JP2007267854A - 介護リフター - Google Patents

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Abstract

【課題】身体障害者が利用する上で、より安全性を向上させた介護リフターを提供する。
【解決手段】懸吊ベルトと該懸吊ベルトを巻き上げるモータと操作手段からの入力に基づき前記モータを駆動する制御部とを備え、前記懸吊ベルトを巻き上げて被懸吊者を吊り上げる介護リフターであって、前記モータによる前記懸吊ベルトの巻き上げ量を検出する巻き上げ量検出手段と、前記制御部が前記モータを巻き上げ方向に駆動制御しているときに前記巻き上げ量検出手段にて検出される前記巻き上げ量の所定時間内での増加が所定値以下であれば異常と判定するモータ異常判定手段と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、片半身あるいは下半身が不自由な身体障害者であっても、自己の操作あるいは介助者の操作で所望の場所へ移動することが可能な介護リフターに関し、特に安全に懸吊することが可能な介護リフターに関する。
片半身あるいは下半身が不自由な身体障害者が生活を送る上で、一番障害となっているのは自身でのベッドから車椅子へあるいはポータブルトイレ等への移動が困難であると云うことである。
そこで、本出願人により特許文献1に記載の介護リフターが提案されている。この特許文献1の介護リフターは、介護リフターの利用者となる被懸吊者が衣服型吊り具を装着して、吊り具の所定位置に懸吊ベルトを連結した後、リモコン操作することによって懸吊ベルトを巻き上げて被懸吊者を吊り上げ、その状態でレールに沿って移動し、所定の場所で懸吊ベルトを巻き下げ着座するように構成されている。この装置によれば、被懸吊者が容易に希望する場所へ移動することができるため、身体障害者の生活を支援する上で非常に効果が大きい。
また、この特許文献1の介護リフターは、被懸吊者を吊り上げするときに複数の懸吊ベルトにかかる張力を検出して、複数の懸吊ベルト間での張力バランスを監視するように構成されている。この構成により、懸吊ベルトの外れや引っ掛かりによる荷重異常を検出して、被懸吊者の安全性確保を図っている。([0039]、[0065])
特開2002−65765号公報
しかしながら、特許文献1に開示された従来の介護リフターでは、複数の懸吊ベルト間での張力バランスから吊り上げ時の異常を検出することが可能となるものの、これら懸吊ベルトを巻上げるモータの劣化に起因した吊り上げ時の異常については検出することができなかった。
即ち、従来の介護リフターでは、経年変化などによりモータのパワーが劣化している場合に被懸吊者の吊り上げ(上昇)指示を入力すると、被懸吊者の体重にモータのトルクが負けてしまい、被懸吊者を吊り上げることができず、吊り上げ動作中にモータが反転動作してしまう可能性がある。この場合、上昇指示を入力しているにも拘らず、被懸吊者がゆっくりと下降してしまう。このため、従来の介護リフターは、安全確保の点で十分とは云えなかった。
そこで、本発明は、身体障害者が利用する上で、より安全性を向上させた介護リフターを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、懸吊ベルトと、該懸吊ベルトを巻き上げるモータと、操作手段からの入力に基づき前記モータを駆動する制御部とを備え、前記懸吊ベルトを巻き上げて被懸吊者を吊り上げる介護リフターであって、前記モータによる前記懸吊ベルトの巻き上げ量を検出する巻き上げ量検出手段と、前記制御部が前記モータを巻き上げ方向に駆動制御しているときに前記巻き上げ量検出手段にて検出される前記巻き上げ量の所定時間内での増加が所定値以下であれば異常と判定するモータ異常判定手段とを備えた介護リフターを提供する。
通常、モータは制御部からの指示により駆動して懸吊ベルトを巻き上げる。しかしながらモータが劣化してトルクが低下してくると、被懸吊者の体重にトルクが負ける現象が起こる可能性がある。この現象は、特に、モータに対して最も負荷が大きくなる巻き上げ制御中において発生する。そこで、本発明による介護リフターでは、制御部からモータへの制御指示と、懸吊ベルトの巻き上げ量との不整合を検出してモータの異常を判別する。特に、モータに対して負荷が大きい巻き上げ制御中において異常の発生を判定する。
これにより、被懸吊者を吊り上げる場合に、吊り上げ動作が安全に実行されないことを検出でき、安全性を向上できる。
また、好ましくは、更に、前記モータにより回転されて前記懸吊ベルトを巻き上げるベルト駆動プーリを備え、前記巻き上げ量検出手段は、前記ベルト駆動プーリの回転量を検出する回転検出手段であり、前記モータ異常判定手段は、前記制御部が前記モータを巻き上げ方向に駆動制御しているときに前記ベルト駆動プーリの巻き上げ方向への回転量が所定値以下であれば異常と判定する介護リフターを提供する。
さらに、好ましくは、前記制御部は、前記モータ異常判定手段にて異常と判定されると、前記操作手段から前記モータの巻き上げに係る操作信号の入力を受けても前記モータの制御を禁止する介護リフターを提供する。
本発明に係る介護リフターによれば、被懸吊者を吊り上げる場合に、ベルトの巻き上げが指示されているにも拘らずベルトが巻き上がっていないことを検知できる。これにより、ベルトを巻き上げるモータのパワーが被懸吊者Mの体重に負けてしまい、吊り上げ動作が安全に実行されないことを検出でき、安全性を向上できる。
特に、吊り上げ動作中にモータが反転動作してしまい、被懸吊者が下降してしまうような非常事態を防止できる。
更に、モータの異常が判定されると、以降、操作手段による巻き上げ操作が無効となるため、二次的な被害を防止でき、特に安全性を向上させている。また、無効とされるのは巻き上げ操作のみであるために、被懸吊者は他の操作を入力して安全に退避することが可能となる。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて、詳細に説明する。まず本発明の装置が適用される介護リフターの全体構成について図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係る介護リフターの一使用形態を示すための正面図であり、図2は図1に示す介護リフターの側面図である。図1および図2は、一般家庭の室内における床面上に設置された介護リフターの一実施形態を示し、特に、人体の全重量を吊り上げて異なる位置間を移動し得るように、耐荷重性の架構造に形成した例を示している。
両図において、床面に設置可能な1対の支柱1と、この支柱1に両端が連結されたレール2とによって耐荷重性の架手段50が形成され、この架手段50のレール2に支承されて後述する構造を有したリフター本体3が同レール2に沿って図1の左右方向に走行状態で移動可能に懸架されている。
このリフター本体3には懸吊ベルト4の上下動による吊り上げ動作、吊り下げ動作の駆動源となるモータを備えたベルト懸吊装置3aが取着されており、このベルト懸吊装置3aから合成樹脂材、例えばナイロン材から成る懸吊ベルト4がプーリ4c、4dなどに対して巻き上げ式に引き上げられ、また反対に巻き下げ式に引き下ろされる構成で垂下されている。ベルト懸吊装置3aは、懸吊ベルト4の腿用懸吊ベルト4a、肩用懸吊ベルト4bを各々個別に巻き上げ、繰り出しできるように2つのモータを備え、腿用懸吊ベルト4aと肩用懸吊ベルト4bとを各々異なるモータにて制御している。
上記懸吊ベルト4において一方のベルト4aは一本の腿用懸吊ベルト4aを形成し、この一本の腿用懸吊ベルト4aの下方が二本に分岐する構成を成している。二本に分岐した腿用懸吊ベルト4aは、被懸吊者Mの両腿部の適所(被懸吊者Mの片手が届くほぼ両膝に近い位置)に下端が垂下している。この腿用懸吊ベルト4aは、被懸吊者の下半身部分を懸吊する下半身吊りベルトとして作用する。
また、他方のベルト4bは1対の肩用懸吊ベルト4bを形成し、被懸吊者Mの両方の肩上部の個所に垂下している。この肩用懸吊ベルト4bは、被懸吊者の上半身部分を懸吊する上半身吊りベルトとして作用する。
上記の懸吊ベルト4は、上端側が上記のベルト懸吊装置3aのベルト駆動プーリ4c、4dに止着されて適宜量だけ該プーリ4c、4dの回りに巻回後に下方に垂下しており、下端側には被懸吊者Mによる操作性の良好な結合具、例えば周知のカラビナなどから構成される雄型結合具6a、6bが取付けられている。これらの雄型結合具6a、6bは被懸吊者Mが着衣した衣服型吊り具8の両肩部位と両腿部位とに設けられた対応の雌型結合具7a、7bに結合して、懸吊ベルト4を衣服型吊り具8に被懸吊者Mが片手で簡単に結合できるように形成されている。
図1および図2は、体の片半身あるいは下半身が不自由な身体障害者などの被懸吊者Mが、ベッド10からポータブルトイレ(以下、単にトイレと記す)11aまたは車椅子11bへ自身あるいは介助者の操作で移動し、また戻ってくることが可能なように架手段50のレール2に沿って水平移動する装置として構成されており、図示の状態はベッド10で懸吊ベルト4を結合してから、操作手段(以下、リモコンという)9を被懸吊者M自身が片手で操作してベッド10の上面から上方へ吊り上げられた状態を示している。
上記リモコン9は、例えば赤外線によって後述する本装置の制御部へ信号を送信する赤外線リモコン(図7参照)であり、懸吊ベルト4の吊り上げの実行に対応する「上」ボタン、吊り下げの実行に対応する「下」ボタン、リフター本体3のレール2に沿った右方向への横移動を実行する「右」ボタン、左方向への横移動を実行する「左」ボタンおよび緊急通報を行なう「緊」ボタンの、合計5個のボタンを備えている。
なお、リモコン9は赤外線リモコンに限定されるものではなく本装置の制御部よりリード線を延出させて当該リード線にて信号を送信する有線構造のリモコンとして構成してもよく、また、電波送信式のリモコンとして構成してもよい。
図3は、リフター本体3におけるベルト懸吊装置3aを上面側から見た状態を示している。ベルト懸吊装置3aにはベルト懸吊動作の駆動用の2つの懸吊駆動用モータ22a、22b(以下、モータ22a、22bという)が取付、固定されている。前者のモータ22aは腿用懸吊ベルト4aの懸吊駆動用に設けられ、後者のモータ22bは肩用懸吊ベルト4bの懸吊駆動用に設けられている。
これらのモータ22a、22bはそれぞれ減速機23a、23bおよび軸24a、24bを介して各1つの駆動歯車25a、25bに連結されており、同駆動歯車25a、25bに噛合したベルト駆動歯車26a、26bを介して上記の軸24a、24bと平行に配設された他の軸27a、27bに回転駆動力を伝達し、これらの軸27a、27b上に取付けられているベルト駆動プーリ4c、4d、4dを回転駆動している。
さて、これらのベルト駆動プーリ4c、4d、4dには既述した懸吊ベルト4(腿用懸吊ベルト4a、肩用懸吊ベルト4b、4b)の上端が止着、固定されて周面に掛け渡した後に、下方に垂下させている。
そして、上記の軸24a、24b上に止着された歯車25a、25bは別の小歯車30a、30bを介して回転検出手段となるエンコーダ34a、34bに係合されており、これらのエンコーダ34a、34bから各軸24a、24bの正負方向への回転量を検出し得るように構成され、同エンコーダ34aおよび34bの回転量計測値は、後述する制御部に送信される構成となっている。
ここで、注目すべき点は、エンコーダ34a、34bは、軸24a、24bの回転検出を行うことを介してベルト駆動プーリ4c、4d、4dの回転量を間接的に検出し、従って懸吊ベルト4の巻き上げ量や巻き下げ量をも間接的に検出することができるように構成されていることである。エンコーダ34a、34bによる回転量計測値は懸吊ベルト4の巻き上げ方向への回転を正として出力される。
なお、エンコーダ34a、34bを設けて軸24a、24bの回転量を検出する構成に代えてモータ22a、22b自体にエンコーダを組み込んだサーボモータを用い、同モータ22a、22bの回転量検出を介して軸24a、24bの回転量の検出を行う構成としても良い。
上述したベルト懸吊装置3aの構成から懸吊ベルト4の腿用懸吊ベルト4a、肩用懸吊ベルト4bの上下動による吊り上げ動作、吊り下げ動作を駆動源のモータ22a、22bの作動を制御して駆動できることが容易に理解できよう。しかも、腿用懸吊ベルト4aと肩用懸吊ベルト4bとはそれぞれ独立に駆動される構成を有しており、その吊り上げ量、吊り下げ量がエンコーダ34a、34bから検出できるのである。
ここで、上述した本発明の実施形態に係る介護リフターと組み合わせて用いられる衣服型吊り具の構造について説明する。
図4は被懸吊者Mが着衣した衣服型吊り具の一実施形態を示す図であり、(A)は同衣服型吊り具の正面図であり、(B)は背面図である。図4に示すように、衣服型吊り具8は、半身不随などの原因で日常生活の行動が普通に遂行できない身体障害者のような被懸吊者Mが予め着衣する構造に形成されており、上半身、下半身が被懸吊者Mの体格に合わせた一体型に形成されており、背中側に何らの凹凸がない構造とされ、着用したままベッド10に常時、就寝していても、床ずれなどを起こさないように配慮されて形成されている。
この衣服型吊り具8の被懸吊者Mの側面から見て身体の前方側には、腿部の膝に近い上面個所と、両肩の上部個所との分散された両個所に既述の雌型結合具7aと7bが固着されている。これらの雌型結合具7a、7bは、被懸吊者Mが片手で懸吊ベルト4側の雄型結合具6a、6bと結合操作ができる範囲内の位置に設けられると同時に、後述するようにベッド10(図1、2参照)で身体をやや起こされた状態から懸吊ベルト4で吊り上げられたときに、被懸吊者Mのほぼ全域に分散して吊り上げ力が作用し、被懸吊者Mに吊り上げ力の負担から不快感が生じたり、床ずれの原因とならない位置に選定されている。
つまり、被懸吊者Mの背中全面からでん部周囲と腿の下面にかけての広い範囲で被懸吊者Mが衣服型吊り具8を介して懸吊ベルト4により、吊り上げ、支持されるので被懸吊者Mに圧迫感や窮屈感などの不快感を与えることがないのである。また、雌型結合具7bの一端部は衣服型吊り具8の肩の頂上部位に配置されるが、雌型結合具7bが雄型結合具6bと結合される他端部分は、胸部における片手の可動範囲内に配置されていることから、片手の可動範囲内に配置される雌型結合具7aと共に、雄型結合具6a、6bと衣服型吊り具8とを被懸吊者Mが片手だけを用いて簡単に結合できる点が注目される。
また、図4において、衣服型吊り具8にはさらに被懸吊者Mがトイレ11aの位置に達して用便するときに、自在に開口することができる開口部8aが前後に各穿設されている。この開口部8aは巻きスカート状に構成される開口補助具39により開口自在に形成されている。被懸吊者Mが排泄する際には、開口補助具39を片手操作でたくし上げることにより身体前面あるいは背中側の開口部8aが露出し、用便が可能となる。なお、開口部8aは、衣服型吊り具8の股部分前後にわたって穿設されていてもよい。
上述の図4に示した衣服型吊り具8は、被懸吊者Mの体形に一致させて予め適正な寸法に形成され、両腿上面部位の適所と両肩頂部とに懸吊ベルト4a、4bの雄型結合具6a、6bとの結合用の雌型結合具7a、7b及び開口部8aの開口補助具39とを具備することにより、リフター本体3、ベルト懸吊装置3aと共働して被懸吊者Mの吊り上げ、吊り下ろし、所望位置間の移動を円滑に進行させ得るのである。なお、衣服型吊り具8は予めサイズS、M、Lを決めて形成されており、被懸吊者Mの体型に合わせて適宜のサイズを選択する。
図5は介護リフター本体3の機能を示すブロック構成図である。リフター本体3は、レール2上を走行させるための走行部200と、レール2上でのリフター本体3の現在位置を検出する現在位置検出部300と、赤外線リモコン9からの赤外線を受光する受光部400と、異常が発生した場合にブザー音や光線等にて異常発生を報知する報知部500と、独立な2つのモータ22a、22bにて腿用、肩用それぞれの懸吊ベルト4を独立に制御するベルト懸吊部600と、上記懸吊ベルト4にかかる張力から被懸吊者Mが正常に吊り上げられているか否かを検出する荷重検出部700と、上記3本の懸吊ベルトの繰り出し長を検出する懸吊ベルト繰り出し長検出部800と、被懸吊者Mの衣服型吊り具8に対して腿用懸吊ベルト4aと肩用懸吊ベルト4bとの懸け違いが生じているか否かを検出する懸け違い検出部900と、これらの各部間の動作を制御する制御部100とを含んで構成される。
ここで、図6は、架手段50のレール2に沿って水平移動するための走行部200を示しており、リフター本体3における走行部200とベルト懸吊装置3aとを側面側(図1中右側、図3中下側)から見た状態を示している。図6においては、説明のためベルト懸吊装置3aの各歯車25a、25b、26a、26b、30a、30bを省略して(二点鎖線にて記して)いる。
走行部200は、移動用モータ13(以下モータ13という)、減速機14、軸16および駆動輪19等から構成される。この走行部200は、モータ13に減速機14と軸16を介して駆動輪19を連結し、駆動輪19を回転駆動してレール2に沿ってリフター本体3を走行させる機能を有する。図6において、レール2の側面側及び底面側には、案内輪21が設けられ、リフター本体3がレール2上を移動したときのヨーイング動作とローリング動作を防止している。
制御部100、受光部400、報知部500はそれぞれ本介護リフターの適宜の場所に設けられる。例えば制御部100は、リフター本体3に搭載した電気ボックス内に設けても良い。受光部400は、赤外線リモコン9からの光を受光し易い場所、例えばリフター本体3の外表面に設けられる。報知部500は、介助者がブザー等を機械的に解除できる様に、支柱1の適宜の場所に設けても良い。
現在位置検出部300は、レール2に貼付した反射シール2a(図1参照)を検出するようリフター本体3に搭載されるフォトインタラプタ3b(図6参照)から概略構成されている。反射シール2aは、ベッド10、トイレ11a、車椅子11bといった被懸吊者Mが利用する可能性のある位置に対応するレール2上に貼られており、例えば場所に応じて枚数を変えることによって場所を特定する。即ち、ベッド10上には反射テープを1枚、トイレ11aおよび車椅子11b上には2枚はりつけることによって、フォトインタラプタ3bで反射テープ2aを検出してそれぞれの場所を特定することができる。
このようにリフター本体3の現在位置を特定することにより、吊り上げて移動させた被懸吊者Mが下降可能な場所であるか否かを判定することができ、下降できない場所で下降制御の操作入力があれば報知部500にて異常を報知するなどの制御を行うことができる。
現在位置の検出は、上記以外にも、例えば反射シールの代わりに所望の位置に微弱な電波を送出する発振器を取り付け、これを検知することによっても実現可能である。また、位置を直接検知するのではなく、例えばレール2端部からの移動距離を走行部200の回転数に基づきエンコーダを用いて計測し、これの積算値を用いる事も可能である。
なお、介護リフターの操作を介助者が行う環境であれば、現在位置検出部300を具備しない構成としてもよい。これは、介助者が外部観察によりリフター本体3の現在位置を判別してリフター本体3を移動させることができるからである。また、この場合、介助者が手動にてリフター本体3を押し動かし、レール2に沿ってリフター本体3を移動させることで、走行部200における駆動手段(モータ13、減速機14、軸16、駆動輪19)を不要とすることができ、介護リフターを安価に提供できる。なお、この場合は駆動輪19を案内輪として構成する。
図5に示す荷重検出部700は、懸吊ベルト4にかかる荷重及び懸吊ベルト4の上下限を検出する。図6に荷重検出部700の概略構成を示す。図6において、35aは腿用懸吊ベルト4aの張力検出器を示し、35bは肩用懸吊ベルト4bの張力検出器を示す。これら張力検出器35a、35bは、人体吊り上げ程度の荷重がかかるとONするリミットスイッチにて構成されている。なお本例に限らず、懸吊ベルト4a、4bにかかる張力を直接、いわゆるテンションメーターで検出し、あるいは懸吊ベルト4a、4bを制御するモータのトルクを検出するようにしても良い。本実施形態では、荷重検出部700は、この腿用懸吊ベルト4aのための1個の張力検出器35aと、肩用懸吊ベルトのための2個の張力検出器35b、35bによって、3本のベルトのそれぞれにかかる張力を検出し、これから各ベルトにかかる荷重を検出する様に構成されている。
36aは腿用懸吊ベルト上限検出器であり、腿用懸吊ベルト4a下方に設けられた厚地部37aを検知するリミットスイッチにて腿用懸吊ベルト4aの巻き上げの上限を検出する。また、厚地部37aの下方には、メカニカルストッパー38aが設けられ、上限を超えたベルトの巻き上げを物理的に防止している。また、39aは、腿用懸吊ベルト下限検出器であり、腿用懸吊ベルト4a上方に設けられる上方厚地部(不図示)を検知するリミットスイッチにて腿用懸吊ベルト4aの巻き下げの下限を検出する。同様に、肩用懸吊ベルト4bについても、肩用懸吊ベルト上限検出器36b、厚地部37b、メカニカルストッパー38b、肩用懸吊ベルト下限検出器39bが設けられて、肩用懸吊ベルト4bの上限下限を検出する。
なお、懸吊ベルト4の上限下限の検出は、懸吊ベルト4の下方および上方に貼付した反射シールをフォトインタラプタで検出することにより、ベルトの巻き上げ上限および巻き下げ下限を検出するようにしてもよい。
図5に示す懸け違い検出部900は、腿用懸吊ベルト4aと肩用懸吊ベルト4bとの懸け違いを検出する。図6に懸け違い検出部900の概略構成を示す。40aは、腿用ベルト掛け違い検出器であり、腿用懸吊ベルト4aが被懸吊者Mの肩方向(図6中右方向)に傾いた状態になるとONするリミットスイッチにて構成される。同様に、肩用懸吊ベルト4bが被懸吊者Mの腿方向(図6中左方向)に傾いた状態になるとONするリミットスイッチにて構成された肩用ベルト掛け違い検出器40bが設けられている。
ここで、腿用ベルト掛け違い検出器40aは、ベルト懸吊装置3aにおける下方で、かつ腿用懸吊ベルト4aに対し肩用懸吊ベルト4b側となる近傍位置に配置されている。また、肩用ベルト掛け違い検出器40bは、ベルト懸吊装置3aにおける下方で、かつ肩用懸吊ベルト4bに対し腿用懸吊ベルト4a側となる近傍位置に配置されている。
図5に示すベルト懸吊部600は、図1に示すベルト懸吊装置3aで構成される。ベルト懸吊部600は、制御部100からの制御信号を受けてモータ22a、22bを駆動し懸吊ベルトを巻き上げ巻き下げする。ベルト懸吊部600は、制御部100に巻き上げ制御されているときには、制御の対象となるモータ22a、22bを巻き上げ方向に回転駆動し、巻き下げ制御されているときは制御の対象となるモータ22a、22bを巻き下げ方向に回転駆動する。
懸吊ベルト繰り出し長検出部800は、懸吊ベルト4の繰り出し長を検出する手段である。懸吊ベルト4の繰り出しはベルト駆動プーリ4c、4dにより懸吊ベルト4が巻き下げられて行われるために、懸吊ベルト繰り出し長検出部800は、懸吊ベルト4の巻き上げ量を検出する巻き上げ量検出手段としても作用する。この懸吊ベルト繰り出し長検出部800は、図3に示すエンコーダ34a、34bで構成され、これら各エンコーダにより腿用懸吊ベルト4aと肩用懸吊ベルト4bの繰り出し長が検出される。
図7は図1に示す赤外線リモコン9のブロック構成図である。赤外線リモコン9は、図示する様に、上昇移動「上」、下降移動「下」、右移動「右」、左移動「左」、緊急通報「緊」の計5つの指示に対応した操作信号を形成する操作ボタン91〜95と、この操作信号を赤外線にて送信するための投光部96および操作信号に対応した光信号が形成されるようにこの投光部96を制御する制御部97とから構成される。
これらの操作ボタンは、被懸吊者Mがボタンを押している場合のみ信号が発信されるように構成されており、それによってオン、オフボタンの省略を可能としている。その結果、赤外線リモコン9のコントールパネル(図1参照)上には必要最小限の上記5個の操作ボタンのみが配置されることとなり、被懸吊者Mにとってボタン選択操作が容易になっている。
図8は図5に示す制御部100の詳細を示すブロック構成図である。制御部100は、現在位置認識手段101と、吊り上げ高判定手段102と、荷重判定手段103と、操作信号処理手段104と、姿勢検出手段105と、制御パターン記憶手段106と、制御パターン選択設定手段107と、モータ異常判定手段108と、懸け違い判定手段109と、走行制御手段111と、肩用懸吊ベルト制御手段112と、腿用懸吊ベルト制御手段113と、報知制御手段114と、制御手段120とを含んで構成される。
現在位置認識手段101は、現在位置検出部300からの信号に基づき、レール2上の吊り上げ、吊り下げ可能位置に貼られた反射シール2aからの反射光のパターンに応じて、リフター本体3の現在位置を認識する。
吊り上げ高判定手段102は、懸吊ベルト繰り出し長検出部800から出力される懸吊ベルトの繰り出し長さを示す出力信号から、懸吊ベルト4下端の高さを判定する。また、被懸吊者Mを吊り上げるときに、吊り上げ高さが予め設定した高さ未満であるかどうかを判定する。
荷重判定手段103は、荷重検出部700で懸吊ベルト4a、4bにかかっている張力が所定値以上であるかどうかを検出することにより各懸吊ベルト4a、4bに人体各部の荷重がかかっているか否かを判定する。また、荷重判定手段103は、懸吊ベルト4a、4bの内の1本またはそれ以上のものの張力が他のベルトに比べて異常に小さくなって、ベルト間のバランスが崩れた場合、又は、1本または複数のベルトに人体吊り上げ時以上の張力がかかった場合に荷重異常を判定する。
操作信号処理手段104は、受光部400を介して赤外線リモコン9から操作信号の入力を受け、どのボタンが押されたかを認識し、制御手段120に制御信号を出力する。
姿勢検出手段105は、被懸吊者Mを吊り上げるときに、荷重判定手段103の判定結果より各懸吊ベルト4a、4bにかかる張力から被懸吊者Mの姿勢(臥寝姿勢、座位姿勢)を検出する。例えば、各懸吊ベルト4に張力が発生したときに、肩用懸吊ベルト4b下端の高さが腿用懸吊ベルト4a下端の高さよりも所定以上高ければ座位姿勢と判定し、腿用懸吊ベルト4aと肩用懸吊ベルト4bの下端高さが同程度であれば臥寝姿勢と判定する。
制御パターン記憶手段106は、リフター本体3による被懸吊者Mの昇降制御に関して被懸吊者Mの姿勢に応じた複数の制御パターンが記憶されている。
制御パターン選択設定手段107は、姿勢検出手段105により検出された結果をもとに、上記複数の制御パターンの中から、吊り上げ、吊り下げなどの制御動作や姿勢に応じて制御パターンを選択し設定する。
モータ異常判定手段108は、腿用および肩用懸吊ベルト制御手段113、112より出力される腿用および肩用懸吊ベルト4a、4bの制御信号と、懸吊ベルト繰り出し長検出部800(エンコーダ34a、34b)にて検出されるベルト駆動プーリ4c、4d、4dの回転方向と回転量とを比較してモータ22a、22bに異常が発生しているか否かを判定する。モータ異常判定手段108によりモータ22a、22bの何れか一方または両方に異常が発生していることが検出されると、以降リモコン9による「上」ボタンの操作信号の入力を受けても動作しないよう制御部100の各部が制御される。
腿用および肩用懸吊ベルト制御手段113、112は、腿用および肩用懸吊ベルト4a、4bの巻き上げ巻き下げを制御する手段であって、制御パターン選択設定手段107にて設定された制御パターンに従って、ベルト懸吊部600に制御信号を出力して腿用および肩用懸吊ベルト4a、4bを制御する。即ち、ベルト懸吊部600に巻き上げ制御信号を出力して懸吊ベルト4を巻き上げ制御し、巻き下げ制御信号を出力して懸吊ベルト4を巻き下げる。
なお、ベルト懸吊部600に出力される巻き上げ又は巻き下げ制御信号は、巻き上げ又は巻き下げ制御中に継続して出力されていてもよく、巻き上げ又は巻き下げ制御のスタート時のみ出力されてもよい。
走行制御手段111は、走行部200を制御してレール2上の移動走行を制御する。報知制御手段114は、異常時に報知部500を駆動して音や光によって異常を報知する。制御手段120は、上記各手段の動作全体を制御する。
以上に説明した本発明の1実施形態にかかる介護リフターに関して、以下にその動作を説明する。
まず、介護リフターの初期設定について述べる。本介護リフターには、被懸吊者Mの体格に応じた衣服型吊り具8のサイズ、上昇・下降速度および横移動速度、横移動可能な高さといった種々のパラメータを初期設定するディップスイッチ(図示せず)が設けられていて、初期設定がなされる。この初期設定は通常、本装置を利用者宅に設置する際に設置者が設定するものであり、日常の使用時に被懸吊者Mやその介助者が設定する必要はない。
上記パラメータのうち、上昇・下降速度や横移動速度に関しては、被懸吊者Mが恐怖を感じない程度の速度に設定する。また、被懸吊者Mの体格に関しては、例えばS、M、Lといった衣服型吊り具8のサイズに合わせてディップスイッチを設定する。衣服型吊り具8のサイズが設定されると、この衣服型吊り具8のサイズに合わせて後述する吊り上げ・吊り下げ時に用いる制御パラメータ、具体的には懸吊ベルト4の各種繰り出し長が変更される。
次に、本介護リフター本体の基本動作について図5を参照しながら説明する。本介護リフター本体3の電源がONにされると、最初に懸吊ベルト繰り出し長さの初期設定が行なわれる。まず荷重検出部700において懸吊ベルト4の張力を検出し、人体が吊られていないことを確認した後に、ベルト懸吊部600を作動させて腿および肩用懸吊ベルト4a、4bの厚地部37a、37bが検出されるまで各ベルトを巻き上げる。腿用および肩用懸吊ベルト上限検出器36a、36bにて厚地部37a、37bが検出された位置を懸吊ベルト繰り出し長検出部800において検出し、その値を懸吊ベルト4の繰り出し長原点とする。
繰り出し長検出部800は、この懸吊ベルトの繰り出し長原点を基準にして後述する吊り上げ・吊り下げ時における腿用懸吊ベルト吊り上げ高さ(下端高さ)、肩用懸吊ベルト吊り上げ高さ(下端高さ)を検出する。
懸吊ベルト繰り出し長さの初期設定が終了すると、介護リフター本体3は赤外線リモコン9の入力待ちとなる。赤外線リモコン9には、前述したように「上(上昇移動)」、「下(下降移動)」、「左(左移動)」、「右(右移動)」、「緊(緊急)」の5つのボタンがある。また、介護リフター本体3は何れかの操作ボタンを押下している間のみ動作する。この事により、被懸吊者Mに何か突発的なトラブルが生じた場合でも、ボタンを離した時点で介護リフター本体3の動作が停止することにより2次的な被害の発生を防ぐことができる。
介護リフター本体3は被懸吊者Mが通常過ごしているベッド10の上で、懸吊ベルト4を巻き上げた状態で待機している。これは、被懸吊者Mは通常ベッドに横になっており、トイレや車椅子に移乗する際にこの介護リフターを利用するため、介護リフターをベッド10上で待機させることによって被懸吊者Mからの要求に迅速に対応できるためである。
これより、被懸吊者Mのベッド10からの吊り上げおよび吊り下げ動作について説明する。
介護リフターの操作者としては、被懸吊者Mまたは介助者が考えられるが、本例では被懸吊者Mが介護リフターを操作する例について説明する。まず、被懸吊者Mは、赤外線リモコン9の「下」ボタンを押下し、被懸吊者Mが着ている衣服型吊り具8に容易に接続できる高さまで懸吊ベルト4を降下させる。懸吊ベルト4が所望の高さまで降下すると被懸吊者Mは懸吊ベルト4を身につけている衣服型吊り具8の両肩両腿計4箇所に接続する。
懸吊ベルト4と衣服型吊り具8との接続が終了し、被懸吊者Mが「上」ボタンを押すと制御部100は吊り上げ制御を開始する。以後、被懸吊者Mによって赤外線リモコン9の「上」ボタンが押され続けているものと仮定して、被懸吊者Mの吊り上げ時の制御について説明する。
制御部100は、腿用懸吊ベルト4aと肩用懸吊ベルト4bの各懸吊ベルト4に発生する張力によって被懸吊者Mの姿勢(例えば臥寝姿勢または座位姿勢)を判別し、姿勢に応じて各懸吊ベルト4の巻き上げタイミングを制御する。具体的には、腿用懸吊ベルト4aにより被懸吊者Mの大腿部に十分な張力を発生させた後に、腿用懸吊ベルト4aと肩用懸吊ベルト4bの双方を巻き上げ制御して被懸吊者Mを吊り上げる。これにより、衣服型吊り上げ具8が肩側方向にずれるのを防止して被懸吊者Mに肉体的負担のかけないようにしている。そして、制御部100は、被懸吊者Mの吊り上げ高さが所定高さに達したことを検知すると、吊り上げ制御を終了する。
次に介護リフターに吊り上げられた被懸吊者Mのベッド10とトイレ11aまたは車椅子11b間の横移動制御について説明する。被懸吊者Mが赤外線リモコン9の「左」または「右」ボタンを押すと、制御部100は、被懸吊者Mの吊り上げ高さが所定高さ即ち横移動可能な高さに達しているか否かを懸吊ベルト繰り出し長さを基に判断し、横移動可能高さまで吊り上がっている場合には、押下されたボタンに従い、押下されている間リフター本体3をレール2上の「右」あるいは「左」に移動させる。
次に、吊り下げ制御について説明する。
制御部100は、赤外線リモコン9の「下」ボタンが押下されると吊り下げ制御を開始する。このとき、リフター本体3の現在位置を確認して、その位置がベッド10あるいはトイレ11aや車椅子11b上など安全に吊り下げることが可能な位置であることを確認して、安全に吊り下げることができない位置であれば、被懸吊者Mに対してブザーなどの警報を発して吊り下げできない旨を報知する。以降「下」ボタンが押され続けているものと仮定して被懸吊者Mの吊り下げ制御について説明する。
まず、肩用及び腿用ベルト4a、4b双方に張力があるか否か、すなわち荷重がかかっているか否かを判定する。肩用及び腿用ベルト双方に荷重がかかっている場合は被懸吊者Mを吊り上げた状態であることを判別し、各懸吊ベルトの張力がなくなるまで張力を有しているベルトを繰り出して被懸吊者Mを着座させる。また、何れかの懸吊ベルトのみに張力がかかっていれば、この懸吊ベルトの張力がなくなるまで張力を有しているベルトを繰り出して被懸吊者Mを着座させる。また、全ての懸吊ベルト4に張力がかかっていなければ「下」ボタンの押下が終了するまで、または、「下」ボタンが押下され続けていれば懸吊ベルト4の巻き下げ下限に達するまで、懸吊ベルト4を巻き下げる。
図9、図10は、装置の作動時、特に吊り上げ制御時に緊急事態の発生を判定する制御を示すフローチャートである。なおこれらの制御により緊急事態が発生していると判定された場合、以下に示す安全確保の制御が制御部100の制御手段120において割り込み処理として他の処理に優先して実行される。先ず図9に示す制御について説明する。
図9は、モータ異常判定手段108にて実行される、懸吊駆動用モータ22a、22bの異常判定処理を示している。ここでは、腿用懸吊ベルト4a駆動用のモータ22aの異常判定処理を例に説明するが、肩用懸吊ベルト4b駆動用のモータ22bについても、エンコーダ34bの計測値を用いて同様の処理が並列に実行されている。
モータ異常判定手段108は、介護リフターの電源が投入され処理が開始されると異常判定用のカウンタmとnとをリセットする(ステップST1)。カウンタmはモータ22aの停止判定の連続数を計数するもので、カウンタnはモータ22aの反転動作判定の連続数を計数するものである。そして、腿用懸吊ベルト制御手段113によりベルト懸吊部600が腿用懸吊ベルト4aの巻き上げ制御を指示されているか否かを判別する(ステップST2)。
腿用懸吊ベルト4aの巻き上げ制御が指示されていれば(ステップST2−Yes)、懸吊ベルト繰り出し長検出部800より腿用懸吊ベルト4aの繰り出し長(巻き上げ量)の変動量を取得する。即ち、単位時間(例えば100ms程度)あたりのベルト駆動プーリ4cの回転量となるエンコーダ34aの計測値を取得する(ステップST3)。上述したようにエンコーダ34aの計測値は懸吊ベルトの巻き上げ方向への回転(巻き上げ量の増加)を正、巻き下げ方向への回転(巻き上げ量の減少)を負として出力される。
ステップST3にて取得したエンコーダ34aの計測値(ベルト駆動プーリ4cの回転量)が、予め設定されたモータ停止判定用のしきい値X以上であれば(ステップST4−Yes)、正常に被懸吊者の吊り上げ制御が行われていると判定して(ステップST5)、ステップST1に処理を戻しカウンタmとnとをリセットする。
他方、ステップST3にて取得したエンコーダ34aの計測値が、しきい値X未満であれば(ステップST4−No)、次に、エンコーダ34aの計測値が予め設定されたモータ反転動作判定用のしきい値Y以上であるか否かを判定する(ステップST7)ここで、停止判定用のしきい値Xと、反転動作判定用のしきい値Yは、しきい値X≧0>しきい値Y、を満たす値として予め設定されている。
ステップST7において、エンコーダ34aの計測値がしきい値Y以上であれば(ステップST7−Yes)、カウンタmに1を加えるとともにカウンタnをリセットして(ステップST8)、カウンタmの値をしきい値MThと比較する(ステップST9)。しきい値MTh以上であればステップST10に進み、しきい値Mth未満であればステップST2に処理を戻す。
ここで、ステップST8からステップST9にかかる処理は、ベルト懸吊部600が巻き上げ制御されているときに、エンコーダ34aの計測値、即ちベルト駆動プーリ4cの回転量が、モータ停止判定用のしきい値X未満であり且つモータ反転動作判定用のしきい値Y以上であるとの判定が連続してMth回発生したか否か判別することを意味している。
そして、連続してMth回発生していればモータ22aが巻き上げ方向へ回転しない異常(モータ停止異常)が発生したと判定する。(ステップST10)。
他方、ステップST7において、エンコーダ34aの計測値がしきい値Y未満であれば(ステップST7−No)、カウンタnに1を加えるとともにカウンタmをリセットして(ステップST11)、カウンタnの値をしきい値NThと比較する(ステップST12)。しきい値NTh以上であればステップST13に進み、しきい値Nth未満であればステップST2に処理を戻す。
ここで、ステップST11からステップST12にかかる処理は、ベルト懸吊部600が巻き上げ制御されているときに、エンコーダ34aの計測値、即ちベルト駆動プーリ4cの回転量が、モータ反転動作判定用のしきい値Y未満であるとの判定が連続してNth回発生したか否か判別することを意味している。
そして、連続してNth回発生していればモータ22aが巻き下げ方向へ回転する異常(モータ反転異常)が発生したと判定する(ステップST13)。
制御手段120は、モータ停止異常またはモータ反転異常と判定されると、ベルト懸吊部600に各懸吊ベルト4の吊り上げ制御を停止する制御信号を出力して、報知部500により異常発生を外部に報知する。
そして、制御手段120は、「上」操作信号禁止制御を開始する。「上」操作信号禁止制御を開始すると、以降、リモコン9の「上」ボタン押下の操作信号による制御を禁止する。
即ち、図9のフローチャートのステップST10またはST13においてモータ停止異常またはモータ反転異常と判定された場合、モータ22aはトルク不足などの要因により被懸吊者Mを正常に吊り上げることが困難な状態であり、この場合、リモコン9からの上昇入力による制御を禁止することで、被懸吊者Mの安全を確保している。また、リモコン9からの他の操作信号による制御入力は受け付けられるので、「下」ボタンの押下により被懸吊者Mを下降させて宙吊り状態を防止することができる。
続いて、制御手段120は、異常が復旧したか否かを判定する。ここで、復旧と判定する場合としては、リフター本体3に設けられたディップスイッチが押下された場合や、各懸吊ベルト4にかかる張力がなくなった場合などである。そして、制御手段120は、異常の復旧と判定すると、「上」操作信号禁止制御を終了し、図9のフローチャートの処理を再スタートさせる。
このように、本実施形態の介護リフターによれば、経年変化などによりモータのパワーが劣化している場合など、被懸吊者Mの上昇指示を入力しているにも拘らず、被懸吊者Mの体重にモータのトルクが負けてしまい、吊り上げ動作中にモータが反転動作してしまう場合であっても被懸吊者Mの安全を確保することが可能となる。
次に、図10に示す制御について説明する。図10は、懸け違い判定手段109にて実行される、腿用懸吊ベルト4aと肩用懸吊ベルト4bの懸け違い異常判定処理を示している。
まず、懸け違い判定手段109は、電源が投入され処理が開始されると、腿用または肩用懸吊ベルト制御手段113、112より、ベルト懸吊部600が懸吊ベルト4の巻き上げ制御を指示されているか否かを判別する(ステップST50)。そして、巻き上げ制御が指示されていれば、懸け違い検出部900の検出結果を取得する。即ち、懸け違い検出器40a、40bの状態を検出する(ステップST51)。懸け違い検出器40a、40bが全てOFFであれば、正常と判定してステップST50に処理を戻す。
他方、何れかの懸け違い検出器40a、40bがONとなっていれば、または全ての懸け違い検出器40a、40bがONとなっていれば(ステップST51−No)、ステップST52に進み、懸吊ベルト4の懸け違い異常が発生したと判定する。
ここで、ステップST50からステップST52にかかる処理は、懸吊ベルト4に張力が発生する状況において、懸け違い検出器40a、40bがONされているか否か判別することを意味している。つまり、懸吊ベルト4に張力が発生しない状況においては、懸吊ベルト4を衣服型吊り具8に接続するときの取り回しにより、一時的に当接するなどして懸け違い検出器40a、40bがONされることがあり、ステップST50からステップST52にかかる処理により、このような場合の誤報を防止している。
なお、本実施形態では、ステップST50において、懸吊ベルト4の巻き上げ制御中か否かにより判定を異にする例について説明したがこれに限定されない。即ち、ここでは、被懸吊者Mの吊り上げ中であるか否かが判別できればよく(吊が上げ中であればステップST51へ進み、吊り上げ中でなければステップST50に戻る)、その判別手法は、巻き上げ制御中か否かの判断に限定されない。例えば、荷重判定手段103により判定された懸吊ベルト4にかかる荷重から被懸吊者Mの吊り上げ中か否かを判別してもよく、吊り上げ高判定手段102にて判定された懸吊ベルト4下端の高さから被懸吊者Mの吊り上げ中か否かを判別してもよい。また、懸吊ベルト4にかかる荷重及び懸吊ベルト4下端の高さから被懸吊者Mの吊り上げ中か否かを判別してもよい。
制御手段120は、懸け違い異常が発生したと判定されると、ベルト懸吊部600に各懸吊ベルト4の吊り上げ制御を停止する制御信号を出力して、報知部500により異常発生を外部に報知する。
そして、制御手段120は、ベルト懸吊部600に腿用および肩用懸吊ベルト4a、4bを巻き下げる制御信号を出力し、吊り下げ制御を開始する。次に、制御手段120は、各懸吊ベルト4の張力がなくなったか否か、即ち下降が完了したか否か判定する。そして、下降が完了していればステップST50に処理を戻す。
このように、本実施形態による介護リフターによれば、腿用懸吊ベルト4aと肩用懸吊ベルト4bとを掛け違えたまま吊り上げされることを防止して、被懸吊者Mの安全を確保することが可能となる。
なお、本実施形態においては、図10のフローチャートで異常と判定された場合、異常報知した後に下降制御する例について説明したが、これに限定されない。例えば、介助者により介護リフターが操作されている場合には、自動的に下降制御するよりも、介助者の判断により異常への対応をとることが好ましいことがあり、このような場合、下降制御をすることなく、動作を停止したままとした処理としてもよい。
本発明の実施形態に係る介護リフターの一使用形態を示すための正面図 同介護リフターの側面図 リフター本体におけるベルト懸吊装置を上面側から見た図 被懸吊者が着衣した衣服型吊り具の一実施形態を示す図 リフター本体の構成を示すブロック図 リフター本体における走行部とベルト懸吊装置とを側面側から見た図 赤外線リモコンの構成を示すブロック図 制御部の構成を示すブロック図 懸吊駆動用モータの異常判定処理を示すフローチャート 懸け違い異常判定処理を示すフローチャート
符号の説明
1 支柱
2 レール
2a 反射シール
3 介護リフター本体
3a ベルト懸吊装置
3b フォトインタラプタ
4 懸吊ベルト
4a 腿用懸吊ベルト
4b 肩用懸吊ベルト
4c 腿用懸吊ベルト用ベルト駆動プーリ
4d 肩用懸吊ベルト用ベルト駆動プーリ
8 衣服型吊り具
9 リモコン
10 ベッド
11a ポータブルトイレ
11b 車椅子
13 移動用モータ
22a 腿用懸吊ベルトの懸吊駆動用モータ
22b 肩用懸吊ベルトの懸吊駆動用モータ
34a 腿用懸吊ベルト用エンコーダ
34b 肩用懸吊ベルト用エンコーダ
40a 腿用懸吊ベルト用懸け違い検出器
40b 肩用懸吊ベルト用懸け違い検出器
M 被懸吊者
100 制御部
108 モータ異常判定手段
109 懸け違い判定手段
120 制御手段
600 ベルト懸吊部
700 荷重検出部
800 懸吊ベルト繰り出し長検出部
900 懸け違い検出部

Claims (3)

  1. 懸吊ベルトと、該懸吊ベルトを巻き上げるモータと、操作手段からの入力に基づき前記モータを駆動する制御部とを備え、前記懸吊ベルトを巻き上げて被懸吊者を吊り上げる介護リフターであって、
    前記モータによる前記懸吊ベルトの巻き上げ量を検出する巻き上げ量検出手段と、
    前記制御部が前記モータを巻き上げ方向に駆動制御しているときに前記巻き上げ量検出手段にて検出される前記巻き上げ量の所定時間内での増加が所定値以下であれば異常と判定するモータ異常判定手段とを備えたことを特徴とする介護リフター。
  2. 更に、前記モータにより回転されて前記懸吊ベルトを巻き上げるベルト駆動プーリを備え、
    前記巻き上げ量検出手段は、前記ベルト駆動プーリの回転量を検出する回転検出手段を備えて、
    前記モータ異常判定手段は、前記制御部が前記モータを巻き上げ方向に駆動制御しているときに前記ベルト駆動プーリの巻き上げ方向への回転量が所定値以下であれば異常と判定する請求項1記載の介護リフター。
  3. 前記制御部は、前記モータ異常判定手段にて異常と判定されると、前記操作手段から前記モータの巻き上げに係る操作信号の入力を受けても前記モータの制御を禁止する請求項1または2に記載の介護リフター。

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