JP2007270371A - ポリ乳酸系不織布およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】芳香族ポリエステル共重合体とポリ乳酸系重合体とを含む複合長繊維を構成繊維とする。ポリ乳酸系重合体は、繊維表面の少なくとも一部を形成するとともに、融点が150℃以上である。芳香族ポリエステル共重合体は、酸成分としてのテレフタル酸および脂肪族ジカルボン酸と、グリコール成分としてのエチレングリコールおよびジエチレングリコールとを含む繰り返し単位を構成成分とする。構成繊維同士が熱接着により接合して不織布形態を保っている。不織布の両表面側に存在する構成繊維同士の接着状態が不織布の中層側に存在する繊維同士の接着状態よりも強固であり、不織布の両表面側と中層側のいずれにおいても繊維形態を保っている。
【選択図】なし
Description
単糸繊度が7デシテックス未満であると、本発明の不織布の製造時における熱圧接装置等による熱処理の際に、不織布の一方の表層、中層、他方の表層がともに熱が伝わりすぎて不織布全体が一体化されやすくなり、このため繊維形態を保持しにくくなるとともに、不織布の両表面側に存在する構成繊維同士の接着状態が不織布の中層側に存在する繊維同士の接着状態よりも強固であるようにすることが、できにくくなる。中層まで圧着された不織布構造になってしまうのは、上記単糸繊度の他にも、熱圧着の条件も当然要因であるが、単糸繊度が7デシテックス未満であると、繊維の剛性が小さくなりすぎて、熱圧着条件にかかわらず、不織布の一方の表層、中層、他方の表層を構成するすべての繊維が熱圧着装置の熱と圧力とでつぶされやすくなってしまうためであると推察される。したがって、7デシテックス以上という繊度を選択し、かつ圧着条件を決定することによって、本発明の、表層はポリ乳酸系重合体の軟化によって構成繊維同士が強固に熱接着されており、中層は複合長繊維同士がそれほど強固には熱接着されていないという不織布構造を容易に得ることができる。
本発明のポリ乳酸系不織布は、目付が80〜300g/m2の範囲にあることが好ましく、より好ましくは100〜120g/m2である。目付が80g/m2未満であると、熱圧接装置等による熱処理の際に中層に熱が伝わりやすくなりすぎて、不織布の中層に存在する繊維も両表層に存在する繊維と同様に強固な接着状態となりやすく、本発明の目的とする不織布を得にくくなる。一方、目付が300g/m2を超えると、コスト面で不利になりやすくなる。
(3)融点(℃):示差走査型熱量計(パーキンエルマ社製、DSC−2型)を用いて、試料質量5mg、昇温速度10℃/分で測定した。
ポリ乳酸系重合体として、融点が168℃、MFR値が20g/10分の、L−乳酸/D−乳酸=98.6/1.4モル%のL−乳酸/D−乳酸共重合体を用意した。
得られた不織布の物性を表1に示す。
単孔吐出量を4.9g/分とした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、単糸繊度11.0デシテックスのポリ乳酸系不織布を得た。
得られた不織布の物性を表1に示す。
目付を120g/m2とした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、ポリ乳酸系不織布を得た。
得られた不織布の物性を表1に示す。
芳香族ポリエステル共重合体を芯部、ポリ乳酸系重合体を鞘部として、芯部/鞘部=2/1(質量比)[実施例5]、芯部/鞘部=1/2(質量比)[実施例6]となるようにした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、ポリ乳酸系不織布を得た。
得られた不織布の物性を表1に示す。
芳香族ポリエステル共重合体として、酸成分にスルホン酸金属塩を含むものを使用した。すなわち、融点200℃、相対粘度ηrel=1.38である芳香族ポリエステル共重合体(デュポン社製 バイオマックス4026)を用いた。また、紡糸温度を230℃とした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、ポリ乳酸系不織布を得た。
得られた不織布の物性を表1に示す。
不織布を構成する繊維の断面構造を、芯鞘型ではない多葉型に変更した。すなわち、繊維断面において、芯部の周囲に、芯部とは異なる重合体によって6つの突起部を形成した、いわゆる六葉型の複合繊維断面となるようにした。
得られた不織布の物性を表1に示す。
実施例1に比べて、単孔吐出量を1.38g/分とし、エアサッカーによる牽引速度を4200m/分とし、そして、それ以外は実施例1と同じにして、移動するスクリーンコンベア上にウエブを捕集堆積させた。堆積させた複合長繊維の単糸繊度は3.3デシテックスであった。
得られた不織布の物性を表1に示す。
エンボスロールと表面平滑な金属ロールとからなる熱エンボス装置における両ロールの表面温度を130℃とした。そして、それ以外は実施例1と同じにして、目付100g/m2のポリ乳酸系不織布を得た。
得られた不織布の物性を表1に示す。
Claims (7)
- 芳香族ポリエステル共重合体とポリ乳酸系重合体とを含む複合長繊維を構成繊維とし、前記ポリ乳酸系重合体は、繊維表面の少なくとも一部を形成するとともに、融点が150℃以上であり、前記芳香族ポリエステル共重合体は、酸成分としてのテレフタル酸および脂肪族ジカルボン酸と、グリコール成分としてのエチレングリコールおよびジエチレングリコールとを含む繰り返し単位を構成成分とし、前記芳香族ポリエステル共重合体の融点はポリ乳酸系重合体の融点よりも高く、前記構成繊維同士が熱接着により接合して不織布形態を保っており、不織布の両表面側に存在する構成繊維同士の接着状態が不織布の中層側に存在する繊維同士の接着状態よりも強固であり、不織布の両表面側と中層側のいずれにおいても繊維形態を保っていることを特徴とするポリ乳酸系不織布。
- 複合長繊維は、芳香族ポリエステル共重合体が芯部を形成し、ポリ乳酸系重合体が鞘部を形成した芯鞘構造の断面形態を有する繊維であって、芯部と鞘部の複合比が、質量比で、芯部/鞘部=3/1〜1/3であることを特徴とする請求項1記載のポリ乳酸系不織布。
- 目付が80〜150g/m2であることを特徴とする請求項1または2記載のポリ乳酸系不織布。
- 複合長繊維の繊度が7デシテックス以上12デシテックス以下であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載のポリ乳酸系不織布。
- 酸成分としてスルホン酸金属塩を含むことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載のポリ乳酸系不織布。
- 融点が150℃以上であるポリ乳酸系重合体を用いるとともに、酸成分としてのテレフタル酸および脂肪族ジカルボン酸とグリコール成分としてのエチレングリコールおよびジエチレングリコールとを含む繰り返し単位を構成成分としかつ前記ポリ乳酸系重合体よりも高融点の芳香族ポリエステル共重合体を用いて、前記ポリ乳酸系重合体が繊維表面の少なくとも一部を形成する複合長繊維を溶融紡糸し、前記複合長繊維にて形成したウエブの構成繊維同士を熱接着により接合して、不織布の両表面側に存在する構成繊維同士の接着状態が不織布の中層側に存在する繊維同士の接着状態よりも強固であり、かつ不織布の両表面側と中層側のいずれにおいても繊維形態を保った状態で、不織布形態を保持させることを特徴とするポリ乳酸系不織布の製造方法。
- 構成繊維同士を熱接着により接合する際に加熱ロールによる熱圧接処理を行い、ポリ乳酸系重合体の融点をTmとして、熱圧接温度を(Tm−90)℃〜(Tm−60)℃とすることを特徴とする請求項6記載のポリ乳酸系不織布の製造方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010137301A1 (ja) * | 2009-05-26 | 2010-12-02 | 泉工医科工業株式会社 | ステントグラフト、人工血管、生体埋込材料、複合糸、及び複合糸、生体埋込材料の製造方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH0693516A (ja) * | 1992-09-10 | 1994-04-05 | Kuraray Co Ltd | 分解性複合繊維 |
JP2001114912A (ja) * | 1999-08-09 | 2001-04-24 | Du Pont Kk | 芳香族ポリエステル延伸フィルムおよびその製造方法 |
JP2001248020A (ja) * | 2001-02-05 | 2001-09-14 | Unitika Ltd | 生分解性複合長繊維 |
JP2004100108A (ja) * | 2002-09-11 | 2004-04-02 | Toyobo Co Ltd | 長繊維不織布 |
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2006
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