JP2007270048A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2007270048A
JP2007270048A JP2006099872A JP2006099872A JP2007270048A JP 2007270048 A JP2007270048 A JP 2007270048A JP 2006099872 A JP2006099872 A JP 2006099872A JP 2006099872 A JP2006099872 A JP 2006099872A JP 2007270048 A JP2007270048 A JP 2007270048A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
curable resin
thiol
group
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006099872A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Seta
努 瀬田
Yotaro Abe
洋太郎 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Co Ltd filed Critical Nippon Paint Co Ltd
Priority to JP2006099872A priority Critical patent/JP2007270048A/ja
Publication of JP2007270048A publication Critical patent/JP2007270048A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Epoxy Resins (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】良好な貯蔵安定性が得られ、かつ硬化に際して水を必要としない硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】一般式(1):
【化1】
Figure 2007270048

(ここで、Xは、脂肪族、脂環族又は芳香族の任意の炭化水素である)
で示される官能基を複数含有する多官能チオールエステル化合物と、塩基とを含有する硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、硬化性樹脂組成物に関する。
−SHで表されるチオール基は、種々の官能基との高い反応性を有しているため、硬化性樹脂組成物の硬化官能基として使用することができる官能基である。しかし、高反応性であるため、貯蔵安定性を得ることができず、一液型の硬化性樹脂組成物に適用することができないという問題があった。
また、チオール基含有化合物は、チオール基同士が反応することによって、ジスルフィド結合を形成することが知られている。しかし、チオール基の反応性が高いため、反応の制御が困難であり、貯蔵安定性を有する硬化型樹脂組成物とすることは困難であった。
特許文献1には、硬化剤として使用できるチオール化合物が記載され、チオールエステル化したチオール化合物が開示されている。チオールエステル基は、水との加水分解反応によって、チオール基を生成する(化学式(2)参照)。
Figure 2007270048
特許文献1によれば、硬化性樹脂組成物に用いることができるチオール化合物を得ることができる。当該チオール化合物を用い、硬化時にチオールエステル基を加水分解させ、チオール基を生成することができれば、樹脂膜の硬化性と、硬化性樹脂組成物における一液安定性とを両立させることができると考えられる。
しかしながら、特許文献1に記載のチオール化合物を硬化性樹脂組成物に用いた場合、使用時に水を添加しなければならないため、上述した一液型の利点を得ることができない。また、特許文献1に記載のチオール化合物を硬化性樹脂組成物に用いた場合、水の添加が必須となるため、溶剤系の硬化性樹脂組成物に適用できないという問題がある。
特開2005−75746号公報
本発明は、上記現状に鑑み、良好な貯蔵安定性が得られ、かつ硬化に際して水を必要としない硬化性樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明は、一般式(1):
Figure 2007270048
(ここで、Xは、脂肪族、脂環族又は芳香族の任意の炭化水素である)
で示される官能基を複数含有する多官能チオールエステル化合物と、塩基とを含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物である。
上記多官能チオールエステル化合物は、複数のエポキシ基を有する化合物とチオカルボン酸との反応により得られるものであることが好ましい。
本発明は、上記硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする硬化性塗料組成物でもある。
本発明の硬化性樹脂組成物は、良好な貯蔵安定性が得られ、かつ硬化に際して水を必要としないものである。また、水性塗料に用いた場合は、VOCを低減することができるものである。このため、塗料、接着剤等の種々の用途において好適に使用することができる。
本発明においては、上記一般式(3)で示される多官能チオールエステル化合物を硬化性樹脂組成物に使用するものである。
Figure 2007270048
ここで、Xは、脂肪族、脂環族又は芳香族の任意の炭化水素であり、Yは、脂肪族、脂環族若しくは芳香族の任意の炭化水素、エポキシ樹脂残基、アクリル樹脂残基、又は、ポリエステル樹脂残基である。
上記多官能チオールエステル化合物は、下記一般式(1)で示されるチオールエステル基を複数含有する。
Figure 2007270048
ここで、Xは、脂肪族、脂環族又は芳香族の任意の炭化水素である。
本発明は、比較的安定性の高いチオールエステル基を有する化合物を硬化性樹脂組成物に配合し、熱によって反応性が高いチオール基を再生することにより、硬化反応を進行させることができるものである。
上記チオールエステル基は加水分解によって上記化学式(2)の反応を生じることが知られていた。本発明者らは、上記チオールエステル基を塩基存在下で加熱すると、上記化学式(2)の反応とは完全に異なる下記化学式(4)で示す転移反応を生じることによって、チオール基を生じることを見出した。
Figure 2007270048
このような反応によって生じたチオール基は、カップリング反応を生じることによって、新たなジスルフィド結合を形成する。
Figure 2007270048
本発明の組成物は、このような一連の反応によって、分子間の結合が生じ、樹脂が硬化する。
すなわち、活性が高いために反応の制御が困難で、硬化性樹脂組成物の硬化反応として使用することが困難であったチオールによるジスルフィド形成反応を、容易に硬化性樹脂組成物の硬化反応に使用することが本発明によって可能になったものである。
チオールエステル基は加水分解によって−SH基が生じることは公知であるが、塩基存在下において加熱によって−SH基が生じることはこれまで知られていなかった。上記反応が生じることにより、水が存在しない条件でも加熱によって、樹脂を硬化させることができる。更に、上記チオールエステル基は室温では塩基存在下であっても反応しないから、安定な硬化性組成物を得ることができる。また、硬化反応時に遊離の一塩基酸を生じないことから、このような一塩基酸の副生による不利益を生じることもない。
本発明において使用する多官能チオールエステル化合物は、上記一般式(1)で示される官能基を複数含有するものである。上記多官能チオールエステル化合物は、例えば、複数個のエポキシ基を有するエポキシ化合物に、チオカルボン酸を反応させてチオールエステル化を行うことにより得ることができる。なお、本明細書における「化合物」には、高分子のものも含まれる。
上記少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物としては特に限定されないが、例えば、多価アルコールのポリグリシジルエーテルを挙げることができる。上記多価アルコールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAアルキレンオキシド付加物、ビスフェノールSアルキレンオキシド付加物、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,2−オクタデカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の2価アルコール;トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の3価以上のアルコールを挙げることができる。なお、上記多価アルコールが3価以上である場合には、少なくとも2個の水酸基がグリシジルエーテル化されていればよく、水酸基が残存していてもよい。上記多価アルコールのポリグリシジルエーテルの中で、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルが好ましい。
上記少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物は、エポキシ樹脂であってもよく、このようなエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ハロゲン化ノボラック型エポキシ樹脂、イソシアヌル酸エポキシ樹脂、テレフタル酸エポキシ樹脂等が挙げられる。また、少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物は、エポキシ基を有するアクリル樹脂であってもよく、この場合、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するアクリルモノマーを、当業者によく知られた方法で単独重合又は共重合させることにより、上記エポキシ基を有するアクリル樹脂が得られる。上記エポキシ基を有するアクリル樹脂は、そのエポキシ当量を調節しやすいので有用である。
少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物がエポキシ樹脂又はアクリル樹脂である場合、エポキシ基1個あたりの分子量を示すエポキシ当量は、150〜15,000であるものが好ましい。150未満のものはその入手が困難であり、15,000を超えると導入されるチオール基の量が十分でない。
チオカルボン酸は、R−C(=O)SHで表される化合物である。Rは、脂肪族、脂環族、芳香族の任意の炭化水素基であってよいが、なかでも、芳香族炭化水素基であることが好ましい。また、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜12の炭素数を有する炭化水素基である。具体的なものとして、チオ酢酸、チオ安息香酸等が挙げられる。加熱時の転移反応の反応性の点から上記チオカルボン酸として、チオ安息香酸を用いることが好ましい。
上記チオールエステル化工程において、上記エポキシ化合物が有するエポキシ基のモル量と上記チオカルボン酸が有するチオカルボキシル基のモル量との比率は、20/80〜45/55に設定されることが好ましい。下限値の更に好ましい値は、40/60である。上記比率が20/80未満であると、残存するチオカルボン酸の量が多いため効率的でなく、45/55を超えると反応を終了させるのに時間がかかる他、官能基濃度が高い場合には、エポキシ基が開環して生じた2級OHと未反応のエポキシ基とが反応することにより、ゲル化してしまうおそれがある。
上記チオールエステル化工程では、系内でエポキシ基の量よりもチオカルボキシル基の量が過剰となるように滴下条件等を設定することが好ましい。また、上記チオールエステル化工程における反応温度は、用いる原材料が分解しない限り、特に限定されないが、例えば、40〜200℃で行うことができる。更に好ましい反応温度は60〜110℃である。反応には、カルボン酸とエポキシ基との反応に用いられる触媒を使用することもできる。なお、上記チオールエステル化工程には、通常、溶媒は必要ないが、用いるのであれば、エポキシ基及びチオカルボキシル基と反応しないものが選択される。
チオールエステル化の終了は、エポキシ基の消失やチオールエステル化の進行度合いについて、一般的分析手法により測定を行い、この結果に基づいて反応終了を判断することができる。例えば、エポキシ基の消失は、エポキシ基の量を滴定により測定することで確認することができる。この場合、例えば、滴定により測定されたエポキシ基の量が反応開始前のエポキシ量の5%以下となった時点で反応終了と判断する。一方、チオールエステル化については、IRスペクトルにおける1660〜1690cm−1のピークの増加が飽和した状態をもって反応が終了したものと判断することができる。なお、反応時間は通常、30分〜5時間程度である。
チオールエステル化が終了してから、得られた反応生成物を精製しても良いが、精製は必須ではない。
硬化は分子同士が化学結合することによってみかけの分子量が増加することにより起こるため、分子量が大きいものほど硬化しやすい。そのため、チオールエステル基を有する成分が、比較的分子量の高い樹脂であることが好ましい。低分子量の化合物の場合には、官能基の数を多くすることによって、硬化系を構築することができる。硬化に用いられる材料が樹脂であるとき、例えば、アクリル樹脂である場合の分子量は1,000〜100,000、ポリエステル樹脂である場合の分子量は1,000〜100,000、エポキシ樹脂である場合の分子量は300〜1,000であってよい。
その際の官能基当量として、アクリル樹脂である場合100〜1,000、ポリエステル樹脂である場合100〜1,000、エポキシ樹脂である場合100〜1,000であってよい。
本発明において使用する塩基は、上記チオールエステル基の転移反応によるチオール基の生成を促進する成分であり、3級アミンや、4級アンモニウム塩、3級フォスフィンのような有機塩基や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムのような無機塩基を使用することができる。これらの化合物の二種以上を併用するものであってもよい。
上記3級アミンとしては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリエチルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ベンジルジメチルアミン、N−アミノエチルピペラジン等のアミン類、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等が挙げられる。
また、上記4級アンモニウム塩としては、下記AとBの組み合わせからなる塩が挙げられる。
〔A〕テトラブチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウム、テトラデシルアンモニウム、テトラヘキサデシルアンモニウム、トリエチルヘキシルアンモニウム、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム(コリン)、メチルトリオクチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、2−クロルエチルトリメチルアンモニウム、メチルピリジニウム
〔B〕サリチレート、マレエート、フタレート、クロライド、ブロマイド、アイオダイド、メタンスルホネート、p−トルエンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、トリフレート、ナイトレート、サルフェート、メトサルフェート、ホスフェート、ジ−t−ブチルホスフェート
また、上記3級フォスフィンとしては、トリ−n−ブチルフォスフィン、トリ−n−オクチルフォスフィン、トリシクロヘキシルフォスフィン、トリフェニルフォスフィン、トリベンジルフォスフィン、トリ−o−トリルフォスフィン、トリ−m−トリルフォスフィン、トリ−p−トリルフォスフィン、トリス−(4−メトキシフェニル)フォスフィン、ジフェニルシクロヘキシルフォスフィン、p−スチリルジフェニルフォスフィン、1,2−ビス(ジフェニルフォスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルフォスフィノ)ブタン等が挙げられる。
また、その他の塩として、テトラブチルホスホニウムブロマイドのような4級ホスホニウム塩、及びトリメチルスルホニウムアイオダイドのような3級スルホニウム塩、ナトリウムエトキサイド、カリウムメトキサイド、t−ブトキシカリウムヘキサメチルフォスフォリックトリアミド、ピリジンナトリウムメトキサイド等が挙げられる。
上記塩基は、多官能チオールエステル化合物に対して0.1〜10質量%の割合で添加することが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、好ましくは加熱により硬化させることができる。加熱によって、チオール基の形成及び塗膜の硬化を促進することができる。硬化温度は、塩基の種類や樹脂組成物の形態等により、適宜設定することができる。例えば、上記硬化温度は、溶剤系塗料の場合は、室温〜220℃であり、80〜160℃であることが好ましく、水系塗料の場合は、60〜220℃であり、80〜160℃であることが好ましい。
また、硬化性樹脂組成物は、必要に応じてチオール基によるジスルフィド結合形成反応に用いられる触媒を含んでいてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、有機溶媒溶液であっても、水分散型樹脂であってもよい。水分散型樹脂である場合は、溶剤を含んでいてもよい。上記溶剤は、チオール基と反応しない有機溶剤が選択される。溶剤の量は、固形分濃度が、20〜60質量%になるように調整することができる。また、本発明の硬化性樹脂組成物は、水中に樹脂が分散した水分散型樹脂であってもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、塗料組成物において好適に使用することができる。このような塗料組成物も本発明の一つである。本発明の塗料組成物は、溶剤系塗料、水性塗料、粉体塗料等の任意の形態であってよい。水性塗料として用いた場合は、貯蔵安定性に加え、更にVOCを低減することができる。また、一液型塗料、二液型塗料のいずれの形態とすることもできるが、特に一液型塗料とした場合に、本発明の効果が最大限に発揮される。また、本発明の硬化性樹脂組成物は、接着剤としても好適に適用することができる。
なお、チオールエステル基と水とが接触した場合、背景技術の項で説明したように、加水分解反応が起こる(化学式(2))。しかしながら、本発明に係る硬化性樹脂組成物を一液型の水性塗料に適用した場合、塗料を加熱しない状態ではチオールエステル基と水との加水分解反応は起きないため、塗料を安定的な状態で保存することができる。常温で加水分解反応が起こらない理由は以下のように推察される。
本発明に係る硬化性樹脂組成物を一液型の水性塗料に適用した場合、疎水性のチオールエステル基は水性樹脂に内包された状態で塗料中に存在すると考えられる。したがって、チオールエステル基を水と接触させずに、つまり加水分解反応を起こすことなく塗料を安定的な状態に保つことができる。この塗料を加熱すると、水が蒸発し、水性樹脂粒子同士が溶融することによって、内包されていたチオールエステル基が樹脂粒子の外に存在していた親水性の塩基と接触し、転移反応を起こす。このとき、加熱によって大部分の水は蒸発しているため、加水分解反応を起こすことなく転移反応のみを進行させることができる。
以下、本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例)
(製造例1)チオールエステル基含有樹脂の製造
窒素導入管、攪拌機、温度調節器、及び冷却管を備えた反応容器にクレゾールノボラック樹脂(東都化成工業製 YDCN−703)308部及びメチルイソブチルケトン132部を仕込み、80℃まで昇温した。系には窒素を流通させた。温度が安定した後にチオ安息香酸197部及びチルイソブチルケトン84.4部の混合溶液を30分かけて等速で滴下した。滴下中は系から発生する熱を適宜取り除き、80℃を保持した。滴下終了後80℃を保持したまま撹拌を続け、エポキシ基濃度が0になった時点で系を冷却することで、固形分濃度70%、固形分チオールエステル基濃度2.9mmol/gのチオールエステル基含有樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液について、滴定による生成物のチオール濃度が0であり、IRスペクトルにおいて1660cm−1のピークが観測された。
(実施例)硬化性樹脂組成物の調製
製造例1で作成したチオールエステル基含有樹脂溶液120部にテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド1.41部を添加し、1時間ディスパーにて攪拌混合することで、チオールエステル基を含有する硬化性樹脂組成物を得た。
(アセトン不溶分率の評価)
実施例で得られた硬化性樹脂組成物を、脱脂したブリキ板(JIS G3303(SPTE))に乾燥膜厚が30ミクロンになるようにアプリケーターを用いて塗装し、80℃で3分予備乾燥を行った後、150℃で30分間焼付けを行い、塗板を作成した。この塗板をアセトン蒸気で6時間抽出し、アセトン不溶分率を測定した。その結果、実施例に係る硬化性樹脂組成物のアセトン不溶分率は88%であった。
本発明の硬化性樹脂組成物は、塗料、接着剤等の種々の用途において使用することができる。

Claims (3)

  1. 一般式(1):
    Figure 2007270048
    (ここで、Xは、脂肪族、脂環族又は芳香族の任意の炭化水素である)
    で示される官能基を複数含有する多官能チオールエステル化合物と、
    塩基とを含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 前記多官能チオールエステル化合物は、複数のエポキシ基を有する化合物とチオカルボン酸との反応により得られるものである請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2記載の硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする硬化性塗料組成物。
JP2006099872A 2006-03-31 2006-03-31 硬化性樹脂組成物 Pending JP2007270048A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006099872A JP2007270048A (ja) 2006-03-31 2006-03-31 硬化性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006099872A JP2007270048A (ja) 2006-03-31 2006-03-31 硬化性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007270048A true JP2007270048A (ja) 2007-10-18

Family

ID=38673168

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006099872A Pending JP2007270048A (ja) 2006-03-31 2006-03-31 硬化性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007270048A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007270047A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Nippon Paint Co Ltd 硬化性樹脂組成物

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62212416A (ja) * 1986-03-12 1987-09-18 Res Dev Corp Of Japan 架橋性重合体組成物
JPH11349666A (ja) * 1998-06-05 1999-12-21 Kanagawa University エポキシ樹脂組成物
JP2003252956A (ja) * 2001-12-25 2003-09-10 Sumikin Air Water Chemical Inc エポキシ樹脂の硬化剤、その組成物及びその用途
JP2003261650A (ja) * 2002-03-07 2003-09-19 Dainippon Ink & Chem Inc エポキシ樹脂組成物、その予備硬化物及び硬化物
JP2003268073A (ja) * 2002-03-15 2003-09-25 Sumikin Air Water Chemical Inc エポキシ樹脂の硬化剤、その組成物及びその用途
JP2005075746A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Nippon Paint Co Ltd チオール化合物の製造方法
JP2007270047A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Nippon Paint Co Ltd 硬化性樹脂組成物

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62212416A (ja) * 1986-03-12 1987-09-18 Res Dev Corp Of Japan 架橋性重合体組成物
JPH11349666A (ja) * 1998-06-05 1999-12-21 Kanagawa University エポキシ樹脂組成物
JP2003252956A (ja) * 2001-12-25 2003-09-10 Sumikin Air Water Chemical Inc エポキシ樹脂の硬化剤、その組成物及びその用途
JP2003261650A (ja) * 2002-03-07 2003-09-19 Dainippon Ink & Chem Inc エポキシ樹脂組成物、その予備硬化物及び硬化物
JP2003268073A (ja) * 2002-03-15 2003-09-25 Sumikin Air Water Chemical Inc エポキシ樹脂の硬化剤、その組成物及びその用途
JP2005075746A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Nippon Paint Co Ltd チオール化合物の製造方法
JP2007270047A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Nippon Paint Co Ltd 硬化性樹脂組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007270047A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Nippon Paint Co Ltd 硬化性樹脂組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI662055B (zh) 具有優良硬化後柔軟性的硬化性樹脂、(甲基)丙烯酸硬化性樹脂、及液晶密封劑組成物
JP5716871B2 (ja) 樹脂硬化剤および一液性エポキシ樹脂組成物
JP2009051954A (ja) 光および加熱硬化性組成物とその硬化物
WO2012043320A1 (ja) 水分散性エポキシ樹脂、水性エポキシ樹脂組成物およびその硬化物
US9169417B2 (en) Powder coatings compositions
JP3539486B2 (ja) コーティング組成物
WO1996041827A1 (en) Amine curable epoxy coating compositions having an improved adhesion to substrates
JP4426324B2 (ja) 非エステル型エポキシ樹脂および樹脂組成物
JP6471620B2 (ja) エポキシ化合物、部分エステル化エポキシ化合物及びそれらを含む硬化性組成物
JP2007270048A (ja) 硬化性樹脂組成物
JP6409487B2 (ja) エポキシ樹脂及びその製造方法、エポキシ樹脂含有組成物並びに硬化物
JP2006022146A (ja) 硬化性樹脂組成物
JP6461721B2 (ja) エポキシ化合物及びその部分エステル化エポキシ化合物、その製造方法、並びにそれを含む硬化性組成物
JP2010090329A (ja) 一液型熱硬化性エポキシ樹脂組成物
EP3697842B1 (en) A process for preparing epoxy resins
JP2007270047A (ja) 硬化性樹脂組成物
JP2013035972A (ja) カルボニル基及びチオエーテル基を含有する変性エポキシ樹脂、その水分散体、及び該水分散体を含む水性塗料組成物
WO2010092630A1 (ja) 速硬化樹脂組成物
JP2006022153A (ja) 硬化性樹脂組成物
JP2001181268A (ja) 脂環式エポキシ化合物及びその組成物
JP2003041183A (ja) コーティング組成物およびその硬化膜
JP2006022154A (ja) 反応性シリコーン組成物
JP2006022142A (ja) 硬化性樹脂組成物
WO2017208555A1 (ja) エポキシ樹脂、完全変性エポキシ樹脂及びそれらを含む硬化性組成物
WO2008035514A1 (fr) Composition durcissable liquide et produit durci associé

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080415

A621 Written request for application examination

Effective date: 20081208

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20110422

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110510

A02 Decision of refusal

Effective date: 20111025

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02