JP2007270372A - タフテッドカーペット用基布およびこの基布を用いたタフテッドカーペット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】芳香族ポリエステル共重合体とポリ乳酸系重合体とを含む複合長繊維を構成繊維とする複合長繊維不織布によって構成されている。ポリ乳酸系重合体は、繊維表面の少なくとも一部を形成するとともに、融点が150℃以上である。芳香族ポリエステル共重合体は、酸成分としてのテレフタル酸および脂肪族ジカルボン酸と、グリコール成分としてのエチレングリコールおよびジエチレングリコールとを含む繰り返し単位を構成成分とする。芳香族ポリエステル共重合体は、ポリ乳酸系重合体よりも高融点である。構成繊維同士が熱接着により接合して不織布形態を保っている。複合長繊維の繊度は、7デシテックス以上12デシテックス以下である。
【選択図】なし
Description
単糸繊度が7デシテックス未満であると、本発明のタフテッドカーペット用基布の製造時における熱圧接装置等による熱処理の際に、基布となる長繊維不織布の一方の表層、中層、他方の表層がともに熱が伝わりすぎて不織布全体が一体化されてしまい、繊維形態を保持できなくなる。このため、中層の構成繊維が繊維形態を保持することでタフトを打ったときのタフト把持力に優れるという、本発明の目的とする不織布構造を得ることができない。
=(タフト後のカーペットの引張強力)/(タフト前のカーペットの引張強力)
×100 [%]
ヨコ方向のタフト後強力保持率が120%以上300%未満であると、タフティング後のバッキング工程においてヨコ方向の引張に十分耐えうることができ、タフトカーペット加工時における工程安定性に優れることとなる。
ASTM−D−1238(E)に記載の方法に準じて、温度210℃、荷重2160gで測定した。以降、メルトフローレート値を「MFR値」と略称する。
フェノールと四塩化エタンとの等質量比の混合溶媒100ccに試料0.5gを溶解し、オストワルド粘度計を用いて測定した。
示差走査型熱量計(パーキンエルマ社製、DSC−2型)を用いて、試料質量5mg、昇温速度10℃/分で測定した。
ウエブ状態における50本の繊維径を光学顕微鏡にて測定し、密度補正して求めた平均値を繊度とした。
標準状態の試料(不織布)から長さ10cm、幅5cmのシート状の試料片10点を作成し、各試料片の質量(g)を秤量し、得られた値の平均値を単位面積あたりに換算して、目付(g/m2)とした。
JIS−L−1906に準じて測定した。すなわち、不織布から長さ20cm、幅5cmのシート状の試料片10点を作製し、各試料片毎に不織布のMD(タテ方向すなわち機械方向)、CD(ヨコ方向すなわち機械方向に直交する方向)について、定速伸張型引張試験機(オリエンテック社製テンシロンUTM−4−1−100)を用い、つかみ間隔10cm、引張速度20cm/分で伸張した。そして、10点の試料片について得られた切断時荷重値(N/5cm幅)の平均値を引張強力(N/5cm幅)とした。
20cm×20cmの試料を温度140℃で5分間放置した後に取り出し、試料のヨコ方向(CD)の収縮率を下式により算出して、タフテッドカーペット用基布の熱収縮率あるいはタフテッドカーペット(生機)の熱収縮率とした。なお、下式において、Lは温度140℃で5分間放置した後の試料のヨコ方向(CD)の長さ(cm)である。
熱収縮率(%)=[(20−L)/20]×100
基布にパイルをタフティングした後、タフト後の物性として上記(6)に記載の方法により引張強力を測定し、下記式のように保持率を算出した。また、求めた保持率より、保持性について、下記3段階の評価を行った。なお、タフト後の染色工程、バッキング工程等において、特にヨコ方向(CD)に強力を要するため、保持率の評価はヨコ方向(CD)のみ行った。
タフト後強力保持性◎:タフト後強力保持率が120%を超える
タフト後強力保持性○:タフト後強力保持率が120〜100%
タフト後強力保持性×:タフト後強力保持率が100%未満
タフトの条件は、次の通りとした。すなわち、1890デシテックス/108フィラメントのナイロン捲縮糸をパイル糸として用い、タフティングマシンにより、ゲージ10本/2.54cm、10ステッチ/2.54cm、パイル高さ5mmとして、パイル糸447g/m2の条件にてタフティングを行った。これによって、一次基布にパイルが植設された生機を得て、供試サンプルとした。
ポリ乳酸系重合体として、融点が168℃、MFR値が20g/10分の、L−乳酸/D−乳酸=98.6/1.4モル%のL−乳酸/D−乳酸共重合体を用意した。
得られたタフテッドカーペット用基布の物性を表1に示す。
単孔吐出量を4.9g/分とした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、単糸繊度11.0デシテックスのタフテッドカーペット基布を得た。
得られたタフテッドカーペット用基布の物性を表1に示す。
目付を120g/m2とした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、タフテッドカーペット用基布を得た。
得られたタフテッドカーペット用基布の物性を表1に示す。
芳香族ポリエステル共重合体をベースとしてタルクを20質量%練り込み含有したマスターバッチを用いて、結晶核剤としてのタルクが溶融重合体中に0.5質量%となるように計量配合して、芯鞘型口金より溶融紡糸した。そして、それ以外は実施例3と同様にして、タフテッドカーペット用基布を得た。
得られたタフテッドカーペット用基布の物性を表1に示す。
芳香族ポリエステル共重合体を芯部、ポリ乳酸系重合体を鞘部として、芯部/鞘部=2/1(質量比)[実施例5]、芯部/鞘部=1/2(質量比)[実施例6]となるようにした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、ポリ乳酸系長繊維不織布からなるタフテッドカーペット用基布を得た。
得られたタフテッドカーペット用基布の物性を表1に示す。
芳香族ポリエステル共重合体として、融点が200℃、相対粘度ηrel=1.38、酸成分であるテレフタル酸およびグルタル酸および5−スルホイソフタル酸と、グリコール成分であるエチレングリコールおよびジエチレングリコールとから成る繰り返し単位の芳香族ポリエステル共重合体(デュポン社製、バイオマックス4026)を用意した。また溶融温度は230℃とした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、ポリ乳酸系長繊維不織布からなるタフテッドカーペット用基布を得た。
得られたタフテッドカーペット用基布の物性を表1に示す。
実施例1と同じポリ乳酸系重合体と芳香族ポリエステル共重合体とを用い、ポリ乳酸系重合体には実施例1と同様の条件でタルクを含有させた。そして、実施例1と比べて単孔吐出量を1.33g/分に変化させて溶融紡糸し、それ例外の製造条件は実施例1と同じとして、単糸繊度3.3デシテックスの長繊維からなる目付100g/m2のタフテッドカーペット用基布を得た。
得られたカーペット用基布の物性を表1に示す。
Claims (7)
- 芳香族ポリエステル共重合体とポリ乳酸系重合体とを含む複合長繊維を構成繊維とする複合長繊維不織布によって構成され、前記ポリ乳酸系重合体は、繊維表面の少なくとも一部を形成するとともに、融点が150℃以上であり、前記芳香族ポリエステル共重合体は、酸成分としてのテレフタル酸および脂肪族ジカルボン酸と、グリコール成分としてのエチレングリコールおよびジエチレングリコールとを含む繰り返し単位を構成成分とし、前記芳香族ポリエステル共重合体の融点はポリ乳酸系重合体の融点よりも高く、前記構成繊維同士が熱接着により接合して不織布形態を保っており、前記複合長繊維の繊度は7デシテックス以上12デシテックス以下であることを特徴とするタフテッドカーペット用基布。
- 不織布の両表面側に存在する構成繊維同士の接着状態が、不織布の中層側に存在する構成繊維同士の接着状態よりも強固であり、前記構成繊維は、不織布の両表面側と中層側とのいずれにおいても繊維形態を保っていることを特徴とする請求項1記載のタフテッドカーペット用基布。
- 複合長繊維は、芳香族ポリエステル共重合体が芯部を形成し、ポリ乳酸系重合体が鞘部を形成した芯鞘型複合長繊維であり、芯部と鞘部の複合比が、質量比で、芯部/鞘部=3/1〜1/3であることを特徴とする請求項1または2記載のタフテッドカーペット用基布。
- 酸成分としてスルホン酸金属塩を含むことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載のタフテッドカーペット用基布。
- 請求項1から4までのいずれか1項に記載の基布にパイル糸がタフトされていることを特徴とするタフテッドカーペット。
- パイル糸がポリ乳酸系重合体からなることを特徴とする請求項5記載のタフテッドカーペット。
- パイル糸がタフトされている側と反対側の面にバッキング材が設けられており、このバッキング材が生分解性を有する材料にて形成されていることを特徴とする請求項5または6記載のタフテッドカーペット。
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