JP2007269248A - 車両用エアクリーナ - Google Patents

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【課題】ばね下重量の増加を防止するとともに、車体のコンパクト化を図る。
【解決手段】前輪18を枢支するヘッドパイプ16から車体後方へ左右一対のメインフレーム21,22(手前側の符号21のみ示す。)を延ばし、これらのメインフレーム21,22にエンジン12及びスイングアーム13を取付け、このスイングアーム13の後端に後輪14を取付けた車両10において、エンジン12を挟んで、左右一対のメインフレーム21,22側面にそれぞれ窓部36を設け、これらの窓部36にエアクリーナ35を配置した。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用エアクリーナの改良に関するものである。
従来の車両用エアクリーナとして、ユニットスイング式エンジンから後方に吸気管を延ばし、後輪の前部で左右に分岐させ、後輪の左右にエアクリーナを配置したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
国際公開第2003/106834号
特許文献1の図1〜図3には、エンジン3と後輪4とを備え、車体フレームに上下揺動自在に支持されたスイングユニット式エンジンとしての動力ユニット1が示されており、動力ユニット1の上部には、第1のエアクリーナボックス25と、第2のエアクリーナボックス26と、吸気ダクト27からなるエアクリーナ23が取付けられている。
上記特許文献1では、エアクリーナ23がばね下重量の増加の原因になる。
車体をコンパクトにしようとすると、エアクリーナ23の左右方向への張り出し寸法を大きく取れず、また、エアクリーナ23がスイングするために、上下方向の容量を大きく取れない。
本発明の目的は、ばね下重量の増加を防止するとともに、車体のコンパクト化を図ることにある。
請求項1に係る発明は、前輪を枢支するヘッドパイプから車体後方へ左右一対のメインフレームを延ばし、このメインフレームにエンジン及びスイングアームを取付け、このスイングアームの後端に後輪を取付けた車両において、エンジンを挟んで、左右一対のメインフレーム側面に開口を設け、この開口にエアクリーナを配置したことを特徴とする。
作用として、エアクリーナをメインフレームの開口に配置することで、エアクリーナがエンジン、スイングアームとともにスイングすることがなく、ばね下重量にならない。このように、エアクリーナがスイングしないため、特に、エアクリーナの上下の容量が制約を受けることがない。更に、開口に配置されたエアクリーナの車体フレームからの張り出しを小さくしつつエアクリーナの容量が確保しやすい。
請求項2に係る発明は、開口を側面視でエンジン上部に臨んで設けたことを特徴とする。
作用として、開口からエンジンまでの距離が短くなる。
請求項3に係る発明は、エンジンとエアクリーナとの間を結ぶ吸気通路にスロットルボディを配置するとともに、スロットルボディをエアクリーナと並べて配置したことを特徴とする。
作用として、スロットルボディ、エアクリーナ等の吸気管周りの部品の配置がコンパクトになる。
請求項4に係る発明は、エアクリーナをメインフレームの外側面よりも外側方に突出させたことを特徴とする。
作用として、エアクリーナの車幅方向の容量が大きくなる。
請求項1に係る発明では、エンジンを挟んで、左右一対のメインフレーム側面に開口を設け、この開口にエアクリーナを配置したので、エアクリーナがエンジン、スイングアームと共にスイングすることがなく、ばね下荷重の増加を防止することができる。また、車体の省スペース化を図ることができ、車体をコンパクトにすることができる。
請求項2に係る発明では、開口を側面視でエンジン上部に臨んで設けたので、開口からエンジンまでの距離が短くなり、開口に配置されるエアクリーナから、例えば、エンジンまでの間の吸気通路を形成する管の管路長を短くできる。
請求項3に係る発明では、エンジンとエアクリーナとの間を結ぶ吸気通路にスロットルボディを配置するとともに、スロットルボディをエアクリーナと並べて配置したので、吸気通路周りをコンパクトに配置できる。
請求項4に係る発明では、エアクリーナをメインフレームの外側面よりも外側方に突出させたので、エアクリーナの容量を大きく取れる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るエアクリーナを採用した車両の側面図であり、車両10は、車体フレーム11の中央部にエンジン12を取付け、このエンジン12に上下スイング自在にスイングアーム13を取付け、このスイングアーム13の後端に後輪14を取付け、車体フレーム11の前端を構成するヘッドパイプ16に操舵自在にフロントフォーク17を取付け、このフロントフォーク17の下端に前輪18を取付けた型自動二輪車である。
車体フレーム11は、ヘッドパイプ16と、このヘッドパイプ16から車両後方斜め下方に延ばした左右一対の鋳造製のメインフレーム21,22(手前側の符号21のみ示す。)と、これらのメインフレーム21,22の後部上部にそれぞれ取付けた左右一対のシートレール23,24(手前側の符号23のみ示す。)とからなる。
メインフレーム21,22は、アルミニウム合金鋳造製の部材で、砂型鋳造又はダイキャスト等種々の方法が適用可能であり、ヘッドパイプ16に二股状のアーム部26,27で取付け、それぞれに、上面に運転者が跨ぎやすいように凹部28を形成し、燃料タンク31支持用のタンク支持部材32を取付ける前部支持部33及び後部支持部34と、エアクリーナ35を配置する窓部36とを設け、一方(左側のメインフレーム21)にサイドスタンドを取付けるスタンド取付部37を設けたものである。上記タンク支持部材32は、車体フレーム11の一部を構成するものである。
エンジン12は、前傾したシリンダ部41を備え、このシリンダ部41に設けたシリンダヘッド42に吸気装置43及び排気装置44を取付けたものである。
吸気装置43の構成については後で詳述する。
排気装置44は、シリンダヘッド41の下面側に一端を取付けた排気管46と、この排気管46の他端に取付けたマフラ47とからなる。
スイングアーム13は、エンジン12側のクランクケース51にピボット軸52を介してスイング自在に取付けた左アーム53及び右アーム54とからなり、左アーム53及び右アーム54のそれぞれの後端に後輪14を取付ける。
左アーム53は、無段変速機を内蔵し、右アーム54はアルミニウム合金鋳造製のバー状のものである。
上記したスイングアーム13のピボット軸52は、エンジン12のクランク軸56と同軸に設けたものであり、このような構造とすることで、エンジンと無段変速機とを一体的に設けたスイング式パワーユニットに比べて、後輪14側のばね下重量を軽減することができる。
また、クランク軸56の慣性力と、後輪14からスイングアーム13を介してピボット軸52に至る外力とが同一位置からエンジン12を介してメインフレーム21,22に入力するため、メインフレーム21,22の補強部分が、エンジン12のメインフレーム21,22への取付部だけで済み、メインフレーム21,22を補強する補強材が少なくなって、メインフレーム21,22の軽量化を図ることができる。
メインフレーム21,22は、左アーム53にリヤクッションユニット61で連結したものであり、このリヤクッションユニット61の車両後方に収納ボックス62を配置し、エアクリーナ35及び収納ボックス62の上方にタンデムシート63を配置した。
タンデムシート63は、運転者用シート65と同乗者用シート66とからなる。
ここで、71はフロントカウル、72はウインドスクリーン、73はバーハンドル、74は収納ボックス62内に収納したフルフェイス型ヘルメット、76はリヤカバー、77はリヤフェンダである。
図2は本発明に係る車体フレーム、エンジン、リヤクッションユニット及びスイングアームを示す側面図(図中の矢印(FRONT)は車両前方を表す。以下同じ。)であり、メインフレーム21,22(手前側の符号21のみ示す。)は、エンジン12を支持する3つの支持部である下部第1支持部21a,22a(手前側の符号21aのみ示す。)、下部第2支持部21b、22b(手前側の符号21bのみ示す。)及び上部支持部21c,22c(手前側の符号21cのみ示す。)を備え、下部第1支持部21a,22a、下部第2支持部21b、22b及び上部支持部21c,22cにそれぞれボルト81,82,83でエンジン12を取付ける。
メインフレーム21,22は鋳造製であるから、パイプフレームのような溶接箇所が無いため、生産性を向上させることができ、形状も型で自由に設定することができる。
ヘッドパイプ16とクランク軸56とを結ぶ線分であると同時にヘッドパイプ16とピボット軸52とを結ぶ線分、即ち、ヘッドパイプ16の軸線85に直交し且つヘッドパイプ16(詳しくは、軸線85上の点85a)からクランク軸56の軸線86(軸線86を点で示す。この86はピボット軸52の軸線でもある。)に至る線分87は、エンジン12のシリンダ軸88にほぼ沿って延びる。言い換えれば、メインフレーム21,22はほぼシリンダ軸88に沿って延び、側面視で線分87上にメインフレーム21,22を配置した。
クランク軸56が回転すると、クランク軸56及びクランク軸56と共に回転する部品からなる回転体のジャイロ作用(軸が常に一定の方向を示すこと、あるいは、クランク軸56に直交する軸(ここでは鉛直軸)回りに外部から回転力が作用したときにその軸とクランク軸56との両軸に直交する軸(ここでは線分87に相当する。)回りにジャイロモーメントが発生する。
車両旋回時には前輪18(図1参照)を操舵すると、前輪18からフロントフォークを介してヘッドパイプ16に捩り力が作用するから、ジャイロ作用によってクランク軸56側が静止した状態では、クランク軸56側に対してヘッドパイプ16側が捩られる。
また、車体を旋回させると、回転しているクランク軸56に直交する鉛直軸に回転力が作用することになり、ジャイロモーメントが線分87回りに発生するため、ヘッドパイプ16側に対してクランク軸56側が捩られる。
以上の結果として、メインフレーム21,22が捩られることになるが、メインフレーム21,22は線分87上に配置されるため、メインフレーム21,22は捩られにくい。
例えば、メインフレームの中央部が線分87上になくオフセットしている場合には、そのメインフレームの全長が大きくなり、メインフレームの捩れが大きくなりやすい。また、上記メインフレームの捩れ剛性を大きくすれば、メインフレームの重量増を招くことになる。
また、メインフレーム21,22は捩られにくいから、メインフレーム21,22の肉厚を薄くすることができ、メインフレーム21,22の軽量化を図ることも可能である。
更に、メインフレーム21,22はほぼシリンダ軸88に沿って延び、メインフレーム21,22とシリンダ部41とが側面視で重なるため、メインフレーム21,22及びエンジンの線分87回りの慣性モーメントを小さくすることができ、メインフレーム21,22の捩れを更に小さくすることができる。
リヤクッションユニット61は、上端部61aをメインフレーム21,22、詳しくは、メインフレーム21,22間に渡したクロスメンバ(不図示)に取付け、下端部61bを左アーム53の内側面で且つ側面視でクランク軸56(詳しくは、軸線86)と後輪14の車軸91(詳しくは、車軸91の軸線92)とを結ぶ線分93上に設けた下部クッション取付部(不図示)に取付けた部品である。
左アーム53内には、Vベルト式無段変速機及び減速機構が内蔵され、クランク軸56と同軸に配置された入力プーリと後輪14寄りに配置された出力プーリとの間で変速が行われ、出力プーリに同軸に配置される遠心クラッチによって減速機構へと動力が伝達され減速された後、後輪14へと出力が伝えられる。
このように、リヤクッションユニット61の下端をクランク軸56と後輪14の車軸91とを結ぶ線分93上に配置することで、クランク軸56と後輪14の車軸91との間、詳しくは、エンジン12と後輪14との間のスペースを有効に利用することができる。
図3は本発明に係るメインフレーム、スイングアーム及びリヤクッションユニットを示す背面図であり、左右一対のメインフレーム21,22は、後部に内側に突出する内方突出部96,97をそれぞれ備え、これらの内方突出部96,97にクロスメンバ98を渡して取付けた部材である。
クロスメンバ98は、車幅中心線101より左方にオフセットさせて上部クッション取付部102(左右の突出部102a,102bからなる。)を設けた部材であり、リヤクッションユニット61は、上部クッション取付部102に上端部61aをボルト103及びナット104で取付け、スイングアーム13の左アーム53に設けた下部クッション取付部106に下端部61bをボルト107で取付けたものである。
このように、リヤクッションユニット61を、車幅中心線101に対して左側方にオフセット量Dだけオフセットさせて配置することで、車幅中央のスペースを有効に利用することができる。
また、リヤクッションユニット61を、スイングアーム13の左アーム53に対して車幅方向中心側に配置したことで、リヤクッションユニット61のマスをエンジン12(図2参照)等のマスと共に車幅方向中心側に集中させることができる。
図4は本発明に係るエンジン及び吸気装置を示す要部側面図であり、吸気装置43は、シリンダヘッド42の上面に取付けた左右一対の吸気管111,112(手前側の符号111のみ示す。)と、これらの吸気管111,112の後端に接続した左右一対のスロットルボディ113,114(手前側の符号113のみ示す。)と、これらのスロットルボディ113,114の後端に接続した吸気ボックス116と、この吸気ボックス116の左右側面にそれぞれ接続した左右一対のコネクティングチューブ117,118(手前側の符号117のみ示す。)と、これらのコネクティングチューブ117,118の先端に接続したエアクリーナ35(エアクリーナ35は二点鎖線で示した左右一対のエアクリーナ35A,35Bで構成される。)とからなり、運転者用シート65(図1参照)の下方に配置したものである。なお、121,121(手前側の符号121のみ示す。)は吸気管111,112に取付けた燃料噴射弁である。
上記した吸気管111,112、スロットルボディ113,114、吸気ボックス116及びコネクティングチューブ117,118は、吸気装置43の吸気通路123を構成する部品である。
図に示したように、吸気通路123を、エアクリーナ35A,35Bと側面視で重なる位置に設けたことで、吸気通路123を短くすることができ、吸気抵抗を減らすことができる。
図5は本発明に係る吸気装置を示す側面図であり、エアクリーナ35Aの一部を破断して内部を示したものである。
エアクリーナ35Aは、内側の前部下部に、外部から内部に空気を導入する吸気ダクト125を配置し、この吸気ダクト125の下端に外部に臨む吸気口126を設け、また、内側の中央よりほぼ後方寄りにエアクリーナエレメント127を配置し、このエアクリーナエレメント127の後面にコネクティングチューブ117を接続したものである。エアクリーナ35B(不図示)は、エアクリーナ35Aと基本構造は同一であり、説明は省略する。
吸気ボックス116は、左右のコネクティングチューブ117,118(手前側の符号117のみ示す。)に接続した本体部116Aと、この本体部116Aの開口部を塞ぐカバー部116Bとからなる。
図6は図5の6−6線断面図であり、エアクリーナ35Aは、エアクリーナケース131と、このエアクリーナケース131内に配置したエアクリーナエレメント127とからなり、エアクリーナケース131は、ケース本体133と、このケース本体133の開口を塞ぐケースカバー134とからなる。
ケース本体133,133は、メインフレーム21,22の窓部36,36にそれぞれ挿入した部品であり、コネクティングチューブ117,118を接続するために、後部に凹部136,136と、これらの凹部136,136の底に開けた接続穴137,137とを備える。
ケース本体133,133の幅は、メインフレーム21,22のそれぞれの幅にほぼ等しく、ケース本体133,133の大部分を窓部36,36内に配置することができる。なお、138はケース本体133の底面側から突出する本体側突出部である。
このように窓部36,36にエアクリーナ35A,35Bを配置することで、メインフレーム21,22の車幅方向のスペースをエアクリーナ35A,35Bの配置に有効利用することができる。
ケースカバー134は、吸気ダクト125を取付けた部品であり、その外形を窓部36よりも大きくし、メインフレーム21,22のそれぞれの外面21A,22Aよりも外側方に配置したものである。
このように、エアクリーナ35A,35Bのそれぞれのケースカバー134,134をメインフレーム21,22の外面21A,22Aよりも外側方に突出させることで、エアクリーナ35A,35Bの容積を大きくすることができ、必要な容量を確保しやすくすることができる。
141はケースカバー134から突出させたカバー側突出部であり、このカバー側突出部141と本体側突出部138とをビス143で締結することで、ケース本体133にケースカバー134を取付けるとともに、エアクリーナエレメント127に設けたステー145を共締めする。なお、146は本体側突出部138に取付けたナットであり、ビス143にねじ結合される。
エアクリーナエレメント127は、一端に筒状の接続部147を備え、接続部147,147にコネクティングチューブ117,118の端部をそれぞれ被せて接続した部品である。
吸気ボックス116は、左側面116L及び右側面116Rにそれぞれ筒状の接続部151,152を一体に備え、これらの接続部151,152にコネクティングチューブ117,118の端部を接続するとともにバンド153,154で締め付けた容器であり、前壁156に、一端を次第に拡径した排出管157,158を取付けたものである。
スロットルボディ113,114は、同一構造であり、それぞれ、ボディ部161と、このボディ部161に開けた空気通路162と、この空気通路162を開閉するスロットルバルブ163と、このスロットルバルブ163を回転させるためにボディ部161に回転自在に取付けたスロットル軸164とを備える。
空気通路162,162は吸気ボックス116の排出管157,158に連通する部分である。
スロットル軸164は、スロットルボディ113,114の両方のスロットルバルブ163にそれぞれビス166,166で取付ける。
吸気管111,112は、同一構造であり、それぞれ、上記空気通路162に連通するように一端をスロットルボディ113,114に管状ジョイント部材171を介して接続し、他端に設けたフランジ172をシリンダヘッド42に2本のビス173,173で取付けた部品である。
図に示したように、シリンダ部41の両側方に且つ運転者用シート65の下方両側方にエアクリーナ35A,35Bを配置し、これらのエアクリーナ35A,35Bの間に吸気ボックス116、スロットルボディ113,114、吸気管111,112を配置することで、吸気装置43をコンパクトに構成することができ、車両の小型化や車体のスペースの有効利用を図ることができる。また、シリンダヘッド42とエアクリーナ35A,35Bとを接続する吸気通路123の全長を短くすることができ、吸気抵抗を減らすことができる。
以上の図1、図4〜図6に示したように、本発明は、前輪18を枢支するヘッドパイプ16から車体後方へ左右一対のメインフレーム21,22を延ばし、これらのメインフレーム21,22にエンジン12及びスイングアーム13を取付け、このスイングアーム13の後端に後輪14を取付けた車両10において、エンジン12を挟んで、左右一対のメインフレーム21,22側面に窓部としての開口36を設け、この窓部36にエアクリーナ35A,35Bを配置したことを特徴とする。
これにより、エアクリーナ35A,35Bがエンジン12、スイングアーム13と共にスイングすることがなく、ばね下荷重の増加を防止することができる。また、車体の省スペース化を図ることができ、車体をコンパクトにすることができる。
また本発明は、窓部36を側面視でエンジン12上部に臨んで設けたことを特徴とする。
これにより、窓部36からエンジン12までの距離が短くなり、窓部36に配置されるエアクリーナ35A,35Bから、例えば、エンジン12までの間の吸気通路123を形成する管の管路長を短くできる。
更に本発明は、エンジン12とエアクリーナ35A,35Bとの間を結ぶ吸気通路123にスロットルボディ113,114を配置するとともに、スロットルボディ113,114をエアクリーナ35A,35Bと並べて配置したことを特徴とする。
これにより、吸気通路123周りをコンパクトに配置できる。
また更に本発明では、エアクリーナ35A,35Bをメインフレーム21,22の外側面21A,22Aよりも外側方に突出させたことを特徴とする。
これにより、エアクリーナ35A,35Bの容量を大きく取れる。
図7は本発明に係る車両後部の要部側面図(一部断面図)であり、収納ボックス62の前壁176をリヤクッションユニット61に沿った形状に形成し、リヤクッションユニット61と収納ボックス62とを近接させたことを示す。これにより、リヤクッションユニット61と収納ボックス62との距離を前後方向に縮めることによって、車体前後長を小さくすることができる。
また、リヤクッションユニット61の上端部61aは、メインフレーム21,22の後端部に取付けられ、且つタンデムシート63の運転者用シート65と同乗者用シート66との境の下方に配置されるため、後輪14からスイングアーム13(図2参照)及びリヤクッションユニット61を介してメインフレーム21,22に振動などの形で伝わる路面からの情報を運転者用シート65に着座した運転者が感知しやすくなり、路面状況をより確実に把握することができる。
収納ボックス62は、前壁176の断面と底壁178の断面とをほぼV字形状に形成した容器であり、フルフェイス型ヘルメット74の前部74a(透明なシールド部74bと、このシールド部74bより上方の上部74cと、シールド部74bより下方の下部74dからなる。)を前壁176に当て、底部74eを底壁178に当てて収納するのに都合が良い。収納ボックス62の前壁176は、シールド部74bの前面としてのシールド面に沿う。
図8は図7の8−8線断面図であり、収納ボックス62のリヤクッションユニット61に面する前壁176をリヤクッションユニット61の外形に沿って後退させるとともに、収納ボックス62内に収納したフルフェイス型ヘルメット74の幅方向中心軸180が、その前側が後側よりも右方に位置するように前後方向に延びる車体中心線182(前述の車幅中心線101(図3参照)に直交する線である。)に対して角度θだけ傾くようにフルフェイス型ヘルメット74を収納するために、前壁176の右側を前方斜め右方に膨出させ、この膨出させた前壁176をフルフェイス型ヘルメット74のシールド部74b、上部74c及び下部74d(図7参照)に沿う形状に形成したことを示す。リヤクッションユニット61を避けてリヤクッションユニット61近傍に収納ボックス62を配置することができ、これにより、小型の収納ボックス62に大きなフルフェイス型ヘルメット74を効率良く収納することができる。
シールド面を車体後方へ向けて更に角度θだけ傾けてもよい。
図9は本発明に係る燃料タンク支持構造を示す要部側面図であり、タンク支持部材32は、メインフレーム21,22(図2参照)側から側面視くの字形状に下方斜め後方に延ばした左右一対の第1アンダーフレーム191,192(手前側の符号191のみ示す。)と、燃料タンク31の下方を通って左右の第1アンダーフレーム191,192のそれぞれの下部に取付けた側面視J字形状の第2アンダーフレーム193とからなり、燃料タンク31のフランジ部31aの下部を第2アンダーフレーム193の背面にボルト195,195(手前側の符号195のみ示す。)で取付けた部材である。なお、193a,193a(手前側の符号193aのみ示す。)はボルト195,195をねじ込むために第2アンダーフレーム193の背面に形成しためねじである。
燃料タンク31は、そのフランジ部31aの上部をメインフレーム21,22に左右に渡したクロス部材197にボルト198で取付けたものである。なお、191A,192A(手前側の符号191Aのみ示す。)はメインフレーム21,22の前部支持部33(図1参照)に取付けるために第1アンダーフレーム191,192の一端に設けたフレーム前部取付部、191B,192B(手前側の符号191Bのみ示す。)はメインフレーム21,22の後部支持部34(図1参照)に取付けるために第1アンダーフレーム191,192の他端に設けたフレーム後部取付部、194は燃料タンク31に内蔵した燃料ポンプ、196は注油口を塞ぐフィラーキャップ、複数の199はフレーム前部取付部191A,192A及びフレーム後部取付部191B,192Bをメインフレーム21,22に取付けるボルトを通すボルト挿通穴である。
また、タンク支持部材32は、運転者が足を載せる左右一対のステップ201,202(手前側の符号201のみ示す。)を支持した部材でもある。
ステップ201は、足載せ板204と、この足載せ板204の内縁から立ち上げた側板205とからなり、側板205の後部を第1アンダーフレーム191の後部側面に2本のビス206,206で取付け、側板205の中央部を第2アンダーフレーム193の側面にビス207で取付け、足載せ板204を後で詳述する第2アンダーフレーム193のフロントフレーム211及びステップ取付フレーム212にそれぞれビス208,208で取付けた部品である。
図10は本発明に係る燃料タンク支持構造を示す要部平面図であり、燃料タンク31の左右に第1アンダーフレーム191,192を配置し、これらの第1アンダーフレーム191,192の下部に第2アンダーフレーム193を取付け、これらの第1アンダーフレーム191,192及び第2アンダーフレーム193に左右一対のステップ201,202を取付けたことを示す。
第2アンダーフレーム93は、燃料タンク31の両側方に配置した左右一対のサイドフレーム215,216と、燃料タンク31の下方に配置するとともに左右のサイドフレーム215,216を連結するロアフレーム217とを一体成形し、燃料タンク31の前方に配置するとともに左右のサイドフレーム215,216の各端部にフロントフレーム211を渡して取付け、左右のサイドフレーム215,216からそれぞれ側方へステップ取付フレーム212,212を延ばした部材である。
ステップ202は、足載せ板224と、この足載せ板224の内縁から立ち上げた側板225とからなり、側板225の後部を第1アンダーフレーム192の後部側面に2本のビス206,206で取付け、側板225の中央部を第2アンダーフレーム193の側面にビス207で取付け、足載せ板224を第2アンダーフレーム193のフロントフレーム211及びステップ取付フレーム212にそれぞれビス208,208で取付けた部品である。
ステップ201,202の足載せ板204,224は、それぞれを前後に前部ステップ231と後部ステップ232とに分割したものであり、前部ステップ231の後端をフロントフレーム211に一体に備える左延長部211a及び右延長部211bに取付け、後部ステップ232の中間部をステップ取付フレーム212,212に取付けたものである。
図1、図9及び図10において、メインフレーム21,22に燃料タンク31を取付けるには、まず、第1アンダーフレーム193のめねじ193a,193aにボルト195,195で燃料タンク31のフランジ部31aの下部を取付ける。
次に、第1アンダーフレーム191,192のフレーム前部取付部191A,192Aをメインフレーム21,22の前部支持部33に取付け、第1アンダーフレーム191,192のフレーム後部取付部191B,192Bをメインフレーム21,22の後部支持部34に取付け、燃料タンク31のフランジ部31aの上部をメインフレーム21,22のクロス部材197にボルト198で取付ける。
従来は、例えば、車体フレームの下部に、燃料タンクを取付けてから、燃料タンクの下方を覆うアンダフレームを取付ける。車体フレームの下部への組付けは、車体フレームの上部から組付ける作業に比べて組付けにくい。また、ステップを車体カバーに設けた場合には、車体カバーの大型化や、補強に伴う重量増加の原因となる。
本発明では、タンク支持部材32に燃料タンク31を組付けやすい状態で組付けておいてから、一つの部材としてメインフレーム21,22に取付けるので、メインフレーム21,22の下部であっても容易に組付けることができ、作業効率を向上させることができる。
更に、タンク支持部材32でステップ201,202を支持したので、ステップ201,202を支持するステー等が不要となり、車体カバーの小型化や軽量化ができる。
本発明のエアクリーナは、二輪車に好適である。
本発明に係るエアクリーナを採用した車両の側面図である。 本発明に係る車体フレーム、エンジン、リヤクッションユニット及びスイングアームを示す側面図である。 本発明に係るメインフレーム、スイングアーム及びリヤクッションユニットを示す背面図である。 本発明に係るエンジン及び吸気装置を示す要部側面図である。 本発明に係る吸気装置を示す側面図である。 図5の6−6線断面図である。 本発明に係る車両後部の要部側面図(一部断面図)である。 図7の8−8線断面図である。 本発明に係る燃料タンク支持構造を示す要部側面図である。 本発明に係る燃料タンク支持構造を示す要部平面図である。
符号の説明
10…車両、12…エンジン、13…スイングアーム、14…後輪、16…ヘッドパイプ、18…前輪、21,22…メインフレーム、21A,22A…外側面、35,35A,35B…エアクリーナ、36…開口(窓部)、113,114…スロットルボディ、123…吸気通路。

Claims (4)

  1. 前輪を枢支するヘッドパイプから車体後方へ左右一対のメインフレームを延ばし、このメインフレームにエンジン及びスイングアームを取付け、このスイングアームの後端に後輪を取付けた車両において、
    前記エンジンを挟んで、前記左右一対のメインフレーム側面に開口を設け、この開口にエアクリーナを配置したことを特徴とする車両用エアクリーナ。
  2. 前記開口を側面視でエンジン上部に臨んで設けたことを特徴とする請求項1記載の車両用エアクリーナ。
  3. 前記エンジンと前記エアクリーナとの間を結ぶ吸気通路にスロットルボディを配置するとともに、スロットルボディをエアクリーナと並べて配置したことを特徴とする請求項2記載の車両用エアクリーナ。
  4. 前記エアクリーナを前記メインフレームの外側面よりも外側方に突出させたことを特徴とする請求項1記載の車両用エアクリーナ。
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