外光受光部と、左領域から放射された赤外光を受けると受光信号を出力する左側用の赤外光受光部とが、表示部の表示画面外で表示画面の横方向略中央部に隣接して配置される。
しかし、このように発光と受光の構成要素の配置を逆にすると次のような問題が発生する。赤外光発光部には指向性があるので、赤外光発光部から放射する赤外光が赤外光受光部によって受けられるように、歌唱者が意識的に大人用マイク及び子供用マイクに設けられた赤外光発光部を赤外光受光部の方向へ向けて握り手部を持つ必要がある。つまり、それぞれの歌唱者の持ちやすいように自由に握り手部を持つことができないので、歌唱者はカラオケに集中できず、カラオケを楽しむことが難しい。
そのような理由から、赤外光受光部27がそれぞれマイクに設けられ、赤外光発光部37a,37bが、表示部36の表示画面36a外で表示画面36aの横方向略中央部に配置されているのである。
なお、大人用マイク25aと子供用マイク25bを制御部12がどのように識別するかについては、例えば下記のような工夫が考えられる。
(1)大人用マイク25aと子供用マイク25bを固定的にカラオケ装置1の本体に接続する。この場合は、制御部12は確実に両者を区別できる。
(2)マイクを接続するためのジャック位置を決めておく。例えば2本のマイクジャックをカラオケ装置1の本体に準備し、例えば大人用マイク25aは右側のジャック、子供用マイク25bは左側のジャックに接続するようにする。この場合、例えばマイクピンの形状及びマイクジャックの形状を大人用と子供用で異なるものとし、それぞれ対応するマイクジャックにしかマイクピンを差し込めないようにすれば、両者を間違えて接続することはなくなる。
(3)マイクをジャックに接続した際に、電気的あるいは機械的に検出するようにしてもよい。機械的に検出する場合には、マイクピンの形状を変更することとなる。
なお、大人用マイク25aが「第1のマイクロフォン」に相当し、子供用マイク25bが「第2のマイクロフォン」に相当する。表示部36が「表示手段」に相当し、制御部12が「制御手段」に相当し、赤外光発光部37a,37bが「第1の発光手段」、「第2の発光手段」にそれぞれ相当し、赤外光受光部27a,27bが「第1の受光手段」、「第2の受光手段」にそれぞれ相当する。赤外光変調周波数抽出部121が「周波数計測手段」に相当し、HDD16が「記憶手段」に相当し、集光体259と集光レンズ261とが「集光体」に相当する。
以下、カラオケ装置1の制御部12が実行する各種処理を説明する。
[背景映像の表示制御処理の説明]
カラオケ装置1の制御部12が実行する背景映像の表示制御処理について図6、図7のフローチャート等に基づいて説明する。
図6に示すフローチャートは、所定のカラオケ楽曲が選択されている場合の制御処理全体を示している。ここで、「所定のカラオケ楽曲」とは、背景映像に大人向けの映像内容が含まれているような楽曲である。曲番号と、この「所定のカラオケ楽曲」か否かを示す情報(例えばフラグ)との対応関係を示すテーブルがHDD16に記憶されている、したがって、操作部18で受け付けたカラオケ演奏楽曲の選曲番号のデータは操作処理部22によって制御部12へ送信されるのであるが、制御部12は、操作処理部22から選曲番号のデータを受信すると、上述の対応関係を示すテーブルをHDD16から読み出して参照することで、「所定のカラオケ楽曲」か否かを判定し、「所定のカラオケ楽曲」であれば、図6のフローチャートに示す処理を開始する。
なお、「所定のカラオケ楽曲」以外の場合のカラオケ楽曲が選択された場合の処理については、ここでは省略する。
図6のフローチャートに示す処理が開始すると、まず曲のタイトルを表示部36へ表示する(S10)。このタイトル表示は、楽曲データ中に含まれているタイトルデータを用いて行う。
ここで、図8を参照して楽曲データフォーマットについて説明する。楽曲データは、楽曲に関する管理情報を記憶しているヘッダ情報部、曲のタイトルを画像表示する際に用いるタイトル画像情報を記憶しているタイトルデータ部、楽曲演奏用のMIDIデータを記憶しているMIDIデータ部によって構成されている。
この内、ヘッダ情報部は、MIDIデータサイズとタイトルデータサイズを含んでいる。また、MIDIデータ部は、前奏部分のMIDIデータ、タイトル消去を示すデータ、1コーラス目に対応するMIDIデータ、1コーラス終了を示すデータ、2コーラス目に対応するMIDIデータ、2コーラス終了を示すデータ、3コーラス目に対応するMIDIデータ、後奏であることを示すデータ、後奏部分のMIDIデータによって構成されている。図6のS10では、楽曲データ曲のヘッダ情報の次に含まれているタイトルデータを読み出し、表示部36へ表示する。S10の処理が終了したらS30の処理へ移行する。
また、図6のフローチャートに示す処理が開始すると、S10の処理とともに、背景映像の出力処理を実行する(S40)。この背景映像出力処理の詳細については、図7のフローチャートを参照して後で説明する。S40の処理が終了したらS50の処理へ移行する。
S30の処理においては、カラオケ演奏を開始する。ここでいうカラオケ演奏の開始とは、図8に示す楽曲データ中のMIDIデータを再生出力させる処理である。S30の処理が終了したらS50の処理へ移行する。
S50の処理においては、演奏終了か否かを判断する。演奏終了していないと判断した場合には(S50:NO)、S40の処理へ戻り、上述した処理へ移行する。つまり、演奏終了(S50:YES)するまで、S40の処理を繰り返し行う。一方、演奏終了したと判断した場合には(S50:YES)、本処理を終了する。
[背景映像出力処理]
それでは、背景映像出力処理の詳細について、図7のフローチャートを参照して説明する。
まず、赤外光発光部37a及び赤外光発光部37bからそれぞれ第1の赤外光及び第2の赤外光を放射する(S210)。そして、その第1の赤外光及び第2の赤外光を大人用マイク25aに設けられた赤外光受光部27a及び子供用マイク25bに設けられた赤外光受光部27bで受けて大人用マイク25a及び子供用マイク25bそれぞれの存在位置を推定する(S220〜S290)。
図3(a)を参照して説明したように、赤外光発光部37a及び赤外光発光部37bによってそれぞれ放射された第1の赤外光及び第2の赤外光を受けると大人用マイク25aに設けられた赤外光受光部27a及び子供用マイク25bに設けられた赤外光受光部27bが受光信号を赤外光変調周波数抽出部121へ出力し、赤外光変調周波数抽出部121がその受光信号から赤外光の搬送周波数を計測する。そして、その計測された赤外光の搬送周波数から第1の赤外光と判断した場合には、大人用マイク25a及び子供用マイク25bそれぞれの存在位置を右領域と推定する。一方、その計測された赤外光の搬送周波数から第2の赤外光と判断した場合には、大人用マイク25a及び子供用マイク25bそれぞれの存在位置を左領域と推定する。また、その計測された赤外光の搬送周波数から第1の赤外光及び第2の赤外光と判断できない場合には、大人用マイク25a及び子供用マイク25bそれぞれの存在位置を右領域と左領域の境界領域と推定する。
そして、大人用マイク25aに設けられた赤外光受光部27a及び子供用マイク25bに設けられた赤外光受光部27bで受けた赤外光の搬送周波数に基づいて、図10に示す右映像が見える領域、左映像が見える領域、それらの間にある左右映像が混ざって見える領域の何れに大人用マイク25aあるいは子供用マイク25bが存在するかの対応関係を把握することができる。具体的には、図3(a)に示す右領域、左領域及び境界領域を、それぞれ図10に示す右映像が見える領域、左映像が見える領域及び左右映像が混ざって見える領域に対応させる。
したがって、その対応関係を制御部12内のメモリに記憶させておき、その対応関係を用いて子供用マイク25bの存在位置(存在領域)の判定(S220)を行い、右側に位置するのか(S230)、中央に位置するのか(S240)、左側に位置するのか(S250)を決定する。同様に、上記対応関係を用いて大人用マイク25aの位置判定(S260)を行い、右側に位置するのか(S270)、中央に位置するのか(S280)、左側に位置するのか(S290)を決定する。
そして、子供用マイク25bの位置が右側であり且つ大人用マイク25aの位置が左側であるか否か判定する(S300)。そして、子供用マイク25bの位置が右側であり且つ大人用マイク25aの位置が左側である場合には(S300:YES)、表示部36の右画面に出力する映像は「非アダルト」、左画面に出力する映像は「アダルト」となるように制御する(S310)。本実施形態では、ビデオRAM32に大人向けの「アダルト映像」が記憶されて第1VGA部381へ供給され、他方のビデオRAM33に子供向けの「非アダルト映像」が記憶されて第2VGA部382へ供給されるように構成されている。そのため、具体的には、スイッチS1,S2がON且つスイッチS3,S4がOFFとなるよう制御する。このようにすることで、第1VGA部381と第1映像出力部384とが接続し、第2VGA部382と第2映像出力部385とが接続する。したがって、ビデオRAM32に記憶されたアダルト映像が表示部36の右画面に表示され、ビデオRAM33に記憶された非アダルト映像が表示部36の左画面に表示されることとなる。
一方、S300にて否定判定された場合には、S320へ移行して、子供用マイク25bの位置が左側であり且つ大人用マイク25aの位置が右側であるか否か判定する。そして、子供用マイク25bの位置が左側であり且つ大人用マイク25aの位置が右側である場合には(S320:YES)、表示部36の右画面に出力する映像は「アダルト」、左画面に出力する映像は「非アダルト」となるようにする(S330)。具体的には、スイッチS1,S2がOFF且つスイッチS3,S4がONとなるよう制御する。このようにすることで、第1VGA部381と第2映像出力部385とが接続し、第2VGA部382と第1映像出力部384とが接続する。したがって、ビデオRAM32に記憶されたアダルト映像が表示部36の左画面に表示され、ビデオRAM33に記憶された非アダルト映像が表示部36の右画面に表示されることとなる。
また、S320にて否定判定された場合には、S340へ移行して、表示部36の左右画面に出力する映像を共に「非アダルト」となるようにする。具体的には、スイッチS1,S3がOFF且つスイッチS2,S4がONとなるよう制御する。このようにすることで、第2VGA部382と第1映像出力部384及び第2映像出力部385とが接続される。したがって、ビデオRAM33に記憶された非アダルト映像が表示部36の左右画面に表示されることとなる。
なお、S320にて否定判定された場合とは、子供用マイク25bの位置及び大人用マイク25aの位置が共に同じ位置である場合、あるいは何れか一方が中央に位置する場合を意味する。図10を参照して説明したように、中央付近から見ると左右の画像が混ざった画像として見えることとなる。したがって、子供にアダルト映像を見せないためには、子供が中央にいる場合、つまり子供用マイク25bの位置が中央の場合には、左右画面の何れも非アダルト映像とする必要がある。また、子供が左右何れかにおり大人が中央にいる場合、子供には非アダルト映像しか見えないが、仮に左右で異なる映像を表示すると、中央に居る大人は混ざった映像を見ることとなる。このような混ざった映像は見るに耐えない映像なので、左右両画面を同じ映像、つまり子供用の非アダルト映像を表示させるのである。
図9(a)は、以上説明した背景映像出力処理における大人用マイク25a及び子供用マイク25bの位置と、左右画面の映像内容の対応関係を示す説明図であり、図9(b)は、大人用マイク25a及び子供用マイク25bの位置と、切替スイッチ部383の4つのスイッチS1,S2,S3,S4のON/OFF状態の対応関係を示す説明図である。
[効果の説明]
(1)本実施形態のカラオケ装置1によれば、大人と子供が2人で一緒にカラオケ曲を歌唱する場合であって、背景映像に大人向けの映像内容が含まれている楽曲を選択した場合には、上述した背景映像出力処理(図6のS40及び図7参照)を実行することにより、大人用マイク25a及び子供用マイク25bの位置を介して大人と子供の位置関係を自動的に判定する。そして、その判定した対応関係に基づいて、表示部36の左右画面へ表示する背景映像の内容を制御する。具体的には、子供には大人向けの背景映像を見せないようにしながら、大人はその背景映像を見ることができるようにすることができる。つまり、大人・子供それぞれに適した背景映像を表示させることができるため、よりカラオケを楽しむことができる。
(2)また、本実施形態のカラオケ装置1では、背景映像に大人向けの映像内容が含まれている楽曲が選択されてからカラオケ演奏終了するまでの間、上述した背景映像出力処理(図6のS40及び図7参照)を実行するので、非アダルト映像しか見えていない場所にいた子供がアダルト映像も見えるような位置に来た場合、あるいは来そうな場合に、子供には大人向けの背景映像を見せないようにすることができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。
(1)上記実施形態では、赤外光発光部37a,37bが表示部36の表示画面36a外で表示画面36aの横方向略中央部に隣接して配置され、赤外光発光部37aは右領域へ第1の赤外光を放射し、赤外光発光部37bは左領域へ第2の赤外光を放射するようにして、それぞれの領域が重ならないように構成されていたが、これには限らない。一対の赤外光発光部が表示部36の表示画面36a外で表示画面36aに対して左右対称に配置され、それぞれの赤外光発光部から放射される光の領域が重なっていてもよい。
以下、このように構成された赤外光放射の様子を図11に基づいて説明する。
図11(a)はカラオケルーム49内における一対の赤外光発光部37c,37dによる赤外光放射の様子を示す説明図であり、図11(b)は表示部36に対する赤外光発光部37c,37dの配置を示す斜視図である。
第1の発光手段と第2の発光手段とが、図11(b)に示すように、共に表示部36の表示画面36a外で表示画面36aの下縁の下方部の位置であって、表示画面36aに対して左右対称に所定間隔例えば表示画面36aの横幅寸法の略半分の間隔で配置されている。なお、赤外光発光部37cと赤外光発光部37dとが、共に表示部36の表示画面36a外で表示画面36aの上縁の上方部の位置であって、表示画面36aに対して左右対称に所定間隔例えば表示画面36aの横幅寸法の略半分の間隔で配置されていてもよい。つまり、赤外光発光部37c,37dが、表示部36の表示画面36a外で表示画面36aに対して左右対称に所定間隔例えば表示画面36aの横幅寸法の略半分の間隔で配置されている。
そして、図11(a)に示すように、赤外光発光部37cは表示部36の表示画面に向かって略正面右側の領域(以下、略右領域とも称す)へ第1の赤外光を放射し、赤外光発光部37dは表示部36に向かって略正面左側の領域(以下、略左領域とも称す)へ第2の赤外光を放射している。赤外光発光部37c,37dから放射される光の領域は重なるが、図11(a)においては、放射される光が、略右領域と略左領域との境界領域で途切れている。これについては後で説明する。なお、図11(a)は略右領域に大人の利用者が存在し、略左領域に子供の利用者が存在している様子を示している。
また、赤外光発光部37c,37dは、図11(b)に示すように、それぞれ発光ランプ371c,371dと反射板373c,373dを備えている。そして、発光ランプ371c,371dからそれぞれ放出される第1の赤外光と第2の赤外光は、反射板373cと373dによってそれぞれ略右領域と略左領域へ放射される。なお、発光ランプ371c,371d及び反射板373c,373dの構成は、上述した発光ランプ371a,371b及び反射板373a,373bの構成と同じでよいので説明を省略する。
そして、赤外光発光部37c及び赤外光発光部37dから大人用マイク25aに設けられた赤外光受光部27a及び子供用マイク25bに設けられた赤外光受光部27bまでの距離が同じであれば、赤外光受光部27a及び赤外光受光部27bによって出力された第1の赤外光及び第2の赤外光にそれぞれ対応する受光信号の出力値が略同一となるように予め設定しておく。例えば、赤外光発光部37c及び赤外光発光部37dから大人用マイク25aに設けられた赤外光受光部27aまでの距離が同じ位置において第1の赤外光及び第2の赤外光にそれぞれ対応する受光信号の出力値が略同一になるように、赤外光発光部37cもしくは赤外光発光部37dの発光出力を調整すればよい。なお、赤外光発光部37c及び赤外光発光部37dからの距離が同じ位置とは、赤外光発光部37cと赤外光発光部37dとの略垂直二等分線上の位置に相当する。
そして、上述した[背景映像出力処理]のS220〜S290の処理においては、次のようにして大人用マイク25a及び子供用マイク25bそれぞれの存在位置を推定する。
図11(a)に示すように、赤外光発光部37c及び赤外光発光部37dによってそれぞれ放射された第1の赤外光及び第2の赤外光を受けると大人用マイク25aに設けられた赤外光受光部27a及び子供用マイク25bに設けられた赤外光受光部27bが受光信号を赤外光変調周波数抽出部121へ出力し、赤外光変調周波数抽出部121がその受光信号から赤外光の搬送周波数を計測する。そして、その計測された赤外光の搬送周波数から第1の赤外光のみと判断した場合には、大人用マイク25a及び子供用マイク25bそれぞれの存在位置を略右領域と推定する。一方、その計測された赤外光の搬送周波数から第2の赤外光のみと判断した場合には、大人用マイク25a及び子供用マイク25bそれぞれの存在位置を略左領域と推定する。
また、その計測された赤外光の搬送周波数から第1の赤外光と第2の赤外光とであると判断した場合には、第1の赤外光に対応する受光信号の出力値と、第2の赤外光に対応する受光信号の出力値との出力差を算出する。そして、その算出された出力差を第1の赤外光に対応する受光信号の出力値で除算し、その除算した数値の絶対値が所定値以上の場合には、第1の赤外光に対応する受光信号の出力値と、第2の赤外光に対応する受光信号の出力値とを比較する。
その比較の結果、第1の赤外光に対応する受光信号の出力値が大きいと判断した場合には、大人用マイク25a及び子供用マイク25bそれぞれの存在位置を略右領域と推定する。一方、第2の赤外光に対応する受光信号の出力値が大きいと判断した場合には、大人用マイク25a及び子供用マイク25bそれぞれの存在位置を略左領域と推定する。そして、上述した除算した数値の絶対値が所定値以上でない場合には、大人用マイク25a及び子供用マイク25bそれぞれの存在位置を略右領域と略左領域の境界領域と推定する。また、この略右領域と略左領域の境界領域が、図11(a)において放射される光が途切れている領域に相当する。
なお、上述した「除算した数値の絶対値が所定値以上」における「所定値」とは、例えば赤外光受光部27a固有の分解能及び赤外光受光部27b固有の分解能をそれぞれ第1の赤外光に対応する受光信号の出力値で除算した数値を比較して、その大きい数値とする。
よって、計測された赤外光の搬送周波数から第1の赤外光と第2の赤外光とであると判断した場合であっても、上述した除算した数値の絶対値が所定値以上の場合には、受光信号の出力値が大きいと判断した赤外光の搬送周波数に基づいて、図10に示す右映像が見える領域、左映像が見える領域、それらの間にある左右映像が混ざって見える領域の何れに大人用マイク25aあるいは子供用マイク25bが存在するかの対応関係を把握することができる。具体的には、図11(a)に示す略右領域、略左領域及び境界領域を、それぞれ図10に示す右映像が見える領域、左映像が見える領域及び左右映像が混ざって見える領域に対応させる。
なお、赤外光発光部37c,37dが「第1の発光手段」、「第2の発光手段」にそれぞれ相当する。
このように構成された実施形態においては、赤外光発光部37c,37dが、表示部36の表示画面36a外で表示画面36aに対して左右対称の位置に配置されているので、三角測量と同じようにして、大人用マイク25a及び子供用マイク25bの存在位置を推定できる。
(2)上記実施形態では、カラオケルーム49内のカラオケ装置1における実施を想定したが、自動車内などの移動体内の車載カラオケ装置において実施してもよい。以下、自動車449内における実施形態を図12(a)に基づいて説明する。
図12(a)は自動車449内における一対の赤外光発光部37a,37bの配置の様子を示す説明図である。
赤外光発光部37a,37bは、図12(a)に示すように、表示部36の表示画面外で表示画面の横方向略中央部に隣接して配置されている。そして、赤外光発光部37aは表示部36の表示画面に向かって右側の領域(以下、右領域とも称す)へ第1の赤外光を放射し、赤外光発光部37bは表示部36に向かって左側の領域(以下、左領域とも称す)へ第2の赤外光を放射している。また、図12(a)は前席の右領域(運転席)に大人の利用者が存在し、前席の左領域(助手席)に子供の利用者が存在し、後席に1人の子供の利用者が存在している様子を示している。そして、後席の子供は右領域へも左領域へも移動可能な様子を示している。なお、例えばカーナビの表示部がデュアルビューディスプレイであれば、このカーナビの表示部をカラオケ装置1の表示部36として使用することもできる。
このように構成された実施形態においては、自動車449内などの移動体内において実施することができるので、自動車449内において大人と子供が2人で一緒にカラオケ曲を歌唱する場合であって、背景映像に大人向けの映像内容が含まれている楽曲を選択した場合には、上述した背景映像出力処理(図6のS40及び図7参照)を実行することにより、大人用マイク25a及び子供用マイク25bの位置を介して大人と子供の位置関係を自動的に判定する。そして、その判定した対応関係に基づいて、表示部36の左右画面へ表示する背景映像の内容を制御する。具体的には、助手席もしくは後席に位置する子供には大人向けの背景映像を見せないようにしながら、運転席に位置する大人はその背景映像を見ることができるようにすることができる。つまり、大人・子供それぞれに適した背景映像を表示させることができるため、よりカラオケを楽しむことができる。
また、自動車449内に限らず、バス内でもよいし、列車内、飛行機内など種々の移動体内での実施が考えられる。
(3)上記実施形態では、赤外光受光部27が設けられているマイク25がカラオケ装置1の本体へケーブルで接続された有線通信であったが、無線通信でもよい。つまり、マイクは歌唱音声信号と受光信号を無線通信で送信するための送信部を備え、カラオケ装置はマイクを介して入力された歌唱音声信号と受光信号を無線通信にて受信するための受信部を備える。以下、このように構成されたマイクの実施形態を図12(b)〜(d)に基づいて説明する。
図12(b)は首輪部267を有する無線通信式のマイク25cを示す説明図であり、図12(c)はそのマイク25cを利用者が装着した状態を示す説明図であり、図12(d)はバッジタイプで無線通信式のマイク25dを利用者が装着した状態を示す説明図である。
無線通信式のマイク25cは、図12(b)に示すように、マイク25に対して歌唱音声信号と、赤外光受光部27から出力され、無線周波数で再変調された受光信号とを無線通信で送信するための送信部(図示せず)と、アンテナ269と、首輪部267を備える。そして、利用者は、図12(c)に示すように、マイク25cに備えられた首輪部267を首に掛けて使用する。
無線通信式のマイク25dは、マイク25cと同様にマイク25に対して歌唱音声信号と、赤外光受光部27から出力され、無線周波数で再変調された受光信号とを無線通信で送信するための送信部(図示せず)と、アンテナ(図示せず)と、クリップ部(図示せず)を備える。そして、利用者は、図12(d)に示すように、マイク25dに備えられたクリップ部(図示せず)でマイク25dを胸に留めて使用する。よって、マイク25cとマイク25dとは、首輪部267とクリップ部(図示せず)の構成のみ相違している。なお、マイク25c,25dの送信部を例えばRFタグ(Radio Frequency IDentification)方式の構成とすれば、送信部(図示せず)を小型化できる。
そして、カラオケ装置はマイクを介して入力された歌唱音声信号と、赤外光受光部27から出力され、無線周波数で再変調された受光信号とを無線通信にて受信し、受信した前記歌唱音声信号を音声認識部24へ出力し、前記受光信号を復調して赤外光変調周波数抽出部121へ出力するための受信部を備える。
このように構成された実施形態においては、マイクは歌唱音声信号と受光信号を無線通信で送信するための送信部を備え、カラオケ装置はマイクを介して入力された歌唱音声信号と受光信号を無線通信にて受信するための受信部を備えているので、カラオケ装置1の本体に接続されるケーブルを有する有線通信式のマイクに比べて、利用者はケーブルの絡みつきを気にせず移動することができる。特に、自動車内などの狭い移動体内においては、ケーブルの絡みつきを気にせずにカラオケを楽しむことができる。
(4)上記実施形態では、大人用マイク25a、子供用マイク25bがそれぞれ1本ずつの計2本のマイクを想定したが、例えば大人用マイク、子供用マイクが2本以上存在してもよい。この場合には、2本以上の子供用マイクの少なくとも何れか一方がアダルト映像の見える位置に存在する場合には、表示部36の左右両画面に非アダルト映像を表示させる。そして、2本以上の子供用マイクの全てが左右の何れかに存在し、2本以上の大人用マイクの全てが子供用マイクの存在する側とは反対側に存在する場合に、左右それぞれにアダルト映像と非アダルト映像を表示させるようにすればよい。
(5)上記実施形態では、第1の歌唱者と第2の歌唱者の関係について、大人と子供という事例を挙げて説明したが、第1の歌唱者と第2の歌唱者は大人と子供という関係のみに限定されるわけではない。例えば男と女であってもよいし、上司と部下など、種々考えられる。そして、それらの関係に応じて背景画像の内容も適宜設定すればよい。
(6)上記実施形態では、スピーカがマイク25に設けられていなかったが、スピーカを設けてもよい。すなわち、カラオケ楽曲の演奏データと、マイク25a及びマイク25cから入力されたカラオケ歌唱の音声信号とを送信するための音声送信部(図示せず)と、マイク25a及びマイク25bにそれぞれ設けられ、音声送信部によって送信された演奏データと音声信号とを受信する受信部(図示せず)を備える。また、マイク25a及びマイク25bにそれぞれ設けられた受信部によって受信された演奏データと音声信号とを出力するための例えばイヤホン形式のスピーカ(図示せず)をマイク25a及びマイク25bにそれぞれ設ける。
このように構成された実施形態においては、例えば図12(a)に示すように、自動車449内などの移動体内に設置されるカラオケ装置において、移動中にカラオケ演奏する場合には、次のような効果を奏する。イヤホン形式のスピーカにより助手席や後席に存在する利用者はそれぞれ独立したカラオケ演奏音を楽しむことができる。また、運転者には安全運転の障害とならないようにカラオケ装置本体からのスピーカ音を消し、イヤホン形式のスピーカにより助手席や後席に存在する利用者は移動中にもカラオケ演奏を楽しむことができる。
(7)上記実施形態では、カラオケ演奏を想定したが、ドラマや映画などのコンテンツを再生してもよい。すなわち、音声データと映像データとを有するコンテンツデータをHDD16が記憶する。そして、制御部12は、HDD16に記憶されているコンテンツデータに基づいてコンテンツを再生し、その再生されたコンテンツの映像を表示部16へ表示させるとともに、その再生されたコンテンツの音声データを上述したマイク25a及びマイク25bにそれぞれ設けられた受信部へ送信するよう上述した音声送信部を制御する。
このように構成された実施形態においては、音声データと映像データとを有するコンテンツデータがHDD16に記憶されているので、カラオケ演奏だけでなく、ドラマや映画なども楽しむことができる。例えば図12(a)に示すように、自動車449内などの移動体内に設置されるカラオケ装置において、移動中にドラマや映画などのコンテンツを再生する場合には、運転者には安全運転の障害とならないようにカラオケ装置本体からのスピーカ音を消し、イヤホン形式のスピーカにより助手席や後席に存在する利用者は移動中にもドラマや映画などのコンテンツを楽しむことができる。
さらに、例えば後席にそれぞれマイク25c、マイク25dを持った2人の利用者が存在し、互いに異なる映像を表示部36の左右画面へそれぞれ表示させている場合に、マイク25c及びマイク25dの位置を介してマイク25c及びマイク25dをそれぞれ持った2人の利用者の位置関係を自動的に判定する。そして、その判定した対応関係に基づいて、表示部36の左右画面へ表示する映像の内容を制御する。したがって、例えば後席に存在する2人の利用者が席を入れ替えた場合にも、運転者が互いに異なる映像を切り替えるような操作をする必要がないので、運転者には安全運転の障害とならない。
1…カラオケ装置、2…リモコン端末、12…制御部、14…インタフェース部、16…ハードディスク(HDD)、18…操作部、20…赤外線通信部、22…操作処理部、24…音声制御部、25a…大人用マイク、25b…子供用マイク、25,25c,25d…マイク、27a,27b,27…赤外光受光部、28…スピーカ、30…MIDI音源、32,33…ビデオRAM、35a,35b…赤外光変調部、36…表示部、36a…表示画面、37a〜37d…赤外光発光部、38…映像制御部、39…バス、40…USB、49…カラオケルーム、100…ネットワーク、121…赤外光変調周波数抽出部、121a…位相比較器、121b…LPF(ローパスフィルタ)、121c…VCO(制御発振器)、121d…PLL(位相ロックループ)、121e…周波数計測部、250…受音受光部、251…上部、253…透光部、255…下部、256…握り手部、257…端子部、258…ケーブル、259…集光体、261…集光レンズ、263…受光部、265…受音部、267…首輪部、269…アンテナ、371a〜371d…発光ランプ、373a〜373d…反射板、381…第1VGA部、382…第2VGA部、383…切替スイッチ部、384…第1映像出力部、385…第2映像出力部、449…自動車、3731a,3731b…平板部、3733a,3733b…立上部、3735a,3735b,3737a,3737b…蓋部。