JP2005319535A - Co2ブラストノズルとそれを用いた加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
COブラスト加工に用いる一つのノズルにおいて、液化炭酸の急減圧の状態を変えずに、ドライアイス粒子の加工面への衝突速度を連続して変化させることができ、ノズルが詰まることによるブラストの不安定さを無くすことが求められている。
【解決手段】
液化炭酸及びアシストガスにそれぞれ専用のオリフィスを設け、アシストガス専用オリフィスの二次側に長い管を設けると共に、液化炭酸専用オリフィスを前記長い管の側面に設けた構成とすることで、液化炭酸専用のオリフィスの二次側を、アシストガスの二次側に配置されるようにして、アシストガスの一次側圧力にかかわらず、ドライアイス粒子の径や量を一定に生成できる構成とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、微細加工を行うCOブラストノズルに係り、特に、一つのノズルにおける、ドライアイス粒子の速度制御範囲を広くすることが可能なノズル構造とそれを用いた加工装置に関する。
従来、この種のブラスト技術では、ブラスト材としてシリコン粒子やプラスチック粒子を加工面に吹き付け加工を行うサンドブラスト法が主流である。この方法では、加工後、加工面にブラスト材が残留する問題があり、加工後に洗浄を必要とする。そこで、COブラスト法と呼ばれる、ブラスト材として液化炭酸の急減圧によって生成される微細なドライアイス粒子を使用することで、加工後の洗浄を必要としないクリーンな加工方法(例えば,特許文献1参照。)が提案されている。また、この種の技術において、加工面に衝突する微細なドライアイス粒子の噴射速度を増加させるため、液化炭酸に加えて,アシストガスと呼ばれる圧縮した気体を同一ノズルから噴射する方法(例えば、特許文献2参照。)も提案されている。
特開平9−183064号公報
U.S.P 5,405,283
特許文献1記載の手法では、液化炭酸の流量によって、ドライアイス粒子の流量や速度が決まってしまい、これらを個別に制御する方法が無い。
また、COブラストによる加工は、COブラスト洗浄と比較して大きな衝突エネルギーを必要とするため、液化炭酸の急減圧のエネルギー以外に加速手段の無い前記特許文献1記載の手法では衝突エネルギーが低く、実用的ではない。
また、特許文献2記載の手法は、膨張室と呼ばれるオリフィスを備えた一つの空間に液化炭酸とアシストガスを同時に導入するものである。
膨張室において、前記オリフィスとは別の液化炭酸専用オリフィスを持って液化炭酸を急減圧して生成されるドライアイス粒子は、液化炭酸が急減圧する際にドライアイス粒子と同時に得られるCOの気体分及びアシストガスがオリフィスを通過する時の高速の流れに乗って噴射されるため、高いエネルギーで加工面に衝突し、効率的な加工が可能である。
しかしながら、液化炭酸の流量、膨張室及びオリフィスの寸法、アシストガスの流量を決定して設計したノズルにおいて、例えば、ドライアイス粒子の加速を目的として、アシストガスの流量を増加した場合、膨張室の圧力が増加し、これによって、液化炭酸の供給圧力と膨張室圧力の差圧が小さくなることから、液化炭酸の流量が少なくなる。更に、液化炭酸の流量変化と、膨張室圧力の変化によって、ドライアイス粒子の径や量といった生成状態が変化する。従って、設計値に対して、ドライアイス粒子の速度のみを変化させることができない。これは、一つのノズルのブラスト速度制御範囲が狭く、複数の条件でのブラストが困難であることを意味する。
また、オリフィスの上流側でドライアイス粒子を生成するため、オリフィスにドライアイス粒子が詰り、ブラスト状態が不安定となる問題がある。
また、膨張室内では液化炭酸が急減圧するため温度が低下しており、液化炭酸又はアシストガスに水分が含まれている場合、低温により固体化した水分がオリフィスに詰り、ブラスト状態が不安定になる問題がある。
それゆえ本発明の目的は、後洗浄を必要としないCOブラスト法において、ドライアイス粒子の速度制御範囲が広く、安定してドライアイス粒子を加工面に衝突させることが可能なブラストノズルを提供することにある。
上記目的を達成するため本発明は、液化炭酸及びアシストガスにそれぞれ専用のオリフィスを設け、アシストガス専用オリフィスの下流側に長い管を設けると共に、液化炭酸専用オリフィスを前記アシストガス専用オリフィスの下流側に設けた構成とした。
前記のようにすることによって、液化炭酸専用のオリフィスの二次側は,アシストガスの二次側でもあることから、ドライアイス粒子の径や量等の生成状態は、アシストガスの流量変化を受けづらく、アシストガスの一次側圧力にかかわらず、同一状態のドライアイス粒子を得ることが可能となる。
この結果、一つのノズルにおいて、ドライアイス粒子の加工面への衝突速度を、アシストガスの一次側の圧力を変化させることで、低速から高速まで、連続して制御することが可能となる。このことは、例えば、一つのノズルで、試料に対して、加工始めは加工レートの高い状態で加工、終点近傍でレートが低くかつソフトな状態での加工と連続して実施可能なことを示している。
液化炭酸専用オリフィスの二次側には細い管路は無いことから、生成したドライアイス粒子が管路に詰り、ブラスト状態が不安定になることは無い。同様の理由により、液化炭酸中に水分が含まれており、これが液化炭酸の急減圧時に固体化した場合においても管路に詰り、ブラスト状態が不安定になることは無い。
アシストガスの断熱膨張は、アシストガス専用オリフィス通過時及び通過後に起こる。従って、アシストガス中に水分が含まれていた場合において、アシストガスの断熱膨張により、アシストガス中の水分が固体化したとしても、この時は既にアシストガス専用オリフィスを通過しており、アシストガス専用オリフィスと前記管の出口間には細い部分が無いことから、固体化した水分が管路に詰り、ブラスト状態が不安定になることは無い。
また、本発明のノズルにおいて、アシストガスに気体COを用い、使用済みのCOを精製し再利用する。このため、回収気体中のCOの割合が高くなり、回収設備が単純化、低価格化する。この結果、装置全体の使用エネルギーが低減でき、ランニングコストの低下及び環境負荷の低減が可能である。
以下、図1乃至図3に示す一実施例に基づいて、本発明方法を説明する。
図1は、本発明ブラストノズルの概要を説明するノズル断面図である。図1において、COブラストを行うブラストノズル本体1の一方端側には、アシストガス導入口2が設けられている。このアシストガス導入口2に連通してアシストガス一次室3が設けてある。アシストガス1次室3の先にはオリフィスを構成する絞り4が設けられている。絞り4の先には、絞り4を通過したアシストガスを加速するための拡大管5が設けてある。拡大管5の先には、噴射口7から噴射されるブラストが周囲に広がらないように平行化するためのストレート管6が形成されている。拡大管5の近傍には、液化炭酸供給口8が設けてあり、この液化炭酸供給口8から供給された液化炭酸を一次蓄える液化炭酸一次室9が拡大管5の周囲にリング状の溝で形成されている。この液化炭酸一次室9と拡大管5とを連通する液化炭酸用オリフィス10が、拡大管5又はストレート管6の周囲に複数個の貫通穴で形成されている。本ノズルにはアシストガス一次室3の圧力をリアルタイムで計測するために圧力センサが取り付けられるように、アシストガス一次室圧力計測口11が設けてある。このアシストガス一次室圧力計測口11には、図2において説明するアシストガス一次側圧力センサ12が取り付けられる。
図2は本発明ノズルの外観を示した図である。図2に示すように、ノズル本体1の外側には、アシストガス一次側圧力センサ12や、噴射口7近傍の温度を測定するための噴射口温度測定用熱電対13が設けてある。また、液化炭酸供給口8に液化炭酸供給部とジョイントするための接続部8jとアシストガス供給部とジョイントするための接続部2j等が設けてある。
図3は本発明ノズルの外観を示した図である。図2との相違点は、液化炭酸供給部とアシストガス供給部をさらに詳細に示したもので、基本的構成は代わりがない。すなわち、図3において、図示していない液化炭酸供給用タンクとの間を接続する、液化炭酸供給用の他の接続部14jを介して、液化炭酸供給圧力センサ15や液化炭酸温度測定用熱電対16及び、液化炭酸遮断弁17が接続部8jに接続されている。液化炭酸供給圧力センサ15は、液化炭酸供給口14より供給される液化炭酸の圧力を測定するために設けたものであり、液化炭酸温度測定用熱電対16は液化炭酸供給口14より供給される液化炭酸の温度を測定するために設けてある。また、液化炭酸遮断弁17は、ノズル内に供給する液化炭酸の供給や遮断を行うためのものである。また、図示していないアシストガスタンクと接続するためのアシストガス接続部18jと、ノズル側の接続部2jとの間にアシストガス遮断弁19が設けてある。このアシストガス遮断弁19によりアシストガスの供給を制御する。なお、液化炭酸遮断弁17は駆動部17dで弁の開閉が制御され、アシストガス遮断弁19は駆動部19dで弁の開閉が制御される。
さらに、図が煩雑化するため記載していないが、液化炭酸供給用の接続部14jの上流側には、液化炭酸増圧ポンプ及び熱交換器が設置されている。液化炭酸供給圧力センサ15と増圧ポンプ、液化炭酸温度測定用熱電対16と熱交換器の間には、それぞれフィードバック制御回路が組まれており、ブラストノズル1に供給する液化炭酸の圧力及び温度を一定に保つことが可能となっている。
また、図が煩雑化するため記載していないが、アシストガス接続部18j上流にはアシストガスの流量制御弁が設けてある。アシストガス噴射中は、常に、アシストガス一次側圧力センサ12でアシストガス一次室3の圧力を監視し、アシストガスの流量制御弁とアシストガス一次側圧力センサ12のフィードバック制御を行って、アシストガス一次室3の圧力を一定に保つことで、アシストガスの噴射速度を一定に保つことができるようになっている。
以下、図1乃至図3を用いて、本発明におけるCOブラストの手順を説明する。
液化炭酸は、ボンベ又はその他の設備から、増圧ポンプ及び熱交換器を介して、接続部14jからブラストノズル1に供給される。
ここで、液化炭酸の流量は,液化炭酸用オリフィス10の径を固定した場合,液化炭酸用オリフィス10の一次圧と二次圧の差圧で決まる。また、液化炭酸用オリフィス10の二次圧はアシストガスの流量によって決まる。従って、液化炭酸の流量は、液化炭酸供給用の接続部14jに供給する液化炭酸を高圧とした方がアシストガスの流量の変動を受けにくくなる。しかしながら、液化炭酸の供給圧力を極端に高くすることは、耐圧を必要とすることから部品が高価になること及び液化炭酸が圧縮されることにより高温になり、熱交換器に余分なエネルギーを必要とするといった問題もある。従って、本実施例において、液化炭酸供給用の設続部14jを介して供給する液化炭酸は、8MPa、20℃としている。
アシストガスは、ボンベ又はその他の設備から、アシストガス接続部18jを介してブラストノズル1に供給される。なお、本実施例において,アシストガスは気体COを使用している。
ブラストを行っていない間は、液化炭酸供給用の接続部14j及びアシストガス接続部18jから供給された液化炭酸及びアシストガスは、それぞれ液化炭酸遮断弁17及びアシストガス遮断弁19によって遮断され、ブラストノズル1には供給されていない。
ブラストを開始するに当たり、先ず、アシストガス遮断弁19を開き、アシストガスをアシストガス一次室3に導入する。同時にアシストガス圧力のアシストガス一次室3におけるフィードバック制御を開始し、アシストガス一次室3の圧力を安定させる。
ブラスト開始時におけるアシストガス一次室3の圧力は加工対象物やノズルの寸法等によって異なるが、以下3MPaの例で説明する。
アシストガス一次室3に導入されたアシストガスは、絞り4によって音速まで加速され、ついで、拡大管5によって超音速に加速される。超音速に加速されたアシストガスは、ストレート管6を通って、噴射口7より大気中に噴射される。なお、アシストガス一次室3の圧力を3MPaとしていることから、絞り4部におけるアシストガスの圧力は1.7MPa、拡大管5出口付近では0.1MPa程度である。また、拡大管5における液化炭酸用オリフィス10の出口付近の圧力は、0.5MPa程度となる。
アシストガス一次室3の圧力安定後、液化炭酸遮断弁17を開くことで、液化炭酸は、液化炭酸導入口8を通って、液化炭酸一次室9に導かれる。液化炭酸一次室9に導かれた液化炭酸は、液化炭酸用オリフィス10を通って拡大管5内に噴射される。この時の液化炭酸用オリフィス10における一次圧と二次圧の差圧は7.5MPaである。
拡大管5における液化炭酸用オリフィス10の出口付近の圧力は0.5MPa程度であることから、拡大管5内に噴射された液化炭酸は急減圧し、微細なドライアイス粒子を生成する。生成されたドライアイス粒子は、拡大管5内を流れる高速のアシストガスによって加速され、アシストガスと共にストレート管6を通って噴射口7から噴射され、加工面を加工する。
この時、絞り4部の圧力が拡大管5出口に対して高く、アシストガスは噴射口7に向かって連続して流れていることから、生成されたドライアイスが絞り4部の方向に逆流し、絞り4部を詰まらせ、ブラスト状態が不安定になることは無い。
次に、前記状態から、ドライアイス粒子の速度を低速にする方法について説明する。なお、本発明において、ドライアイス粒子速度の変更は連続して行うことが可能であり、液化炭酸遮断弁17又はアシストガス遮断弁19を一旦閉じる必要は無い。
前記状態より、アシストガス一次室3の設定圧力を3MPaから、例えば、1MPaに変更する。この結果、絞り4部におけるアシストガスの圧力は0.6MPa、拡大管5における液化炭酸用オリフィス10の出口付近の圧力は、0.2MPa程度に低下する。拡大管5出口付近では0.1MPa程度とアシストガス一次室3の設定圧力が3MPaの場合と同等である。
アシストガス一次室3の設定圧力を3MPaから1MPaに変更した結果、アシストガスの流量が低下し、アシストガスがドライアイス粒子を加速する能力が低下する。このため噴射口7より噴射されるドライアイス粒子の速度を低下することができ、ソフトな加工が可能となる。
また、この状態から、アシストガス一次室3の設定圧力を高くすることで、再びドライアイス粒子の速度を増加させることが可能である。
本発明の目的は、ドライアイス粒子の速度のみを連続して変化可能なことにある。従って、上記のように速度を変化させた場合においてもドライアイス粒子の径や量はほとんど変わらないことが必要である。
アシストガス一次室3の設定圧力を1MPaとした場合においても、液化炭酸の供給圧力は8MPaのまま変更しないため、液化炭酸用オリフィス10における一次圧と二次圧の差圧は7.8MPaである。従って、アシストガス一次室3の設定圧力が3MPaの時と比較して、4%程度上昇したに過ぎない。
また、拡大管5における液化炭酸用オリフィス10の出口付近の圧力は、アシストガス一次室3の設定圧力が3MPa、1MPaの場合、それぞれ0.5MPa、0.2MPaであり、液化炭酸の性質から、この圧力範囲において得られるドライアイス粒子に差異は無い。
従って、アシストガス一次室3の設定圧力を変更した場合においても、液化炭酸用オリフィス10における一次圧と二次圧の差圧及び拡大管5における液化炭酸用オリフィス10の出口付近の圧力に差が無いことから、生成されるドライアイス粒子の径や量はほとんど変わらない。
なお、本実施例においてはアシストガス一次室3の設定圧力を1〜3MPaの間において説明したが、本発明におけるアシストガス一次室3の設定圧力は、この範囲に限るものではない。
以上説明した実施例に関わらず次のように実施してもよい。
アシストガスに気体COに変えてNやAr、圧縮空気等を用いてもよい。
ブラストの開始にあたり、アシストガス遮断弁19を開く前に、液化炭酸遮断弁17を開き、ドライアイス粒子の生成を行ってもよい。また、アシストガス遮断弁19、液化炭酸遮断弁17を同時に開いてもよい。
次に、本COブラストノズルを用いたブラスト加工装置を、図4を用いて説明する。図4はCOブラストノズルを加工装置全体の斜視図である。
本装置は、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略す。)のバリアリブ加工を行う装置ある。図において101は加工対象物であるPDP背面パネルで、ベースとなるガラス基板上にアドレス電極や保護膜等が形成されており、その表面を加工対象であるバリアリブペースト材が額縁状に塗布、乾燥して形成されており、最表面にはドライコート及びエッチングで形成されたマスクがある。100は加工機本体、110はハウスラインより加工機本体100及びその他のユニットにドライガス、補助気体、液化炭酸、大気等を供給する供給管、120は加工機本体100内部の処理室から使用後のCOや加工屑を排出するための排気管で、その末端は121に示す集塵フィルタ及び排気ポンプに接続されている。122は集塵フィルタ及び排気ポンプ121から下流から加工に使用したCOや加工屑を排気する排気管で、その末端はハウスラインに接続される。123は加工機本体100内部にドライガスを導入するためのドライガス供給管、200は予備加熱及びドライガス置換ユニット、201は予備加熱及びドライガス置換ユニット内部の大気を排出するための排気管で、その末端はハウスラインに接続される。202は予備加熱及びドライガス置換ユニット内部にドライガスを導入するためのドライガス供給管で、予備加熱及びドライガス置換ユニット200の上部からシャワー状に内部へドライガスを供給する。300は大気置換ユニットで、図が煩雑化するため記載していないが、予備加熱及びドライガス置換ユニット200と同様に、内部の気体を排出する排気管を持っており、その末端は、排気管201と同様にハウスラインに接続される。302は大気供給管で、大気置換ユニット300の上部からシャワー状に内部へ大気を供給する。400は入り口コンベアユニット、401は供給されたPDP背面パネル101を適切な位置に設置するための位置決め機構を示している。なお、予備加熱及びドライガス置換ユニット200及び加工装置本体100、大気置換ユニット300の上流及び下流側には、それぞれシャッタを備えており、PDP背面パネル101の搬入及び搬出の際には、本シャッタを開閉する機構となっている。なお図示していないが、各ユニット内を加工対象物が所定の速度で移動するベルトコンベア又は搬送ローラからなる加工対象物移動機構が設けてある。
以下、本実施例によるPDP背面パネル101の加工手順を説明する。なお、本実施例で使用するドライガスは窒素であるが、ドライな状態であり、反応性の無いアルゴン等の気体も使用可能である。また、補助気体には窒素を用いているが、ドライガスと同様にドライな状態であり、反応性の無いアルゴン等の気体も使用可能である。また、すべてのユニットにおいて、ヒータは常時加温状態となっている。
PDP背面パネル101は、上流側の装置からコンベア又はロボットによって入り口コンベアユニット400の搬送ローラ上に搬送される。次いで、位置決め機構401を持ってPDP背面パネル101をセンタリングする。
予備加熱及びドライガス置換ユニット200は、予め、内部にPDP背面パネル101が無く、内部は大気で充満されている。
次いで、ドライガス置換ユニット200の入り口コンベアユニット400側のシャッタを開き、入り口コンベアユニット400及び予備加熱及びドライガス置換ユニット200の搬送ローラを駆動させ、PDP背面パネル101を予備加熱及びドライガス置換ユニット200内部に取り込み、シャッタを閉じ、予備加熱及びドライガス置換ユニット200内部を外部と遮断する。
予備加熱及びドライガス置換ユニット200にPDP背面パネル101を送り込んだ時点で、入り口コンベアユニット400は、次のPDP背面パネル101を受け入れ可能な状態になる。
次いで、予備加熱及びドライガス置換ユニット200内部の大気を排気管201をもって排出し、同時にドライガス供給管202からドライガスを供給することで、予備加熱及びドライガス置換ユニット200内部をドライな雰囲気に置換する。この時、同時に、ヒータによって、PDP背面パネル101は予備加熱されている。
加工装置本体100内部は、予めドライな雰囲気に置換されている。
次いで、予備加熱及びドライガス置換ユニット200の上流側シャッタ及び加工装置本体100の下流側シャッタを開き、予備加熱及びドライガス置換ユニット200の搬送ローラ及び加工装置本体100の搬送ローラを駆動させ、PDP背面パネル101を予備加熱及びドライガス置換ユニット200から加工装置本体100へ搬送する。
PDP背面パネル101が完全に加工装置本体100へ搬送された後、予備加熱及びドライガス置換ユニット200の上流側シャッタ及び加工装置本体100の下流側シャッタを閉じる。なお、前述のように、加工装置本体100内部にはPDP背面パネル101が複数枚入るスペースがあり、加工装置本体100に取り込まれた直後のPDP背面パネル101は、最も上流側で待機状態となり、ここで再びヒータからの加熱を受ける。
予備加熱及びドライガス置換ユニット200は、PDP背面パネル101を加工装置本体100へ受け渡し、シャッタを閉じた後、排気管201をもって内部のドライガスを排出すると同時に、ドライガス供給管202から大気を導入し、内部を大気置換することで、次のPDP背面パネル101を受け入れ可能な状態となる。
加工装置本体100は、PDP背面パネル101を受け入れた後、排気管120を通して、内部のドライガスを排気管122へと排出すると同時に、ドライガス供給管123からドライガスを供給し、内部に一方向の流れ場を形成する。
同時にドライアイス粒子を生成し、ブラストを開始する。また、必要な場合は、加工対象物に対して、COブラストが常に垂直に衝突するようにノズル部分を振る、いわゆる振り動作を開始する。
ブラストの圧力が安定した時点で、搬送ローラを動作させ、PDP背面パネル101をブラストの領域に送り、加工を開始する。
加工中は常時、図示していない非接触温度計でPDP背面パネル101の温度を測定し、温度低下により結露が発生する恐れのある場合は、ヒータ温度上昇、搬送速度上昇、補助気体供給圧力上昇の内のいずれか、又は複数の手法を持って温度回復を行う。逆に、必要以上にPDP背面パネル101の温度が上昇している場合は、ヒータ温度降下、搬送速度低下、補助気体供給圧力減少の内のいずれか、又は複数の手法を持って温度回復を行う。
加工装置本体100にて加工を行っている間に、大気置換ユニット300はドライガス雰囲気に置換されている。
加工装置本体100内部で、PDP背面パネル101が加工、搬送されることによって、加工装置本体100内部下流端近傍に来た時、加工装置本体100下流側のシャッタと大気置換ユニット300上流側のシャッタを開き、同時に大気置換ユニット300の内部を排気、搬送ローラを駆動させ、PDP背面パネル101を大気置換ユニット300に搬送する。この時、加工装置本体100では加工を行っていてもかまわない。
PDP背面パネル101が完全にノズルヘッドユニット140及び141の下を通過した時点で、ドライアイス粒子の生成を停止する。
PDP背面パネル101が完全に大気置換ユニット300に搬送された時点で、装置本体100下流側のシャッタと大気置換ユニット300上流側のシャッタを閉じる。この時点で、装置本体100は、次のPDP背面パネル101を受け入れ可能状態となる。
大気置換ユニット300は、PDP背面パネル101を受け入れ、シャッタを閉じた時点で、PDP背面パネル101の温度モニタを行う。これは、加工によってPDP背面パネル101の温度が低下している可能性があるためである。大気置換ユニット300内部のヒータによって、PDP背面パネル101の温度が十分に回復した時点で、ドライガスの排気を行い、同時に大気供給間302より大気を導入し、内部を大気置換する。このように、ノズルの噴射孔(解放端7)からのドライアイス粒子の噴射を間隔をあけて複数で行い、加工速度を加工対象物の温度に依存させるようにしたブラスト加工方法を構成する。
次いで、大気置換ユニット300下流側のシャッタを開き、搬送ローラを駆動させ、PDP背面パネル101を排出する。
排出されたPDP背面パネル101は次工程の装置のコンベアもしくはロボットが受け取る。
大気置換ユニット300は、PDP背面パネル101を完全に排出した後、大気置換ユニット300下流側のシャッタを閉じ、排気管より内部の大気を排気すると同時に、大気供給管302よりドライガスを供給し、内部をドライガスに置換することで、次のPDP背面パネル101を受け入れ可能状態となる。
以上を連続して行うことで、PDP背面パネル101の加工が可能である。
以上のように、加工対象物に粒子を衝突させ、衝突時の物理エネルギーを持って加工対象物を切削するものであり、加工対象物に衝突させる粒子に液化炭酸あるいは液化アルゴンを急減圧することによって生成した微細なドライアイス粒子を用いるブラスト加工装置を用いたブラスト加工方法において、ノズルの内部に形成したオリフィスに液体炭酸あるいは液化アルゴン供給装置および補助気体供給装置に接続された開口部から補助気体を導入して断熱膨張させてドライアイス粒子を形成、加速し、ノズルの噴射口から加工対象物に衝突させるものであって、ノズル噴射口からのドライアイス粒子の噴射を、間隔をあけて複数で行い、加工速度を加工対象物の温度に依存させたブラスト加工方法が構成される。
本発明ノズルの概要を示した図である。 本発明ノズルの外観を示した図である。 本発明ノズルの外観を示した図である。 本発明のノズルを用いた加工装置の外観を示した図である。
符号の説明
1…ブラストノズル、2…アシストガス導入口、3…アシストガス一次室、4…絞り、5…拡大管、6…ストレート管、7…噴射口、8…液化炭酸導入口、9…液化炭酸一次室、10…液化炭酸用オリフィス、11…アシストガス一次室圧力計測口、12…アシストガス一次側圧力センサ、13…噴射口温度測定用熱電対、14…液化炭酸供給口、15…液化炭酸供給圧力センサ、16…液化炭酸温度測定用熱電対、17…液化炭酸遮断弁、18…アシストガス供給口、19…アシストガス遮断弁。

Claims (2)

  1. 液化炭酸を急減圧することで微細なドライアイス粒子を生成し、前記ドライアイス粒子を他の高速気体に混入する混入部と、前記高速気体と一緒に前記ドライアイス粒子を吐出する吐出口を備えたCOブラストノズルにおいて、
    前記高速気体生成用のオリフィスの下流側に前記液化炭酸を急減圧するためのオリフィスを設けた構成としたことを特徴とするCOブラストノズル。
  2. 加工対象物を搬入する入り口コンベアユニットと、前記加工対象物を呼び加熱すると共に装置内をドライガス雰囲気に置換するドライガス置換ユニットと、前記加工対象物にCOブラストを吹き付けて加工を行う加工ユニット部と、加工された加工対象物を大気状態に戻す大気置換ユニットと、前記各ユニット内に前記加工対象物を所定の速度で移動させる加工対象物移動機構と、各ユニット間を仕切るためのシャッタ機構とからなる加工装置において、
    前記加工ユニットには、前記加工対象物の移動方向に対して直角方向に複数のCOブラストノズルを設けたノズルヘッドユニットが設けてあり、前記COブラストノズルが高速気体生成用オリフィスの下流側に液化炭酸ガスをヘッド内に供給しCOブラスト生成するためのオリフィスを設けた構成としたことを特徴とする加工装置。
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