JP2007270371A - ポリ乳酸系不織布およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性に優れた、ポリ乳酸系不織布を提供する。
【解決手段】芳香族ポリエステル共重合体とポリ乳酸系重合体とを含む複合長繊維を構成繊維とする。ポリ乳酸系重合体は、繊維表面の少なくとも一部を形成するとともに、融点が150℃以上である。芳香族ポリエステル共重合体は、酸成分としてのテレフタル酸および脂肪族ジカルボン酸と、グリコール成分としてのエチレングリコールおよびジエチレングリコールとを含む繰り返し単位を構成成分とする。構成繊維同士が熱接着により接合して不織布形態を保っている。不織布の両表面側に存在する構成繊維同士の接着状態が不織布の中層側に存在する繊維同士の接着状態よりも強固であり、不織布の両表面側と中層側のいずれにおいても繊維形態を保っている。
【選択図】なし

Description

本発明はポリ乳酸系不織布およびその製造方法に関する。
多数の長繊維が集積されてなる不織布として、ポリエチレンテレフタレートなどからなる合成繊維を用いたものが知られている。このような不織布は、不要となったときにゴミとなるため、その廃棄が困難である。焼却による廃棄の場合には、燃焼カロリーが高いために焼却炉の耐用年数を縮めたり、有毒ガスや黒煙を発生したりする。埋め立てによる廃棄を行った場合は、腐らないため、環境に悪影響を与える。
近年、石油を原料とする合成繊維は、焼却時の発熱量が多いため、自然環境保護の見地から見直しが必要とされている。これに対し、自然界において生分解する脂肪族ポリエステルからなる繊維が開発されており、環境保護への貢献が期待されている。脂肪族ポリエステルの中でもポリ乳酸系重合体は、比較的融点が高いことから、広い分野に使用されることが期待されている。また、ポリ乳酸系重合体は、生分解性ポリマーの中では、力学特性、耐熱性、コストバランスが最も優れており、さらに石油を原料とせず、植物由来のものであることからも注目されている。そして、これを利用した繊維および不織布の開発が急ピッチで行われている。
しかし、ポリ乳酸系重合体は、高温力学特性が悪いという課題が挙げられる。すなわち、ポリ乳酸系重合体は、そのガラス転移温度(Tg)である60℃を超えると急激に軟化してしまう。実際に、雰囲気温度を変更してポリ乳酸系重合体からなる長繊維不織布の引張試験を行うと、70℃以上ではその強力が急激に低下することがわかっている。
ポリ乳酸系重合体からなる長繊維不織布は、上記したように高温での力学特性に劣るため、通常の雰囲気下で用いる場合は問題ないが、高温雰囲気下では変形やへたりが生じる。このため、例えば、炎天下に晒されるような自動車用内装材には不向きである。
上記ポリ乳酸系重合体のもつ欠点を補うべく、(1)アルキレンジオールやビスフェノールA誘導体等を共重合したポリエチレンテレフタレートをポリ乳酸にブレンドする方法、(2)長鎖カルボン酸を共重合したポリエチレンテレフタレートをポリ乳酸にブレンドする方法、(3)高速紡糸による配向結晶化構造を利用する方法などが提案されている。
このうち、高速紡糸による配向結晶化構造を利用する方法を以下に述べる。例えば、重量平均分子量10万〜30万のホモポリL乳酸を紡糸温度210〜250℃で口金より吐出し、冷却風により糸を冷却固化させる。その後、繊維用油剤を付与し高速で引き取り、そのまま巻き取る。この時、巻き取ったポリ乳酸繊維の(200)面方向の結晶サイズが6nm以上となるように、高速の引き取り速度を決定する。そして、この高速紡糸により配向結晶化したポリ乳酸繊維を、さらに延伸温度100℃以上で延伸し、熱セットするものである(特許文献1)。
特開2003−41433号公報
本発明は、耐熱性に優れた、ポリ乳酸系不織布を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討をした結果、不織布の構成ポリマーに着目し、ポリ乳酸系重合体と、酸性分としてテレフタル酸及び脂肪族ジカルボン酸を含むとともにグリコール成分としてエチレングリコール及びジエチレングリコールを含む繰り返し単位を構成成分とする芳香族ポリエステル共重合体とを構成成分とする複合形態を採用した複合長繊維を用いることによって、ポリ乳酸系重合体により形成される不織布に耐熱性を付与することができるということを見いだして、本発明に到達した。
すなわち、本発明のポリ乳酸系不織布は、芳香族ポリエステル共重合体とポリ乳酸系重合体とを含む複合長繊維を構成繊維とし、前記ポリ乳酸系重合体は、繊維表面の少なくとも一部を形成するとともに、融点が150℃以上であり、前記芳香族ポリエステル共重合体は、酸成分としてのテレフタル酸および脂肪族ジカルボン酸と、グリコール成分としてのエチレングリコールおよびジエチレングリコールとを含む繰り返し単位を構成成分とし、前記芳香族ポリエステル共重合体の融点はポリ乳酸系重合体の融点よりも高く、前記構成繊維同士が熱接着により接合して不織布形態を保っており、不織布の両表面側に存在する構成繊維同士の接着状態が不織布の中層側に存在する繊維同士の接着状態よりも強固であり、不織布の両表面側と中層側のいずれにおいても繊維形態を保っていることを要旨とするものである。
本発明のポリ乳酸系不織布は、複合長繊維が、芳香族ポリエステル共重合体が芯部を形成し、ポリ乳酸系重合体が鞘部を形成した芯鞘構造の断面形態を有する繊維であって、芯部と鞘部の複合比が、質量比で、芯部/鞘部=3/1〜1/3であることが好適である。
また本発明のポリ乳酸系不織布は、目付が80〜150g/mであることが好適であり、複合長繊維の繊度が7デシテックス以上12デシテックス以下であることが好適であり、酸成分としてスルホン酸金属塩を含むことが好適である。
本発明のポリ乳酸系不織布の製造方法は、融点が150℃以上であるポリ乳酸系重合体を用いるとともに、酸成分としてのテレフタル酸および脂肪族ジカルボン酸とグリコール成分としてのエチレングリコールおよびジエチレングリコールとを含む繰り返し単位を構成成分としかつ前記ポリ乳酸系重合体よりも高融点の芳香族ポリエステル共重合体を用いて、前記ポリ乳酸系重合体が繊維表面の少なくとも一部を形成する複合長繊維を溶融紡糸し、前記複合長繊維にて形成したウエブの構成繊維同士を熱接着により接合して、不織布の両表面側に存在する構成繊維同士の接着状態が不織布の中層側に存在する繊維同士の接着状態よりも強固であり、かつ不織布の両表面側と中層側のいずれにおいても繊維形態を保った状態で、不織布形態を保持させることを要旨とするものである。
また本発明のポリ乳酸系不織布の製造方法は、構成繊維同士を熱接着により接合する際に加熱ロールによる熱圧接処理を行い、ポリ乳酸系重合体の融点をTmとして、熱圧接温度を(Tm−90)℃〜(Tm−60)℃とすることが好適である。
本発明のポリ乳酸系不織布は、酸成分としてのテレフタル酸および脂肪族ジカルボン酸と、グリコール成分としてのエチレングリコールおよびジエチレングリコールとを含む繰り返し単位を構成成分として高温での力学特性に勝る芳香族ポリエステル共重合体を繊維の骨格部とし、かつ生分解を有するが高温での力学特性に劣るポリ乳酸系重合体にて繊維の表面に一部を形成をさせた形態の複合繊維を構成繊維とするため、生分解性と耐熱性とが良好な不織布とすることができる。そして、高温雰囲気下での耐熱性が良好であるので、自動車用内装材等の耐熱性が要求される用途に好適に使用することができる。さらに、不織布の両表面側に存在する構成繊維同士の接着状態が不織布の中層側に存在する繊維同士の接着状態よりも強固であるため、タテ方向、ヨコ方向、バイヤス方向とも、低伸度で形態保持性が良好であり、しかも剛性に優れている。また、不織布の両表面側と中層側のいずれにおいても繊維形態を保っているため、引裂強力に優れている。また、不織布全体が繊維形態を保っているため、嵩高で空隙率が高いという利点もある。そして、嵩高で空隙率が高く、かつ低伸度であることから、フィルターとして用いるのに良好であるうえに、剛性にも優れるため良好なプリーツ加工性を期待できる。
本発明のポリ乳酸系不織布は、不織布を構成する複合繊維が、融点が150℃以上のポリ乳酸系重合体と、芳香族ポリエステル系重合体とを含む。このうち、芳香族ポリエステル系重合体は、酸成分としてのテレフタル酸および脂肪族ジカルボン酸と、グリコール成分としてのエチレングリコールおよびジエチレングリコールとを含む繰り返し単位を構成成分とする。
本発明に用いるポリ乳酸系重合体としては、ポリ−D−乳酸と、ポリ−L−乳酸と、D−乳酸とL−乳酸との共重合体と、D−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体と、L−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体と、D−乳酸とL−乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体との群から選ばれる重合体、あるいはこれらのブレンド体が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸を共重合する際のヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸、ヒドロキシオクタン酸等が挙げられるが、これらの中でも特に、ヒドロキシカプロン酸やグリコール酸が、分解性能や低コスト化の点から好ましい。
本発明においては、上記ポリ乳酸系重合体であって融点が150℃以上のもの、あるいはそのような重合体のブレンド体を用いる。ポリ乳酸系重合体の融点が150℃以上であることで、高い結晶性を有しているため、耐熱性にすぐれた不織布となり、たとえば高温での熱処理加工時の収縮が発生しにくく、また熱処理加工を安定して行うことができる。
ポリ乳酸のホモポリマーであるポリ−L−乳酸やポリ−D−乳酸の融点は、約180℃である。ポリ乳酸系重合体として、L−乳酸とD−乳酸との共重合体を用いる場合には、共重合体の融点が150℃以上となるようにモノマー成分の共重合比率を決定する。すなわち、L−乳酸とD−乳酸との共重合比が、モル比で、(L−乳酸)/(D−乳酸)=5/95〜0/100、あるいは(L−乳酸)/(D−乳酸)=95/5〜100/0のものを用いる。共重合比率が前記範囲を外れると、共重合体の融点が150℃未満となり、非晶性が高くなり、本発明の目的を達成し得ないこととなる。
ポリ乳酸系重合体には、他の成分をブレンドさせることができる。その成分としては、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ヒドロキシカルボン酸とを構成成分とする脂肪族ポリエステル共重合体(三菱化学社製:GSPla)や、脂肪族ジオールと芳香族カルボン酸と脂肪族ジカルボン酸とを縮合して得られる生分解性脂肪族−芳香族共重合ポリエステル共重合体(ノバモント社製:イースターバイオGP、BASF社製:ECOFLEX)などを用いることができる。
本発明に用いる芳香族ポリエステルは、グリコール成分として本質的にエチレングリコールとジエチレングリコールとを用い、酸成分として本質的にテレフタル酸と脂肪族ジカルボン酸とを用い、必要に応じてスルホン酸金属塩を用いて、従来の重縮合法により製造される。
グリコール成分全体を100モル%として、グリコール成分中のエチレングリコールは50モル%〜99.9モル%であることが好ましく、これに対応してジエチレングリコールは0.1モル%〜50モル%であることが好ましい。ジエチレングリコール単位が50モル%を超えると繊維すなわち不織布の機械的特性に悪影響を及ぼし、反対に0.1モル%未満であると所望の生分解性が得られなくなる。
酸成分中のテレフタル酸は、酸成分全体を100モル%として、50モル%〜95モル%であることが好ましく、52モル%〜92モル%であることがさらに好ましい。テレフタル酸の量が多い程、機械的強度は高くなる。
酸成分中の脂肪族ジカルボン酸の含有量は、不織布の生分解性に影響する。この観点から、脂肪族ジカルボン酸は、酸成分全体を100モル%として、5モル%〜50モル%であることが好ましく、10モル%〜45モル%であることがさらに好ましい。5モル%未満であると、ガラス転移温度を有意に下げることができず、また不織布の生分解性に劣りやすくなる。一方、50モル%を超えると、ガラス転移温度の低下を招き、不織布製造工程において、紡糸糸条の冷却不足、開繊不良などのトラブルが発生しやすくなる。
脂肪族ジカルボン酸としては、炭素数2〜18、好ましくは炭素数2〜10の脂肪族ジカルボン酸が用いられ、具体的には、アゼラン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸などを挙げることができる。なかでも、グルタル酸やアジピン酸が好ましく用いられる。
スルホン酸金属塩は、生分解性をより強力に発現させるために、必要に応じて用いられるものであり、具体的には、5−スルホイソフタル酸の金属塩、4−スルホイソフタル酸の金属塩、4−スルホフタル酸の金属塩などが挙げられる。金属イオンとしては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属や、マグネシウムなどのアルカリ土類金属が好ましい。
スルホン酸金属塩を用いる場合は、酸成分全体を100モル%として、テレフタル酸が50モル%〜90モル%、脂肪族ジカルボン酸が4モル%〜49.8モル%、スルホン酸金属塩が0.2モル%〜6モル%であることが好ましく、発現すべき生分解性の程度に応じてスルホン酸金属塩の使用量を加減する。
芳香族ポリエステル共重合体は、上記のような組成であり、その共重合比率により融点を変化させることが可能である。ポリ乳酸系重合体の融点は最大でも180℃であるが、芳香族ポリエステル共重合体は、その融点を200℃以上とすることができる。具体的な芳香族ポリエステル共重合体として、たとえばデュポン社の「バイオマックス(登録商標)4027」の融点は235℃であり、同社の「バイオマックス(登録商標)4026」の融点は200℃である。
本発明の不織布を構成する複合長繊維は、ポリ乳酸系重合体が繊維表面の少なくとも一部を形成している。このような繊維を構成するための繊維断面形態として、例えば、ポリ乳酸系重合体と芳香族ポリエステル共重合体とが貼り合わされたサイドバイサイド型複合断面、芳香族ポリエステル共重合体が芯部を形成しポリ乳酸系重合体が鞘部を形成してなる芯鞘型複合断面、芳香族ポリエステル共重合体とポリ乳酸系重合体とが繊維表面に交互に存在する分割型複合断面や多葉型複合断面等が挙げられる。ポリ乳酸系重合体は後述のように熱接着成分としての役割を果たすものであるため、その点を考慮すると、ポリ乳酸系重合体が繊維の全表面を形成している芯鞘型複合断面であることが好ましい。
芳香族ポリエステル共重合体は、ポリ乳酸系重合体よりも高融点である。両者の融点差の上限は、90℃以下であることが好ましい。融点差がこの範囲にあると、本発明の不織布を製造するための紡糸工程において、ポリ乳酸系重合体を熱分解等によって損なうことなしに、不織布の両表面側に存在する構成繊維同士の接着状態が、不織布の中層側に存在する繊維同士の接着状態よりも強固である不織布を容易に得ることが可能となる。両者の重合体が融点差を有することにより、繊維同士を熱接着するための熱処理の際に、ポリ乳酸系重合体は軟化させて熱接着成分として機能させ、一方、芳香族ポリエステル共重合体は、熱の影響を受けず繊維形成成分すなわち骨格部として機能させ、これによって高温下での機械的強度を保持することができる。また融点差が90℃以下であると、次のような利点がある。すなわち、溶融紡糸時には、その溶融紡糸温度を、高融点である芳香族ポリエステル共重合体の融点よりも高い温度に設定する必要があるが、融点差を90℃以下とすることで、その設定した温度が低融点のポリ乳酸系重合体の分解温度である240℃を超えることがなく、このため溶融紡糸時にポリ乳酸が熱分解して溶融紡糸時の発煙を生じることがなく、良好にスパンボンド不織布を得ることができる。
芳香族ポリエステル共重合体が繊維形成成分としての芯部を形成し、ポリ乳酸系重合体が熱接着成分としての鞘部を形成した芯鞘型複合断面である場合において、芯部と鞘部の複合比は、質量比で、芯部/鞘部=3/1〜1/3であることが好ましい。芯部の比率が3/1を超えると、鞘部の比率が少なくなりすぎるため、熱接着性能に劣る傾向となり、長繊維不織布の形態保持性や機械的性能が劣る傾向となるうえに、十分な熱接着性を得にくくなる。一方、芯部の比率が1/3未満となると、得られた不織布の機械的強度が不十分なものとなる。
不織布を構成する複合長繊維の単糸繊度は、7デシテックス以上12デシテックス以下であることが好ましい。
単糸繊度が7デシテックス未満であると、本発明の不織布の製造時における熱圧接装置等による熱処理の際に、不織布の一方の表層、中層、他方の表層がともに熱が伝わりすぎて不織布全体が一体化されやすくなり、このため繊維形態を保持しにくくなるとともに、不織布の両表面側に存在する構成繊維同士の接着状態が不織布の中層側に存在する繊維同士の接着状態よりも強固であるようにすることが、できにくくなる。中層まで圧着された不織布構造になってしまうのは、上記単糸繊度の他にも、熱圧着の条件も当然要因であるが、単糸繊度が7デシテックス未満であると、繊維の剛性が小さくなりすぎて、熱圧着条件にかかわらず、不織布の一方の表層、中層、他方の表層を構成するすべての繊維が熱圧着装置の熱と圧力とでつぶされやすくなってしまうためであると推察される。したがって、7デシテックス以上という繊度を選択し、かつ圧着条件を決定することによって、本発明の、表層はポリ乳酸系重合体の軟化によって構成繊維同士が強固に熱接着されており、中層は複合長繊維同士がそれほど強固には熱接着されていないという不織布構造を容易に得ることができる。
一方、単糸繊度が12デシテックスを超えると、紡糸糸条の冷却性に劣り、紡糸工程において糸条同士が密着しやすくなる。
本発明のポリ乳酸系不織布は、前述した複合長繊維が堆積された不織布であり、長繊維不織布は両表層と中層とからなり、表層はポリ乳酸系重合体の軟化によって構成繊維同士が強固に熱接着されており、中層は複合長繊維がそれほど強固には熱接着されずに存在している。なお、表層、中層とも、構成繊維は完全には溶融しておらず、したがって繊維形態を保っている。このような不織布形態にすることによって、特に不織布の両表面側の接着状態によって、タテ方向、ヨコ方向、バイヤス方向とも、低伸度で形態保持性が良好であり、しかも剛性に優れたものとすることができる。
このような不織布形態にするためには、前述の繊度の複合長繊維を堆積させた不織ウエブを熱処理する際の熱処理温度を適宜選択することが必要である。
本発明のポリ乳酸系不織布は、目付が80〜300g/mの範囲にあることが好ましく、より好ましくは100〜120g/mである。目付が80g/m未満であると、熱圧接装置等による熱処理の際に中層に熱が伝わりやすくなりすぎて、不織布の中層に存在する繊維も両表層に存在する繊維と同様に強固な接着状態となりやすく、本発明の目的とする不織布を得にくくなる。一方、目付が300g/mを超えると、コスト面で不利になりやすくなる。
本発明のポリ乳酸系不織布は、耐熱性に優れたものであり、具体的には、140℃、5分間における熱収縮率がMD(タテ方向すなわち機械方向)、CD(ヨコ方向すなわち機械方向に直交する方向)とも5%以下であることが好ましい。熱収縮率を5%以下にすることによって、高温下での加工工程における収縮の小さな不織布が得られる。
次に、本発明のポリ乳酸系不織布の製造方法について説明する。本発明の不織布を製造するには、まず、芳香族ポリエステル共重合体とポリ乳酸系重合体とを用意する。そして、用意した芳香族ポリエステル共重合体とポリ乳酸系重合体とを個別に計量し、溶融させて、ポリ乳酸系重合体成分が繊維表面の一部を形成するように、複合紡糸口金より吐出させる。その後、得られた紡出糸条を従来公知の横吹付や環状吹付等の冷却装置を用いて冷却せしめたうえで、吸引装置を用いて牽引細化して引き取る。この時の牽引速度は、4000〜6000m/分と設定することが好ましく、さらには4500〜5500m/分であることがより好ましい。牽引速度が4000m/分未満であると、糸条において十分に分子配向が促進されず、得られた不織布の寸法安定性が劣る。一方、牽引速度が6000m/分を超えるほどに高すぎると、紡糸安定性に劣る。
牽引・細化した長繊維は、公知の開繊器具にて開繊しながら、スクリーンからなるコンベアのような移動式捕集面上に堆積させてウエブとする。次いで、このウエブを熱圧接装置により熱圧接することで、本発明の不織布を得る。熱圧接装置としては、エンボスロールとフラットロールとからなるものや、一対のエンボスロールからなるものや、一対のフラットロールからなるもの等が挙げられ、複数の熱圧接装置を用いてもよい。ここで肝要なことは、熱圧接を行うに際しての圧接温度と圧接面積率である。
熱圧接温度(ロール設定温度)は、(Tm−90)℃〜(Tm−60)℃[Tm:ポリ乳酸系重合体の融点]とする。熱圧接温度を(Tm−90)℃未満の温度に設定すると、低融点重合体であるポリ乳酸系重合体が接着に寄与するだけ十分に軟化せず、繊維間の接着力が低下する。このような不織布は機械的性能が劣るものとなる。一方、熱圧接温度を(Tm−60)℃を超える温度に設定すると、ウエブの中層まで熱が伝わりすぎて、中層の構成繊維が強固に接着してしまい、本発明の目的とする不織布が得られにくくなる。また、得られる不織布が硬化した粗剛なものとなり過ぎることになる。
エンボスロールを用いる場合は、熱圧接処理の際にエンボスロールの凸部に当接するウエブの部位が熱圧接部となる。本発明では、熱圧接部の密度が40個/cm以上であることが好ましい。熱圧接部の密度を40個/cm以上とすることにより、熱圧接部間の距離が小さくなり、これによって不織布のタテ方向、ヨコ方向、バイヤス方向の形態保持性が良好となりやすく、また剛性を有する不織布を得やすくなる。密度の上限は、65個/cm程度である。
またエンボスロールの凸部の面積はエンボスロール全体の面積に対して15%以上であることが好ましく、35%以上であることがより好ましい。15%未満であると、凸部に当接するウエブの部位に局部的に大きな圧力が加わりやすくなる。このため、ロール温度やロール線圧や処理温度にもよるが、その部位の厚み方向に存在する繊維が完全に溶融して繊維形態を失いやすくなる。
凸部の先端部の形状は熱圧接部の形状となるが、この形状は特に限定されない。例えば、丸形、楕円形、菱形、三角形、T字形、井形、長方形、正方形等の種々の形状を採用することができる。個々の凸部同士が凸部よりも幅の狭い連結部によって互いにつながっているエンボスパターンでもよい。個々の凸部の先端部の面積は、0.1〜1.0mm程度であればよい。熱圧接処理の際の一対の圧接ロール間の線圧は、得ようとする不織布の目付によって変化させればよく、例えば目付80g/mのときは90N/cm程度とするのがよく、また例えば目付150g/mのときは300N/cm程度とするのがよい。熱圧接の際の処理速度は、目付や線圧によって変化させれば良いが、8〜10m/分とするのが好ましい。
必要に応じてバインダー樹脂による接着処理を施して、構成繊維同士を接着により一体化させて本発明の不織布を製造してもよい。構成繊維同士の接着がバインダー樹脂の付着による場合には、水中に乳化分散させたバインダー樹脂液にウエブを含浸させたり、あるいはバインダー樹脂液をスプレー等の手法でウエブに付与させたりした後に乾燥処理させる方法を採用することができる。バインダー樹脂の付着量は、不織布に適度な空隙を保持させる観点や、不織布に剛性を付与する観点から、繊維質量に対して20質量%以下とすることが好ましい。
熱処理とバインダーの付与との両方の手法によって構成繊維同士を接着させる場合には、樹脂の溶融を手順良く行うために、熱処理を施した後にバインダー樹脂を付与するとよい。
次に、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における各種物性値の測定は、次の方法により実施した。
(1)メルトフローレート値(g/10分):ASTM−D−1238(E)に記載の方法に準じて、温度210℃、荷重2160gで測定した。以降、メルトフローレート値を「MFR値」と略称する。
(2)相対粘度(ηrel):フェノールと四塩化エタンとの等質量比の混合溶媒100ccに試料0.5gを溶解し、オストワルド粘度計を用いて測定した。
(3)融点(℃):示差走査型熱量計(パーキンエルマ社製、DSC−2型)を用いて、試料質量5mg、昇温速度10℃/分で測定した。
(4)繊度(デシテックス):ウエブ状態における50本の繊維径を光学顕微鏡にて測定し、密度補正して求めた平均値を繊度とした。
(5)目付(g/m):標準状態の試料(不織布)から長さ10cm、幅5cmのシート状の試料片10点を作成し、各試料片の質量(g)を秤量し、得られた値の平均値を単位面積あたりに換算して、目付(g/m)とした。
(6)タテ方向(MD)およびヨコ方向(CD)の破断伸度(%):JIS−L−1906に準じて測定した。すなわち、不織布からタテ方向およびヨコ方向についてそれぞれ長さ20cm、幅5cmのシート状の試料片10点を作製し、各試料片毎に定速伸張型引張試験機(オリエンテック社製テンシロンUTM−4−1−100)を用い、つかみ間隔10cm、引張速度20cm/分で伸張した。そして、タテ方向およびヨコ方向のそれぞれ10点の試料片について得られた破断時の伸度の平均値を破断伸度(%)とした。
(7)引裂強力(N/5cm幅):JIS−L1096に記載のペンジュラム法に準じて測定した。すなわち、幅5cm×長さ10cmの試料片を5枚作製してタテ方向(MD)の引裂強力を測定し、それらの測定値の平均値を引裂強力(N/5cm幅)とした。
(8)圧縮剛軟度(N):幅5cm×長さ10cmの試料片を5枚作製し、各試料片ごとにその長さ方向に丸めて高さ5cmの円筒状物とし、その端部を接合したものを圧縮剛軟度の測定試料とした。次いで、定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製 テンシロンUTM−4−100)を用い、円筒状の各試料ごとにその軸方向に圧縮速度5cm/分で圧縮し、各試料ごとに得られた最大圧縮値(N)の平均値を不織布の圧縮剛軟度とした。この圧縮剛軟度は、その値が小さいほど柔軟性に優れることを意味する。
(9)45度方向(バイヤス方向)の引張強力(N/5cm幅)および破断伸度(%):JIS−L1096に準じて測定した。すなわち、不織布から、この不織布のタテ方向から45度傾いたバイヤス方向に沿って、幅5cm、長さ20cmのシート状の試料片を10点サンプリングした。次に、定速伸長型引張試験機(オリエンテック社製 テンシロンUTM−4−100)を用いて、サンプリングされた試料片を、つかみ間隔10cm、引張速度20cm/分で伸長した。そして、10点の試料片について得られた切断時荷重値(N/5cm幅)の平均値を45度方向の引張強力(N/5cm幅)とし、10点の試料片についての破断時の伸度の平均値を45度方向の破断伸度(%)とした。
(実施例1)
ポリ乳酸系重合体として、融点が168℃、MFR値が20g/10分の、L−乳酸/D−乳酸=98.6/1.4モル%のL−乳酸/D−乳酸共重合体を用意した。
一方、芳香族ポリエステル共重合体として、融点235℃、相対粘度ηrel=1.42、酸成分であるテレフタル酸およびグルタル酸と、グリコール成分であるエチレングリコールおよびジエチレングリコールとから成る繰り返し単位の芳香族ポリエステル共重合体(デュポン社製、バイオマックス4027)を用意した。
芳香族ポリエステル共重合体を芯部、ポリ乳酸系重合体を鞘部とし、芯部/鞘部=1/1(質量比)である芯鞘型複合断面となるように、またポリ乳酸系重合体の溶融重合体中に結晶核剤としてのタルクが0.5質量%となるように、個別に計量した後、それぞれを個別のエクストルーダ型溶融押し出し機を用いて温度250℃で溶融し、単孔吐出量3.9g/分の条件で溶融紡糸した。
紡出糸条を公知の冷却装置にて冷却した後、引き続いて紡糸口金の下方に設けたエアサッカーにて牽引速度4000m/分で牽引細化し、公知の開繊器具を用いて開繊し、移動するスクリーンコンベア上にウエブとして捕集堆積させた。堆積させた複合長繊維の単糸繊度は8.8デシテックスであった。
次いで、このウエブを、エンボスロールと表面平滑な金属ロールとからなる熱エンボス装置に通して熱処理を施し、目付100g/mのポリ乳酸系不織布を得た。熱エンボス条件としては、両ロールの表面温度を90℃とし、エンボスロールは、織目柄の彫刻模様で、圧接点密度が64個/cm、圧接面積率が37%のものを用いた。処理速度は10m/分、線圧は196N/cmであった。
得られた不織布の物性を表1に示す。
Figure 2007270371
(実施例2)
単孔吐出量を4.9g/分とした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、単糸繊度11.0デシテックスのポリ乳酸系不織布を得た。
得られた不織布の物性を表1に示す。
(実施例3)
目付を120g/mとした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、ポリ乳酸系不織布を得た。
得られた不織布の物性を表1に示す。
(実施例4、5)
芳香族ポリエステル共重合体を芯部、ポリ乳酸系重合体を鞘部として、芯部/鞘部=2/1(質量比)[実施例5]、芯部/鞘部=1/2(質量比)[実施例6]となるようにした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、ポリ乳酸系不織布を得た。
得られた不織布の物性を表1に示す。
(実施例6)
芳香族ポリエステル共重合体として、酸成分にスルホン酸金属塩を含むものを使用した。すなわち、融点200℃、相対粘度ηrel=1.38である芳香族ポリエステル共重合体(デュポン社製 バイオマックス4026)を用いた。また、紡糸温度を230℃とした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、ポリ乳酸系不織布を得た。
得られた不織布の物性を表1に示す。
(実施例7)
不織布を構成する繊維の断面構造を、芯鞘型ではない多葉型に変更した。すなわち、繊維断面において、芯部の周囲に、芯部とは異なる重合体によって6つの突起部を形成した、いわゆる六葉型の複合繊維断面となるようにした。
詳細には、芯成分として実施例1で用いた芳香族ポリエステル共重合体を用意し、葉成分として実施例1で用いたポリ乳酸系重合体を用意した。そして、芳香族ポリエステル共重合体とポリ乳酸系重合体との複合比が、質量比で、(芳香族ポリエステル共重合体):(ポリ乳酸系重合体)=1:1となるように、またポリ乳酸系重合体中にタルクが0.5質量%含有されるように、個別の軽量した後、それぞれを個別のエクストルーダ型溶融押し出し機を用いて250℃で溶融し、上記の六葉型の複合繊維断面を形成可能な紡糸口金を用いて、芳香族ポリエステル共重合体が芯部となりポリ乳酸系重合体が葉部となるように、単孔吐出量4.89g/分の条件で溶融紡糸した。
紡出糸条を公知の冷却装置にて冷却した後、引き続いて紡糸口金の下方に設けたエアサッカーにて牽引速度4000m/分で牽引細化し、公知の開繊器具を用いて開繊し、移動するスクリーンコンベア上にウエブとして捕集堆積させた。堆積させた複合長繊維の単糸繊度は11.0デシテックスであった。
次いで、このウエブを、エンボスロールと表面平滑な金属ロールとからなる熱エンボス装置に通して熱処理を施し、目付100g/mのポリ乳酸系不織布を得た。熱エンボス条件としては、両ロールの表面温度を90℃とし、エンボスロールは、織目柄の彫刻模様で、圧接点密度が64個/cm、圧接面積率が37%のものを用いた。処理速度は10m/分、線圧は196N/cmであった。
得られた不織布の物性を表1に示す。
(比較例1)
実施例1に比べて、単孔吐出量を1.38g/分とし、エアサッカーによる牽引速度を4200m/分とし、そして、それ以外は実施例1と同じにして、移動するスクリーンコンベア上にウエブを捕集堆積させた。堆積させた複合長繊維の単糸繊度は3.3デシテックスであった。
次いで、このウエブを、エンボスロールと表面平滑な金属ロールとからなる熱エンボス装置に通して熱処理を施し、目付100g/mのポリ乳酸系不織布を得た。熱エンボス条件としては、両ロールの表面温度を90℃とし、エンボスロールは、六角形彫刻模様で、圧接点密度が21.9個/cm、圧接面積率が14.9%のものを用いた。処理速度は10m/分、線圧は196N/cmであった。
得られた不織布の物性を表1に示す。
(比較例2)
エンボスロールと表面平滑な金属ロールとからなる熱エンボス装置における両ロールの表面温度を130℃とした。そして、それ以外は実施例1と同じにして、目付100g/mのポリ乳酸系不織布を得た。
得られた不織布の物性を表1に示す。
実施例1〜7のポリ乳酸系不織布は、タテ方向、ヨコ方向、バイヤス方向のいずれも伸度が小さく、形態保持性に優れたものであった。また引裂強力が高く、さらに剛性を有するものであった。
一方、比較例1のポリ乳酸系不織布は単糸繊度が低すぎたことが原因して、また比較例2のポリ乳酸系不織布は熱処理温度が高すぎたことが原因して、両者とも、不織布の中層に存在する繊維も、両表層に存在する繊維と同様に、繊維同士が強固に接着された状態となってしまった。このため、実施例1〜7のものと比べて破断時の伸度が高すぎ、また引裂強力も劣っていた。

Claims (7)

  1. 芳香族ポリエステル共重合体とポリ乳酸系重合体とを含む複合長繊維を構成繊維とし、前記ポリ乳酸系重合体は、繊維表面の少なくとも一部を形成するとともに、融点が150℃以上であり、前記芳香族ポリエステル共重合体は、酸成分としてのテレフタル酸および脂肪族ジカルボン酸と、グリコール成分としてのエチレングリコールおよびジエチレングリコールとを含む繰り返し単位を構成成分とし、前記芳香族ポリエステル共重合体の融点はポリ乳酸系重合体の融点よりも高く、前記構成繊維同士が熱接着により接合して不織布形態を保っており、不織布の両表面側に存在する構成繊維同士の接着状態が不織布の中層側に存在する繊維同士の接着状態よりも強固であり、不織布の両表面側と中層側のいずれにおいても繊維形態を保っていることを特徴とするポリ乳酸系不織布。
  2. 複合長繊維は、芳香族ポリエステル共重合体が芯部を形成し、ポリ乳酸系重合体が鞘部を形成した芯鞘構造の断面形態を有する繊維であって、芯部と鞘部の複合比が、質量比で、芯部/鞘部=3/1〜1/3であることを特徴とする請求項1記載のポリ乳酸系不織布。
  3. 目付が80〜150g/mであることを特徴とする請求項1または2記載のポリ乳酸系不織布。
  4. 複合長繊維の繊度が7デシテックス以上12デシテックス以下であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載のポリ乳酸系不織布。
  5. 酸成分としてスルホン酸金属塩を含むことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載のポリ乳酸系不織布。
  6. 融点が150℃以上であるポリ乳酸系重合体を用いるとともに、酸成分としてのテレフタル酸および脂肪族ジカルボン酸とグリコール成分としてのエチレングリコールおよびジエチレングリコールとを含む繰り返し単位を構成成分としかつ前記ポリ乳酸系重合体よりも高融点の芳香族ポリエステル共重合体を用いて、前記ポリ乳酸系重合体が繊維表面の少なくとも一部を形成する複合長繊維を溶融紡糸し、前記複合長繊維にて形成したウエブの構成繊維同士を熱接着により接合して、不織布の両表面側に存在する構成繊維同士の接着状態が不織布の中層側に存在する繊維同士の接着状態よりも強固であり、かつ不織布の両表面側と中層側のいずれにおいても繊維形態を保った状態で、不織布形態を保持させることを特徴とするポリ乳酸系不織布の製造方法。
  7. 構成繊維同士を熱接着により接合する際に加熱ロールによる熱圧接処理を行い、ポリ乳酸系重合体の融点をTmとして、熱圧接温度を(Tm−90)℃〜(Tm−60)℃とすることを特徴とする請求項6記載のポリ乳酸系不織布の製造方法。
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