JP2016030465A - 車両の走行制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】不必要な車速の変化及び消費エネルギーの増大を招くことなく、横風に起因する車両の走行運動の変化を効果的に低減する。
【解決手段】横風検出装置36により横風を検出し、横風に起因する車両のヨーモーメントに対抗する制御ヨーモーメントを、車輪の横力の制御により発生させるための車輪横力可変装置18の目標制御量の大きさを演算し、検出された横風に基づいて、車両の重心と空力中心との間の距離である空力中心距離を推定し、車両のホイールベースに対する空力中心距離の比である空力中心比を演算し、空力中心比に基づいて車輪の横力を増大させるべきであるか減少させるべきであるかを判定し、判定結果に基づいて車輪横力可変装置を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の走行制御装置に係り、更に詳細には車輪の横力を変化させる車輪横力可変装置を備えた車両の走行制御装置に係る。
車両が旋回中に横風を受けると、車両には風下方向への横力が作用し、これに起因して車両の進行方向を風下方向へ偏向させるヨーモーメントが生じ、車両の走行運動が変化する。横風に起因する車両の走行運動の変化を低減するためには、横風に起因するヨーモーメント及び横力にそれぞれ対抗する制御ヨーモーメント及び制御横力を車両に付与する必要がある。
車両の進行方向が風上方向へ変化するよう操舵輪が操舵されると、操舵輪の横力によって横風に起因する横力に対抗する車両横力を発生させることができるので、車両が横変位することを比較的容易に防止することができる。しかし、横風に起因するヨーモーメントに対抗する制御ヨーモーメントを発生させるために必要な操舵輪の横力は、横風に起因する横力に対抗する車両横力を発生させるために必要な操舵輪の横力よりも大きい。よって、操舵輪の操舵によっては、操舵輪の横力によって横風に起因する横力に対抗する車両横力を発生させつつ、横風に起因するヨーモーメントに対抗する制御ヨーモーメントを発生させることはできない。
そのため、左右輪の制駆動力差(前後力差)の制御又は空力の制御により、横風に起因するヨーモーメントに対抗する制御ヨーモーメントを発生させることが研究されている。例えば、下記の特許文献1には、左右輪の駆動力配分の制御及びサイドエアスポイラのような空力装置の制御により、制御ヨーモーメントを発生させると共に制御する制御装置が記載されている。
特許第3463375号公報 安部正人著「自動車の運動と制御(第1版)」(東京電気大学出版局、閉成16年7月23日、第120頁〜第122頁)
〔発明が解決しようとする課題〕
左右輪の制駆動力差の制御により制御ヨーモーメントを発生させる場合には、不必要な車速の変化を招いたり消費エネルギーの増大を招いたりし易い。また、空力の制御により制御ヨーモーメントを発生させる場合には、十分な大きさの制御ヨーモーメントを発生させることができないため、横風に起因する車両の走行運動の変化を効果的に低減することができない。
また、左右輪の制駆動力差の制御及び空力の制御は相互に影響を及ぼすため、十分な大きさの制御ヨーモーメントを発生させるべくこれらの制御が組み合わされる場合には、上記特許公報に記載されているように、特殊な制御が必要である。
本発明は、横風に起因する車両の走行運動の変化を低減する従来の走行制御装置における上述の如き問題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の主要な課題は、車輪の横力、即ち車輪が発生する横力を利用して制御ヨーモーメントを発生させることにより、不必要な車速の変化及び消費エネルギーの増大を招くことなく、横風に起因する車両の走行運動の変化を効果的に低減することである。
〔課題を解決するための手段及び発明の効果〕
上述の主要な課題は、本発明によれば、車輪の横力を変化させる車輪横力可変装置を備えた車両の走行制御装置において、車両に作用する横風についての情報を取得する手段と、横風についての情報に基づいて、車両の重心と空力中心との間の距離である空力中心距離を推定する空力中心距離推定手段と、車両のホイールベースに対する空力中心距離の比である空力中心比を演算し、横風に起因する車両のヨーモーメントに対抗する制御ヨーモーメントを車輪の横力の制御によって発生させるために、車輪の横力を増大させるべきであるか減少させるべきであるかの増減判定を、前記空力中心比に基づいて行う増減判定手段と、車輪の横力が前記増減判定の結果に応じて所定量変化するよう前記車輪横力可変装置を制御する手段と、を有することを特徴とする車両の走行制御装置によって達成される。
少なくとも一部の車輪の横力の制御によって横風に起因する車両のヨーモーメントに対抗する制御ヨーモーメントを発生させれば、不必要な車速の変化及び過剰な消費エネルギーの増大を防止しつつ横風に起因する車両の走行運動の変化を低減することができる。しかし、後に詳細に説明するように、制御ヨーモーメントを発生させるためには、車輪の横力を増大させるべき場合と車輪の横力を減少させるべき場合とがあり、何れであるかは空力中心比によって決定される。よって、車輪横力可変装置を制御して車輪の横力による制御ヨーモーメントを増大させるためには、空力中心比を求め、車輪横力可変装置による車輪の横力の増減を空力中心比に応じて制御する必要がある。
上記の構成によれば、空力中心比に基づいて車輪の横力を増大させるべきであるか減少させるべきであるかの増減判定が行われ、車輪の横力が増減判定の結果に応じて所定量変化するよう車輪横力可変装置が制御される。よって、車輪の横力を増大させるべきか減少させるべきかに応じて車輪の横力が増減するよう車輪横力可変装置を制御し、これにより横風に起因する車両の走行運動の変化を低減する制御ヨーモーメントを車輪の横力によって発生させることができる。
本発明によれば、上記の構成において、前記増減判定手段は、前輪及び後輪の一方のコーナリングパワーを演算し、前記一方の車輪のコーナリングパワーに基づいて前記一方の車輪の等価コーナリングパワーを演算し、前記空力中心比及び前記一方の車輪の等価コーナリングパワーに基づいて、前輪及び後輪の他方について前記増減判定を行うようになっていてよい。
後に詳細に説明するように、制御ヨーモーメントを発生させるために、車輪の横力を増大させるべきか減少させるべきかは、空力中心比のみならず、前後反対の車輪の等価コーナリングパワーによっても決定される。
上記の構成によれば、一方の車輪のコーナリングパワーに基づいて一方の車輪の等価コーナリングパワーが演算され、空力中心比及び一方の車輪の等価コーナリングパワーに基づいて、前輪及び後輪の他方について増減判定が行われる。よって、車輪の等価コーナリングパワーが考慮されることなく増減判定が行われる場合に比して、増減判定を適切に行って、車輪の横力の増減を適切に制御することができる。
また、本発明によれば、上記の構成において、前記増減判定手段は、前記空力中心比、前記一方の車輪の等価コーナリングパワー及び車速に基づいて、前輪及び後輪の他方について前記増減判定を行うようになっていてよい。
後に詳細に説明するように、制御ヨーモーメントを発生させるために、車輪の横力を増大させるべきか減少させるべきかは、空力中心比及び車輪の等価コーナリングパワーのみならず車速によっても決定される。
上記の構成によれば、空力中心比、一方の車輪の等価コーナリングパワー及び車速に基づいて、前輪及び後輪の他方について増減判定が行われる。よって、車速が考慮されることなく増減判定が行われる場合に比して、増減判定を一層適切に行って、車輪の横力の増減を一層適切に制御することができる。
また、本発明によれば、上記の構成において、前記横風についての情報を取得する手段は、横風の対気速度及び偏揺角の情報を取得し、前記空力中心距離推定手段は、横風の対気速度及び偏揺角に基づいて空力中心距離を推定するようになっていてよい。
上記の構成によれば、横風についての情報を取得する手段によって横風の対気速度及び偏揺角の情報を取得し、横風の対気速度及び偏揺角に基づいて空力中心距離を推定することができる。
また、本発明によれば、上記の構成において、車両は、横風に起因する車両のヨーモーメントを低減する空力ヨーモーメント付与装置であって、作動状況によってヨーモーメント低減効果が異なる空力ヨーモーメント付与装置を有し、前記横風についての情報を取得する手段は、横風の対気速度及び偏揺角の情報を取得し、前記空力中心距離推定手段は、横風の対気速度、横風の偏揺角及び前記空力ヨーモーメント付与装置の作動状況に基づいて空力中心距離を推定するようになっていてよい。
上記の構成によれば、横風についての情報を取得する手段によって横風の対気速度及び偏揺角の情報を取得し、検出された横風の対気速度、横風の偏揺角及び空力ヨーモーメント付与装置の作動状況に基づいて空力中心距離が推定される。よって、空力ヨーモーメント付与装置の作動状況が考慮されない場合に比して、空力中心距離を正確に推定することができる。
また、本発明によれば、上記の構成において、前記車輪横力可変装置は、空力上下力によって車輪の接地荷重を変化させることにより車輪のコーナリングパワーを変化させる空力上下力可変装置を含んでいてよい。
上記の構成によれば、空力上下力によって車輪の接地荷重を変化させることにより車輪のコーナリングパワーが変化される。よって、車輪の舵角を変化させることによってスリップ角を変化させることなく、車輪の横力及びコーナリングフォースを変化させることができる。
また、本発明によれば、上記の構成において、前記車輪横力可変装置は、車輪の舵角を変化させることにより車輪のコーナリングパワーを等価的に変化させる舵角可変装置を含んでいてよい。
上記の構成によれば、車輪の舵角を変化させることにより車輪のコーナリングパワーが等価的に変化される。よって、空力に依存することなく、車輪の横力及びコーナリングフォースを確実に変化させることができる。また、車輪にスリップ角が生じていなくてもコーナリングフォースを制御してヨーモーメントを制御することができるので、横風に起因する車両のヨーレートを効果的に低減して車両の走行安定性を効果的に向上させることができる。
また、本発明によれば、上記の構成において、前記空力ヨーモーメント付与装置は、横風を利用して車両に空力ヨーモーメントを付与する垂直フィン装置及び車両の横方向へ空気を噴射することにより車両にヨーモーメントを付与するジェット噴流装置の何れかであってよい。
上記の構成によれば、空力ヨーモーメント付与装置が垂直フィン装置である場合には、横風を利用して車両に空力ヨーモーメントを付与することができる。また、空力ヨーモーメント付与装置がジェット噴流装置である場合には、車両の横方向へ空気を噴射することにより車両にヨーモーメントを付与することができる。
また、本発明によれば、上記の構成において、前記所定量は、横風に起因する車両のヨーモーメントの大きさと現在の制御ヨーモーメントの大きさとの差に応じて可変設定されるようになっていてよい。
上記の構成によれば、横風に起因する車両のヨーモーメントの大きさと現在の制御ヨーモーメントの大きさとの差、即ち横風に起因する車両の走行運動の変化を防止するに必要なヨーモーメントに応じて所定量を設定することができる。よって、所定量が一定の値である場合に比して、横風に起因する車両の走行運動の変化を効果的に防止することができる。
リヤ水平フィン装置及び垂直フィン装置を備えた車両に適用された本発明の第一の実施形態にかかる車両の走行制御装置を示す概略構成図である。 第一の実施形態における走行制御ルーチンを示すフローチャートである。 前輪用の舵角可変装置及び後輪操舵装置が搭載された車両に適用された本発明の第二の実施形態にかかる車両の走行制御装置を示す概略構成図である。 第二の実施形態における走行制御ルーチンを示すフローチャートである。 フロント水平フィン装置及び垂直フィン装置を備えた車両に適用された本発明の第三の実施形態にかかる車両の走行制御装置を示す概略構成図である。 第三の実施形態における走行制御ルーチンを示すフローチャートである。 前輪用の舵角可変装置及び後輪操舵装置が搭載された車両に適用された本発明の第四の実施形態における走行制御ルーチンを示すフローチャートである。 ホイールベースLに対する空力中心距離Lwの比Lw/L、前輪の等価コーナリングパワーCpf及び車速Vに基づいて、ヨーレートγを低減するために後輪のコーナリングパワーKを増大させるべきか減少させるべきかを判定するためのマップである。 後輪の目標リフト係数CLrtに基づいて、リヤ水平フィン装置の水平フィンプレートの目標傾斜角θhrtを演算するためのマップである。 後輪のコーナリングフォースFcrを目標コーナリングフォースFcrtへ変化させるに必要な後輪の目標スリップ角βrtを演算する要領を示す説明図である。 ホイールベースLに対する空力中心距離Lwの比Lw/L、後輪の等価コーナリングパワーCpr及び車速Vに基づいて、ヨーレートγを低減するために前輪のコーナリングパワーKを増大させるべきか減少させるべきかを判定するためのマップである。 前輪の目標リフト係数CLftに基づいて、フロント水平フィン装置の水平フィンプレートの目標傾斜角θhftを演算するためのマップである。 前輪のコーナリングフォースFcfを目標コーナリングフォースFcftへ変化させるに必要な前輪の目標スリップ角βftを演算する要領を示す説明図である。 車両が一定の車速Vにて直進走行している際に、一定風速の横風を受ける状況を示す図である。 車両の重心、ニートラルステアポイント(NSP)、空力中心の位置関係を示す車両の2輪モデルの図である。 車両の重心に対する空力中心及びNSPの車両前後方向の位置が、横風に起因するヨーレートに与える影響を説明するための図である。 車輪の舵角を自動的に変化させることによってそのスリップ角を制御することによりコーナリングパワーKを等価的に変化させる要領を示す説明図である。 前輪のコーナリングパワーKと、空力中心比L/L(車両のホイールベースLに対する空力中心距離Lの比)と、車両のヨーレートγとの関係の一例を示す図である。 ある特定の仕様の車両について、空力中心比L/Lと偏微分値∂γ/∂Kとの関係を示す図である。 第一の実施形態において、後輪に作用するダウンフォースFrdが制御されることによって後輪の横力Fyrが制御されることにより、横風に起因する車両のヨーレートが低減される要領を示す説明図である。 第二の実施形態において、後輪の舵角δrが制御されることによって後輪の横力Fyrが制御されることにより、横風に起因する車両のヨーレートが低減される要領を示す説明図である。 第三の実施形態において、前輪に作用するダウンフォースFfdが制御されることによって前輪の横力Fyfが制御されることにより、横風に起因する車両のヨーレートが低減される要領を示す説明図である。 第四の実施形態において、前輪の舵角δfが制御されることによって前輪の横力Fyfが制御されることにより、横風に起因する車両のヨーレートが低減される要領を示す説明図である。
[制御の考え方]
本発明の実施形態の説明に先立ち、本発明の実施形態にかかる車両の走行制御装置(以下、「本制御装置」という)が採用する制御の考え方(原理)について説明する。
<車両横方向の力及びモーメントの釣り合い>
図14に示されているように、車両100が一定の車速Vにて直進走行している際に、一定風速の横風102を受けた場合について考える。この場合には、車両横方向の力の釣り合い及び車両の重心104周りのモーメントの釣り合いから、それぞれ下記の式(1)及び(2)が成立する。なお、下記の式(1)及び(2)の導出については、「自動車の運動と制御(第1版)」(安部正人著、東京電気大学出版局)の第120頁〜第122頁を参照されたい。
Figure 2016030465
ここで、各パラメータは以下の通りであり、それらの一部が車両の2輪モデル106を示す図15に示されている。なお、「NSP」は車輪のコーナリングフォースの合力が作用する点、即ちニュートラルステアポイントである。
:前輪のコーナリングパワー
:後輪のコーナリングパワー
L:車両のホイールベース
:前輪位置(車両の重心から前輪車軸までの車両前後方向の距離)
:後輪位置(車両の重心から後輪車軸までの車両前後方向の距離)
m:車両の質量
I:車両のヨー慣性モーメント
V:車速
β:車両のスリップ角
γ:車両のヨーレート
:NSP距離(車両の重心からNSPまでの車両前後方向の距離)
:空力中心距離(車両の重心から空力中心までの車両前後方向の距離)
:空力横力
<横風を受けることによるヨーレート>
車両が走行中に横風を受けると、車両には空力横力Fが作用するが、操舵輪に僅かなスリップ角を生じさせることにより、空力横力Fに対抗する横力を発生させることができる。よって、車両が走行中に横風を受けた場合の車両の風下方向への横変位を無視することができる。
これに対し、車両が走行中に横風を受けると、車両には空力によるヨーモーメント(以下「空力ヨーモーメント」という)が作用する。しかし、NSPと、横風による空力が作用する点(即ち、空力中心)とは、車両の前後方向に互いに異なる位置にある。そのため、空力ヨーモーメントを車輪のコーナリングフォース、即ち車両の横方向に作用する車輪の横力の成分によって打ち消すことはできない。
よって、車両が横風を受ける状態にて走行する場合には、車両には常時ヨーモーメントが作用し、車両の進行方向が風下側へ変化し続けるため、車両の運動は空力ヨーモーメントに起因する定常旋回運動になる。この定常旋回運動の定常ヨーレートは、上記式(1)及び(2)における加速度項dβ/dt及びdγ/dtをそれぞれ0とし、それらを連立方程式としてヨーレートγについて解くことにより求められる。よって、ヨーレートγは下記の式(3)又は(4)により表される。
Figure 2016030465
なお、NSP距離Lは下記の式(5)により表される。また、上記式(4)におけるAはスタビリティファクタであり、下記の式(6)により表される。
Figure 2016030465
上記式(3)及び(4)から、車両が走行中に横風を受けることによるヨーレートγは、前輪のコーナリングパワーK及び後輪のコーナリングパワーKの関数であり、よってこれらの影響を受けることが解る。また、上記式(5)及び(6)から、車両の運動特性に影響するNSP距離L及びスタビリティファクタAは、コーナリングパワーK(iはf又はrであり、f及びrはそれぞれ前輪及び後輪を意味する)により決定されることが解る。
<空力中心及びNSPの位置の影響>
次に、車両が横風を受ける状態にて走行する状況において、車両の重心に対する空力中心及びNSPの車両前後方向の位置が、横風に起因するヨーレートに与える影響について、図16を参照して説明する。
例えば、空力ヨーモーメントに対抗するヨーモーメントを発生する垂直テールフィン装置のような空力装置によれば、この種の空力装置が設けられていない場合に比して、空力中心106を車両の後方へ移動させて車両の重心104に近づけることができる。空力中心106の位置が車両の後方で重心104に近いほど、空力ヨーモーメントが減少するので、この種の空力装置によれば、横風に起因するヨーレートを低減することができる。
上記式(3)及び(4)から解るように、コーナリングパワーKを変化させることにより、ヨーレートγを変化させることができる。しかし、上記式(5)及び(6)から解るように、コーナリングパワーKの変化によってNSP距離Lを増大させると、スタビリティファクタAも増大する。逆に、NSP距離Lを減少させると、スタビリティファクタAも減少する。そのため、上記式(4)から解るように、コーナリングパワーKを増大させると、ヨーレートγが増大する場合もあれば、減少する場合もあり、逆にコーナリングパワーKを減少させると、ヨーレートγが減少する場合もあれば、増大する場合もある。
例えば、図16に示されているように、NSP108を車両の前方へ移動させて車両の重心104に近づけると、空力ヨーモーメントは減少し、ヨーレートγも減少するが、車両のアンダーステア(US)の度合が低下し、車両の耐外乱性が低下する。逆に、NSP108を車両の後方へ移動させて車両の重心104から遠ざけると、車両のアンダーステアの度合が増大し、車両の耐外乱性は向上するが、空力ヨーモーメントは増大し、ヨーレートγも増大する。
以上から解るように、コーナリングパワーKを変化させることにより、ヨーレートγを変化させることができるが、コーナリングパワーKの変化によりヨーレートγを低下させることができる場合もあれば増大してしまう場合もある。よって、ヨーレートγを低下させるためには、コーナリングパワーKを増大させるべきか減少させるべきかを判定する必要がある。
<空力による車輪支持荷重の制御及び車輪の舵角の自動制御>
次に、空力による車輪支持荷重の制御及び車輪の舵角の自動制御によりコーナリングパワーKを変化させる場合について説明する。車輪の重力配分比をd(i=f又はr、d+d=1)とし、車輪のリフト係数をCLi(i=f又はr)とし、等価コーナリングパワーをCpi(i=f又はr)として、コーナリングパワーKは、下記の式(7)により表される。なお、車輪のリフト係数をCLiは、本来のリフト係数を車両の重量mg(gは重力加速度)にて除算することにより無次元化された値であり、dは一定の値である。
Figure 2016030465
(空力による車輪支持荷重の制御)
まず、空力による車輪支持荷重の制御は、空力により車両に上下方向の力を付与する制御である。具体的には、水平ウイング装置のような空力装置によるダウンフォース制御などにより、上記式(7)の車輪のリフト係数CLiを変化させる制御である。車輪のリフト係数CLiは空力装置の作動状況により決定され、空力による車輪支持荷重の制御が行われる場合のコーナリングパワーKは、上記式(7)により表される。
(車輪の舵角の自動制御)
車輪の舵角の自動制御によりコーナリングパワーKを変化させる場合とは、例えば舵角制御装置により車輪の舵角を自動的に変化させることによってそのスリップ角を制御することによりコーナリングパワーKを等価的に変化させる場合である。図17に示されているように、車輪の実際のコーナリングパワーKは一定であっても、車輪のスリップ角がβ1からβ2へ変化されると、操舵入力手段の位置に基づいて推定される車輪のスリップ角は変化しないが、当該車輪のコーナリングフォースがFc1からFc 2へ変化する。よって、操舵入力手段の位置に基づいて推定される車輪のスリップ角に基づいて車輪のコーナリングフォースを判断すると、コーナリングパワーが変化したことと同様の結果になる。この場合、車輪のスリップ角が自動的に増大されると、コーナリングパワーKは等価的に増大し、車輪のスリップ角が自動的に低減されると、コーナリングパワーKは等価的に減少する。
図18は、前輪のコーナリングパワーKと、空力中心比L/L(車両のホイールベースLに対する空力中心距離Lの比)と、車両のヨーレートγとの関係の一例を示している。図18から、前輪のコーナリングパワーKの変化に対するヨーレートγの変化の関係は、空力中心比L/Lによって異なることが解る。即ち、ヨーレートγを減少させるために前輪のコーナリングパワーKを増大させるべきか減少させるべきかは、空力中心比L/Lによって異なる。なお、図には示されていないが、後輪のコーナリングパワーKの変化に対するヨーレートγの変化の関係も、空力中心比L/Lによって異なる。
<コーナリングパワーの変化に対するヨーレートの増減の判定>
前輪のコーナリングパワーKの変化に対するヨーレートγの変化が増加であるか減少であるかは、上記式(3)を前輪のコーナリングパワーKにて偏微分した値、即ち偏微分値∂γ/∂Kの符号が正であるか負であるかにより判定することができる。図19は、ある特定の仕様の車両について、空力中心比L/Lと偏微分値∂γ/∂Kとの関係を示している。仕様が異なっても、上記関係は図19に示され関係と同様になる。図19に示されているように、空力中心比L/LがB(1よりも小さい正の値)未満であるときには、偏微分値∂γ/∂Kが正の値になるが、空力中心比L/LがBを越える値であるときには、偏微分値∂γ/∂Kが負の値になる。
よって、空力中心比L/LがB未満であるときには、偏微分値∂γ/∂Kが正であるので、前輪のコーナリングパワーKを低減することによりヨーレートγを減少させることができるが、前輪のコーナリングパワーKが増大されるとヨーレートγが増大することが解る。逆に、空力中心比L/LがBを越える値であるときには、偏微分値∂γ/∂Kが負であるので、前輪のコーナリングパワーKを増大させることによりヨーレートγを減少させることができるが、前輪のコーナリングパワーKが低減されるとヨーレートγが増大することが解る。なお、図には示されていないが、後輪のコーナリングパワーKの変化に対するヨーレートγの変化の関係も、偏微分値∂γ/∂Kの符号により判定することができる。
<前輪のコーナリングパワーの制御>
次に、前輪のコーナリングパワーKを制御する場合について、ヨーレートγを低減するために前輪のコーナリングパワーKを増大させるべきか減少させるべきかの判定について説明する。
上記式(3)の分子及び分母をそれぞれf(x)及びg(x)と置くと、前輪のコーナリングパワーKが変化されてもヨーレートγが変化しない状況においては、∂γ/∂K=0である。この式は下記の式(8)の通り変形可能であり、よって下記の式(9)が成立する。
Figure 2016030465
上記式(9)を整理すると、下記の式(10)又は式(11)が得られ、これらの式はヨーレートγを低減するために前輪のコーナリングパワーKを増大させるべき場合と減少させるべき場合との境界を示す。
Figure 2016030465
上記式(11)に上記式(7)を代入すると、下記の式(12)が得られる。下記の式(12)は車両の質量mを含んでいないので、ヨーレートγを低減するために前輪のコーナリングパワーKを増大させるべきか減少させるべきかの判定の境界は、車両の質量m及び重量mgとは無関係であることが解る。
Figure 2016030465
図11は、便宜のために後輪のリフト係数CLrを0と仮定して、上記式(12)の曲線、即ち上記式(12)における後輪の等価コーナリングパワーCPrと空力中心比L/Lと車速Vとの関係を示している。図11において、曲線より上側の領域は、偏微分値∂γ/∂Kが負であり、ヨーレートγを低減するために前輪のコーナリングパワーKを増大させる領域である。逆に、曲線より下側の領域は、偏微分値∂γ/∂Kが正であり、ヨーレートγを低減するために前輪のコーナリングパワーKを減少させる領域である。
よって、後輪の等価コーナリングパワーCPr及び空力中心比L/Lを求め、これらと車速Vとに基づいて、図11から、ヨーレートγを低減するために前輪のコーナリングパワーKを増大させるべきか減少させるべきかを判定することかできる。
<後輪のコーナリングパワーの制御>
同様に、後輪のコーナリングパワーKを制御する場合について、ヨーレートγを低減するために後輪のコーナリングパワーKを増大させるべきか減少させるべきかの判定について説明する。
上記式(3)の分子及び分母をそれぞれf(x)及びg(x)と置くと、後輪のコーナリングパワーKが変化されてもヨーレートγが変化しない状況においては、∂γ/∂K=0である。この式は下記の式(13)の通り変形可能であり、よって下記の式(14)が成立する。
Figure 2016030465
上記式(14)を整理すると、下記の式(15)又は式(16)が得られ、これらの式はヨーレートγを低減するために後輪のコーナリングパワーKを増大させるべき場合と減少させるべき場合との境界を示す。
Figure 2016030465
上記式(16)に上記式(7)を代入すると、上記式(12)と同様の下記の式(17)が得られる。下記の式(17)も車両の質量mを含んでいないので、ヨーレートγを低減するために後輪のコーナリングパワーKを増大させるべきか減少させるべきかの判定の境界も、車両の質量m及び重量mgとは無関係であることが解る。
Figure 2016030465
図8は、便宜のために前輪のリフト係数CLfを0と仮定して、上記式(17)の曲線、即ち上記式(17)における前輪の等価コーナリングパワーCPfと空力中心比L/Lと車速Vとの関係を示している。図8において、曲線より上側の領域は、偏微分値∂γ/∂Kが正であり、ヨーレートγを低減するために後輪のコーナリングパワーKを減少させる領域である。逆に、曲線より下側の領域は、偏微分値∂γ/∂Kが負であり、ヨーレートγを低減するために後輪のコーナリングパワーKを増大させる領域である。
よって、前輪の等価コーナリングパワーCPf及び空力中心比L/Lを求め、これらと車速Vとに基づいて、図8から、ヨーレートγを低減するために後輪のコーナリングパワーKを増大させるべきか減少させるべきかを判定することかできる。
[第一の実施形態]
図1は、リヤ水平フィン装置及び垂直フィン装置を備えた車両に適用された本発明の第一の実施形態にかかる車両の走行制御装置10を示す概略構成図である。
図1において、走行制御装置10は、操舵輪である前輪12及び非操舵輪である後輪14を有する車両16に搭載されている。車両16の後端部には、上下方向の空力を制御することにより後輪14の接地荷重を制御するリヤ水平フィン装置18と、空力ヨーモーメントを制御する垂直フィン装置20とが設けられている。
リヤ水平フィン装置18は、車両の横方向に隔置され車体22に固定された一対の支柱24と、一対の支柱24の間にてそれらの上端部により車両の横方向に延在する枢軸線26の周りに上下方向に枢動可能に支持された水平フィンプレート28とを有している。水平フィンプレート28は、図1には示されていないアクチュエータが電子制御装置30によって制御されることにより、水平方向に対する傾斜角θhrが変化されるようになっている。なお、傾斜角θhrは、水平フィンプレート28が水平であるときに0であり、図1において二点鎖線にて示されているように、水平フィンプレート28の後縁部が前縁部に対し上方及び下方にある場合がそれぞ正の値及び負の値である。
支柱24は、車両の前後方向に細長い長円又は楕円の平断面形状を有しており、各支柱24内には、垂直フィン装置20の垂直フィンプレート32が収容されている。垂直フィンプレート32は、図1において二点鎖線にて示されているように、支柱24からの後方へ突出し得るよう、上端にて車両の横方向に延在する枢軸線34の周りに前後方向へ枢動可能に支持されている。垂直フィンプレート32の突出量Evは、図1には示されていないアクチュエータが電子制御装置30によって制御されることにより、多段階に変化されるようになっている。
なお、垂直フィンプレート32は、例えば下端のように他の部位にて前後方向へ枢動可能に支持されていてもよく、また前後方向へスライド可能に支持されていてもよい。また、突出量Evは、垂直フィンプレート32が支柱24内に収容されているときには0であり、枢軸線34の周りの後方への枢動角度又はスライド量が増大するにつれて大きくなる。これらのことは、後述の第三の実施形態についても同様である。
電子制御装置30には、横風検出装置36から横風の相対風速Vw(対気速度)及び相対風向αw(偏揺角、即ち車両の前進方向に対し横風の相対風速の方向がなす角度であり、偏揺角が車両の前進方向に対し右側である場合が正である)を示す信号が入力される。横風についての情報を取得する手段として機能する横風検出装置36は、横風の相対風速Vw及び相対風向αwを検出可能である限り、多孔ピトー管、超音波風速計などであってよい。
電子制御装置30には、車速センサ38から車速Vを示す信号が入力され、前輪12を操舵するために運転者によって操作される図1には示されていないステアリンホイールの回転角度である操舵角θを示す信号が操舵角センサ40から入力される。また、電子制御装置30には、左前輪、右前輪、左後輪及び右後輪に設けられた6分力計42j(j=fl、fr、rl及びrr)から対応する車輪の横力Ftyj(j=fl、fr、rl及びrr)を示す信号が入力される。更に、電子制御装置30には、状態量センサ44から車両の横加速度Gy、車両のヨーレートγなどの車両の状態量を示す信号が入力される。操舵角センサ40及び状態量センサ44は、それぞれ車両の左旋回方向への操舵又は旋回の場合を正として操舵角θ、横加速度Gyなどを検出する。
電子制御装置30は、車両16が走行中に横風を受けると、図2に示されたフローチャートに従ってリヤ水平フィン装置18及び垂直フィン装置20を制御することにより、車両が受ける横風の影響を低減する。なお、電子制御装置30は、CPU、ROM、RAM及び入出力ポート装置などを含み、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された周知の構成のマイクロコンピュータであってよい。図2に示されたフローチャートに対応する制御フロー、マップなどはROMに格納されている。これらのことは、後述の他の実施形態についても同様である。
以上の説明から解るように、リヤ水平フィン装置18は、空力上下力によって後輪の接地荷重を変化させ、これにより後述のように後輪のコーナリングパワーを変化させる「空力上下力可変装置」として機能する。また、リヤ水平フィン装置18は、電子制御装置30と共働して、後輪のコーナリングパワーを変化させることによって後輪の横力を変化させる「車輪横力可変装置」を構成している。更に、垂直フィン装置20は、電子制御装置30と共働して、後述のように横風に起因する車両のヨーモーメントを低減する「空力ヨーモーメント付与装置」を構成している。
次に、図2示されたフローチャートを参照して第一の実施形態における走行制御ルーチンについて説明する。図2に示されたフローチャートによる制御は、図には示されていないイグニッションスイッチがオンであるときに、電子制御装置30によって所定の時間毎に繰返し実行される。なお、下記の説明においては、図2に示されたフローチャートによる車両の走行制御を単に「制御」と指称する。これらのことは、後述の他の実施形態についても同様である。
まず、ステップ10においては、車速センサ38から入力される車速Vを示す信号などが読み込まれる。
ステップ20においては、横風が検出されているか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときには制御はステップ10へ戻り、肯定判別が行われたときには制御はステップ30へ進む。この場合、車速Vが基準値V0(正の定数)以上である状況において、横風検出装置36により検出された横風の相対風速Vw及び相対風向αwの絶対値がそれぞれ基準値Vw0及びαw0(何れも正の定数)である場合に、横風が検出されていると判定されてよい。
ステップ30においては、車両のヨーレートγなどに基づいて車両のスリップ角βが演算され、δfを前輪の舵角として、下記の式(18)に従って前輪のスリップ角βfが演算される。なお、前輪のスリップ角βfはスリップ角センサにより検出されてもよい。
Figure 2016030465
また、ステップ30においては、6分力計42fl及び42frにより検出された左右前輪の横力Ftyfl及びFtyfrの平均値Ftyf及び左右前輪の舵角δfに基づいて前輪のコーナリングフォースFcfが演算される。更に、前輪のコーナリングフォースFcfが前輪のスリップ角βfにて除算された値として前輪のコーナリングパワーKが演算される。
ステップ40においては、横風の相対風速Vw及び相対風向αwに基づいて、図には示されていないマップから又は下記の式(19)に従って、垂直フィン装置20が作動されていないときの横風に起因するヨーモーメントMwが演算される。なお、ヨーモーメントMwは、車両を左旋回させる方向が正である。また、マップは風洞実験などにより予め求められた値に基づくマップであってよい。更に、下記の式(19)において、Cnは相対風向αwにより定まるヨーイングモーメント係数であり、ρは空気の密度であり、Sは車両の前面面積であり、ρ及びSは定数であってよい。
Figure 2016030465
また、ステップ40においては、横風に起因するヨーモーメントMwの絶対値が大きいほど垂直フィンプレート32の目標突出量Evtが大きくなるよう、ヨーモーメントMwの絶対値に基づいて目標突出量Evtが演算される。更に、垂直フィンプレート32の突出量Evが目標突出量Evtになるよう、垂直フィン装置20が制御される。
ステップ50においては、横風の相対風速Vw、相対風向αw及び垂直フィンプレート32の突出量Evに基づいて、垂直フィン装置20が作動されているときの横風に起因するヨーモーメントMwa及び横力Fyaが演算される。ヨーモーメントMwa及び横力Fyaは、それぞれ車両を左旋回させる方向及び車両の前進方向に対し左方が正である。これらの演算においては、風洞実験などにより予め求められた値に基づくマップが使用されてよい。更に、下記の式(20)に従って、空力中心距離Lwが演算される。よって、このステップは「空力中心位置推定手段」としての機能を果たす。
Lw=Mwa/Fya …(20)
なお、垂直フィン装置20が作動されているときの横風に起因する横力Fyaは、相対風向αw及び垂直フィンプレート32の突出量Evにより定まる横力係数をCyとして、下記の式(21)に従って演算されてもよい。
Figure 2016030465
ステップ60においては、水平フィンプレート28の現在の傾斜角θhr及び車速Vに基づいて前輪のリフト係数CLfが推定される。そして、前輪のコーナリングパワーK及び前輪のリフト係数CLfに基づいて、上記式(7)を変形することにより得られる下記の式(22)に従って、前輪の等価コーナリングパワーCpfが演算される。更に、空力中心比Lw/L、前輪の等価コーナリングパワーCpf及び車速Vに基づいて、図8のマップから、ヨーレートγを低減するために後輪のコーナリングパワーKを増大させるべきか減少させるべきかが判定される。よって、このステップは「増減判定手段」としての機能を果たす。
Figure 2016030465
また、ステップ60においては、水平フィンプレート28の目標傾斜角θhrtを演算するための係数Kpnが、後輪のコーナリングパワーKを増大させるべきときにはKpn0に設定され、コーナリングパワーKを増大させるべきではないときには−Kpn0に設定される。なお、Kpn0は、車両の外乱に対する感応、車両の操縦安定性などに応じて1以下の正の定数に設定される。
ステップ70においては、ステップ30において演算された車両のスリップ角βを使用して、下記の式(23)に従って後輪のスリップ角βrが演算される。なお、後輪のスリップ角βrもスリップ角センサにより検出されてもよい。
Figure 2016030465
また、ステップ70においては、6分力計42rl及び42rrにより検出された左右後輪の横力Ftyrl及びFtyrrの平均値Ftyrに基づいて後輪のコーナリングフォースFcrが演算される。更に、コーナリングフォースFcrがスリップ角βrにて除算された値として後輪のコーナリングパワーKが演算される。
ステップ80においては、横風に起因するヨーモーメントMwaに対抗する制御ヨーモーメントMwareを発生させるために必要な後輪のコーナリングフォースFcrの目標変化量ΔFcrtが、下記の式(24)に従って演算される。なお、下記の式(24)におけるMreは正の定数である。
ΔFcrt=KpnMre/L …(24)
更に、後輪のコーナリングフォースFcrと目標変化量ΔFcrtとの和として後輪の目標コーナリングフォースFcrtが演算され、後輪の目標コーナリングパワーKrtが、下記の式(25)に従って演算される。
rt=Fcrt/βr …(25)
ステップ90においては、上記式(7)を変形することにより得られる下記の式(26)に従って、後輪の目標リフト係数CLrtが演算される。更に、後輪の目標リフト係数CLrtに基づいて、図9に示されたマップからリヤ水平フィン装置18の水平フィンプレート28の目標傾斜角θhrtが演算される。よって、ステップ70〜90は「目標制御量演算手段」としての機能を果たす。
Figure 2016030465
ステップ100においては、水平フィンプレート28の傾斜角θhrが目標傾斜角θhrtになるよう、リヤ水平フィン装置18が制御される。リヤ水平フィン装置18は、ダウンフォースFrdを発生し、これにより後輪14の接地荷重を制御する。ダウンフォースFrdは、mgCLrであり、目標傾斜角θhrtが正の値及び負の値である場合に、それぞれ正の値及び負の値になる。
以上の説明より解るように、ステップ20において横風が検出されたと判定されると、ステップ30〜60において、前輪の等価コーナリングパワーCpf及び空力中心距離Lwが演算される。そして、ステップ60において、図8のマップから、ヨーレートγを低減するためには後輪のコーナリングパワーKを増大させるべきか減少させるべきかが判定される。
そして、ステップ70及び80において、横風に起因するヨーモーメントMwaに対抗するヨーモーメントMwareを発生させるために必要な後輪の目標コーナリングパワーKrtが演算される。ステップ90及び100において、後輪のコーナリングパワーKrを目標コーナリングパワーKrtにするための水平フィンプレート28の目標傾斜角θhrtが演算され、傾斜角θhrが目標傾斜角θhrtになるよう、リヤ水平フィン装置18が制御される。
リヤ水平フィン装置18の制御により、図1に示されているように後輪14に作用するダウンフォースFrdが制御され、後輪14のスリップ角が一定であっても、後輪の横力、従ってコーナリングフォースFcrが変化する。
図20は、車両16の空力中心106に右斜め前方から横風102が作用することにより、車両の重心104の周りに反時計回り方向の横風に起因するヨーモーメントMwが作用し、重心104に横力Fywが作用している状況を示している。このことは、後述の図21乃至図23についても同様である。
後輪14に作用するダウンフォースFrdが制御されない場合には、前輪12は車両の右方向の横力Fyfを発生し、後輪14は車両の左方向の横力Fyrを発生する。Fyf−Fyrの2倍はほぼ横力Fywと大きさが同じで方向が逆である。しかし、横力Fyf及びFyrにより発生され重心104の周りに時計回り方向に作用するヨーモーメントMreの大きさは、横風に起因するヨーモーメントMwの大きさよりも小さい。そのため、車両16にはヨーモーメントMw及びMreの差に相当するヨーモーメントが作用し、車両16には左旋回方向のヨーレートが発生する。
これに対し、第一の実施形態によれば、ダウンフォースFrdが制御されることにより、実線の矢印にて示されているように、後輪14の横力Fyrが増大される。よって、横力Fyf及びFyrにより発生され重心104の周りに時計回り方向に作用するヨーモーメントMreの大きさが大きくなる。その結果、ヨーモーメントMw及びMreの差に相当するヨーモーメントの大きさが減少し、車両16の左旋回方向のヨーレートが減少する。
特に、第一の実施形態によれば、リヤ水平フィン装置18を制御することによって水平フィンプレート28の傾斜角θhrを制御すればよいので、車輪の舵角が制御される後述の第二及び第四の実施形態の場合に比して、消費エネルギーを低減することができる。
[第二の実施形態]
図3は、前輪用の舵角可変装置及び後輪操舵装置が搭載された車両に適用された本発明の第二の実施形態にかかる車両の走行制御装置10を示す概略構成図である。
図3において、走行制御装置10が搭載された車両16は、前輪用舵角可変装置52、後輪操舵装置54及びこれらを制御する電子制御装置30を有している。図3において、12FL及び12FRはそれぞれ車両16の左右の前輪を示し、14RL及び14RRはそれぞれ左右の後輪を示している。操舵輪である左右の前輪12FL及び12FRは、電動式パワーステアリング装置62によりラックバー64及びタイロッド66L、66Rを介して転舵され、パワーステアリング装置62は運転者によるステアリングホイール60の操作に応答して駆動される。
操舵入力装置であるステアリングホイール60は、アッパステアリングシャフト68、舵角可変装置52、ロアステアリングシャフト70、ユニバーサルジョイント72を介してパワーステアリング装置74のピニオンシャフト76に接続されている。舵角可変装置52はハウジング52A及びこれに対し回転する回転子52Bを有している。ハウジング52Aはアッパステアリングシャフト68の下端に連結され、回転子52Bは補助転舵駆動用の電動機78を含み、図には示されていない減速機構を介してロアステアリングシャフト70の上端に連結されている。
舵角可変装置52は、アッパステアリングシャフト68に対し相対的にロアステアリングシャフト70を回転駆動することにより、左右の前輪12FL及び12FRをステアリングホイール60に対し相対的に補助転舵駆動する。よって、舵角可変装置52は、ステアリングギヤ比(操舵伝達比の逆数)を増減変化させるステアリングギヤ比可変装置(VGRS)として機能する。また、舵角可変装置52は、運転者の操舵操作の有無に関係なく左右の前輪の舵角を変化させることにより、ステアリングホイール60の回転位置と前輪の舵角との関係を変更する前輪用舵角可変装置としても機能する。
左右の後輪14RL及び14RRは、左右の前輪12FL及び12FRの操舵とは独立に、後輪操舵装置54の電動式のパワーステアリング装置80によりタイロッド82L及び82Rを介して操舵される。よって、後輪操舵装置54は、運転者の操舵操作に依存せず左右の後輪の舵角δrを変化させる後輪用舵角可変装置として機能する。
図示の後輪操舵装置54は、周知の構成の電動式補助ステアリング装置であり、電動機54Aと、電動機54Aの回転をリレーロッド54Bの往復運動に変換する例えばねじ式の運動変換機構54Cとを有する。リレーロッド54Bはタイロッド82L、82R及び図には示されていないナックルアームと共働してリレーロッド54Bの往復運動により左右の後輪14RL及び14RRを転舵駆動する転舵機構を構成している。
図示の実施形態においては、電動式パワーステアリング装置62は、ラック同軸型の電動式パワーステアリング装置であり、電動機84と、電動機84の回転トルクをラックバー64の往復動方向の力に変換する例えばボールねじ式の変換機構86とを有している。電動式パワーステアリング装置62は、ハウジング88に対し相対的にラックバー64を駆動する補助操舵力を発生することにより、運転者の操舵負担を軽減するすると共に舵角可変装置52の作動を補助する操舵アシスト力発生装置として機能する。
なお、舵角可変装置52及び後輪操舵装置54は、運転者の操舵操作によらずそれぞれ前輪及び後輪の舵角を変化させることができる限り、任意の構成のものであってよい。また、操舵アシスト力発生装置も補助操舵力を発生することができる限り任意の構成のものであってよい。更に、操舵入力装置はステアリングホイール60であるが、操舵入力装置はジョイスティック型の操舵レバーであってもよい。
各車輪の制動力は、制動装置90の油圧回路92によりホイールシリンダ94FL、94FR、94RL、94RR内の圧力、即ち制動圧が制御されることによって制御される。図3には示されていないが、油圧回路92はオイルリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧は通常時には運転者によるブレーキペダル96の踏み込み操作に応じて駆動されるマスタシリンダ98により制御される。また、各ホイールシリンダの制動圧は必要に応じて油圧回路92が電子制御装置30によって制御されることにより個別に制御される。よって、制動装置90は運転者の制動操作とは無関係に各車輪の制動力を個別に制御可能である。
図示の実施形態においては、アッパステアリングシャフト68には、該アッパステアリングシャフトの回転角度を操舵角θとして検出する操舵角センサ40が設けられている。ピニオンシャフト76には、操舵トルクMTを検出する操舵トルクセンサ102が設けられている。舵角可変装置52には、その相対回転角度θre、即ちアッパステアリングシャフト68に対するロアステアリングシャフト70の相対回転角度を検出する回転角度センサ104が設けられている。操舵角センサ40、操舵トルクセンサ102、回転角度センサ104は、それぞれ車両の左旋回方向への操舵又は転舵の場合を正として操舵角θ、操舵トルクMT、相対回転角度θreを検出する。
操舵角θを示す信号、操舵トルクMTを示す信号、相対回転角度θreを示す信号は、車速センサ36により検出された車速Vを示す信号などと共に、電子制御装置30へ入力される。この実施形態においても、電子制御装置30には、6分力計42jから車輪の横力Ftyjを示す信号が入力され、状態量センサ44から車両の横加速度Gy、車両のヨーレートγなどの車両の状態量を示す信号が入力される。なお、ロアステアリングシャフト70の回転角度が検出され、相対回転角度θreは、操舵角θとロアステアリングシャフト70の回転角度との差として求められてもよい。
以上の説明から解るように、後輪操舵装置54は、後輪の舵角を変化させ、これにより後述のように後輪のコーナリングパワーを等価的に変化させる「舵角可変装置」として機能する。また、後輪操舵装置54は、電子制御装置30と共働して、後輪のコーナリングパワーを等価的に変化させることによって後輪の横力を変化させる「車輪横力可変装置」を構成している。
この第二の実施形態においては、電子制御装置30は、車両が走行中に横風を受けているときには、図4に示されたフローチャートに従って、後輪操舵装置54によって左右の後輪14RL及び14RRの舵角δrを制御することにより、車両が受ける横風の影響を低減する。即ち、電子制御装置30は、後輪の舵角δrを制御することによって後輪のコーナリングフォースFcrを制御することにより、横風に起因するヨーモーメントMwに対抗するヨーモーントMreを増大させる。
図4に示されているように、ステップ10〜70は、第一の実施形態の場合と同様に実行され、第一の実施形態におけるステップ80〜100に代えて、ステップ110〜130が実行される。
なお、ステップ60においては、後輪のスリップ角βrは、式(23)ではなく、下記の式(27)に従って演算される。
Figure 2016030465
ステップ110においては、第一の実施形態におけるステップ80と同様に、横風に起因するヨーモーメントMwaに対抗するヨーモーメントMwareを発生させるために必要な後輪のコーナリングフォースFcrの目標変化量ΔFcrtが、上記式(23)に従って演算される。更に、後輪のコーナリングフォースFcrと目標変化量ΔFcrtとの和として後輪の目標コーナリングフォースFcrtが演算される。
ステップ120においては、後輪のコーナリングフォースFcrを、ステップ70において演算された値(Fcrp)から目標コーナリングフォースFcrtへ変化させるに必要な後輪の目標スリップ角βrtが、図10に示されたマップから演算される。更に、後輪の現在のスリップ角βrpを目標スリップ角βrtにするための後輪の目標舵角δrtが演算される。図10に示されたマップは、ステップ30において演算された前輪のコーナリングフォースFcf及び前輪のスリップ角βfに基づいて設定される。よって、ステップ70、110及び120は「目標制御量演算手段」としての機能を果たす。
なお、図10においては、後輪のコーナリングフォースFcrが増大される場合について図示されているが、後輪のコーナリングフォースFcrが低減される場合にも後輪の目標スリップ角βrtは同様の要領にて演算される。ただし、その場合には、目標スリップ角βrtは現在のスリップ角βrpよりも小さい値に演算される。
また、ステップ70において演算された後輪のコーナリングパワーをKrpとして、後輪のスリップ角の目標変化量Δβrtが下記の式(28)に従って演算され、後輪の目標スリップ角βrtが現在のスリップ角βrpと目標変化量Δβrtとの和として演算されてもよい。
Figure 2016030465
ステップ130においては、後輪14RL及び14RRの舵角δrが目標舵角δrtになるよう、後輪操舵装置54が制御される。
第二の実施形態によれば、ステップ10〜70は、第一の実施形態の場合と同様に実行され、ステップ110及び120において、後輪のコーナリングフォースFcrを目標コーナリングフォースFcrtへ変化させるに必要な後輪の目標スリップ角βrtが演算される。更に、後輪のスリップ角βrを目標スリップ角βrtにするための後輪の目標舵角δrtが演算される。よって、後輪の目標舵角δrtは、後輪のコーナリングパワーKrを等価的に目標コーナリングパワーKrtにするための舵角として演算される。
図21に示されているように、後輪の舵角δrが目標舵角δrtになるよう制御されない場合には、前輪12の横力Fyf及び後輪14の横力Fyrは、第一の実施形態において後輪14に作用するダウンフォースFrdが制御されない場合と同様になる。そのため、車両16にはヨーモーメントMw及びMreの差に相当するヨーモーメントが作用し、車両16には左旋回方向のヨーレートが発生する。
これに対し、第二の実施形態によれば、後輪の舵角δrが目標舵角δrtになるよう制御されることにより、実線の矢印にて示されているように、後輪14の横力Fyrが増大される。よって、横力Fyf及びFyrにより発生され重心104の周りに時計回り方向に作用するヨーモーメントMreの大きさが大きくなる。その結果、ヨーモーメントMw及びMreの差に相当するヨーモーメントの大きさが減少し、車両16の左旋回方向のヨーレートが減少する。従って、横風に起因する車両のヨー運動を低減し、車両の走行安定性を向上させることができる。
特に、第二の実施形態によれば、後輪操舵装置54を制御することによって後輪の舵角δrを制御すればよいので、舵角可変装置52が設けられていなくてもよい。よって、舵角可変装置52が制御される後述の第四の実施形態の場合に比して、本発明の走行制御装置が適用される車両を単純化することができる。
[第三の実施形態]
図5は、フロント水平フィン装置及び垂直フィン装置を備えた車両に適用された本発明の第三の実施形態にかかる車両の走行制御装置10を示す概略構成図である。
図5において、走行制御装置10は、車両16の前方部分に設けられたフロント水平フィン装置46と、車両16の後端部に設けられた垂直フィン装置20を有している。フロント水平フィン装置46は、上下方向の空力を制御することにより前輪12の接地荷重を制御し、垂直フィン装置20は。第一の実施形態と同様に、空力ヨーモーメントを制御する。
フロント水平フィン装置46は、車体22のフロントフェンダ22Fにより水平に延在する枢軸線48の周りに上下方向に枢動可能に支持された水平フィンプレート50を有している。水平フィンプレート50は、図5には示されていないアクチュエータが電子制御装置30によって制御されることにより、水平方向に対する傾斜角θhfが変化されるようになっている。なお、傾斜角θhfは、水平フィンプレート50が水平であるときに0であり、図5において二点鎖線にて示されているように、水平フィンプレート50の後縁部が前縁部に対し上方及び下方にある場合がそれぞ正の値及びが負の値である。
垂直フィン装置20は、車両の横方向に隔置され車体22に固定された一対の支柱24を有しているが、第一の実施形態における水平フィンプレート28は設けられていない。垂直フィン装置20は、第一の実施形態における垂直フィン装置20と同様に構成されており、各支柱24内には、垂直フィン装置20の垂直フィンプレート32が収容されている。この実施形態においても、垂直フィンプレート32の突出量Evは、図5には示されていないアクチュエータが電子制御装置30によって制御されることにより、多段階に変化されるようになっている。
第一の実施形態の場合と同様に、電子制御装置30には、横風の相対風速Vw及び相対風向αwを示す信号、車速Vを示す信号、操舵角θを示す信号、車輪の横力Ftyjを示す信号及び車両の状態量を示す信号が入力される。
電子制御装置30は、車両16が走行中に横風を受けているときには、図6に示されたフローチャートに従ってフロント水平フィン装置46及び垂直フィン装置20を制御することにより、車両が受ける横風の影響を低減する。特に、電子制御装置30は、フロント水平フィン装置46を制御することによって前輪のコーナリングフォースFcfを制御することにより、横風に起因するヨーモーメントMwに対抗するヨーモーントMreを増大させる。
以上の説明から解るように、フロント水平フィン装置46は、空力上下力によって前輪の接地荷重を変化させ、これにより後述のように前輪のコーナリングパワーを変化させる「空力上下力可変装置」として機能する。また、フロント水平フィン装置46は、電子制御装置30と共働して、前輪のコーナリングパワーを変化させることによって前輪の横力を変化させる「車輪横力可変装置」を構成している。
次に、図6示されたフローチャートを参照して第三の実施形態における走行制御ルーチンについて説明する。
ステップ210及び220は、それぞれ第一の実施形態のステップ10及び20と同様に実行され、ステップ230においては、第一の実施形態のステップ70の場合と同様の要領にて後輪のコーナリングパワーKが演算される。
ステップ240においては、第一の実施形態のステップ40の場合と同様の要領にて垂直フィン装置20が制御され、ステップ250においては、第一の実施形態のステップ50の場合と同様の要領にて空力中心距離Lwが演算される。
ステップ260においては、水平フィンプレート50の傾斜角θhf及び車速Vに基づいて後輪のリフト係数CLrが推定される。そして、後輪のコーナリングパワーKr及び後輪のリフト係数CLrに基づいて、上記式(7)を変形することにより得られる下記の式(29)に従って、後輪の等価コーナリングパワーCprが演算される。更に、空力中心比Lw/L、後輪の等価コーナリングパワーCpr及び車速Vに基づいて、図11に対応するマップから、ヨーレートγを低減するために前輪のコーナリングパワーKを増大させるべきか減少させるべきかが判定される。よって、このステップは「符号決定手段」としての機能を果たす。
Figure 2016030465
また、ステップ260においては、水平フィンプレート50の目標傾斜角θhftを演算するための係数Kpnが、前輪のコーナリングパワーKを増大させるべきときにはKpn0に設定され、コーナリングパワーKを増大させるべきではないときには−Kpn0に設定される。
ステップ270においては、第一の実施形態のステップ30の場合と同様の要領にて前輪のスリップ角βf及び前輪のコーナリングフォースFcfが演算される。更に、コーナリングフォースFcfがスリップ角βfにて除算された値として、前輪のコーナリングパワーKが演算される。
ステップ280においては、横風に起因するヨーモーメントMwaに対抗するヨーモーメントMwareを発生させるために必要な前輪のコーナリングフォースFcfの目標変化量ΔFcftが、下記の式(30)に従って演算される。
ΔFcft=KpnMre/L …(30)
更に、前輪のコーナリングフォースFcfと目標変化量ΔFcftとの和として前輪の目標コーナリングフォースFcftが演算され、後輪の目標コーナリングパワーKftが、下記の式(31)に従って演算される。
ft=Fcft/βf …(31)
ステップ290においては、上記式(7)を変形することにより得られる下記の式(32)に従って、前輪の目標リフト係数CLftが演算される。更に、前輪の目標リフト係数CLftに基づいて、図12に示されたマップからフロント水平フィン装置46の水平フィンプレート50の目標傾斜角θhftが演算される。よって、ステップ270〜290は「目標制御量演算手段」としての機能を果たす。
Figure 2016030465
ステップ300においては、水平フィンプレート50の傾斜角θhfが目標傾斜角θhftになるよう、フロント水平フィン装置46が制御される。フロント水平フィン装置46は、ダウンフォースFr fを発生し、これにより前輪12の接地荷重を制御する。ダウンフォースFrfは、mgCLfであり、目標傾斜角θhftが正の値及び負の値である場合に、それぞれ正の値及び負の値になる。
第三の実施形態においては、ステップ20において横風が検出されたと判定されると、ステップ230〜260において、後輪の等価コーナリングパワーCpr及び空力中心距離Lwが演算される。そして、ステップ260において、図11のマップから、ヨーレートγを低減するためには前輪のコーナリングパワーKfを増大させるべきか減少させるべきかが判定される。
そして、ステップ270及び280において、横風に起因するヨーモーメントMwaに対抗するヨーモーメントMwareを発生させるために必要な前輪の目標コーナリングパワーKftが演算される。ステップ290及び300において、前輪のコーナリングパワーKfを目標コーナリングパワーKftにするための水平フィンプレート50の目標傾斜角θhftが演算され、傾斜角θhfが目標傾斜角θhftになるよう、フロント水平フィン装置46が制御される。
フロント水平フィン装置46の制御により、図5に示されているように前輪12に作用するダウンフォースFfdが制御され、前輪12のスリップ角が一定であっても、前輪の横力、従ってコーナリングフォースFcfが変化する。
図22に示されているように、前輪12に作用するダウンフォースFfdが制御されない場合には、車両16にはヨーモーメントMw及びMreの差に相当するヨーモーメントが作用し、車両16には左旋回方向のヨーレートが発生する。
これに対し、第三の実施形態によれば、ダウンフォースFfdが制御されることにより、実線の矢印にて示されているように、前輪12の横力Fyfが増大される。よって、横力Fyf及びFyrにより発生され重心104の周りに時計回り方向に作用するヨーモーメントMreの大きさが大きくなる。その結果、ヨーモーメントMw及びMreの差に相当するヨーモーメントの大きさが減少し、車両16の左旋回方向のヨーレートが減少する。
特に、第三の実施形態によれば、フロント水平フィン装置46を制御することによって水平フィンプレート50の傾斜角θhfを制御すればよい。よって、上述の第一の実施形態の場合と同様に、車輪の舵角が制御される上述の第二の実施形態及び後述の第四の実施形態の場合に比して、消費エネルギーを低減することができる。
[第四の実施形態]
この実施形態は、図3に示された前輪用の舵角可変装置及び後輪操舵装置が搭載された車両に適用される。この実施形態の電子制御装置30は、車両が走行中に横風を受けているときには、図7に示されたフローチャートに従って、舵角可変装置52によって左右の前輪の舵角δfを制御することにより、横風に起因するヨーモーメントMwに対抗するヨーモーントMreを増大させる。
なお、この実施形態においては、舵角可変装置52は、前輪の舵角を変化させ、これにより後述のように前輪のコーナリングパワーを等価的に変化させる「舵角可変装置」として機能する。また、舵角可変装置52は、電子制御装置30と共働して、前輪のコーナリングパワーを等価的に変化させることによって前輪の横力を変化させる「車輪横力可変装置」を構成している。
図7に示されているように、ステップ210〜270は、第三の実施形態の場合と同様に実行され、第三の実施形態におけるステップ280〜300に代えて、ステップ310〜330が実行される。
ステップ310においては、第三の実施形態のステップ280と同様に、横風に起因するヨーモーメントMwaに対抗するヨーモーメントMwareを発生させるために必要な前輪のコーナリングフォースFcfの目標変化量ΔFcftが、上記式(30)に従って演算される。更に、前輪のコーナリングフォースFcfと目標変化量ΔFcftとの和として前輪の目標コーナリングフォースFcftが演算される。
ステップ320においては、前輪のコーナリングフォースFcfを、ステップ270において演算された値(Fcfp)から目標コーナリングフォースFcftへ変化させるに必要な前輪の目標スリップ角βftが、図13に示されたマップから演算される。更に、前輪のスリップ角βfを目標スリップ角βftにするための前輪の目標舵角δftが演算される。なお、図13に示されたマップは、ステップ270において演算された前輪のコーナリングフォースFcf及び前輪のスリップ角βfに基づいて設定される。よって、ステップ270、310及び320は「目標制御量演算手段」としての機能を果たす。
また、ステップ270において演算された前輪のコーナリングパワーをKfpとして、前輪のコーナリングフォースFcftが下記の式(33)に従って演算され、前輪の目標スリップ角βftが現在のスリップ角βfpと目標変化量Δβftとの和として演算されてもよい。
Figure 2016030465
ステップ230においては、前輪12RL及び12RRの舵角δfが目標舵角δftになるよう、舵角可変装置52が制御される。
第四の実施形態においては、ステップ210〜270は、第三の実施形態の場合と同様に実行され、ステップ310及び320において、前輪のコーナリングフォースFcfを目標コーナリングフォースFcftへ変化させるに必要な前輪の目標スリップ角βftが演算される。更に、前輪のスリップ角βfを目標スリップ角βftにするための前輪の目標舵角δftが演算される。よって、前輪の目標舵角δftは、前輪のコーナリングパワーKfを等価的に目標コーナリングパワーKftにするための舵角として演算される。
前述のように、前輪の舵角δfが目標舵角δftになるよう制御されない場合には、車両16にはヨーモーメントMw及びMreの差に相当するヨーモーメントが作用し、車両16には左旋回方向のヨーレートが発生する。
これに対し、第四の実施形態によれば、前輪の舵角δfが目標舵角δftになるよう制御されることにより、図23において実線の矢印にて示されているように、前輪12の横力Fyfが増大される。よって、横力Fyf及びFyrにより発生され重心104の周りに時計回り方向に作用するヨーモーメントMreの大きさが大きくなる。その結果、ヨーモーメントMw及びMreの差に相当するヨーモーメントの大きさが減少し、車両16の左旋回方向のヨーレートが減少する。従って、横風に起因する車両のヨー運動を低減し、車両の走行安定性を向上させることができる。
特に、第四の実施形態によれば、舵角可変装置52を制御することによって後輪の舵角δrを制御すればよいので、後輪操舵装置54が設けられていなくてもよい。また、舵角可変装置52による前輪の舵角の制御範囲は、後輪操舵装置54による後輪の舵角の制御範囲よりも広いので、後輪操舵装置54が制御される前述の第二の実施形態の場合に比して、車両の走行安定性を効果的に向上させることができる。
以上の説明から解るように、第一乃至第四の実施形態によれば、横風に起因するヨーモーメントMwに対抗するヨーモーントMreを増大させ、これにより横風に起因する車両のヨー運動を低減して車両の走行安定性を向上させることができる。
特に、第二及び第四の実施形態によれば、車輪の横力の制御は空力に依存せずに行われるので、車速に関係なく横風に起因するヨーモーメントMwに対抗するヨーモーントMreを確実に増大させることができる。
また、車輪の接地荷重の制御によってコーナリングフォースを制御する第一及び第三の実施形態においては、車両にヨーレートが発生していなければ、コーナリングフォースの制御を制御することができない。これに対し、第二及び第四の実施形態によれば、ヨーモーメントの制御は舵角の制御によるコーナリングフォースの制御によって行われる。よって、車両にヨーレートが発生していなくてもコーナリングフォースを制御してヨーモーメントを制御することができるので、第一及び第三の実施形態に比して、横風に起因する車両のヨーレートを効果的に低減して車両の走行安定性を効果的に向上させることができる。
以上においては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば、上述の各実施形態においては、コーナリングフォースの目標変化量ΔFcrt及びΔFcftの大きさは一定である。しかし、横風に起因するヨーモーメントに対抗するよう現在発生されているヨーモーメントMrepが推定され、横風に起因するヨーモーメントMwaに完全に対抗するに必要なヨーモーメントMwarepが演算され、上記式(24)などにおけるMreが、MwarepとMrepとの偏差に基づいて可変設定されるよう修正されてよい。
また、上述の各実施形態においては、横風に起因するヨーモーメントMwに対抗する制御ヨーモーントを発生させるために左右輪の制駆動力差によるベクタライジングは行われないようになっている。しかし、ヨーモーメントMwの大きさが大きいような場合に、ヨーモーメントMwの少なくとも一部に対抗するヨーモーントを発生させるために左右輪の制駆動力差によるベクタライジングが行われされるよう修正されてよい。
特に、上述の第二及び第四の実施形態においては、各車輪の制動力を個別に制御可能であるので、左右輪の制動力差によるベクタライジングを行うことができるが、その場合には車速に悪影響が及ばないよう、車両の駆動力も同時に制御されることが好ましい。また、ベクタライジングは、車速に悪影響が及ばないよう、左右駆動輪間の駆動力配分の制御による左右輪の駆動力差により行われてもよい。
また、上述の各実施形態においては、車両16は「空力ヨーモーメント付与装置」として機能する垂直フィン装置20を有しているが、本発明の走行制御装置は垂直フィン装置を備えていない車両に適用されてもよい。その場合にはステップ40及び240は省略され、ステップ50及び250においては垂直フィン装置の作動状況が考慮されることなく空力中心距離Lwが演算される。また、ヨーモーメントMwareは−Mwに設定される。
また、「空力ヨーモーメント付与装置」は、車両の重心から車両の前後方向に隔置された位置において車両の横方向へ空気を噴射することにより車両にヨーモーメントを付与するジェット噴流装置であってもよい。
また、上述の各実施形態においては、車輪の横力又はコーナリングフォースを制御するための装置は一つである。しかし、上述の複数の実施形態が組み合わされることにより、複数の装置により車輪の横力又はコーナリングフォースが制御されるよう修正されてもよい。その場合には、ヨーモーメントMwarが複数の実施形態に振り分けられる。
例えば、第一の実施形態と第二又は第四の実施形態との組合せ、第二の実施形態と第二又は第四の実施形態との組合せ、第一の実施形態と第三の実施形態との組合せ、第二の実施形態と第四の実施形態との組合せの何れかにより、走行制御が行われてよい。
また、上述の各実施形態においては、サスペンションの制御は行われない。しかし、アクティブスタビライザ、アクティブサスペンションなどによる前後輪のロール剛性の制御、サスペンションのジオメトリの制御などによって、車輪の等価コーナリングパワーの制御も行われるよう修正されてもよい。
10…走行制御装置、12…前輪、14…後輪、16…車両、18…リヤ水平フィン装置、20…垂直フィン装置、28…水平フィンプレート、30…電子制御装置、32…垂直フィンプレート、36…横風検出装置、38…車速センサ、40…操舵角センサ、42j…6分力計、44…状態量センサ、46…フロント水平フィン装置、50…水平フィンプレート、52…舵角可変装置、54…後輪操舵装置54、90…制動装置

Claims (9)

  1. 車輪の横力を変化させる車輪横力可変装置を備えた車両の走行制御装置において、
    車両に作用する横風についての情報を取得する手段と、
    横風についての情報に基づいて、車両の重心と空力中心との間の距離である空力中心距離を推定する空力中心距離推定手段と、
    車両のホイールベースに対する空力中心距離の比である空力中心比を演算し、横風に起因する車両のヨーモーメントに対抗する制御ヨーモーメントを車輪の横力の制御によって発生させるために、車輪の横力を増大させるべきであるか減少させるべきであるかの増減判定を、前記空力中心比に基づいて行う増減判定手段と、
    車輪の横力が前記増減判定の結果に応じて所定量変化するよう前記車輪横力可変装置を制御する手段と、
    を有することを特徴とする車両の走行制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の走行制御装置において、前記増減判定手段は、前輪及び後輪の一方のコーナリングパワーを演算し、前記一方の車輪のコーナリングパワーに基づいて前記一方の車輪の等価コーナリングパワーを演算し、前記空力中心比及び前記一方の車輪の等価コーナリングパワーに基づいて、前輪及び後輪の他方について前記増減判定を行うことを特徴とする車両の走行制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両の走行制御装置において、前記増減判定手段は、前記空力中心比、前記一方の車輪の等価コーナリングパワー及び車速に基づいて、前輪及び後輪の他方について前記増減判定を行うことを特徴とする車両の走行制御装置。
  4. 請求項1に記載の車両の走行制御装置において、前記横風についての情報を取得する手段は、横風の対気速度及び偏揺角の情報を取得し、前記空力中心距離推定手段は、横風の対気速度及び偏揺角に基づいて空力中心距離を推定することを特徴とする車両の走行制御装置。
  5. 請求項1に記載の車両の走行制御装置において、車両は、横風に起因する車両のヨーモーメントを低減する空力ヨーモーメント付与装置であって、作動状況によってヨーモーメント低減効果が異なる空力ヨーモーメント付与装置を有し、前記横風についての情報を取得する手段は、横風の対気速度及び偏揺角の情報を取得し、前記空力中心距離推定手段は、横風の対気速度、横風の偏揺角及び前記空力ヨーモーメント付与装置の作動状況に基づいて空力中心距離を推定することを特徴とする車両の走行制御装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか一つに記載の車両の走行制御装置において、前記車輪横力可変装置は、空力上下力によって車輪の接地荷重を変化させることにより車輪のコーナリングパワーを変化させる空力上下力可変装置を含んでいることを特徴とする車両の走行制御装置。
  7. 請求項1乃至5の何れか一つに記載の車両の走行制御装置において、前記車輪横力可変装置は、車輪の舵角を変化させることにより車輪のコーナリングパワーを等価的に変化させる舵角可変装置を含んでいることを特徴とする車両の走行制御装置。
  8. 請求項5乃至7の何れか一つに記載の車両の走行制御装置において、前記空力ヨーモーメント付与装置は、横風を利用して車両に空力ヨーモーメントを付与する垂直フィン装置及び車両の横方向へ空気を噴射することにより車両にヨーモーメントを付与するジェット噴流装置の何れかであることを特徴とする車両の走行制御装置。
  9. 請求項1乃至8の何れか一つに記載の車両の走行制御装置において、空力中心距離ことを特徴とする車両の走行制御装置。

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