JP2007270546A - 形状記憶合金を用いた建屋の補強構造および補強方法。 - Google Patents

形状記憶合金を用いた建屋の補強構造および補強方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】建屋の補強に当たり、操業に対する影響を最小限にとどめ、補強工事費を安価に抑えることが可能な補強構造および補強方法を提供すること。
【解決手段】 建屋1における梁部材2の下方に束柱5を設け、束柱5と梁部材2との間に形状記憶合金部材9を備えた伸長部材8が設けられ、形状記憶合金部材9の形状復元作用に伴う伸長部材8の伸長により梁部材2が押し上げられて応力が解放または低減されることを特徴とする。また、ブレースと梁部材との間に形状記憶合金部材9を備えた伸長部材8を設ける。また、梁部材に引張下弦材および形状記憶合金部材9を備えた伸長部材8からなる束材を設けて張弦梁を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、建屋の補強を行うに当たり形状記憶合金部材の形状復元作用を利用する補強構造に関する。
従来、既存建屋の補強構造で形状記憶合金部材を使用しない補強構造としては、例えば、特許文献1〜3に開示された構造が知られている。
また、従来の一般的補強構造の例としては図11〜図13に示すような構造が知られている。図11は小規模補強の一例を示し、図12、図13は共に大規模補強の例を示す。
まず、図11に示す小規模補強構造例では、左右の柱材35、35間に亘って配設された梁部材41上に載置された既設設備36に加えて新設設備40が追加されることに伴い、既設の梁部材41に補強部材41aを追加取り付けして対応する場合を示す。このような小規模補強の場合、つまり単純補強方法を採り得る場合には、補強工事による操業の一時中断など操業への影響度合いが小さく、補強工事のコストも大きな問題にはならない。
一方、上記図11と同様の建屋にて行う大規模補強工事では梁部材41の応力を解放してやる必要が生じる場合がある。その場合には、図12に示すように梁部材41の中央部を図示のように仮設の束柱37および油圧ポンプ42、油圧ジャッキ43等により押し上げて梁部材41の応力を解放し、梁部材41の全長にわたって補強部材41bを取り付ける。そして、新設設備44を追加設置し、油圧ジャッキ43等の仮設部材を撤去する手順をとる。このような大規模補強工事の場合には、油圧ジャッキ43等の仮設費がかさみ、また仮設用のスペースを確保しなければならず、また、操業の一時中断など操業への影響もあるというデメリットが生じる。
また、図13に示す大規模補強の別の例では、一旦既設設備36を取り除いて梁部材41の応力を解放し、補強部材41cを取り付ける。その後に既設設備36と新設設備45を設置する手順をとる。この場合には、既設設備36を取り除き、復旧するための費用がかかり、場合によって既設設備36の一時撤去が困難な場合にはこの補強方法は採用不可となってしまう。
特開2000−257270号公報 特開平10−30364号公報 特開平9−144049号公報
前述のように、梁部材の応力解放が必要となるような大規模補強工事の場合には、操業に対する影響を最小限にとどめ、補強工事費を安価に抑えることが課題となる。本発明は、このような課題を解消することが可能な補強構造および補強方法を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するために、第1発明では、建屋における梁部材の下に支持部材を設け、該支持部材と梁部材との間に形状記憶合金部材を備えた伸長部材が設けられ、前記形状記憶合金部材の形状復元に伴う伸長部材の伸長により梁部材が押し上げられて応力が解放または低減されることを特徴とする。
第2発明では、第1発明の形状記憶合金を用いた建屋の補強構造において、梁部材の下に設ける支持部材が束柱であることを特徴とする。
第3発明では、第1発明の形状記憶合金を用いた建屋の補強構造において、梁部材の下に設ける支持部材がブレースであることを特徴とする。
第4発明では、第1発明の形状記憶合金を用いた建屋の補強構造において、梁部材の下に設ける支持部材が、両端部が前記梁部材に固定される引張下弦材と、前記梁部材と引張下弦材との間に介在される伸長部材からなる束材であり、梁部材と引張下弦材と束材とにより張弦梁を構成していることを特徴とする。
第5発明では、第1発明〜第4発明のいずれかの形状記憶合金を用いた建屋の補強構造において、伸長部材内にて形状記憶合金部材が、摩擦接合、支圧接合、挟持のいずれかの形態により配設されることを特徴とする。
第6発明の形状記憶合金を用いた建屋の補強方法では、第5発明のいずれかの補強構造を用いて建屋を補強する方法であることを特徴とする。
本発明によると、応力解放が必要となる大規模補強工事に際して、ジャッキアップする工法や既設設備を一時撤去する工法などに比べ操業への影響を最小限に抑えることができると共に、補強工事費を安価にとどめることができ、曲げ応力が高くなる梁中間部、特に梁中央部の負担を格段に軽減できるという効果が得られる。
第1発明によると、梁部材と支持部材との間に設けた伸長部材が、形状記憶合金部材の形状復元に伴い伸長することにより梁部材を押し上げ、梁部材の応力を解放できるので、事前の準備により工事現場での作業に手間がかからず、補強工事が容易かつ安価になるという効果が得られる。また、支持部材と伸長部材は補強後撤去されることはないので、撤去費用が不要になり、さらには、従来のように、油圧ポンプ等の設置スペースが必要でないので、作業スペースをコンパクトにできる効果も得られる。
第2発明によると、柱材近辺に撤去できない既設設備等があって床面や空間に制約がある場合に、束柱を立設するだけの小さな床面スペースがあれば工事可能であるという効果が得られる。
第3発明によると、梁部材の中央部下方に撤去できない既設設備等があって床面や空間に制約がある場合に、ブレースを用いることにより梁部材の応力解放構造を構成可能であり、撤去作業を省略可能となる効果が得られる。
第4発明によると、梁部材の下方全域に撤去できない既設設備等がある悪条件下においても張弦梁を構成することにより梁部材の応力解放構造を構成できる効果が得られる。
第5発明によると、採用する応力解放構造に応じて伸長部材内にて形状記憶合金部材の配設構造を適切に選定可能であるという効果が得られる。
第6発明によると、補強対象の建屋における工事環境条件に応じて形状記憶合金部材を備えた支持部材により適切な補強方法を選定可能であるので第1発明〜第5発明のいずれかによる効果が得られる。
次に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は建屋1の補強方法を示す説明図であり、束柱タイプの補強方法とも称すべきものである。まず、この図面を参照して補強方法の概要を説明し、ついで図5以降の図を参照して補強構造の詳細について説明する。
図1(a)は補強以前の建屋1の構成を示す。建屋1は左右一対の柱材3とこれらの上端に端部を接合された梁部材2とからなる。梁部材2の中央部には既設設備4が設置されている。図1(b)はこの状態(補強前)で両部材2、3が受ける曲げモーメント7の分布を示す。
梁部材2上に新設設備(図示省略)を追加するのに対応するためにこの建屋1を補強するに当たり、図1(c)に示すように支持部材としての束柱5を梁部材2の中央部の下に立設し、束柱5の頂部に形状記憶合金9(図5参照)を備えた伸長部材8を固定する(図5参照)。図1(c)に示す破線10は補強方法(補強構造)を制約する既設設備6を示す。このような位置に既設設備6等の制約物がある場合に束柱タイプの補強構造が採用される。
上記の伸長部材8は4個の形状記憶合金部材9と、それらを上下から挟んで配設される取り付け板11、11とから構成される(図5参照)。束柱5と伸長部材8とを梁部材2の下方に立設する際には、伸長部材8の上側取り付け板11と梁部材2との間に所定の僅かな隙間12を設ける。
形状記憶合金部材9は、あらかじめ、ある臨界温度以下で加工を加えてあり、加熱操作によりある臨界温度を超えると元の形状に戻る性質を持つ。この性質を利用すべく、上記の束柱5と伸長部材8とを立設した後、形状記憶合金部材9をある臨界温度以上の所定の温度に加熱する。加熱を受けた形状記憶合金部材9はある臨界温度以上になると上下方向に伸長し、形状回復する。そしてその形状回復(上下方向に回復伸長)に応じて伸長部材8も伸長する(図1d参照)。
こうして、形状記憶合金部材9の形状回復によって、上記立設時の伸長部材8とその上の梁部材2との間に設けた隙間12は埋められ、さらに梁部材2を上方へ押し上げる。この押し上げ状態で伸長部材8の上側取り付け板11を梁部材2に最終的にボルト締めする。束柱5と伸長部材8とが梁部材2の押し上げ部材13を構成している。
なお、上記の加熱操作前の取り付け時に伸長部材8の上に隙間12を設けずに、伸長部材8を梁部材2の下に押し込む方法を採ってもよい。
図1(e)は加熱操作後に形状記憶合金部材9が形状回復して梁部材2を上方へ押し上げた後の曲げモーメントの分布を示す。補強により曲げモーメント7の分布は梁部材2中央部で上方へ凸の形状に切り替わり、梁部材2の応力が解放または低減される。束柱5と形状記憶合金部材9を含む伸長部材8とはそのまま継続使用される。図10(a)に束柱タイプの補強構造における束柱5と伸長部材8と梁部材1との関係が拡大して示されている。
図2は図示の既設設備6の制約に対応して支持部材としてのブレース14を用いたブレースタイプの補強構造を採用した場合の説明図である。さらに、図3は柱材3、3間の全範囲に亘って設置された既設設備6を避けて支持部材としての張弦梁(トラス)15を構成したトラスタイプの補強構造を採用した場合の説明図である。図2、図3の補強構造における伸長部材8は、以下に示す束柱タイプ(図1)の伸長部材8と同じかまたは同様構造のものを採用できる。
図3では、梁部材2の下に設ける支持部材が、両端部が前記梁部材2に固定される引張下弦材15aと、前記梁部材2と引張下弦材15aとの間に介在される形状記憶合金部材9を含むと伸長部材8と束材8aであり、梁部材2と引張下弦材15aと伸長部材8と束材8aとにより張弦梁15を構成している。前記の引張下弦材15aとしては、線状または棒状等の一般の鋼材を使用するとよい。なお、PCケーブルあるいはPC鋼材を使用してもよい。引張下弦材15aの両端部は、それぞれ梁部材2の端部に定着金具(図示を省略した)により緊張状態で定着される。
図4(a)、(b)は上記の押し上げにより梁部材2の応力を解放する場合の補強効果を、前記の背景技術における単純補強時の補強効果と比較して示す説明図である。
図4(a)は単純補強時(応力解放なし)の梁部材2の応力(荷重)を棒グラフで示している。図中の下側水平一点鎖線16は梁部材2の耐力レベルを示し、上側水平一点鎖線17は単純補強後に向上した耐力レベルを示す。補強前の梁部材2の応力は左方の棒グラフ18で示すように、耐力(下側水平一点鎖線16)に近い状態であり、余力が少ない。この少ない余力部分で追加設備の負荷の何割かを負担する必要があるため、補強による対応に限界がでて、右方の棒グラフ19(補強後の梁部材2の応力で補強前と変化がない)に上側水平一点鎖線17で示すように補強による荷重対応領域が小さく、大幅補強が望めない。
これに対し、本実施形態の補強方法を行えば、図4(b)の中央の棒グラフ20で示すように梁部材2の応力は格段に解放(低減)され、余力は大幅に増加する。これにより右方の棒グラフ21で示すように、解放低減された応力状態の梁部材2に補強前と同程度の補強材を追加可能となるので、合計耐力を大幅に向上すること(大幅補強)が可能となる。
図5(a)、(b)は押し上げ部材13を構成する伸長部材8の詳細構造を示す。(a)は側面図であり、(b)は (a)のA−A断面図である。図5に示すように、四角形状の取り付け板11には、等角度間隔をおいて前後左右に十文字状に4箇所に各2枚の平行なブラケット22が立設固定され、各平行なブラケット22のすき間に形状記憶合金部材9が隙間無く差し込まれてボルト・ナット29により強固に締め付けられている。したがって各形状記憶合金部材9は平行なブラケット22を介して取り付け板11に摩擦接合されている。形状記憶合金部材9とブラケット22の摩擦面を介してボルト・ナット29により一体化されている。すなわち、この形態では、形状記憶合金部材9の両端部は、それぞれブラケット22間に配置され、その両側面がブラケット22間に介在されると共に当接されてボルト・ナット29により強固に締め付けられて、ボルト・ナット29の締め付け力と、ブラケット22の側面と形状記憶合金部材9の両側面との摩擦とを利用した接合構造(ボルトの締め付け力を利用した摩擦接合)とされている形態である。
なお、形状記憶合金部材9と平行なブラケット22とのボルト・ナット29による接合部には、図6に示すように隙間23があってもよく、その場合はボルト軸部のせん断耐力を利用する支圧接合構造になり、形状記憶合金部材9の取付け穴25の内面を支承面(支圧面)としてこれに挿通されるボルト29の軸部外周側面により支承して、ボルト29のせん断耐力を利用する接合構造であり、このような形態では、ボルト軸断面を大きくするとよい。このような上下の取り付け板11、11が形状記憶合金部材9を挟み込んで上下に対向配置されている。下側の取り付け板11は4個の取り付け穴部24にて束柱5の上端部にボルト・ナット30等により固定され、上側の取り付け板11は同様に梁部材2にボルト・ナット30等により固定されるため、束柱5の上端部にボルト挿通孔を有する水平フランジ31を設けておくとよい。前記のような支圧接合の場合には、ボルト29に代えてピンでもよい。
図7は板状に加工された単品状態の形状記憶合金部材9の斜視図である。形状記憶合金部材9は4個共、図示のように厚板状に切削成形される。上下各2個の取り付け穴25にて上記平行なブラケット22にボルト締めされ、この固定部は形状回復しない(ガスバーナー等により加熱しても加熱しなくても変化しない部分)。中間部9aのみが加熱操作により形状が回復する範囲である。
例えば、形状記憶合金部材9としては、引っ張り強さ680〜1000MPa、形状が完全に回復する変態温度300〜350℃、形状回復力180MPa、形状回復ひずみ2.5〜4.0%程度の性能を有する16%Mn−5%Si−12%Cr−5%Ni−Feや20%Mn−5%Si−8%Cr−5%Ni−Feなどの鉄系形状記憶合金を用いるのが好ましい。
図8(a)〜(c)は、上記成形されたものとは別に、一般に板状に加工された場合の形状記憶合金部材9について、形状回復の様子を説明する説明図である。(a)に示す板状に加工された形状記憶合金部材9を300℃以下の所定の温度で(b)に示すように上下方向に圧縮し、板厚方向に与ひずみを生じさせる。図中の破線9bは圧縮前の板厚状態を示す。このとき体積はほぼ一定のため形状記憶合金部材9は板幅方向(板厚と直角方向)にも変化する。そして、上記図5に示す状態で梁部材2の下に取り付けた後、中間部9aを加熱する。形状記憶合金部材9の前記中間部9aは300〜350℃にて上下方向に形状回復して、梁部材2を押し上げる。これにより梁部材2の応力が解放または低減される。なお、ボルトによる接合部は板厚を厚くして与ひずみが与えられないようにし、中間部のみに与ひずみが与えておくのが好ましい。
図9は実施形態2における伸長部材28の構成を示す。この伸長部材28は、束柱タイプあるいは張弦梁タイプでも使用可能であるが図示形態ではブレースタイプの補強構造に適用されている。そして、伸長部材28を構成する形状記憶合金部材26は図9(a)、(b)に示のように角ブロック状に形成され、あらかじめ図9(c)に示すように所定の臨界温度以下の条件下で上下方向に圧縮されて与ひずみを生じた状態((c)図の中央図に示す。破線は圧縮前の形状を示す)で、上下に対向配置された取り付け板27、27に挟持(挟み込まれて支承される)されて配設されている。このとき形状記憶合金部材26は両取り付け板27に立設固定され対向するように配置された4個のL字形ガイド27a内に固着されない状態でずれ止めされて配設されている。この形態では、形状記憶合金部材26が上下に対向配置された取り付け板27、27間に挟み込まれて支承される形態とされている。前記のL字形ガイド27aは取り付け板27に4個設けているが、L字形ガイド27aを形状記憶合金部材26の対角方向に2個、取り付け板27に設ける形態でも可能であり、また、前記以外にも、形状記憶合金部材26の各側面に近接して平板状のガイドを取り付け板27に設ける形態でもよい。すなわち、形状記憶合金部材26は2つの部材(取り付け板27、27)に挟み込まれて支承される形態でもよい。前記の取り付け板27に相当する形状記憶合金部材26の上部または下部を支承する支承部と、好ましくは横方向にずれないように支承する支承部を、予め梁部材2あるいは束柱等に設けている場合には、前記の取付け板27を省略することができる。すなわち、形状記憶合金部材26は挟み込まれて支承される形態(挟持される形態)でもよい。
支持部材としてのブレース14上への伸長部材28の取り付けに当たっては、図10(b)に示すように、伸長部材28の下側の取り付け板27に、下向きに立設したブラケット27bをブレース14の頂部14aに継ぎ手板等を介してボルト・ナット等により固定する。そして、梁部材2との間に所定の僅かな隙間12を設けるか、または隙間無しで上側取り付け板27を梁部材2に取り付けた後、形状記憶合金材26を加熱する。形状記憶合金部材26は前述したように300〜350℃にて上下方向に形状回復して梁部材2を押し上げる。こうして、ブレースタイプの補強構造によっても束柱タイプの補強の場合と同様に梁部材2の応力を解放する。
本発明を実施する場合、梁部材としては鋼製梁部材、鉄筋コンクリート梁部材、鋼・コンクリート製の合成構造の梁部材を補強することにより建家を補強するようにしてもよい。
(a)は補強前の建屋を示す正面図、(b)は補強前の曲げモーメントの分布図、(c)は押し上げ部材を梁部材の下方に立設した状態を示す正面図、(d)は補強後の曲げモーメントの分布図である。 ブレースタイプの補強構造を示す説明図である。 トラスタイプの補強構造を示す説明図である。 (a)は梁部材を単純補強する従来技術の一例を示す説明図、(b)は梁部材の応力を解放する本発明の補強例を示す説明図である。 (a)は束柱タイプの補強構造における伸長部材の側面図、(b)は(a)のA−A断面図である。 (a)は束柱タイプの補強構造における伸長部材の設計変更例の側面図、(b)は(a)のB−B断面図である。 板状形状記憶合金部材の斜視図である。 (a)〜(c)は板状に加工された形状記憶合金部材の形状回復の様子を説明する説明図である。 (a)は角ブロック状形状記憶合金部材を備える伸長部材の一例の側面図、(b)は(a)のB−B断面図である。 (a)は束柱タイプの補強構造における束柱と伸長部材と梁部材との関係が拡大して示す図、(b)は角ブロック状形状記憶合金部材を備える伸長部材をブレースタイプの補強構造に用いた実施形態2の側面図である。 従来技術による単純補強構造の一例の説明図である。 従来技術による油圧ジャッキ等を用いた補強構造の一例の説明図である。 従来技術による既設設備を一旦撤去する補強構造の一例の説明図である。
符号の説明
1 建屋
2、41 梁部材
3、35 柱材
4、6、36 既設設備
5、37 束柱(支持部材)
7 曲げモーメント
8、28 伸長部材
8a 束材
9、26 形状記憶合金部材
9a 中間部
10、9b 破線
11、27 取り付け板
12、23 隙間
13 押し上げ部材
14 ブレース(支持部材)
15a 引張下弦材
15 トラス(支持部材、張弦梁)
16 下側水平一点鎖線
17 上側水平一点鎖線
18、19、20、21 棒グラフ
22 平行なブラケット
24 取り付け穴部
25 取り付け穴
27 取付板
27a ガイド
27b ブラケット
29 ボルト・ナット
30 ボルト・ナット
31 ボルト・ナット
40 新設設備
41a、41b、41c 補強部材
42 油圧ポンプ
43 油圧ジャッキ
44,45 新設設備

Claims (6)

  1. 建屋における梁部材の下に支持部材を設け、該支持部材と梁部材との間に形状記憶合金部材を備えた伸長部材が設けられ、前記形状記憶合金部材の形状復元に伴う伸長部材の伸長により前記梁部材が押し上げられて応力が解放または低減されることを特徴とする形状記憶合金を用いた建屋の補強構造。
  2. 梁部材の下に設ける支持部材が束柱であることを特徴とする請求項1に記載の形状記憶合金を用いた建屋の補強構造。
  3. 梁部材の下に設ける支持部材がブレースであることを特徴とする請求項1に記載の形状記憶合金を用いた建屋の補強構造。
  4. 梁部材の下に設ける支持部材が、両端部が前記梁部材に固定される引張下弦材と、前記梁部材と引張下弦材との間に介在される伸長部材からなる束材であり、梁部材と引張下弦材と束材とにより張弦梁を構成していることを特徴とする請求項1に記載の形状記憶合金を用いた建屋の補強構造。
  5. 伸長部材内にて形状記憶合金部材が、摩擦接合、支圧接合、挟持のいずれかの形態により配設されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の形状記憶合金を用いた建屋の補強構造。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の形状記憶合金を用いた建屋の補強構造により建屋を補強することを特徴とする形状記憶合金を用いた建屋の補強方法。
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