JP2007270363A - モノフィラメントおよび工業用織物 - Google Patents

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朗 柵木
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Abstract

【課題】表面に付着した油剤が脱落しにくく、かつ削れに強いなどの優れた性能を持ち、工業用織物を製織する際には、整経や製織がしやすく、且つ織面品質に優れた工業用織物を得ることができるモノフィラメントおよびこのモノフィラメントを使用した工業用織物の提供。
【解決手段】合成樹脂製モノフィラメントの表面に分子量が400〜4000である水溶性ポリエーテル変性シリコーンとこの水溶性ポリエーテル変性シリコーン以外の界面活性剤とからなる油剤が0.001〜0.15重量%付着しているモノフィラメントであり、前記水溶性ポリエーテル変性シリコーン以外の界面活性剤が、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールEO付加物硫酸エステル塩、高級アルコールリン酸エステル塩、高級アルコールEO付加物リン酸エステル塩およびベタイン型両性界面活性剤から選ばれた少なくとも一種であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面に付着した油剤が脱落しにくく、かつ削れに強いモノフィラメントおよびこのモノフィラメントを使用した工業用織物に関するものである。
近年、合成繊維、特にモノフィラメントを使用した工業用織物の加工技術の進歩はめざましく、特に高速織機の技術は年々向上している。
しかし、高速織機の技術向上に伴い、走行するモノフィラメントと各種糸道(ローラー、ガイド、ヘルド、筬など)との擦過量が増大する傾向になっており、これが原因で、モノフィラメントから油剤が脱落したり、モノフィラメントが削れたりして、脱落した油剤や削れカスが糸道に堆積し、さらには整経や製織中にモノフィラメントが切れたり、解舒張力に異常が発生したりするなどの様々な問題が生じるようになった。
この問題点を解決するための一手段として、シリコーン系の油剤を付着したモノフィラメント(例えば、特許文献1)が既に知られている。
しかし、このモノフィラメントは、油剤の付着量が少ないとモノフィラメントが削れやすく、逆に油剤の付着量が多いと油剤が脱落しやすいため、油剤の付着量のコントロールが極めて難しいといった問題を抱えており、工業用織物用途のモノフィラメントに使用するには実用性に欠けるものであった。
また、分子量が5000〜40000のエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体を主要有効成分とする油剤を表面に付着したモノフィラメント(例えば、特許文献2参照)も知られているが、このモノフィラメントは油剤の粘着性が高いため、かえって油剤が脱落しやすく、一旦油剤が糸道に付着すると、整経や製織が極めて難しくなるばかりか、付着した油剤を清掃するために手間と時間が掛かるなどの問題を抱えていた。
特開昭62−78278号公報 特開2000−256967号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
したがって、本発明の目的は、表面に付着した油剤が脱落しにくく、かつ削れに強いなどの性能を持ち、工業用織物を製織する際には、整経や製織がしやすく、且つ織面品質に優れた工業用織物を得ることができるモノフィラメントおよびこのモノフィラメントを使用した工業用織物を提供することである。
本発明者は上記の目的を達成すべく種々検討を行った結果、特定の分子量を有する水溶性ポリエーテル変性シリコーンを主要有効成分とする油剤を合成樹脂モノフィラメントの表面に付着することにより、上記問題を解決するに至った。
すなわち、本発明のモノフィラメントは、合成樹脂製モノフィラメントの表面に分子量が400〜4000である水溶性ポリエーテル変性シリコーンとこの水溶性ポリエーテル変性シリコーン以外の界面活性剤とからなる油剤が0.001〜0.15重量%付着していることを特徴とする。
なお、本発明のモノフィラメントにおいては、
水溶性ポリエーテル変性シリコーン以外の界面活性剤が脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールEO付加物硫酸エステル塩、高級アルコールリン酸エステル塩、高級アルコールEO付加物リン酸エステル塩およびベタイン型両性界面活性剤から選ばれた少なくとも一種であること、
水溶性ポリエーテル変性シリコーンが、全油剤中に65〜95重量%含有されること、
モノフィラメントを走行糸式摩擦係数試験機に供し、走行速度50m/分、且つ一次側張力0.2g/dの条件下で測定した糸/金属間動摩擦係数が0.3〜0.7であり、走行速度800m/分、且つ一次側張力0.3g/dの条件下でモノフィラメントを鰐口タイプのセラミック製ストレージテンサーからなる摩擦体に10分間接触通過させた際の摩擦体に堆積したモノフィラメントの削れ量が20.0mg以下であること、
合成樹脂モノフィラメントが、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリオレフィン樹脂およびフッ素樹脂から選ばれた少なくとも一種からなること、
直径が0.05〜2.0mmであること、
がいずれも好ましい条件として挙げられ、これらの条件を満たすことにより、さらに優れた効果を取得することができる。
また、本発明の工業用織物、特に抄紙用織物は、上記モノフィラメントを構成素材の少なくとも一部に使用したことを特徴とする。
本発明のモノフィラメントは、表面に付着した油剤が脱落しにくく、かつ削れに強いなどの優れた性能を有するため、このモノフィラメントを使用して工業用織物を製織した場合には、整経や製織がしやすくなり、さらに得られた工業用織物は織面品質が優れるなどの特徴を発揮する。
以下に、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明のモノフィラメントは、合成樹脂製モノフィラメントの表面に分子量が400〜4000である水溶性ポリエーテル変性シリコーンとこの水溶性ポリエーテル変性シリコーン以外の界面活性剤とからなる油剤が0.001〜0.15重量%付着していることを特徴とする。
まず、本発明のモノフィラメントに使用する油剤は、水溶性ポリエーテル変性シリコーンと水溶性ポリエーテル変性シリコーン以外の界面活性剤とからなることが必要である。
これは、水溶性ポリエーテル変性シリコーンのみからなる油剤をモノフィラメントの表面に付着させると、製織工程上の糸道の材質(特にアルミナ、セラミックなど)によっては、糸道との接触によりモノフィラメントが帯電しやすくなり、ゴミや埃などを付着して整経や製織に支障をきたす場合があるからであり、逆に水溶性ポリエーテル変性シリコーン以外の界面活性剤のみからなる油剤を使用した場合は、モノフィラメントの表面平滑性が低くなるため、モノフィラメントと糸道との滑りが悪くなり、整経や製織がしにくくなるからである。
ここで、水溶性ポリエーテル変性シリコーンとは、親水性のポリオキシアルキレンを疎水性のジメチルシリコーンに導入したシリコーン系高分子界面活性剤であり、ポリアルキレンがジメチルシリコーンに導入する位置によって、構造上、側鎖変性、両末端変性、片末端変性、両末端側鎖変性などがある。また、ジメチルシリコーンの重合度、ポリアルキレンの分子量および変性率を変えることにより、低分子量・低粘度の液状のものから高分子量・高粘度のペーストまたは固体状のものが数多く知られている。
しかし、本発明に使用する水溶性ポリエーテル変性シリコーンの分子量は400〜4000であることが必要であり、さらには500〜3600であることが好ましい。
この様な分子量を有する水溶性ポリエーテル変性シリコーンの具体例としては、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のBY16−0008、BY16−036、BY16−027、BY16−038、SH3749、SH3748、SF8410等が挙げられる。
これは、水溶性ポリエーテル変性シリコーンの分子量が上記範囲を下まわると、油剤の極圧性(油膜強度)が低くなることに起因して、モノフィラメントの表面が直接糸道に接触しやすくなり、この結果、油剤が脱落したり、モノフィラメントが削れたりして、整経や製織に影響を及ぼす場合があるからである。
逆に、水溶性ポリエーテル変性シリコーンの分子量が上記範囲を上まわると、油剤の粘度が高くなり、その結果、モノフィラメントと糸道との摩擦が高くなるため、かえって油剤が脱落しやすくなるばかりか、糸道に付着した油剤が粘着性を帯びているため、整経や製織がしにくくなり、さらには付着した油剤を清掃するために手間と時間が必要となるなど、様々な問題が発生しやすくなるからである。
一方、本発明で使用する水溶性ポリエーテル変性シリコーン以外の界面活性剤については特に限定はされないが、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールEO付加物硫酸エステル塩、高級アルコールリン酸エステル塩、高級アルコールEO付加物リン酸エステル塩およびベタイン型両性界面活性剤などの使用が好ましく、中でも高級アルコールリン酸エステル塩やベタイン型両性界面活性剤の使用がより好ましい。
さらに、本発明で使用する油剤の付着量は、0.001〜0.15重量%であることが必要であり、さらには0.005〜0.10重量%であることが好ましい。
これは、油剤の付着量が上記範囲を下まわると、油剤の表面張力が大きくなるためにモノフィラメントの表面に油剤膜が形成しにくくなり、その結果、モノフィラメントと糸道との摩擦が高くなって、かえって油剤が脱落したり、モノフィラメントが削れたりする場合が生じるからである。
逆に、油剤の付着量が上記範囲を上まわると、モノフィラメントに対して固形分付着量が多くなり、その結果、油剤が脱落したり、モノフィラメントが削れたりしやすくなるからである。
さらにまた、本発明で使用する油剤においては、水溶性ポリエーテル変性シリコーンが、全油剤中に65〜95重量%、特に70〜90重量%含有されることが好ましい。
これは、水溶性ポリエーテル変性シリコーンの含有量が上記範囲を下まわると、モノフィラメントの表面が滑りにくくなるため、整経や製織がしにくくなるからであり、逆に、上記範囲を上まわる場合は、製織工程上の糸道の材質によっては、糸道との接触によりモノフィラメントが帯電しやすくなり、ゴミや埃などを付着して整経や製織がしにくくなるからである。
なお、本発明のモノフィラメントにおいては、モノフィラメントを走行糸式摩擦係数試験機に供し、走行速度50m/分、且つ一次側張力0.2g/dの条件下で測定した糸/金属間動摩擦係数が0.3〜0.7、さらには0.4〜0.6であることが、抄紙用織物などの工業用織物用途に特に適したモノフィラメントとなることから好ましい。
これは、糸/金属間動摩擦係数が上記範囲を下まわると、モノフィラメントの表面が滑りやすくなるため、整経工程でモノフィラメントをビームに巻いて整経する際に、一定張力かつ均等に巻くことが難しくなりやすいからであり、逆に、糸/金属間動摩擦係数が上記範囲を上まわると、モノフィラメントの表面が滑りにくくなるため、モノフィラメントを使用して工業用織物を製織する際に、モノフィラメントの解舒張力が高くなり、モノフィラメントが切れたり、削れたりするなど、様々な問題が発生しやすくなるからである。
また、本発明のモノフィラメントにおいては、走行速度800m/分、且つ一次側張力0.3g/dの条件下でモノフィラメントを鰐口タイプのセラミック製ストレージテンサーからなる摩擦体に10分間接触通過させた際の摩擦体に堆積したモノフィラメントの削れ量が20.0mg以下であることが好ましく、さらには10.0mgであることがより好ましい。
これは、モノフィラメントの削れ量が上記範囲を上まわると、糸道に削れカスが堆積しやすくなるため、整経や製織がしにくくなるからである。
さらに、本発明のモノフィラメントは、工業用織物用途として優れた物理特性を発揮することができるとの理由から、ポリカプラミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ナイロン46、ナイロンMDX6、ナイロン11、ナイロン12、ポリ(カプラミド/ヘキサメチレンアジパミド)共重合体(ナイロン6/66)およびポリ(カプラミド/ラウラミド)共重合体(ナイロン6/12)などのポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、およびテトラフルオロエチレン/パーフルオロアルコキシルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体、ポリビミリデンフロライド、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフロライト共重合体などのフッ素樹脂から選ばれた少なくとも一種からなることが好ましい。
なお、上記ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートは、そのジカルボン酸成分であるテレフタル酸の一部をイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、およびスルホン酸金属塩置換イソフタル酸などで置き換えたものでもよく、またグリコール成分であるエチレングリコールまたは1,4−ブタンジオールの一部をジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、およびポリアルキレングリコールなどで置き換えたものであってもよい。
また、本発明に使用するポリフェニレンサルファイド樹脂としては、p−フェニレンサルファイド単位やm−フェニレンサルファイド単位を繰り返し単位とするものが挙げられるが、特に繰り返し単位の90%以上がp−フェニレンサルファイド単位からなるものが好ましい。
さらに、本発明のモノフィラメントには、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、タルク、カオリンおよびジルコニウム酸などの各種無機粒子や、架橋高分子粒子および各種金属粒子などの粒子類、抗酸化剤、金属イオン封鎖剤、イオン交換剤、着色防止剤、帯電防止剤、各種着色剤、ワックス類、シリコーンオイル、各種界面活性剤および各種強化繊維類などが添加されていてもよい。
さらにまた、本発明のモノフィラメントの直径は0.05〜2.0mmの範囲にあることが好ましく、さらには0.1〜1.0mmの範囲にあることがより好ましい。
ここで、本発明のモノフィラメントは、特に特別な方法で製造する必要はなく、例えば、合成樹脂を公知の溶融紡糸機に供給して溶融混練した後、冷却固化、延伸および熱セットを行い、最後にモノフィラメントの表面に油剤を付着する方法で得ることができる。
そして、モノフィラメントの表面に油剤を付着させる方法としては、公知の付着方法、例えばローラー給油法、ミスト給油法、ガイド給油法および浸漬給油法などの方法を挙げることができるが、本発明においては、油剤の付着量などの各種条件に応じて、これらの方法を適宜採用すると良い。
こうして得られた本発明のモノフィラメントは、表面に付着した油剤が脱落しにくく、かつ削れに強いなどの優れた性能を有するため、このモノフィラメントを使用して工業用織物を製織した場合には、整経や製織がしやすいなどの効果を発揮することができる。
また、本発明のモノフィラメントによれば、整経や製織の際に、モノフィラメントが切れたり解舒張力に異常が発生したりすることがないため、織面品質に優れた工業用織物を得ることができる。
以下、実施例に基づいて本発明のモノフィラメントおよび工業用織物をさらに詳しく説明するが、本発明のモノフィラメントおよび工業用織物は何らこれらに限定されるものではない。
なお、実施例におけるモノフィラメントの各種物性測定および評価は次の方法で行った。
(1)糸/金属間動摩擦係数
モノフィラメントを走行糸式摩擦係数試験機(エイコー測定器社製)に供し、走行速度50m/分、且つ一次側張力0.2g/dの条件下で測定した。
(2)モノフィラメントの削れ量
モノフィラメントを鰐口タイプのセラミック製ストレージテンサーからなる摩擦体に速度800m/分、且つ一次側張力0.3g/dの条件下で10分間接触通過させた後、擦過体上に堆積した削れカスの量(mg)を測定した。
(3)織面状態
実際に高速織機を使用して抄紙ワイヤーを作成し、得られた抄紙ワイヤー表面の織密度の状態を目視で確認し、次の3つの基準で評価した。
○:モノフィラメントのすわりがよく、規定の織密度に仕上がっていた、
△:モノフィラメントのすわりがよく、ほぼ規定の織密度に仕上がっていた、
×:モノフィラメントのすわりが悪く、規定の織密度に仕上がらなかった。
(4)製織性評価
上記抄紙ワイヤーを製織するに際しての製織性を、次の3つの基準で評価した。
○:筬、シャトルなどにおいて、モノフィラメントの通過性は至って良好であった、
△:筬、シャトルなどにおいて、モノフィラメントの通過性に問題はなかった、
×:筬、シャトルなどにおいて、モノフィラメントの通過性は良くなかった。
(5)ポリエチレンテレフタレートモノフィラメントの溶融紡糸
ポリエチレンテレフタレートのチップ(東レ(株)社製 T701T、以下PETと称す)をエクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、溶融混練して紡糸口金からPETの溶融物を押し出した後、冷却固化して未延伸糸を得た。その後、この未延伸糸を温度220℃、且つ5.2倍の条件で延伸し、さらに温度240℃、且つ0.95倍の条件で熱セットを行い、直径0.25mmのPETモノフィラメントを得た。そして、このPETモノフィラメントに各種油剤を付着させて、各種物性測定および評価を行った。
(6)ナイロン6モノフィラメントの溶融紡糸
ナイロン6のチップ(東レ(株)社製 M1021T)をエクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、溶融混練して紡糸口金からのナイロン6の溶融物を押し出した後、冷却固化して未延伸糸を得た。その後、この未延伸糸を温度130℃、且つ4.7倍の条件で延伸し、さらに温度180℃、且つ0.93倍の条件で熱セットを行い、直径0.25mmのナイロン6モノフィラメントを得た。そして、このナイロン6モノフィラメントに各種油剤を付着させて、各種物性測定および評価を行った。
(7)ポリフェニレンサルファイドモノフィラメントの溶融紡糸
ポリフェニレンサルファイドのチップ(東レ(株)社製 E2080、以下PPSと称す)をエクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、溶融混練して紡糸口金からのPPSの溶融物を押し出した後、冷却固化して未延伸糸を得た。その後、この未延伸糸を温度160℃、且つ4.2倍の条件で延伸し、さらに温度140℃、且つ1.0倍の条件で熱セットを行い、直径0.25mmのPPSモノフィラメントを得た。そして、このPPSモノフィラメントに各種油剤を付着させて、各種物性測定および評価を行った。
(8)ポリプロピレンモノフィラメントの溶融紡糸
ポリプロピレンのチップ(チッソ社製 チッソポリプロA5014、以下PPと称す)をエクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、溶融混練して紡糸口金からのPPの溶融物を押し出した後、冷却固化して未延伸糸を得た。その後、この未延伸糸を温度145℃、且つ8.0倍の条件で延伸し、さらに温度40℃、且つ0.99倍の条件で熱セットを行い、直径0.25mmのPPモノフィラメントを得た。そして、このPPモノフィラメントに各種油剤を付着させて、各種物性測定および評価を行った。
(9)テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体モノフィラメントの溶融紡糸
テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体のチップ(旭硝子社製 フルオンETFE−C88AXP、以下ETFEと称す)をエクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、溶融混練して紡糸口金からのETFEの溶融物を押し出した後、冷却固化して未延伸糸を得た。 その後、この未延伸糸を温度150℃、且つ4.8倍の条件で延伸し、さらに温度160℃、且つ0.93倍の条件で熱セットを行い、直径0.25mmのETFEモノフィラメントを得た。そして、このETEFモノフィラメントに各種油剤を付着させて、各種物性測定および評価を行った。
(10)水溶性ポリエーテル変性シリコーン
実施例において、水溶性ポリエーテル変性シリコーンとして次のものを使用した。
・分子量300:GE東芝シリコーン社製 KF640
・分子量550:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 BY16−005
・分子量3500:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 BY16−008
・分子量8000:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 BY16−038
[実施例1〜11、比較例1〜6]
まず、表1に示すような重量組成からなる油剤を用意した。そしてオイリングローラーを使用して、油剤付着量が0.03重量%となるように各種油剤をPETモノフィラメントの表面に付着させた。
[実施例12〜15]
PETモノフィラメントをナイロン6、PPS、PPおよびETFEモノフィラメント
に代えたこと以外は、実施例5と同じ条件で油剤を各種モノフィラメントの表面に付着させた。
[実施例16〜17]
油剤付着量を表1に示すように変更したこと以外は、実施例5と同じ条件でPETモノフィラメントの表面に油剤を付着させた。
[比較例7]
油剤を付着させることなくPETモノフィラメントをそのまま使用した。
[比較例8]
油剤付着量を表1に示すように増やしたこと以外は、実施例5と同じ条件でPETモノフィラメントの表面に油剤を付着させた。
以上、各実施例および比較例で得られた結果を表1に併せて記載する。
Figure 2007270363
表1の結果から明らかなように、本発明のモノフィラメント(実施例1〜17)は、油剤が脱落しにくく、且つ適度な滑りを有するため、モノフィラメントが削れにくく、製織性に優れたものであることが分かる。また、本発明のモノフィラメントを使用して抄紙ワイヤーを製織した場合には、織面状態が極めて良好で、品質の高い抄紙ワイヤーが得られることが分かる。これに対し、本発明の条件を満たさないモノフィラメント(比較例1〜8)は、油剤が脱落しやすく、且つ適度な滑りを持たないため、モノフィラメントが削れやすく、その結果、製織しにくいものであることが分かる。また、このモノフィラメントを使用して抄紙ワイヤーを製織した場合には、織面状態が良くなく、品質に欠けた抄紙ワイヤーが得られることが分かる。
以上説明したように、本発明のモノフィラメントは、表面に付着した油剤が脱落しにくく、かつ削れに強いなどの優れた性能を有するため、このモノフィラメントを使用して工業用織物を製織した場合には、整経や製織がしやすくなり、整経や製織がしやすくなるなどの優れた効果を発揮する。そして、本発明のモノフィラメントを、抄紙ドライヤーキャンバス、抄紙ワイヤーや各種フィルターなどの抄紙用織物を始め、各種フィルターやコンベアベルト等といった各種工業用織物に使用した場合には、織面品質に優れた工業用織物が得られる。

Claims (8)

  1. 合成樹脂製モノフィラメントの表面に分子量が400〜4000である水溶性ポリエーテル変性シリコーンとこの水溶性ポリエーテル変性シリコーン以外の界面活性剤とからなる油剤が0.001〜0.15重量%付着していることを特徴とするモノフィラメント。
  2. 前記水溶性ポリエーテル変性シリコーン以外の界面活性剤が、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールEO付加物硫酸エステル塩、高級アルコールリン酸エステル塩、高級アルコールEO付加物リン酸エステル塩およびベタイン型両性界面活性剤から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載のモノフィラメント。
  3. 前記水溶性ポリエーテル変性シリコーンが、全油剤中に65〜95重量%含有されることを特徴とする請求項1または2に記載のモノフィラメント。
  4. 前記モノフィラメントを走行糸式摩擦係数試験機に供し、走行速度50m/分、且つ一次側張力0.2g/dの条件下で測定した糸/金属間動摩擦係数が0.3〜0.7であり、走行速度800m/分、且つ一次側張力0.3g/dの条件下でモノフィラメントを鰐口タイプのセラミック製ストレージテンサーからなる摩擦体に10分間接触通過させた際の摩擦体に堆積したモノフィラメントの削れ量が20.0mg以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のモノフィラメント。
  5. 前記合成樹脂モノフィラメントが、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリオレフィン樹脂およびフッ素樹脂から選ばれた少なくとも一種からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のモノフィラメント。
  6. 直径が0.05〜2.0mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のモノフィラメント。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のモノフィラメントを構成素材の少なくとも一部に使用したことを特徴とする工業織物。
  8. 抄紙用織物であることを特徴とする請求項7に記載の工業織物。
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