JP2017078286A - 梁の施工方法 - Google Patents

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克尚 小西
Katsunao Konishi
克尚 小西
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Abstract

【課題】構造物に端部を固定して梁を使用しているときに梁に作用する曲げモーメントの大きさの最大値を抑えた梁の施工方法を提供する。【解決手段】梁の施工方法は、梁の両端部を自由端にするとともに梁の中央部を梁の軸線に直交する第一の向きに向かって凸となるように湾曲させる第一工程S1と、湾曲させた状態の梁を第一の向きが下方になるように配置して、梁のそれぞれの端部を構造物に固定する第二工程S3と、を行う。【選択図】図2

Description

本発明は、梁を構造物に固定する梁の施工方法に関する。
従来、梁の耐力を向上させるために、様々な検討が行われている。
例えば、特許文献1に記載された梁の施工方法は、長大スパンの梁を有する構造物に、外力で最も撓む部分である梁の中央部にプレストレスを与えている。
具体的には、梁の中央部の両側において、支持板を梁に固着した定着装置を一対設ける。一対の定着装置の間にプレストレスを導入する材料を架け渡す。この材料をナット等の緊張具でもって所定量で緊張させ、梁の一部分にプレストレスを与える。
このように構成することで、梁に作用する曲げ引張応力や軸方向引張応力を打消し、構造物の荷重や外力による断面の応力レベルを下げて、見かけ上の梁の耐力を向上させる。
特開平5−106270号公報
梁は両端部を固定端にして構造物に固定された後で、等分布荷重と考えられる死荷重(Dead Load、固定荷重)や活荷重(Live Load、動荷重)が作用した状態で使用される。死荷重は主に梁の上に積載される床スラブによる荷重であり、活荷重は床スラブの上にある荷物や人等による荷重である。
物量倉庫等の鉄骨造の梁に作用する荷重は、死荷重よりも活荷重が支配的で、活荷重に対して梁の長手方向に直交する断面形状が決定される。梁の多くはノンブラケットであり、その場合、梁は端部と中央部とが同一の断面となるように設計される。両端部が固定されている梁の等分布荷重下での曲げモーメントの大きさの比は、中央部が1に対して端部が2となる。
ここで、梁を下方に向かって凸となるように湾曲させる(上方に凹に曲げようとする)曲げモーメントを正の曲げモーメントと規定する。この梁の中央部には正の曲げモーメントが作用し、端部には負の曲げモーメントが作用する。
梁の中央部に作用する曲げモーメントの大きさは、端部に作用する曲げモーメントの大きさに比べて小さくなる。長手方向の位置によらず同一の断面となる梁では、中央部の曲げモーメントの耐力に余裕がある。
梁に作用する曲げモーメントの大きさの最大値が小さくなれば、より断面積(断面二次モーメント)の小さい梁を選定することができる。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、構造物に端部を固定して梁を使用しているときに梁に作用する曲げモーメントの大きさの最大値を抑えた梁の施工方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の梁の施工方法は、梁の両端部を自由端にするとともに前記梁の中央部を前記梁の軸線に直交する第一の向きに向かって凸となるように湾曲させる第一工程と、湾曲させた状態の前記梁を前記第一の向きが下方になるように配置して、前記梁のそれぞれの前記端部を構造物に固定する第二工程と、を行うことを特徴としている。
この発明によれば、第二工程の終了時には梁の端部の曲げモーメントはほぼ0(0も含む)になる。梁を湾曲させるのに死荷重を作用させた場合には、梁に死荷重だけでなく活荷重が作用して梁を使用しているときに、両端部が固定端である従来の梁に死荷重及び活荷重が作用した場合に比べて、梁の端部に作用する曲げモーメントの大きさが小さくなり、梁の中央部に作用する曲げモーメントの大きさが大きくなる。
一方で、梁を死荷重以外の外力で湾曲させた場合には、梁の両端部を構造物に固定した後で外力を取り除くと、梁には梁の長手方向の位置によらず一定の正の曲げモーメントが作用する。この梁に死荷重及び活荷重を作用させて梁を使用すると、前述の正の曲げモーメントにより、端部に生じる負の曲げモーメントの大きさが小さくなり、中央部に生じる正の曲げモーメントの大きさが大きくなる。
また、上記の梁の施工方法において、前記第一工程では、前記構造物に前記梁のそれぞれの前記端部を、前記第一の向きが下方になるとともにそれぞれの前記端部が自由端になるように取付け、前記梁の上に床スラブを載せてもよい。
この発明によれば、最終的には梁の上に施工する必要がある床スラブによる荷重で梁を湾曲させる。
また、上記の梁の施工方法において、前記第一工程では、前記構造物に前記梁のそれぞれの前記端部が自由端になるように取付け、前記梁の中央部と前記構造物とを接続部材を介して接続することで前記梁の中央部を前記第一の向きが下方になるように湾曲させ、前記第二工程の後で、前記梁及び前記構造物から前記接続部材を取外してもよい。
また、上記の梁の施工方法において、前記第一工程では、前記梁に保持具を取付けることで前記梁の中央部を湾曲させ、前記第二工程の後で、前記梁から前記保持具を取外してもよい。
本発明において、請求項1に記載の梁の施工方法によれば、構造物に端部を固定して梁を使用しているときに曲げモーメントの大きさの最大値であった梁の端部の曲げモーメントの大きさが小さくなることで、梁に作用する曲げモーメントの大きさの最大値を抑えることができる。
請求項2に記載の梁の施工方法によれば、新たな道具等を必要とすることなく梁を湾曲させることができる。
請求項3に記載の梁の施工方法によれば、現場である構造物のある場所において、接続部材を用いて梁を湾曲させることができる。この接続部材は、梁及び構造物に着脱させて繰り返し用いることができる。
請求項4に記載の梁の施工方法によれば、構造物から離れた例えば工場において梁を湾曲させることができるため、梁を湾曲させる精度を向上させることができる。保持具は、梁に着脱させて繰り返し用いることができる。
本発明の第1実施形態の梁の施工方法に用いられる梁及び建築物の断面の模式図である。 本発明の第1実施形態における梁の施工方法を示すフローチャートである。 同梁の施工方法の初期モーメント付加工程を説明する断面の模式図である。 同初期モーメント付加工程を説明する(A)死荷重が作用する境界条件を表す模式図と、(B)曲げモーメントを表す模式図である。 同梁の施工方法を説明する(A)活荷重が作用する境界条件を表す模式図と、(B)曲げモーメントを表す模式図である。 同梁の施工方法を説明する(A)死荷重及び活荷重が作用する境界条件を表す模式図と、(B)曲げモーメントを表す模式図である。 比較例の従来の梁において(A)死荷重及び活荷重が作用する境界条件を表す模式図と、(B)曲げモーメントを表す模式図である。 本発明の第2実施形態の梁の施工方法における初期モーメント付加工程を説明する模式図である。 同初期モーメント付加工程を説明する(A)集中荷重が作用する境界条件を表す模式図と、(B)曲げモーメントを表す模式図である。 同梁の施工方法の端部固定工程を説明する模式図である。 同梁の施工方法の拘束除去工程を説明する(A)境界条件を表す模式図と、(B)曲げモーメントを表す模式図である。 同拘束除去工程の後で死荷重及び活荷重を作用させた状態を説明する模式図である。 同拘束除去工程の後で死荷重及び活荷重を作用させた状態を説明する(A)境界条件を表す模式図と、(B)曲げモーメントを表す模式図である。 同梁の施工方法の端部固定工程を説明する模式図である。 本発明の第3実施形態の梁の施工方法における初期モーメント付加工程を説明する模式図である。 同梁の施工方法の端部固定工程を説明する模式図である。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る梁の施工方法(以下、施工方法とも略称する)の第1実施形態を、図1から7を参照しながら説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の厚さや寸法の比率を調整している。
図1に示すように、本施工方法に用いられる梁1は例えばH形鋼である。梁1は、建築物(構造物)100の一対の柱101の間に水平面に平行に延びるとともに、ウエブ11に対して一方のフランジ12が上方に、他方のフランジ13が下方になるように配置されている。なお、梁1の長さをlとする(図4参照)。
柱101には、図示しないガセットプレートが固定されている。梁1のウエブ11の両端部1aと柱101のガセットプレートとは、スプライスプレート103、ボルト104、及び図示しないナットで固定されている。すなわち、スプライスプレート103と梁1のウエブ11、スプライスプレート103と柱101のガセットプレートが、ボルト104及びナットできつく締め付ける(本締めする)ことにより固定されている。
梁1のフランジ12、13の両端部1aと柱101とは、溶接により形成された溶接部105により固定されている。
梁1のフランジ12の上には、床スラブ107が載せられ(打設され)ている。
次に、以上のように構成された建築物100に梁1を固定する本実施形態の施工方法について説明する。図2は本発明の第1実施形態における施工方法を示すフローチャートである。
まず、図3及び4に示すように、初期モーメント付加工程(第一工程、図2参照)S1において、梁1の両端部1aを自由端B1にするとともに梁1の中央部1bを梁1の軸線Cに直交する第一の向きD1に向かって凸となるように湾曲させる(第一の向きD1とは反対の向きに凹に曲げる)。
ここで言う端部1aを自由端B1にするとは、端部1aの位置は拘束するが、端部1aの回転は拘束しないこと(端部1aの回転を完全には拘束しないことも含む)を意味する。具体的には、端部1aにおいて一対のフランジ12、13のうちの一方のフランジ12だけを柱101に溶接する。ボルト104及びナットで緩く締め付けて(仮締めして)、建築物100の柱101に梁1のそれぞれの端部1aを取付ける。この段階では、フランジ13は柱101に溶接しない。
また、梁1の中央部1bを第一の向きD1に向かって凸となるように湾曲させるとは、変形が無視できる程度の外力しか作用しない自然状態で直線状である梁1を第一の向きD1に向かって凸となるように湾曲させることだけでなく、自然状態で第一の向きD1に凹な梁1を直線状に変形させること等も含む意味である。
梁1の上に床スラブ107を載せ、梁1が湾曲する第一の向きD1が下方になるとともにそれぞれの端部1aが自由端B1になるようにする。梁1の上に床スラブ107を載せると、梁1に単位長さ当たりの大きさがωで下向きの等分布荷重が作用する(図4(A)参照)。この大きさωの等分布荷重が死荷重に相当する。床スラブ107により梁1が湾曲するように変形した形状を誇張して、線L1で示す(図3参照)。梁1の曲げモーメントは、公知の構造力学の理論に基づいて図4(B)の線L2のように求められる。
ここで、梁1を下方に向かって凸となるように湾曲させる(上方に凹に曲げる)曲げモーメントを正(+)の曲げモーメントと規定する。一方で、梁1を上方に向かって凸となるように湾曲させる(下方に凹に曲げる)曲げモーメントを負(−)の曲げモーメントと規定する。梁1の端部1a以外には、梁1の長手方向の位置によらず正の曲げモーメントが作用する。
床スラブ107により梁1を湾曲させるため、新たな道具や部材が必要とならない。
梁1の中央部1bでの曲げモーメントの大きさMは(ω/8)であり、それぞれの端部1aでの曲げモーメントの大きさは0である。
以上で初期モーメント付加工程S1を終了し、端部固定工程S3に移行する。
次に、端部固定工程(第二工程)S3において、図1に示すように湾曲させた状態の梁1を第一の向きD1が下方になるように配置して、梁1のそれぞれの端部1aを建築物100の柱101に固定する。すなわち、梁1のそれぞれの端部1aを固定端にする。具体的には、一対のフランジ12、13の両方を柱101に溶接する。ボルト104及びナットを本締めする。
以上で端部固定工程S3を終了し、本施工方法の全ての処理を終了する。端部固定工程S3の終了時には梁1の曲げモーメントは図4(B)の線L2のようであり、梁1の端部1aの曲げモーメントはほぼ0になる。
建築物100を物量倉庫として使用する場合に、図5に示すように、例えば活荷重として死荷重の3倍の単位長さ当たりの大きさが3ωの等分布荷重が梁1に作用したとする。図5では、梁1に活荷重のみが作用し、死荷重が作用していない状態を説明するものである。活荷重は、例えば図1に示す荷物108により作用される。
梁1のそれぞれの端部1aは固定端になっていて、梁1の曲げモーメントは、図5(B)の線L4のように求められる。梁1の中央部1bには正の曲げモーメントが作用していて、その大きさMは(ω/8)である。梁1のそれぞれの端部1aには負の曲げモーメントが作用していて、その大きさMは(ω/4)である。
梁1に死荷重及び活荷重を作用させて使用しているときには、図4及び5を合成させた図6のような梁1の曲げモーメントになる。すなわち、図6(A)に示すように梁1に単位長さ当たりの大きさが4ωの等分布荷重が作用する。梁1の曲げモーメントは、図6(B)に示すように、前述の線L2及び線L4を合成させて、線L6のように求められる。梁1の中央部1bには正の曲げモーメントが作用していて、その大きさMは(ω/4)である。梁1のそれぞれの端部1aには負の曲げモーメントが作用していて、その大きさMは(ω/4)である。梁1では、端部1aと中央部1bとで曲げモーメントの大きさが均一化されている。
この場合、MとMとが等しくなる。すなわち、梁1に作用する曲げモーメントの大きさの最大値が(ω/4)であるため、この最大値に耐えられる断面積を有する梁1を選定すればよいことになる。
ここで、比較例として、図7を用いて従来の梁110の曲げモーメントについて説明する。梁110の両端部110aは、固定端になっている。図7(A)に示すように、梁110を使用しているときには、単位長さ当たりの大きさが4ωの等分布荷重が作用する。
梁110の曲げモーメントは、図7(B)に示す線L8のように求められる。梁110の中央部110bには正の曲げモーメントが作用していて、その大きさMは(ω/6)である。梁110のそれぞれの端部110aには負の曲げモーメントが作用していて、その大きさMは(ω/3)である。比較例の梁110では、曲げモーメントの大きさの比は、中央部110bが1に対して端部110aが2となる。従来の梁110では、曲げモーメントの大きさの最大値は、端部110aで生じる。
本実施形態の梁1の端部1aでの曲げモーメントの大きさMは(ω/4)であり、比較例の梁110の端部110aでの曲げモーメントの大きさMは(ω/3)である。本実施形態の梁1の中央部1bでの曲げモーメントの大きさMは(ω/4)であり、比較例の梁110の中央部110bでの曲げモーメントの大きさMは(ω/6)である。
本実施形態の梁1は、比較例の梁110に比べて、端部1aでの曲げモーメントの大きさの最大値が(1)式より75%と小さくなり、曲げモーメントの大きさの最大値を25%低減できることが分かった。
(ω/4)/(ω/3)=3/4=0.75 ・・(1)
一方で、本実施形態の梁1は、比較例の梁110に比べて、中央部1bでの曲げモーメントの大きさが(2)式より150%と大きくなり、曲げモーメントの大きさが50%増加することが分かった。
(ω/4)/(ω/6)=6/4=1.50 ・・(2)
以上説明したように、本実施形態の施工方法によれば、端部固定工程S3の終了時には梁1の端部1aの曲げモーメントはほぼ0になる。梁1を湾曲させるのに死荷重を作用させた場合には、梁1に死荷重だけでなく活荷重を作用させて梁1を使用しているときに、両端部110aが固定端である従来の比較例の梁110を使用している場合に比べて、梁1の端部1aに作用する曲げモーメントの大きさが小さくなり、梁1の中央部1bに作用する曲げモーメントの大きさが大きくなる。
したがって、建築物100に端部1aを固定して梁1を使用しているときに、従来において曲げモーメントの大きさの最大値であった梁1の端部1aの曲げモーメントの大きさが小さくなることで、梁1に作用する曲げモーメントの大きさの最大値を抑えることができる。
この曲げモーメントの大きさの最大値に耐えられる断面積を有する梁1として、断面積が狭くサイズの小さい梁1を選定することができる。
第一工程では、建築物100に梁1のそれぞれの端部1aを取付け、梁1の上に床スラブ107を載せる。このため、新たな道具や部材を必要とすることなく梁1を湾曲させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図8から図14を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図8に示すように、本実施形態の施工方法では、初期モーメント付加工程(図2参照)S6において、建築物100の柱101に梁1のそれぞれの端部1aが自由端B1になるように取付ける。端部1aの取付けは、前述のように梁1のフランジ12だけを柱101に溶接し、ボルト104等を仮締めすることで行う。
梁1の中央部1bと建築物100とを、チェーンブロック等の接続部材115を介して接続することで、梁1の中央部1bを梁1が湾曲する第一の向きD1が下方になるように湾曲させる。梁1Aの例では、接続部材115を梁1Aの中央部1bと建築物100の大梁120とに接続している。接続部材115は、鉛直方向に沿って延びるように接続されている。接続部材115に張力を作用させることで、床スラブ107以外の外力で、梁1の中央部1bを下方に向かって凸となるように湾曲させる。
本実施形態では、梁1を建築物100のある現場で湾曲させる。
図9に示すように、接続部材115により集中荷重Pが作用する梁1の曲げモーメントは、線L12のように求められる。梁1の中央部1bでの曲げモーメントの大きさMは(Pl/4)であり、それぞれの端部1aでの曲げモーメントの大きさはほぼ0である。
なお、図8中に示す梁1Bの例のように、接続部材115を梁1Aの中央部1bと建築物100の柱101とに接続してもよい。接続部材115は、鉛直方向に対して斜めに延びるように接続されている。
次に、前述の端部固定工程S3を行い、図10に示すように、梁1のそれぞれの端部1aを建築物100の柱101に固定する。端部1aの固定は、一対のフランジ12、13の両方を柱101に溶接するとともに、ボルト104等を本締めすることで行う。これにより、梁1の両端部1aは固定端B2になる。
端部固定工程S3の後で、梁1及び建築物100から接続部材115を取外す(拘束除去工程)。接続部材115が取外された後では、図11に示すように、梁1の曲げモーメントは線L13のようになる。すなわち、梁1には梁1の長手方向の位置によらず一定の正の曲げモーメントが作用する。梁1の中央部1bにおける曲げモーメントの大きさM、及び梁1の端部1aにおける曲げモーメントの大きさMはそれぞれ(Pl/8)になる。
ここで、両端部1aが固定端B2である梁1に、死荷重及び活荷重の合力となる単位長さ当たりの大きさが4ωで下向きの等分布荷重が作用すると、梁1の曲げモーメントは、図13(B)の線L14のように求められる。梁1の中央部1bには正の曲げモーメントが作用していて、その大きさは(ω/6)である。梁1のそれぞれの端部1aには負(−)の曲げモーメントが作用していて、その大きさは(ω/3)である。
前述の拘束除去工程の後で、図12に示すように梁1の上に床スラブ107及び荷物108を載せて死荷重及び活荷重を作用させ梁1を使用すると、梁1の曲げモーメントは、図13(B)に示すように、前述の線L13及び線L14を合成させて、線L16のようになる。梁1の中央部1bの中央部1bには正の曲げモーメントが作用していて、その大きさMは(ω/6+Pl/8)である。梁1のそれぞれの端部1aには負の曲げモーメントが作用していて、その大きさMは(ω/3−Pl/8)である。
ここで、MとMとが等しいとすると、(3)、(4)式より集中荷重Pは(2ωl/3)となる。
ω/6+Pl/8=ω/3−Pl/8 ・・(3)
P/4=ωl/6 ・・(4)
すなわち、集中荷重Pは、梁1に作用する死荷重及び活荷重の合計の大きさである4ωlの(1/6)倍である。
このとき、M及びMは、(ω/4)になる。
本実施形態の梁1の端部1aでの曲げモーメントの大きさMは(ω/4)であり、比較例となる線L14で与えられる従来の梁の端部での曲げモーメントの大きさは(ω/3)である。
本実施形態の梁1は、比較例の梁に比べて、端部1aでの曲げモーメントの大きさの最大値が(5)式より75%と小さくなり、曲げモーメントの大きさの最大値を25%低減できることが分かった。
(ω/4)/(ω/3)=3/4=0.75 ・・(5)
一方で、梁1の中央部1bでの曲げモーメントの大きさMは(ω/4)であり、比較例となる線L14で与えられる従来の梁の中央部での曲げモーメントの大きさは(ω/6)である。本実施形態の梁1は、比較例の梁に比べて、中央部1bでの曲げモーメントの大きさが(6)式より150%と大きくなり、曲げモーメントの大きさが50%増加することが分かった。
(ω/4)/(ω/6)=6/4=1.50 ・・(6)
なお、図14に示すように、建築物100のある階の梁1の施工が終わったら、その階よりも上方の階に、同様にして梁1を施工する。このように、接続部材115を繰り返し用いて、梁1の施工を進める。
以上説明したように、本実施形態の施工方法によれば、梁1の両端部1aを建築物100に固定した後で外力を取り除くと、梁1には梁1の長手方向の位置によらず一定の正の曲げモーメントが作用する。この梁1に死荷重及び活荷重を作用させて梁1を使用すると、前述の正の曲げモーメントにより、梁1の端部1aに生じる負の曲げモーメントの大きさが小さくなり、中央部1bに生じる正の曲げモーメントの大きさが大きくなる。
したがって、建築物100に端部1aを固定して梁1を使用しているときに、従来において曲げモーメントの大きさの最大値であった梁1の端部1aの曲げモーメントの大きさが小さくなることで、梁1に作用する曲げモーメントの大きさの最大値を抑えることができる。
また、現場である建築物100のある場所において、接続部材115を用いて梁1を湾曲させることができる。この接続部材115は、梁1及び建築物100に着脱させて繰り返し用いることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図15及び図16を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図15に示すように、本実施形態の施工方法では、初期モーメント付加工程(図2参照)S11において、梁1に保持具20を取付けることで梁1の中央部1bを湾曲させる。
保持具20の構成は特に限定されないが、例えば、梁1の中央部1bを支持するストラット(支柱)21と、ストラット21と梁1の端部1aとを接続する張弦22とで保持具20を構成することができる。
一般的に、梁には、断面二次モーメントが比較的大きくなる強軸と、断面二次モーメントが比較的小さくなる弱軸とがある。梁1を第一の向きD1に向かって凸となるように湾曲させたときに強軸周りの曲げモーメントが作用するように、梁1の向きを調節することが望ましい。このように調節することで、梁1に一定の曲げモーメントが作用する場合でも、梁1の第一の向きD1に沿う撓みを抑えることができる。
作業者は、梁1を公知の張弦梁の要領で湾曲させる。具体的には、梁1に取付けたストラット21を伸ばしたり、張弦22の長さを縮めたりすることで、梁1の中央部1bを第一の向きD1に向かって凸となるように湾曲させる。この場合、第一の向きD1は下方に限定されず、水平面に平行な向きでもよい。
本実施形態では、工場等で梁1に保持具20を取付けて湾曲させ、保持具20を取付けた梁1を、トラック等の搬送手段24で建築物100のある現場まで搬送する。
なお、このとき梁1に作用する曲げモーメントは、図9(B)の線L12と同一である。
次に、前述の端部固定工程S3を行い、図16に示すように、梁1のそれぞれの端部1aを建築物100の柱101に固定する。
端部固定工程S3の後で、梁1から保持具20を取外す。
なお、このとき梁1の曲げモーメントは、図11(B)の線L13と同一である。この後で、梁1に、死荷重及び活荷重の合力となる下向きの等分布荷重を作用させて梁1を使用する。このとき梁1の曲げモーメントは、図13(B)の線L16と同一である。
以上説明したように、本実施形態の施工方法によれば、建築物100に端部1aを固定して梁1を使用しているときに、梁1に作用する曲げモーメントの大きさの最大値を抑えることができる。
また、建築物100から離れた例えば工場において梁1を湾曲させることができるため、梁1を湾曲させる精度を向上させることができる。保持具20は、梁1に着脱させて繰り返し用いることができる。
以上、本発明の第1実施形態から第3実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。さらに、各実施形態で示した構成のそれぞれを適宜組み合わせて利用できることは、言うまでもない。
例えば、前記第1実施形態から第3実施形態では、梁1はH形鋼とした。しかし、梁1はこれに限られず、I形鋼やT形鋼等、様々な断面形状の梁を適宜選択して用いることができる。
構造物は建築物100であるとしたが、構造物はこれに限られず橋梁等でもよい。
1 梁
1a 端部
1b 中央部
20 保持具
107 床スラブ
115 接続部材
B1 自由端
C 軸線
D1 第一の向き
S1、S6、S11 初期モーメント付加工程(第一工程)
S3 端部固定工程(第二工程)

Claims (4)

  1. 梁の両端部を自由端にするとともに前記梁の中央部を前記梁の軸線に直交する第一の向きに向かって凸となるように湾曲させる第一工程と、
    湾曲させた状態の前記梁を前記第一の向きが下方になるように配置して、前記梁のそれぞれの前記端部を構造物に固定する第二工程と、を行うことを特徴とする梁の施工方法。
  2. 前記第一工程では、前記構造物に前記梁のそれぞれの前記端部を、前記第一の向きが下方になるとともにそれぞれの前記端部が自由端になるように取付け、前記梁の上に床スラブを載せることを特徴とする請求項1に記載の梁の施工方法。
  3. 前記第一工程では、前記構造物に前記梁のそれぞれの前記端部が自由端になるように取付け、前記梁の中央部と前記構造物とを接続部材を介して接続することで前記梁の中央部を前記第一の向きが下方になるように湾曲させ、
    前記第二工程の後で、前記梁及び前記構造物から前記接続部材を取外すことを特徴とする請求項1に記載の梁の施工方法。
  4. 前記第一工程では、前記梁に保持具を取付けることで前記梁の中央部を湾曲させ、
    前記第二工程の後で、前記梁から前記保持具を取外すことを特徴とする請求項1に記載の梁の施工方法。
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