JP2005299009A - 製紙用織物糸及びこれを用いた製紙用織物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐摩耗性を向上させると共に、剛性を高め、形態の安定性を向上させることができる製紙用織物糸及びこれを用いた製紙用織物を提供する。
【解決手段】 本製紙用織物糸は、粘度平均分子量が100万以上の超高分子量樹脂粒子を、本製紙用織物糸100質量%中に20質量%以下含有する。また、この超高分子量樹脂粒子は、ポリオレフィンからなるものとすることができ、更には、ポリエチレンとすることができる。本製紙用織物は、製紙用織物を構成する織物糸の少なくとも一部が、本製紙用織物糸である。また、この製紙用織物糸が、最下層緯糸の少なくとも一部に用いられているものとすることができる。更に、この製紙用織物は、製紙用フォーミングワイヤーとすることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は製紙用織物糸及びこれを用いた製紙用織物に関し、更に詳しくは、耐摩耗性、剛性及び形態の安定性に優れた製紙用織物糸及びこれを用いた製紙用織物に関する。
製紙用織物は、例えば、無端ベルト状に形成されて多数のロールを周廻して使用される。そして、使用する装置によってはサクションボックス等の脱水装置に接触する裏面(走行面)等が著しく摩耗される。このような摩耗が製紙用織物の耐久性を大きく左右する。
また、近年、製紙用織物を使用する装置は、高速化及び大型化が進んでおり、これらの製紙用織物の交換を要する回数、及び、交換に要する時間並びに手間等が、生産効率に及ぼす影響は大きくなっている。そのため、製紙用織物の耐久性、つまり、耐摩耗性に対する要求が大きくなっている。
製紙用織物の耐久性を向上させるためには、織物を構成する繊維の線径を大きくすることが考えられる。これにより、製造工程中の損傷の軽減及び耐久時間を長くすることができる。しかし、一方で、製紙用織物の構造が変わり、得られる製品の品質に影響を与えることとなる。即ち、例えば、線径を大きくすると織物の厚さが大きくなり、水持ちが多くなり、抄造における弊害が懸念されることとなる。従って、例えば、製紙用フォーミングワイヤーでは構造変化に伴う濾水性の変化を生じ、製品品質に影響を及ぼすこととなる。
このように、線径を大きくして耐久性を得ようとすると、製品品質に変化をもたらすために、線径を変化させるのにも限界があり、耐久性向上の根本的な解決には至っていない。
かかる観点から、従来より、製紙用織物の耐久性を向上させるべく、無機物質の微粒子を含有する剛性プラスチック糸である抄紙用ワイヤー(特許文献1)、特定のポリアミドと珪酸塩層からなる被覆部により芯部を部分的に被覆している複合繊維(特許文献2)、ポリアミドを含む樹脂に対して所定量の層状珪酸塩を含有させたポリアミド系樹脂組成物から得られるモノフィラメントを裏緯糸として用いた製紙用フォーミングワイヤー(特許文献3)等が開発されている。しかし、今日、抄紙機の高速化による生産効率向上の要請に応えるために、耐摩耗性、剛性及び形態の安定性に更に優れた製紙用織物糸及び製紙用織物等が求められている。
特開昭62−250292号公報 特開2000−273722号公報 特開平7−331589号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、耐摩耗性、剛性及び形態の安定性に優れた製紙用織物糸及びこれを用いた製紙用織物を提供することを目的とする。
本発明は、以下に示す通りである。
(1)粘度平均分子量が100万以上の超高分子量樹脂粒子を、本製紙用織物糸100質量%中に20質量%以下含有することを特徴とする製紙用織物糸。
(2)上記超高分子量樹脂粒子は、ポリオレフィンからなる上記(1)に記載の製紙用織物糸。
(3)上記ポリオレフィンは、ポリエチレンである上記(2)に記載の製紙用織物糸。
(4)上記超高分f子量樹脂粒子は、アスペクト比が3以上である上記(1)乃至(3)のうちのいずれかに記載の製紙用織物糸。
(5)表面に凹凸を有する上記(1)乃至(4)のうちのいずれかに記載の製紙用織物糸。
(6)製紙用織物を構成する織物糸の少なくとも一部が、上記(1)乃至(5)のうちのいずれかに記載の製紙用織物糸であることを特徴とする製紙用織物。
(7)上記製紙用織物糸が、最下層緯糸の少なくとも一部に用いられている上記(6)に記載の製紙用織物。
(8)製紙用フォーミングワイヤーである上記(6)又は(7)に記載の製紙用織物。
(9)上記製紙用織物糸の少なくとも一部が熱硬化性樹脂によりコーティングされている上記(6)乃至(8)のうちのいずれかに記載の製紙用織物。
本発明の製紙用織物糸によれば、優れた耐摩耗性、剛性及び形態の安定性が得られ、高い耐久性が得られる。また、これらの特性を有する製紙用織物を得ることができる。
超高分子量樹脂粒子がポリオレフィンである場合は、優れた耐摩耗性、剛性及び形態の安定性が得られ、高い耐久性が得られる。
ポリオレフィンがポリエチレン(以下、単に「PE」ということもある)である場合は、優れた自己潤滑性が得られ、特に優れた耐摩耗性、剛性及び形態の安定性が得られ、高い耐久性が得られる。
超高分子量樹脂粒子のアスペクト比が3以上である場合、更には、表面に凹凸を有する場合は、特に優れた耐摩耗性が得られ、高い耐久性が得られる。
本発明の製紙用織物によれば、優れた耐摩耗性、剛性及び形態の安定性が得られ、高い耐久性が得られる。また、ワイヤーマーク等の不具合なく製紙製品を得ることができる。更に、特に薄い製紙用織物を得ることができる。
製紙用織物糸が最下層緯糸の少なくとも一部に用いられている場合は、優れた耐摩耗性、剛性及び形態の安定性が得られ、高い耐久性が得られる。
製紙用織物が製紙用フォーミングワイヤーである場合には、優れた耐摩耗性、剛性及び形態の安定性が得られ、高い耐久性が得られる。また、ワイヤーマーク等の不具合なく製紙製品を得ることができる。更に、特に薄い製紙用フォーミングワイヤーを得ることができる。
製紙用織物糸の少なくとも一部が熱硬化性樹脂によりコーティングされている場合は、優れた耐摩耗性、剛性及び形態の安定性が得られ、高い耐久性が得られる。また、特に織成状態が安定化される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の製紙用織物糸は、粘度平均分子量が100万以上の超高分子量樹脂粒子を、本製紙用織物糸100質量%中に20質量%以下含有することを特徴とする。
上記「超高分子量樹脂粒子」は、粘度平均分子量が100万以上の樹脂からなる粒子であり、本製紙用織物糸を構成するマトリックス中に分散されて含有される。この超高分子量樹脂粒子の粘度平均分子量は100万以上であれば特に限定されず、粘度平均分子量が大きい程好ましい。但し、紡糸の際に延伸により母材樹脂に伴ってある程度、延伸されることが好ましい。従って、粘度平均分子量は100万〜600万であることが好ましく、200万〜400万であることがより好ましい。この範囲であれば、製紙用織物糸及び製紙用織物等が脆くなることを防止しつつ、耐摩耗性及び剛性を効果的に向上させることができる。尚、通常、粘度平均分子量が100万以上の超高分子量樹脂は粘度測定法により、その分子量を測定する。
また、超高分子量樹脂粒子を構成する樹脂の種類は特に限定されず、例えば、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン及びポリプロピレン等)、ポリアミド系樹脂(6ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、612ナイロン等の各種ナイロン等)、ポリアセタール系樹脂(ポリオキシメチレン等)、フッ素樹脂、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)及びポリウレタン系樹脂等が挙げられる。
このうちポリオレフィン系樹脂(特にポリエチレン)、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂及びフッ素樹脂は自己潤滑性に優れるため摩擦係数を低減でき、その結果、優れた耐摩耗性を得ることができる。また、ポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂は製紙用織物糸及び製紙用織物等の母材樹脂として多用されるため、母材樹脂と同種の樹脂を用いることにより、高い相溶性が得られ、分散性及び母材樹脂との接合性に優れ、その結果、優れた強度を得ることができる。更に、ポリウレタンは特に効果的に優れた耐摩耗性を得ることができる。
これらのなかでは、ポリエチレン、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂及びフッ素樹脂が好ましく、ポリエチレン及びナイロンがより好ましく、ポリエチレンが特に好ましい。上記に挙げた超高分子量樹脂は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特にポリエチレンは、優れた自己潤滑性が少ない含有量(即ち、20質量%以下)においても十分に発揮され、衝撃強度及び耐薬品性にも優れる。更に、このポリエチレンは意外にも配合量に殆ど影響されることなく、ポリエチレンが含有されない場合と同様に紡糸できるため製造上も好ましい。
この超高分子量樹脂粒子の含有量は、製紙用織物糸100質量%に対して20質量%以下(0を超える)であれば特に限定されず、製紙用織物において要求される性質に応じて種々の含有量とすることができる。この含有量は、好ましくは1〜20質量%、更に好ましくは2〜17質量%、より好ましくは2.5〜14質量%、特に好ましくは3〜10質量%、最も好ましくは4〜6質量%である。この範囲であれば、上記製紙用織物糸及び製紙用織物等が脆くなることを防止して、耐摩耗性及び剛性を効果的に向上させることができる。
また、この超高分子量樹脂粒子は、通常、製紙用織物糸中に粒子状に分散されて含有される。この超高分子量樹脂粒子の粒径は特に限定はないが、繊維の長手方向に対して垂直な断面において、製紙用織物糸の線径よりも小さいことが好ましい。即ち、連続相としての母材樹脂が超高分子量樹脂粒子からなる粒子により寸断されないことが好ましい。
また、製紙用織物糸内の1つの超高分子量樹脂粒子の上記断面における粒径は、製紙用織物糸の線径(断面が円形でない場合は最小径)の1/5以下であることが好ましく、1/35〜1/5であることがより好ましく、1/30〜1/10であることが更に好ましく、1/23〜1/14であることが特に好ましい。この範囲であれば、製紙用織物糸及び製紙用織物等が脆くなることを防止しつつ、耐摩耗性及び剛性を効果的に向上させることができる。
更に、この超高分子量樹脂粒子のアスペクト比は特に限定されないが、3以上(即ち、繊維状のものを含む意味である)であることが好ましく、3〜20であることがより好ましく、5〜15であることが特に好ましい。この範囲であれば、製紙用織物糸及び製紙用織物等が脆くなることを防止しつつ、耐摩耗性及び剛性を効果的に向上させることができる。更に、摺動部位との接触面積が広くなるため高い耐摩耗性が得られる。
また、この超高分子量樹脂粒子の長さも特に限定されないが、平均長さは、20μm以上であることが好ましく、20〜200μmであることがより好ましく、50〜150μmであることが特に好ましい。この範囲であれば、製紙用織物糸及び製紙用織物等が脆くなることをより効果的に防止しつつ、耐摩耗性及び剛性をより効果的に向上させることができる。更に、摺動部位との接触面積が広くなるためより高い耐摩耗性が得られる。
また、この超高分子量樹脂粒子は、母材樹脂との親和性を向上させるカップリング処理、及び/又は、後述する母材樹脂との親和性を向上させる親和性向上処理が施されていてもよい。例えば、母材樹脂がポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂及びポリフェニレンサルファイド系樹脂である場合は、一端側にこれらの樹脂に対する親和性が高い(超高分子量樹脂粒子を構成する樹脂に対する親和性に比較して)基を有し、他端側に超高分子量樹脂粒子を構成する樹脂に対する親和性が高い(上記母材樹脂に対する親和性に比較して)基を有するカップリング剤等を用いることができる。即ち、一端側に親水性基を有し、他端側に疎水性基を有するポリマー等を用いることができる。更には、ビニル系ポリマーを側鎖とするグラフトポリマー等を用いることができる。また、母材樹脂がポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂である場合は、放射線照射、紫外線照射及び酸化処理等により表面処理されて、母材樹脂に対する親和性が向上された表面を有する超高分子量樹脂粒子を用いることができる。
製紙用織物糸を構成する母材樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アラミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂及びポリテトラフルオロエチレン系樹脂等が挙げられる。これらのなかでもポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂が好ましい。これら母材樹脂は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリアミド系樹脂としては、例えば、6ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、612ナイロン等が挙げられる。これらは単独でもよく、また、これらの共重合体あるいはブレンド物等を用いることができる。更に、ポリアミド系樹脂に他のモノマーとの共重合体や、他の樹脂とのブレンド物等を用いることができる。例えば、上記ポリアミド系樹脂にポリエーテルを共重合したブロックポリエーテルアミド系樹脂又は上記ポリアミド系樹脂とブロックポリエーテルアミド系樹脂のブレンド物等を用いることができる。ここで、ブロックポリエーテルアミド系樹脂としては、具体的には、ポリアミド形成性モノマーとジカルボン酸との重縮合によって得られる両末端にカルボキシル基を有するポリアミドと、末端アミノポリオキシアルキレン、及び脂肪族ジアミン又は脂環族ジアミン、芳香族ジアミンから選ばれるジアミンを重縮合させることによって得られるブロックポリエーテルアミド系樹脂(特公昭63−55535号公報)が例示される。
ポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸とグリコールからなるポリエステルであれば特にその種類に限定はない。例えば、ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。また、グリコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。具体的には、上記ポリエステル系樹脂として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等を挙げることができる。これらは単独でもよく、また、これらの共重合体あるいはブレンド物等を用いることができる。更に、ポリエステル系樹脂に他のモノマーとの共重合体や、他の樹脂とのブレンド物等を用いることができる。
製紙用織物糸の形態は特に限定されず、例えば、モノフィラメント、マルチフィラメント、スパンヤーン、捲縮加工や嵩高加工等を施した一般的にテクスチャードヤーン、バルキーヤーン、ストレッチヤーンと称される加工糸、あるいはこれらを撚り合わせる等して組み合わせた撚糸が挙げられる。これらのうちモノフィラメント及び/又はマルチフィラメントが好ましい。これらの製紙用織物糸は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記モノフィラメントの線径は特に限定はないが、通常、100〜450μmである。この線径は、例えば、200〜400μmとすることができ、更には300〜450μmとすることができる。この範囲であれば交絡部が製品に転写されてマークを生じることもなく、繊維が切断されるまでの耐久時間を長くできる。一方、上記製紙用織物糸を用いた場合には、線径を100〜200μm、更には100〜180μmとすることができる。このように、従来に比べて線径を細くしても、高い耐摩耗性を有するために、従来品(例えば、線径200〜300μm)と同等か又はそれを超える耐久性を得ることができる。
また、上記マルチフィラメントは、複数本のモノフィラメントで構成された繊維である。このマルチフィラメントを構成するモノフィラメントは全てが上記製紙用織物糸であってもよく、一部のみが製紙用織物糸であってもよい。このマルチフィラメントを構成するモノフィラメントの線径及び本数についても特に限定はないが、通常、その線径は10〜50μm、好ましくは10〜40μmであり、その本数は通常700本以下、好ましくは200〜700本、更に好ましくは200〜500本である。
この製紙用織物糸の断面形状は特に限定されず、円形、楕円形状、星型、矩形状及び中空等とすることができる。また、製紙用織物糸は、表面に凹凸を有することが好ましい。この凹凸は、上記超高分子量樹脂粒子を含有するために生じる凹凸であり、通常、長尺であり、シワ状に認められる。この1つの凸部からなる1つのシワ状部は、通常、長さが10μm以上(更には10〜50μm)である。また、その高さは、通常、1μm以上(更には、1〜10μm)である。
更に、この製紙用織物糸は、そのままで用いてもよいが、少なくとも一部が熱硬化性樹脂によりコーティングされていてもよい。コーティングされることで、製紙用織物の剛性を高めることができる。この熱硬化性樹脂の種類は特に限定されず、例えば、エポキシ系樹脂及びフェノール系樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。この製紙用織物糸をコーティングする方法については特に限定はないが、例えば、製紙用織物糸に対して溶液状又はエマルジョン状の熱硬化性樹脂を噴霧又は塗布することでコーティングすることができる。
この製紙用織物糸の製造方法は特に限定されず、上記構成であればどのようにして得られたものであってもよいが、例えば、溶融させた母成分に、超高分子量樹脂粒子からなる粉末を配合し、混合して得られた混合物を紡糸して得ることができる。即ち、超高分子量樹脂粒子は粉末として混合されることが好ましい。超高分子量樹脂粒子は、その分子量のために極めて剪断され難く、塊状体等の状態で母成分に混合して分散状態を形成することは困難である。このため、超高分子量樹脂粒子は粉末として混合することが好ましい。また、上記紡糸に際しては、延伸を用いて紡糸してもよく、押し出しを用いて紡糸してもよく、更にその他の方法を用いて紡糸してもよく、これらを併せて用いて紡糸してもよい。
本方法により得られる製紙用織物は、優れた耐摩耗性、剛性及び形態の安定性を備え、高い耐久性を有する。
上記「母成分」とは、超高分子量樹脂粒子からなる粉末と混合する成分である。この母成分には、製紙用織物糸を構成する超高分子量樹脂粒子以外の他の全ての成分が含有されてもよく、このうちの一部のみが含有されてもよい。一部のみが含有される場合には、通常、超高分子量樹脂粒子からなる粉末を混合した後、更に残りの成分を混合する工程を備えることとなる。
上記「超高分子量樹脂粒子からなる粉末」は、通常、超高分子量樹脂粒子のみからなるが、前述のようにカップリング処理等の表面処理が行われた粉末では、超高分子量樹脂粒子以外にもカップリング成分を含有することとなる。
また、この粉末の平均粒径は、特に限定されないが、本製紙用織物で扱われる他の製紙材料に含有される無機粒子の平均粒径と同じか又はそれよりも大きいことが好ましい。この無機粒子とは、例えば、炭酸カルシウム、二酸化チタン、タルク及びクレー等の1種又は2種以上である。これらの粒径は、通常、0.1〜20μmであることから、上記超高分子量樹脂粒子からなる粉末の粒径は20μm以上であることが好ましく、20〜50μmであることがより好ましく、30〜40μmであることが特に好ましい。この範囲であれば、製紙用織物糸が上記無機粒子により損傷を受けることを防止しつつ、前述のこのましい粒子形状を得ることができ、特に高い耐久性を得ることができる。
更に、超高分子量樹脂粒子からなる粉末は、前述のように母材樹脂との親和性が向上されるカップリング処理及び/又は親和性向上処理がされたものであってもよく、これらの表面処理が施されていないものであってもよい。
上記「混合工程」は、超高分子量樹脂粒子からなる粉末と母成分とを混合する工程であり、母成分中に超高分子量樹脂粒子を分散させる工程である。この混合方法は、特に限定されないが、例えば、混練により行うことができる。混練を行う際の混練方法及び混練条件等は特に限定されず、公知の混練機、例えば二軸混練機等を用いて行うことができる。
また、この混合工程においては、超高分子量樹脂粒子からなる粉末の分散性を向上させるために、前述の表面処理の有無に関わらず表面処理剤及び界面活性剤等を添加することができる。
上記「紡糸工程」は、混合工程を経て得られた混合物(樹脂混合物)を繊維化する工程である。この紡糸方法は特に限定されないが、通常、押出機を用いて混合物を押出し、延伸することにより紡糸する。
本発明の製紙用織物は、製紙用織物を構成する糸の少なくとも一部が、本発明の製紙用織物糸であることを特徴とする。
上記「製紙用織物を構成する糸」は、製紙用織物を構成する緯糸及び経糸等であり、これらが組まれて(織られて)製紙用織物を構成している。この製紙用織物を構成する糸のうちの本製紙用織物糸を除く他の糸の種類は特に限定されない。即ち、例えば、合成繊維、天然繊維及び複合繊維が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。更に、モノフィラメント、マルチフィラメント、スパンヤーン、捲縮加工や嵩高加工等を施した一般的にテクスチャードヤーン、バルキーヤーン、ストレッチヤーンと称される加工糸、あるいはこれらを撚り合わせる等して組み合わせた撚糸が挙げられる。これらのうちモノフィラメント及び/又はマルチフィラメントが好ましい。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の製紙用織物の構成は特に限定されない。即ち、例えば、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。また、本発明の製紙用織物では、製紙用織物のどの部位に上記製紙用織物糸が用いられていてもよいが、特に、最下層緯糸及び最下層経糸のうちの少なくとも一部として用いることが好ましい。即ち、例えば、最下層緯糸及び最下層経糸の各々一部を上記製紙用織物糸とし残りの糸は他の繊維を用いてもよい。更に、最下層緯糸及び最下層経糸の各々全部を上記製紙用織物糸とすることもできる。更には、本発明の製紙用織物では最下層緯糸のうちの少なくとも一部として用いることがより好ましい。即ち、例えば、最下層緯糸の一部を上記製紙用織物糸とし、残りの最下層経糸は他の繊維を用いてもよい。更に、最下層経糸の全部を上記製紙用織物糸とすることもできる。即ち、例えば、図1に示すように、製紙用織物1が最上層緯糸21と最下層緯糸22と経糸3とを有する場合には、最下層緯糸22の一部又は全部として用いることがより好ましい。
従来は、例えば、ポリアミド繊維を用いた場合、製紙用織物の剛性が低下する傾向があることから、1本おきにポリアミド繊維を配置していたのに対し、本発明の上記製紙用織物糸は剛性が向上されていることから、最下層緯糸及び/又は最下層経糸の全部を上記製紙用織物糸とすることにより、剛性を低下させることなく耐摩耗性の向上を図ることができる。また、最下層緯糸及び/又は最下層経糸の全部を上記製紙用織物糸とした場合も、同様に剛性を低下させることなく耐摩耗性の向上を図ることができる。
即ち、かかる構成を備えることにより、製紙用織物の耐摩耗性を向上させると共に、製紙用織物の寿命に影響を与える最下層の損傷を抑制することができる結果、製紙用織物の寿命延長を実現することができる。ここで最下層とは、製紙用織物において、経糸と緯糸で構成される織物層のうち、ロール等に接することが多い側の層、即ち、湿紙等を載置する層である最上層の反対側の層を意味する。
上記その他の最下層緯糸及びその他の最下層経糸、並びに、その他の部位に用いられる緯糸及び経糸は特に限定されず種々のものを用いることができる。即ち、例えば、ポリエステルモノフィラメント、上記超高分子量樹脂粒子を含有しない通常のナイロンモノフィラメント(6ナイロン、66ナイロン、610ナイロン、612ナイロン等)等のポリアミドモノフィラメントなどが挙げられる。この場合、上記経糸や緯糸は、単一材質で構成されているものの他、経糸又は緯糸ごとに材質が異なる2種以上の材質で構成されているものとすることができる。これらの繊維は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の製紙用織物は、製紙用織物糸の少なくとも一部が熱硬化性樹脂によりコーティングされたものとすることができる。この製紙用織物には、前述のように、熱硬化性樹脂をコーティングした製紙用織物糸を用いて得られた製紙用織物であってもよく、また、製紙用織物糸(コーティングされていなくてもよく、コーティングされていてもよい)を織り込んで製紙用織物とした後、この製紙用織物に熱硬化性樹脂をコーティングした製紙用織物も含まれる。即ち、例えば、液状の熱硬化性樹脂からなる熱硬化性樹脂、熱硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂溶液、熱硬化性樹脂が分散されて含有された熱硬化性樹脂含有エマルジョン等を製紙用織物に塗布(噴霧、刷毛塗り、ロールコート及び含浸等を含む)してられたコーティングされた製紙用織物である。更に、製紙用織物糸を最下層緯糸として織り込んだ製紙用織物の表面に溶液状又はエマルジョン状の熱硬化性樹脂を噴霧又は塗布し、その後、自然乾燥又はロールドライヤー等による加熱乾燥を行うことによりコーティングを行うこともできる。
この製紙用織物糸を織り込んだ製紙用織物をコーティングする方法によれば、ナックル部等、経糸と緯糸の接触する部分をもコーティングすることができる。このため経糸と緯糸とが樹脂で固められて織成状態を安定化できる。
また、コーティングに用いる熱硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂を含む液体等は、粘度が過度に高いと、製紙用織物の目詰まりを生じて脱水効率が低下する等の問題を生じることがあるため粘度の低い液体(即ち、熱硬化性樹脂の含有量が少ない液体等)を用いることが好ましい。必要に応じてコーティングは複数回に分けて行うこともできる。
本発明の製紙用織物としては、例えば、製紙用フォーミングワイヤー、織り生地、編み生地、フエルト生地、コンベアベルト、製紙用プレスフエルト及び繋ぎ合わせプレスフエルト、製紙用ドライヤーキャンバス等が挙げられる。これらのなかでも、特に製紙用フォーミングワイヤーとして用いると本製紙用織物の効能が特に効果的に得られる。即ち、製紙用フォーミングワイヤーは、最下層緯糸のうちの少なくとも一部が製紙用織物糸であり、該製紙用織物糸は、粘度平均分子量が100万以上の超高分子量樹脂粒子を、該製紙用織物糸100質量%中に20質量%以下含有するものであることが好ましい。
以下、本発明の製紙用織物について、実施例を挙げて具体的に説明する。
[1]製紙用織物糸及び製紙用織物の製造
(1)実施例1(5%−超高分子量PE含有ナイロン製紙用織物糸)
製紙用織物糸の製造
超高分子量ポリエチレンを含有するモノフィラメントとして6ナイロン樹脂を用いた。 溶融状態の上記6ナイロン樹脂に、超高分子量ポリエチレン(三井化学製、品名「ミペロン XM−220」、カタログ記載値分子量200万、平均粒子径30μm)を表1に示す含有率となるように配合した。その後、二軸混練機により混練し、次いで、延伸して線径350μmの実施例1の製紙用織物糸を製造した。
製紙用織物(製紙用ワイヤー)の製造
線径220μmのポリエチレンテレフタレート繊維を経糸として用い、線径250μmのポリエチレンテレフタレート繊維を最上層緯糸として用い、線径350μmのポリエチレンテレフタレート繊維と実施例1で得られた製紙用織物糸との各モノフィラメントを1対1の本数比で最下層緯糸として用いた。そしてこれらの繊維を用いて、経糸本数100本/2.54cm、最上層緯糸本数35本/2.54cm、最下層緯糸本数35本/2.54cmの二重織構造の製紙用織物を製造し、実施例1の製紙用ワイヤーを得た。この製紙用ワイヤーの厚さは0.985mmであった。
(2)実施例2(15%−超高分子量PE含有ナイロン製紙用織物糸)
製紙用織物糸の製造
超高分子量ポリエチレンの含有率を15%とした以外は、実施例1と同様にして線径350μmの実施例2の製紙用織物糸を製造した。
製紙用織物(製紙用ワイヤー)の製造
上記で得られた超高分子量ポリエチレンを15%含有する製紙用織物糸を用いた以外は、実施例1と同様にして、二重織構造の製紙用織物を製造し、実施例2の製紙用ワイヤーを得た。この製紙用ワイヤーの厚さは0.987mmであった。
(3)実施例3(5%−超高分子量PE含有ナイロン製紙用織物糸)
製紙用織物糸の製造
実施例1と同様にして、超高分子量ポリエチレンを5%含有し、線径が250μmである製紙用織物糸を製造した。
製紙用織物(製紙用ワイヤー)の製造
最上層緯糸の線径を220μmとし、線径250μmのポリエチレンテレフタレート繊維と実施例3で得られた製紙用織物糸との各モノフィラメントを1対1の本数比で最下層緯糸として用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3の製紙用ワイヤーを得た。この製紙用ワイヤーの厚さは0.870mmであった。
(4)比較例1(超高分子量PEを含有しない製紙用織物糸)
製紙用織物糸
超高分子量樹脂粒子を含有しない6ナイロンからなり、線径が250μmである製紙用織物糸を比較例の製紙用織物糸として用いた。
製紙用織物(製紙用ワイヤー)の製造
線径350μmのポリエチレンテレフタレート繊維と、超高分子量樹脂粒子を含有しない6ナイロン繊維との各モノフィラメントを1対1の本数比で最下層緯糸として用いた以外は、実施例1と同様にして比較例1の製紙用ワイヤーを得た。この製紙用ワイヤーの厚さは0.986mmであった。
[2]比較試験
(1)単糸摩耗試験
長さ65cmに切断した実施例1〜3及び比較例1の製紙用織物糸(単糸)を各試験片として、摩耗試験機により切断に至るまでの下記カウント数を計測した。この摩耗試験機は、研磨紙(粒度320)を表面に巻いたドラムを備える。また、試験片の一端を固定し他端に350gの荷重を掛けて固定し、pH7の水を試験片に散水しながら、試験片の中央部が研磨紙により摺動されるようにドラムを回転させるものである。ドラムは回転速度500rpmで回転させ、試験片が完全に切断するまでのカウント数(ドラムが1回転した時を1カウントとする)を計測した。その結果を表1に示す。
(2)織物摩耗試験
上記(1)の単糸摩耗試験での製紙用織物糸に換えて、上記実施例1〜3及び比較例1で得られた各製紙用ワイヤーを幅2cm、長さ65cmの大きさに裁断したものを試験片として用いた以外は、上記(1)の単糸摩耗試験と同様にしてカウント数を計測した。その結果を表1に示す。
(3)織物動摩擦係数
実施例1〜3及び比較例1の各製紙用ワイヤーを用いて、動摩擦係数測定装置(カトーテック株式会社製、品名「摩擦感テスター KES−SE」)を用いて、各試験片の動摩擦係数を測定した。測定は、温度20℃、湿度65%の環境下、各試験片(製紙用ワイヤー)の最下層部で行った。
また、超高分子量ポリエチレン含有製紙用織物糸は、紡糸直後の状態では母材樹脂である6ナイロン内に分散され、超高分子量樹脂粒子は母材樹脂に覆われた状態と考えられる。このため、各試験片はそのままの面を被測定面とした「研磨前」の測定値と、予め50μm研磨した面を被測定面とした「研磨後」の測定値とを計測した。その結果を表1に示す。
[3]電子顕微鏡による状態観察
実施例1の製紙用織物糸の外表面(図2)、延伸方向に対して平行な断面(図3及び図4)、実施例2の製紙用織物糸の外表面(図5)、延伸方向に対して垂直な断面(図6)、及び延伸方向に対して平行な断面(図7)の各々を電子顕微鏡により拡大して観察した。
その結果、図2及び図5から、実施例1及び実施例2のいずれの外表面にもシワ状の凹凸が認められることが分かる。また、図3、図4、図6及び図7から、実施例1及び実施例2のいずれにおいても内部に超高分子量樹脂粒子が認められることが分かる。また、これらはアスペクト比が3以上の長粒形状であることが分かる。
[4]評価結果
表1より、単糸摩耗試験による切断時カウント数は、比較例1は1256であるのに対して、実施例1(超高分子量PE5質量%含有)は2565であり、比較例1の2倍となっている。また、実施例2(超高分子量PE15質量%含有)は2020であり、比較例1の1.6倍となっている。即ち、いずれの実施例でも、比較例1に比べて非常に高い耐摩耗性が発揮されていることが分かる。
また、織物摩耗試験による切断時カウント数は、比較例1は2753であるのに対して、実施例1(超高分子量PE5質量%含有)は5218であり、比較例1の1.9倍となっている。また、実施例2(超高分子量PE15質量%含有)は4238であり、比較例1の1.5倍となっている。即ち、実施例1及び2では、比較例1に比べて非常に高い耐摩耗性が発揮されていることが分かる。
これらの単糸摩耗試験及び織物摩耗試験の結果より、超高分子量樹脂粒子を含有する製紙用織物糸を用いた製紙用織物は、超高分子量樹脂粒子を含有しない製紙用織物糸を用いた製紙用織物に比べて極めて優れた耐摩耗性を発揮できることを示している。尚、実施例3について後述する。
更に、研磨前の織物動摩擦係数は、比較例1が0.114であるのに対して、実施例1〜3は0.111〜0.115でありほぼ同じ程度であることが分かった。しかし、研磨後の織物動摩擦係数は、比較例1が0.156であるのに対して、実施例1は0.128であり18%の低減が認められた。また、実施例2は0.122であり22%の低減が認められた。更に、実施例3は0.125であり20%の低減が認められた。
また、研磨前と研磨後との織物動摩擦係数とを比較すると、比較例1では0.114から0.156へ変化し27%の増加が認められる。これに対して、実施例1では0.111から0.128へ変化し15%の増加に抑えられていることが分かる。また、実施例2では0.112から0.122へ変化し9%の増加に抑えられていることが分かる。更に、実施例3では0.115から0.125へ変化し9%の増加に抑えられていることが分かる。即ち、研磨前後における織物動摩擦係数の変化が比較例1に比べて、実施例1〜3は小さいことが分かる。
これらの研磨前後の織物動摩擦係数測定の結果より、超高分子量樹脂粒子を含有する製紙用織物糸を用いた製紙用織物は、超高分子量樹脂粒子を含有しない製紙用織物糸を用いた製紙用織物に比べて、動摩擦係数を小さくでき、更には、使用により摩耗が進行しても動摩擦係数の変化が少ないことが分かる。
比較例1では最下層緯糸の線径が350μmであるのに対して、実施例1ではその線径が250μmと細いにも関わらず、単糸摩耗試験における切断時カウント数は1684であり、比較例1の1.3倍である。また、実施例3ではその線径が250μmと細いにも関わらず、織物摩耗試験における切断時カウント数は3298であり、比較例1の1.2倍となっている。即ち、超高分子量樹脂粒子を含有する製紙用織物糸を用いることで、非常に高い耐摩耗性が付与され、更には、織物の厚さを薄くでき、織物を薄くしても従来の性能を超える耐摩耗性を得ることができることが分かる。
製紙用織物は、使用される装置によって薄さが要求されることがある。織物の厚さを薄くするためには、線径を細くせざるを得ないが、線径を細くすると耐久性が低下するという問題がある。しかし、実施例3のように本製紙用織物を用いると、薄い織物においても十分な耐久性が得られることが示されている。
尚、本発明においては、上記具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて種々変更し適用することができる。即ち、例えば、織物を構成する組織、経糸及び緯糸等の材質とその線径を用途に応じて変更できる。また、織物を構成する材質全てに上記超高分子量樹脂粒子を含有する製紙用織物糸を適用して良いく、所定量だけ。即ち、所定本数おきに適用する構成とすることもできる。
本発明の製紙用織物繊維及び製紙用織物は製紙分野において広く用いられる。特に、製紙用フォーミングワイヤー、織り生地、編み生地、フエルト生地、コンベアベルト、製紙用プレスフエルト及び繋ぎ合わせプレスフエルト、製紙用ドライヤーキャンバス等として利用される。
本製紙用織物の縦断面模式図である。 実施例1の製紙用織物糸の外表面を電子顕微鏡により拡大して得られた画像による説明図である。 実施例1の製紙用織物糸の延伸方向に対して平行な断面を電子顕微鏡により拡大して得られた画像による説明図である。 図3を更に拡大した説明図であり、電子顕微鏡により拡大して得られた画像による説明図である。 実施例2の製紙用織物糸の外表面を電子顕微鏡により拡大して得られた画像による説明図である。 実施例2の製紙用織物糸の延伸方向に対して垂直な断面を電子顕微鏡により拡大して得られた画像による説明図である。 実施例2の製紙用織物糸の延伸方向に対して平行な面を電子顕微鏡により拡大して得られた画像による説明図である。
符号の説明
1;製紙用織物、21;最上層緯糸、22;最下層緯糸、3;経糸。

Claims (9)

  1. 粘度平均分子量が100万以上の超高分子量樹脂粒子を、本製紙用織物糸100質量%中に20質量%以下含有することを特徴とする製紙用織物糸。
  2. 上記超高分子量樹脂粒子は、ポリオレフィンからなる請求項1に記載の製紙用織物糸。
  3. 上記ポリオレフィンは、ポリエチレンである請求項2に記載の製紙用織物糸。
  4. 上記超高分子量樹脂粒子は、アスペクト比が3以上である請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の製紙用織物糸。
  5. 表面に凹凸を有する請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の製紙用織物糸。
  6. 製紙用織物を構成する織物糸の少なくとも一部が、請求項1乃至5のうちのいずれかに記載の製紙用織物糸であることを特徴とする製紙用織物。
  7. 上記製紙用織物糸が、最下層緯糸の少なくとも一部に用いられている請求項6に記載の製紙用織物。
  8. 製紙用フォーミングワイヤーである請求項6又は7に記載の製紙用織物。
  9. 上記製紙用織物糸の少なくとも一部が熱硬化性樹脂によりコーティングされている請求項6乃至8のうちのいずれかに記載の製紙用織物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007029752A1 (ja) * 2005-09-07 2007-03-15 Nippon Felt Co., Ltd. 製紙用織物糸及びこれを用いた製紙用織物
WO2007029751A1 (ja) * 2005-09-07 2007-03-15 Nippon Felt Co., Ltd. 製紙用織物糸及びこれを用いた製紙用織物
JP2009523487A (ja) * 2006-01-13 2009-06-25 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 一体成形ブラシ並びにその製造方法及び使用方法

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