JP2007269013A - 溶液製膜方法及び析出物の除去装置 - Google Patents

溶液製膜方法及び析出物の除去装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007269013A
JP2007269013A JP2007047027A JP2007047027A JP2007269013A JP 2007269013 A JP2007269013 A JP 2007269013A JP 2007047027 A JP2007047027 A JP 2007047027A JP 2007047027 A JP2007047027 A JP 2007047027A JP 2007269013 A JP2007269013 A JP 2007269013A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
carrier gas
carbon dioxide
support
casting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007047027A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4792412B2 (ja
Inventor
Kazumasa Yokoyama
和正 横山
Akira Takeda
亮 武田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2007047027A priority Critical patent/JP4792412B2/ja
Publication of JP2007269013A publication Critical patent/JP2007269013A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4792412B2 publication Critical patent/JP4792412B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

【課題】支持体表面に付着した析出物を、支持体から流延膜を剥ぎ取った直後に除去する溶液製膜方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ドラム洗浄機65はノズル66を有する。ドラム洗浄機65を、剥取ローラ34より流延ドラム32回転方向上流側に配置する。流延ダイ30を用いて、ドープ21を流延ドラム32の表面上に流延する。流延ドラム32が回転し、流延ドラム32の表面上に流延膜33を形成する。流延膜33は、流延ドラム32上で冷却される。流延膜33から脂肪酸エステルを主成分とする析出物が流延ドラム32の表面に析出する。剥取ローラ34は、流延膜33を湿潤フイルム38として剥ぎ取る。ドラム洗浄機65は、ノズル66から空気とドライアイス粒子とからなる混合気体を流延ドラム32の表面に噴射する。
【選択図】図2

Description

本発明は、溶液製膜方法及び析出物の除去装置に関する。
ポリマーフイルム(以下、フイルムと称する)は、優れた光透過性や柔軟性および軽量薄膜化が可能であるなどの特長から光学機能性フイルムとして多岐に利用されている。中でも、セルロースアシレートなどを用いたセルロースエステル系フイルムは、強靭性を有し、低複屈折率であることから、写真感光用フイルムをはじめとして、近年市場が拡大している液晶表示装置(LCD)の構成部材である偏光板の保護フイルムまたは光学補償フイルムなどの光学機能性フイルムに用いられている。
フイルムの主な製造方法としては、溶融押出方法と溶液製膜方法とがある。溶融押出方法とは、ポリマーをそのまま加熱溶解させた後、押出機で押し出してフイルムを製造する方法であり、生産性が高く、設備コストも比較的低額であるなどの特徴を有する。しかし、膜厚精度を調整することが難しく、また、フイルム上に細かいスジ(ダイライン)ができるために、光学機能性フイルムへ使用することができるような高品質のフイルムを製造することが困難である。一方、溶液製膜方法は、ポリマーと溶媒とを含んだポリマー溶液(ドープ)を支持体上に流延して形成した流延膜が自己支持性を有するものとなった後、これを支持体から剥がして湿潤フイルムとし、さらに、この湿潤フイルムを乾燥させてフイルムとする方法である。溶融押出方法と比べて、光学等方性や厚み均一性に優れるとともに、含有異物の少ないフイルムを得ることができるため、LCD用途などの光学機能性フイルムは、主に溶液製膜方法で製造されている。
この溶液製膜方法は、セルローストリアセテートなどのポリマーをジクロロメタンや酢酸メチルを主溶媒とする混合溶媒に溶解した高分子溶液(以下、ドープと称する)を調製する。更に、このドープに所定の添加剤を混合し、流延用のドープを調製する。このドープを流延ダイより吐出させて流延ビードを形成させ、キャスティングドラムやエンドレスバンドなどの支持体上に流延し流延膜を形成する(以下、流延工程と称する)。その流延膜が支持体上で乾燥又は冷却され、自己支持性を有するものとなった後に、支持体から膜(以下、この膜を湿潤フイルムと称する)として剥ぎ取り、この湿潤フイルムを乾燥させたものをフイルムとして巻き取る。
流延工程において、流延膜から脂肪酸、脂肪酸エステルや脂肪酸金属塩などを主成分とする化合物が支持体上表面に析出し、この析出物が支持体表面に付着する。この析出物が付着した支持体を用いてフイルムを製造すると、この析出物がフイルムの表面に転写される。このようなフイルム表面への析出物の転写は、光学特性のムラの原因となる。このため、溶液製膜方法では、定期的に支持体表面を洗浄する必要があった。
この支持体表面の洗浄方法として、有機溶液等を浸した不織布を用いて支持体表面を連続的に拭く方法(特許文献1)や、フイルム表面に溶媒処理、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、及び火炎処理などの処理を施し、フイルム表面の異物を除去する方法(特許文献2)が開示されている。
特開2003−1654号公報 特開2001−89590号公報
しかしながら、特許文献1のように、有機溶剤を浸した不織布で支持体表面を拭くウェット処理では、有機溶液の洗浄跡が支持体表面に残りやすい。この有機溶液が残留した支持体表面に流延膜を形成すると、流延膜の表面には有機溶液の残存に起因するスジ状のムラや凹凸が形成され、2次故障の原因となる。更に、洗浄中に不織布と支持体の間に硬い異物が混入し、支持体表面が損傷するなどの2次故障も懸念される。表面が損傷した支持体上にドープを流延すると、この傷がフイルムに転写され、フイルムの光学特性のムラの原因となる。
また、特許文献2のようなフイルム表面上の付着物の除去処理を行う場合には、フイルムの特性に影響を及さないような条件で除去処理を施すことが望ましいが、この条件を見出すことは容易ではない。また、この処理条件がフイルムを構成する材料及びその組成に依存するため、多品種のフイルム製造に対応可能なフイルム製造装置への適用は困難である。
更に、近年において、LCD(Liquid Crystal Display)などの薄型表示装置の需要の急速な増加に伴い、溶液製膜方法の製膜速度の高速化(例えば、50m/分以上)が強く望まれている。しかしながら、この高速製膜下において、上述の洗浄方法の洗浄力は十分なものといえないため、支持体表面の洗浄時或いは新たな支持体の交換のためには、ドープの流延速度を低下させる、或いは流延工程を一旦停止せざるを得ない。
また、溶液製膜方法で用いるドープには、引火性、発火性の高い化合物が含まれることが多いため、流延室内の雰囲気を窒素などに置換するなどして、防爆対策を講じている。したがって、支持体表面の洗浄或いは支持体の交換作業時には、流延室の雰囲気を大気に置換し、作業完了後には、流延室の雰囲気を窒素などに再度置換する必要が生じる。この溶液製膜方法に特有な要因が、製膜速度の高速化を極めて困難なものとしていた。
本発明は、上記問題を鑑み、支持体表面の損傷を回避しつつ、支持体表面に付着した析出物を除去し、大量生産に適する溶液製膜方法及び溶液製膜設備の析出物の除去装置を提供することを目的とする。
本発明は、エンドレスに走行する支持体上に、ポリマーと溶媒とを含むドープを流延し、前記支持体上に流延膜を形成した後に前記支持体から前記流延膜を剥ぎ取り乾燥させてフイルムを製造する溶液製膜方法において、前記流延膜の剥ぎ取り後で前記流延膜の形成前の前記支持体表面に対し、粒子が含まれる洗浄ガスを吹き付けることを特徴とする。
前記粒子が、ドライアイスであることが好ましい。前記ドライアイスの平均粒径が5μm以上20μm以下であることが好ましい。前記洗浄ガスを前記支持体表面に吹き付ける時間が、0.001秒以上5秒以下であることが好ましい。前記支持体表面に対して前記洗浄ガスを45°以上135°以下の角度で吹き付けることが好ましい。
前記洗浄ガスの吹き付けをノズルにより行い、前記ノズルにはキャリアガス及び液状の二酸化炭素が導入され、前記キャリアガスの流路に前記液状の二酸化炭素を送り、ドライアイス粒子を含む前記洗浄ガスをつくることが好ましい。
前記キャリアガスの体積流量をQ1(m3 /mm・分)、二酸化炭素の質量流量をQ2(kg/mm・分)とするときに、以下(式1)〜(式3)のいずれかを満たすことが好ましい。
(式1) 0.0075<Q1<0.025(m3 /mm・分)のときに、0.0025≦Q2≦0.025(kg/mm・分)
(式2) 0.025≦Q1<0.05(m3 /mm・分)のときに、0.0016≦Q2≦0.034(kg/mm・分)
(式3) 0.05≦Q1<0.1(m3 /mm・分)のときに、0.00083≦Q2≦0.042(kg/mm・分)
前記ノズルは、前記キャリアガスを導入するキャリアガス導入口と、前記液状の二酸化炭素を導入する二酸化炭素導入口と、前記洗浄ガスを噴出する洗浄ガス噴出口と、前記キャリアガス導入口及び前記洗浄ガス噴出口を連通させるキャリアガス流路と、前記二酸化炭素導入口及び前記キャリアガス流路を連通させる二酸化炭素流路と、前記二酸化炭素流路の出口を前記キャリアガス流路に有し、前記キャリアガスの流れ内に液状の二酸化炭素を送り、前記ドライアイスの粒子を形成する粒子形成部とを備えることが好ましい。
前記二酸化炭素流路の出口にオリフィスを有することが好ましい。前記粒子形成部の上流側又は下流側の前記キャリアガス流路に、前記キャリアガス流路の断面積よりも大きな断面積を有するキャリアガス整流用ポケットを有することが好ましい。
前記洗浄ガス噴出口と前記支持体表面との距離が0.1mm以上15mm以下であることが好ましい。前記洗浄ガスの噴射圧が、600kPa以上4000kPa以下であることが好ましい。
前記支持体が、キャスティングドラムであることが好ましい。前記支持体表面に析出する析出物が、脂肪酸、脂肪酸エステル、及び脂肪酸金属塩のいずれかを含むことが好ましい。前記ポリマーが、セルロースアシレートを含むことが好ましく、前記セルロースアシレートが、セルローストリアセテート、セルロースアセテート、プロピオネート又はセルロースアセテートブチレートのうち少なくとも1つを含むことが好ましい。
本発明は、エンドレスに走行する支持体上に、ポリマーと溶媒とを含むドープを流延し、前記支持体上に流延膜を形成した後に前記支持体から前記流延膜を剥ぎ取り乾燥させてフイルムを製造する溶液製膜設備の前記支持体への析出物の除去装置において、前記流延膜の剥ぎ取り後で前記流延膜の形成前の前記支持体表面に近接して設けられ、粒子が含まれる洗浄ガスを前記支持体表面に吹き付ける洗浄ノズルを備えることを特徴とする。
前記粒子がドライアイスであることが好ましい。前記ドライアイスの平均粒径が5μm以上20μm以下であることが好ましい。前記洗浄ガスを前記支持体表面に吹き付ける時間が、0.001秒以上5秒以下であることが好ましい。前記支持体表面に対して、前記洗浄ガスを45°以上135°以下の角度で吹き付けることが好ましい。
前記洗浄ノズルは、前記キャリアガスと前記液状の二酸化炭素が供給され、前記キャリアガスの流路に前記液状の二酸化炭素を送り、前記ドライアイスの粒子を含む前記洗浄ガスをつくることが好ましい。
前記キャリアガスの体積流量をQ1(m3 /mm・分)、二酸化炭素の質量流量をQ2(kg/mm・分)とするときに、以下(式4)〜(式6)のいずれかを満たすことが好ましい。
(式4) 0.0075<Q1<0.025(m3 /mm・分)のときに、0.0025≦Q2≦0.025(kg/mm・分)
(式5) 0.025≦Q1<0.05(m3 /mm・分)のときに、0.0016≦Q2≦0.034(kg/mm・分)
(式6) 0.05≦Q1<0.1(m3 /mm・分)のときに、0.00083≦Q2≦0.042(kg/mm・分)
前記洗浄ノズルは、前記キャリアガスを導入するキャリアガス導入口と、前記液状の二酸化炭素を導入する二酸化炭素導入口と、前記洗浄ガスを噴出する洗浄ガス噴出口と、前記キャリアガス導入口及び前記洗浄ガス噴出口を連通させるキャリアガス流路と、前記二酸化炭素導入口及び前記キャリアガス流路を連通させる二酸化炭素流路と、前記二酸化炭素流路の出口を前記キャリアガス流路に有し、前記キャリアガスの流れ内に前記液状の二酸化炭素を送り、前記ドライアイスの粒子を形成する粒子形成部とを備えることが好ましい。
前記二酸化炭素流路の出口にオリフィスを有することが好ましい。前記粒子形成部の上流側及び下流側の前記キャリアガス流路に、前記キャリアガス流路の断面積よりも大きな断面積を有するキャリアガス整流用ポケットを有することが好ましい。
前記洗浄ガス噴出口と前記支持面との距離が0.1mm以上15mm以下であることが好ましい。前記洗浄ガスの噴射圧が、600kPa以上4000kPa以下であることが好ましい。
前記洗浄ノズルは、前記支持体の幅方向に配される複数のノズルであることが好ましい。
前記支持体が、キャスティングドラムであることが好ましい。前記析出物が、脂肪酸、脂肪酸エステル、及び脂肪酸金属塩のいずれかを含むことが好ましい。前記ポリマーが、セルロースアシレートを含むことが好ましく、前記セルロースアシレートが、セルローストリアセテート、セルロースアセテート、プロピオネート又はセルロースアセテートブチレートのうち少なくとも1つを含むことが好ましい。
本発明の溶液製膜方法によれば、流延膜を剥ぎ取った後であり、流延膜の形成前の支持体表面に、粒子を含む洗浄ガスを吹き付けるため、支持面を傷つけることなく、支持面を洗浄することができる。更に、上記洗浄ガスを噴射するDry方式であるため、ウェット方式のような洗浄跡を残さないため、洗浄跡の転写に起因するフイルムの2次故障のおそれもない。また、フイルム製造中に、ドープの流延速度を低下させることなく、支持面の洗浄を行うことが可能になるため、フイルムの生産性が向上する。
粒子がドライアイスを含むため、支持体表面の損傷を回避しながら、支持体表面に付着した析出物を除去することが可能になる。
洗浄ガスの噴射圧が、600kPa以上4000kPa以下であり、より好ましくは1000kPa以上2500kPa以下であるため、ドライアイスとの衝突により、支持体表面に付着した析出物を取り除くことができる。また、この衝突によりドライアイスが支持体表面上で融解し、この融解した二酸化炭素に析出物が溶解し、更に、二酸化炭素とともに気化し、結果として、支持体表面から析出物を除去することも可能になる。また、ドライアイスの平均粒径が5μm以上20μm以下であるため、ドライアイスの衝突によって除去対象となる析出物の付着量や組成などに応じて、前述したCOの固体/液体/気体の洗浄効果を使い分けることが可能になる。
洗浄ガスの噴射方向と表面とがなす角度が好ましくは45°以上135°以下であり、より好ましくは70°以上110°以下、最も好ましくは、85°以上95°以下であるため、支持体表面の析出物の除去処理を効果的に実施することができる。また、洗浄ガスを噴射する噴射口と表面との距離が好ましくは0.1mm以上15mm以下であり、より好ましくは0.1mm以上2mm以下であるため、洗浄ガスの噴射による支持体の表面の損傷を回避すると同時に、支持体の表面の析出物の除去を行うことができる。更に、析出物除去に要する洗浄ガスの噴射時間が、好ましくは0.001秒以上5秒以下であり、より好ましくは、0.01秒以上5秒以下であるため、フイルム製造ラインの稼動中に表面の析出物除去を行うことが可能となり、結果として、フイルム製造の生産性を向上させることが可能になる。
以下に、本発明の実施態様について詳細に説明する。ただし、本発明はここに挙げる実施態様に限定されるものではない。
[溶液製膜方法]
図1に、本実施形態で用いるフイルム製造ライン10の概略図を示す。フイルム製造ライン10は、ストックタンク11と流延室12とピンテンタ13とクリップテンタ14と乾燥室15と冷却室16と巻取室17とを有する。
ストックタンク11には、モータ11aで回転する攪拌翼11bとジャケット11cとが備えられており、その内部にはフイルム20の原料となるドープ21が貯留されている。ストックタンク11は、常時、その外周面に設けられているジャケット11cにより、ドープ21の温度が略一定となるように調整されるとともに、攪拌翼11bが回転されているので、ポリマーなどの凝集を抑制しながら、ドープ21の均一な品質が保持されている。また、ストックタンク11の下流には、ギアポンプ25と濾過装置26とが備えられている。なお、ドープ21の調製方法に関しては、後で詳細に説明する。
流延室12には、ドープ21の流出口を有する流延ダイ30と、支持体であるキャスティングドラム(以下、流延ドラムと称する)32と、流延ドラム32から流延膜33を剥ぎ取る剥取ローラ34と、流延室12の内部温度を調整する温調設備35とが備えられている。また、減圧チャンバ36は、流延ダイ30と剥取ローラ34との間の流延ドラム32の周面32b近傍に配される。
流延ダイ30は、その下方に配置される流延ドラム32上にドープ21を流出する。流延ダイ30の材質は、電解質水溶液やジクロロメタンやメタノールなどの混合液に対する高い耐腐食性や低い熱膨張率などを有する素材から形成される。また、流延ダイ30の接液面の仕上げ精度は表面粗さで1μm以下、真直度はいずれの方向にも1μm/m以下のものを用いることが好ましい。こうして、流延ダイ30は、スジ及びムラのない流延膜33を流延ドラム32上に形成する。
円柱状、或いは円筒形状に形成される流延ドラム32は、駆動装置によりその軸32aを中心に回転する。流延ドラム32の周面32bは、クロムメッキ処理が施され、十分な耐腐食性と強度を有する。また、流延ドラム32の周面32bの温度を所望の温度に保つために、流延ドラム32に伝熱媒体循環装置37が取り付けられている。この伝熱媒体循環装置37にて所望の温度に保持されている伝熱媒体が、流延ドラム32内の伝熱媒体流路を通過することにより、流延ドラム32の周面32bの温度を所望の温度に保持できる。
流延ドラム32の幅は特に限定されるものではないが、ドープの流延幅の1.1倍〜2.0倍の範囲のものを用いることが好ましい。周面32bの表面粗さは0.01m以下となるように研磨したものを用いることが好ましい。周面32bの表面欠陥は最小限に抑制する必要がある。具体的には、30μm以上のピンホールが無く、10μm以上30μm未満のピンホールは1個/m2以下であり、10μm未満のピンホールは2個/m2以下であることが好ましい。流延ドラム32の回転に伴う周面32b上下方向の位置変動は200μm以下であることが好ましい。流延ドラム32の速度変動を3%以下とし、流延ドラム32が一回転する際に生じる幅方向の蛇行は3mm以下とすることが好ましい。
流延ドラム32の材質は、ステンレス製であることが好ましく、十分な耐腐食性と強度とを有するようにSUS316製であることがより好ましい。流延ドラム32の周面32bに施されるクロムメッキ処理はビッカース硬さHv700以上、膜厚2μm以上、いわゆる硬質クロムメッキであることが好ましい。
流延ダイ30から流延ドラム32の周面32bへドープ21が流延される。この流延工程では、この流延ダイ30から流延ドラム32にかけて流延ビードを形成し、流延ドラム32の周面32b上に流延膜33を形成する。減圧チャンバ36は、流延ダイ30から流延するドープ21の背面(後に、流延ドラム32の周面32bに接する面)側を所望の圧力に減圧し、流延ドラム32の高速回転時に流延膜33と周面32bとの間の密着性を向上させつつ、流延ビードの安定化を図る。流延膜33が自己支持性を有するものとなった後、剥取ローラ34は、流延ドラム32上の流延膜33を湿潤フイルム38として剥ぎ取る。
流延室12内には、蒸発している有機溶媒を凝縮回収するための凝縮器(コンデンサ)39と凝縮液化した溶媒を回収する回収装置40とが備えられている。凝縮器39で凝縮液化した有機溶媒は、回収装置40により回収される。その溶媒は再生装置で再生された後に、ドープ調製用溶媒として再利用される。
流延室12の下流には、剥取ローラ34によって剥ぎ取られた湿潤フイルム38を乾燥させてフイルム20とするピンテンタ13と、このフイルム20を乾燥させながら延伸するクリップテンタ14とが設けられている。ピンテンタ13は、固定手段として複数のピンを有する乾燥装置であり、クリップテンタ14は、把持手段としてクリップを有する乾燥装置である。フイルム20は、クリップテンタ14の所定条件下の延伸処理によって、所望の光学特性が付与される。なお、フイルムへの光学特性の付与は、フイルム巻取後に行っても良く、この場合には、クリップテンタを省略してもよい。
クリップテンタ14の下流には耳切装置43が設けられている。この耳切装置43には、クラッシャ44が備えられており、ここで、フイルム20の両側端部は切断された後、クラッシャ44に送り込まれて粉砕されて、再利用が図られる。
乾燥室15には、多数のローラ47と吸着回収装置48とが備えられている。さらに、乾燥室15に併設された冷却室16の下流には、強制除電装置(除電バー)49が設けられている。また、本実施形態では、強制除電装置49下流側に、ナーリング付与ローラ50を設けている。巻取室17の内部には、巻取ローラ51とプレスローラ52とが備えられている。
図2に示すように、減圧チャンバ36と剥取ローラ34との間の流延ドラム32の周面32b近傍に配置されるドラム洗浄機65は、ドライアイス粒子を含む気体(以下、混合気体又はいわゆる洗浄ガスと称する)を噴射するノズル66と、ノズル66の周囲に設けられるカバー67とを備えている。更に、ノズル66は、配管68aを介して、空気を噴射する空気噴射機68と接続している。また、配管69aは、ドライアイス噴射機69と配管68aとを接続する。
空気噴射機68は、噴射圧の調節を可能にする噴射圧調整機を有している。この噴射圧調整機の操作により、所望の噴射圧の空気が、配管68aを経由してノズル66の先端部分の噴射口66aから噴射される。また、空気噴射機68にはタイマーが備えられている。このタイマーの操作により設定された時間の間、空気噴射機68は空気を流延ドラム32の周面32bに向けて噴射する。
噴射圧調整機としては、例えば、空気が充填されたボンベと、ボンベ内の空気の温度を調節する温調機とからなるものを用いてもよい。
ドライアイス噴射機69は、所望の粒径のドライアイス粒子を生成し、このドライアイス粒子を配管69aへ噴射する。噴射されたドライアイス粒子は、配管68aへ送られる。配管68aに噴射されたドライアイス粒子は、空気噴射機68によって噴射された空気と混合され、混合気体となる。こうして生成された混合気体は、配管68aを介してノズル66の噴射口66aから噴射される。
また、このドラム洗浄機65には、シフト部が接続されており、このシフト部により、ドラム洗浄機65のノズル66は所望の位置に移動自在となっている。このシフト部の操作により、噴射口66aと流延ドラム32の噴射距離L1や、流延ドラム32に対する混合気体の噴射角度θ1を所望の値に設定することができる。
次に、図1を用いて、フイルム製造ライン10によりフイルム20を製造する方法の一例を説明する。ストックタンク11では、ジャケット11cの内部に伝熱媒体を流すことによりドープ21の温度を25〜35℃に調整するとともに、攪拌翼11bの回転により常に均一化している。適宜適量のドープ21を、ギアポンプ25によりストックタンク11から濾過装置26に送り込み濾過することにより、ドープ21中の不純物を取り除く。そして、このドープ21を流延ダイ30から流延ビードを形成させながら、所定の表面温度になるように冷却した流延ドラム32の周面32b上に流延する。流延時のドープ21の温度は、30〜35℃の範囲内で略一定に保持されることが好ましい。
流延ドラム32は、駆動装置により軸32aを中心に回転している。この回転により、周面32bは、方向Z1へ所定の速度で(30m/分以上200m/分以下)で走行している。また、流延ドラム32の周面32bの温度は所定の範囲内を満たすように調整されている。その周面32bの温度は、−10〜10℃の範囲内で略一定とすることが好ましい。このように冷却された流延ドラム32を用いると、流延させたドープ21から形成される流延膜33を冷却固化(ゲル化)させて自己支持性を持たせることができる。なお、周面32bの温度の管理は、伝熱媒体循環装置37により行われ、流延ドラム32の周面32bの温度を所定の値に保持する。流延膜33の冷却が進行すると、結晶の基となる架橋点が形成されて流延膜33のゲル化が促進される。
ゲル化の進行により、流延膜33が自己支持性を有するものとなった後、剥取ローラ34により流延ドラム32から剥ぎ取って湿潤フイルム38を形成する。そして、この湿潤フイルム38をピンテンタ13に送り込む。
流延室12の内部温度は、温調設備35により所定の範囲内で略一定となるように調整される。流延室12の内部温度は、10〜57℃の範囲内で略一定に保持されることが好ましい。また、流延室12の内部には、流延されるドープ21や流延膜33中の溶媒が揮発後に浮遊している。そこで、本実施形態では、この浮遊溶媒を凝縮器39により凝縮液化した後、回収装置40に回収し、さらに再生装置により再生して、ドープ調製用溶媒として再利用する。
ピンテンタ13では、多数のピンを湿潤フイルム38の両側端部に差し込み固定した後、この湿潤フイルム38を搬送する間に乾燥を促進させてフイルム20とする。そして、まだ溶媒を含んでいる状態のフイルム20をクリップテンタ14に送り込む。このとき、クリップテンタ14に送られる直前でのフイルム20の残留溶媒量は、50〜150重量%であることが好ましい。なお、本発明では、フイルム中に残留する溶媒量を乾量基準で示したものを残留溶媒量とする。また、その測定方法は、対象のフイルムからサンプルを採取し、このサンプルの重量をx、サンプルを乾燥した後の重量をyとするとき、{(x−y)/y}×100で算出する。
クリップテンタ14では、チェーンの動きによりエンドレスで走行する多数のクリップによりフイルム20の両側端部を挟持した後、このフイルム20を搬送する間に、乾燥を促進させる。このとき、対面するクリップの幅を拡げてフイルム20の幅方向に張力を付与することでフイルム20を延伸する。このように、フイルム20の幅方向への延伸処理により、フイルム20中の分子が配向し、所望のレターデーション値をフイルム20に付与することができる。
クリップテンタ14から送り出されたフイルム20は、耳切装置43によりの両側端部が切断される。両側端部が切断されたフイルム20は、乾燥室15と冷却室16とを経由し、巻取室17内の巻取ローラ51で巻き取られる。なお、耳切装置43によって切断された両側端部は、クラッシャ44により粉砕されて、ドープ調製用チップとなり再利用される。
巻取ローラ51に巻き取られるフイルム20は、長手方向(流延方向)に少なくとも100m以上とすることが好ましい。また、フイルム20の幅が600mm以上であることが好ましく、1400mm以上2500mm以下であることがより好ましい。また、本発明は、2500mmより大きい場合にも効果がある。フイルム20の厚みが20μm以上80μm以下の薄いフイルムを製造する際にも本発明は適用される。
図2において、湿潤フイルム38が剥ぎ取られた後の流延ドラム32の周面32bには連続流延により異物が付着している。この異物は、脂肪酸エステルなどを主成分とし、流延ドラム32による冷却時に流延膜33から析出したものである。シフト部により、ノズル66は所望の噴射距離L1、噴射角度θ1になるように配される。ドラム洗浄機65により、噴射口66aからの所望の噴射圧の混合気体が、所望の噴射時間の間、湿潤フイルム38が剥ぎ取られた後であり、新たな流延膜33が形成される前の流延ドラム32の周面32bに噴射される。
混合気体がドラム洗浄機65から噴射されると、混合気体に含まれるドライアイス粒子が、流延ドラム32の周面32b上の異物に衝突する。この衝突のエネルギにより流延ドラム32に付着した異物を粉砕し、除去することができる。また、異物や流延ドラム32の周面32bとの衝突エネルギによりドライアイス粒子は融解する。このようにして流延ドラム32の周面32b上に生成した液状の二酸化炭素が異物を溶解させる。更に、異物を含む液状の二酸化炭素が、異物とともに蒸発することにより、流延ドラム32の周面32b上の異物を除去することも可能である。そして、これらの相乗効果により、周面32b上の異物を容易に除去することができる。
このような混合気体の噴射が可能なドラム洗浄機65を用いることにより、洗浄跡を残さずに、流延ドラム32に付着した異物を容易に除去することが可能にある。また、このドラム洗浄機65を、減圧チャンバ36と剥取ローラ34との間の流延ドラム32の周面32b近傍に配置することにより、フイルム製造ライン10を停止させることなく、流延ドラム32の周面32bを洗浄することが可能になる。更に、ドライアイス粒子を用いて流延ドラム32に噴射するため、流延ドラム32の周面32bを直接的に傷つけることがなくなる。このようなドライアイス粒子を噴射する方法は、防爆管理下にある流延ドラム32の周面32bの洗浄手段として適用可能である。
混合気体の噴射による異物の除去効果は、ドライアイスの粒子径と、混合気体の噴射圧と、混合気体と流延ドラム32の周面32bとの噴射角度θ1と、流延ドラム32の周面32bとノズル66との噴射距離L1などに依存する。本発明において、ドライアイス粒子の粒子径は、5μm以上20μm以下であることが好ましく、混合気体の噴射圧は、好ましくは600kPa以上4000kPa以下であり、より好ましくは1000kPa以上2500kPa以下であることが好ましい。噴射圧が4000kPaを超えると、ノズル66内にドライアイス粒子がつまるおそれがあるため、好ましくない。更に、混合気体の噴射方向と流延ドラム32の周面32bとがなす噴射角度θ1は、好ましくは45°以上135°以下であり、より好ましくは70°以上110°以下、最も好ましくは85°以上95°以下である。また、ノズル66の噴射口66aと流延ドラム32の周面32bとの噴射距離L1は、好ましくは0.1mm以上15mm以下であり、より好ましくは0.1mm以上10mm以下であり、最も好ましくは0.1mm以上2mm以下である。なお、これらの条件に基づいて流延ドラム32の周面32bに混合気体を噴射する噴射時間は、好ましくは0.001秒以上5秒以下であり、より好ましくは0.01秒以上5秒以下であり、最も好ましくは、1秒以上5秒以下である。
噴射距離L1とは、噴射口66aと周面32b上の到着点との距離をいい、到着点とは、噴射口66aから噴射された混合気体が到着する周面32b上の点である。また、この噴射時間は、周面32b上の所定の範囲に、混合気体が噴射される時間である。
上記実施形態では、流延ドラム32の周面32bに付着する異物が脂肪酸エステルを主成分とするものであると記載したが、これに限らず、脂肪酸や脂肪酸金属塩の他、ドライアイス粒子の噴射により粉砕される、或いは、液状の二酸化炭素に溶解し、液状の二酸化炭素とともに蒸発する異物の除去にも適用可能である。
脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリマーに含まれている脂肪酸と、溶媒に含まれるアルコールとの間で生成するものであってもよいし、ドープ21を調製する際に添加する添加剤と溶媒に含まれるアルコールとの間で生成するものであっても良い。また、脂肪酸金属塩としては、ドープ21に含まれる脂肪酸及び金属原子のイオンからなるものが挙げられ、金属イオンとしては、Mg2+やCa2+などがある。なお、これら脂肪酸、アルコールや金属原子は、ドープ21や添加剤や溶媒などに含まれるものに限られない。
上記実施形態では、ドライアイス粒子と空気とからなる混合気体を用いたが、これに限らず、空気の代わりに窒素や不活性ガスなどを用いても良い。
本発明は、流延ドラム32の代わりに、回転ローラに掛け渡されて移動する流延バンドを用いる溶液製膜方法にも適用可能である。
上記実施形態では、フイルム製造ライン10において、流延ドラム32の周面32bの異物を除去する、いわゆる、オンラインで異物を除去すると記載したが、フイルム製造ライン10から取り出した流延ドラム32の周面32bに同様の除去処理を施す、いわゆるオフラインで異物を除去してもよい。
なお、上記実施形態では、ドライアイス噴射機69で生成したドライアイス粒子を空気と混合し、混合空気(洗浄ガス)としたが、本発明ではこれに限られず、液状の二酸化炭素の噴射により生成されるドライアイス粒子を用いて、混合空気としてもよい。次に、図3を参照して、液状の二酸化炭素を用いる場合のドラム洗浄機の実施形態について説明する。この実施形態でのドラム洗浄機150は、第1ノズル151と第2ノズル152とからなる。
第1ノズル151は、キャリアガス300が導入されるキャリアガス導入口162と、液状の二酸化炭素310が導入される二酸化炭素導入口163と、洗浄ガス320を噴出する洗浄ガス噴出口164と、キャリアガス導入口162及び洗浄ガス噴出口164を連通させるキャリアガス流路165と、二酸化炭素導入口163及びキャリアガス流路165を連通させる二酸化炭素流路166とを備える。キャリアガス流路165は、キャリアガス300及び二酸化炭素流路166からの液状の二酸化炭素310から、ドライアイス粒子311を含む洗浄ガス320をつくる粒子形成部167を有する。また、二酸化炭素流路166の出口166a側にオリフィス168を有する。更に、キャリアガス流路165は、粒子形成部167の上流側に、キャリアガス流路165の断面積よりも大きな断面積を有する整流用ポケット169を有する。
第2ノズル152は、洗浄ガス噴出口164からの洗浄ガス320が導入される洗浄ガス導入口175と、洗浄ガス320を噴出する洗浄ガス噴出口176と、キャリアガス導入口175及び洗浄ガス噴出口176を連通させる洗浄ガス流路177とを備える。また、洗浄ガス流路177は、洗浄ガス流路177の断面積よりも大きな断面積を有する整流用ポケット178を有する。
第2ノズル152は、洗浄ガス噴出口164と洗浄ガス導入口175とが連結するように、第1ノズル151に取り付けられる。そして、流延ドラム32の周面32bと洗浄ガス噴出口176との距離L1や噴射角度θ1が所望の値になるように、ドラム洗浄機150が流延室12(図1)内に配される。
キャリアガス導入口162は、配管180を介して、キャリアガス300の供給源であるキャリアガスタンク181と接続する。配管180には、キャリアガス300の流量を調節する絞り弁182が設けられる。二酸化炭素導入口163は、配管190を介して、液状の二酸化炭素310の供給源である二酸化炭素タンク191と接続する。配管190には、液状の二酸化炭素310の流量を調節する絞り弁192が設けられる。
これら絞り弁182、192は、コントローラ195により調節される。コントローラ195の制御の下、絞り弁182、192の開度がそれぞれ所望の範囲に調節される。絞り弁182、192の開度の調節により、洗浄ガス320の噴射圧力、ドライアイス311の粒径、キャリアガス300と液状の二酸化炭素310との混合比率などを調節することができる。
キャリアガス300として、例えば空気などを用いることができる。キャリアガスタンク181は、キャリアガス300を所定の圧力に圧縮した状態で格納してもよい。液状の二酸化炭素310としては、純度の高いものを用いることが好ましい。また、二酸化炭素タンク191や配管190の条件としては、二酸化炭素タンク191から送られる液状の二酸化炭素310が、粒子形成部167に到達するまでに、液状を維持しえる程度のものであればよい。
次に、ドラム洗浄機150の作用について説明する。コントローラ195の制御の下、絞り弁182、192の開度がそれぞれ所望の範囲に調節される。キャリアガス300は、所定の流量Q1(m3 /mm・分)で配管180を介して、キャリアガスタンク181からキャリアガス導入口162に導入され、キャリアガス流路165の粒子形成部167まで送られる。液状の二酸化炭素310は、所定の質量流量Q2(kg/mm・分)で配管190を介して、二酸化炭素タンク191から二酸化炭素導入口163に導入され、二酸化炭素流路166まで送られる。二酸化炭素流路166に送られた液状の二酸化炭素310は、オリフィス163を介して、粒子形成部167に送られる。粒子形成部167に送られた液状の二酸化炭素310は、相変化により、二酸化炭素ガスとドライアイス粒子311とになる。そして、キャリアガス300の流れにより、二酸化炭素ガスとドライアイス粒子311とが、周面32bに析出した析出物X1に衝突する。このドライアイス粒子311と析出物X1との衝突により、析出物X1が周面32bから除去される。
析出物X1の除去作用としては、(1)ドライアイス粒子と析出物X1との衝突により、噴射されるドライアイス粒子の運動エネルギが周面32bに付着する析出物X1の破壊に用いられること、(2)析出物X1との衝突に起因してドライアイス粒子が液状の二酸化炭素となり、この液状の二酸化炭素が析出物X1を溶解すること、(3)液状の二酸化炭素やドライアイス粒子の気化時による体積膨張が、析出物X1を吹き飛ばすこと、及び(1)〜(3)の組合せによる相乗効果が挙げられる。ドライアイス粒子との衝突に起因する効果により、周面32bから除去された析出物X1は、微細化され、雰囲気ガスとともに循環されるため、析出物X1や残存物による厚みムラや析出物故障などの発生につながることはない。また、周面32bに残存したとしても、微小物であり、これによる析出物故障に発展することもない。
(混合比)
洗浄ガス320に各流量Q1、Q2が、以下式(1)ないし(3)のいずれかを満たすことが好ましい。
(式1) 0.0075<Q1<0.025(m3 /mm・分)のときに、0.0025≦Q2≦0.025(kg/mm・分)
なお、式1のQ1の条件において、Q2が、0.007(kg/mm・分)以上0.01(kg/mm・分)以下であることがより好ましく、略0.0083(kg/mm・分)であることが最も好ましい。
流量Q1が0.0075(m3 /mm・分)以下の場合は、周面32b上の析出物X1の除去を十分に行うことができず好ましくない。Q2が0.0025(kg/mm・分)未満である場合は、周面32b上の析出物X1の除去を十分に行うことができず好ましくない。また、Q2が0.025(kg/mm・分)を超える場合は、洗浄ガス320に含まれるドライアイス粒子311によりドラム洗浄機150の各流路165,177が閉塞するため、結果として、周面32bの洗浄が十分に行うことができず好ましくない。
(式2) 0.025≦Q1<0.05(m3 /mm・分)のときに、0.0016≦Q2≦0.034(kg/mm・分)
なお、式2のQ1の条件において、Q2が、0.0025(kg/mm・分)以上0.034(kg/mm・分)以下であることがより好ましく、0.0125(kg/mm・分)以上0.034(kg/mm・分)以下であることが最も好ましい。
0.025≦Q1<0.05(m3 /mm・分)のときに、Q2が0.0016(kg/mm・分)未満である場合は、周面32b上の析出物X1の除去を十分に行うことができず好ましくない。Q2が0.034(kg/mm・分)を超える場合は、ドライアイス粒子311によりドラム洗浄機150の各流路165,177が閉塞するため、結果として、周面32bの洗浄が十分に行うことができず好ましくない。
(式3) 0.05≦Q1<0.1(m3 /mm・分)のときに、0.00083≦Q2≦0.042(kg/mm・分)
なお、式3のQ1の条件において、Q2が、0.0016(kg/mm・分)以上0.042(kg/mm・分)以下であることがより好ましく、0.0125(kg/mm・分)以上0.042(kg/mm・分)以下であることが最も好ましい。
0.05≦Q1<0.1(m3 /mm・分)のときに、Q2が0.00083(kg/mm・分)未満の場合は、周面32b上の析出物X1の除去を十分に行うことができず好ましくない。Q2が0.042(kg/mm・分)を超える場合は、ドライアイス粒子311によりドラム洗浄機150の各流路165,177が閉塞するため、結果として、周面32bの洗浄が十分に行うことができず好ましくない。また、流量Q1が0.1(m3 /mm・分)以上の場合は、洗浄ガス320に含まれているドライアイス粒子311との衝突により、周面32bに表面欠陥が形成してしまうおそれがあるため、好ましくない。
上記実施形態では、第1ノズル151と第2ノズル152とからなるドラム洗浄機150を用いたが、本発明はこれに限られず、第1ノズル151のみをドラム洗浄機として用いても良い。この場合には、0.05≦Q1<0.1(m3 /mm・分)のときに、0.00166≦Q2≦0.0025(kg/mm・分)であることが好ましい。流量Q1が0.1(m3 /mm・分)以上の場合は、洗浄ガス320に含まれているドライアイス粒子311との衝突により、周面32bに表面欠陥が形成してしまうおそれがあるため、好ましくない。流量Q1が0.05(m3 /mm・分)未満である場合には、周面32b上の析出物X1の除去を十分に行うことができず好ましくない。流量Q2が0.0025(kg/mm・分)を超える場合には、ドラム洗浄機150の各流路165が閉塞するため、結果として、周面32bの洗浄が十分に行うことができず好ましくない。流量Q2が0.00166(kg/mm・分)未満の場合には、周面32b上の析出物X1の除去を十分に行うことができず好ましくない。
なお、本発明は、上記実施形態に限られず、図4〜図7に示すような形態であってもよい。
図4及び図5のように、複数のドラム洗浄機150が、流延ドラム32の幅方向において、流延膜形成エリアFAをカバーするように、ノズルヘッド200に設けられる。これらのドラム洗浄機150の配列ピッチは、隣り合うドラム洗浄機150の洗浄ガス320の吹きつけエリアと少し重なるような程度に設定されている。キャリアガス300及び液状の二酸化炭素310は、配管180、190を介して、ノズルヘッド200へ供給される。ノズルヘッド200に供給されたキャリアガス300と液状の二酸化炭素310とは、ノズルヘッド200に形成されるマニホールドを介して、各ドラム洗浄機150のキャリアガス導入口162や二酸化炭素導入口163に略一定となるような流量で分配して供給される。なお、流延膜形成エリアFAとは、流延膜33が形成される周面32b上の範囲をいう。
軸32aを中心に回転する流延ドラム32の周面32bにドープ21を流延して、周面32bに流延膜33を形成する。剥取ローラ34は、流延膜33を剥ぎ取り、湿潤フイルム38とする。ノズルヘッド200に設けられるドラム洗浄機150は、流延膜33が剥ぎ取られた後であり、新たな流延膜33が形成される前の周面32bにむけて、洗浄ガス320を吹き付ける。これにより、周面32bの流延膜形成エリアFAの全域に漏れなく、洗浄ガス320を吹き付けることが可能になる。
また、図6及び図7のように、ヘッド部220は、貫通孔221とキャリッジ222とを有する。貫通孔221には、ドラム洗浄機150が取り付けられている。図示しない止め具により、ドラム洗浄機150はヘッド部220に固定される。貫通孔221及び止め具により、ドラム洗浄機150と周面32bとの距離は所定の値に調節される。キャリッジ222は、流延ドラム32の幅方向に伸びたガイド軸225に挿通される。また、キャリッジ222の一部は、一対のプーリ226,227に掛けられたベルト228に連結する。プーリ227,228は、図示しないプーリ制御部に接続される。
軸32aを中心に回転する流延ドラム32の周面32bにドープ21を流延して、周面32bに流延膜33を形成する。剥取ローラ34は、流延膜33を剥ぎ取り、湿潤フイルム38とする。ドラム洗浄機150は、流延膜33が剥ぎ取られた後であり、新たな流延膜33が形成される前の周面32bにむけて、洗浄ガス320を吹き付ける。ドラム洗浄機150が取り付けられるヘッド部222は、プーリ制御部の制御により、流延ドラム32の幅方向に走査する。これにより、周面32bの流延膜形成エリアFAの全域に漏れなく、洗浄ガス320を吹き付けることが可能になる。なお、ドラム洗浄機150の走査速度を早くすることにより、周面32bの幅方向をほぼ同時に洗浄することができる。一方、ドラム洗浄機150の走査速度を遅くすることにより、周面32bを略らせん状に洗浄することができ、流延ドラム32の複数回転分で流延膜形成エリアFAの全域を洗浄することができる。この場合には、例えば、ドラム洗浄機150の走査速度を流延ドラム32の回転速度と同期をとるなどしてもよい。
なお、上記実施形態では、1つのヘッド部222に1つのドラム洗浄機150を固定するとしたが、本発明はこれに限られず、1つのヘッド部に複数のドラム洗浄機150を固定する、或いは、複数のヘッド部222をベルト228に設けても良い。これらにより、用いるドラム洗浄機150の数が増加した分だけ、流延膜形成エリアFAの全域を迅速に洗浄することができる。なお、複数のドラム洗浄機150を用いる場合は、流延ドラム32の走行方向又は幅方向において並べることが好ましい。
以下、本発明においてドープ21を調製する際に使用する原料について説明する。
本実施形態では、ポリマーとしてセルロースアシレートを用いており、セルロースアシレートとしては、セルローストリアセテート(TAC)が特に好ましい。そして、セルロースアシレートの中でも、セルロースの水酸基へのアシル基の置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するものがより好ましい。なお、以下の式(I)〜(III)において、AおよびBは、セルロースの水酸基中の水素原子に対するアシル基の置換度を表わし、Aはアセチル基の置換度、Bは炭素原子数が3〜22のアシル基の置換度である。なお、TACの90重量%以上が0.1〜4mmの粒子であることが好ましい。ただし、本発明に用いることができるポリマーは、セルロースアシレートに限定されるものではない。
(I) 2.5≦A+B≦3.0
(II) 0≦A≦3.0
(III) 0≦B≦2.9
セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位,3位および6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部を炭素数2以上のアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位,3位および6位それぞれについて、セルロースの水酸基がエステル化している割合(100%のエステル化の場合を置換度1とする)を意味する。
全アシル化置換度、すなわち、DS2+DS3+DS6の値は、2.00〜3.00が好ましく、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DS6/(DS2+DS3+DS6)の値は、0.28以上が好ましく、より好ましくは0.30以上であり、特に好ましくは0.31〜0.34である。ここで、DS2は、グルコース単位における2位の水酸基の水素がアシル基によって置換されている割合(以下、2位のアシル置換度と称する)であり、DS3は、グルコース単位における3位の水酸基の水素がアシル基によって置換されている割合(以下、3位のアシル置換度と称する)であり、DS6は、グルコース単位において、6位の水酸基の水素がアシル基によって置換されている割合(以下、6位のアシル置換度と称する)である。
本発明のセルロースアシレートに用いられるアシル基は1種類だけでもよいし、あるいは2種類以上のアシル基が使用されていてもよい。2種類以上のアシル基を用いるときには、その1つがアセチル基であることが好ましい。2位,3位および6位の水酸基がアセチル基により置換されている度合いの総和をDSAとし、2位,3位および6位の水酸基がアセチル基以外のアシル基によって置換されている度合いの総和をDSBとすると、DSA+DSBの値は、2.22〜2.90であることが好ましく、特に好ましくは2.40〜2.88である。
また、DSBは0.30以上であることが好ましく、特に好ましくは0.7以上である。さらにDSBは、その20%以上が6位水酸基の置換基であることが好ましく、より好ましくは25%以上であり、30%以上がさらに好ましく、特には33%以上であることが好ましい。さらに、セルロースアシレートの6位におけるDSA+DSBの値が0.75以上であり、さらに好ましくは、0.80以上であり、特には0.85以上であるセルロースアシレートも好ましく、これらのセルロースアシレートを用いることで、より溶解性に優れた溶液(ドープ)を作製することができる。特に、非塩素系有機溶媒を使用すると、優れた溶解性を示し、低粘度で濾過性に優れるドープを作製することができる。
セルロースアシレートの原料であるセルロースは、リンター,パルプのどちらから得られたものでもよい。
本発明におけるセルロースアシレートの炭素数2以上のアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でもよく、特に限定はされない。例えば、セルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステル、芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどが挙げられ、それぞれ、さらに置換された基を有していてもよい。これらの好ましい例としては、プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、iso−ブタノイル基、t−ブタノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などが挙げられる。これらの中でも、プロピオニル基、ブタノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、t−ブタノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などがより好ましく、特に好ましくは、プロピオニル基、ブタノイル基である。
ドープを調製する溶媒としては、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン,トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン,クロロベンゼンなど)、アルコール(例えば、メタノール,エタノール,n−プロパノール,n−ブタノール,ジエチレングリコールなど)、ケトン(例えば、アセトン,メチルエチルケトンなど)、エステル(例えば、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸プロピルなど)およびエーテル(例えば、テトラヒドロフラン,メチルセロソルブなど)などが挙げられる。なお、本発明においてドープとは、ポリマーを溶媒に溶解または分散させることで得られるポリマー溶液または分散液を意味している。
上記のハロゲン化炭化水素の中でも、炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素が好ましく用いられ、ジクロロメタンが最も好ましく用いられる。TACの溶解性、流延膜の支持体からの剥ぎ取り性、フイルムの機械的強度および光学特性などの物性の観点から、ジクロロメタンの他に炭素原子数1〜5のアルコールを1種ないし数種類混合することが好ましい。アルコールの含有量は、溶媒全体に対して2〜25重量%が好ましく、より好ましくは、5〜20重量%である。アルコールとしては、メタノール,エタノール,n−プロパノール,イソプロパノール,n−ブタノールなどが挙げられるが、メタノール,エタノール,n−ブタノール、あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
最近、環境に対する影響を最小限に抑えることを目的に、ジクロロメタンを使用しない溶媒組成も検討されている。この場合には、炭素原子数が4〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステル、炭素数1〜12のアルコールが好ましく、これらを適宜混合して用いる場合もある。例えば、酢酸メチル,アセトン,エタノール,n−ブタノールの混合溶媒が挙げられる。これらのエーテル、ケトン,エステルおよびアルコールは、環状構造を有するものであってもよい。また、エーテル、ケトン,エステルおよびアルコールの官能基(すなわち、−O−,−CO−,−COO−および−OH)のいずれかを2つ以上有する化合物も溶媒として用いることができる。
セルロースアシレートの詳細については、特開2005−104148号の[0140]段落から[0195]段落に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。また、溶媒および可塑剤,劣化防止剤,紫外線吸収剤(UV剤),光学異方性コントロール剤,レターデーション制御剤,染料,マット剤,剥離剤,剥離促進剤などの添加剤についても、同じく特開2005−104148号の[0196]段落から[0516]段落に詳細に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。
本発明の溶液製膜方法では、ドープを流延する際に、2種類以上のドープを同時に共流延させて積層させる同時積層共流延、または、複数のドープを逐次に共流延して積層させる逐次積層共流延を行うことができる。なお、両共流延を組み合わせてもよい。同時積層共流延を行う場合には、フィードブロックを取り付けた流延ダイを用いてもよいし、マルチマニホールド型の流延ダイを用いてもよい。ただし、共流延により多層からなるフイルムは、空気面側の層の厚さと支持体側の層の厚さとの少なくともいずれか一方が、フイルム全体の厚みの0.5〜30%であることが好ましい。また、同時積層共流延を行う場合には、ダイスリットから支持体にドープを流延する際に、高粘度ドープが低粘度ドープにより包み込まれることが好ましく、ダイスリットから支持体にかけて形成される流延ビードのうち、外界と接するドープが内部のドープよりもアルコールの組成比が大きいことが好ましい。
流延ダイ、減圧室、支持体などの構造、共流延、剥離法、延伸、各工程の乾燥条件、ハンドリング方法、カール、平面性矯正後の巻取方法から、溶媒回収方法、フイルム回収方法まで、特開2005−104148号の[0617]段落から[0889]段落に詳しく記述されており、これらの記載も本発明に適用することができる。
<フイルム製造>
フイルム製造ライン10において、周面32bにクロムメッキ及び鏡面加工処理が施され、直径1000mmの円筒状の流延ドラム32の周面32b上に、ドープ21を乾燥厚み80μmで流延し、流延膜33を形成した。自己支持性を有する流延膜33を、剥取ローラ34により剥ぎ取り、湿潤フイルム38を得た。ピンテンタ13及びクリップテンタ14にて、この湿潤フイルム38を所定の残留溶媒量まで乾燥し、フイルム20を得た。流延ドラム32の周面32bに異物が付着しているか否かは、目視により確認した。また、付着物が脂肪酸エステルを主成分とするものであることを、IR(赤外分光光度計)、GCMS(ガスクロマトグラフ重量分析計)、NMR(核磁気共鳴装置)を用いて確認した。流延ドラム32の周面32bの異物の付着を確認した後、流延を停止し、以下のドラム洗浄を行った。洗浄後に付着物が除去されたか否かは、目視で判断した。
<ドラム洗浄>
ドラム洗浄機65としては、(株)リンクスタージャパン製snocleを用いた。ノズル66としては、テフロン(登録商標)製のオリフィス付ノズルを用いた。流延ドラム32の周面32bに対するノズル66の噴射角度θ1は85°とした。ノズル66の噴射口66aと流延ドラム32の周面32bとの噴射距離L1は15mmとした。混合気体の噴射圧は、896.35kPaとした。流延ドラム32の周面32bの保温温度は略−10℃とした。上記噴射条件で、各噴射時間0.001秒、0.01秒、0.2秒、1秒、5秒で流延ドラム32の周面32bに混合気体の噴射を行った。噴射時間が0.001秒の場合では、周面32b上の付着物の一部が残った。また、噴射時間0.1秒及び0.2秒の場合では、全面の付着物が除去されたことを確認した。噴射時間1秒の場合では、付着物が十分に除去されたことを確認した。噴射時間5秒の場合では、付着物の除去効果が最大であった。ドライアイス粒子の噴射後、流延ドラム32の周面32bを光学顕微鏡で観察したが、混合気体の噴射による損傷はみられなかった。
フイルム製造ライン10、ドラム洗浄機65及びノズル66は、実施例1と同様のものを用いた。実施例1において、噴射時間を0.01秒に固定し、流延ドラム32の周面32bに対するノズル66の噴射角度θ1を45°、60°、70°、85°、90°とし、それぞれの場合について洗浄を行った。その他の条件は実施例1と同様のものとした。θ1が45°、60°の場合は、一部の付着物が除去されたことが確認した。θ1が70°、85°の場合は、全面の付着物が除去されたことを確認した。θ1が略90°であるときに、異物の除去効果が最大であった。ドライアイス粒子の噴射後、流延ドラム32の周面32bを光学顕微鏡で観察したが、混合気体の噴射による損傷はみられなかった。
フイルム製造ライン10、ドラム洗浄機65及びノズル66は、実施例1と同様のものを用いた。実施例1において、噴射時間を0.01秒に固定し、噴射距離L1を、0.1mm、2mm、5mm、10mm、15mmとし、それぞれの場合について洗浄を行った。また、その他の条件は実施例1と同様のものとした。噴射距離L1が15mmの時には、一部の付着物が除去されたことが確認した。噴射距離L1が5mm、10mmの場合では、全面の付着物が除去されたことを確認した。噴射距離L1が2mmの場合では、付着物が十分に除去されたことを確認し、噴射距離L1が0.1mmの場合に異物の除去効果が最も発揮された。ドライアイス粒子の噴射後、流延ドラム32の周面32bを光学顕微鏡で観察したが、混合気体の噴射による損傷はみられなかった。
フイルム製造ライン10、ドラム洗浄機65及びノズル66は、実施例1と同様のものを用いた。実施例1において、噴射時間を0.01秒に固定し、混合気体の噴射圧を、689.5kPa、896.5kPa、1379kPa、2068kPa、3447.5kPaとし、それぞれの場合について洗浄を行った。噴射圧が689.5kPaの場合では、一部の付着物が除去されたことが確認した。噴射圧が896.5kPa、1379kPaの場合では、全面の付着物が除去されたことを確認した。噴射圧が2068kPaの場合では、付着物が十分に除去されたことを確認した。噴射圧が3447.5kPaの場合に付着物の除去効果が最も発揮されたが、ノズル内のオリフィス部分にドライアイス粒子が詰まった。ドライアイス粒子の噴射後、流延ドラム32の周面32bを光学顕微鏡で観察したが、混合気体の噴射による損傷はみられなかった。
フイルム製造ライン10、ドラム洗浄機65及びノズル66は、実施例1と同様のものを用いた。実施例1において、噴射時間を0.01秒に固定し、流延ドラム32の周面32bの温度を−10℃、0℃、15℃とし、それぞれの場合について洗浄を行った。各温度ともに流延ドラム32の周面32bの付着物を除去することができた。付着物の除去効果は、流延ドラム32の周面32bの温度が高くなるにつれて大きくなる傾向にあり、特に周面32bの温度が15℃であるときに、付着物の除去効果が最大であった。ドライアイス粒子の噴射後、流延ドラム32の周面32bを光学顕微鏡で観察したが、混合気体の噴射による損傷はみられなかった。
[比較例1]
フイルム製造ライン10は実施例1と同様のものを用いた。ドラム洗浄機65の代わりに、(株)ジーエスユアサライティング製 SLC−500ATK(低圧水銀)の紫外線ランプを用いた。紫外線ランプと流延ドラム32の周面32bとの噴射距離は50mmとした。流延ドラム32の周面32bの保温温度Tは−10℃とした。上記条件で、紫外線ランプによる流延ドラム32の洗浄を行ったところ、付着物を十分に除去するのに、60分の照射時間を要したことを確認した。
したがって、本発明により、剥ぎ取り後の流延ドラム32の周面32bに、ドライアイスを含む混合気体を噴射することにより、周面32bに付着する析出物を容易に除去することができる。本発明によれば、支持面の洗浄のつど製膜速度を停止或いは製膜速度を低下させる必要がなくなるため、溶液製膜方法の生産効率を向上させることができる。
ドラム洗浄機150を用いて、テストピースに塗布された脂肪酸エステルの除去を行った。
テストピースとして、SUS316製のステンレス鋼板を用いた。テストピースの表面を研磨して、表面粗さを0.01m以下となるようにした。
テストピースの表面に脂肪酸エステルを塗布した。表面に熱電対を設けたテストピースを温度調節器の上に配した。熱電対及び温度調節器により、テストピースの表面の温度を−10℃以上0℃以下に保持した。
ドラム洗浄機150として、(株)リンクスタージャパン製snocleを用いた。テストピースの表面との噴射距離L1が15mmに、噴射角度θ1が略90°になるように、ドラム洗浄機150を設置した。室温、大気中にて、テストピースの表面の塗布部に向けて洗浄ガス320を噴射した。また、コントローラ195は、洗浄ガス320に含まれるドライアイス粒子311の平均粒径が、5μm以上20μm以下になるように、絞り弁182、192を調節した。
1.洗浄時間の測定
コントローラ195により、流量Q1、Q2を調整しながら、脂肪酸エステルの除去を行った。流量Q1の値として、0.0075(m3 /mm・分)、0.0125(m3 /mm・分)、0.025(m3 /mm・分)、0.0375(m3 /mm・分)、0.05(m3 /mm・分)、0.0625(m3 /mm・分)、0.0875(m3 /mm・分)、0.1(m3 /mm・分)を用いた。流量Q2の値として、0.417(g/mm・分)、0.833(g/mm・分)、1.667(g/mm・分)、2.5(g/mm・分)、8.333(g/mm・分)、12.5(g/mm・分)、25(g/mm・分)、33.333(g/mm・分)、41.667(g/mm・分)、47.917(g/mm・分)を用いた。そして、洗浄ガスの噴射開始から脂肪酸エステルが除去されるまでの時間CT1を計測した。脂肪酸エステルが除去されたか否かは、目視で判断した。そして、時間CT1について以下の判定を行った。
判定●:CT1が0.1秒以内であった。
判定○:CT1が0.1秒より大きく1秒以内であった。
判定△:CT1が1秒より大きく20秒以内であった。
判定×:CT1が20秒を超える、或いは、洗浄できなかった。
2.表面状態の評価
洗浄ガス噴射後のテストピースの表面の状態を電子顕微鏡にて洗浄ガスの噴射による損傷の有無を調べた。そして、以下の評価を行った。
判定○:表面に新たなピンホール(30μm未満)の形成が確認できなかった。
判定×:表面に新たなピンホール(30μm未満)の形成が確認できた。
表1及び表2に、本実施例に用いた流量Q1、Q2の組合せ条件について、A1の値、並びに、時間CT1及び表面状態の判定結果を併せて示す。また、流量Q1、Q2と判定結果の相関を図8に示す。なお、A1は、Q1/Q2で表される値である。
Figure 2007269013
Figure 2007269013
ドラム洗浄機150から第2ノズル152を取り外したものを、ドラム洗浄機として用いたこと以外は、実施例6と同様にして、テストピースに塗布された脂肪酸エステルの除去を行った。
表3及び表4に、本実施例に用いた流量Q1、Q2の組合せ条件について、A1の値、並びに、時間CT1及び表面状態の判定結果を併せて示す。また、流量Q1、Q2と判定結果の相関を図9に示す。
Figure 2007269013
Figure 2007269013
実施例6、7より、洗浄ガス320を吹き付ける析出物の除去方法としては、液体の二酸化炭素310の流量Q2とキャリアガス300の流量Q1との混合比を所定の範囲にすることにより、テストピースの表面に損傷を与えずに、析出物を効果的に除去することができることがわかった。したがって、本発明により、周面32bに損傷を与えることなく、析出物の除去を容易にすることができるため、溶液製膜方法の生産効率を向上させることができる。また、第1ノズル151のみからなるドラム洗浄機よりも、第1ノズル151と第2ノズル152とからなるドラム洗浄機150による析出物の除去効果が、より大きいものであることがわかった。このことは、第2ノズル152の付加によって発現し、周面32b全体に混合空気を均一に送る整流作用に起因するものと考えられる。第2ノズル152の付加により、高速(50m/分以上)の溶液製膜方法においても、周面32bに付着した析出物の除去を容易にすることができる。したがって、本発明の析出物の除去効果は、従来のドラム洗浄方法に比べて、極めて優れたものであるため、流延ドラム32の周面32bの洗浄時間が短時間で済み、結果として、流延速度を低下せずに溶液製膜方法を行うことが可能となる。したがって、本発明によれば、溶液製膜方法の生産効率をより向上させることができる。
第1のフイルム製造ラインの概要を示す説明図である。 第1のドラム洗浄機及びこの近傍に配置される各部の概要を示す側面図である。 第2の実施形態であるドラム洗浄機の概要を示す断面図である。 第3の実施形態であるドラム洗浄機及びこの近傍に配置される各部の概要を示す側面図である。 第3の実施形態であるドラム洗浄機を、周面の走行方向上流側から下流側に向かってみたときの前面図である。 第4の実施形態であるドラム洗浄機を、周面の走行方向上流側から下流側に向かってみたときの前面図である。 第4の実施形態であるドラム洗浄機の平面図である。 第1ノズルと第2ノズルとからなるドラム洗浄機を用いて、流量Q2の液状の二酸化炭素と流量Q1のキャリアガスとからなる洗浄ガスを、流延ドラムの周面に吹き付けたときのCT1の判定結果とを示すグラフである。 第1ノズルからなるドラム洗浄機を用いて、流量Q2の液状の二酸化炭素と流量Q1のキャリアガスとからなる洗浄ガスを、流延ドラムの周面に吹き付けたときのCT1の判定結果とを示すグラフである。
符号の説明
10 フイルム製造ライン
11 ストックタンク
12 流延室
13 ピンテンタ
14 クリップテンタ
15 乾燥室
16 冷却室
17 巻取室
20、159 フイルム
21 ドープ
25 ギアポンプ
26 濾過装置
30 流延ダイ
32 流延ドラム
32a 軸
32b 周面
33 流延膜
34 剥取ローラ
35 温調設備
36 減圧チャンバ
37 伝熱媒体循環装置
38 湿潤フイルム
65、150 ドラム洗浄機
66 ノズル
66a 噴射口
67 カバー
68 空気噴射機
68a 配管
69 ドライアイス噴射機
151 第1ノズル
152 第2ノズル
167 粒子形成部
169、178 整流用ポケット
181 キャリアガスタンク
191 二酸化炭素タンク
195 コントローラ
300 キャリアガス
310 液状の二酸化炭素
311 ドライアイス粒子
320 洗浄ガス
L1 噴射距離
θ1 噴射角度

Claims (33)

  1. エンドレスに走行する支持体上に、ポリマーと溶媒とを含むドープを流延し、
    前記支持体上に流延膜を形成した後に前記支持体から前記流延膜を剥ぎ取り乾燥させてフイルムを製造する溶液製膜方法において、
    前記流延膜の剥ぎ取り後で前記流延膜の形成前の前記支持体表面に対し、粒子が含まれる洗浄ガスを吹き付けることを特徴とする溶液製膜方法。
  2. 前記粒子が、ドライアイスであることを特徴とする請求項1記載の溶液製膜方法。
  3. 前記ドライアイスの平均粒径が5μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項2記載の溶液製膜方法。
  4. 前記洗浄ガスを前記支持体表面に吹き付ける時間が、0.001秒以上5秒以下であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の溶液製膜方法。
  5. 前記支持体表面に対して前記洗浄ガスを45°以上135°以下の角度で吹き付けることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の溶液製膜方法。
  6. 前記洗浄ガスの吹き付けをノズルにより行い、
    前記ノズルにはキャリアガス及び液状の二酸化炭素が導入され、前記キャリアガスの流路に前記液状の二酸化炭素を送り、ドライアイス粒子を含む前記洗浄ガスをつくることを特徴とする請求項2ないし5いずれか1項記載の溶液製膜方法。
  7. 前記キャリアガスの体積流量をQ1(m3 /mm・分)、二酸化炭素の質量流量をQ2(kg/mm・分)とするときに、以下(式1)〜(式3)のいずれかを満たすことを特徴とする請求項6項記載の溶液製膜方法。
    (式1) 0.0075<Q1<0.025(m3 /mm・分)のときに、0.0025≦Q2≦0.025(kg/mm・分)
    (式2) 0.025≦Q1<0.05(m3 /mm・分)のときに、0.0016≦Q2≦0.034(kg/mm・分)
    (式3) 0.05≦Q1<0.1(m3 /mm・分)のときに、0.00083≦Q2≦0.042(kg/mm・分)
  8. 前記ノズルは、
    前記キャリアガスを導入するキャリアガス導入口と、
    前記液状の二酸化炭素を導入する二酸化炭素導入口と、
    前記洗浄ガスを噴出する洗浄ガス噴出口と、
    前記キャリアガス導入口及び前記洗浄ガス噴出口を連通させるキャリアガス流路と、
    前記二酸化炭素導入口及び前記キャリアガス流路を連通させる二酸化炭素流路と、
    前記二酸化炭素流路の出口を前記キャリアガス流路に有し、前記キャリアガスの流れ内に液状の二酸化炭素を送り、前記ドライアイスの粒子を形成する粒子形成部とを備えることを特徴とする請求項6または7記載の溶液製膜方法。
  9. 前記二酸化炭素流路の出口にオリフィスを有することを特徴とする請求項8記載の溶液製膜方法。
  10. 前記粒子形成部の上流側又は下流側の前記キャリアガス流路に、前記キャリアガス流路の断面積よりも大きな断面積を有するキャリアガス整流用ポケットを有することを特徴とする請求項8または9記載の溶液製膜方法。
  11. 前記洗浄ガス噴出口と前記支持体表面との距離が0.1mm以上15mm以下であることを特徴とする請求項8ないし10いずれか1項記載の溶液製膜方法。
  12. 前記洗浄ガスの噴射圧が、600kPa以上4000kPa以下であることを特徴とする請求項1ないし11いずれか1項記載の溶液製膜方法。
  13. 前記支持体が、キャスティングドラムであることを特徴とする請求項1ないし12いずれか1項記載の溶液製膜方法。
  14. 前記支持体表面に析出する析出物が、脂肪酸、脂肪酸エステル、及び脂肪酸金属塩のいずれかを含むことを特徴とする請求項1ないし13いずれか1項記載の溶液製膜方法。
  15. 前記ポリマーが、セルロースアシレートを含むことを特徴とする請求項1ないし14いずれか1項記載の溶液製膜方法。
  16. 前記セルロースアシレートが、セルローストリアセテート、セルロースアセテート、プロピオネート又はセルロースアセテートブチレートのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1ないし15いずれか1項記載の溶液製膜方法。
  17. エンドレスに走行する支持体上に、ポリマーと溶媒とを含むドープを流延し、
    前記支持体上に流延膜を形成した後に前記支持体から前記流延膜を剥ぎ取り乾燥させてフイルムを製造する溶液製膜設備の前記支持体への析出物の除去装置において、
    前記流延膜の剥ぎ取り後で前記流延膜の形成前の前記支持体表面に近接して設けられ、粒子が含まれる洗浄ガスを前記支持体表面に吹き付ける洗浄ノズルを備えることを特徴とする析出物の除去装置。
  18. 前記粒子がドライアイスであることを特徴とする請求項17記載の析出物の除去装置。
  19. 前記ドライアイスの平均粒径が5μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項18記載の析出物の除去装置。
  20. 前記洗浄ガスを前記支持体表面に吹き付ける時間が、0.001秒以上5秒以下であることを特徴とする請求項17ないし19いずれか1項記載の析出物の除去装置。
  21. 前記支持体表面に対して、前記洗浄ガスを45°以上135°以下の角度で吹き付けることを特徴とする請求項17ないし20いずれか1項記載の析出物の除去装置。
  22. 前記洗浄ノズルは、前記キャリアガスと前記液状の二酸化炭素が供給され、前記キャリアガスの流路に前記液状の二酸化炭素を送り、前記ドライアイスの粒子を含む前記洗浄ガスをつくることを特徴とする請求項18ないし21いずれか1項記載の析出物の除去装置。
  23. 前記キャリアガスの体積流量をQ1(m3 /mm・分)、二酸化炭素の質量流量をQ2(kg/mm・分)とするときに、以下(式4)〜(式6)のいずれかを満たすことを特徴とする請求項22項記載の析出物の除去装置。
    (式4) 0.0075<Q1<0.025(m3 /mm・分)のときに、0.0025≦Q2≦0.025(kg/mm・分)
    (式5) 0.025≦Q1<0.05(m3 /mm・分)のときに、0.0016≦Q2≦0.034(kg/mm・分)
    (式6) 0.05≦Q1<0.1(m3 /mm・分)のときに、0.00083≦Q2≦0.042(kg/mm・分)
  24. 前記洗浄ノズルは、
    前記キャリアガスを導入するキャリアガス導入口と、
    前記液状の二酸化炭素を導入する二酸化炭素導入口と、
    前記洗浄ガスを噴出する洗浄ガス噴出口と、
    前記キャリアガス導入口及び前記洗浄ガス噴出口を連通させるキャリアガス流路と、
    前記二酸化炭素導入口及び前記キャリアガス流路を連通させる二酸化炭素流路と、
    前記二酸化炭素流路の出口を前記キャリアガス流路に有し、前記キャリアガスの流れ内に前記液状の二酸化炭素を送り、前記ドライアイスの粒子を形成する粒子形成部と
    を備えることを特徴とする17ないし23いずれか1項記載の析出物の除去装置。
  25. 前記二酸化炭素流路の出口にオリフィスを有することを特徴とする請求項24記載の析出物の除去装置。
  26. 前記粒子形成部の上流側及び下流側の前記キャリアガス流路に、前記キャリアガス流路の断面積よりも大きな断面積を有するキャリアガス整流用ポケットを有することを特徴とする請求項24または25記載の析出物の除去装置。
  27. 前記洗浄ガス噴出口と前記支持面との距離が0.1mm以上15mm以下であることを特徴とする請求項24ないし26いずれか1項記載の析出物の除去装置。
  28. 前記洗浄ガスの噴射圧が、600kPa以上4000kPa以下であることを特徴とする請求項17ないし27いずれか1項記載の析出物の除去装置。
  29. 前記洗浄ノズルは、前記支持体の幅方向に配される複数のノズルであることを特徴とする請求項17ないし28いずれか1項記載の析出物の除去装置。
  30. 前記支持体が、キャスティングドラムであることを特徴とする請求項17ないし29いずれか1項記載の析出物の除去装置。
  31. 前記析出物が、脂肪酸、脂肪酸エステル、及び脂肪酸金属塩のいずれかを含むことを特徴とする請求項17ないし30いずれか1項記載の析出物の除去装置。
  32. 前記ポリマーが、セルロースアシレートを含むことを特徴とする請求項17ないし31いずれか1項記載の析出物の除去装置。
  33. 前記セルロースアシレートが、セルローストリアセテート、セルロースアセテート、プロピオネート又はセルロースアセテートブチレートのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項17ないし32いずれか1項記載の析出物の除去装置。
JP2007047027A 2006-03-10 2007-02-27 溶液製膜方法及び溶液製膜設備 Active JP4792412B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007047027A JP4792412B2 (ja) 2006-03-10 2007-02-27 溶液製膜方法及び溶液製膜設備

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006065726 2006-03-10
JP2006065726 2006-03-10
JP2007047027A JP4792412B2 (ja) 2006-03-10 2007-02-27 溶液製膜方法及び溶液製膜設備

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007269013A true JP2007269013A (ja) 2007-10-18
JP4792412B2 JP4792412B2 (ja) 2011-10-12

Family

ID=38672270

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007047027A Active JP4792412B2 (ja) 2006-03-10 2007-02-27 溶液製膜方法及び溶液製膜設備

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4792412B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008230219A (ja) * 2007-02-23 2008-10-02 Fujifilm Corp 溶液製膜方法

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0571025B2 (ja) * 1988-05-31 1993-10-06 Diafoil Hoechst Co Ltd
JPH07132270A (ja) * 1993-11-10 1995-05-23 Toray Ind Inc 液体除去装置
JPH1028901A (ja) * 1996-07-16 1998-02-03 Nippon Sanso Kk 噴射方向可変ノズル
JPH1150284A (ja) * 1997-07-31 1999-02-23 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 鋼板の脱脂方法及び装置
JPH11221833A (ja) * 1998-02-06 1999-08-17 Fuji Photo Film Co Ltd セルロースエステルフィルムの製造方法およびセルロースエステル光学フィルム
JP2001277116A (ja) * 1999-10-13 2001-10-09 Nippon Sanso Corp ドライアイススノー噴射洗浄装置と洗浄方法
JP2004270015A (ja) * 2003-03-12 2004-09-30 Jfe Steel Kk 材料表面の洗浄方法及び洗浄装置
JP2005108965A (ja) * 2003-09-29 2005-04-21 Matsumiya Handotai Kenkyusho:Kk 太陽電池セルの製造方法及びその太陽電池セル
JP2005111575A (ja) * 2003-10-03 2005-04-28 Hitachi Industries Co Ltd Co2スノー噴射装置およびco2スノー噴射方法
JP2005319535A (ja) * 2004-05-10 2005-11-17 Hitachi Industries Co Ltd Co2ブラストノズルとそれを用いた加工装置

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0571025B2 (ja) * 1988-05-31 1993-10-06 Diafoil Hoechst Co Ltd
JPH07132270A (ja) * 1993-11-10 1995-05-23 Toray Ind Inc 液体除去装置
JPH1028901A (ja) * 1996-07-16 1998-02-03 Nippon Sanso Kk 噴射方向可変ノズル
JPH1150284A (ja) * 1997-07-31 1999-02-23 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 鋼板の脱脂方法及び装置
JPH11221833A (ja) * 1998-02-06 1999-08-17 Fuji Photo Film Co Ltd セルロースエステルフィルムの製造方法およびセルロースエステル光学フィルム
JP2001277116A (ja) * 1999-10-13 2001-10-09 Nippon Sanso Corp ドライアイススノー噴射洗浄装置と洗浄方法
JP2004270015A (ja) * 2003-03-12 2004-09-30 Jfe Steel Kk 材料表面の洗浄方法及び洗浄装置
JP2005108965A (ja) * 2003-09-29 2005-04-21 Matsumiya Handotai Kenkyusho:Kk 太陽電池セルの製造方法及びその太陽電池セル
JP2005111575A (ja) * 2003-10-03 2005-04-28 Hitachi Industries Co Ltd Co2スノー噴射装置およびco2スノー噴射方法
JP2005319535A (ja) * 2004-05-10 2005-11-17 Hitachi Industries Co Ltd Co2ブラストノズルとそれを用いた加工装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008230219A (ja) * 2007-02-23 2008-10-02 Fujifilm Corp 溶液製膜方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4792412B2 (ja) 2011-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101365504B1 (ko) 용액 캐스팅 방법 및 석출물 제거 장치
KR101275609B1 (ko) 용액 캐스팅 방법
KR101376122B1 (ko) 폴리머 필름의 제조방법
JP4749741B2 (ja) テンタ式乾燥機及び溶液製膜方法
JP4901249B2 (ja) ポリマーフイルムの製造方法
KR101258567B1 (ko) 폴리머 필름의 제조방법 및 폴리머 필름의 제조장치
US20060076707A1 (en) Cellulose acylate film and production method thereof
JP2010046911A (ja) テンター装置及びそれを用いた溶液製膜方法
JP4915812B2 (ja) 溶液製膜方法及び洗浄装置
JP2007237661A (ja) 溶液製膜方法
JP4915813B2 (ja) 溶液製膜方法
JP2009066982A (ja) 溶液製膜方法及び洗浄装置
JP2008221760A (ja) 溶液製膜方法及び溶液製膜設備
KR20080088522A (ko) 캐스팅 장치, 도프 도포 방법 및 용액 캐스팅 방법
JP2009066983A (ja) 溶液製膜方法及び洗浄装置
JP2007261068A (ja) テンタの送風装置及びポリマーフィルムの製造方法
JP2008188941A (ja) 溶液製膜方法及び溶液製膜設備
KR101337323B1 (ko) 용액 캐스팅 방법
JP2008260925A (ja) セルロースアシレートフィルムの製造方法
JP4792412B2 (ja) 溶液製膜方法及び溶液製膜設備
JP2008260271A (ja) 溶液製膜設備及び溶液製膜方法
KR20080113042A (ko) 폴리머 필름의 제조 장치 및 제조 방법
JP4789765B2 (ja) ポリマーフィルムの製造方法及びテンタ式乾燥装置
JP2009029024A (ja) 溶液製膜方法及び設備
JP5037879B2 (ja) 流延装置、溶液製膜設備、流延膜の形成方法及び溶液製膜方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110420

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110617

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110629

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110725

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140729

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4792412

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250