JP2007269251A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トルクセンサを用いることなく舵取り機構に適切な操舵補助力を与えることができる電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】この電動パワーステアリング装置は、舵取り車輪に操舵力を伝達するラック軸を有する舵取り機構に電動モータMから操舵補助力を与える。この装置は、操舵角を検出する舵角センサ11と、車両の車速を検出する車速センサ12と、ラック軸力推定値を生成する軸力推定値生成部22とを含み、軸力推定値に応じて電動モータMを制御するようになっている。軸力推定値生成部22は、操舵角および車速に応じて、車両モデルに基づいて推定される軸力推定値を生成する。
【選択図】図2

Description

この発明は、ステアリングホイール等の操作部材による操舵を電動モータが発生するトルクによって補助する電動パワーステアリング装置に関する。
従来から、車両の舵取り機構に電動モータの発生トルクによる操舵補助力を伝達することにより、運転者のステアリング操作を補助する電動パワーステアリング装置が用いられている。電動モータは、運転者がステアリングホイールに加える操舵トルクおよび車速に応じて駆動制御され、これにより、操舵トルクおよび車速に応じた適切な操舵補助力が舵取り機構に与えられる。
特開2005−219552号公報 特開2005−306205号公報
このような制御のためには、従来から、操舵トルクを検出するためのトルクセンサが不可欠とされてきた。
しかし、このトルクセンサは、ステアリング制御に専用に用いられていることから、電動パワーステアリング装置のコスト削減、ひいては車両全体のコスト削減を図るうえで、これを省くことができれば好ましい。
そこで、この発明の目的は、トルクセンサを用いることなく舵取り機構に適切な操舵補助力を与えることができる電動パワーステアリング装置を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、舵取り車輪(W)に操舵力を伝達するラック軸(2)を有する舵取り機構(1)に電動モータ(M)から操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、操舵角を検出する操舵角検出手段(11)と、当該電動パワーステアリング装置が搭載される車両の車速を検出する車速検出手段(12)と、前記操舵角検出手段によって検出される操舵角および前記車速検出手段によって検出される車速に応じて、車両モデルに基づいて推定されるラック軸力推定値を生成する軸力推定値生成手段(22)と、この軸力推定値生成手段によって生成されるラック軸力推定値に応じて前記電動モータを駆動制御するモータ駆動制御手段(23,24,25,26)とを含むことを特徴とする電動パワーステアリング装置である。なお、括弧内の英数字は後述の実施形態における対応構成要素等を表す。
この構成によれば、操舵角および車速を用い、車両モデル(当該電動パワーステアリング装置が搭載される車両の数学モデル)に基づいてラック軸力が推定され、その推定値に応じて電動モータが駆動制御される。ラック軸力は、運転者が操作部材に加える操舵力に比例するから、ラック軸力推定値を用いて電動モータを制御することによって、操舵トルクを用いた従来型の制御とほぼ同様な操舵補助が可能となる。
そして、この発明では、操舵トルクを検出する必要がないので、トルクセンサを用いることなく適切な操舵補助を行うことができ、これにより、電動パワーステアリング装置のコスト削減を図ることができ、ひいては車両全体のコスト削減に寄与することができる。
操舵角検出手段は、たとえば、車両挙動安定化制御などにもその出力が用いられることから、操舵角検出手段を備えることは、必ずしも車両全体のコスト増加には繋がらない。
また、車速検出手段は、従来からの電動パワーステアリング装置においてもトルクセンサとともに備えられている構成である。そのうえ、たとえば、車両の駆動システムおよび制動システムの制御ならびにカーナビゲーションの処理においても車速情報が用いられることから、車速検出手段を備えることは、車両全体のコストの増加には必ずしも繋がらない。
前記操舵角検出手段は、車両の操向のための操作部材(たとえばステアリングホイール)の操作角を検出するものであってもよいし、舵取り車輪の転舵角を検出するもの(たとえばラック軸の変位を検出するもの)であってもよい。
前記軸力推定値生成手段は、操舵角および車速を車両モデルに当てはめて、ラック軸力推定値を演算する演算手段を含むものであってもよい。
また、前記軸力推定値生成手段は、操舵角および車速のさまざまな値の組み合わせを車両モデルに当てはめて予め求めたラック軸力推定値を記憶し、操舵角および車速を入力として、対応するラック軸力推定値を出力する記憶手段(マップ)であってもよい。
前記車両モデルは、電動パワーステアリング装置が搭載される車両に応じて、そのパラメータが予めチューニングされることが好ましい。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を説明するための概念図である。この電動パワーステアリング装置は、車両の舵取り車輪W(たとえば前左右輪)を転舵させるための舵取り機構1に対して、電動モータMが発生するトルクを操舵補助力として伝達するように構成されている。舵取り機構1は、車両の左右方向に沿うラック軸2と、このラック軸2のギヤ部に噛合するピニオン3とを備えたラック・ピニオン型のものである。ピニオン3には、ステアリングシャフト4の一端が結合されており、このステアリングシャフト4の他端には、操作部材としてのステアリングホイール5が結合されている。したがって、ステアリングホイール5を回動操作することによって、この回動がステアリングシャフト4およびピニオン3を介してラック軸2に伝達され、このラック軸2の軸方向変位に変換される。
ラック軸2の両端には、一対のタイロッド6の各一端がそれぞれ結合されている。この一対のタイロッド6の各他端は、一対のナックルアーム7の各一端に結合されている。この一対のナックルアーム7は、一対のキングピン8まわりに回動自在にそれぞれ支持されていて、一対の舵取り車輪Wがそれぞれ結合されている。この構成により、ラック軸2が軸方向に変位すると、ナックルアーム7がキングピン8まわりに回動し、これにより、舵取り車輪Wが転舵される。
舵取り機構1に対して適切な操舵補助力を付与するために、電動モータMを制御するためのコントローラ(ECU:電子制御ユニット)10が設けられている。このコントローラ10には、ステアリングホイール5の回転角(操作角)を操舵角として検出する舵角センサ11の出力信号と、当該電動パワーステアリング装置が搭載された車両の車速を検出する車速センサ12の出力信号とが入力されるようになっている。
図2は、コントローラ10の電気的構成を説明するためのブロック図である。コントローラ10は、マイクロコンピュータ15と、車載バッテリ13からの電力を電動モータMに供給するための駆動回路16と、電動モータMに流れる電流を検出する電流検出回路17とを含む。
マイクロコンピュータ15は、CPU(中央処理装置)およびメモリ(ROM,RAMなど)を含み、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理手段としての働きを有する。この複数の機能処理手段には、当該電動パワーステアリング装置が搭載される車両の数学モデルである車両モデルに基づいて軸力推定値を生成する軸力推定値生成部22と、目標駆動値としての目標電流値を生成するアシスト制御部23と、目標電流値と実際のモータ電流値との偏差を求める偏差演算部24と、駆動指令値を生成するPI(比例積分)制御部25と、PWM(パルス幅変調)制御信号を生成するPWM制御部26とを含む。アシスト制御部23、偏差演算部24、PI制御部25およびPWM制御部26は、軸力推定値に基づいて電動モータMを駆動制御するモータ駆動制御手段を構成している。また、偏差演算部24、PI制御部25および電流検出回路17などは、目標電流値に基づいて電動モータMを制御するフィードバック制御手段を構成している。
軸力推定値生成部22は、舵角センサ11によって検出される操舵角θと、車速センサ12によって検出される車速Vとを入力として、軸力推定値Yを生成する。軸力推定値とは、ラック軸2に対してその軸方向に作用する力である軸力(ラック軸力)の推定値である。この軸力推定値は、たとえば、車両の右方向への軸力に対しては正の値をとり、車両の左方向への軸力に対しては負の値をとる。
軸力推定値生成部22は、操舵角θおよび車速Vを入力として、軸力推定値Yを出力するマップの形態を有していてもよい。また、軸力推定値生成部22は、操舵角θおよび車速Vの入力を受けて、関数演算等の演算処理によって、軸力推定値Yを求め、これを出力するものであってもよい。この場合の演算処理とは、後述する車両モデルに操舵角θおよび車速Vを当てはめて、軸力推定値Yを求める処理である。軸力推定値生成部22がマップの形態を有する場合には、操舵角θおよび車速Vのさまざまな組み合わせを予め車両モデルに当てはめて軸力推定値Yを求め、これをメモリに格納しておけばよい。
アシスト制御部23は、軸力推定値生成部22によって生成される軸力推定値Yと、車速センサ12によって検出される車速Vとに基づいて、目標電流値Imを演算する。軸力推定値Yおよび車速Vに対する目標電流値Imの関係は、操舵補助特性を決定付けるアシスト特性となる。
このアシスト特性は、図3に示すように、軸力推定値Yの絶対値が大きいほど目標電流値Imが大きくなり、車速Vが大きいほど目標電流値Imが小さくなるように定められている。これにより、ラック軸2に作用する軸力が大きく、したがって、大きな操舵力が必要とされる場合ほど、電動モータMから大きなトルクが発生され、それに応じて大きな操舵補助力が舵取り機構1に与えられる。また、高速走行時ほど操舵補助力を小さくする車速感応制御が行われることになるので、高速走行時における剛性感を実現できる。
軸力推定値Yが所定の不感帯範囲Δ内の値をとるときは、目標電流値Imは零に保持され、中立位置付近の所定の遊び領域内で電動モータMが不必要に駆動されることを防止できるようになっている。また、個々の車速域ごとに、目標電流値Imの上限値がそれぞれ定められており、目標電流値Imは、この上限値以下の範囲で軸力推定値Yの絶対値の増加に応じて単調に増加するように定められる。
偏差演算部24は、目標電流値Imと電流検出回路17によって検出される実電流値との偏差を求め、その偏差をPI制御部25に入力する。PI制御部25は、入力された偏差に対して比例積分演算を行うことにより、電動モータMに流れる電流を目標電流値Imに導くための駆動指令値を生成する。この駆動指令値は、軸力推定値Yの符号(すなわち、軸力の方向)を加味した値とされる。
PWM制御部26は、その駆動指令値に対応するデューティ比のPWM制御信号を駆動回路16に入力する。これにより、駆動回路16は、駆動指令値に対応した電力を電動モータMに供給することになる。
このようにして、操舵角θおよび車速Vを用いて生成される軸力推定値Yに基づいて、電動モータMを制御し、舵取り機構1に適切な操舵補助力を与えることができる。すなわち、操舵トルクを検出するためのトルクセンサを設けることなく、電動モータMを適切に制御することができる。これにより、電動パワーステアリング装置のコストを削減することができ、ひいては、車両全体のコスト削減に寄与することができる。
舵角センサ11は、たとえば、車両挙動安定化制御のために兼用されるものを用いることができ、車速センサ12は、たとえば、車両の制動/駆動システムの制御やカーナビゲーションでの処理のために兼用されるものを用いることができる。より具体的には、たとえば、舵角センサ11および車速センサ12が出力する操舵角情報および車速情報は、車載LAN(ローカルエリアネットワーク)に出力され、これらの情報は、電動パワーステアリングだけでなく、他の車載システムによっても利用されるようになっていてもよい。したがって、これらのセンサ11,12は、トルクセンサのように電動パワーステアリング制御のために専用に設ける必要が必ずしもない。なお、車速センサ12を用いる代わりに、カーナビゲーション用のGPSセンサによって検出される車両位置の移動速度を車速情報として用いることもできる。
車両モデルの一例は、図4および図5に示す車体モデル、図6に示すタイヤモデルを含む。添付図面中および以下の説明で用いる記号の定義の一覧は次のとおりである。
m:車体総重量
V:車体速度
β:車両横滑り角
γ:ヨーレート
s:サスペンションのバネ上質量
s:ロールセンターから重心点までの距離(ロールモーメントアーム長さ)
φ:ロール角
f:前輪の横力(前輪コーナリングフォース)
r:後輪の横力(後輪コーナリングフォース)
I:ヨー慣性モーメント
φ:ロール慣性モーメント
f:重心点から前輪までの距離
r:重心点から後輪までの距離
g:重力加速度
φ:ロール等価粘性係数
φ:ロール剛性
f:前輪のコーナリングスティフネス(一輪分)
r:後輪のコーナリングスティフネス(一輪分)
k:タイヤの横剛性
βf:前輪の横滑り角
βr:後輪の横滑り角
δf:前輪実舵角
αf:前輪のロールステア
αr:後輪のロールステア
α1:前輪の単位ロール角当たりのロールステア量(定数)
α2:後輪の単位ロール角当たりのロールステア量(定数)
θ:操舵角
N:ステアリングギヤ比
sat:セルフアライニングトルク
ξ:トレール長(キャスタトレールξc+ニューマチックトレールξn
Y:軸力
n:ナックルアーム長
x:車体の前方向に沿う座標軸
y:車体の左方向に沿う座標軸
z:車体の上方向に沿う座標軸
図4および図5に示す車体モデルは、前輪30(W)および後輪31を有し、横方向、ヨー方向およびロール方向の3方向の自由度を考慮した等価二輪モデルである。この車体モデルにおける、車両の重心点Gまわりの運動方程式は、次式(1)(2)(3)のとおりに記述される。
Figure 2007269251
図6(a)(b)に示すタイヤモデルは、車輪30,31を構成するタイヤの横滑りの発生から横力(コーナリングフォース)が発生するまでの動特性を考慮して、次式(4)(5)で表現される一次遅れモデルで表すことができる。この場合、一定車速Vでは、車輪横力Ff,Frとその時間微分に比例する値との和が車輪横滑り角βf,βrに比例する。
Figure 2007269251
前後車輪30,31の横滑り角βf,βrは、次式(6)(7)(8)(9)で表される。なお、単位ロール角当たりのロールステアの量の値α1,α2は、定数と仮定している。
Figure 2007269251
これらの式から、次式(10)の状態方程式および次式(11)の出力方程式が得られる。
Figure 2007269251
また、ステアリングホイール5からの操舵角入力に対するタイロッド6の変位に実質的な動特性(遅れ)がないものとして、操舵系を剛体として取り扱い、操舵角θに対する前輪30(舵取り車輪W)の実舵角δfの関係は、次式(12)のとおりであるとする。
Figure 2007269251
図7および図8に示すように、キングピン8まわりのセルフアライニングトルクをナックルアーム7の長さ(キングピン8からのアーム長)で除した値が、タイロッド6を介してラック軸2に作用する軸力となる。タイヤ2輪分のセルフアライニングトルクを考慮すると、ラック軸2に作用する軸力Yは、次式(13)(14)で表される。式(14)は、式(11)の出力方程式と等価である。
Figure 2007269251
したがって、操舵角θから、前記式(12)に従って前輪30の実舵角δfを求め、これと車速Vとを用いて、前記式(10)に従って必要な計算を行うことによって、前輪横力Ffが求まる。これを前記式(14)に代入することによって、軸力Yを推定することができる。
むろん、車両モデルを表す数式中の定数(パラメータ)は、電動パワーステアリング装置が搭載される車両に適合するように調整される。
図9は、ステアリングホイール5の操舵角θに対するラック軸2の軸力Yの周波数特性を表すボード線図であり、図9(a)はゲイン特性を表し、図9(b)は位相特性を表している。図9(a)における曲線41,42,43,44は、それぞれ、前述の車両モデルによって、車速V=100km/h,80km/h,60km/h,40km/hのときの操舵角θと軸力Y(軸力推定値)との関係(ゲイン特性)を演算した結果を表す。同様に、図9(b)における曲線51,52,53,54は、それぞれ、前述の車両モデルによって、車速V=100km/h,80km/h,60km/h,40km/hのときの操舵角θと軸力Y(軸力推定値)との関係(位相特性)を演算した結果を表す。
図9には、軸力センサを用いてラック軸2に作用する軸力を実測して得られた実特性が併せて示されている。記号「◇」、「△」、「□」および「▽」は、それぞれ、車速V=100km/h,80km/h,60km/h,40km/hのときの操舵角θと実際の軸力Yとの測定結果を表す。
この図9から、車両モデルに基づいて演算される軸力推定値が、実測値によく合致しており、この軸力推定値を用いた操舵補助制御(電動モータMの駆動制御)が妥当であることが分かる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。たとえば、図2において二点鎖線で示すように、アシスト制御部23が生成する目標電流値Imに対してゲイン係数を乗じるゲイン調節部28を設けるとともに、運転者がゲイン係数を可変設定するための入力部29を設けて、運転者の好みに応じてゲイン調節ができるようにしてもよい。これにより、ゲイン調節された目標電流値Imが電動モータMのフィードバック制御に用いられることになるので、運転者の好みに応じて操舵補助の度合い(アシスト量)を変更でき、アシスト特性のチューニングを行えるようになる。同様のゲイン調節は、軸力推定値生成部22とアシスト制御部23との間にゲイン調節部を設けることによっても可能であり、また、アシスト制御部23のアシスト特性を運転者その他の操作者からの入力に応じて変動させる手段を設けることによっても可能である。
また、前述の実施形態では、軸力推定値の絶対値が所定値以上の範囲では、目標電流値Imが、各車速域において定められた上限値に固定されるようになっているが、さらに、操舵角θがある閾値以上の場合に、目標電流値Imを車速域毎の上限値に制限するようにしてもよい。前述の車両モデルでは、タイヤモデルが線形モデルであるため、操舵角が増加すればするほど軸力推定値が増加する。しかし、実際のタイヤでは、コーナリングフォースはタイヤ横滑り角に対して飽和する。そこで、この飽和特性に対応するように、操舵角θに応じて操舵補助力(目標電流値)を制限する構成とすることにより、妥当なアシスト特性を実現できる。
さらにまた、路面状態を検出する路面状態検出手段を設け、路面状態に応じて軸力推定値を変動させる構成としてもよい。路面状態検出手段としては、たとえば、ラック軸2に作用する軸力を検出する軸力センサと、この軸力センサの出力に基づいて路面状態を判別する路面状態判別手段とを含むものを適用できる。また、路面状態検出手段の別の例として、電動モータMの回転角を検出する回転角検出手段と、この回転角検出手段の出力に基づいて路面状態を判別する路面状態判別手段とを含むものを適用できる。路面状態判別手段は、たとえば、軸力センサまたは回転角検出手段の出力の周波数を所定の周波数閾値と比較する比較手段を有するものであってもよい。すなわち、軸力センサまたは回転角検出手段の出力の周波数が、通常の路面(舗装路)を走行中のときの標準的な周波数域を離れた値であることを、周波数閾値との比較によって判別する構成とすることで、石畳路その他の悪路を走行中であるかどうかを判別できる。悪路走行中には、たとえば、軸力推定値生成部22が生成する軸力推定値に対して、所定の係数(定数であってもよいし、悪路判別結果に応じた変数であってもよい。)を乗じるゲイン調整を行うことにより、妥当な軸力推定値を得ることができる。
図10は、タイヤの種類に依存する周波数特性の変動を示す図である。この図10は、「195/60 R15(断面幅/扁平率 タイヤ構造(Rはラジアル) リム径)」および「175/70 R14」の2種類のタイヤを用いて、操舵角θに対する軸力Y(実測値)の周波数特性を表すボード線図であり、図10(a)はゲイン特性を表し、図10(b)は位相特性を表す。
この図10から、タイヤの種類によって操舵角に対する軸力の関係が変動することがわかる。この結果から、タイヤの種類に応じて、軸力推定値を変更することにより、妥当な軸力推定値の演算が可能となることが分かる。
路面状態の検出のために、軸力センサが設けられる場合には、この軸力センサの出力に基づくフィードバック制御が行われてもよい。すなわち、操舵角等に基づいて目標操舵トルクまたは目標軸力を演算し、この目標操舵トルクまたは目標軸力が得られるように軸力センサの出力に基づくフィードバック制御を行うようにしてもよい。より具体的には、図11に示すように、車両モデルを用いることによって操舵角θおよび車速Vに応じた目標軸力Yoを求め、この目標軸力Yoと軸力センサによる検出軸力Ydとの偏差の比例積分値に基づいて電動モータMをフィードバック制御することとしてもよい。これにより、操舵トルク制御性能を向上することができる。
軸力センサとしては、歪みゲージなどの安価なセンサを適用可能であるので、トルクセンサを用いる場合よりもコストを低減できる。また、トルクセンサを用いる場合には、ステアリングシャフトにトーションバーを介装して、このトーションバーの上下間でのねじれを検出する必要があるが、トルクセンサを排除して軸力センサを用いれば、トルク伝達系からトーションバーのようなバネ要素を排除でき、これにより、制御性を向上することができる。
また、前述の実施形態では、目標電流値を駆動目標値とした例について説明したが、目標電圧値、目標アシストトルクまたは目標軸力を駆動目標値として同様の制御を行うこととしてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
この発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成を説明するための概念図である。 前記電動パワーステアリング装置に備えられたコントローラの電気的構成を説明するためのブロック図である。 軸力推定値に対する目標電流値の特性(アシスト特性)の一例を示す図である。 車体モデルを説明するための図(平面図)である。 車体モデルを説明するための図(正面図)である。 タイヤモデルを説明するための図である。 セルフアライニングトルクと軸力との関係を説明するための図である。 タイヤ横力とセルフアライニングトルクとの関係を説明するための図である。 操舵角に対する軸力の周波数特性を表すボード線図である。 タイヤの種類に依存する周波数特性の変動を示す図である。 軸力センサを用いたフィートバック制御を説明するための図である。
符号の説明
1…舵取り機構、2…ラック軸、5…ステアリングホイール、15…マイクロコンピュータ、M…電動モータ、W…舵取り車輪

Claims (1)

  1. 舵取り車輪に操舵力を伝達するラック軸を有する舵取り機構に電動モータから操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置であって、
    操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    当該電動パワーステアリング装置が搭載される車両の車速を検出する車速検出手段と、
    前記操舵角検出手段によって検出される操舵角および前記車速検出手段によって検出される車速に応じて、車両モデルに基づいて推定されるラック軸力推定値を生成する軸力推定値生成手段と、
    この軸力推定値生成手段によって生成されるラック軸力推定値に応じて前記電動モータを駆動制御するモータ駆動制御手段とを含むことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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